(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物内外を連通する通路を規定する枠体と、この通路に回転自在に配されていると共に当該通路を開閉する開閉部材と、この開閉部材を通路開放位置に向かう通路開放方向及び通路閉鎖位置に向かう通路閉鎖方向に強制的に回転させる回転手段と、開閉部材に回転自在に支持されていると共に当該開閉部材による通路の開放において建物外から建物内に向かって通路を流れる気流により当該通路を閉鎖する閉鎖方向に回転される閉鎖部材と、通路を規定する枠体の内縁に当該通路を囲繞して設けられていると共に開閉部材による通路の閉鎖において当該内縁に対面する開閉部材の外縁に接触する環状弾性シール部材とを有しており、閉鎖部材は、羽根と、この羽根に取付けられた重錘とを具備しており、羽根は、自由端となっている一端及び他端と、この一端及び他端間に位置していると共に開閉部材に回転自在に連結された連結部とを有しており、重錘は、羽根の他端に設けられている通路開閉装置。
建物内外を連通する通路を規定する枠体と、この通路に回転自在に配されていると共に当該通路を開閉する開閉部材と、この開閉部材を通路開放位置に向かう通路開放方向及び通路閉鎖位置に向かう通路閉鎖方向に強制的に回転させる回転手段と、開閉部材に回転自在に支持されていると共に当該開閉部材による通路の開放において建物外から建物内に向かって通路を流れる気流により当該通路を閉鎖する閉鎖方向に回転される閉鎖部材と、通路を規定する枠体の内縁に対面する開閉部材の外縁に、当該開閉部材による通路の閉鎖において当該通路を囲繞するように設けられていると共に開閉部材による通路の閉鎖において枠体の内縁に接触する環状弾性シール部材とを有しており、閉鎖部材は、羽根と、この羽根に取付けられた重錘とを具備しており、羽根は、自由端となっている一端及び他端と、この一端及び他端間に位置していると共に開閉部材に回転自在に連結された連結部とを有しており、重錘は、羽根の他端に設けられている通路開閉装置。
環状弾性シール部材は、互いに対向した一対の弾性シール部と、この一対の弾性シール部に一体に形成されていると共に互いに対向した他の一対の弾性シール部とを具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の通路開閉装置。
開閉部材は、その一縁で枠体に回転自在に取付けられており、閉鎖部材は、開閉部材の建物外又は建物内に面する面に回転自在に支持されている請求項1から4のいずれか一項に記載の通路開閉装置。
閉鎖部材は、開閉部材が通路開放位置に配されている際に気流により通路を閉鎖する方向に回転されるようになっている請求項1から5のいずれか一項に記載の通路開閉装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、これら通路開閉装置では、通路を閉鎖するように配された開閉部材は、その上縁及び下縁で通路を規定する枠体の上内縁及び下内縁に取付けられたシール部材に接触して通路を閉鎖しているが、斯かる開閉部材は、その横方向の両端で枠体の側板に回転自在に支持されるために、滑らかな回転を維持するために、当該両端と枠体の側板との間に隙間をもって配置せざるを得なく、斯かる隙間が存在すると、開閉部材がシール部材に接触して通路を閉鎖して通路を介しての空気の流通を阻止しているにも拘わらず、当該隙間を介して空気の流通がなされる虞がある。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、開閉部材による通路の閉鎖を確実に行い得る通路開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通路開閉装置は、建物内外を連通する通路を規定する枠体と、この通路に回転自在に配されていると共に当該通路を開閉する開閉部材と、この開閉部材を通路開放位置に向かう通路開放方向及び通路閉鎖位置に向かう通路閉鎖方向に強制的に回転させる回転手段と、開閉部材に回転自在に支持されていると共に当該開閉部材による通路の開放において建物外から建物内に向かって通路を流れる気流により当該通路を閉鎖する閉鎖方向に回転される閉鎖部材と、通路を規定する枠体の内縁に当該通路を囲繞して設けられていると共に開閉部材による通路の閉鎖において当該内縁に対面する開閉部材の外縁に接触する環状弾性シール部材とを有している。
【0008】
また、本発明の通路開閉装置は、建物内外を連通する通路を規定する枠体と、この通路に回転自在に配されていると共に当該通路を開閉する開閉部材と、この開閉部材を通路開放位置に向かう通路開放方向及び通路閉鎖位置に向かう通路閉鎖方向に強制的に回転させる回転手段と、開閉部材に回転自在に支持されていると共に当該開閉部材による通路の開放において建物外から建物内に向かって通路を流れる気流により当該通路を閉鎖する閉鎖方向に回転される閉鎖部材と、通路を規定する枠体の内縁に対面する開閉部材の外縁に、当該開閉部材による通路の閉鎖において当該通路を囲繞するように設けられていると共に開閉部材による通路の閉鎖において枠体の内縁に接触する環状弾性シール部材とを有している。
【0009】
本発明の通路開閉装置によれば、環状弾性シール部材が通路を囲繞して設けられており、斯かる環状弾性シール部材が開閉部材による通路の閉鎖において開閉部材の外縁又は枠体の内縁に接触されるようになっているために、開閉部材の横方向の両端で枠体の側板に当該両端と枠体の側板との間に隙間をもって開閉部材が回転自在に支持されていても、開閉部材による通路の閉鎖において、当該通路の閉鎖を完全に確実に行い得る一方、開閉部材の横方向の両端で枠体の側板に当該両端と枠体の側板との間に隙間をもって開閉部材を回転自在に支持し得る結果、開閉部材の滑らかな回転を確保できる。
【0010】
本発明の通路開閉装置の好ましい例では、環状弾性シール部材は、無端環状体からなっており、また、互いに対向した一対の弾性シール部と、この一対の弾性シール部に一体に形成されていると共に互いに対向した他の一対の弾性シール部とを具備している。
【0011】
斯かる環状弾性シール部材は、好ましくは、天然又は合成の樹脂、より好ましくは、天然ゴム又は合成ゴムからなっていてもよく、また、中実であってもよいが、接触において押圧されることにより容易に弾性変形して相手材との間で効果的な密着性を発揮すべく、好ましい例では、中空である。
【0012】
本発明では、好ましくは、開閉部材は、その一縁で枠体に回転自在に取付けられており、閉鎖部材は、開閉部材の建物外又は建物内に面する面に回転自在に支持されており、この場合、開閉部材の一縁は、開閉部材の上縁であっても下縁であってもよく、更には、側縁であってもよい。
【0013】
本発明において、閉鎖部材は、開閉部材が通路開放位置に配されている際に気流により通路を閉鎖する方向に回転されるようになっていてもよく、また、閉鎖部材は、羽根と、この羽根に取付けられた重錘とを具備していてもよく、斯かる羽根は、好ましくは、自由端となっている一端及び他端と、この一端及び他端間に位置していると共に開閉部材に回転自在に連結された連結部とを有しており、重錘は、斯かる羽根の一端又は他端に設けられていてもよい。
【0014】
閉鎖部材は、好ましい例では、薄肉金属板製の羽根又は薄肉硬質樹脂板製の羽根からなっており、斯かる薄肉金属板又は薄肉硬質樹脂板は、無孔であっても、気流の通過をある程度許容する複数の孔を有していてもよく、また、閉鎖部材は、金網製の羽根からなっていてもよい。
【0015】
好ましい例では、重錘は、閉鎖部材の一端から当該閉鎖部材の連結部までの閉鎖部材の重量に基いて閉鎖部材に生じる連結部を中心とした回転モーメントの方向に対して逆の方向の回転モーメントを閉鎖部材に生じさせるようになっている。斯かる重錘は、個数の選択で閉鎖部材に生じさせる逆の方向の回転モーメントの大小を調整できるように、ここに取り外し自在な複数個の重錘部からなっていてもよい。
【0016】
回転手段は、好ましい例では、回転力発生手段として電動モータを具備していてもよいが、これに代えて、回転力発生手段として手動操作可能な操作アーム又は玉チェーンを具備していてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、開閉部材による通路の閉鎖を確実に行い得る通路開閉装置を提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0020】
図1から
図3において、本例の換気装置としての通路開閉装置1は、建物内外2及び3を連通する通路4を規定する枠体5と、通路4に軸部材6を中心として通路開放方向であるA方向及び通路閉鎖方向であるB方向に回転自在に配されていると共に通路4を開閉する中空の開閉部材7と、開閉部材7を枠体5に対して軸部材6を中心としてA方向及びB方向に回転自在に支持させる支持機構8と、開閉部材7を通路開放位置に向かうA方向及び通路閉鎖位置に向かうB方向に強制的に回転させる回転手段9と、開閉部材7に軸部材10を中心として通路閉鎖方向であるD方向及び通路開放方向であるE方向に回転自在に支持されていると共に開閉部材7による通路4の開放において建物外3から建物内2に向かって通路4を流れる気流11(
図4参照)により通路4を閉鎖するD方向に回転される閉鎖部材12と、閉鎖部材12を開閉部材7に対して軸部材10を中心としてD方向及びE方向に回転自在に支持させる支持機構13と、閉鎖部材12の開閉部材7に対しての軸部材10を中心とした一定以上のE方向の回転を禁止する禁止機構14と、通路4を規定する枠体5の環状の内縁15に当該通路4を囲繞して設けられていると共に開閉部材7による通路4の閉鎖において内縁15に対面する開閉部材7の環状の外縁16に接触する無端環状体からなる環状弾性シール部材17とを有している。
【0021】
枠体5は、建物外3に開口した開口22を有した矩形状の外側中空枠23と、建物内2に開口した開口24を有した矩形状の内側中空枠25と、外側中空枠23及び内側中空枠25間に配されていると共に内縁15としての嵌合突起26を有した矩形状の中間中空枠27とを具備しており、これら外側中空枠23、内側中空枠25及び中間中空枠27は、建物外壁28に埋め込まれており、通路4は、これら外側中空枠23、内側中空枠25及び中間中空枠27の夫々の内面29で規定されている。
【0022】
開口22及び開口24の少なくとも一方には、防塵用金網及び防鳥用金網等の金網が設けられていてもよい。
【0023】
前板32、後板33、上板34、下板35及び一対の横板36を有している開閉部材7は、これら上板34、下板35及び一対の横板36と内面29との間に隙間37が形成されるように、支持機構8によりA方向及びB方向に回転自在に支持されており、内縁15に対面する開閉部材7の環状の外縁16は、前板32の上縁38、下縁39及び一対の側縁40からなる。
【0024】
支持機構8は、一対の横板36の夫々の後縁の下端から一体的に延設された軸受板41と、各軸受板41をA方向及びB方向に回転自在に貫通していると共に中間中空枠27の側板42の下部に固着された軸部材6とを有しており、軸受板41の軸部材6に対するA方向及びB方向の回転自在性で開閉部材7を枠体5に対して軸部材6を中心としてA方向及びB方向に回転自在に支持するようになっており、而して、開閉部材7は、その一対の横板36の一縁で軸受板41及び軸部材6を介して中間中空枠27の側板42にA方向及びB方向に回転自在に取付けられている。
【0025】
回転手段9は、内側中空枠25の一方の横板45に取付けられた回転力発生手段としての減速機付の電動モータ46と、電動モータ46からの回転力を、開閉部材7をA及びB方向に回転させる回転力として当該開閉部材7に伝達する伝達手段47とを具備している。
【0026】
電動モータ46は、通路開放位置(
図4に示す位置)での開閉部材7のそれ以上のA方向の回転及び通路閉鎖位置(
図1に示す位置)での開閉部材7のそれ以上のB方向の回転を生じさせないように、開閉部材7の回転位置を検出する図示しない検出機構でその作動が制御されるようになっており、電動モータ46の減速機は、電動モータ46の作動停止中、自重及び気流11による開閉部材7の意図しない回転を禁止し、開閉部材7の各回転位置を維持する抵抗力を生じさせるようになっている。
【0027】
伝達手段47は、一端51で電動モータ46の減速機の出力回転軸52に固着された回転自在アーム53と、後板33の上部の中央部に取付けられた連結部材54と、一端55では回転自在アーム53の他端56に軸部材57を介して、他端58では連結部材54に軸部材59を介して夫々回転自在に連結された回転自在アーム60とを具備しており、電動モータ46の作動による出力回転軸52の回転で、回転自在アーム53を出力回転軸52を中心として回転させ、回転自在アーム53の回転で回転自在アーム60を回転自在アーム53及び連結部材54に対して軸部材57及び59を中心として回転させ、回転自在アーム60の回転で開閉部材7をA及びB方向に回転させるようになっている。
【0028】
閉鎖部材12は、羽根65と、羽根65に取付けられた複数個の重錘66とを具備しており、羽根65は、自由端となっている一端67及び他端68と、一端67及び他端68間に位置していると共に支持機構13を介して開閉部材7にD方向及びE方向に回転自在に連結された連結部69とを有している。
【0029】
羽根65は、軸部材10に装着された連結部69に加えて、一端67を有すると共に一端67及び連結部69間の薄板からなる前方羽根部71と、他端68を有すると共に連結部69及び他端68間の同じく薄板からなる後方羽根部72とを具備しており、重錘66は、他端68に設けられている。
【0030】
支持機構13は、前板32から開口22に向かって突出していると共に一対の側縁40の上部に夫々に取付けられた一対の支持腕81と、一対の支持腕81の夫々の先端部82に一端で固着されていると共に他端で連結部69の各端部83にD方向及びE方向に回転自在に嵌入された軸部材10とを具しており、而して、閉鎖部材12は、開閉部材7の建物外3に面する前板32の面84にD方向及びE方向に回転自在に支持されている。
【0031】
重錘66は、連結部69から他端68までの閉鎖部材12の重量、即ち後方羽根部72の重量との協働で、一端67から連結部69までの閉鎖部材12の重量、即ち前方羽根部71の重量に基いて閉鎖部材12に生じる軸部材10を中心としたE方向の回転モーメントの方向に対して逆の方向のD方向の回転モーメントをその重量で閉鎖部材12に生じさせるようになっている。
【0032】
重錘66及び後方羽根部72の合計重量に基いて軸部材10を中心とした閉鎖部材12に生じるD方向の回転モーメントは、一端67から連結部69までの閉鎖部材12の重量、即ち、前方羽根部71の重量に基いて閉鎖部材12に生じる軸部材10を中心としたE方向の回転モーメントより小さくなっている。
【0033】
禁止機構14は、一対の支持腕81の夫々に取付けられていると共に閉鎖部材12の軸部材10を中心としたE方向の回転で後方羽根部72に接触するようになっている係止棒88からなっており、而して、係止棒88は、後方羽根部72の接触で、閉鎖部材12の開閉部材7に対しての軸部材10を中心とした一定以上のE方向の回転を禁止している。後方羽根部72が係止棒88に接触している状態であって開閉部材7が通路開放位置に配されている際には、屈曲した前方羽根部71は、気流11を受けるように、連結部69から開口22に向かって伸びている。
【0034】
而して、開閉部材7が通路開放位置に配されている際には、閉鎖部材12は、受容する気流11に基づいて通路4を閉鎖する方向、即ち前方羽根部71の重量に基づくE方向の回転モーメントに打ち勝ってD方向に回転されるようになっており、閉鎖部材12による通路4の閉鎖の程度は、気流11の強さに基づいて閉鎖部材12に生じるD方向の回転モーメントの大きさに依存しており、気流11が強ければ強い程、言い換えると、気流11の流速が速ければ速い程、閉鎖部材12は、通路4を大きく閉鎖するようになっており、気流11の流速が3m/secから4m/secで、
図5に示すように、重錘66が支持腕81の側縁40への取付部に接触して、通路4を略完全に閉鎖するようになっている。
【0035】
閉鎖部材12による通路4の略完全な閉鎖を生じさせる気流11の流速の大きさは、重錘66の個数を変更することにより調整、設定できる。
【0036】
環状弾性シール部材17は、互いに対向した一対の弾性シール部としての鉛直方向Vにおいて互いに対向して水平方向Hに伸びた上弾性シール部91及び下弾性シール部92と、上弾性シール部91及び下弾性シール部92に一体に形成されていると共に互いに対向した他の一対の弾性シール部としての水平方向Hにおいて互いに対向して鉛直方向Vに伸びた横弾性シール部93及び94とを具備しており、これら上弾性シール部91、下弾性シール部92並びに横弾性シール部93及び94は、開口24に向かって露出するように、嵌合突起26に嵌合されて中間中空枠27に取付けられている。
【0037】
開閉部材7による通路4の閉鎖において、上弾性シール部91は、上縁38に、下弾性シール部92は、下縁39に、横弾性シール部93は、一方の側縁40に、そして、横弾性シール部94は、他方の側縁40に夫々接触、押圧されて弾性変形されるようになっており、斯かる上弾性シール部91、下弾性シール部92並びに横弾性シール部93及び94の上縁38、下縁39及び一対の側縁40への接触、押圧により、通路4は、開閉部材7によりぴったりと閉鎖されることになる。
【0038】
以上の通路開閉装置1においては、回転手段9は、建物内2の換気を必要としない場合には、
図1に示すように、外縁16が環状弾性シール部材17を押圧して当該外縁16が環状弾性シール部材17に接触して通路4を閉鎖する通路閉鎖位置に開閉部材7を回転させており、建物内2の換気を必要とする場合には、電動モータ46の作動による出力回転軸52の回転で伝達手段47を介して開閉部材7を軸部材6を中心としてA方向に回転させ、
図4に示すように、通路開放位置に開閉部材7を回転させる。開閉部材7が通路開放状態にされると、開口22を介する建物外3からの気流11は、通路4を通って開口24から建物内2に流入して、建物内2は、換気される。
【0039】
通路開閉装置1において、開閉部材7が通路開放状態に配置されている際に、気流11の流速に応じて、気流11の風圧を受容する閉鎖部材12は、軸部材10を中心としてD方向及びE方向に回転される結果、気流11の流速に応じた気体(空気)が建物内2に流入される。気流11の流速が例えば4m/sec以上になると、閉鎖部材12は、大きな風圧を受けることになり、
図5に示すように、重錘66が支持腕81の側縁40への取付部に接触する程度にD方向に軸部材10を中心として回転されて、通路4を大きく閉鎖し、建物内2に高速の気流11の導入を阻止する。気流11の流速が一定以下になると、閉鎖部材12は、重錘66及び後方羽根部72の合計重量に基づく軸部材10を中心としたD方向の回転モーメントに打ち勝つ前方羽根部71の重量に基づく軸部材10を中心としたE方向の回転モーメントで、
図4に示すように、後方羽根部72で係止棒88に接触した状態となり、気流11の開口24からの建物内2への流入を許容する。なお、本例では、閉鎖部材12のD方向の大きな回転で、重錘66が支持腕81の側縁40への取付部に接触するようになっているので、この接触(衝突)での音の発生を防止すべく、重錘66が弾性部材からなっているとよい。
【0040】
通路開閉装置1において、
図4又は
図5に示すように、開閉部材7が通路開放状態に配置されている際に、電動モータ46の作動による出力回転軸52の回転で伝達手段47を介して開閉部材7が軸部材6を中心としてB方向に強制的に回転されて、
図1に示すように、外縁16が環状弾性シール部材17を押圧して当該外縁16が環状弾性シール部材17に接触して通路4を閉鎖する通路閉鎖位置に開閉部材7が回転されると、建物外3からの気流11は、開閉部材7で阻止される結果、通路4を介する建物内2の換気は、停止される。
【0041】
ところで、通路開閉装置1によれば、環状弾性シール部材17が通路4を囲繞して設けられており、斯かる環状弾性シール部材17が開閉部材7による通路4の閉鎖において開閉部材7の外縁16に接触されるようになっているために、開閉部材7の横方向の両端、即ち横板36で枠体5の側板である両側板42に当該横板36と側板42との間に隙間37をもって回転自在に支持されていても、開閉部材7による通路4の閉鎖において、当該通路4の閉鎖を完全に確実に行い得る一方、開閉部材7の横方向の両横板36で両側板42に当該両横板36と両側板42との夫々の間に隙間37をもって回転自在に支持し得る結果、開閉部材7の滑らかな回転を確保できる。
【0042】
通路開閉装置1においては、環状弾性シール部材17が枠体5の内縁15に設けられているが、これに代えて、環状弾性シール部材17は、通路4を規定する内縁15に対面する外縁16に、開閉部材7による通路4の閉鎖において当該通路4を囲繞するように設けられていてもよく、この場合、環状弾性シール部材17は、開閉部材7による通路4の閉鎖において内縁15に接触することになる。
【0043】
上記の通路開閉装置1では、開閉部材7は、内倒しであるが、これに代えて、
図6から
図8に示すように、開閉部材7は、外倒しであってもよく、この場合、開閉部材7は、その一対の横板36の夫々の前縁の下端から一体的に延設された軸受板41及び中間中空枠27の側板42の下部に固着された軸部材6を介して当該側板42に軸部材6を中心としてA方向及びB方向に回転自在に取付けられており、閉鎖部材12は、開閉部材7の後板33から開口24(
図1参照)に向かって突出すると共に後板33の一対の側縁100の夫々に取付けられた支持腕81に軸部材10及び連結部69を介して軸部材10を中心としてD方向及びE方向に回転自在に設けられており、上弾性シール部91、下弾性シール部92並びに一対の横弾性シール部93及び94(
図2参照)からなる環状弾性シール部材17は、開口22(
図1参照)に向かって露出するように、内縁15としての嵌合突起26に嵌合されて中間中空枠27に取付けられており、内縁15に対面する開閉部材7の環状の外縁16は、後板33の上縁101、下縁102及び一対の側縁100からなっており、回転自在アーム60は、連結部材54に代えて、一対の側縁100の夫々の下部に取付けられた一対の支持腕81のうちの一方の支持腕81に軸部材59を介して回転自在に連結されており、閉鎖部材12に生じるD方向の回転モーメントは、当該閉鎖部材12に生じるE方向の回転モーメントより小さくなっている。
【0044】
図6から
図8に示す通路開閉装置1においても、回転手段9は、建物内2の換気を必要としない場合には、
図1から
図5に示す通路開閉装置1と同様にして、外縁16が環状弾性シール部材17を押圧して当該外縁16が環状弾性シール部材17に接触して通路4を閉鎖する通路閉鎖位置に開閉部材7を回転させており、建物内2の換気を必要とする場合には、電動モータ46の作動による出力回転軸52の回転で伝達手段47を介して開閉部材7を軸部材6を中心としてA方向に回転させ、通路開放位置に開閉部材7を回転させ、
図6及び
図8に示すように、開閉部材7が通路開放状態にされると、開口22(
図1参照)を介する建物外3から外側中空枠23における通路4に導入された気流11は、中間中空枠27及び内側中空枠25における通路4を通って開口24(
図1参照)から建物内2に流入して、建物内2は、換気される一方、開閉部材7が通路開放状態に配置されている際に、気流11の流速に応じて、気流11の風圧を受容する閉鎖部材12は、軸部材10を中心としてD方向及びE方向に回転される結果、気流11の流速に応じた気体(空気)が建物内2に流入され、気流11の流速が例えば4m/sec以上になると、閉鎖部材12は、大きな風圧を受けることになり、
図8に示すように、重錘66が支持腕81の側縁100への取付部に接触する程度にD方向に軸部材10を中心として回転されて、通路4を大きく閉鎖し、建物内2に高速の気流11の導入を阻止し、気流11の流速が一定以下になると、閉鎖部材12は、重錘66及び後方羽根部72の合計重量に基づく軸部材10を中心としたD方向の回転モーメントに打ち勝つ前方羽根部71の重量に基づく軸部材10を中心としたE方向の回転モーメントで、
図6に示すように、後方羽根部72で係止棒88に接触した状態となり、気流11の開口24(
図1参照)からの建物内2への流入を許容し、そして、斯かる通路開閉装置1においても、通路4を囲繞して設けられている環状弾性シール部材17が開閉部材7による通路4の閉鎖において開閉部材7の外縁16に接触されるようになっているために、開閉部材7の横方向の両端、即ち横板36で枠体5の側板である両側板42に当該横板36と側板42との間に隙間37(
図1参照)をもって回転自在に支持されていても、開閉部材7による通路4の閉鎖において、当該通路4の閉鎖を完全に確実に行い得る一方、開閉部材7の横方向の両横板36で両側板42に当該両横板36と両側板42との夫々の間に隙間37をもって回転自在に支持し得る結果、開閉部材7の滑らかな回転を確保できる。
【0045】
また、開閉部材7を内倒し又は外倒しにする代わりに、
図9及び
図10に示すように、開閉部材7を突出しにしてもよく、この場合、開閉部材7は、一対の横板36の夫々の前縁の上端から一体的に延設された軸受板41及び中間中空枠27の側板42の上部に固着された軸部材6を介して側板42に軸部材6を中心としてA方向及びB方向に回転自在に取付けられており、回転自在アーム60は、一対の側縁100(
図7参照)の夫々の上部に取付けられた支持腕81のうちの一方の支持腕81に軸部材59を介して回転自在に連結されており、軸部材10を中心とした閉鎖部材12に生じるD方向の回転モーメントは、軸部材10を中心とした閉鎖部材12に生じるE方向の回転モーメントより小さくなっており、
図9及び
図10に示す通路開閉装置1においても、回転手段9は、建物内2の換気を必要としない場合には、
図6から
図8に示す通路開閉装置1と同様にして、外縁16が環状弾性シール部材17を押圧して当該外縁16が環状弾性シール部材17に接触して通路4を閉鎖する通路閉鎖位置に開閉部材7を回転させており、建物内2の換気を必要とする場合には、電動モータ46の作動による出力回転軸52の回転で伝達手段47を介して開閉部材7を軸部材6を中心としてA方向に回転させ、通路開放位置に開閉部材7を回転させ、
図9及び
図10に示すように、開閉部材7が通路開放状態にされると、開口22(
図1参照)を介する建物外3から外側中空枠23における通路4に導入された気流11は、中間中空枠27及び内側中空枠25における通路4を通って開口24(
図1参照)から建物内2に流入して、建物内2は、換気される一方、開閉部材7が通路開放状態に配置されている際に、気流11の流速に応じて、気流11の風圧を受容する閉鎖部材12は、軸部材10を中心としてD方向及びE方向に回転される結果、気流11の流速に応じた気体(空気)が建物内2に流入され、気流11の流速が例えば4m/sec以上になると、閉鎖部材12は、大きな風圧を受けることになり、
図10に示すように、重錘66が支持腕81の側縁100への取付部に接触する程度にD方向に軸部材10を中心として回転されて、通路4を大きく閉鎖し、建物内2に高速の気流11の導入を阻止し、気流11の流速が一定以下になると、閉鎖部材12は、D方向の回転モーメントに打ち勝つE方向の回転モーメントで、
図9に示すように、後方羽根部72で係止棒88に接触した状態となり、気流11の開口24(
図1参照)からの建物内2への流入を許容し、そして、斯かる通路開閉装置1においても、通路4を囲繞して設けられている環状弾性シール部材17が開閉部材7による通路4の閉鎖において開閉部材7の外縁16に接触されるようになっているために、開閉部材7の横方向の両端、即ち横板36で枠体5の側板である両側板42に当該横板36と側板42との間に隙間37(
図1参照)をもって回転自在に支持されていても、開閉部材7による通路4の閉鎖において、当該通路4の閉鎖を完全に確実に行い得る一方、開閉部材7の横方向の両横板36で両側板42に当該両横板36と両側板42との夫々の間に隙間37をもって回転自在に支持し得る結果、開閉部材7の滑らかな回転を確保できる。
【0046】
図6から
図8に示す通路開閉装置1並びに
図9及び
図10に示す通路開閉装置1では、一対の支持腕81のうちの一方の支持腕81に出力回転軸52の回転を伝達手段47を介して伝達するようにしたが、伝達手段47と同様の伝達手段でもって一対の支持腕81のうちの他方の支持腕81にも出力回転軸52の回転を伝達するようにしてもよく、このように両方の支持腕81から伝達される回転力で開閉部材7を回転させることにより、環状弾性シール部材17への開閉部材7による通路4の閉鎖時の押圧を均等に行い得るので好ましい。