特許第6555071号(P6555071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気硝子株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000002
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000003
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000004
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000005
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000006
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000007
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000008
  • 特許6555071-物体の位置認識方法および物体搬送方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555071
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】物体の位置認識方法および物体搬送方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20190729BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20190729BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   G06T7/60 180D
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-204775(P2015-204775)
(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公開番号】特開2017-75915(P2017-75915A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162020
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】林 善史
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−189691(JP,A)
【文献】 特開2013−109692(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0161344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
G06T 1/00 − 1/40
G06T 3/00 − 9/40
G06T 11/60 − 13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 − 19/20
H04N 5/222 − 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々同等の形状および寸法で構成され重なり合った複数の物体の中から最上位に位置する物体を認識する、物体の位置認識方法であって、
前記複数の物体に、斜め上方より照明光を照射して、
前記複数の物体の画像データを取得して前記複数の物体の輪郭線を求める第一の工程と、
前記複数の物体の陰影および前記輪郭線が求められた前記画像データに対して二値化処理を実行する第二の工程と、
前記陰影および前記輪郭線によって閉塞された領域を判別する第三の工程と、
前記領域内において最大径の仮想内接円を形成する第四の工程と、
前記物体の大きさを超える仮想内接円を除いた他の仮想内接円のうち、内径寸法が前記物体の内径寸法と同等の他の仮想内接円の中心の位置をもって、最上位に位置する物体の位置と認識する第五の工程と、
により構成される、
ことを特徴とする物体の位置認識方法。
【請求項2】
前記物体は、円盤形状の部材からなる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物体の位置認識方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物体の位置認識方法により認識された、最上位に位置する物体を、吸着パッドにより吸着して保持し、
前記複数の物体からなる物体群の外部へと搬出する、
ことを特徴とする物体搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の位置認識方法の技術に関し、より詳しくは、重なり合った複数の物体である検出対象物の中から最上位に位置する検出対象物を速やかに、且つ正確に見出すことが可能な物体の位置認識方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに重なり合った複数の検出対象物(以下、適宜「検出対象物群」と記載する)の中から最上位に位置する検出対象物を見出すための、様々な技術が知られている。
例えば、「特許文献1」においては、画像情報における画像の濃度分布に基づいて、互いに重なり合った検出対象物群の中から各検出対象物の上下方向の位置関係を判断する技術が開示されている。
また、「特許文献2」においては、検出対象物群の輪郭上に所定の検出図形(検出円)の中心を走らせ、当該検出円と、検出対象物群の輪郭との交点の個数に基づき、重なり合っている検出対象物の個数が1つ以上であるのか否かを判断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−271223号公報
【特許文献2】特開平11−114860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記「特許文献1」による技術においては、例えば互いに重なり合う検出対象物間での重なり箇所の濃淡差が微小な場合、これらの検出対象物の上下方向の位置関係を判断するのが困難な場合があった。
また、前記「特許文献2」においては、互いに重なり合った検出対象物群において、ある検出対象物に重なり合う、任意の検出対象物の個数を把握することは可能であるが、各々の検出対象物の上下方向の位置関係まで判断することは困難であった。
【0005】
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、重なり合った複数の物体である検出対象物の中から最上位に位置する検出対象物を速やかに、且つ正確に見出すことが可能な物体の位置認識方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明に係る物体の位置認識方法は、重なり合った複数の物体の中から最上位に位置する物体を認識する、物体の位置認識方法であって、前記複数の物体に、斜め上方より照明光を照射して、前記複数の物体の画像データを取得して前記複数の物体の輪郭線を求める第一の工程と、前記複数の物体の陰影および前記輪郭線が求められた前記画像データに対して二値化処理を実行する第二の工程と、前記陰影および前記輪郭線によって閉塞された領域を判別する第三の工程と、前記領域内において最大径の仮想内接円を形成する第四の工程と、前記物体の大きさを超える仮想内接円を除いた他の仮想内接円の中心の位置をもって、最上位に位置する物体の位置と認識する第五の工程と、により構成されることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明においては、複数の物体に対して斜め上方より照明光Lを照射することとしており、当該複数の物体(検出対象物)の周囲に影を形成し易いことから、前述した「特許文献1」による技術のように、互いに重なり合う物体間での重なり箇所の濃淡差が微小となることが少なく、前記複数の物体の輪郭線をより明確に認識することができ、最上位に位置する物体の探索を、より正確に行うことができる。
また、本発明における物体の位置認識方法によれば、前述した「特許文献2」による技術のように、ある物体(検出対象物)に重なり合う、任意の物体の個数を把握するのではなく、第一乃至第五の工程に基づき、重なり合った複数の物体の中から最上位に位置する物体を認識することができる。
【0009】
また、本発明に係る物体の位置認識方法において、前記物体は、円盤形状の部材からなることが好ましい。
【0010】
このような構成からなる物体の位置認識方法によれば、前記第四の工程において形成される仮想内接円の形状を、物体(検出対象物)の形状と同等に設定することができることから、前記第一乃至第五の工程を実行するための演算プログラムの単純化を図ることができ経済的である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る物体の位置認識方法によれば、重なり合った複数の検出対象物の中から最上位に位置する検出対象物を速やかに、且つ正確に見出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る物体の位置認識装置の全体的な構成を示した概念図。
図2】照明手段の配置姿勢を示した側面図。
図3】物体の位置認識を実行する際の手順を経時的に示したフローチャート。
図4】検出対象物群の画像データの内容を示した図であって、当該検出対象物群の輪郭線の形成処理を行った状態を示した模式図。
図5】検出対象物群の画像データの内容を示した図であって、当該検出対象物群の二値化処理を行った状態を示した模式図。
図6】検出対象物群の画像データの内容を示した図であって、当該検出対象物群の領域の判別処理を行った状態を示した模式図。
図7】検出対象物群の画像データの内容を示した図であって、当該検出対象物群の領域毎に所定の仮想内接円を想定した状態を示した模式図。
図8】検出対象物群の画像データの内容を示した図であって、当該検出対象物群の領域毎に最上位に位置する検出対象物を認識した状態を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0014】
[位置認識装置1]
先ず、本発明に係る物体の位置認識方法の実施に用いられる位置認識装置1の全体構成について、図1および図2を用いて説明する。
【0015】
本実施形態における位置認識装置1は、互いに重なり合った複数の検出対象物Tg・Tg・・・(検出対象物群T)の中から最上位に位置する検出対象物Tgを探索して見出すための装置であって、図1に示すように、検出対象物群Tに対して斜上方より照明光Lを照射し、当該検出対象物群Tの輪郭を検出して演算処理を実行することにより、最上位に位置する検出対象物Tgを速やかに且つ正確に見出すことを可能とする装置である。
【0016】
ここで、検出対象物Tgは板状部材からなり、本実施形態においては、例えば円盤形状のものを想定しているが、これに限定されるものではない。
即ち、検出対象物Tgは、三角形状や四角形状等の多角形状の板状部材であってもよい。
【0017】
但し、後述するように、最上位に位置する検出対象物Tgの探索に用いられる、プログラム上の仮想内接円の形状を、検出対象物Tgの形状と同等に設定することができることから、検出対象物Tgは、演算プログラムの単純化を図る上でも、円盤形状であることが好ましい。
【0018】
また、互いに重なり合った、これら複数の検出対象物Tg・Tg・・・は、各々同等の形状にて構成されている。
具体的には、各検出対象物Tgは、例えば、直径8[mm]、厚み0.3[mm]からなる円盤部材によって構成される。
【0019】
位置認識装置1は、主に、撮像手段10、照明手段20、およびピッキング手段30や、位置認識装置1全体の運転を制御する制御装置40などにより構成される。
【0020】
撮像手段10は、検出対象物Tgを撮像するためのものであり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を備えてなるエリアカメラやラインスキャンカメラ等を用いることができる。
また、撮像手段10は、高解像度の画像データを効率的に取得する機能を有する。
【0021】
そして、図2に示すように、撮像手段10は、位置認識装置1に投入された検出対象物群Tに対して、直上より撮像可能に配設される。
【0022】
なお、撮像手段10によって取得された画像データは、制御装置40に送られ、格納された演算プログラムに基づき画像処理される。
【0023】
次に、照明手段20について説明する。
照明手段20は、撮像手段10によって撮像される被写体(検出対象物群T)に対して、照明光Lを照射するためのものである。
照明手段20は、例えば、検出対象物群Tからなる被写体に対して、任意の角度をもって照射光Lを照射することができる直射式のバー照明などによって構成される。
【0024】
なお、直射式のリング照明によって照明手段20を構成した場合は、検出対象物群Tに対して全周にわたって斜上方から照明光が照射されて、検出対象物群Tの周囲に影が形成され難くなるため、適切ではない。
【0025】
そして、照射手段20・20は、一台の位置認識装置1に対して複数基(例えば、本実施形態においては二基)備えられ、それぞれ斜め上方より検出対象物群Tに対して照明光Lを照射するようにして配置される。
【0026】
このように、本実施形態においては、被写体である検出対象物群Tに対して、斜め上方より照明光Lを照射することとしており、当該検出対象物群Tの周囲に影を形成し易く、当該検出対象物群Tの輪郭線が一層際立つようになっている。
そのため、検出対象物群Tの輪郭線をより明確に認識することができ、後述する演算プログラムによって最上位に位置する検出対象物Tgの探索を、より正確に行うことができる。
【0027】
なお、仮想垂直線Vに対する各々の照明手段20のなす傾斜角度θが30°未満である場合(θ<30°)、検出対象物群Tの周囲に形成される影の幅が比較的短くなり、認識しづらくなる。
一方、仮想垂直線Vに対する各々の照明手段20のなす傾斜角度θが70°を超える場合(θ>70°)、検出対象物群Tの周囲に形成される影の幅が長くなりすぎて、認識しづらくなる。
これらのことから、仮想垂直線Vに対する各々の照明手段20のなす傾斜角度θは、30°以上、且つ70°以下(30°≦θ≦70°)であることが望ましい。
【0028】
また、照明手段20・20・・・の基数については、検出対象物群Tの周囲の全方向において影が形成されるように、二基以上備えることが好ましい。
【0029】
次に、ピッキング手段30について説明する。
ピッキング手段30は、図1に示すように、検出対象物群Tより最上位に位置する検出対象物Tgを取出するためのものである。
ピッキング手段30は、例えば、吸着パッド等により構成され、任意の方向に移動する移動機構部(図示せず)が備えられている。
【0030】
そして、ピッキング手段30は、選択された検出対象物Tgを吸着して保持し、その後、図示せぬ移動機構部を介して、当該検出対象物Tgを検出対象物群Tの外部へと搬出する。
【0031】
次に、制御装置40について説明する。
制御装置40は記憶部や演算部を備え、当該記憶部には、撮像手段10、およびピッキング手段30などの運転に関するプログラムとともに、撮像手段10によって撮像された画像データを処理し、検出対象物群Tにおける最上位に位置する検出対象物を見出すためのプログラムが予め格納されている。
【0032】
また、制御装置40には、例えばキーボードやバーコードリーダー等の入力手段が備えられるとともに、モニター等による出力手段が備えられている。
【0033】
そして、制御装置40は、位置認識装置1全体の運転を制御するように構成されている。
【0034】
[位置認識装置1の動作手順]
次に、位置認識装置1の動作手順について、図3乃至図8を用いて説明する。
先ず始めに、位置認識装置1における所定の場所に、検出対象物群T(図1を参照)が投入される。
【0035】
この際、検出対象物群Tにおいては、複数の検出対象物Tg・Tg・・・が、互いに重なり合って盛られた状態となっている。
また、検出対象物群Tには、照明手段20によって斜め上方より照明光Lが照射されており、当該検出対象物群Tは、周囲に形成される影によって、よりはっきりと輪郭線を浮き出させた状態にて保持される。
【0036】
そして、投入された検出対象物群Tは、撮像手段10によって直上より撮像され、取得した撮像画像の画像データは、制御装置40へと送られる。
【0037】
画像データを受け取った制御装置40は、予め格納されたプログラムに基づき、当該画像データに対して画像処理を実行し、検出対象物群Tにおける最上位に位置する検出対象物Tgの探索作業を開始する。
具体的には図3に示すように、第一の工程として、画像データの濃淡に基づき検出対象物群Tの輪郭線を抽出して求める抽出処理を実行する(ステップS01)。
【0038】
その結果、撮像手段10によって撮像された画像データは、図4に示すように、検出対象物群Tの輪郭線101(実線にて表示)を有する第一の画像データ100へと処理される。
【0039】
輪郭線の抽出処理を終了すると、図3に示すように、第二の工程として、検出対象物群Tの輪郭線101が求められた第一の画像データ100に対して二値化処理を実行する(ステップS02)。
【0040】
その結果、第一の画像データ100は、図5に示すように、検出対象物群Tの輪郭線201、および複数の陰影202・202・・・のみを単一色で表示した第二の画像データ200へと処理される。
【0041】
検出対象物群Tの二値化処理を終了すると、図3に示すように、第三の工程として、第二の画像データ200に対して検出対象物群Tにおける領域の判別処理を実行する(ステップS03)。
【0042】
その結果、第二の画像データ200は、輪郭線201および陰影202によって閉塞された領域ごとに区分けされ、図6に示すように、例えば、検出対象物群Tの輪郭線301の外側の領域A1、および輪郭線301の内側の領域A2と領域A3からなる第三の画像データ300へと処理される。
【0043】
検出対象物群Tにおける領域の判別処理を終了すると、図3に示すように、第四の工程として、判別されたこれらの領域A1・A2・A3において、当該領域A1・A2・A3に各々内接する最大の仮想内接円の作成処理を実行する(ステップS04)。
【0044】
ここで、「仮想内接円」としては、検出対象物Tgと同等の形状からなる円形状の仮想図形がプログラム上設定されている。
【0045】
その結果、第三の画像データ300は、図7に示すように、例えば、領域A1、A2、A3内において各々内接する、内径寸法の異なる仮想内接円D1、D2、D3を有した第四の画像データ400へと処理される。
【0046】
仮想内接円D1、D2、D3の作成処理を終了すると、図3に示すように、第五の工程として、これらの仮想内接円D1、D2、D3を用いて、検出対象物群Tにおける所望の検出対象物Tg、即ち、最上位に位置する検出対象物Tgの選択処理を実行する(ステップS05)。
【0047】
具体的には、例えば、これらの仮想内接円D1、D2、D3のうち、内径寸法が検出対象物Tgの内径寸法と同等のものを選択し、選択された仮想内接円(例えば、本実施形態においては、仮想内接円D2、D3)の中心Gの位置をもって、所望の検出対象物Tgの位置と認識することとしている。
つまり、検出対象物Tgの大きさを超える仮想内接円D1を除いた他の仮想内接円D2、D3の中心Gの位置をもって、最上位に位置する検出対象物Tgの位置と認識する。
【0048】
その結果、第四の画像データ400は、図8に示すように、仮想内接円D2、D3によって、最上位に位置する検出対象物Tg2、Tg3が示された、第五の画像データ500へと処理される。
【0049】
こうして、位置認識装置1に投入された検出対象物群Tの中から、最上位に位置する検出対象物Tgを見出すと、制御装置40は、探索作業をひとまず終了する。
【0050】
その後、制御装置40は、ピッキング手段30に対して動作信号を送信し、当該動作信号を受信したピッキング手段30は、第五の画像データ500において仮想内接円D2、D3によって示された、検出対象物Tg2、Tg3を支持して、所定の場所へと搬出する。
【0051】
ピッキング手段30による検出対象物Tg2、Tg3の搬出が終了すると、制御装置40は、再び、前述したステップS01〜S05を繰り返し、新たに最上位に位置することとなった検出対象物Tgの探索作業を実行する。
【0052】
その後、制御装置40は、ピッキング手段30に対して再び動作信号を送信し、当該動作信号を受信したピッキング手段30は、新たに見出された検出対象物Tgを支持して、所定の場所へと搬出する。
【0053】
以上のように、制御装置40による最上位に位置する検出対象物Tgの探索作業、およびピッキング手段30による検出対象物Tgの搬出作業が、互いに交互に繰り返し実行され、位置認識装置1に投入された検出対象物群Tの全てがピッキング手段30によって搬出されることにより、位置認識装置1の運転動作が終了する。
【0054】
なお、本実施形態においては、ステップS04において複数の仮想内接円D1、D2、D3を作成した後に、ステップS05において最上位に位置する検出対象物Tgの選択処理を実行するように構成しているが、ステップS04において一つの仮想内接円を作成した後に、ステップS05において最上位に位置する検出対象物Tgの選択処理を実行するように構成することもできる。
【0055】
例えば、仮想内接円D1を作成した後に(ステップS04)、仮想内接円D1が最上位に位置する検出対象物Tgであるか否かの選択を行い(ステップS05)、仮想内接円D1が最上位に位置する検出対象物Tgでなければ、再度ステップS04を実行して仮想内接円D2を形成し、仮想内接円D2が最上位に位置する検出対象物Tgであるか否かの選択を行う(ステップS05)。
【0056】
仮想内接円D2を最上位に位置する検出対象物Tgとして選択した場合、選択した仮想内接円D2の中心Gの位置をもって、所望の検出対象物Tgの位置と認識して、探索作業をひとまず終了するように構成することもできる。
つまり、最上位に位置する検出対象物Tgが一つ選択された時点で、探索作業をひとまず終了するように構成することもできる。
この場合は、その後、仮想内接円D2によって示された場所の検出対象物Tg2がピッキング手段30により搬出され、再度ステップS01〜S05を繰り返して、最上位に位置する検出対象物Tgの探索作業が再度実行される。
【符号の説明】
【0057】
100 第一の画像データ
101 輪郭線
201 輪郭線
202 陰影
A1 領域
A2 領域
A3 領域
D1 仮想内接円
D2 仮想内接円
D3 仮想内接円
L 照明光
S01 ステップ(第一の工程)
S02 ステップ(第二の工程)
S03 ステップ(第三の工程)
S04 ステップ(第四の工程)
S05 ステップ(第五の工程)
Tg 検出対象物(物体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8