前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサよりも低消費電力、及び又は、前記第1のプロセッサの動作周波数よりも低い動作周波数、で動作することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
前記複数の消費電力モードには、通常モード、当該通常モードよりも消費電力の小さい低電力モード、及び当該低電力モードよりも更に消費電力が小さく、前記第1のプロセッサを休止させる休止モードが含まれることを特徴とする請求項4記載の電子機器。
前記第1のプロセッサは、前記低電力モード又は前記休止モードから前記通常モードに遷移した場合に、前記時刻取得手段により時刻を取得させ、取得された時刻に基づいて前記第1の時計手段の計数する時刻を補正する
ことを特徴とする請求項13記載の電子機器。
前記通常モードから前記低電力モード又は前記休止モードに遷移する場合、前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段が計数する時刻に基づいて前記第2の時計手段の時刻を修正することを特徴とする請求項6〜10、12〜14の何れか一項に記載の電子機器。
前記通常モードから前記低電力モード又は前記休止モードに遷移する場合、前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段が計数する時刻に基づいて前記第3の時計手段の時刻を修正することを特徴とする請求項10記載の電子機器。
前記第2の表示部は、前記第1の表示部の上部に積層され、時刻を表示しない状態では前記第1の表示部の表示内容を透過させるように制御されることを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の電子機器をスマートウォッチとして実現した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子機器の実施形態であるスマートウォッチ100の正面図である。
【0010】
図1(a)に示すように、スマートウォッチ100は、バンド2を用いて本体部1をユーザの腕に装着可能な腕装着型の電子機器である。スマートウォッチ100の本体部1は、フレーム3と、表示画面4と、押しボタンスイッチB1などを備える。
【0011】
押しボタンスイッチB1は、フレーム3の側面に設けられてユーザの押下操作を受け付ける。押しボタンスイッチB1は、押下されることで後述の低電力モードや休止モードから通常モードに復帰させたりする。
【0012】
表示画面4には、2面の表示部が積層されている。
図1(b)に示すように、下部には、第1表示部12(
図2参照)の表示画面12aが設けられ、上部には、第2表示部22(
図2参照)の表示画面22aが設けられている。即ち、
図1(a)では、第1表示部12により表示がなされ、第2表示部22の表示画面22aが第1表示部12による表示を透過させている状態を示している。
第2表示部22の更に上部には、図示略のタッチセンサが設けられて押しボタンスイッチB1ととともにユーザ操作を受け付けることが可能となっている。
【0013】
第1表示部12は、ドットマトリクスによるカラー液晶表示画面を有し、ユーザの入力操作や各種プログラム動作などに応じて各種機能に係る種々の表示を切り替えて及び/又は並列に行う。
第2表示部22は、第1表示部12よりも低消費電力で簡略表示により時刻の表示が可能な表示画面を有し、例えば、セグメント方式による白黒液晶表示を行う。或いは、第2表示部22の表示画面22aには、メモリインピクセル液晶(MIP液晶)が用いられても良いし、PN液晶(Polymer Network)などが用いられても良い。また、第2表示部22の表示画面22aは、所定の電圧を印加することで表示を一切行わせずに第1表示部12の表示内容を上方に透過させることが出来る。
【0014】
図2は、本実施形態のスマートウォッチ100の機能構成を示すブロック図である。
スマートウォッチ100は、メインマイコン11と、第1表示部12(第1の表示部)と、操作受付部13と、無線通信コントローラ14と、衛星電波受信モジュール15と、サブマイコン21と、第2表示部22(第2の表示部)と、スイッチ23と、PMIC31(Power Management IC)などを備える。
【0015】
メインマイコン11は、メインCPU111(第1のプロセッサ)と、RAM112と、記憶部113などを備えたメインとなる制御部である。メインマイコン11は、PMIC31の制御により電源からの電力供給を受けて、第1表示部12、操作受付部13、無線通信コントローラ14及び衛星電波受信モジュール15などの各部の動作を制御する。
【0016】
メインCPU111は、各種演算処理を行い、スマートウォッチ100の通常の動作状態における動作を統括制御する。
RAM112は、メインCPU111に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM112は、図示略のクロック信号に基づいて第1の時計手段としてのメインCPU111により計数される時刻情報を記憶保持する。以下、「時刻」との記載は、日付部分を含む「日時」を意味して良い。
記憶部113は、メインCPU111の実行する制御プログラムや設定データなどを記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。
【0017】
上述の第1表示部12は、主にメインマイコン11(メインCPU111(
図2参照))により表示動作の制御がなされるが、サブマイコン21(サブCPU211(
図2参照))によっても表示制御が可能となっている。
【0018】
操作受付部13は、上述の押しボタンスイッチB1及びタッチセンサを含み、ユーザの入力操作を受け付けて、操作内容を電気信号に変換してメインCPU111に出力する。
【0019】
無線通信コントローラ14は、外部の電子機器と無線通信を行うためのコントローラである。無線通信規格としては、特には限られないが、例えば、ブルートゥース(登録商標:Bluetooth)などの近距離無線通信や、無線LAN(IEEE802.11)などが挙げられる。メインマイコン11(メインCPU111)は、無線通信コントローラ14を介して外部から必要な情報やプログラム及びこれらの更新データなどを取得することが出来る。通信接続対象となる外部の電子機器としては、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)などが挙げられる。これらのうち、特に、スマートフォンや携帯電話では、基地局との接続時に時刻情報が同期されて時刻の精度が維持されている。メインCPU111は、スマートフォンや携帯電話と通信接続を行う場合には、これらの外部機器から時刻情報を取得し、取得された時刻情報に基づいて計数時刻を修正することが出来る。
【0020】
衛星電波受信モジュール15は、測位衛星からの電波、ここでは、少なくともGPS(Global Positioning System)に係る衛星(GPS衛星)からの電波を捕捉、受信して復調し、時刻を取得したり測位を行ったりすることが可能なモジュールである。衛星電波受信モジュール15は、図示略のアンテナを有し、メインマイコン11(メインCPU111)の制御に基づいてL1帯の電波(GPS衛星では、1.57542GHz)の電波を受信して逆スペクトラム拡散を行い、航法メッセージを取得、解読して所定のフォーマットで出力する。
【0021】
サブマイコン21は、サブCPU211(第2のプロセッサ)と、RTC212(リアルタイムクロック、第2の時計手段)などを備える。サブマイコン21は、PMIC31の制御により電源から電力供給を受けて動作し、主に第2表示部22の動作を制御する。
【0022】
サブCPU211は、各種演算処理を行い、サブマイコン21の動作を制御する。サブCPU211は、メインCPU111よりも低消費電力であって、これに伴ってメインCPU111よりも低能力であって良い。サブCPU211は、例えば、定期的な所定動作を行うタイミングや、メインCPU111やスイッチ23などからの入力が検出された場合にのみ動作し、それら以外の期間にはスタンバイ状態で待機しているものであって良い。
【0023】
RTC212は、時刻の計時動作を行う通常のものであり、低消費電力であることが好ましい。
【0024】
第2表示部22は、上述のように、第1表示部12よりも消費電力が低く、また、表示動作時には、時刻の表示に用いられる。表示画面にMIP液晶が用いられる場合には、サブCPU211は、表示内容の更新周波数を落とすことが出来るので、更新間隔の間、スタンバイ状態とすることが出来る。
【0025】
スイッチ23は、メインマイコン11が休止状態とされている場合にこのメインマイコン11を再起動させる所定のユーザ操作を受け付けるオンスイッチである。スイッチ23は、専用で設けられていても良いし、押しボタンスイッチB1と併用されても良い。
【0026】
PMIC31は、電源からメインマイコン11及びサブマイコン21への電力供給を制御する。PMIC31は、例えば、メインマイコン11及びサブマイコン21への電力出力可否の切り替えスイッチや、出力電圧などを調整するDC/DCコンバータなどを備え、メインマイコン11やサブマイコン21の動作時に適切な電力をこれらに供給する。
【0027】
また、PMIC31は、カウンタ311(第1のカウント手段)と、RTC312(第3の時計手段)を備える。
カウンタ311は、所定のクロック信号を計数し、設定されたカウント数ごとに周期的に(所定の時間間隔で)信号を出力する。クロック信号としては、RTC312が備える発振器の発振信号又はこの発振信号を分周した信号を用いることが出来る。
RTC312は、時刻を計数する動作を行う通常のものである。このRTC312は、RTC212と同一種別のものが用いられても良く、或いは、異なる種別のものであっても良い。
【0028】
次に、本実施形態のスマートウォッチ100における表示動作と電力制御について説明する。
このスマートウォッチ100では、三段階の消費電力モード(動作状態)が設定可能となっている。この消費電力モードとしては、通常動作を行う通常モードに対し、この通常モードより電力消費の小さい低電力モード、及び低電力モードより更に消費電力の小さい休止モードが定められている。
【0029】
図3は、スマートウォッチ100が各消費電力モードにある場合における表示状態の例を示す正面図である。
通常モードは、スマートウォッチ100が備える通常のインタラクティブな機能を全て実行可能なモードである。通常モードでは、メインマイコン11が主として動作し、
図3(a)に示すように、メインCPU111の制御により第1表示部12に各種表示動作が行われる。第1表示部12への表示内容には、時刻表示が含まれ得る。この場合の時刻表示では、時針、分針及び秒針が描画され、秒針の移動により1秒単位(第1の時間間隔)で時刻表示が更新される。また、スマートウォッチ100では、特定の機能動作を行わせる場合に、一時的に時刻表示を行わせない状態とすることも可能である。
【0030】
低電力モードは、通常モードでの動作中に待機状態が継続した場合などに一時的に遷移する消費電力モードであり、操作受付部13へのユーザの入力操作が検出された場合や、通常モードで実行中の機能に係る表示内容が更新された場合などには、速やかに通常モードに復帰する。低電力モードでは、
図3(b)に示すように、CPU111の制御により第1表示部12に時刻表示が行われるが、通常モードにおける表示状態と比較して表示色、輝度や更新間隔などが制限されることで表示に係る電力消費が低減される。例えば、ここでは、秒針の描画を消去し、時分針の描画を所定の時間間隔、例えば、10秒又は1分に更新させる。
なお、
図3(a)及び
図3(b)の時刻表示の例として、表示画面に指針を描画したアナログ的な時計表示を示しているが、時刻の数値を表示させた通常のデジタル的な時計表示であっても良い。
【0031】
休止モードでは、メインマイコン11の動作を休止させ、サブマイコン21のみを動作させる。メインマイコン11の動作休止に伴って第1表示部12の動作も休止され、
図3(c)に示すように、第2表示部22がサブマイコン21のサブCPU211の制御により時刻表示を行う。ここでは、1秒単位で時刻の表示が更新されるが、消費電力の小さい第2表示部22及びサブCPU211の動作による表示に係る電力消費は、低電力モードでの第1表示部12及びメインCPU111の動作による表示に係る電力消費より小さい。休止モードへは、ユーザによる所定の操作により明示的な命令が受け付けられた場合や、電源からの供給電力が不足してメインマイコン11の安定した動作維持が困難になる場合に遷移する。また、スマートウォッチ100では、休止モードにおいてスイッチ23が押下されることで、通常モードへ復帰する。
【0032】
図4は、本実施形態のスマートウォッチ100でメインCPU111が実行する表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理は、メインCPU111が起動されるとともに起動され、オフされるまで継続的に実行される。
【0033】
メインCPU111は、先ず、メインマイコン11の起動処理を行う(ステップS101)。メインCPU111は、サブCPU211に制御信号を送って時刻情報を要求し、サブCPU211から受け取ったRTC212の時刻データに基づいて時刻の計数を開始する(ステップS102)。メインCPU111は、第1表示部12の表示を通常モードで開始させると共に、サブCPU211に制御信号を主力して第2表示部22の表示を中止させ、第2表示部22を透過状態とさせる(ステップS103)。
【0034】
メインCPU111は、操作受付部13への入力操作の検出があったか、又は動作中の機能に関する表示更新動作に係る入力があったか否かを判別する(ステップS104)。何れもないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、メインCPU111は、基準時間以上入力操作検出又は表示更新動作の入力がないか否かを判別する(ステップS105)。基準時間以上ではないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS104に戻る。基準時間以上であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、メインCPU111の処理は、ステップS106に移行する。
【0035】
ステップS104の判別処理で、入力操作の検出又は表示更新動作の入力があったと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、メインCPU111は、入力検出内容が低電力モードへの遷移命令であるか否かを判別する(ステップS115)。低電力モードへの遷移命令であると判別された場合には(ステップS115で“YES”)、メインCPU111の処理は、ステップS106へ移行する。
【0036】
低電力モードへの遷移命令ではないと判別された場合には(ステップS115で“NO”)、メインCPU111は、入力検出内容が休止モードへの遷移命令であるか否かを判別する(ステップS125)。休止モードへの遷移命令ではないと判別された場合には(ステップS125で“NO”)、メインCPU111は、その他の検出された内容に応じた動作及び表示を行わせる(ステップS126)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS104に移行する。
【0037】
ステップS105、S115の処理からステップS106の処理に移行すると、メインCPU111は、消費電力モードを低電力モードに変更し、第1表示部12の表示を低電力モードの表示状態に変更させる(ステップS106)。メインCPU111は、毎分第1表示部12による時刻表示を更新させ(ステップS107)、また、入力操作の検出又は表示更新動作の入力があったか否かを判別する(ステップS108)。何れもなかったと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS107に戻る。何れかがあったと判別された場合には(ステップS108で“YES”)、メインCPU111は、消費電力モードを通常モードに変更し、第1表示部12の表示を通常モードの表示状態に変更させる(ステップS109)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS104に戻る。
【0038】
ステップS125の判別処理で、休止モードへの遷移命令が検出されたと判別された場合には(ステップS125で“YES”)、メインCPU111は、第1表示部12の表示動作を中止させるとともに、サブCPU211に制御信号を出力して当該サブCPU211に第2表示部22の表示動作を開始、制御させる(ステップS131)。
【0039】
メインCPU111は、サブCPU211及びPMIC31に制御信号を出力し、計数している時刻により、RTC212及びRTC312の計数する時刻を修正させる(ステップS132)。メインCPU111は、メインマイコン11の動作停止処理を実行し、メインCPU111を含むメインマイコン11の動作を停止させて(ステップS133)、表示制御処理を終了する。
【0040】
図5は、サブCPU211による表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理は、サブCPU211が起動されるとともに起動されて、継続的に実行される。本実施形態のスマートウォッチ100では、サブマイコン21は、起動後、電源が取り外されたりバッテリ切れが生じたりしない限りオフされない。
【0041】
サブCPU211は、サブマイコン21の起動処理を行う(ステップS201)。それから、サブCPU211は、制御動作に係る何らかの入力が検出されるまで待機する(ステップS202)。この場合の待機処理は、割込み信号の待ち受けであって、積極的に待機動作を行う必要はない。
【0042】
割込み信号の入力があると、サブCPU211は、入力内容の判別を行う。サブCPU211は、RTC212からの時刻の入力であって、且つ第2表示部22が表示動作状態であるか否かを判別する(ステップS203)。時刻の入力であって且つ第2表示部22が表示動作状態であると判別された場合には(ステップS203で“YES”)、サブCPU211は、第2表示部22の時刻表示を更新する制御信号を第2表示部22に出力する(ステップS204)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0043】
入力内容が時刻ではないか、又は第2表示部22が表示動作状態ではないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、サブCPU211は、メインCPU111から時刻情報の要求が入力されたか否かを判別する(ステップS205)。時刻情報の要求が入力されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、サブCPU211は、RTC212から時刻を取得し、メインCPU111に出力する(ステップS206)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0044】
メインCPU111から時刻情報の要求が入力されたのではないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、サブCPU211は、メインCPU111から第2表示部22の表示動作を開始させる要求が入力されたか否かを判別する(ステップS207)。第2表示部22の表示動作を開始させる要求が入力されたと判別された場合には(ステップS207で“YES”)、サブCPU211は、第2表示部22の表示動作を開始させる(ステップS208)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0045】
メインCPU111から第2表示部22の表示動作を開始させる要求が入力されたのではないと判別された場合には(ステップS207で“NO”)、サブCPU211は、メインCPU111から第2表示部22の表示動作を終了させる要求が入力されたか否かを判別する(ステップS209)。第2表示部22の表示動作を終了させる要求が入力されたと判別された場合には(ステップS209で“YES”)、サブCPU211は、第2表示部22の表示動作を終了させて第2表示部22を透過状態とさせる(ステップS210)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0046】
メインCPU111から第2表示部22の表示動作を終了させる要求が入力されたのではないと判別された場合には(ステップS209で“NO”)、サブCPU211は、スイッチ23の押下操作が検出されたか否かを判別する(ステップS211)。スイッチ23の押下操作が検出されたと判別された場合には(ステップS211で“YES”)、サブCPU211は、メインCPU111を起動させる動作を行う(ステップS212)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
スイッチ23の押下操作が検出されていないと判別された場合には(ステップS211で“NO”)、サブCPU211は、他の検出された入力に応じた処理を行う(ステップS213)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0047】
以上のように、本実施形態のスマートウォッチ100は、メインCPU111と、サブCPU211と、第1表示部12と、第2表示部22と、を備え、メインCPU111及びサブCPU211が連携して、時刻表示を含む表示動作の実行中には、動作状態に応じた第1表示部12及び第2表示部22の少なくとも一方への時刻表示処理を実行する。
このように、2つの表示部を2つのCPUが連携して制御し、動作状態に応じて何れかに時刻表示をさせることで、より柔軟且つ適切に多様な表示パターンを使い分けて制御を行うことが出来る。
【0048】
また、メインCPU111は、動作状態として複数の消費電力モードの何れかに選択的に設定可能であるので、消費電力に応じて適切な表示部やCPUを使い分けて動作効率を改善することが出来る。
【0049】
また、複数の消費電力モードには、通常モード、当該通常モードよりも消費電力の小さい低電力モード、及び当該低電力モードよりも更に消費電力が小さく、メインCPU111を休止させる休止モードが含まれる。このように、消費電力ごとに各々動作状態を設定し、それぞれについて表示動作を行う表示部と制御動作を行うCPUとを適切に組み合わせることで容易且つ適切に消費電力に応じた動作を選択することが出来る。
【0050】
また、通常モード又は低電力モードでは、メインCPU111が第1表示部12に時刻表示を行わせる制御を行い、サブCPU211が第2表示部22に時刻表示を行わせない制御を行い、休止モードでは、第1表示部12がオフされ、サブCPU211が第2表示部22に時刻表示を行わせる制御を行う。
このように、メインCPU111をオフしている状況では第1表示部12もオフさせて、消費電力の小さいサブCPU211及び第2表示部22の組合せで表示を行わせることで、無理なく容易に低消費電力での最低限の時刻表示を行わせることが出来る。
【0051】
また、メインCPU111は、第1の時計手段として自身の制御によりRAM112を用いて時刻を計数し、サブマイコン21は、メインマイコン11でのメインCPU111の制御による時刻の計数とは別個に時刻を計数するRTC212を備え、メインCPU111は、自身で計数された時刻を第1表示部12に表示させ、サブCPU211は、RTC212により計数された時刻を第2表示部22に表示させる。
このように、消費電力モードに応じてメインマイコン11での計時動作及び時刻表示動作と、サブマイコン21での計時動作及び時刻表示動作とが分離されるので、スマートウォッチ100では、2つのマイコンの動作切り替えにより容易且つ適切に消費電力に応じた計時及び時刻表示を行わせることが出来る。
【0052】
また、通常モードから低電力モード又は休止モードに遷移する場合、メインCPU111は、第1の時計手段が計数する時刻に基づいてRTC212の時刻を修正するので、メインCPU111による時刻の計数動作が停止される場合でも、RTC212のずれを低減させて、暫くの間、容易にメインCPU111による計数と同程度の時刻精度での時刻表示を行わせることが出来る。
【0053】
また、同様に、通常モードから低電力モード又は休止モードに遷移する場合、メインCPU111は、第1の時計手段が計数する時刻に基づいてRTC312の時刻を修正する。これにより、RTC212と同様にRTC312の計数時刻のずれを低減し、暫くの間、容易にメインCPU111による計数時刻と同程度の時刻精度で時刻表示を行わせることが出来る。
【0054】
また、第2表示部22の表示画面22aは、第1表示部12の表示画面12aの上部に積層され、時刻を表示しない状態では第1表示部12による表示内容を透過させるように制御される。従って、見かけ上単一の表示画面4内に、消費電力モードに応じた適切な表示部を使い分けて何れかの表示を行わせることで、ユーザに違和感なく多様な表示を適切に使い分けて行わせることが出来る。
【0055】
また、第1表示部12は、カラー表示が可能な液晶表示画面を有する。即ち、少なくとも通常モードでは、カラー表示を用いて多様な表示を行うことが可能な一方、低消費電力で動作させる場合には、そもそもこのようなカラー液晶表示画面を用いずに第2表示部22に表示を行わせる駆動制御を行うことで、効率良く電力消費量を低減させることが出来る。
【0056】
また、上述の時刻表示制御方法で複数の表示部の表示制御を複数のCPUにより行うことで、容易且つ適切に多様な表示の使い分け制御を行うことが出来る。
【0057】
[変形例1]
次に、表示制御処理の変形例1について説明する。
この変形例1の表示制御処理では、メインCPU111、無線通信コントローラ14(通信手段)及び衛星電波受信モジュール15(受信手段)が時刻取得手段を構成し、外部からメインCPU111による計数時刻やRTC212、RTC312の計数時刻よりも精度の高い時刻情報を取得して、計数時刻の補正を行う。
図6は、メインCPU111による変形例1の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理は、上記実施形態の表示制御処理と比較して、ステップS151〜S153の処理が追加され、また、ステップS107の処理の代わりにステップS107a〜S107cの処理が行われる点を除いて同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
ステップS103の処理が実行された後、メインCPU111は、無線通信コントローラ14を介して外部機器、例えば、スマートフォンと通信接続を行って当該外部機器から時刻情報を取得して、計数している時刻を修正する(ステップS151)。メインCPU111は、時刻情報の取得に失敗したか否かを判別し(ステップS152)、失敗したと判別された場合には(ステップS152で“YES”)、メインCPU111は、更に衛星電波受信モジュール15を動作させてGPS衛星などの測位衛星から時刻情報を取得し、計数している時刻を修正する(ステップS153)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS104に移行する。なお、メインCPU111は、取得された時刻情報に基づいてRTC312の時刻を併せて修正しても良い。また、メインCPU111は、当該取得された時刻をサブCPU211に送り、サブCPU211にRTC212やRTC312の計数する時刻を修正させても良い。
失敗していないと判別された場合には(ステップS152で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS104に移行する。
【0059】
また、ステップS106の処理で低電力モードに遷移すると、メインCPU111は、計数している時刻を記憶手段としての記憶部113に記憶させる(ステップS107a)。これに伴って、メインCPU111は、時刻の計数動作を中止する。メインCPU111は、入力(呼び出し)待ちの待機状態に入り、PMIC31のカウンタ311により所定の時間間隔ごと、ここでは、例えば、1分ごとに呼び出されると、記憶部113に記憶させている時刻にこの所定間隔、即ち、1分を加算して、当該時刻で記憶部113に記憶させる時刻を更新する(ステップS107b)。メインCPU111は、記憶部113に記憶させている時刻に合わせて第1表示部12に表示させている時刻を更新させ(ステップS107c)、それから、処理をステップS108に移行させる。
【0060】
図7は、サブCPU211による変形例1の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理では、上記実施の形態の表示制御処理に対してステップS251、S252の処理が追加されている点のみが異なり、同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
ステップS211の判別処理で“NO”に分岐すると、サブCPU211は、当該サブCPU211の動作状態に係る消費電力モードの変更条件が満たされたか否かを判別する(ステップS251)。満たされていないと判別された場合には(ステップS251で“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS213に移行する。満たされたと判別された場合(ステップS251で“YES”)には、サブCPU211は、RTC212からサブCPU211に時刻情報を入力させる時間間隔(第2の時間間隔)の設定を変更する(ステップS252)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0062】
この変形例1では、サブCPU211について、通常動作モード(第2通常モード)と低消費電力モード(第2低電力モード)の2つのモードが設定され、通常動作モードでは、第2表示部22に表示させる時刻が1秒単位で更新され、低消費電力モードでは、第2表示部22に表示させる時刻が1分単位で更新される。即ち、RTC212からサブCPU211に対するステップS203での時刻の入力は、通常動作モードでは1秒ごとに設定され、低消費電力モードでは、1分ごとに(即ち、通常動作モードより時間間隔を広く)設定される。また、これに対応して、
図3(d)に示すように、低消費電力モードの場合には、第2表示部22に表示させる時刻は、分桁までとされて、秒桁の値の表示が消去される。
なお、このサブCPU211の動作モードは、上述の消費電力モードとは別個に定められるものであり、例えば、通常モードにおいてサブCPU211を低消費電力モードに遷移させることも出来る。
【0063】
以上のように、変形例1の表示制御処理を実行するスマートウォッチ100は、所定の時間間隔、ここでは、1分間隔を計数するカウンタ311を備え、通常モードでは、メインCPU111が自身で計数した時刻を所定の時間間隔より短い第1の時間間隔、ここでは、1秒間隔で更新しながら第1表示部12に表示させ、低電力モードでは、メインCPU111は、カウンタ311により所定の時間間隔ごとに呼び出されて第1表示部12に時刻を表示させる。
従って、低電力モードにおいて、メインCPU111の動作を間欠的にすることが出来、その間隔も広く定めることで、効果的に電力消費量を低減させることが出来る。
【0064】
また、記憶部113を備え、メインCPU111は、通常モードから低電力モードへ遷移する場合に、メインCPU111自身により計数された時刻を記憶部113に記憶させて、当該メインCPU111による時刻の計数を中止させ、低電力モードにおいてカウンタ311により呼び出されると、記憶部113に記憶した時刻を読み出して当該時刻に所定の時間間隔を加算した時刻を算出し、算出された時刻を第1表示部12に表示させる。
このように、メインCPU111による時刻の計数自体を中止するとともに、メインCPU111と別個に動作するカウンタ311の計数動作で適宜間欠的に呼び出されて必要な時刻情報を取得し、第1表示部12の表示を更新するので、メインCPU111の演算処理量を大きく低減させることが出来る。
【0065】
また、サブCPU211は、動作状態として複数の消費電力モードの何れかに選択的に設定可能であり、複数の電力消費モードには、サブCPU211を通常動作させる通常動作モードと、サブCPU211を通常動作モードよりも低消費電力で動作させる低消費電力モードと、が含まれる。このように、状況に応じてサブCPU211の消費電力も調整することが出来るので、より効率良く適切な表示制御を行うことが出来る。
【0066】
また、サブマイコン21には、RTC212が設けられ、RTC212は、第2の時間間隔(1秒や1分など)を計数するカウンタ(第2のカウント手段)を構成し、サブCPU211は、RTC212のカウンタにより第2の時間間隔ごとに呼び出されて当該RTC212の計数する時刻を取得し、サブCPU211の低消費電力モードでは、通常動作モードよりも第2の時間間隔を広げて設定する。
このように、時刻情報の取得間隔及び表示の更新間隔を広げることで、動作状態に応じて必要な時刻情報を必要な頻度で適切な電力消費量に調整しながら柔軟に示すことが出来る。
【0067】
また、メインCPU111による計時動作よりも精度の高い時刻情報を外部から取得する時刻取得手段を備え、メインCPU111は、この時刻取得手段により取得された時刻に基づいてメインCPU111が計数する時刻を補正する。これにより、メインCPU111が計数する時刻のずれを適宜解消し、正確な時刻の計数や表示を継続させることが出来る。
【0068】
また、メインCPU111は、低電力モード又は休止モードから通常モードに遷移した場合に、時刻取得手段により時刻を取得させ、取得された時刻に基づいてメインCPU111が計数する時刻を補正するので、スマートウォッチ100において通常モードでの動作を開始させた当初から適切に正確な時刻の計数及び表示を行わせることが出来る。
【0069】
また、外部と通信を行う無線通信コントローラ14を備え、メインCPU111は、当該無線通信コントローラ14により外部、特に、スマートフォンや携帯電話などの携帯機器から時刻情報を取得するので、スマートウォッチ100は、身近な外部機器から容易且つ速やかに正確な時刻情報を取得して正確な時刻の計数及び表示を行うことが出来る。
【0070】
また、時刻情報を含む測位衛星からの衛星電波を受信して時刻情報を取得する衛星電波受信モジュール15を備え、メインCPU111は、この衛星電波受信モジュール15により得られた時刻情報を取得するので、スマートウォッチ100では、自身で電波を送信したり外部機器と通信接続を行ったりしなくても正確な時刻情報を取得することが出来る。また、特に、測位衛星からの電波は、地球上の世界各地の屋外で受信可能であるので、通信電波の送受信可能エリアなどを考慮せずに世界の広い範囲で正確な時刻情報を取得することが出来る。
【0071】
また、サブCPU211は、時刻取得手段により取得された時刻に基づいてRTC212の計数する時刻を補正することとすることが出来る。これにより、メインCPU111が時刻を計数する場合だけではなく、RTC212の計数する時刻における正確な時刻からのずれを小さく抑えて、休止モード時の時刻の計数や表示の精度を向上させても良い。
【0072】
また、同様に、サブCPU211は、時刻取得手段により取得された時刻に基づいてRTC312の計数する時刻を補正することとすることが出来る。これにより、RTC312の計数する時刻における正確な時刻からのずれも小さく抑えることが出来る。
【0073】
また、メインCPU111による通常モードでの時刻表示の更新に係る第1の時間間隔は1秒であり、低電力モードでの時刻表示の更新に係る所定の時間間隔は1分である。このように、ユーザによるスマートウォッチ100の使用があまりアクティブで無い場合には、表示の更新間隔を広げてもユーザに大きな問題を生じさせず、表示状態の違いをユーザに示すことが出来、更に、電力消費を効果的に低減させることが出来る。
【0074】
[変形例2]
次に、表示制御処理の変形例2について説明する。
図8は、メインCPU111による変形例2の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例2の表示制御処理では、変形例1の表示制御処理におけるステップS107a、S107bの処理の代わりにステップS107dの処理が実行される。その他の処理内容は変形例1と変形例2とで同一であり、同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
ステップS106の処理で低電力モードに遷移すると、メインCPU111は、現在時刻の計数を中止するとともに入力(呼び出し)待ちの待機状態に入り、PMIC31のカウンタ311により所定の時間間隔ごとに呼び出されると、メインCPU111は、当該PMIC31のRTC312から現在の時刻を取得する(ステップS107d)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS107cに移行する。
なお、PMIC31のRTC312が直接所定の時間間隔ごとに時刻情報をメインCPU111に送ることで呼び出し動作を行っても良い。
【0076】
以上のように、変形例2の表示制御処理を実行するスマートウォッチ100では、メインCPU111が計数する時刻やRTC212とは別個に時刻を計数するRTC312をPMIC31に備え、低電力モードでは、メインCPU111は、当該メインCPU111自身による時刻の計数を中止させ、カウンタ311により呼び出されると、RTC312から時刻を取得して第1表示部12に表示させる。これにより、メインCPU111の処理動作を大きく低減させて電力消費を減少させることが出来る。また、メインマイコン11やサブマイコン21の動作とは別個に動作するRTC312から間欠的に必要なタイミングでのみ時刻情報を取得して、第1表示部12の時刻表示を更新させるので、必要以上にメインマイコン11やサブマイコン21を動作させる必要が無い。
【0077】
また、RTC312は、リアルタイムクロックであるので、スマートウォッチ100では、周知のICチップなどを用いてメインマイコン11やサブマイコン21の動作とは関係なく、低消費電力で効率良く時刻の計数を行わせることが出来る。
【0078】
[変形例3]
次に、表示制御処理の変形例3について説明する。
この変形例3の表示制御処理では、低電力モードにおいて、メインCPU111ではなくサブCPU211が第1表示部12の表示制御を行う。低電力モードでの第1表示部12への表示内容自体は上記実施の形態や変形例1、2と変わらないが、表示される時刻は、RTC212の計数する時刻に基づいて更新される。
【0079】
図9は、メインCPU111による変形例3の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例3の表示制御処理では、変形例1の表示制御処理におけるステップS107a〜S107cの処理が削除され、また、ステップS106、S109の処理の代わりにそれぞれステップS106e、S109eの処理が行われる。その他の処理内容については、変形例2と変形例3の表示制御処理で同一であり、同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
ステップS105の判別処理で“YES”に分岐すると、メインCPU111は、低電力モードに遷移するための各種動作を行う。このときに、メインCPU111は、第1表示部12の表示制御を中止し、また、時刻の計数を中止するとともに、低電力モードに遷移した旨をサブCPU211に通知する(ステップS106e)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS108に移行して、操作入力が検出されるか、又はメインCPU111が制御する所定の機能動作部の動作に係る表示内容の更新入力があったと検出されるまで、ステップS108の処理を繰り返す、又は単純に待機する。
【0081】
ステップS108の処理で“YES”に分岐すると、メインCPU111は、通常モードに遷移するための各種動作を行う。また、このとき、メインCPU111は、サブCPU211に通常モードへの復帰を示す通知を送るとともに、RTC212の時刻を取得して時刻の計数を再開する。また、メインCPU111は、第1表示部12の表示制御動作を再開する(ステップS109e)。それから、メインCPU111の処理はステップS104に戻る。
【0082】
図10は、サブCPU211による変形例3の表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この表示制御処理は、変形例1の表示制御処理に対してステップS251、S252の処理の代わりにステップS261〜S264の処理が追加され、また、ステップS203の処理の代わりにステップS203fの処理が実行される点を除いて変形例1の表示制御処理と同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
ステップS202の処理で入力が検出されてステップS203fの処理に移行すると、サブCPU211は、入力内容が時刻情報であり、且つサブCPU211が第1表示部12又は第2表示部22の何れかを制御する状態であるか否かを判別する(ステップS203f)。時刻情報が入力されて、且つ第1表示部12を制御する状態(即ち、低電力モード)又は第2表示部22を制御する状態(即ち、休止モード)であると判別された場合には(ステップS203fで“YES”)、サブCPU211は、制御中の表示部における時刻表示を更新する(ステップS204)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。時刻情報の取得ではないか、又はサブCPU211が第1表示部12及び第2表示部22の何れも制御していないと判別された場合には(ステップS203fで“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS205に移行する。
【0084】
また、ステップS211の判別処理で“NO”に分岐した場合、サブCPU211は、メインCPU111から低電力モードへの遷移通知を取得したか否かを判別する(ステップS261)。低電力モードへの遷移通知を取得したと判別された場合には(ステップS261で“YES”)、サブCPU211は、第1表示部12の表示制御を開始する(ステップS262)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
【0085】
低電力モードへの遷移通知を取得したのではないと判別された場合には(ステップS261で“NO”)、サブCPU211は、メインCPU111から通常モードへの遷移通知を取得したか否かを判別する(ステップS263)。通常モードへの遷移通知を取得したと判別された場合には(ステップS263で“YES”)、サブCPU211は、第1表示部12の表示制御を終了する(ステップS264)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS202に戻る。
通常モードへの遷移通知を取得したのではないと判別された場合には(ステップS263で“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS213に移行する。
【0086】
以上のように、変形例3の表示制御処理では、通常モードでは、メインCPU111が第1表示部12に時刻表示を行わせる制御を行い、サブCPU211が第2表示部22に時刻表示を行わせない制御を行い、低電力モードでは、サブCPU211が第1表示部12に時刻表示を行わせるとともに第2表示部22に時刻表示を行わせない制御を行い、休止モードでは、第1表示部12がオフされ、サブCPU211が第2表示部22に時刻表示を行わせる制御を行う。
このように、メインCPU111と第1表示部12を用いた通常モードに対し、低電力モードではサブCPU211を用いて電力消費を低減させ、休止モードでは更に第2表示部22を用いることで電力消費を低減させるので、消費電力に応じて容易且つ簡単に制御パターンを切り替えて効率良く適切に多様な表示を使い分けたスマートウォッチ100を得ることが出来る。
【0087】
また、通常モードでは、メインCPU111が自身により計数された時刻を第1表示部12に表示させ、低電力モードでは、サブCPU211がRTC212により計数された時刻を第1表示部12に表示させ、休止モードでは、サブCPU211がRTC212により計数された時刻を第2表示部22に表示させる。
このように、時刻の計数に係る処理負荷と、時刻の表示に係る処理負荷とを段階的に低減させていくことで、スマートウォッチ100では、効率良く適切に消費電力を切り替えながら当該消費電力に応じた適切な時刻表示を行わせることが出来る。
【0088】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1表示部12の表示画面12a上に第2表示部22の表示画面22aが積層される場合について説明したが、順番が逆であっても良いし、或いは、2つの表示画面が並列に配列されていても良い。また、表示画面は、液晶表示によるものに限られず、有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどが用いられても良い。
【0089】
また、上記実施の形態では、第1表示部12及び第2表示部22が各々一つずつであるとして説明したが、複数の第1表示部12(表示画面12a)や複数の第2表示部22(表示画面22a)が設けられていても良い。
【0090】
また、受信手段としての衛星電波受信モジュール15は、GPS衛星からの電波を受信して時刻情報の取得を可能として説明したが、GLONASSなど他の測位衛星からの電波を受信して時刻情報を取得しても良い。また、衛星電波の受信に限らず、長波長帯の標準電波を受信して時刻情報が取得可能な構成を有していても良い。
【0091】
また、衛星電波受信モジュール15を用いた時刻情報の取得が無線通信コントローラ14を介した時刻情報の取得より先になされても良いし、或いは、衛星電波受信モジュール15のみを用いて正確な時刻情報の取得が行われても良い。
【0092】
また、上記実施の形態では、衛星電波受信モジュール15はメインマイコン11に接続され、メインマイコン11の制御において時刻情報の取得を行ったが、衛星電波受信モジュール15をサブマイコン21に接続し、サブマイコン21の制御において時刻情報の取得が行われても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、メインマイコン11の起動後にサブCPU211からRTC212の日時を取得し、その後、メインCPU111がスマートフォンやGPS衛星から精度の高い時刻情報を取得して、RTC212、RTC312の計数する時刻を修正するようにしたが、メインマイコン11の起動直後に先ずスマートフォンやGPS衛星から精度の高い時刻情報を取得し、その後にRTC212、RTC312の計数する時刻を修正しても良い。
【0094】
また、上記実施の形態では、サブマイコン21やPMIC31がそれぞれRTC212、312を有することとして説明したが、共通のRTCが用いられても良い。また、サブマイコン21では、RTCを用いずにサブCPU211が時刻の計数を行っても良い。
【0095】
また、上記実施の形態では、RTC312は、PMIC31が有するものとしたが、メインマイコン11が有していても良い。
【0096】
また、RTC212、312の時刻修正は、サブCPU211が実行する場合に限られず、メインCPU111が実行しても良い。また、メインCPU111が一度自身の計数する時刻を修正した後、当該修正した時刻に基づいてRTC212、312の時刻の修正が行われても良い。また、サブCPU211がメインCPU111と独立に外部から時刻情報を取得可能なように、無線通信コントローラ14や衛星電波受信モジュール15がサブマイコン21に接続されてサブCPU211の制御により動作が可能に構成されても良い。
【0097】
また、上記実施の形態及び各変形例で示した表示部の選択及び表示制御は、互いに矛盾しない限りにおいて各消費電力モードに対応して任意に組み合わせて定められて良い。また、消費電力モードは、上述の3通りだけではなく、これらの3通りの中間に当たるものが更に含まれていても良い。
【0098】
また、上述の消費電力モードの遷移動作やその変化に応じた表示制御などは、全てプロセッサとしてのメインCPU111及びサブCPU211が連携して行われることとして示したが、これらの制御動作は、その一部などが専用の論理回路などを用いて行われても良い。
【0099】
また、スマートウォッチ100が上述の消費電力モードのうちどの消費電力モードにあるかは、メインCPU111だけが把握しても良いし、メインCPU111とサブCPU211の両方が把握しても良い。
【0100】
また、上記実施の形態では、電子機器としてスマートウォッチを例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。他の表示端末全般、特に、携帯型のものや身体装着型のものなどに対して本発明を好ましく適用することが出来る。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0102】
[付記]
<請求項1>
第1のプロセッサと、
第2のプロセッサと、
第1の表示部と、
第2の表示部と、
を備え、
前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサが連携して、時刻表示を含む表示動作の実行中には、動作状態に応じた前記第1の表示部及び前記第2の表示部の少なくとも一方への時刻表示処理を実行する
ことを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記第1のプロセッサは、前記動作状態として複数の消費電力モードの何れかに選択的に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
<請求項3>
前記複数の消費電力モードには、通常モード、当該通常モードよりも消費電力の小さい低電力モード、及び当該低電力モードよりも更に消費電力が小さく、前記第1のプロセッサを休止させる休止モードが含まれることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
<請求項4>
前記通常モード又は前記低電力モードでは、前記第1のプロセッサが前記第1の表示部に時刻表示を行わせる制御を行い、前記第2のプロセッサが前記第2の表示部に時刻表示を行わせない制御を行い、
前記休止モードでは、前記第1の表示部がオフされ、前記第2のプロセッサが前記第2の表示部に時刻表示を行わせる制御を行う
ことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
<請求項5>
前記通常モードでは、前記第1のプロセッサが前記第1の表示部に時刻表示を行わせる制御を行い、前記第2のプロセッサが前記第2の表示部に時刻表示を行わせない制御を行い、
前記低電力モードでは、前記第2のプロセッサが前記第1の表示部に時刻表示を行わせるとともに前記第2の表示部に時刻表示を行わせない制御を行い、
前記休止モードでは、前記第1の表示部がオフされ、前記第2のプロセッサが前記第2の表示部に時刻表示を行わせる制御を行う
ことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
<請求項6>
前記第1のプロセッサの制御により時刻を計数する第1の時計手段と、
前記第1の時計手段とは別個に時刻を計数する第2の時計手段と、
を備え、
前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段により計数された時刻を前記第1の表示部に表示させ、
前記第2のプロセッサは、前記第2の時計手段により計数された時刻を前記第2の表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項4記載の電子機器。
<請求項7>
前記第1のプロセッサの制御により時刻を計数する第1の時計手段と、
前記第1の時計手段とは別個に時刻を計数する第2の時計手段と、
を備え、
前記通常モードでは、前記第1のプロセッサが前記第1の時計手段により計数された時刻を前記第1の表示部に表示させ、
前記低電力モードでは、前記第2のプロセッサが前記第2の時計手段により計数された時刻を前記第1の表示部に表示させ、
前記休止モードでは、前記第2のプロセッサが前記第2の時計手段により計数された時刻を前記第2の表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項5記載の電子機器。
<請求項8>
所定の時間間隔を計数する第1のカウント手段を備え、
前記通常モードでは、前記第1のプロセッサが前記第1の時計手段により計数された時刻を前記所定の時間間隔より短い第1の時間間隔で更新しながら前記第1の表示部に表示させ、
前記低電力モードでは、前記第1のプロセッサは、前記第1のカウント手段により前記所定の時間間隔ごとに呼び出されて前記第1の表示部に時刻を表示させる
ことを特徴とする請求項6記載の電子機器。
<請求項9>
記憶手段を備え、
前記第1のプロセッサは、
前記通常モードから前記低電力モードへ遷移する場合に、前記第1の時計手段により計数された時刻を前記記憶手段に記憶させて、前記第1の時計手段による時刻の計数を中止させ、
前記低電力モードにおいて前記第1のカウント手段により呼び出されると、前記記憶手段に記憶した時刻を読み出して当該時刻に前記所定の時間間隔を加算した時刻を算出し、算出された時刻を前記第1の表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項8記載の電子機器。
<請求項10>
前記第1の時計手段及び前記第2の時計手段とは別個に時刻を計数する第3の時計手段を備え、
前記低電力モードでは、前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段による時刻の計数を中止させ、前記第1のカウント手段により呼び出されると、前記第3の時計手段から時刻を取得して前記第1の表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項8記載の電子機器。
<請求項11>
前記第2のプロセッサは、前記動作状態として複数の消費電力モードの何れかに選択的に設定可能であり、
前記複数の電力消費モードには、
前記第2のプロセッサを通常動作させる第2通常モードと、
前記第2のプロセッサを前記第2通常モードよりも低消費電力で動作させる第2低電力モードと、
が含まれることを特徴とする請求項6〜10の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項12>
第2の時間間隔を計数する第2のカウント手段を備え、
前記第2の時計手段は、リアルタイムクロックであり、
前記第2のプロセッサは、前記第2のカウント手段により前記第2の時間間隔ごとに呼び出されて前記第2の時計手段の時刻を取得し、前記第2低電力モードでは、前記第2通常モードよりも前記第2の時間間隔を広げて設定する
ことを特徴とする請求項11記載の電子機器。
<請求項13>
外部から時刻情報を取得する時刻取得手段を備え、
前記第1のプロセッサは、前記時刻取得手段により取得された時刻に基づいて前記第1の時計手段の計数する時刻を補正する
ことを特徴とする請求項6〜12の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項14>
前記第1のプロセッサは、前記低電力モード又は前記休止モードから前記通常モードに遷移した場合に、前記時刻取得手段により時刻を取得させ、取得された時刻に基づいて前記第1の時計手段の計数する時刻を補正する
ことを特徴とする請求項13記載の電子機器。
<請求項15>
外部と通信を行う通信手段を備え、
前記時刻取得手段は、当該通信手段により外部から時刻情報を取得する
ことを特徴とする請求項13又は14記載の電子機器。
<請求項16>
時刻情報を含む電波を受信して時刻情報を取得する受信手段を備え、
前記時刻取得手段は、前記受信手段により取得された時刻情報を取得する
ことを特徴とする請求項13又は14記載の電子機器。
<請求項17>
前記通常モードから前記低電力モード又は前記休止モードに遷移する場合、前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段が計数する時刻に基づいて前記第2の時計手段の時刻を修正することを特徴とする請求項6〜16の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項18>
前記通常モードから前記低電力モード又は前記休止モードに遷移する場合、前記第1のプロセッサは、前記第1の時計手段が計数する時刻に基づいて前記第3の時計手段の時刻を修正することを特徴とする請求項10記載の電子機器。
<請求項19>
外部から時刻情報を取得する時刻取得手段を備え、
前記第2のプロセッサは、前記時刻取得手段により取得された時刻に基づいて前記第2の時計手段の計数する時刻を補正する
ことを特徴とする請求項6〜12の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項20>
外部から時刻情報を取得する時刻取得手段を備え、
前記第2のプロセッサは、前記時刻取得手段により取得された時刻に基づいて前記第3の時計手段の計数する時刻を補正する
ことを特徴とする請求項10記載の電子機器。
<請求項21>
前記第1の時間間隔は1秒であり、
前記所定の時間間隔は1分である
ことを特徴とする請求項8〜10、18、20の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項22>
前記第3の時計手段は、リアルタイムクロックであることを特徴とする請求項10、18、20の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項23>
前記第2の表示部は、前記第1の表示部の上部に積層され、時刻を表示しない状態では前記第1の表示部の表示内容を透過させるように制御されることを特徴とする請求項1〜22の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項24>
前記第1の表示部は、カラー表示が可能な液晶表示画面を有することを特徴とする請求項1〜23の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項25>
第1のプロセッサと、第2のプロセッサと、第1の表示部と、第2の表示部と、を備える電子機器の表示制御方法であって、
前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサが連携して、時刻表示を含む表示動作の実行中には、動作状態に応じた前記第1の表示部及び前記第2の表示部の少なくとも一方への時刻表示処理を実行する
ことを特徴とする時刻表示制御方法。