【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「M2M型動的無線通信ネットワーク構築技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
斉藤 駿 Shun Saito,電子情報通信学会2013年総合大会講演論文集 通信1 PROCEEDINGS OF THE 2013 IEICE GENERAL CONFERENCE,2013年 3月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、前記第1の通信方式の無線通信における希望波の受信強度に関わらず、前記第1の通信方式における無線伝送の成功率または失敗率に基づいて、前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を判断する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信制御装置。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置における通信制御方法であって、
前記第1の通信方式の無線通信における電波同士の干渉に関する判断、および前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを含み、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御方法。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置における通信制御方法であって、
前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを含み、
前記第1の通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前に通信環境に関する測定を行い、測定結果に基づいて前記無線伝送の開始を判断し、
前記測定に要する時間を含む前記無線伝送を開始するまでに要する時間が、前記通信装置によるパケットの送信間隔より大きく、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御方法。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置における通信制御方法であって、
前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを含み、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御方法。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の通信方式の無線通信における電波同士の干渉に関する判断、および前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御プログラム。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、
前記第1の通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前に通信環境に関する測定を行い、測定結果に基づいて前記無線伝送の開始を判断し、
前記測定に要する時間を含む前記無線伝送を開始するまでに要する時間が、前記通信装置によるパケットの送信間隔より大きく、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御プログラム。
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、
前記判断の結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、
前記通信システムは、前記通信装置として無線端末装置と複数の無線基地局装置とを備え、
前記第2の通信方式では、前記無線端末装置が前記複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき前記無線基地局装置を選択可能であり、かつ前記無線端末装置および前記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信動作の変更として、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更および前記周波数帯域の変更を選択可能であり、
前記変更する制御を行うステップにおいては、前記通信相手の前記無線基地局装置の変更を行った場合の前記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する予測を行い、予測結果に応じて前記通信相手の前記無線基地局装置の変更、または前記周波数帯域の変更を選択する、通信制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0016】
(1)本発明の実施の形態に係る通信制御装置は、使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置であって、上記第1の通信方式の無線通信に対する上記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行う判断部と、上記判断部による判断結果に基づいて、上記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行う通信制御部とを備える。
【0017】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信が第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を受けていると判断した場合に、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。これにより、第1の通信方式の無線通信における通信品質の劣化を抑制することができる。したがって、無線通信システムにおける電波干渉の発生を抑制し、通信品質を向上させることができる。
【0018】
(2)好ましくは、上記第1の通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前に通信環境に関する測定を行い、測定結果に基づいて上記無線伝送の開始を判断し、上記測定に要する時間を含む上記無線伝送を開始するまでに要する時間が、上記通信装置によるパケットの送信間隔より大きい。
【0019】
このように、第2の通信方式におけるパケットの送信が第1の通信方式におけるデータの無線伝送に対してより優先される通信システムにおいて、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行い、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。
【0020】
(3)好ましくは、上記第2の通信方式では、無線端末装置が複数の無線基地局装置の中から通信相手とすべき上記無線基地局装置を選択可能であり、かつ上記無線端末装置および上記無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域を変更可能であり、上記通信制御部は、上記通信動作の変更として、上記通信相手の上記無線基地局装置の変更および上記周波数帯域の変更を選択可能である。
【0021】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信に用いられる電波の周波数帯域と重複する周波数帯域の電波を用いる無線端末装置の通信相手となる無線基地局装置の変更、または無線端末装置および無線基地局装置間の通信において使用する周波数帯域の第1の通信方式と重複しない帯域への変更を選択することができるので、干渉を軽減するための適切な制御を実行することができる。
【0022】
(4)より好ましくは、上記通信制御部は、上記第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する判断を行い、判断結果に応じて上記通信相手の上記無線基地局装置の変更、または上記周波数帯域の変更を選択する。
【0023】
このような構成により、通信相手の無線基地局装置の変更、または周波数帯域の変更を、上記判断結果に応じて適切に選択することができる。
【0024】
(5)好ましくは、上記判断部は、上記第1の通信方式の無線通信における希望波の受信強度に関わらず、上記第1の通信方式における無線伝送の成功率または失敗率に基づいて、上記第1の通信方式の無線通信に対する上記第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を判断する。
【0025】
このような構成により、たとえば、希望波の受信強度が十分に得られていても第1の通信方式における無線伝送の成功率が低いような状況において、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉の影響が大きいと正しく判断することができる。
【0026】
(6)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置における通信制御方法であって、上記第1の通信方式の無線通信に対する上記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、上記判断の結果に基づいて、上記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを含む。
【0027】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信が第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を受けていると判断した場合に、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。これにより、第1の通信方式の無線通信における通信品質の劣化を抑制することができる。したがって、無線通信システムにおける電波干渉の発生を抑制し、通信品質を向上させることができる。
【0028】
(7)本発明の実施の形態に係る通信制御プログラムは、使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、上記第1の通信方式の無線通信に対する上記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行うステップと、上記判断の結果に基づいて、上記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
【0029】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信が第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を受けていると判断した場合に、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。これにより、第1の通信方式の無線通信における通信品質の劣化を抑制することができる。したがって、無線通信システムにおける電波干渉の発生を抑制し、通信品質を向上させることができる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0031】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【0032】
図1を参照して、無線通信システム301は、3つのセンサ31と、データベース71と、通信制御装置101と、3つのセンサ親機121と、2つの15.4アクセスポイント131と、無線LAN端末装置(無線端末装置)141A,141B,141C,141Dと、無線LANアクセスポイント(無線基地局装置)151A,151Bとを備える。
【0033】
以下、無線LAN端末装置141A,141B,141C,141Dの各々を、無線LAN端末装置141とも称する。無線LANアクセスポイント151A,151Bの各々を、無線LANアクセスポイント151とも称する。
【0034】
図1では、1つのセンサ親機121に対応して1つのセンサ31が設けられているが、1つのセンサ親機121に対応して複数のセンサ31が設けられてもよい。また、3つのセンサ31を代表的に示しているが、さらに多数または少数のセンサ31が設けられてもよい。また、3つのセンサ親機121を代表的に示しているが、さらに多数または少数のセンサ親機121が設けられてもよい。また、2つの15.4アクセスポイント131を代表的に示しているが、さらに多数または少数の15.4アクセスポイント131が設けられてもよい。また、4つの無線LAN端末装置141を代表的に示しているが、さらに多数または少数の無線LAN端末装置141が設けられてもよい。また、2つの無線LANアクセスポイント151を代表的に示しているが、さらに多数または少数の無線LANアクセスポイント151が設けられてもよい。
【0035】
[第1の通信方式を用いる無線通信]
無線端末装置が通信可能なエリアであるセルを形成する無線基地局装置による通信サービスが提供されており、このような通信サービス等を利用したシステムとして、M2M(Machine to Machine)システムが知られている。M2Mシステムでは、たとえば、無線機を搭載した機器同士が人間を介在せずに相互に情報をやり取りすることにより、自動的に機器の制御が行われる。
【0036】
無線通信システム301は、たとえば、M2Mシステムを含み、通信制御装置101は、センサ31により取得されたセンサ情報を収集し、収集したセンサ情報をデータベース71に蓄積する。
【0037】
より詳細には、センサ31は、センサ情報を取得する。具体的には、センサ31は、温度、湿度、電流、加速度、ジャイロおよび圧力等の物理量の少なくともいずれか1つを測定し、測定した物理量を示す信号を対応のセンサ親機121へ送信する。
【0038】
図2は、本発明の実施の形態に係る無線端末装置が送信するセンサパケットの一例を示す図である。
【0039】
図2を参照して、センサ親機121は、たとえば、IEEE802.15.4(IEEE Standard for Local and metropolitan area networks Part 15.4: Low−Rate Wireless Personal Area Networks (LR−WPANs)、LAN/MAN Standards Committee IEEE Computer Society、IEEE Std 802.15.4−2011(非特許文献1))規格(以下、15.4規格とも称する。)に従って、センサ情報を含むパケット401(以下、センサパケット401とも称する。)を作成する。
【0040】
より詳細には、センサ親機121は、たとえば、センサ31によって測定された物理量をセンサ31の送信信号から取得して、取得した物理量、およびセンサ31のIDを含むセンサ情報を作成し、作成したセンサ情報を「センサデータ」の領域に格納したセンサパケット401を作成する。
【0041】
ここで、センサパケット401における「同期ヘッダ」の領域には、たとえば所定のプリアンブルが格納される。「MAC(Media Access Control)ヘッダ」の領域には、たとえば、センサ親機121のMACアドレス、センサパケット401のフレーム長(以下、センサパケット長とも称する。)およびシーケンス番号等が格納される。ここで、シーケンス番号は、たとえば後述するCCA(クリアチャネルアセスメント:Clear Channel Assessment)を行うごとにインクリメントされる。
【0042】
また、「センサデータ」の領域の大きさは、
図2では20オクテットであるが、センサ情報に含まれる物理量の種別、および当該物理量の個数等に応じて変更可能である。
【0043】
センサ親機121は、作成したセンサパケット401を片方向通信によって無線伝送する。具体的には、センサ親機121は、たとえば15.4規格に従ってセンサパケット401を所定周期、具体的には5秒周期でブロードキャストする。
【0044】
15.4アクセスポイント131は、たとえば、センサ親機121からセンサパケット401を受信すると、センサパケット401の受信時におけるLQI(Link Quality Indicator)である受信時LQIを計測する。ここで、受信時LQIは、たとえば第1の通信方式の無線通信における希望波の受信強度を示す。
【0045】
そして、15.4アクセスポイント131は、たとえば、計測した受信時LQIを、受信したセンサパケット401における「MACヘッダ」の領域に格納し、格納後のセンサパケット401を通信制御装置101へLAN10経由で送信する。ここで、LAN10は、たとえば有線のネットワークである。
【0046】
[第1の通信方式を用いる無線通信のチャネル]
図3は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて用いられる15.4規格に従う2.4GHzのバンドのチャネルの一例を示す図である。
【0047】
図3を参照して、縦軸は電力を表し、横軸は周波数を表す。15.4規格に従う2.4GHzのバンドでは、たとえば、各チャネルCh11〜Ch26の周波数帯域の幅が2MHzであり、また、隣接チャネルの周波数間隔は5MHzである。
【0048】
センサ親機121および15.4アクセスポイント131間では、第1の通信方式を用いる無線通信、具体的には、15.4規格に従う無線通信(以下、センサ通信とも称する。)が行われる。
【0049】
より詳細には、たとえば、
図1に示すセンサ親機121は、所定のチャネル(以下、センサ通信チャネルとも称する。)の電波、具体的には、中心周波数が2480MHzのCh26の電波を用いてセンサパケット401を15.4アクセスポイント131へ送信する。
【0050】
通信制御装置101は、たとえばセンサ通信チャネルの番号を保持している。
【0051】
なお、センサ通信では、たとえば、15.4規格に従う920MHzのバンド等の2.4GHzのバンド以外の電波を用いてもよい。
【0052】
[第2の通信方式を用いる無線通信]
再び
図1を参照して、無線通信システム301は、たとえばIEEE802.11(”Part11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specification”、IEEE802.11WG、2012年(非特許文献2))で規格化された無線LANシステムを含む。
【0053】
無線LANアクセスポイント151は、たとえば、1または複数の無線LAN端末装置141を子機として配下に収容することが可能な親機であり、配下に収容している無線LAN端末装置141と通信接続を確立する。
【0054】
具体的には、
図1では、無線LANアクセスポイント151Aは、たとえば、無線LAN端末装置141A,141B,141Cを配下に収容している。無線LANアクセスポイント151Bは、たとえば、無線LAN端末装置141Dを配下に収容している。
【0055】
無線LAN端末装置141は、たとえば、PC(Personal Computer)であり、無線LANアクセスポイント151を介して他の無線LAN端末装置141および通信制御装置101等と通信を行う。
【0056】
より詳細には、無線LAN端末装置141は、たとえば、親機である無線LANアクセスポイント151との通信接続を確立しており、IEEE802.11規格(以下、802.11規格とも称する。)に従って、親機へパケットを送信する。
【0057】
無線LANアクセスポイント151は、たとえば、子機である配下の無線LAN端末装置141からパケットを受信すると、受信したパケットを802.11規格に従って配下の無線LAN端末装置141へ送信するか、または配下以外の無線LAN端末装置141もしくは通信制御装置101へ送信する。また、無線LANアクセスポイント151は、たとえば、配下以外の無線LAN端末装置141または通信制御装置101からパケットを受信すると、受信したパケットを802.11規格に従って、配下の無線LAN端末装置141へ送信する。
【0058】
[第2の通信方式を用いる無線通信のチャネル]
図4は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて用いられる802.11規格に従う2.4GHzのバンドのチャネルの一例を示す図である。
【0059】
図4を参照して、縦軸は電力を表し、横軸は周波数を表す。802.11規格に従う2.4GHzのバンドでは、たとえば、各チャネルCh1〜Ch13の周波数帯域の幅が22MHzであり、また隣接チャネルの周波数間隔は5MHzである。
【0060】
無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間では、第2の通信方式を用いる無線通信、具体的には、802.11規格に従う無線通信(以下、無線LAN通信とも称する。)が行われる。
【0061】
このように、無線通信システム301では、使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる。
【0062】
より詳細には、たとえば、
図1に示す無線LAN端末装置141A,141B,141Cと無線LANアクセスポイント151Aとの間では、中心周波数が2472MHzのCh13の電波を用いて無線LAN通信が行われる。
【0063】
また、たとえば、無線LAN端末装置141Dおよび無線LANアクセスポイント151B間では、中心周波数が2437MHzのCh6の電波を用いて無線LAN通信が行われる。
【0064】
なお、無線LAN通信では、たとえば、920MHzのバンド等の2.4GHzのバンド以外の電波を用いてもよい。
【0065】
[課題]
無線通信システム301のように、15.4規格に従うM2Mシステム、および802.11規格に従う無線LANシステムが共存する通信環境では、電波干渉による通信品質の劣化が発生する場合がある。
【0066】
具体的には、たとえば、センサ親機121と15.4アクセスポイント131との間において
図3に示すCh26を用いたセンサ通信が行われ、かつ無線LAN端末装置141A,141B,141Cと無線LANアクセスポイント151Aとの間において
図4に示すCh13を用いた無線LAN通信が行われる場合、使用周波数帯が重複するため、電波干渉が発生してしまう。
【0067】
図5は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置がデータを送信するタイミングの一例を示す図である。
【0068】
図5を参照して、2.4GHz帯では、現在、様々な用途で様々な無線機器が通信を行っている。そして、各無線機器が通信を同時に行うと信号が衝突し通信が行えなくなるため、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式が一般的に採用されている。
【0069】
たとえば、無線LAN端末装置141Bがデータ送信を行おうとする場合、無線LAN端末装置141Bは、802.11規格に従って、自己が使用する周波数帯の電波が使用中の状態(以下、ビジー状態とも称する。)である否かを確認するためのCarrier Sence(以下、CSとも称する。)を行う。
【0070】
無線LAN端末装置141Bは、たとえば、無線LAN端末装置141Aのデータ送信によりビジー状態であることをCSにより確認すると、無線LAN端末装置141Aのデータ送信が完了するまで待機する。
【0071】
そして、無線LAN端末装置141Bは、たとえば、無線LAN端末装置141Aのデータ送信が完了し、ビジー状態から自己が使用する周波数帯の電波が未使用の状態(以下、アイドル状態とも称する。)へ遷移したことをCSにより確認すると、以下の処理を行う。
【0072】
すなわち、無線LAN端末装置141Bは、たとえば、802.11規格に従って、所定のIFS(Inter Frame Space)期間、およびランダムなバックオフ期間においてCSを行い、アイドル状態が継続していることを確認すると、データ送信を行う。
【0073】
同様に、たとえば、無線LAN端末装置141Aが無線LAN端末装置141Bに続いてデータ送信を行おうとする場合、無線LAN端末装置141Aは、無線LAN端末装置141Bのデータ送信によりビジー状態であることをCSにより確認すると、無線LAN端末装置141Bのデータ送信が完了するまで待機する。
【0074】
そして、無線LAN端末装置141Aは、たとえば、無線LAN端末装置141Bのデータ送信が完了し、ビジー状態からアイドル状態へ遷移したことをCSにより確認すると、以下の処理を行う。
【0075】
すなわち、無線LAN端末装置141Aは、たとえば、IFS期間およびバックオフ期間においてCSを行い、アイドル状態が継続していることを確認すると、データ送信を行う。
【0076】
ここで、無線LAN端末装置141A,141Bが交互にデータ送信を行う場合におけるIFS期間およびバックオフ期間を合わせた期間の長さの平均は、たとえば101.5μsである。
【0077】
一方、たとえば、第1の通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前に通信環境に関する測定を行い、測定結果に基づいて無線伝送の開始を判断する。
【0078】
より詳細には、15.4規格に従う通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前にビジー状態である否かを確認するためのCCAを継続して行い、CCAの結果に基づいて無線伝送の開始を判断する。
【0079】
ここで、CCAを継続して行う時間は、上記測定に要する時間を含む無線伝送を開始するまでに要する時間に相当する。
【0080】
具体的には、たとえば、センサ親機121は、センサパケット401の送信を行おうとする場合、15.4規格に従って、ビジー状態である否かを確認するためのCCAを128μs継続して行うとともにシーケンス番号をインクリメントする。
【0081】
センサ親機121は、たとえば、無線LAN端末装置141Aまたは141Bのデータ送信によるビジー状態が、CCAを行った期間に含まれていたことをCCAにより確認すると、ランダムなバックオフ期間待機する。
【0082】
そして、センサ親機121は、たとえば、待機後、再度CCAを128μs継続して行うとともにシーケンス番号をインクリメントする。
【0083】
センサ親機121は、たとえば、無線LAN端末装置141Aのデータ送信によるビジー状態が、CCAを行った期間に含まれていたことをCCAにより確認すると、バックオフ期間待機する。
【0084】
上述したように、センサ親機121がCCAを行う期間の長さは、たとえば128μsであるため、無線LAN通信におけるデータ送信の平均間隔である101.5μsより長い。
【0085】
したがって、無線通信システム301では、無線LAN端末装置141A,141Bが交互にデータ送信を行う場合において、センサ親機121の上記測定に要する時間を含む無線伝送を開始するまでに要する時間すなわちCCAを継続して行う時間が、無線LAN端末装置141によるパケットの送信間隔より大きい。
【0086】
同様に、たとえば、無線LANアクセスポイント151が、無線LAN端末装置141A,141Bへ交互にデータ送信を行う場合におけるIFS期間およびバックオフ期間を合わせた期間の長さの平均は、たとえば101.5μsである。
【0087】
したがって、無線通信システム301では、無線LANアクセスポイント151が、無線LAN端末装置141A,141Bへ交互にデータ送信を行う場合において、センサ親機121の上記測定に要する時間を含む無線伝送を開始するまでに要する時間が、無線LANアクセスポイント151によるパケットの送信間隔より大きい。
【0088】
すなわち、通信トラフィックの混雑した状況においては、無線LAN端末装置141または無線LANアクセスポイント151が送信権を獲得する可能性が高くなるため、センサ親機121において、センサパケット401を送信することが困難となってしまう。
【0089】
そこで、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
【0090】
[実験]
図6は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムを用いた実験における当該無線通信システムの構成を示す図である。
【0091】
図6を参照して、この実験に用いた無線通信システム301は、198個のセンサ31と、データベース71と、通信制御装置101と、198個のセンサ親機121と、1つの15.4アクセスポイント131と、3つの無線LAN端末装置141と、1つの無線LANアクセスポイント151とを備える。
【0092】
15.4アクセスポイント131および無線LANアクセスポイント151間の距離は、たとえば2mである。
【0093】
図7は、
図6に示す無線通信システムにおける無線通信に用いる通信パラメータの一例を示す図である。
【0094】
図7を参照して、たとえば、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間における無線LAN通信では、通信パラメータとして、「変調レート」、「パケット長」および「チャネル」が、それぞれ「6Mbps」、「2.5ms」および「Ch13(2472MHz)」に設定されている。
【0095】
たとえば、センサ親機121および15.4アクセスポイント131間におけるセンサ通信では、通信パラメータとして、「送信周期」、「パケット長」、「チャネル」、「CSMAリトライ回数」および「ACK処理」が、それぞれ「5秒」、「約1ms」、「Ch26(2480MHz)」、「0」および「なし」に設定されている。
【0096】
図8は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける実験結果の一例を示す図である。
【0097】
図8を参照して、たとえば、「無線LANトラフィック」が「上りフルバッファ×3」の場合、3つの無線LAN端末装置141は、速度制限しないで上り方向へデータ送信を行うように設定されている。
【0098】
また、たとえば、「無線LANトラフィック」が「上り1.6Mbps×3」、「上り1.4Mbps×3」および「上り1.0Mbps×3」の場合、3つの無線LAN端末装置141は、1.6Mbps、1.4Mbpsおよび1.0Mbpsのスループットで上り方向のデータ送信を行うようにそれぞれ設定されている。
【0099】
「無線LANトラフィック」が「上りフルバッファ×3」、「上り1.6Mbps×3」、「上り1.4Mbps×3」および「上り1.0Mbps×3」の場合において、「無線LAN実測スループット」はそれぞれ1.81Mbps、1.6Mbps、1.4Mbpsおよび1.0Mbpsである。すなわち、センサ通信におけるセンサパケット401のトラフィックに起因する無線LAN通信のスループットの低下はほとんど見られない。
【0100】
たとえば、「パケットロス率」は、所定時間内において、センサ親機121により無線伝送されるべき通信トラフィックに対する、実際には無線伝送されなかった通信トラフィックの割合である。
【0101】
言い換えると、たとえば、「パケットロス率」は、第1の通信方式における無線伝送の失敗率である。
【0102】
具体的には、「パケットロス率」は、たとえば、センサ親機121がセンサパケット401の送信に失敗した回数を、センサ親機121がセンサパケット401を送信しようと試みた回数で除した値である。
【0103】
言い換えると、「パケットロス率」は、たとえば、所定時間内において、センサ親機121がCCAを行った結果、センサパケット401の送信に至らなかった回数を、センサ親機121がCCAを行った回数で除した値である。
【0104】
たとえば、「リソース利用率」は、所定時間内において、
図4に示すCh13の電波が空間を伝搬している時間を当該所定時間で除した値である。
【0105】
たとえば、「無線LANトラフィック」が「上りフルバッファ×3」の場合では、「パケットロス率」が「100%」になるため、センサ親機121は、所定時間内におけるセンサパケット401の送信にすべて失敗している。すなわち、15.4アクセスポイント131は、センサ親機121からセンサパケット401を受信できていない。
【0106】
また、上記の場合においても、無線LAN端末装置141はIFS期間およびバックオフ期間CSを行うので、「リソース利用率」は91%となり、
図4に示すCh13の電波が常に空間を伝搬しているわけではない。
【0107】
たとえば、パケットロス率は、無線LAN通信における通信トラフィックの低下に伴って改善する。具体的には、「無線LANトラフィック」が「上り1.6Mbps×3」、「上り1.4Mbps×3」および「上り1.0Mbps×3」の場合では、「パケットロス率」はそれぞれ「99.5%」、「92.5%」および「60.8%」に改善する。
【0108】
これは、スループットが1.6Mbps、1.4Mbpsおよび1.0Mbpsの順に下がるのにしたがって、リソース利用率が84%、72%および52%と下がるので、センサ親機121がCCAを行った上で、センサパケット401の送信に至る回数を増加させることができるからである。
【0109】
すなわち、この実験結果から無線LAN通信におけるトラフィックを減少させることにより、センサ通信における通信品質の改善が期待できることがわかる。
【0110】
[通信制御装置の構成]
図9は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信制御装置の構成を示す図である。
【0111】
図9を参照して、通信制御装置101は、通信部11と、情報取得部12と、パケットロス率算出部16と、判断部17と、通信制御部18と、所要値保持部19と、報知部20とを備える。
【0112】
通信制御装置101は、たとえば無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151を管理する。
【0113】
通信部11は、たとえば、15.4アクセスポイント131、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151とLAN10を介して情報の送受信を行う。
【0114】
たとえば、第2の通信方式では、無線LAN端末装置141が複数の無線LANアクセスポイント151の中から通信相手とすべき無線LANアクセスポイント151を選択可能であり、かつ無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域を変更可能である。
【0115】
たとえば、通信制御装置101は、無線LAN端末装置141の通信相手とすべき無線LANアクセスポイント151を変更することが可能である。また、たとえば、通信制御装置101は、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の無線LAN通信において使用する周波数帯域を変更することが可能である。
【0116】
[端末関連情報]
図10は、本発明の実施の形態に係る通信制御装置における情報取得部の構成を示す図である。
【0117】
図10を参照して、情報取得部12は、端末関連情報取得部13と、セル関連情報取得部14と、15.4関連情報取得部15とを含む。
【0118】
図1、
図9および
図10を参照して、情報取得部12における端末関連情報取得部13は、たとえば所定時間Tjごとに管理対象の無線LAN端末装置141へ端末関連情報要求を通信部11経由で送信する。
【0119】
無線LAN端末装置141は、たとえば、通信制御装置101から端末関連情報要求を受信すると、以下の処理を行う。
【0120】
すなわち、無線LAN端末装置141は、たとえば、無線LANアクセスポイント151からの電波をスキャンして、自己の周辺に位置する1または複数の無線LANアクセスポイント151(以下、周辺APとも称する。)のID、周辺APの使用チャネル、および周辺APからの電波の強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)(以下、周辺AP_RSSIとも称する。)を周辺AP情報として取得する。
【0121】
また、無線LAN端末装置141は、たとえば、自己が必要とするスループットである所要スループットを算出する。
【0122】
また、無線LAN端末装置141は、たとえば、自己の通信接続先の無線LANアクセスポイント151(以下、接続先APとも称する。)のID、現在の変調レートおよび接続先APの使用チャネルを接続先AP情報として取得する。
【0123】
無線LAN端末装置141は、たとえば、受信した端末関連情報要求の応答として、周辺AP情報、接続先AP情報、所要スループット、および自己のID(以下、端末IDとも称する。)を含む端末関連情報を作成し、作成した端末関連情報を通信制御装置101へLAN10経由で送信する。
【0124】
通信制御装置101における端末関連情報取得部13は、たとえば、端末関連情報を無線LAN端末装置141から通信部11経由で受信すると、受信した端末関連情報を用いて以下の処理を行う。
【0125】
すなわち、端末関連情報取得部13は、たとえば、端末関連情報から周辺AP情報、接続先AP情報および端末IDを取得し、取得した周辺AP情報および接続先AP情報を端末IDに対応付けて判断部17へ出力する。
【0126】
また、端末関連情報取得部13は、たとえば、端末関連情報から所要スループットおよび端末IDを取得し、取得した所要スループットを端末IDに対応付けて所要値保持部19へ出力する。
【0127】
所要値保持部19は、たとえば、端末関連情報取得部13から所要スループットおよび対応の端末IDを受けると、受けた所要スループットおよび対応の端末IDを保持する。なお、所要値保持部19は、端末関連情報取得部13が無線LAN端末装置141から取得した所要スループットを保持する構成に限らず、たとえば、所要スループットおよび対応の端末IDを所定値として保持していてもよい。
【0128】
[セル関連情報]
情報取得部12におけるセル関連情報取得部14は、たとえば、所定時間Tjごとに管理対象の無線LANアクセスポイント151へセル関連情報要求を通信部11経由で送信する。
【0129】
無線LANアクセスポイント151は、たとえば、通信制御装置101からセル関連情報要求を受信すると、使用チャネル、および自己と通信接続している1または複数の無線LAN端末装置141の端末IDを含む接続先端末情報、ならびに自己のID(以下、APIDとも称する。)を含むセル関連情報を作成する。
【0130】
無線LANアクセスポイント151は、たとえば、受信したセル関連情報要求の応答として、作成したセル関連情報を通信制御装置101へLAN10経由で送信する。
【0131】
通信制御装置101におけるセル関連情報取得部14は、たとえば、セル関連情報を無線LANアクセスポイント151から通信部11経由で受信すると、受信したセル関連情報を用いて以下の処理を行う。
【0132】
すなわち、セル関連情報取得部14は、たとえば、セル関連情報から接続先端末情報およびAPIDを取得し、取得した接続先端末情報をAPIDに対応付けて判断部17へ出力する。
【0133】
[15.4関連情報]
情報取得部12における15.4関連情報取得部15は、たとえば、15.4アクセスポイント131から通信部11経由でセンサパケット401を受信すると、受信したセンサパケット401からセンサ情報、センサID、受信時LQI、シーケンス番号およびセンサパケット長を取得し、取得した各情報を用いて以下の処理を行う。
【0134】
すなわち、15.4関連情報取得部15は、たとえば、センサ情報およびセンサIDをデータベース71に蓄積する。また、15.4関連情報取得部15は、たとえば、受信時LQIおよびセンサパケット長をセンサIDに対応付けて判断部17へ出力する。また、15.4関連情報取得部15は、たとえば、シーケンス番号をセンサIDに対応付けてパケットロス率算出部16へ出力する。
【0135】
[パケットロス率]
パケットロス率算出部16は、たとえば、15.4関連情報取得部15からシーケンス番号および対応のセンサIDを受けると、受けたシーケンス番号および対応のセンサIDを所定時間Tjの間蓄積する。
【0136】
パケットロス率算出部16は、たとえば、所定時間Tjが経過すると、センサIDごとに、シーケンス番号をまとめ、まとめたシーケンス番号における最大のシーケンス番号および最小のシーケンス番号、ならびにまとめたシーケンス番号の個数(以下、受信成功回数とも称する。)を取得する。
【0137】
パケットロス率算出部16は、たとえば、取得した最大のシーケンス番号と最小のシーケンス番号との差に基づいて、センサ親機121が所定時間Tj内にセンサパケット401の送信を試みた回数、すなわち所定時間Tj内にCCAを行った回数(以下、CCA回数とも称する。)をセンサIDごとに算出する。
【0138】
パケットロス率算出部16は、たとえば、算出したCCA回数から受信成功回数を差し引くことにより受信失敗回数をセンサIDごとに算出する。そして、パケットロス率算出部16は、たとえば、受信失敗回数をCCA回数で除することによりパケットロス率をセンサIDごとに算出する。
【0139】
パケットロス率算出部16は、たとえば、センサIDごとに算出したパケットロス率の平均値である平均パケットロス率を算出し、算出した平均パケットロス率を判断部17へ出力する。
【0140】
[判断処理]
判断部17は、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行う。具体的には、判断部17は、センサ通信に対する無線LAN通信による干渉に関する判断を行う。
【0141】
より詳細には、判断部17は、たとえば、第1の通信方式の無線通信における希望波の受信強度に関わらず、第1の通信方式における無線伝送の失敗率に基づいて、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉の影響および干渉の発生等を判断する。
【0142】
具体的には、判断部17は、たとえば、受信時LQIに関わらず、パケットロス率に基づいてセンサ通信に対する無線LAN通信による干渉の影響を判断する。
【0143】
図11は、本発明の実施の形態に係る通信制御装置における判断部が、判断処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0144】
無線通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0145】
図11を参照して、判断部17は、パケットロス率算出部16から新たな平均パケットロス率を受けるまでの所定時間Tjの間に情報取得部12における端末関連情報取得部13、セル関連情報取得部14および15.4関連情報取得部15から受ける各情報を蓄積する(ステップS102)。
【0146】
より詳細には、判断部17は、たとえば、所定時間Tjの間に端末関連情報取得部13から受ける周辺AP情報、接続先AP情報および対応の端末IDを端末関連情報群として蓄積する。
【0147】
また、判断部17は、たとえば、所定時間Tjの間にセル関連情報取得部14から受ける接続先端末情報および対応のAPIDをセル関連情報群として蓄積する。
【0148】
また、判断部17は、たとえば、所定時間Tjの間に15.4関連情報取得部15から受ける受信時LQI、センサパケット長および対応のセンサIDを15.4関連情報群として蓄積する。
【0149】
次に、判断部17は、所定時間Tjが経過してパケットロス率算出部16から新たな平均パケットロス率を受けると、受けた平均パケットロス率が所定のしきい値Thp以上であるか否かを確認する(ステップS104)。
【0150】
判断部17は、平均パケットロス率がしきい値Thpより小さい場合(ステップS104でNO)、パケットロス率算出部16から新たな平均パケットロス率を受けるまでの所定時間Tjの間に情報取得部12における端末関連情報取得部13、セル関連情報取得部14、および15.4関連情報取得部15から受ける各情報を蓄積する(ステップS102)。
【0151】
一方、判断部17は、平均パケットロス率がしきい値Thp以上である場合(ステップS104でYES)、以下の処理を行う。
【0152】
すなわち、判断部17は、蓄積した15.4関連情報群における受信時LQIを参照し、所定のしきい値Thq以下の受信時LQIが15.4関連情報群に含まれているか否かを確認する(ステップS106)。
【0153】
判断部17は、しきい値Thq以下の受信時LQIが15.4関連情報群に含まれている場合(ステップS106でYES)、パケットロスの発生原因が、センサ親機121から送信された電波(以下、センサ電波とも称する。)の15.4アクセスポイント131における強度が弱いことであると判断する(ステップS108)。
【0154】
次に、判断部17は、判断結果を報知部20へ出力する(ステップS122)。
【0155】
一方、判断部17は、しきい値Thq以下の受信時LQIが15.4関連情報群に含まれていない場合(ステップS106でNO)、蓄積した15.4関連情報群に基づいて通信トラフィックを算出し、算出した通信トラフィックが所定のしきい値Tht以上であるか否かを確認する(ステップS110)。
【0156】
より詳細には、判断部17は、たとえば15.4関連情報群に含まれるセンサIDに基づいてセンサ31の個数およびセンサパケット401の送信周期を算出する。判断部17は、たとえば算出したセンサ31の個数およびセンサパケット401の送信周期、ならびにセンサパケット長に基づいて、センサ親機121から送信されるセンサパケット401の単位時間当たりのデータ量すなわち通信トラフィックを算出する。
【0157】
判断部17は、算出した通信トラフィックがしきい値Tht以上である場合(ステップS110でYES)、パケットロスの発生原因がセンサ電波同士の干渉の影響であると判断する(ステップS112)。
【0158】
次に、判断部17は、判断結果を報知部20へ出力する(ステップS122)。
【0159】
一方、判断部17は、算出した通信トラフィックがしきい値Thtより小さい場合(ステップS110でNO)、端末関連情報群またはセル関連情報群に基づいて、センサ通信の周波数帯域と無線LAN通信の周波数帯域とが重複しているか否かを確認する(ステップS114)。
【0160】
より詳細には、判断部17は、たとえば、端末関連情報群における接続先APの使用チャネルまたはセル関連情報群における使用チャネルと保持しているセンサ通信チャネルとに基づいて、センサ通信の周波数帯域と無線LAN通信の周波数帯域とが重複しているか否かを確認する。
【0161】
判断部17は、センサ通信の周波数帯域と無線LAN通信の周波数帯域とが重複していない場合(ステップS114でNO)、パケットロスの発生原因が雑音であると判断する(ステップS116)。
【0162】
次に、判断部17は、判断結果を報知部20へ出力する(ステップS122)。
【0163】
一方、判断部17は、センサ通信の周波数帯域と無線LAN通信の周波数帯域とが重複している場合(ステップS114でYES)、パケットロスの発生原因がセンサ通信に対する無線LAN通信による干渉の影響であると判断する(ステップS118)。
【0164】
次に、判断部17は、判断結果、ならびに端末関連情報群、セル関連情報群および15.4関連情報群を通信制御部18へ出力する(ステップS120)。
【0165】
次に、判断部17は、判断結果、ならびに端末関連情報群、セル関連情報群および15.4関連情報群を通信制御部18へ出力するか(ステップS120)、または判断結果を報知部20へ出力すると(ステップS122)、パケットロス率算出部16から新たな平均パケットロス率を受けるまでの所定時間Tjの間に情報取得部12における端末関連情報取得部13、セル関連情報取得部14、および15.4関連情報取得部15から受ける各情報を蓄積する(ステップS102)。
【0166】
なお、本発明の実施の形態に係る通信制御装置では、判断部17は、希望波の受信強度に関わらず、第1の通信方式における無線伝送の失敗率に基づいて、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判断部17は、希望波の受信強度に関わらず、第1の通信方式における無線伝送の成功率に基づいて上記干渉の影響を判断する構成であってもよい。ここで、当該成功率は、たとえば、所定時間内において、センサ親機121により無線伝送されるべき通信トラフィックに対する、実際に無線伝送された通信トラフィックの割合である。
【0167】
[報知処理]
報知部20は、たとえば、判断部17から受ける判断結果、および当該判断結果に対する対策をユーザ等に報知する。
【0168】
より詳細には、報知部20は、たとえば、15.4アクセスポイント131におけるセンサ電波の強度が弱いことを示す判断結果を判断部17から受けると、受けた判断結果、および15.4アクセスポイント131の台数の増加または15.4アクセスポイント131の位置調整を行うべき旨をユーザ等に報知する。
【0169】
また、報知部20は、たとえば、センサ電波同士の干渉が発生していることを示す判断結果を判断部17から受けると、受けた判断結果、および一部のセンサ通信におけるセンサ通信チャネルを変更すべき旨をユーザ等に報知する。
【0170】
また、報知部20は、たとえば、雑音の影響を受けていることを示す判断結果を判断部17から受けると、受けた判断結果、ならびにセンサ通信チャネルおよび無線LAN通信に用いられているチャネルの両方を変更すべき旨をユーザ等に報知する。
【0171】
[通信制御処理]
図12は、本発明の実施の形態に係る通信制御装置における通信制御部の構成を示す図である。
【0172】
図12を参照して、通信制御部18は、目標値保持部21と、通信動作変更部22と、通信トラフィック予測部23と、変調レート予測部24と、パケットロス率予測部25と、対象装置取得部26とを含む。
【0173】
通信制御部18は、判断部17による判断結果に基づいて、第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行う。
【0174】
具体的には、通信制御部18は、たとえば、通信動作の変更として、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更、ならびに無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域の変更を選択可能である。
【0175】
より詳細には、通信制御部18は、たとえば、第1の通信方式における通信品質の目標の達成に関する判断を行い、判断結果に応じて、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更、または無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域の変更を選択する。
【0176】
通信制御部18における目標値保持部21は、たとえば、無線通信システム301において許容できるパケットロス率の上限値を第1の通信方式における通信品質の目標値として保持する。ここで、目標値はたとえばユーザにより設定される。
【0177】
[対象装置の取得]
対象装置取得部26は、たとえば、判断部17から受ける端末関連情報群、より詳細には、接続先AP情報に含まれる接続先APのIDおよび接続先APの使用チャネル、ならびに対応の端末IDに基づいて、以下の処理を行う。
【0178】
すなわち、対象装置取得部26は、たとえば、センサ通信チャネルの周波数帯域と重複する周波数帯域のチャネルを使用している、無線LAN端末装置141のID(以下、干渉源端末IDとも称する。)および無線LANアクセスポイント151のID(以下、干渉源APIDとも称する。)を取得する。
【0179】
対象装置取得部26は、たとえば、取得した干渉源端末IDおよび干渉源APIDを通信動作変更部22、通信トラフィック予測部23および変調レート予測部24へ出力する。
【0180】
[変調レートの予測]
変調レート予測部24は、たとえば、判断部17から受ける端末関連情報群に基づいて、無線LAN端末装置141が通信接続先の無線LANアクセスポイント151を変更すると仮定した場合における変調レートを予測する。
【0181】
より詳細には、変調レート予測部24は、たとえば、対象装置取得部26から受ける干渉源端末IDおよび干渉源APID、周辺AP情報に含まれる周辺APのID、周辺APの使用チャネルおよび周辺AP_RSSI、ならびに対応の端末IDに基づいて、以下の処理を行う。
【0182】
すなわち、変調レート予測部24は、たとえば、干渉源端末IDの示す無線LAN端末装置141(以下、移動対象端末装置141とも称する。)が通信接続先の無線LANアクセスポイント151を変更すると仮定した場合における変調レートを予測する。
【0183】
具体的には、変調レート予測部24は、たとえば、周辺AP_RSSIの大きさに基づいて、移動対象端末装置141が、干渉源APID以外の周辺APのIDが示す無線LANアクセスポイント151と通信接続を確立すると仮定した場合における変調レートを予測する。
【0184】
変調レート予測部24は、たとえば、変調レートの予測結果を通信トラフィック予測部23へ出力する。
【0185】
[通信トラフィックの予測]
通信トラフィック予測部23は、たとえば、対象装置取得部26から受ける干渉源端末IDおよび干渉源APID、変調レート予測部24から受ける変調レートの予測結果、ならびに判断部17から受ける端末関連情報群およびセル関連情報群に基づいて、移動対象端末装置141が通信接続先の無線LANアクセスポイント151を変更すると仮定した場合における通信トラフィックを予測する。
【0186】
より詳細には、通信トラフィック予測部23は、たとえば、端末関連情報群における所要スループットおよび対応の端末IDならびに干渉源端末IDに基づいて移動対象端末装置141の所要スループットを取得する。
【0187】
通信トラフィック予測部23は、たとえば、セル関連情報、干渉源APIDおよび変調レートの予測結果に基づいて、移動対象端末装置141の所要スループットを満たすことが可能な無線LANアクセスポイント151であって干渉源APID以外の周辺APのIDが示す無線LANアクセスポイント151を通信接続先の候補として選択する。
【0188】
そして、通信トラフィック予測部23は、たとえば、一部の移動対象端末装置141の通信接続先を、候補として選択した無線LANアクセスポイント151に変更すると仮定した場合における、以下の通信トラフィックを予測する。
【0189】
すなわち、通信トラフィック予測部23は、たとえば、センサ通信チャネルの周波数帯域と重複する周波数帯のチャネルを使用する無線LAN通信の通信トラフィックを接続先AP情報および変調レートの予測結果に基づいて予測する。
【0190】
通信トラフィック予測部23は、たとえば、予測した通信トラフィックである予測通信トラフィックをパケットロス率予測部25へ出力する。また、通信トラフィック予測部23は、たとえば、上記一部の移動対象端末装置141のID(以下、トポロジ変更対象端末IDとも称する。)および上記一部の移動対象端末装置141のトポロジ変更後の通信接続先の無線LANアクセスポイント151のID(以下、トポロジ変更対象APIDとも称する。)を通信動作変更部22へ出力する。
【0191】
[パケットロス率の予測]
パケットロス率予測部25は、たとえば、通信トラフィック予測部23から予測通信トラフィックを受けると、
図8に示す実験結果等を用いて、受けた予測通信トラフィックに相当するパケットロス率を予測し、予測したパケットロス率である予測パケットロス率を通信動作変更部22へ出力する。
【0192】
[チャネル変更処理]
通信動作変更部22は、たとえば、パケットロス率予測部25から予測パケットロス率を受けると、目標値保持部21から目標値を取得し、取得した目標値と予測パケットロス率とを比較する。
【0193】
通信動作変更部22は、たとえば、予測パケットロス率が目標値より大きいことを比較結果が示す場合、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更処理を行っても、第1の通信方式における通信品質の目標の達成が不可能であると判断し、この判断結果に応じた処理として、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域の変更を選択する。
【0194】
具体的には、たとえば、通信動作変更部22は、
図1に示す無線LAN端末装置141A,141B,141Cおよび無線LANアクセスポイント151A間の通信において使用する周波数帯域の変更を選択する場合、以下の処理を行う。
【0195】
すなわち、通信動作変更部22は、たとえば、対象装置取得部26から受ける干渉源端末IDおよび干渉源APIDに基づいて、干渉源端末IDの示す無線LAN端末装置141A,141B,141C、および干渉源APIDの示す無線LANアクセスポイント151Aが使用するチャネルを変更する。
【0196】
より詳細には、たとえば、無線LAN端末装置141A,141B,141Cおよび無線LANアクセスポイント151A間においてCh13の電波を用いて無線LAN通信が行われている場合、通信動作変更部22は、以下の処理を行う。
【0197】
すなわち、通信動作変更部22は、たとえば、チャネルをCh1に変更すべき旨を含むチャネル変更命令を無線LAN端末装置141A,141B,141Cおよび無線LANアクセスポイント151Aへ通信部11経由で送信する。
【0198】
無線LAN端末装置141A,141B,141Cは、たとえば、通信制御装置101からチャネル変更命令を受信すると、受信したチャネル変更命令に従って、自己が使用するチャネルをCh13からCh1に変更する。
【0199】
無線LANアクセスポイント151Aは、たとえば、通信制御装置101からチャネル変更命令を受信すると、受信したチャネル変更命令に従って、自己が使用するチャネルをCh13からCh1に変更する。
【0200】
これにより、センサ通信の周波数帯域と無線LAN通信の周波数帯域との重複を解消することができるので、センサ通信を良好に行うことができる。
【0201】
[トポロジ変更処理]
一方、通信動作変更部22は、たとえば、予測パケットロス率が目標値以下であることを比較結果が示す場合、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更処理を行うことによって第1の通信方式における通信品質の目標の達成が可能であると判断し、この判断結果に応じた処理として、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更を選択する。
【0202】
具体的には、通信動作変更部22は、たとえば、無線LAN端末装置141の通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更を選択する場合、以下の処理を行う。
【0203】
すなわち、通信動作変更部22は、たとえば、通信トラフィック予測部23から受けるトポロジ変更対象端末IDおよびトポロジ変更対象APIDに基づいて、トポロジ変更対象端末IDの示す無線LAN端末装置141の通信接続先をトポロジ変更対象APIDの示す無線LANアクセスポイント151に変更する。
【0204】
より詳細には、たとえば、トポロジ変更対象端末IDおよびトポロジ変更対象APIDの示す無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151が、それぞれ無線LAN端末装置141Bおよび無線LANアクセスポイント151Bである場合、通信動作変更部22は、以下の処理を行う。
【0205】
すなわち、通信動作変更部22は、たとえば、通信接続先を無線LANアクセスポイント151Bに変更すべき旨を含むトポロジ変更命令を無線LAN端末装置141Bへ通信部11経由で送信する。
【0206】
無線LAN端末装置141Bは、たとえば、通信制御装置101からトポロジ変更命令を受信すると、受信したトポロジ変更命令に従って、現在の通信接続先である無線LANアクセスポイント151Aへ切断要求を送信することにより無線LANアクセスポイント151Aとの通信接続を切断する。
【0207】
また、無線LAN端末装置141Bは、たとえば、トポロジ変更命令に従って、自己が使用するチャネルをCh13からCh6に変更するとともに、新たな通信接続先である無線LANアクセスポイント151Bへ接続要求を送信することにより無線LANアクセスポイント151Bとの通信接続を確立する。
【0208】
これにより、センサ通信の周波数帯域と重複する周波数帯域を用いた無線LAN通信における通信トラフィックを減少させることができるので、センサ通信の通信品質を向上させることができる。
【0209】
[動作(シーケンス)]
図13は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるチャネル変更処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0210】
図13を参照して、無線LAN端末装置141A,141B,141Cと無線LANアクセスポイント151Aとの間においてCh13のチャネルを用いて通信が行われている状況を想定する。
【0211】
まず、センサ親機121は、たとえば5秒ごとにセンサパケット401を作成し、作成したセンサパケット401をブロードキャストする(ステップS202)。
【0212】
次に、15.4アクセスポイント131は、センサ親機121からセンサパケット401を受信すると、センサパケット401の受信時におけるLQIである受信時LQIを計測し、計測した受信時LQIを含むセンサパケット401を通信制御装置101へ送信する。通信制御装置101は、15.4アクセスポイント131から受信するセンサパケット401を所定時間Tjの間蓄積する(ステップS204)。
【0213】
次に、通信制御装置101は、所定時間Tjごとに管理対象の無線LAN端末装置141A,141B,141Cへ端末関連情報要求を送信する(ステップS206)。
【0214】
次に、無線LAN端末装置141A,141B,141Cは、通信制御装置101から端末関連情報要求を受信すると、受信した端末関連情報要求の応答として端末関連情報を作成し、作成した端末関連情報を通信制御装置101へ送信する(ステップS208)。
【0215】
次に、通信制御装置101は、所定時間Tjごとに管理対象の無線LANアクセスポイント151A,151Bへセル関連情報要求を送信する(ステップS210)。
【0216】
次に、無線LANアクセスポイント151A,151Bは、通信制御装置101からセル関連情報要求を受信すると、受信したセル関連情報要求の応答としてセル関連情報を作成し、作成したセル関連情報を通信制御装置101へ送信する(ステップS212)。
【0217】
次に、通信制御装置101は、所定時間Tj経過すると、蓄積したセンサパケット401に含まれるシーケンス番号に基づいて平均パケットロス率PLを算出し、算出した平均パケットロス率PLがしきい値Thpより小さい場合(ステップS216でNO)、15.4アクセスポイント131から新たに受信するセンサパケット401を所定時間Tjの間蓄積する(ステップS204)。
【0218】
一方、通信制御装置101は、算出した平均パケットロス率PLがしきい値Thp以上である場合(ステップS216でYES)、たとえばパケットロスの発生原因がセンサ通信に対する無線LAN通信による干渉の影響であると判断する(ステップS218)。
【0219】
次に、通信制御装置101は、無線LAN端末装置141A,141B,141Cと無線LANアクセスポイント151Aとの間の通信において使用するチャネルの変更を選択する(ステップS220)。
【0220】
次に、通信制御装置101は、チャネルをCh1に変更すべき旨を含むチャネル変更命令を無線LAN端末装置141A,141B,141Cおよび無線LANアクセスポイント151Aへ送信する(ステップS222)。
【0221】
次に、無線LAN端末装置141A,141B,141Cおよび無線LANアクセスポイント151Aは、通信制御装置101からチャネル変更命令を受信すると、受信したチャネル変更命令に従って、自己が使用するチャネルをCh13からCh1に変更する(ステップS224,S226,S228,S230)。
【0222】
なお、上記ステップS206,S210の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。また、上記ステップS224〜S230の順番は、上記に限らず、一部または全部の順番を変更してもよい。
【0223】
図14は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるトポロジ変更処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0224】
図14を参照して、
図13に示す場合と同様に、無線LAN端末装置141A,141B,141Cと無線LANアクセスポイント151Aとの間においてCh13のチャネルを用いて通信が行われている状況を想定する。
【0225】
ステップS302〜S318の動作は、
図13に示すステップS202〜S218の動作と同様である。
【0226】
次に、通信制御装置101は、たとえば無線LAN端末装置141Bの通信相手を無線LANアクセスポイント151Aから151Bへ変更するトポロジ変更を選択する(ステップS320)。
【0227】
次に、通信制御装置101は、通信接続先を無線LANアクセスポイント151Bに変更すべき旨を含むトポロジ変更命令を無線LAN端末装置141Bへ送信する(ステップS322)。
【0228】
次に、無線LAN端末装置141Bは、通信制御装置101からトポロジ変更命令を受信すると、受信したトポロジ変更命令に従って、現在の通信接続先である無線LANアクセスポイント151Aへ切断要求を送信することにより無線LANアクセスポイント151Aとの通信接続を切断する(ステップS324)。
【0229】
次に、無線LAN端末装置141Bは、トポロジ変更命令に従って、自己が使用するチャネルをたとえばCh13からCh6に変更するとともに、新たな通信接続先である無線LANアクセスポイント151Bへ接続要求を送信することにより無線LANアクセスポイント151Bとの通信接続を確立する(ステップS326)。
【0230】
なお、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、センサ親機121および15.4アクセスポイント131は、15.4規格に従って無線通信を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。センサ親機121および15.4アクセスポイント131は、15.4規格以外の他の通信規格に従って無線通信を行う構成であってもよい。
【0231】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151は、802.11規格に従って無線通信を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151は、802.11規格以外の他の通信規格に従って無線通信を行う構成であってもよい。
【0232】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151がそれぞれ子機および親機として無線通信を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システム301では、親機および子機の関係を有さない対等な通信装置同士が通信を行う構成であってもよい。
【0233】
ところで、たとえば、このようなM2Mシステムの近傍において無線端末およびゲートウェイノード以外の他の装置が無線通信を行うために電波を送信する場合、無線端末およびゲートウェイノード間の無線通信に用いられる電波が干渉を受けて通信品質が劣化することがある。
【0234】
これに対して、本発明の実施の形態に係る通信制御装置は、使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる無線通信システム301において用いられる。判断部17は、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行う。そして、通信制御部18は、判断部17による判断結果に基づいて、第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行う。
【0235】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信が第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を受けていると判断した場合に、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。これにより、第1の通信方式の無線通信における通信品質の劣化を抑制することができる。したがって、無線通信システム301における電波干渉の発生を抑制し、通信品質を向上させることができる。
【0236】
また、本発明の実施の形態に係る通信制御装置では、第1の通信方式では、送信すべきデータの無線伝送を開始する前に通信環境に関する測定を行い、測定結果に基づいて無線伝送の開始を判断する。そして、測定に要する時間を含む無線伝送を開始するまでに要する時間が、通信装置によるパケットの送信間隔より大きい。
【0237】
このように、第2の通信方式におけるパケットの送信が第1の通信方式におけるデータの無線伝送に対してより優先される無線通信システム301において、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行い、当該干渉を軽減するために通信装置の通信動作を変更することができる。
【0238】
また、本発明の実施の形態に係る通信制御装置では、第2の通信方式では、無線LAN端末装置141が複数の無線LANアクセスポイント151の中から通信相手とすべき無線LANアクセスポイント151を選択可能であり、かつ無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域を変更可能である。通信制御部18は、通信動作の変更として、通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更および周波数帯域の変更を選択可能である。
【0239】
このような構成により、たとえば、第1の通信方式の無線通信に用いられる電波の周波数帯域と重複する周波数帯域の電波を用いる無線LAN端末装置141の通信相手となる無線LANアクセスポイント151の変更、または無線LAN端末装置141および無線LANアクセスポイント151間の通信において使用する周波数帯域の第1の通信方式と重複しない帯域への変更を選択することができるので、干渉を軽減するための適切な制御を実行することができる。
【0240】
また、本発明の実施の形態に係る通信制御装置では、通信制御部18は、第1の通信方式におけるパケットロス率の目標の達成に関する判断を行い、判断結果に応じて通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更、または周波数帯域の変更を選択する。
【0241】
このような構成により、通信相手の無線LANアクセスポイント151の変更、または周波数帯域の変更を、上記判断結果に応じて適切に選択することができる。
【0242】
また、本発明の実施の形態に係る通信制御装置では、判断部17は、第1の通信方式の無線通信における希望波の受信強度に関わらず、第1の通信方式における無線伝送の成功率または失敗率に基づいて、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉の影響を判断する。
【0243】
このような構成により、たとえば、希望波の受信強度が十分に得られていても第1の通信方式における無線伝送の成功率が低いような状況において、第1の通信方式の無線通信に対する第2の通信方式の無線通信による干渉の影響が大きいと正しく判断することができる。
【0244】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0245】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0246】
[付記1]
使用周波数帯の少なくとも一部が重複する第1の通信方式および第2の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムにおいて用いられる通信制御装置であって、
前記第1の通信方式の無線通信に対する前記第2の通信方式の無線通信による干渉に関する判断を行う判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、前記第2の通信方式の無線通信を行う通信装置の通信動作を変更する制御を行う通信制御部とを備え、
前記第1の通信方式を用いて無線通信が行われる通信システムでは、センサによる測定結果を示す情報を含むパケットが無線伝送され、
前記第1の通信方式を用いる無線通信はIEEE802.15.4規格に従う無線通信であり、
前記第1の通信方式を用いる無線通信の周波数帯は2.4ギガヘルツバンドであり、
前記第2の通信方式を用いる無線通信はIEEE802.11規格に従う無線通信であり、
前記第2の通信方式を用いる無線通信の周波数帯は2.4ギガヘルツバンドである、通信制御装置。