(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インペラの外端における上端と、前記環状突壁の軸方向の下端との軸方向の距離L3は、前記羽根の軸方向の寸法L4の5分の1以下である、請求項1または2に記載のファン装置。
前記インペラの外端における上端と、前記環状突壁の軸方向の下端との軸方向の距離L3は、前記環状連結体の軸方向の寸法の2倍より小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載のファン装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るファン装置について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺、数等が、実際の構造と異なる場合がある。
【0010】
以下の説明においては、中心軸J1に沿う方向を軸方向とし、中心軸J1に直交する方向を径方向とし、回転方向に沿う方向を周方向と称する。軸方向を上下方向とし、カップ部に対してガード部材側を上側として各部の形状または位置関係を説明する。ただし、これは、説明の便宜のために上下方向を定義したに過ぎず、本発明に係るファン装置の、使用時の向きを限定しない。
【0011】
図1は、本実施形態のファン装置100を示す断面図である。
図2は、ファン装置100の一部を拡大して示す断面図である。
図3は、ファン装置100のインペラ10を示す斜視図である。
図4は、ファン装置100を示す分解斜視図である。
図5は、ファン装置100を示す平面図である。
【0012】
図1に示すように、ファン装置100は、インペラ10と、インペラ10を回転させるモータ部20と、インペラ10を収納するハウジング30と、を備える。ファン装置100は、インペラ10によって、空気を遠心力により径方向外方に送り出す遠心ファンである。以下、各部について詳細に説明する。
【0013】
[モータ部]
モータ部20は、図示しないモータ本体と、モータ本体を収容するモータハウジング12と、を有する。モータ部20は、軸方向に延びる回転軸11を有する。モータ部20は、モータ本体の駆動により中心軸J1回りにインペラ10を回転させる。
モータ本体は、例えば、固定組立体であるステータ部と、回転組立体であるロータ部とを備えた構造を採用することができる。ロータ部は、例えばステータ部に対して中心軸J1回りに回転可能である。
【0014】
[インペラ]
図1および
図3に示すように、インペラ10は、カップ部1と、羽根2と、延出部3と、を備えている。
カップ部1は、円形の天板部5と円筒形の筒部6とを有する有蓋円筒状である。筒部6は天板部5の周縁5aから下向に延びる。カップ部1の内部空間7には、モータ部20の少なくとも一部が収容される。
天板部5は、例えば中心軸J1に対して垂直または略垂直である。天板部5は回転軸11に固定される。このため、モータ部20の駆動によりインペラ10は回転する。
【0015】
延出部3は、円環板状である。延出部3は、カップ部1の筒部6の下端部から径方向外方に延びて羽根2の下端部に固定される。延出部3によってカップ部1と羽根2とは互いに連結される。そのため、カップ部1と羽根2とは、前記モータ本体の駆動により中心軸J1回りに回転する。
【0016】
複数の羽根2は延出部3の外周縁部から上方に延びている。複数の羽根2は周方向に間隔をおいて配列される。羽根2は、カップ部1の径方向外方に、カップ部1から離れて設けられる。
羽根2は、モータ部20により中心軸J1回りに回転することによって、空気を遠心力により径方向外方に送り出す。
【0017】
[ハウジング]
図1および
図4に示すように、ハウジング30は、インペラ10の下側および側方を囲む本体部21と、インペラ10の上側に設けられたガード部材22と、を有している。
【0018】
(本体部)
本体部21は、底壁部13と、側壁部14と、上壁部15と、を備えている。
底壁部13は、例えば平面視矩形の板状である。底壁部13の上面13aにはモータ部20が設置される。
【0019】
側壁部14は、底壁部13の周縁部に設けられている。側壁部14はインペラ10を側方から囲む。本実施形態では、側壁部14は、平面視矩形の底壁部13の4辺からそれぞれ上方に延びる4つの平板状の側板14aからなる矩形筒状である。
4つの側板14aのうちの1つである側板14a1は、外部空間17に向けて開放される複数の排気口16を有する。詳しくは、側板14a1は、例えば中心軸J1に垂直な複数のリブ14bを有する。複数のリブ14bの隙間はスリット状の排気口16である。
排気口16は、インペラ10によって送り出された空気を外部空間17に排出することができる。排気口16によって、インペラ10の側部の少なくとも一部は外部空間17に開放される。
【0020】
上壁部15は、側壁部14の上端部に設けられている。上壁部15は、例えば平面視矩形の板状である。上壁部15は、空気を取り入れる開口18を有する。本実施形態では、開口18は、中心が中心軸J1と一致し、内径がインペラ10の外径より大きい円形である。このため、
図4に示すように、ガード部材22を本体部21から外した状態では、インペラ10は開口18を通して外部空間17に開放される。
【0021】
(ガード部材)
図1、
図2および
図4に示すように、ガード部材22は、本体部21の上側に設けられる。ガード部材22は、ガード部材本体40と、ガード部材本体40の下面から下方に突出する環状突壁43と、を有する。
ガード部材本体40は、基板部41と、基板部41の周縁部から上方に突出する側壁部42と、複数のリブ23と、を有する。ガード部材本体40は、複数のリブ23により複数の吸気口24をなす。
【0022】
基板部41は、例えば平面視円形の板状である。基板部41は、空気を取り入れる開口45を有する。開口45は、例えば中心が中心軸J1と一致する円形である。
また、基板部41の機械的強度を向上するために、開口45の周縁部に、基板部41の上面から上方に突出する環状凸部が設けられてもよい。
【0023】
基板部41の上面には、複数のフィルタ支持部46が設けられている。すなわち、ハウジング30の上面には、フィルタ支持部46が設けられている。フィルタ支持部46は、開口45の径方向外方に設けられている。フィルタ支持部46は、吸気口24から導入される空気が通過するフィルタ47を支持する。
フィルタ支持部46は、例えば矩形板状である。フィルタ支持部46は、基板部41の上面から上方に突出する。
【0024】
本実施形態において、フィルタ支持部46は径方向に沿って延びる。フィルタ支持部46は、例えば後述する第2リブ26を径方向外方に延長した延長線上に設けられる。複数のフィルタ支持部46は、例えば周方向に等間隔に設けられる。フィルタ支持部46は、例えば径方向外方の端部が側壁部42に達している。なお、フィルタ支持部46の形状は図示した例に限定されず、半円形、三角形などの板状としてもよい。
【0025】
フィルタ支持部46によって、フィルタ47を、後述するリブ23から間隔をおいて支持できる。間隔をおくことにより、空気が流れやすくなるため、フィルタ47とガード部材22との間における空気の流れに対する抵抗(以下、流通抵抗という。)を低減できる。また、フィルタ支持部46は開口45の径方向外方に設けられるため、開口45を通して吸引される空気の流通を阻害することはない。
【0026】
側壁部42は例えば円形枠状である。本実施形態における側壁部42は、平面視円形の基板部41の周縁から上方に延びる。なお、基板部41を矩形板状とし、側壁部42を矩形枠状としてもよい。
【0027】
環状突壁43は基板部41の下面41aから下方に延びる。環状突壁43は、例えば円筒状である。環状突壁43は本体部21の開口18に挿入される。
図2に示すように、環状突壁43は少なくともインペラ10の上端を周方向に囲む。環状突壁43の下端43bの下端面43cは、例えば軸方向に垂直な面に沿う。
【0028】
本実施形態におけるガード部材22は、基板部41の下面41aを上壁部15の上面に重ねた状態で、本体部21上に設置される。
ガード部材22は、例えば樹脂により単一の部材として作製することができる。
また、ガード部材22と上壁部15とが、樹脂により単一の部材として作製されてもよい。
【0029】
図4に示すように、リブ23は、複数の第1リブ25と、複数の第2リブ26と、内周リブ34と、を有する。
内周リブ34は、例えば中心軸J1を中心とした円環状である。内周リブ34は、最も中心軸J1に近い第1リブ25の径方向内方に設けられている。
【0030】
複数の第1リブ25は、例えば中心軸J1を中心とした円環状である。複数の第1リブ25は、各々径方向に間隔をおいて設けられている。本実施形態では、複数の第1リブ25は、例えば径方向に等間隔に設けられている。
図2に示すように、第1リブ25は、例えば上下方向に沿う板状である。
【0031】
複数の第2リブ26は、径方向に延びる直線状である。複数の第2リブ26のうちの一部の第2リブ26は、例えば、内周リブ34から開口45の内周縁部にかけて設けられる。複数の第2リブ26は、各々周方向に間隔をおいて設けられている。すなわち、本実施形態では、複数の第2リブ26は、平面視において、吸気口である開口45の略中央部から径方向外方に向かって放射状に延びる形状である。複数の第2リブ26は、例えば周方向に等間隔に設けられる。なお、第2リブ26は、中心軸J1から径方向に延びる形状でもよい。
【0032】
第2リブ26は、第1リブ25と交差する箇所において第1リブ25と接合されている。これによって、第2リブ26は複数の第1リブ25を互いに連結する。
図4に示すように、第2リブ26は、例えば上下方向(軸方向)に沿う板状である。
第1リブ25と第2リブ26とは、例えば単一の部材である。
【0033】
図5に示すように、吸気口24は、第1リブ25と第2リブ26と内周リブ34との間に確保された開口である。吸気口24は、例えば径方向に隣り合う2つの第1リブ25と、周方向に隣り合う2つの第2リブ26とによって区画された平面視扇形の開口である。
【0034】
図1および
図4に示すように、第2リブ26には、フィルタ47を支持するフィルタ支持部48が設けられている。本実施形態においてフィルタ支持部48は、複数の第2リブ26のうち内周リブ34と接続されている第2リブ26に設けられている。フィルタ支持部48は、第2リブ26の上縁26bの径方向内方の端部から、上方に突出している。フィルタ支持部48の径方向内方の端部は、例えば、後述する中央フィルタ支持部49と接続されている。フィルタ支持部48の径方向外方の端部は、例えば、最も径方向内方の第1リブ25の径方向外方の端部と、径方向において同じ位置に設けられている。フィルタ支持部48は、例えば矩形板状である。なお、フィルタ支持部48の形状はこの例に限定されず、半円形、三角形などの板状としてもよい。
フィルタ支持部48によって、フィルタ47をリブ23から間隔をおいて支持できるため、空気の流通抵抗を低減できる。
【0035】
また、
図1および
図4に示すように、内周リブ34の上縁には、フィルタ47を支持する中央フィルタ支持部49が設けられていてもよい。すなわち、リブ23には、中央フィルタ支持部49が設けられていてもよい。中央フィルタ支持部49は、内周リブ34の上縁から上方に突出する。中央フィルタ支持部49は、例えば中心軸J1を中心軸とした円筒状である。中央フィルタ支持部49は、平面視において、吸気口である開口45の略中央部に位置する。
【0036】
なお、中央フィルタ支持部49の形状はこの例に限定されず、半円形、三角形などの板状としてもよい。中央フィルタ支持部49は、第1リブ25または第2リブ26の上縁に設けられてもよい。
中央フィルタ支持部49は、フィルタ47をリブ23から間隔をおいて支持できるため、空気の流通抵抗を低減できる。
【0037】
以下、
図2を参照しつつ、インペラ10およびガード部材22の寸法および相対位置について説明する。
【0038】
図2に示すL1は、インペラ10の外端10aにおける上端10bと、上端10bに軸方向に対面するガード部材本体40の下面との軸方向の距離である。C1は、上端10bと、上端10bに軸方向に対面するガード部材本体40の下面との隙間である。すなわち、距離L1は、隙間C1の軸方向の寸法である。本実施形態では、上端10bに軸方向に対面するガード部材本体40の下面は、基板部41の下面である。
【0039】
L2は、インペラ10の外端10aと、外端10aに径方向に対面する環状突壁43の内周面43aとの径方向の距離である。C2は、インペラ10の外端10aと環状突壁43の内周面43aとの隙間である。すなわち、距離L2は、隙間C2の径方向の寸法である。
【0040】
距離L2は、距離L1より大きい。これによって、羽根2の径方向外方の空間にある空気が、隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に向かって流れるのを抑制することができる。これは、以下の理由による。
距離L2が距離L1より大きいと、隙間C2の径方向の寸法に対して、隙間C1の軸方向の寸法が相対的に小さくなる。そのため、隙間C2にある空気が隙間C1に流れにくくなる。これにより、隙間C2にある空気が、隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に流入することを抑制できる。よって、羽根2から径方向外方に送り出された空気が隙間C2および隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に戻るのを抑制できる。その結果、本実施形態によれば、風損を低減できる。
【0041】
なお、以下の説明においては、羽根2の径方向外方に送り出された空気が隙間C2および隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に戻ることを、単に、空気が逆流する、と表現する場合がある。
【0042】
L3は、上端10bと、環状突壁43の軸方向の下端43bとの軸方向の距離である。すなわち、距離L3は、隙間C2の軸方向の寸法である。
距離L3は、距離L1より大きいことが好ましい。これによって、羽根2の径方向外方の空間にある空気がインペラ10の上方の空間に向かって流れるのを抑制することができる。これは、以下の理由による。
【0043】
空気が逆流する経路を狭くするとともに、空気が逆流する経路を長くすることで、経路の流通抵抗を大きくできる。そのため、空気の逆流を抑制できる。すなわち、本実施形態においては、隙間C2および隙間C1を含む経路を狭くするとともに、長くすることで、空気が逆流することを抑制できる。
【0044】
距離L3が距離L1より大きいと、距離L3が相対的に大きくなるとともに、距離L1が相対的に小さくなる。そのため、隙間C2の軸方向の寸法を大きくしつつ、隙間C1の軸方向の寸法を小さくしやすい。これにより、空気が逆流する経路、すなわち、隙間C2および隙間C1を含む経路の流通抵抗を大きくできる。したがって、空気が逆流することをより抑制できる。
【0045】
環状突壁43の内周面43aには、羽根2によって径方向外方に送られた空気が当たる。内周面43aに当たった空気は、羽根2により径方向外方に送られた他の空気流により生じた負圧によって下方に向かう。
距離L1が大きいと、隙間C1における流通抵抗が小さくなるため、内周面43aに当たった空気は、隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に流れやすくなる。
これに対し、本実施形態によれば、上述したように距離L1を比較的小さくしやすい。そのため、隙間C1における流通抵抗を比較的大きくできる。これにより、内周面43aに当たった空気が、隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に流入しにくくなる。よって、距離L3が距離L1より大きいことによって、羽根2の径方向外方の空間から隙間C2および隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に向かう空気の流れを抑制することができる。
【0046】
距離L3は、羽根2の軸方向の寸法L4の5分の1以下であることが好ましい。
径方向外方空気の逆流を抑制するには、上述の理由により、距離L3が大きい方が有利である。しかし、距離L3が大きくなるほど、羽根2における環状突壁43と径方向に重なる部分が大きくなる。そのため、距離L3を大きくしすぎると、羽根2から径方向外方に送り出される空気のうち環状突壁43に遮られる空気の量が多くなり、風損が大きくなる。
【0047】
これに対し、距離L3が、羽根2の軸方向の寸法L4の5分の1以下であると、環状突壁43に遮られる空気量が少なくなる。よって、風損を低減できる。
また、距離L3が、羽根2の軸方向の寸法L4の5分の1以下であると、環状突壁43より下側に位置する羽根2の軸方向の寸法が相対的に大きくなる。そのため、羽根2によって径方向外方に送られる空気の量を十分に確保できる。よって、風量の低下を抑制することができる。
【0048】
図2〜
図4に示すように、インペラ10は、複数の羽根2を互いに連結する環状連結体4を有していてもよい。本実施形態では、環状連結体4は複数の羽根2の上部2c同士を連結する。
環状連結体4は、羽根2の上端2cの外端2aを含む位置に設けられている。環状連結体4は、羽根2の配列方向、すなわち周方向に沿って延びる円環状である。本実施形態では、環状連結体4は、中心軸J1に垂直または略垂直な板状である。本実施形態では、環状連結体4は羽根2の上端2cと単一の部材として作製される。
【0049】
図2に示すように、環状連結体4の上面4aの軸方向位置は羽根2の上端2cの軸方向位置と同じである。また、外縁4dの径方向位置は羽根2の外端2aの径方向位置と同じである。環状連結体4の外上縁4eは、インペラ10の径方向の外端10aにおける上端10bである。羽根2が環状連結体4を有する場合であっても、距離L1、距離L2および距離L3の関係、および得られる効果は、上記と同様である。
【0050】
環状連結体4が設けられた軸方向範囲では、径方向外方への空気の送り出しが起こらない。そのため、環状連結体4を設けることによって、径方向外方に送られて後述の環状突壁43に当たる空気の量をより低減することができる。よって、より一層風損を抑えることができる。また、環状連結体4が複数の羽根2を連結することにより、インペラ10の機械的強度を高め、回転時におけるインペラ10の変形を抑制できる。
なお、インペラ10は、環状連結体4を有さなくてもよい。
【0051】
環状突壁43の軸方向の下端43bは、環状連結体4の下端よりも下側にあることが好ましい。本実施形態では、環状連結体4の下端は、環状連結体4の下面4bである。
下端43bが環状連結体4の下面4bよりも下側にあることで、羽根2の径方向外方の空間にある空気がインペラ10の上方の空間に向かって流れるのを抑制することができる。これは、以下の理由による。
下端43bが環状連結体4の下面4bよりも下側にあると、羽根2によって径方向外方に送られた空気の一部は環状突壁43の内周面43aに当たる。上述のように、内周面43aに当たった空気は下方に流れ、他の空気と同伴して径方向外方に流れる。この空気流によって、空気の逆流、すなわち羽根2の径方向外方の空間から隙間C2および隙間C1を通ってインペラ10の上方の空間に向かう空気の流れを抑制することができる。
【0052】
距離L3は、環状連結体4の軸方向寸法L5の2倍より小さいことが好ましい。
上述のように、下端43bが環状連結体4の下面4bよりも下側にあると、内周面43aに当たって下方に向かう空気の流れによって、空気の逆流を抑制することができる。しかし、その場合、空気の一部は内周面43aに当たるため、風損が生じるのは避けられない。
これに対し、距離L3を、環状連結体4の軸方向寸法L5の2倍より小さくすると、内周面43aに当たる空気の量を少なくし、風損を抑制することができる。
距離L3を軸方向寸法L5の2倍より小さくすることに加えて、下端43bが環状連結体4の下端よりも下側にあれば、空気の逆流を抑制し、かつ風損を抑制することができる。
【0053】
図2および
図5に示すように、ガード部材22の複数の吸気口24のうちの最も径方向外方に位置する吸気口24Aの径方向の外縁24aは、環状連結体4の径方向の内縁4cよりも径方向外方に位置することが好ましい。
図5に示すように、外縁24aが環状連結体4の内縁4cよりも径方向外方に位置すると、平面視において、吸気口24は、インペラ10の吸気可能な範囲より広い範囲に及ぶ。そのため、外部空間17から吸気口24を通してインペラ10に吸引される空気の流れが基板部41によって遮られることがない。よって、吸気口24から取り入れられる空気の量を多くし、風量を多くすることができる。
【0054】
図2および
図5に示すように、外縁24aは、環状連結体4の径方向の外縁4dよりも径方向内方に位置することが好ましい。
外縁24aが外縁4dよりも径方向内方にあると、環状連結体4と環状突壁43との隙間(
図2の隙間C2)は、吸気口24Aよりも径方向外方に位置する。そのため、吸気口24Aを通った空気が隙間C2に流れ込むことを抑制できる。
これにより、吸気口24から入り、隙間C1および隙間C2を通って羽根2の径方向外方の空間に流れる空気の量を少なくできる。よって、吸気口24からインペラ10内に吸引されてインペラ10の径方向外方に送り出される空気の量を多くし、風量を多くすることができる。
【0055】
図2に示すように、環状突壁43の外周面43dの少なくとも一部は、排気口16と径方向に対向していることが好ましい。
環状突壁43の外周面43dの少なくとも一部が排気口16と径方向に対向していると、外周面43dが面する空間は、排気口16に向かう流路となる。そのため、流路の断面積を大きく確保し、風量を多くすることができる。
【0056】
次に、ガード部材の変形例について説明する。
図6は、ガード部材の変形例であるガード部材52を示す断面図である。
ガード部材52は、環状突壁43に代えて環状突壁53を有する点で、
図2等に示すガード部材22と異なる。
環状突壁53は、軸方向の下端53bの端面である下端面53cが、軸方向下方に向けて拡径する方向に傾斜した傾斜面を有する。本実施形態では、下端面53cは全面が一定角度で傾斜する傾斜面である。そのため、環状突壁53の外周面53dの軸方向の寸法は、環状突壁53の内周面53aの軸方向の寸法より大きい。
【0057】
ガード部材52では、下端面53cが軸方向下方に向けて拡径する方向に傾斜した傾斜面であるため、インペラ10と内周面53aとの間の空間から、インペラ10の径方向外方の空間への空気の流れを促すことができる。よって、インペラ10によって径方向外方に送り出される空気の量を多くし、風量を多くすることができる。 また、一方で、インペラ10の径方向外方の空間にある空気は、インペラ10と内周面53aとの間の空間に入り込みにくく、空気の逆流を抑制しやすい。
なお、環状突壁の下端面は、一部のみが軸方向下方に向けて拡径する方向に傾斜した傾斜面であってもよい。
【0058】
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
図1等に示すファン装置100は、ハウジング30の上壁部15にある開口18を通して空気を取り入れる構造、すなわち、軸方向の一方側からのみ吸気する構造を有する。本発明では、ファン装置は、軸方向の両方から吸気する構造であってもよい。例えば、ハウジングの底壁部および上壁部の両方に、空気を取り入れる開口を有する構造を採用してもよいし、ハウジングの底壁部および上壁部の両方に、空気を取り入れる開口と、ガード部材とを有する構造を採用してもよい。
【0059】
なお、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。例えば、本実施形態では、モータ部20の回転軸11にインペラ10が結合されているが、モータハウジング12にインペラ10の筒部6が結合され、モータハウジング12が回転することによりインペラ10が回転する構成としてもよい。