(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
尚、以下の説明における上下方向の概念は、添付の図面における上下に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。また、以下の説明において、便宜的にコネクタの挿入方向を「先端」と示し、コネクタの挿入方向の逆方向を「後端」と示し、左右方向とは、コネクタの挿入方向に対し直交する方向を「左右」を示すこととするが、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0017】
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態のモジュール用コネクタ100の斜視図であり、
図2(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の6面図のうちの平面図であり、
図2(b)は、モジュール用コネクタ100の正面図であり、
図2(c)は、モジュール用コネクタ100の底面図であり、
図2(d)は、モジュール用コネクタ100の左側側面図であり、
図2(e)は、モジュール用コネクタ100の右側側面図であり、
図3(a)は、
図2(b)に示すIIIA−IIIA線に沿った断面図であり、
図3(b)は、
図2(a)に示すIIIB−IIIB線に沿った断面図である。
図4(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の要部110を先端側から分解して示す斜視図であり、
図4(b)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の要部110を後端側から分解して示す斜視図である。
【0019】
図1乃至
図4(b)において、本発明の第1の実施形態のモジュール用コネクタ100は、例えば後述する車載用カメラモジュール1000等のモジュールに使用されるモジュール用コネクタのプラグ側である。なお、ここでは説明の都合上、プラグ側コネクタをコネクタと称し、ソケット側コネクタをソケットと称する。
【0020】
モジュール用コネクタ100は、多芯ケーブル10に含まれる複数の信号線11のそれぞれに接続される複数のコンタクト端子111と、複数のコンタクト端子111のそれぞれを圧入して固定するインシュレータ112と、インシュレータ112の外周に固定されるモールドカバー113と、複数のコンタクト端子111が圧入されたインシュレータ112及びモールドカバー113の後端側から注入される封止材121と、封止材121の注入後にモールドカバー113の後端側に固定されるオーバーモールド122と、モールドカバー113の環状の溝部113cに配置されるOリング123とを備える。
【0021】
なお、ここでは、ホスト側ケーブルとして4本の信号線11を有する多芯ケーブル10を使用したが、これには限定されず他の本数を有する多芯ケーブルあるいは同軸ケーブル等でも構わない。また、後述する本発明の第2の実施形態に示すように、被覆した複数の信号線11の周囲に編み込み形状等のシールドを有するシールド付き多芯ケーブルを使用しても構わない。
【0022】
コンタクト端子111は、平型のコンタクト部111aと、信号線接続部111bとから構成される。なお、コンタクト端子111は、ここでは銅製の薄板材に金メッキ処理したものを使用しているが、これには限定されず導電性を有する金属性の部品であればよい。
【0023】
平型のコンタクト部111aは、後述するインシュレータ112の複数の挿入口112cに圧入され、コンタクト嵌合時に後述するソケット900のソケットコンタクト端子901に接触される。コンタクト部111aを平型とすることにより、封止材121の注入時にインシュレータ112の後端壁112bの先端側であるコネクタの嵌合部に封止材121が流れ込むことを防ぐことができる。信号線接続部111bは、多芯ケーブル10の複数の信号線11の先端の被覆を剥がした導線12を圧着して固定する。なお、信号線接続部111bは、ここでは信号線11の導線12を圧着して固定するものとしたが、これには限定されず、はんだ付け式など他の方法で固定しても構わない。なお、ここでは、コンタクト部111aの形状を平型としたが、圧入に適する形状、例えば、丸型、角型などの形状を使用しても構わない。また、コンタクト部111aの形状を平型とした場合には、コンタクト端子111を薄形にできるため、省スペース化が達成でき、更に、金属の板材をそのまま加工できるため、製造工数を下げるという効果も達成できる。
【0024】
インシュレータ112には、主に、固定部112aと、後端壁112bと、複数の挿入口112cと、2箇所のロック爪112dとが形成される。インシュレータ112は、絶縁性を必要とするため例えば樹脂材料で形成される。
【0025】
固定部112aは、圧入された複数のコンタクト端子111の平型のコンタクト部111aをインシュレータ112の先端側に平行に並べ絶縁して固定する形状に形成される。固定部112aは、信号線11の本数あるいは、コンタクト部111aの形状により、様々な形状に変更できる。後端壁112bは、インシュレータ112の後端側に後述するモールドカバー113の円形開口部113aに固定されるように円形の壁形状に形成される。挿入口112cは、後端壁112bに複数設けられ、複数のコンタクト端子111の平型のコンタクト部111aが圧入される開口である。2箇所のロック爪112dは、後述する
図6(a)乃至
図7(c)に示すように、後端壁112bの先端側の外周に設けられた突起部であり、後述するモールドカバー113の円形開口部113aの内周に設けられたストッパー113bに回転して密着して固定される形状に形成される。ロック爪112dは、ここでは2箇所設けられるものとしたが、これには限定されず何箇所設けられても構わない。
【0026】
モールドカバー113は、略円板形状に形成され例えば樹脂材料で形成される。モールドカバー113には、主に、円形開口部113aと、2箇所のストッパー113bと、環状の溝部113cと、一対のU字形状の突起部113dと、一対のねじ挿入孔113eと、ケース係合部113fと、2箇所の嵌合方向特定部113gとが形成される。
【0027】
円形開口部113aは、略円板形状の中央部にインシュレータ112が挿入され固定される開口である。2箇所のストッパー113bは、後述する
図6(a)乃至
図7(c)に示すように、円形開口部113aの内周に設けられ、インシュレータ112の複数のロック爪112dに対応する位置に形成され、ロック爪112dに回転して密着して固定されるように形成される。ストッパー113bは、ここでは2箇所設けられるものとしたが、これには限定されずロック爪112dの数に合わせて何箇所設けられても構わない。環状の溝部113cは、円形開口部113aの先端側の周囲に後述するOリング123が配置されるように形成される。一対のU字形状の突起部113dは、略円板形状の外側の対向する方向に2箇所、張り出すように形成され、一対のねじ挿入孔113eは、一対の突起部113dのそれぞれの中央に設けられ、後述するコネクタ側ケース1010にコネクタ固定用ねじ1011により取り付けられるように形成される。一対のねじ挿入孔113eは、モジュール用コネクタ100と後述するソケット900の嵌合時の取り付け誤差を吸収するため、コネクタ固定用ねじ1011の径に対してクリアランスをもって大きい径に形成される。ケース係合部113fは、後述するコネクタ側ケース1010のケース開口部1010aに挿入されるように、円形開口部113aの先端側の外周に円柱形状に形成される。嵌合方向特定部113gは、ケース係合部113fの外周に複数設けられる切り欠きであって、ケース係合部113fがケース開口部1010aに挿入されたときに、モジュール用コネクタ100とコネクタ側ケース1010の嵌合の向きを特定するように形成される。
【0028】
封止材121は、後述する
図8に示すように、複数のコンタクト端子111がインシュレータ112に圧入され、モールドカバー113が固定された後、コネクタ嵌合部に水や塵が浸入するのを防ぐために、モールドカバー113の円形開口部113aの後端側から注入される。封止材121の材質としては、接着剤や射出成形による樹脂等が使用されるが、これには限定されない。
【0029】
オーバーモールド122は、封止材121が注入された後、モールドカバー113の後端側に固定される。オーバーモールド122は、ここでは、ポリアミドで成形されるが、例えば、ポリアミド以外のエンジニアプラスチック等の樹脂、あるいは、強化ゴムなどのゴム材料等で成形されてもよい。オーバーモールド122の挿入方向軸線上の中心部には、多芯ケーブル10が貫通される貫通孔122aが設けられる。多芯ケーブル10の周囲にオーバーモールド122が設けられることにより、多芯ケーブル10の外周部からモールドカバー113の内側に水や塵が浸入するのを防ぐことができる。オーバーモールド122は、多芯ケーブル10の屈曲を許容するために形状が変形可能に形成される。
【0030】
Oリング123は、例えばゴム材料等で成形され、モールドカバー113の先端側に設けられた環状の溝部113cに配置される。Oリング123は、モールドカバー113と後述するコネクタ側ケース1010との間に挟まれて、コネクタ嵌合部への水や塵の浸入を封止する。
【0031】
次に、モジュール用コネクタ100の製造方法について説明する。
【0032】
図5(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の工程図であって、コンタクト端子111と、多芯ケーブル10を圧着する工程を示す斜視図であり、
図5(b)は、コンタクト端子111をインシュレータ112の挿入口112cに圧入する工程を示す斜視図であり、
図5(c)は、コンタクト端子111がインシュレータ112の挿入口112cに圧入された状態を示す斜視図であり、
図5(d)は、
図5(c)に示す矢視VDに対応する図である。
【0033】
先ず、
図5(a)に示すように、多芯ケーブル10の4本の信号線11の先端の被覆を剥がし、被覆内部にある導線12にコンタクト端子111の信号線接続部111bを圧着して固定する。次に、
図5(b)に示すように、多芯ケーブル10の4本の信号線11が圧着されたコンタクト端子111の平型のコンタクト部111aがインシュレータ112の後端壁112bに設けられた挿入口112cに圧入されて固定される。
【0034】
このとき、
図5(c)に示すように、信号線11の導線12、及び、コンタクト端子111の後端側に設けられ、信号線11の導線12に圧着して接続される信号線接続部111bは、後端壁112bの後端側に露出されるように固定され、後述する
図8に示すように、接着剤や射出成形による樹脂等の封止材121により固定される。インシュレータ112の挿入口112cは、
図5(d)に示すように、左右に広がる直法体形状の固定部112aの上下に、固定部112aの壁面に沿って左右に2箇所ずつ設けられている。挿入口112cをこのような形状に形成し、コンタクト端子111の平型のコンタクト部111aを圧入することにより、封止材121の注入時に、コネクタの嵌合部に封止材121が流れ込むことを防ぐことができる。
【0035】
図6(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の工程図であって、コンタクト端子111が圧入されたインシュレータ112がモールドカバー113の円形開口部113aに挿入される工程を示す斜視図であり、
図6(b)は、
図6(a)に示す矢視VIBに対応する図である。
図7(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の工程図であって、インシュレータ112の外周に形成された複数のロック爪112dが、モールドカバー113の円形開口部113aに形成された複数のストッパー113bに、回転して密着して固定される工程を示す斜視図であり、
図7(b)は、
図7(a)に示す矢視VIIBに対応する図であり、
図7(c)は、
図7(a)に示すVIIC部分の拡大図である。
【0036】
上述の
図5(d)に示すように、インシュレータ112の後端壁112bの先端側の外周には、突起部である2つのロック爪112dが設けられている。2つのロック爪112dは、それぞれ異なる幅を有し、これによりモールドカバー113の挿入する向きを特定している。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、コンタクト端子111が圧入されたインシュレータ112は、モールドカバー113の円形開口部113aに挿入される。このとき、ロック爪112dと、ストッパー113bの位置関係により、
図6(b)に示すように、モールドカバー113の一対のU字形状の突起部113dとインシュレータ112の固定部112aの向きが60°回転した状態でモールドカバー113が挿入される。
【0037】
次に、
図7(a)乃至
図7(c)に示すように、モールドカバー113の一対のU字形状の突起部113dとインシュレータ112の固定部112aの向きが一致するようにモールドカバー113が60°回転される。これにより、インシュレータ112に2箇所設けられたロック爪112dが、モールドカバー113の円形開口部113aの内周に2箇所設けられたストッパー113bに密着して固定される。このように、回転して密着して固定される構成とすることにより、インシュレータ112にコンタクト端子111を圧入した後にモールドカバーを密着して固定できるため、組立て性を高めつつモールドカバー113の先端側に水や塵が浸入することを防ぐことができる。
【0038】
図8は、
図1に示すモジュール用コネクタ100の工程図であって、モールドカバー113が固定されたインシュレータ112の後端側から封止材121が注入される工程を示す斜視図である。
【0039】
図8に示すように、コンタクト端子111が圧入されたインシュレータ112にモールドカバー113が固定された後、モールドカバー113の円形開口部113aの内部であって、インシュレータ112の後端壁112bの後端側に露出した信号線11の導線12、及び、信号線11の導線12に圧着して接続されるコンタクト端子111の信号線接続部111bを覆うように、封止材121が注入される。このように、封止材121を注入することにより、電気的絶縁を必要とする導線12、及び、信号線接続部111bについて水や塵の侵入を防ぐことができる。
【0040】
次に、モールドカバー113の後端側にオーバーモールド122が固定され、
図1に示すようなモジュール用コネクタ100が完成される。
【0041】
次に、モジュール用コネクタ100に嵌合されるソケット900を説明する。
【0042】
図9(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100に嵌合されるソケット900を上側から示す斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)に示すソケット900を下側から示す斜視図である。
【0043】
図9(a)及び
図9(b)において、ソケット900は、複数のソケットコンタクト端子901と、ソケット900の側方に設けられた金属製の一対の固定金具902と、ソケットインシュレータ903とを備える。
【0044】
複数のソケットコンタクト端子901は、コネクタ嵌合時に、モジュール用コネクタ100のコンタクト端子111に接触され、先端が2つに分かれ、外側からコンタクト端子111を板ばねで抑えつける形状を有するコンタクト部901aと、後述する実装基板1021側に設けられ、横方向に折れ曲がった形状を有し、後述する実装基板1021のパッドに実装される実装部901bとから主に構成される。ソケットコンタクト端子901のコンタクト部901aを外側からコンタクト端子111を板ばねで抑えつける形状とすることにより、ソケット900の実装面積を小さくすることができる。なお、ソケットコンタクト端子901は、ここでは銅製の薄板材に金メッキ処理したものを使用しているが、これには限定されず導電性を有する金属性の部品であればよい。また、ソケットコンタクト端子901は、ここでは4本設けられる構成としたが、これには限定されず、モジュール用コネクタ100のコンタクト端子111の本数に合わせた本数が設けられればよい。また、コンタクト部901aは、先端が2つに分かれた形状とすることにより接触不良を抑制することができるが、この形状には限定されない。
【0045】
固定金具902は、係合開口部902aと、実装基板1021に実装される基板固定部902bとから主に構成される。係合開口部902aは、後述するソケットインシュレータ903の側壁に設けられた係合突起部903cに係合され、固定金具902をソケットインシュレータ903に固定する。基板固定部902bは、実装基板1021に実装されるために横方向にソケットインシュレータ903の内側に折れ曲がった形状を有する。なお、基板固定部902bは、ソケットインシュレータ903の内側に折れ曲がった形状とすることにより、実装面積を小さくすることができるが、この形状には限定されない。
【0046】
ソケットインシュレータ903には、主に、複数のコンタクト端子111のコンタクト部111aが固定されたインシュレータ112の固定部112aが挿入される開口部903aと、ソケット900のモジュール用コネクタ100側の一端に設けられ、操作者が把持するための取手用突起部903bと、固定金具902の係合開口部902aと係合するための突起部である係合突起部903cとが形成される。ソケットインシュレータ903は、電気的絶縁を必要とするため、例えば樹脂材料により形成される。また、ソケットインシュレータ903は、本実施形態の形状に限定されず、モジュール用コネクタ100のコンタクト端子111及びインシュレータ112等の形状に合わせて、様々な形状に変更可能である。
【0047】
図10(a)は、
図1に示すモジュール用コネクタ100を使用した車載用カメラモジュール1000の平面図であり、
図10(b)は、
図10(a)に示すXB−XB線に沿った断面図であり、
図10(c)は、
図10(a)に示すXC−XC線に沿った断面図であり、
図10(d)は、
図10(c)に示すXD部分の拡大図である。
【0048】
図10(a)乃至
図10(d)において、車載用カメラモジュール1000は、主に、モジュール用コネクタ100と、コネクタ側ケース1010と、カメラ側ケース1020と、2本のコネクタ固定用ねじ1011と、コネクタ側ケース1010及びカメラ側ケース1020を固定する4本のケース固定用ねじ1012とを備える。コネクタ側ケース1010及びカメラ側ケース1020は、例えば、アルミダイキャスト等の金属、あるいは樹脂等の成形品で形成される。
【0049】
コネクタ側ケース1010には、主に、多芯ケーブル10側の中央部に設けられた円形の開口部であり、モジュール用コネクタ100が挿入されるケース開口部1010aと、モールドカバー113のねじ挿入孔113eを介してコネクタ固定用ねじ1011が挿入されねじ止めされる2つのコネクタねじ止め孔1010bと、コネクタ側ケース1010とカメラ側ケース1020とを固定するケース固定用ねじ1012が挿入される4つのケースねじ挿入孔1010cとが形成される。なお、図示は省略するが、ケース開口部1010aには、上述のモールドカバー113に設けられた嵌合方向特定部113gに嵌合するための突起部が設けられる。また、コネクタねじ止め孔1010b及びケースねじ挿入孔1010cの数は、モジュール用コネクタ100の形状、車載用カメラモジュール1000の形状等に合わせて、変更可能である。
【0050】
カメラ側ケース1020には、図示しないケースねじ止め孔が形成され、ケースねじ挿入孔1010cを介してケース固定用ねじ1012が挿入され、コネクタ側ケース1010と、カメラ側ケース1020とをねじ止めする。カメラ側ケース1020の内部には、図示しないカメラモジュールが搭載され、更に、カメラモジュールと接続され、ソケット900が実装される実装基板1021が固定される。
【0051】
以上のように、本発明の第1の実施形態のモジュール用コネクタ100によれば、コンタクト端子111の平型のコンタクト部111aをインシュレータ112の挿入口112cに圧入し、インシュレータ112の後端側から封止材121を注入し固定することにより、ストッパー等の流れ込み対策用の中間部材やゴムキャップ等を使用することなく、封止材121による防水、防塵機能を獲得できるため、部品点数を少なくし、小型化を図ることができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0053】
図11(a)は、本発明の第2の実施形態のモジュール用コネクタ1100の斜視図であり、
図11(b)は、
図11(a)に示すモジュール用コネクタ1100の要部1110を後端側から示す斜視図である。
図13(a)は、
図11(b)に示すGNDコンタクト端子1114の斜視図であり、
図13(b)は、
図12(a)及び
図12(b)に示すソケットGND端子1202を示す斜視図である。
【0054】
図11(a)、
図11(b)、及び、
図13(a)において、本発明の第2の実施形態のモジュール用コネクタ1100は、第1の実施形態のモジュール用コネクタ100と同様に、
図10に示す車載用カメラモジュール1000等のモジュールに使用されるモジュール用コネクタである。モジュール用コネクタ1100は、第1の実施形態のモジュール用コネクタ100と異なり、被覆した複数の信号線11’の周囲に編み込み形状等のシールド13’を有するシールド付き多芯ケーブル10’のシールド13’と接続するために、GNDコンタクト端子1114を備える。
【0055】
なお、モジュール用コネクタ1100は、第1の実施形態のモジュール用コネクタ100と同様に、複数のコンタクト端子1111と、インシュレータ1112と、モールドカバー1113と、封止材1121と、オーバーモールド1122と、Oリング1123とを備えるが、重複する説明は省略する。
【0056】
GNDコンタクト端子1114は、
図13(a)に示すように、金属の板材が打ち抜き加工されたものが、プレス加工され、概略門形状に形成された部材である。GNDコンタクト端子1114の先端側には、インシュレータ1112の先端側の固定部1112aの左右側壁に固定され、細長い平板形状であるGNDコンタクト部1114aが形成される。GNDコンタクト部1114aは、コネクタ嵌合時に、後述するソケット1200のソケットGND端子1202のソケットGNDコンタクト部1202aと電気的に接触される。
【0057】
GNDコンタクト端子1114のGNDコンタクト部1114aの後端側には、GNDコンタクト部1114aと接続されるように、概略門形状であるシールド部1114bが形成される。シールド部1114bは、コンタクト端子1111及び信号線11’のノイズの放射と侵入を抑制する。
【0058】
GNDコンタクト端子1114の後端側には、シールド部1114bの
図13(a)に示す下部で接続され、概略門形状のケーブル保持部1114cが形成される。ケーブル保持部1114cは、
図11(b)に示すように、シールド付き多芯ケーブル10’からシールド13’が露出した部分を圧着により固定する。
【0059】
GNDコンタクト端子1114は、シールド付き多芯ケーブル10’の複数の信号線11’が圧着されたコンタクト端子1111のコンタクト部1111aがインシュレータ1112に圧入されて固定された後、GNDコンタクト部1114aがインシュレータ1112に圧入され、ケーブル保持部1114cがシールド付き多芯ケーブル10’に圧着されて固定される。
【0060】
図12(a)は、
図11(a)に示すモジュール用コネクタ1100に嵌合されるソケット1200を上側から示す斜視図であり、
図12(b)は、
図12(a)に示すソケット1200を下側から示す斜視図である。
【0061】
図12(a)、
図12(b)、及び、
図13(b)に示すように、ソケット1200は、第1の実施形態のソケット900と比較して、一対の固定金具902の代わりに、一対のソケットGND端子1202を備えることが異なる。なお、ソケット1200は、第1の実施形態のソケット900と同様に、複数のソケットコンタクト端子1201と、ソケットインシュレータ1203とを備えるが、重複する説明は省略する。
【0062】
ソケットGND端子1202は、
図13(b)に示すように、金属の板材が打ち抜き加工されたものが、プレス加工され、
図13(b)に示す上部にソケットGNDコンタクト部1202aと、
図13(b)に示す下部に基板固定部1202bが形成される部材である。ソケットGNDコンタクト部1202aは、ソケットGND端子1202の上部から内側に曲げられた形状に形成され、コネクタ嵌合時に、モジュール用コネクタ1100のGNDコンタクト端子1114のGNDコンタクト部1114aと接触される。基板固定部1202bは、ソケットGND端子1202の下部から横方向に外側に折り曲げられた形状に形成され、実装基板1021に実装される。
【0063】
ソケットGND端子1202は、ソケットインシュレータ1203の側面の2箇所に圧入により固定される。ソケットGND端子1202は、コネクタ嵌合時に、GNDコンタクト端子1114と電気的に接続されることにより、シールド付き多芯ケーブル10’のシールド13’から、GNDコンタクト端子1114、及び、ソケットGND端子1202を介して車載用カメラモジュール1000内部のカメラモジュールと接続される実装基板1021にGNDアース接続される。
【0064】
以上のように、本発明の第2の実施形態のモジュール用コネクタ1100によれば、第1の実施形態のモジュール用コネクタ100と同様の効果を得られると共に、シールド付き多芯ケーブル10’から車載カメラモジュール1000内部の実装基板1021まで、確実にGNDアース接続することができ、さらに、モジュール用コネクタ1100内部のコンタクト端子1111及び信号線11’のノイズの放射と侵入を抑制することができるため、高品質の信号伝送が達成できる。
【0065】
なお、以上の説明では、車載用カメラモジュールを例にとリ、本発明のモジュール用コネクタを説明したが、これには限定されず、防水、防塵機能を必要とする他のモジュールにも、本発明のモジュール用コネクタは適用可能である。
【0066】
以上のように、本発明のモジュール用コネクタによれば、コンタクト端子の圧入されるのに適した形状を有するコンタクト部をインシュレータの挿入口に圧入し、インシュレータの後端側から封止材を注入し固定することにより、ストッパー等の流れ込み対策用の中間部材やゴムキャップ等を使用することなく、封止材による防水、防塵機能を獲得できるため、部品点数を少なくし、小型化を図ることができる。