特許第6555107号(P6555107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555107
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】冷却部材及び蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6555 20140101AFI20190729BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 10/6565 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20190729BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190729BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20190729BHJP
【FI】
   H01M10/6555
   H01M10/613
   H01M10/647
   H01M10/6551
   H01M10/6565
   H01M10/6568
   H01M10/653
   H01M2/10 S
   H01M10/6563
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-235679(P2015-235679)
(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公開番号】特開2017-103109(P2017-103109A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】平井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】東小薗 誠
(72)【発明者】
【氏名】細江 晃久
(72)【発明者】
【氏名】竹山 知陽
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 義幸
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−147637(JP,A)
【文献】 特開2012−248363(JP,A)
【文献】 特開2012−018915(JP,A)
【文献】 特開2013−131428(JP,A)
【文献】 特開2012−115589(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/164932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60 −10/667
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体と液体とに状態が変化する冷媒と、
前記冷媒を吸収する吸収部材と、
可撓性を有するシート部材が接合され、前記冷媒及び前記吸収部材を密閉状態で封入する封入体と、
前記封入体の熱を受けて外部に放熱する放熱部と、を備え
前記放熱部は、前記封入体の端部側が挿通される溝部を有し、
前記冷媒が気化して前記封入体の内圧が上昇すると、前記溝部と前記封入体とが接触する、冷却部材。
【請求項2】
前記シート部材の端部は、拡開変形する拡開部を備え、
前記冷媒の気化により、前記拡開部が変形した結果、前記拡開部と前記溝部とが接触する、請求項1に記載の冷却部材。
【請求項3】
前記放熱部は、気体又は液体の循環により外部に熱を放熱する請求項1又は請求項2に記載の冷却部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却部材と、
少なくとも外面の一部が前記冷却部材と接触する蓄電素子と、を備えた蓄電モジュール。
【請求項5】
前記蓄電素子を収容し、前記蓄電素子の外面に接触する内面を有するケースを備え、
前記放熱部は、前記ケースに設けられている請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記蓄電素子の外面に接触した状態で前記蓄電素子を挟持する一対の挟持板を備え、前記挟持板は、前記放熱部に接触している請求項4に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載された技術は、冷却部材及び蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートパイプとして特許文献1に記載のものが知られている。このヒートパイプは、金属材料で作られたパイプの内部に伝熱流体が液密に封入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−23169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成によると、伝熱流体を封入するために、パイプには強度が必要とされていた。その理由は、伝熱流体が発熱体から熱を受けて蒸発すると、伝熱流体の体積が増大し、パイプ内の圧力が高まるからである。パイプ内に伝熱流体を液密に封入し、且つ、比較的に強度の高いパイプを用いると、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、冷却部材の製造コストを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された冷却部材は、気体と液体とに状態が変化する冷媒と、前記冷媒を吸収する吸収部材と、可撓性を有するシート部材が接合され、前記冷媒及び前記吸収部材を密閉状態で封入する封入体と、前記封入体の熱を受けて外部に放熱する放熱部と、を備え、前記放熱部は、前記封入体の端部側が挿通される溝部を有し、前記冷媒が気化して前記封入体の内圧が上昇すると、前記溝部と前記封入体とが接触する
上記構成によれば、冷媒が蒸発すると封入体内の圧力が上昇する。すると、可撓性を有するシート部材が変形することにより封入体の内容積が増大して封入体内の圧力が下がる。これにより、内容積が変化しない金属製の容器によって冷却部材を形成する場合に比べて、封入体内の耐圧性を低くすることができる。よって、冷却部材の製造コストを低減することができる。また、封入体の熱は、放熱部によって外部に放熱されるため、放熱性を向上させることができる。
また、放熱部の溝部の内壁が封入体の端部側の外面と対向することで、放熱部における封入体の熱を受ける面積を増やすことができるため、放熱性を向上させることができる。
【0007】
本明細書に記載された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい
前記シート部材の端部は、拡開変形する拡開部を備え、前記冷媒の気化により、前記拡開部が変形した結果、前記拡開部と前記溝部とが接触する。
【0008】
前記放熱部は、気体又は液体の循環により外部に熱を放熱する。
このようにすれば、放熱部の放熱性を向上させることができる。
【0009】
前記冷却部材と、少なくとも外面の一部が前記冷却部材と接触する蓄電素子と、を備えた蓄電モジュールとする。
このようにすれば、蓄電素子の熱を放熱部で放熱することができる。
【0010】
前記蓄電素子を収容し、前記蓄電素子の外面に接触する内面を有するケースを備え、前記放熱部は、前記ケースに設けられている蓄電モジュールとする。
このようにすれば、蓄電素子の熱をケースにより放熱することができる。
【0011】
前記蓄電素子の外面に接触した状態で前記蓄電素子を挟持する一対の挟持板を備え、前記挟持板は、前記放熱部に接触している蓄電モジュールとする。
このようにすれば、蓄電素子の熱を挟持板を介して放熱部から放熱することができる。
【発明の効果】
【0012】
本明細書に記載された技術によれば、冷却部材の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1の蓄電モジュールを示す斜視図
図2】蓄電モジュールを示す平面図
図3】蓄電モジュールを示す正面図
図4図3のA−A断面図
図5図4の一部を拡大した図
図6図3のB−B断面図
図7図3のC−C断面図
図8】蓄電モジュールを示す側面図
図9】蓄電モジュールの分解斜視図
図10】蓄電素子群を示す正面図
図11】伝熱パックを示す斜視図
図12】伝熱パックの分解斜視図
図13】実施形態2の蓄電モジュールを示す斜視図
図14】蓄電モジュールを示す平面図
図15図14のD−D断面図
図16】蓄電モジュールを示す正面図
図17】蓄電モジュールを示す側面図
図18】蓄電モジュールを示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
実施形態1について、図1から図12を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る蓄電モジュール10は、図7に示すように、複数(本実施形態では6つ)の蓄電素子11と、蓄電素子11を冷却する冷却部材20とを備えている。以下の説明においては、X方向を右方とし、Y方向を前方とし、Z方向を上方として説明する。
【0015】
(蓄電素子11)
複数の蓄電素子11は、当該蓄電素子11の厚みの薄い方向に一列に並べて配されている。各蓄電素子11は、一対のラミネートシート12の間に蓄電要素を挟み、ラミネートシート12の端縁部を、熱溶着等の公知の手法により液密に接合して形成されている。蓄電素子11の下端縁からは、厚みの薄い金属箔状をなす正極端子13と、負極端子14とが、ラミネートシート12の内面と液密状態で、ラミネートシート12の内側から外側へと導出されている。正極端子13及び負極端子14は、それぞれ内部の蓄電要素と電気的に接続されている。
【0016】
隣り合う蓄電素子11は反対向きに配置されており、隣り合う蓄電素子11における正極端子13と負極端子14とが互いに近づく方向に折り曲げられて上下に重ねられており、この重ねられた状態でレーザー溶接、超音波用溶接、ロウ付け等の公知の手法により電気的に接続されている。これにより、複数の蓄電素子11は直列に接続されている。
【0017】
本実施形態においては、蓄電素子11として、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタを用いてもよく、必要に応じて任意の蓄電素子11を適宜に選択できる。直列接続の端部の正極端子13及び負極端子14には、それぞれ金属板材からなる電力端子16がレーザー溶接、超音波用溶接、ロウ付け等の公知の手法により接続されている。
【0018】
(冷却部材20)
冷却部材20は、複数の蓄電素子11の熱を受ける複数(本実施形態では5つ)の伝熱パック20Aと、伝熱パック20Aの熱を受けて外部に放熱する放熱部35を有するケース30と、を備える。
(伝熱パック20A)
複数の伝熱パック20Aは、同一構成であって、隣り合う蓄電素子11の間に密着状態で挟まれており、図12に示すように、液体と気体とに状態が変化する冷媒21と、液密に形成され、内部に冷媒21が封入される封入体22と、封入体22の内部に配されて冷媒21を吸収する吸収部材26とを備えている。複数の蓄電素子11は、隣り合う蓄電素子11間に各伝熱パック20Aが配された状態で蓄電素子群10A(図9参照)を構成する。
【0019】
(冷媒21)
冷媒21は、例えば、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロケトン、フッ素不活性液体、水、メタノール、エタノール等のアルコールからなる群から選ばれる1つ、又は複数を用いることができる。冷媒21は、絶縁性を有していてもよく、また、導電性を有していてもよい。
【0020】
(封入体22)
封入体22は、図12に示すように、略長方形状をなす2枚のシート部材23,24を、接着、溶着、溶接等の公知の手法により液密に接合してなる。各シート部材23,24は、金属製シートの両面に合成樹脂製のフィルムが積層されてなる。金属製シートを構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。合成樹脂製のフィルムを構成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド等、必要に応じて任意の合成樹脂を適宜に選択できる。
【0021】
シート部材23,24の左右の両端部には、図5に示すように、封入体22の内部の圧力が上昇した際に、シート部材23,24間の間隔を広げる方向に拡開変形する拡開部25が形成されている。拡開部25は、シート部材23,24が接合された状態で封入体22の内方に折れ曲がった状態とされており、冷媒21が蒸発して気体になると、拡開部25が拡開変形して、シート部材23,24の外面が放熱部35の内側に形成された溝部37の内壁面に面当たり状態で接触する(ほぼ同一平面で接触する。図5の破線参照)。これにより、シート部材23,24間の間隔が大きくなって封入体22の内容積が増大するので、封入体22の内圧が減少し、封入体22に要求される物理的な強度をパイプ等よりも低減させても問題は生じない。
【0022】
(吸収部材26)
封入体22の内部には、図12に示すように、冷媒21を吸収可能な吸収部材26が配されている。吸収部材26は略長方形のシート状をなしている。吸収部材26は、冷媒21を吸収可能な材料により形成されており、例えば、繊維状の織物等としてもよく、また、不織布でもよい。不織布の形態としては、繊維シート、ウェブ(繊維だけで構成された薄い膜状のシート)、又はバット(毛布状の繊維)であってもよい。吸収部材26を構成する材料としては、天然繊維でもよく、また、合成樹脂からなる合成繊維であってもよく、また、天然繊維と合成繊維の双方を用いたものであってもよい。
【0023】
(ケース30)
ケース30は、図9に示すように、蓄電素子群10Aの全体を覆うものであり、略長方形状をなすロアケース31と、ロアケース31の上方側に取り付けられるアッパーケース32とを備える。アッパーケース32は、蓄電素子群10Aの側面を覆う角筒状の本体33と、本体33の上方(アッパーケース32の上部)に設けられて表面積が大きくされた放熱部35とを有する。本体33のうち、前面部33Aと後面部33Bの内面は、蓄電素子11の面に接触状態とされている。
【0024】
放熱部35は、図7に示すように、複数(本実施形態では5つ)の放熱フィン36が等間隔を空けて並んで形成されている。放熱フィン36の内側(内部)は、伝熱パック20A(の封入体22)の端部側が挿通される溝部37とされている。溝部37は、伝熱パック20Aの位置に応じて、等間隔に並んで配されており、下方側に開口している。溝部37の隙間の間隔(溝部37の並び方向における対向する溝壁間の間隔)は、内圧が低い状態の伝熱パック20Aの厚みよりも大きくされている。蓄電素子11の熱は、この蓄電素子11に接触した伝熱パック20Aに伝わり、冷媒21が気化して封入体22の内圧が上昇し、図5に示すように、拡開部25が拡開する。これにより、シート部材23,24の外面が溝部37の内壁面に面当たり状態で接触することで、封入体22の熱が放熱部35に伝熱され、放熱部35から外部の空間に放熱される。
【0025】
ロアケース31、及びアッパーケース32は、熱伝導性の高い材料が用いられ、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属とすることができる。ロアケース31、及びアッパーケース32は、同一の材料で形成しても、異なる材料で形成してもよい。また、例えば、ケース30における放熱部35を熱伝導性の高い材料で形成し、放熱部35以外の部分を放熱部35とは異なる材料で形成してもよい。ロアケース31とアッパーケース32とは、レーザー溶接、ロウ付け、ロック部材と被ロック部材との係合構造、ねじ止め構造、接着材による接着等の公知の手法により接合することができる。また、本実施形態では、ロアケース31及びアッパーケース32は、互いに液密でない状態で組み付けられているが、互いに液密に組み付けられていてもよい。
【0026】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
冷却部材20は、冷媒21と、冷媒21を吸収する吸収部材26と、可撓性を有するシート部材23,24が接合され、冷媒21及び吸収部材26を密閉状態で封入する封入体22と、封入体22の熱を受けて外部に放熱する放熱部35と、を備える。
【0027】
本実施形態によれば、冷媒21が蒸発すると封入体22内の圧力が上昇する。すると、可撓性を有するシート部材23,24が変形することにより封入体22の内容積が増大して封入体22内の圧力が下がる。これにより、内容積が変化しない金属製の容器によって冷却部材20を形成する場合に比べて、封入体22内の耐圧性を低くすることができる。よって、冷却部材20の製造コストを低減することができる。また、蓄電素子11から封入体22に伝わった熱は、放熱部35によって外部に放熱されるため、放熱性を向上させることができる。
【0028】
また、放熱部35は、封入体22の端部側が挿通される溝部37を有する。
このようにすれば、放熱部35における溝部37の内壁面が封入体22の端部側の外面と対向することで、放熱部35における封入体22の熱を受ける面積を増やすことができるため、放熱性を向上させることができる。
【0029】
また、冷却部材20と、少なくとも外面の一部が冷却部材20と接触する蓄電素子11と、を備えた蓄電モジュール10である。
このようにすれば、蓄電モジュール10における蓄電素子11の熱を放熱部35から放熱することができる。
【0030】
また、蓄電素子11を収容し、蓄電素子11の外面に接触する内面を有するケース30を備え、放熱部35は、ケース30に設けられている。
このようにすれば、蓄電モジュール10における蓄電素子11の熱をケース30により放熱することができる。
【0031】
<実施形態2>
実施形態2を図13ないし図18を参照して説明する。実施形態1の放熱部50は、自然空冷式で冷却する構成であったが、実施形態2の放熱部50は、水冷式で冷却するものである。以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
蓄電モジュール40は、図15に示すように、複数(本実施形態では6つ)の蓄電素子11と、蓄電素子11を冷却する冷却部材41とを備えている。
冷却部材41は、伝熱パック20Aと、伝熱パック20Aの熱を受け、外部に放熱するジャケット部43と、蓄電素子群10Aを挟持する一対の挟持板55と、を備えている。
【0033】
ジャケット部43は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属からなり、ベース部44と、伝熱パック20Aの端部側を冷却する放熱部50と、を有し、内部に冷却液が通るパイプ(図示しない)が複数回折り返しつつ内部の全体に亘って延びている。このパイプは、ベース部44の内部を通されているが、例えば、放熱部50の内部における溝部51のない部分についてもパイプが通るようにしてもよい。ベース部44には、図13に示すように、冷却液の導入口45と導出口46が形成されている。下側の導入口45から冷却液が導入され、上方の導出口46から冷却液が導出され、図示しない放熱経路を通って冷却液が循環することで、冷却液に伝わった熱が外部に放熱される。本実施形態では、冷却液として水が用いられているが、これに限られず、油等の液体を用いてもよい。また、液体に限られず、気体を冷却剤として用いてもよい。また、冷却液として不凍液を用いてもよい。
【0034】
放熱部50は、伝熱パック20A(の封入体22)の端部側が挿通される溝部51が並んで形成されている。溝部51は、伝熱パック20Aの位置に応じて等間隔に並んで形成されている。冷媒21が気化して封入体22が膨らむと、各シート部材23,24が溝部51の溝壁に接触した状態となり、封入体22の熱が放熱部50に伝熱される。
【0035】
一対の挟持板55は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属板材からなり、図13図16に示すように、各挟持板55の端部には、L字状に屈曲された曲げ部56が形成されている。曲げ部56は、ベース部44における放熱部50側の面に、溶接やネジ留め等の公知の固定手段56Aで固定される。
一対の挟持板55の間は、左右の両側について、複数の円柱の棒状の連結部材57で連結されている。
これにより、蓄電素子群10Aにおける両端の蓄電素子11の熱は、一対の挟持板55に伝熱された後、ジャケット部43に伝わるとともに、各蓄電素子11の熱は伝熱パック20Aからジャケット部43に伝わり、外部に放熱される。
【0036】
実施形態2によれば、放熱部50は、気体又は液体の循環により外部に熱を放熱する。
このようにすれば、放熱部50の放熱性を向上させることができる。
【0037】
また、蓄電素子11の外面に接触した状態で複数の蓄電素子11及び冷却部材41としての伝熱パック20Aを挟持する一対の挟持板55を備え、挟持板55は、放熱部50に接触している。
このようにすれば、複数の蓄電素子11の熱を挟持板55を介して放熱部50から放熱することができる。
【0038】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)シート部材23,24は、ラミネートフィルムに限られず、金属製シートからなる構成としてもよい。
【0039】
(2)上記実施形態に係る冷却部材20,41は、蓄電モジュール10,40に使用されたが、これに限られず、冷却部材20,41は、電気接続箱、ECU(electronic control unit)等、任意の発熱部品に使用することができる。
【0040】
(3)上記実施形態においては、封入体22は、2つのシート部材23,24を接合することにより形成したが、これに限られず、封入体22は、1つのシート部材を折り曲げた状態で端縁を液密に接合して形成する構成としてもよく、また、3つ以上のシート部材を液密に接合して形成する構成としてもよい。
(4)放熱部35,50にファン等で送風して冷却する強制空冷式としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10,40: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
20,41: 冷却部材
21: 冷媒
22: 封入体
23,24: シート部材
26: 吸収部材
30: ケース
35,50: 放熱部
36: 放熱フィン
37,51: 溝部
43: ジャケット部
55: 挟持板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18