【文献】
#042:自由視点映像でスポーツ観戦をカスタマイズ,TSUKUBA FUTURE,[online],2015年 5月22日,2015年6月13日検索,URL,http://www.tsukuba.ac.jp/notes/042/index.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態におけるコンテンツ配信システムを、図面を用いて説明する。
【0012】
<コンテンツ配信システムの概要>
図1は、実施形態におけるコンテンツ販売システム1の一例を示す概念図である。
図1に示す例において、コンテンツ販売システム1は、例えばコンテンツを配信する会社等により提供されるサーバ装置(情報処理装置)50と、各ユーザが操作する情報処理装置10と、1又は複数のオブジェクトを撮像する撮像装置60A、60B、60Cと、がネットワークNを介して接続される。以下、撮像装置を1つ1つ区別する必要がない場合は、符号60を用いる。また、情報処理装置10は、ネットワークNに複数接続されてもよい。
【0013】
オブジェクトは、例えばプレイヤや動物などの動く生物を含む。プレイヤは、スポーツをしている人や音楽ライブをしている人などを含む。
【0014】
また、情報処理装置10は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する。)70に接続される。HMD70を装着したユーザは、VRを体験することができる。なお、ネットワークNには、その他決済サーバなどが接続されてもよい。
【0015】
図2は、実施形態における撮像装置60による撮像の様子の一例を説明するための図である。
図2に示す例では、フィールドF1内で複数のプレイヤP1〜P3がスポーツをしている。撮像装置60は、スポーツをしている各プレイヤの様子を様々な角度から撮像する。撮像装置60は、動作解析を容易にするため、高性能の撮像装置、例えば8Kカメラなどが望ましい。また、撮像装置60の設置台数は、
図2に示す例では8台であるが、フィールドF1の大きさに応じて適切な台数が設置されればよい。
【0016】
撮像装置60により撮像された各撮像データは、直接的又はパーソナルコンピュータなどの処理装置を介して間接的に、サーバ装置50に送信される。サーバ装置50は、各撮像データに基づき、各プレイヤやフィールドを含む三次元仮想空間を生成し、また、撮像データを画像処理すること、又はモーションキャプチャなどの技術を用いることで、各オブジェクトの動作解析を行う。なお、サーバ装置50は、フィールドF1が既知であれば、事前に三次元仮想空間を生成しておき、各撮像データに基づいて風景やプレイヤ等に基づくオブジェクトを配置し、最終的な三次元仮想空間を生成してもよい。また、これらの処理の一部または全ては、サーバ装置50ではなく、撮像装置60に接続された前述のパーソナルコンピュータなどの処理装置で行い、生成されたオブジェクトや三次元仮想空間をサーバ装置50に送信して記憶させるようにしても良い。
【0017】
モーションキャプチャは、マーカーレス方式の公知の技術を用いるとよい。例えば、Captury Studio社のモーションキャプチャや、Organic Motion社のモーションキャプチャなどの技術が適用可能である。これにより、オブジェクトに対してカメラを設ける必要がなくなり、オブジェクトに負担をかけずに済む。
【0018】
サーバ装置50は、1又は複数のオブジェクトについて、上述した動作解析を行うことにより、各オブジェクトの動きを再現する映像コンテンツを生成する。この映像コンテンツは、コンピュータグラフィックス(以下、CGとも称する。)を用いており、また、各プレイヤの視点からの映像コンテンツである。各プレイヤや全フィールドをモデリングした仮想オブジェクトを含む三次元仮想空間に基づき、CGによる映像コンテンツを生成する方が、実映像による複雑な映像コンテンツを生成するよりも、オブジェクトの様々な動きや視点変更にも柔軟に対応することができ、処理負荷を軽減することができる。サーバ装置50は、このようにして生成された映像コンテンツを複数記憶しておいてもよい。
【0019】
情報処理装置10は、所定のアプリケーションを用いてサーバ装置50にアクセスし、ユーザ操作に基づいて、映像コンテンツやオブジェクトを選択し、選択された映像コンテンツやオブジェクトの視点からの映像コンテンツをダウンロードする。
【0020】
図3は、実施形態における情報処理装置10が接続されたHMD70の一例を示す図である。
図3に示す例では、情報処理装置10は、マイクロUSB端子等を用いてHMD70に接続される。HMD70は、情報処理装置10から、マイクロUSB端子等を用いて取得した映像コンテンツを表示部に表示する。
【0021】
HMD70を装着したユーザは、この映像コンテンツを視聴することで、VRを体験することができる。なお、HMD70は、上述したように、情報処理装置10から映像コンテンツを取得して表示してもよいし、情報処理装置10に表示される映像コンテンツを視聴できるようにしてもよい。
【0022】
これにより、サーバ装置50は、VRにおいて、オブジェクトの様々な動きに対応しつつ、多数のオブジェクトの視点からのコンテンツを生成することを容易にすることができる。また、情報処理装置10は、所定のアプリケーションを用いることにより、サーバ装置50において生成されたコンテンツをユーザに取得することができる。なお、VRの体験とは、
図3に示すようなHMD70を装着してVRを体験する以外にも、情報処理装置10等のディスプレイに映像コンテンツを表示し、ユーザがそのディスプレイを見ることでVRを体験することも含む。
【0023】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置10は、携帯端末を一例に挙げている。また、実施形態に係る各種プログラムは、例えばサーバ装置や携帯端末等で実行される。
【0024】
<ハードウェア構成>
次に、コンテンツ販売システム1内の各装置のハードウェアについて説明する。以下、サーバ装置50、携帯端末10、HMD70の順に説明する。
【0025】
≪サーバ装置50≫
まず、サーバ装置(情報処理装置)50のハードウェア構成について説明する。
図4は、実施形態におけるサーバ装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、サーバ装置50は、制御部51、通信インターフェース53、記憶部54、表示部57、及び入力部58を有し、各部はバスライン59を介して接続される。
【0026】
制御部51は、CPU、ROM、RAM52等を含む。制御部51は、記憶部54に記憶される制御プログラム55等を実行することにより、一般的な情報処理装置としての機能に加え、例えば映像コンテンツの生成に関する処理を実現するように構成される。
【0027】
また、RAM52は、各種情報を一時的に保持したり、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとして使用されたりする。
【0028】
通信インターフェース53は、ネットワークNを介した撮像装置60、携帯端末10、及び課金サーバ(不図示)等との通信を制御する。
【0029】
記憶部54は、例えばHDD等からなり、一般的な情報処理装置としての機能を実現するためのアプリケーション及びデータ(図示省略)を記憶することに加え、制御プログラム55を記憶する。また、記憶部54は、情報記憶部56を有している。
【0030】
制御プログラム55は、撮像データに基づき、三次元仮想空間を生成したり、各プレイヤの動きを動作解析したり、三次元仮想空間や動作解析結果に基づいて、各プレイヤの動きを再現するCGの映像コンテンツを生成したりするプログラムである。制御プログラム55は、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に保存され、この記録媒体から読み出されて、記憶部54に記憶されてもよい。
【0031】
情報記憶部56は、例えば撮像データを記憶したり、三次元仮想空間や、動作解析処理で生成される中間データ等を記憶したり、三次元仮想空間や動作解析結果に基づくCGの映像コンテンツを記憶したりする。
【0032】
表示部57は、管理者に対して、映像コンテンツ等を表示する。入力部58は、管理者からの入力を受け付けたり、管理者からの指示を受け付けたりする。また、サーバ装置50は、表示部57と入力部58とを必ずしも設ける必要はなく、表示部57及び入力部58は、外部からサーバ装置50に接続されるようにしてもよい。
【0033】
≪携帯端末10≫
まず、実施形態における携帯端末10の外観構成について説明する。
図5は、実施形態における携帯端末10の外観構成の一例を示す携帯端末正面図である。
【0034】
図5に示すように、携帯端末10は、矩形の薄形筐体12を備え、その薄形筐体12の一方の面は、タッチパネル14が多くの部分を占めるように構成されている。該タッチパネル14が搭載されている面(正面)には、スピーカ16、マイクロフォン18およびハードボタン20が設けられている。また、携帯端末10の側面や底面には、ハードキー22、及び音声出力端子24(
図6参照)などの外部インターフェースが設けられる。さらに、携帯端末10の背面には、カメラ26(
図6参照)が設けられている。
【0035】
図6は、実施形態における携帯端末10のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。携帯端末10は、
図5に示す各構成要素に加えて、移動体通信用アンテナ30、移動体通信部32、無線LAN通信用アンテナ34、無線LAN通信部36、記憶部38、主制御部40、6軸センサ23を少なくとも有し、さらに、スピーカ16、カメラ26や音声出力端子24を含む外部インターフェース42などを有する。
【0036】
タッチパネル14は、表示装置および入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bとで構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aの上面に配置された接触操作を検知するための素子およびその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0037】
タッチパネル14は、主制御部40による記憶部38に記憶されているプログラム44の実行により生成される映像コンテンツを表示する。入力装置としてのタッチパネル14は、操作面に対して接触する接触物(遊技者の指やタッチペンなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する)の動作を検知することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を主制御部40に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検知され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向および長辺方向の二軸上の座標値として表される。
【0038】
携帯端末10は、移動体通信用アンテナ30や無線LAN通信用アンテナ34を通じてネットワーク(インターネット)Nに接続され、サーバ装置50との間でデータ通信をすることが可能である。サーバ装置50は、携帯端末10において選択されたプレイヤなどのダウンロード要求を、ネットワークNを介して受信する。
【0039】
6軸センサ23は、携帯端末10の加速度及び角速度を計測可能である。6軸センサ23によりセンシングされた所定のデータに対して、映像コンテンツ内のプレイヤ視点の変更や、プレイヤ自体の変更などの処理を割り当ててもよい。これにより、携帯端末10を移動させるだけで、映像コンテンツに関する操作が可能になる。
【0040】
≪HMD70≫
次に、実施形態におけるHMD70のハードウェアについて説明する。
図7は、実施形態におけるHMD70のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図7に示すHMD70は、通信部72、表示部74、記憶部76、操作部78、及び制御部80を有する。
【0041】
通信部72は、携帯端末10とデータ通信を行う。例えば、通信部72は、マイクロUSB端子を用いてデータ通信を行ったり、Bluetooth(登録商標)等の通信機能を用いてデータ通信を行ったりする。例えば、通信部72は、携帯端末10から映像コンテンツ等を受信する。
【0042】
表示部74は、携帯端末10から受信した映像コンテンツ等を表示する。映像コンテンツは、2次元映像、又は3次元映像である。表示部74は、HMD70が携帯端末10に表示される映像を視聴するタイプの場合は、HMD70に設けられなくてもよい。
【0043】
記憶部76は、例えばRAMやROMやHDDなどであり、映像コンテンツを記憶する。操作部78は、音量調節ボタンや電源ボタン等の各種ボタンを含み、各種ボタンの押下に基づきHMD70を操作する。
【0044】
制御部80は、例えばCPUやRAMなどであり、上述したHMD70の各部を制御する。
【0045】
<機能的構成>
次に、コンテンツ販売システム1内のサーバ装置50、携帯端末10の機能について説明する。
【0046】
≪サーバ装置50≫
図8は、実施形態におけるサーバ装置50の機能構成の一例を示す図である。
図8に示す例では、サーバ装置50は、第1送信部102、第1受信部104、生成部106、及び第1記憶部108を有する。第1記憶部108以外の各部は、例えば制御プログラム55が制御部51により実行されることで機能する。
【0047】
第1送信部102は、例えば通信インターフェース53や制御部51等により実現されうる。第1送信部102は、ダウンロード要求を出した各携帯端末10に、要求された映像コンテンツ等を送信する。
【0048】
第1受信部104は、例えば通信インターフェース53や制御部51等により実現されうる。第1受信部104は、各携帯端末10から、映像コンテンツやプレイヤを識別する情報とともにダウンロード要求を受信する。また、第1受信部104は、撮像装置60から各撮像データを受信する。
【0049】
生成部106は、例えば制御部51等により実現されうる。生成部106は、各プレイヤの動きが撮像された各撮像データに基づいて、各プレイヤの動きを再現する映像コンテンツや、プレイヤの動きの一部を示す部分コンテンツ等を生成する。以下、映像コンテンツや部分コンテンツ等を含めてコンテンツとも称する。生成部106は、コンテンツを生成するため、動作解析部110、仮想空間生成部112、コンテンツ生成部114、要求取得部116、及び分類部118を有する。
【0050】
動作解析部110は、例えば複数の撮像装置60から撮像された各撮像データに対し、モーションキャプチャ技術を用いて、撮像データ内の少なくとも1のプレイヤの動きを動作解析する。このモーションキャプチャ技術は、公知の技術を用いればよく、例えばマーカーレスタイプの技術が好ましい。動作解析技術を適用することにより、撮像データ内の各プレイヤの動きが再現可能になる。これにより、三次元仮想空間内をどのように動いたかを、プレイヤごとに求めることができる。
【0051】
なお、動作解析部110により出力される動作解析結果は、動作解析したプレイヤの動きを再現するためのプレイヤの動き情報を含む。また、動作解析部110に含まれる推定部(不図示)は、プレイヤの動きに基づいて、プレイヤの顔の位置、向き、及び角度からプレイヤの視点座標、及びその視点からの視線方向を推定する(
図12参照)。推定部は、プレイヤの動き情報に合わせて、視点座標及び視線方向を含む視線方向情報を対応付けておくとよい。
【0052】
仮想空間生成部112は、各撮像データに基づいて、各プレイヤやフィールドの仮想オブジェクトを含む三次元仮想空間を生成する。例えば、仮想空間生成部112は、各撮像装置60の設置位置や設置角度に基づいて、撮像データ内のどのオブジェクトがどの座標位置にあるかを、例えば三次元画像解析を用いて算出し、オブジェクトに対応する仮想オブジェクトを、その座標位置に配置する。例えば、仮想空間生成部112は、三次元仮想空間に配置される、各種仮想オブジェクトのポリゴンデータを保持しておくとよい。
【0053】
また、仮想空間生成部112は、フィールドが既知であれば、事前に三次元仮想空間を生成しておき、各撮像データに基づいて風景やプレイヤ等に基づく仮想オブジェクトを配置し、最終的な三次元仮想空間を生成してもよい。
【0054】
コンテンツ生成部114は、三次元仮想空間及び動作解析結果に基づいて、動的オブジェクトである少なくとも1のプレイヤの動きをCGにより再現する映像コンテンツを生成する。例えば、コンテンツ生成部114は、三次元仮想空間のフィールド内を移動する各プレイヤの仮想オブジェクト(キャラクタ)に対して、動作解析により解析された各プレイヤの実際の動きを与え、その動きに応じたキャラクタの視点からの視線方向に三次元仮想空間を眺めた映像をCGにより生成することで、各プレイヤの視点からの映像コンテンツをそれぞれ生成する。プレイヤの視点からの映像コンテンツとは、そのプレイヤの視点からの視線方向に描画される3次元仮想空間内の映像を表す。これにより、サーバ装置50は、フィールド内の各プレイヤの視点からの映像コンテンツを提供することが可能になる。
【0055】
また、コンテンツ生成部114は、三次元仮想空間に対して、プレイヤが決定されると、そのプレイヤの視線方向情報に基づいて、このプレイヤの視点からの映像をその都度生成してもよい。コンテンツ生成部114は、必要に応じて、事前に各プレイヤの視点からの映像コンテンツを生成したり、三次元仮想空間に対し、その都度所定のプレイヤの視点を与え、このプレイヤの視点からの映像コンテンツを生成したりする。
【0056】
なお、コンテンツ生成部114は、映像コンテンツについて、各プレイヤに対応する各キャラクタを生成し、このキャラクタが、対応するプレイヤの動きを再現するように映像コンテンツを生成するとよい。コンテンツ生成部114は、プレイヤの写真等を用いてよりリアルなキャラクタにすることで、より現実味を増した映像コンテンツを生成することができる。
【0057】
コンテンツ生成部114は、1つのイベント(例えばスポーツの1試合)内で生成した映像コンテンツに対し、1つの識別情報(イベントID)を付与し、イベントごとに映像コンテンツの識別を可能にしておく。また、コンテンツ生成部114は、プレイヤにも識別情報(プレイヤID)を付与し、このプレイヤの視点からの映像コンテンツを、プレイヤの識別情報に対応付けておく。これにより、イベントや、プレイヤごとに携帯端末10からダウンロード要求を受けることが可能になる。コンテンツ生成部114は、生成された映像コンテンツを第1記憶部108に記憶する。
【0058】
また、第1記憶部108は、三次元仮想空間、静的な仮想オブジェクト、及び動的な仮想オブジェクト及びその動き情報を含む仮想空間データを、イベントIDに対応付けて記憶してもよい。このとき、仮想空間データに基づき、プレイヤの視点からの映像コンテンツを生成可能にするため、プレイヤIDには、プレイヤの視線方向情報が対応付けられる。
【0059】
要求取得部116は、携帯端末10から送信される要求を受け付ける。携帯端末10の要求とは、例えば、イベントIDや、プレイヤIDなどを伴うダウンロード要求などである。
【0060】
要求取得部116は、ダウンロード要求を受けると、ダウンロード要求に含まれるイベントID及び/又はプレイヤIDを特定し、記憶部108から該当する映像コンテンツを取得する。要求取得部116は、取得した映像コンテンツを、第1送信部102を介して携帯端末10に送信する。
【0061】
また、要求取得部116は、イベントIDに対応する仮想空間データを第1記憶部108から取得し、また、プレイヤIDに対応するプレイヤの視線方向情報を第1記憶部108から取得してもよい。このとき、要求取得部116は、コンテンツ生成部114において生成されるプレイヤIDに対応するプレイヤの視点からの映像コンテンツを、その都度第1送信部102を介して携帯端末10に送信する。
【0062】
分類部118は、映像コンテンツ内のプレイヤの一部の動きを示す部分コンテンツを、動きに応じて複数のカテゴリに分類する。例えば、イベントがサッカーの試合の場合、分類部118は、ドリブルについて相手にボールを取られずにディフェンダーを抜いた場合、成功動作と判定し、相手にボールを取られた場合、失敗動作と判定する。
【0063】
具体的には、分類部118は、失敗動作及び成功動作の部分コンテンツを自動で検出するようにしてもよいし、管理者が映像コンテンツを見ながら、成功動作又は失敗動作の部分コンテンツを検出するようにしてもよい。分類部118は、これらの動作を自動で検出する場合、プレイヤが移動しつつボールがプレイヤから所定距離以内にあれば、それはドリブルと判定し、このドリブル中に相手にボールが渡った場合、失敗動作と判定する。また、分類部118は、ドリブル後に味方にボールが渡ったり、シュートをしたりしていれば成功動作と判定する。
【0064】
シュートについて、分類部118は、相手方ゴール枠付近にボールが移動すれば、シュートと判定してもよい。なお、味方のプレイヤ及び相手のプレイヤについては、ユニフォームの色などで識別することができる。分類部118は、分類された部分コンテンツを映像コンテンツから切り出して、第1記憶部108に記憶してもよいし、映像コンテンツ内のプレイヤの一部の動きに対し、メタデータ等を用いてカテゴリを付与してもよい。
【0065】
要求取得部116は、カテゴリの識別情報をダウンロード要求とともに受けた場合、このカテゴリに対応する1又は複数の部分コンテンツを第1記憶部108から取得したり、映像コンテンツから取得したりする。要求取得部116は、取得した1又は複数の部分コンテンツを、このダウンロード要求を送信した携帯端末10に、第1送信部102を介して送信する。
【0066】
第1記憶部108は、例えば記憶部54から実現されうる。第1記憶部108は、動作解析されたCGによる映像コンテンツや、カテゴリに分類された部分コンテンツや、仮想空間データや、視線方向情報等を必要に応じて記憶する。
【0067】
図9は、コンテンツ情報の一例を示す図である。
図9に示す例において、コンテンツ情報は、イベントID、仮想空間データ、プレイヤID、視線方向情報が対応付けられている。
図9に示すコンテンツ情報は、後述するように、ユーザ操作に基づき、VR体験中のプレイヤの視線方向や動き方向が変更される際に用いられるデータ構造を示す。
【0068】
図9に示す例では、イベントID「G0001」に対し、仮想空間データ「C0001」と、プレイヤID「PA001」〜「PA022」とが対応付けられ、各プレイヤIDに、それぞれ視線方向情報が対応付けられる。視線方向情報は、プレイヤの顔や頭の動きに合わせた視点座標の軌跡データと、その視点における視線方向のベクトルデータとを含む。
【0069】
なお、
図9に示すコンテンツ情報は、携帯端末10側で、VR体験中のプレイヤの視線方向や動き方向が変更される場合に好適である。
【0070】
例えば、サーバ装置50は、ユーザの操作に基づき、VR体験中のプレイヤの視線方向や動き方向の変更可能性が有る場合、仮想空間データと、特定のプレイヤの視線方向情報とを携帯端末10に送信する。これにより、携帯端末10は、自身の装置において、視線方向情報に基づいて視線方向を変更したり、プレイヤキャラクタの動き方向を変更したりして、変更後の映像コンテンツをCGにより生成することができる。
【0071】
また、サーバ装置50と、携帯端末10とのリアルタイムの双方向通信により、VR体験中のプレイヤの視線方向や動き方向を変更することもできる。例えば、携帯端末10は、視線方向や動き方向の変更を示す変更情報をサーバ装置50に送信し、サーバ装置50は、その変更情報に基づいて、視線方向や動き方向の変更後の映像コンテンツを生成する。サーバ装置50は、変更後の映像コンテンツをその都度携帯端末10に送信し、携帯端末110は、受信した映像コンテンツを表示する。これにより、プレイヤキャラクタの視線方向や動き方向を変更することができる。
【0072】
また、携帯端末10側で、視聴だけが許容される場合、
図9に示すコンテンツ情報は、イベントIDごとに各プレイヤIDを対応付け、そのプレイヤIDに、予め生成されたプレイヤの視点からの映像コンテンツを対応付けるデータ構造でもよい。このデータ構造によれば、ユーザは、イベントIDを選択すれば、各プレイヤの視点からの映像コンテンツをまとめて取得することができる。また、ユーザは、イベントIDとプレイヤIDとを選択すれば、そのイベントの特定のプレイヤの視点からの映像コンテンツを取得することができる。例えば、イベントがサッカーの試合である場合、ユーザは、イベントIDとしてワールドカップの決勝の試合を選択したり、プレイヤIDとしてユーザの好きな選手を選択したりし、好きな選手の視点からその試合を体験することができるようになる。
【0073】
図10は、カテゴリごとに分類された部分コンテンツの一例を示す図である。
図10に示す例では、プレイヤID毎に、各カテゴリの部分コンテンツが対応付けられている。例えば、プレイヤID「PA001」は、カテゴリ1として「10:10〜10:35」、「34:23〜34:30」などの部分コンテンツが対応付けられ、カテゴリ2として「5:43〜5:55」、「6:32〜6:49」などの部分コンテンツが対応付けられている。なお、「10:10〜10:35」等の表記は、映像コンテンツ内の10分10秒から10分35秒までの視線方向情報、又は部分コンテンツであることを示す。
【0074】
これにより、ユーザは、カテゴリを指定すれば、各プレイヤのそのカテゴリでの部分コンテンツを取得することができる。また、ユーザは、カテゴリとプレイヤIDとを選択すれば、そのカテゴリでの特定のプレイヤの部分コンテンツを取得することができる。例えば、イベントがサッカーの試合で、カテゴリがドリブル成功及びドリブル失敗である場合、ユーザは、好きな選手のドリブル成功の部分コンテンツのみを選択し、好きな選手のドリブル成功の世界観を体験することができるようになる。
【0075】
≪携帯端末10≫
図11は、実施形態における携帯端末10の機能構成の一例を示す図である。
図11に示す例では、携帯端末10は、第2送信部202、第2受信部204、コンテンツ制御部206、及び第2記憶部208を有する。第2記憶部208以外の各部は、例えばプログラム44が主制御部40により実行されることで機能する。
【0076】
第2送信部202は、例えば主制御部40、移動体通信部32、無線LAN通信部36等により実現されうる。第2送信部202は、ユーザ操作に基づくダウンロード要求等をサーバ装置50に送信する。
【0077】
第2受信部204は、例えば主制御部40、移動体通信部32、無線LAN通信部36等により実現されうる。第2受信部204は、サーバ装置50から、ダウンロード要求した映像コンテンツ等を受信する。
【0078】
コンテンツ制御部206は、例えば主制御部40等により実現されうる。コンテンツ制御部206は、第2受信部204により受信された、各プレイヤの動きを再現するCGによる映像コンテンツを取得し、再生などの制御を行う。コンテンツ制御部206は、映像コンテンツを制御するため、受付部210、取得部212、表示制御部214、課金部216、変更部218、及び報知部220を有する。
【0079】
受付部210は、表示画面に表示されたユーザのボタン操作などにより、ユーザによるプレイヤの選択を受け付ける。また、受付部210は、イベントの選択や、カテゴリの選択や、部分コンテンツの選択や、表示指示などのユーザ操作を受け付けてもよい。受付部210は、受け付けた各種選択を示す情報を含むダウンロード要求を、第2送信部202を介してサーバ装置50に送信する。なお、受付部210は、接続されたHMD70からのユーザ操作を受け付けてもよい。
【0080】
取得部212は、ダウンロード要求がされた映像コンテンツ又は部分コンテンツを、第2受信部204を介して取得したり、第2記憶部208から取得したりする。映像コンテンツは、1又は複数のプレイヤの動きを複数の撮像装置60が撮像した各撮像データに基づき各プレイヤの動作解析が行われた映像コンテンツであり、各プレイヤの動きをCGにより再現し、ユーザにより選択されたプレイヤの視点からの映像コンテンツである。
【0081】
表示制御部214は、例えば受付部210が受け付けたユーザからの表示を示す操作により、取得部212により取得された映像コンテンツ又は部分コンテンツの表示を制御する。表示制御部214は、表示制御として、HMD70のタイプに応じて、映像コンテンツや部分コンテンツをHMD70に送信したり、タッチパネル14に映像コンテンツを表示したりする。
【0082】
課金部216は、ユーザ操作に基づき課金処理を行う。例えば、プログラム44により実行されるアプリケーション内で、ユーザが、所定のプレイヤを選択し、所定金額を支払うための課金処理を行ったとする。このとき、課金部216は、ユーザIDなどや、選択されたプレイヤID等を含む課金要求を、第2送信部202を介して課金サーバ(不図示)に送信する。
【0083】
課金サーバは、携帯端末10等からの課金要求に応じて、アプリケーション実行中に課金処理を行うサーバである。課金サーバは、事前にユーザIDに関連付けて銀行口座やクレジット番号などの情報を対応づけておくとよい。
【0084】
このとき、受付部210は、課金部216において課金処理が行われた場合に、イベントの選択や、プレイヤの選択等を受け付け可能にしてもよい。これにより、ユーザは、お金を支払うことで、自分が体験したいプレイヤ等を選択することができる。
【0085】
変更部218は、ユーザ操作に基づき、選択されたプレイヤの動き方向又は視線方向を示す第1方向を変更する。ユーザ操作とは、例えば、HMD70を装着した状態で、頭を動かしたりする操作、又は外付けのコントローラを用いた操作のことをいう。頭の動きは、携帯端末10の6軸センサ23が検知する。この場合、携帯端末10は、第1方向を変更可能にするため、サーバ装置50から仮想空間データと、特定のプレイヤの視線方向情報とを取得したり、又はストリーミング等によりその都度特定のプレイヤの視点からの映像コンテンツを取得したりすればよい。
【0086】
例えば、VR体験中のプレイヤ(選択されたプレイヤ)の視線方向が変更される場合、6軸センサ23により右方向に頭が動いたことが検知されれば、変更部218は、VR体験中のプレイヤの視線方向を右方向に移動させる。より具体的には、変更部218は、仮想空間データが取得されている場合、仮想空間データに基づくVR体験中のプレイヤの視線方向を右方向に移動させ、移動後の視線方向に描画される三次元仮想空間内の映像を表示させればよい。
【0087】
また、変更部218は、ストリーミング等により映像コンテンツを取得している場合、視線方向の変更量を示す変更情報を、第2送信部202を介してサーバ装置50に送信し、サーバ装置50から視線変更後の映像コンテンツを取得することで、移動後の視線方向に描画される三次元仮想空間内の映像を表示させればよい。
【0088】
また、VR体験中のプレイヤの動き方向が変更される場合、6軸センサ23により右方向に頭が動いたことが検知されれば、変更部218は、VR体験中のプレイヤキャラクタを右方向に移動させる。変更部218は、方向の移動量について、頭の動き量に応じて変更してもよい。例えば、頭が大きく動かされるほど、移動量が大きくなってもよい。動き方向の移動後の映像コンテンツの生成処理は、視線方向の移動の際の処理と同様である。
【0089】
なお、VR体験中のプレイヤキャラクタの動き方向が変更される場合、VR体験中のプレイヤの実際の動きを示す第2方向と異なる方向に動くことがありうるので、その場合、実際の動きに戻ることができるようにしておくとよい。例えば、変更部218は、所定操作(例えば頭を二回上下に振るなど)が行われた場合には、実際のプレイヤの動きに戻るようにすればよい。これにより、第1方向と第2方向とが乖離したままイベントが進行することを防止することができる。
【0090】
また、変更部218は、動き方向を変更するモードと、視線方向を変更するモードとを所定操作(例えば頭を三回上下に振るなど)により切り替えるようにしてもよい。これにより、ユーザは、視線を変えたり、動き自体を変えたり、VRの体験の幅を広げることができる。
【0091】
報知部220は、表示制御中の映像コンテンツ又は部分コンテンツに基づくプレイヤの実際の動き方向又は視線方向を示す第2方向と、変更部218により変更される第1方向との差異をユーザに報知する。報知の仕方としては、例えば、第1方向及び/又は第2方向を矢印で表し、両矢印を区別可能にしたり、画面内の四方に第2方向を示す領域を設け、当該領域を所定色にすることで、第2方向を示し、色の濃淡を用いて第2方向と第1方向との角度の違いを表したりしてもよい。また、報知部220は、第1方向と第2方向との差異を、音声や、その他の表示の仕方で報知するようにしてもよい。また、報知部220内に評価部を設け、この評価部が、両方向の差異に基づく評価を行ってもよい。例えば、評価部は、この差異が小さいほど良い評価を与えたり、この差異が所定差以内である時間が長いほど良い評価を与えたりする。報知部220は、評価結果をユーザに報知する。報知の仕方は特に問わない。これにより、例えば、ユーザは、体験中のプレイヤの状況に応じた動きを習得することができる。
【0092】
これにより、ユーザは、その場その場で、自分が意図した動き方向又は視線方向と、実際のプレイヤの動き方向又は視線方向とを比べることができる。その結果、例えば、有名スポーツ選手のその時の判断力を知ることができ、スポーツ教育に活用することができる。
【0093】
また、報知部220は、例えば相手と対戦するスポーツの映像コンテンツが表示制御される場合、相手のプレイヤの死角を表示可能にしてもよい。例えば、報知部220は、1又は複数の相手のプレイヤのキャラクタの視野を三次元仮想空間内で推定し、相手プレイヤの視野が重ならない領域を死角と判定すればよい。これにより、例えばサッカーをVRで体験する場合、攻撃中のユーザは、どこにパスを出すべきか又はどこにドリブル突破すべきかを把握することができる。その結果、スポーツ教育のバリエーションを増やすことができる。
【0094】
第2記憶部208は、第2受信部204により受信された映像コンテンツ、部分コンテンツ、仮想空間データ等を記憶する。
【0095】
携帯端末10は、自装置内に、仮想空間データや、各プレイヤの視線方向情報を保持していれば、コンテンツ制御部206により、VR体験中にVRを体験するプレイヤの視点を切り替えることができる。例えば、コンテンツ制御部206は、視点を切り替えるために設定された操作が行われた場合、視点切替画面等を表示し、ユーザが視聴したいプレイヤの視点を選択させればよい。コンテンツ制御部206は、選択されたプレイヤの視線方向情報を取得し、その視線方向情報を用いて、初めから、又は切替操作が行われた時点から、そのプレイヤの視点からの映像を表示するように制御する。これにより、三次元仮想空間データが有るので、視線方向情報を取得するだけで、プレイヤの視点切替を容易に行うことができる。
【0096】
以上の機能をコンテンツ配信システム1の各装置が有することで、VRにおいて、オブジェクトの様々な動きに対応しつつ、多数のオブジェクトの視点からのコンテンツを容易に生成することができる。また、コンテンツ配信システム1は、上述した方法で生成されたコンテンツをユーザに提供することができる。
【0097】
<視線方向及び視野>
次に、CGにより生成されるプレイヤキャラクタの視線方向及び視野について説明する。
図12は、プレイヤキャラクタの視線方向及び視野を説明するための図である。
図12(A)は、三次元仮想空間内の鉛直方向の上から下を見た場合のプレイヤキャラクタの頭H、視線方向EL1、視野θ1を示す。このキャラクタの視線方向EL1は、眼を結ぶ線分の中央から、この線分の垂直方向とする。
【0098】
また、水平方向の視野角θ1については、Y方向に対し、視線方向EL1から左右それぞれ60度とし、合計120度とする。ただし、この視野角θ1は、あくまでも一例であり、適切な値が設定されればよい。
【0099】
図12(B)は、三次元仮想空間内の水平方向の左から右(Y方向の−側から+側)を見た場合のプレイヤキャラクタの頭H、視線方向EL2、視野角θ2を示す。このキャラクタの視線方向EL2は、頭の頂点Tから下点Bを結ぶ線分の眼の位置から、この線分の垂直方向とする。なお、
図12(A)に示す視線方向EL1と、
図12(B)に示す視線方向EL2とは、同一の方向を表す。よって、プレイヤキャラクタの視線方向は、プレイヤキャラクタの頭の位置等により推定することができる。また、視点座標は、例えば、視線方向EL1と顔との接点座標とする。
【0100】
また、鉛直方向の視野角θ2については、Z方向に対し、視線方向EL2から上60度、下70度とし、合計130度とする。ただし、この視野角θ2は、あくまでも一例であり、適切な値が設定されればよい。
【0101】
なお、視線方向については、
図12に示す方法で推定するようにしたが、実際の撮像データから黒目の動きを検出することができれば、実際の黒目の動きから視線方向を推定してもよい。これにより、プレイヤになりきってVRを体験することができる。
【0102】
<表示画面例>
次に、イベントとしてサッカーの試合、オブジェクトとしてサッカー選手を例に挙げて、本発明を適用する場合の表示画面例について説明する。
【0103】
図13は、実施形態における表示画面Aの一例を示す図である。
図13に示す画面Aは、ユーザが選択したプレイヤが、ディフェンスをしている場合の画面例を示す。
図13に示すように、ユーザは、実際のサッカーの試合を体験するVRにて、ディフェンスをしているプレイヤ目線で試合を楽しむことができる。
【0104】
図13に示す例では、プレイヤキャラクタP11が現在ボールB1を蹴っており、プレイヤキャラクタP12〜P14が、プレイヤキャラクタのP11の味方を表す。また、プレイヤキャラクタP21は、ユーザが体験しているプレイヤの味方を表す。
【0105】
図14は、実施形態における表示画面Bの一例を示す図である。
図14に示す画面Bは、ユーザが選択したプレイヤが、オフェンスをしている(例えばドリブルをしている)場合の画面例を示す。
図14に示すように、ユーザは、実際のサッカーの試合を体験するVRにて、オフェンスをしているプレイヤ目線で試合を楽しむことができる。
【0106】
図15は、実施形態における表示画面Cの一例を示す図である。
図15に示す画面Cは、
図14に示す画面Bから、例えばユーザが頭を動かすことで、視線方向が変更された画面例を示す。
図15に示すように、ユーザは、視線方向を右方向に動かすよう操作することで、視線方向が全体的に右方向に向いたシーンを視聴することができる。
【0107】
また、
図15に示す画面Cでは、VR体験中の視線方向(第1方向)を示す矢印A1が画面C上に表示される。このとき、実際のプレイヤの視線方向(第2方向)を示す矢印A2も画面C上に表示される。これにより、ユーザは、この時の自分の判断と、体験しているプレイヤの判断とを比べることができる。なお、矢印A1は、必ずしも表示されなくてもよい。
【0108】
図16は、実施形態における表示画面Dの一例を示す図である。
図16に示す画面Dは、
図15に示す画面Cと比べて、第1方向と第2方向との差異の報知の仕方が異なる。
図16に示す画面Dは、画面D内の四方に配置された各領域B1〜B4が、第2方向を知らせるための領域である。ユーザは、左方向の領域B1の色が変更されることで、プレイヤの実際の視線方向は左方向であったと知ることができる。なお、領域B1の色が濃くなるほど、第1方向と第2方向との角度の差が大きくなることを示す。
【0109】
図17は、実施形態における表示画面Eの一例を示す図である。
図17に示す画面Eは、
図15に示す画面Cと比べて、第1方向と第2方向との差異の報知が消去され、死角領域D2が表示されている。
図17に示す画面Eは、ユーザが体験しているプレイヤキャラクタの相手となる各キャラクタP23〜P25の死角領域D2が表示される。死角領域D2は、
図18で説明するように、相手キャラクタの視野を示す情報に基づいて算出できる。これにより、ユーザは、この時点で、死角領域D2についてはパスやドリブル突破がしやすい領域であることを把握することができる。なお、死角領域が表示される場合でも、上述した報知処理がなされてもよい。
【0110】
図18は、死角領域D2を説明するための図である。
図18に示す例では、三次元仮想空間のサッカーフィールドを上面から表している。領域AR2は、
図17における画面Eで表示されている領域である。領域AR2内で、相手のキャラクタP23〜P25の視野に入らない領域が死角領域D2である。この死角領域D2が、
図17に示す画面Eにおいて表示されている。なお、
図18に示す上面図が、
図17に示す画面に重畳され、所定のユーザ操作により、この上面図の表示と非表示とが切り替えられるように実装されてもよい。
【0111】
以上の
図13〜17に示す画像は、表示制御部214により表示制御される画面である。また、
図15〜16で説明した視線変更は、ユーザ操作に基づき、変更部218により変更される。また、
図15〜16で説明した第1方向と第2方向との差異の報知は、報知部220により実行される。また、
図17で説明した死角領域D2は、報知部220により報知される。死角領域D2の検出は、コンテンツ制御部206やサーバ装置50のコンテンツ生成部114等が行えばよい。
【0112】
なお、
図13〜17に示すプレイヤキャラクタは一例であって、実際のプレイヤの顔やユニフォームをプレイヤキャラクタに用いることで、臨場感と現実味とが溢れるVRを実現することができる。
【0113】
<動作>
次に、実施形態におけるコンテンツ配信システム1の各装置の動作について説明する。以下、サーバ装置50におけるコンテンツ生成処理、及びコンテンツ配信処理、並びに、携帯端末10におけるコンテンツ表示処理、視線変更処理、及びプレイヤ切替処理の順で説明する。
【0114】
≪コンテンツ生成処理≫
図19は、実施形態におけるコンテンツ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示すステップS102で、第1受信部104は、各撮像装置60から、1又は複数のプレイヤが動いている様子を撮像した各撮像データを受信する。各撮像装置60は、様々な角度から各プレイヤを撮像する。
【0115】
ステップS104で、動作解析部110は、第2受信部104から各撮像データを取得すると、少なくとも1のプレイヤの動きに対し、公知のモーションキャプチャ技術を用いて動作解析を行う。モーションキャプチャ技術は、マーカーレス方式が好ましい。
【0116】
ステップS106で、仮想空間生成部112は、第2受信部104から各撮像データを取得すると、各プレイヤやフィールドを示す仮想オブジェクトを含む三次元仮想空間を生成する。
【0117】
ステップS108で、コンテンツ生成部114は、三次元仮想空間及び動作解析の結果に基づいて、動作解析されたプレイヤの動きをCGにより再現する映像コンテンツを生成する。
【0118】
このとき、分類部118は、コンテンツ内のプレイヤの一部の動きを示す部分コンテンツを生成し、部分コンテンツをこの動きに応じて複数のカテゴリに分類してもよい。
【0119】
ステップS110で、コンテンツ生成部114は、生成された映像コンテンツ及び/又は部分コンテンツを第1記憶部108に記憶する。
【0120】
これにより、VRにおいて、CGを用いることにより、オブジェクトの様々な動きに対応しつつ、多数のオブジェクトの視点からのコンテンツを容易に生成することができる。
【0121】
≪コンテンツ配信処理≫
図20は、実施形態におけるコンテンツ配信処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すステップS202で、要求取得部116は、各携帯端末10からのダウンロード要求を、第1受信部104を介して取得する。
【0122】
ステップS204で、要求取得部116は、ダウンロード要求に含まれるコンテンツID及び/又はプレイヤIDを基に、これらのIDに対応する映像コンテンツを取得する。また、ダウンロード要求にカテゴリを示す情報が含まれる場合、要求取得部116は、部分コンテンツを取得してもよい。
【0123】
ステップS206で、要求取得部116は、取得した映像コンテンツ又は部分コンテンツを、ダウンロード要求を送信した携帯端末10に配信する。これにより、サーバ装置50は、ダウンロード要求に応じて様々なコンテンツを配信することができる。また、要求取得部116は、仮想空間データと、プレイヤIDに対応するプレイヤの視線方向情報とを取得し、これらが配信されるようにしてもよい。これにより、携帯端末10側で、VR体験中のプレイヤの視線方向や動き方向の変更が可能になる。
【0124】
≪コンテンツ表示処理≫
図21は、実施形態におけるコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示すステップS302で、受付部210は、ユーザ操作に基づくイベントの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、アプリケーション画面から、複数のイベントの中から所定のイベントを選択して、受付部210は、この選択を受け付ける。また、受付部210は、課金処理が行われた場合に、イベントの受付処理を可能にしてもよい。
【0125】
ステップS304で、受付部210は、ユーザ操作に基づくプレイヤの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、アプリケーション画面から、イベントに参加したプレイヤの中から、所定のプレイヤを選択して、受付部210は、この選択を受け付ける。また、受付部210は、課金処理が行われた場合に、プレイヤの受付処理を可能にしてもよい。
【0126】
なお、イベントが1つである場合は、ステップS302を省略してもよく、プレイヤが1人の場合は、ステップS304を省略してもよい。受付部210は、受け付けたイベントのID及び/又はプレイヤのIDを含むダウンロード要求を、第2送信部202を介してサーバ装置50に送信する。また、受付部210は、カテゴリの選択を受け付けた場合は、このカテゴリを示す情報をダウンロード要求に含める。
【0127】
ステップS306で、取得部212は、ダウンロード要求に対応するコンテンツを取得する。取得されるコンテンツは、仮想空間データ及び視線方向情報と、映像コンテンツと、部分コンテンツとのうち、少なくとも1つを含む。
【0128】
ステップS308で、表示制御部214は、取得されたコンテンツを表示するよう制御する。例えば、表示制御部214は、コンテンツをHMD70に送信することで映像コンテンツが表示されるようにしたり、タッチパネル14に映像コンテンツを表示したりすることで、HMD70で視聴できるようにする。これにより、ユーザに対し、自身が選択したイベント内でのプレイヤになりきってVRを体験させることができる。
【0129】
≪視線変更処理≫
図22は、実施形態における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示す処理は、
図21に示すステップS308の表示制御処理内に含まれる処理である。
【0130】
図22に示すステップS402で、変更部218は、映像コンテンツ表示中に、VR体験中のプレイヤの視線変更をするための所定の操作を示す信号を受け付けたか否かを判定する。所定の操作とは、頭を所定方向(例えば、上方向、下方向、前方向、後方向、左方向、右方向の少なくとも1方向)に動かすことである。所定の操作を示す信号が受け付けられれば(ステップS402−YES)、処理はステップS404に進み、所定の操作を示す信号が受け付けられていなければ(ステップS402−NO)、処理はステップS402に戻る。
【0131】
ステップS404で、変更部218は、受付部210から所定の操作を示す信号を受け付けると、VR体験中のプレイヤの視線方向を変更する。例えば、頭が左に動けば、視線方向が左に変更され、頭が右に動けば、視線方向は右に変更される。視線変更後の映像の生成については、上述したように携帯端末10側で処理する場合と、サーバ装置50が処理する場合と2通りがあり、いずれの方法が用いられてもよい。
【0132】
ステップS406で、報知部220は、変更部218により変更される視線方向(第1方向)と、体験中のプレイヤの実際の視線方向(第2方向)との差異を報知する。報知の方法は様々であり、上述した方法のいずれか1つが適用されればよい。複数の報知方法は、ユーザにより選択されてもよい。
【0133】
ステップS408で、表示制御部214は、表示が終了したか否かを判定する。コンテンツの表示が終了すれば(ステップS408−YES)、表示制御処理は終了し、コンテンツの表示が終了していなければ(ステップS408−NO)、処理はステップS402に戻る。これにより、ユーザは、単にVRを視聴するだけでなく、自分も仮想空間内のイベントに参加することができ、さらに、実際のプレイヤの視線方向との差異を比べることができる。
【0134】
なお、
図22で説明した視線方向は、プレイヤの動きに置き換えてもよい。これにより、ユーザ自身がイベントに参加し、自分の意志でプレイヤを操作しているようなVRの体験をさせることができる。
【0135】
しかし、この場合、ユーザが移動させたプレイヤの動きと、実際のプレイヤの動きとの差異が生じると、実際のイベントの内容とはかけ離れることになるので、いずれかのタイミングで、実際のプレイヤの動きに戻るようにすればよい。例えば、所定時間経過すると、ユーザが移動させたプレイヤの動きと、実際のプレイヤの動きとの差異が生じる時点に戻り、あとは、実際のプレイヤの動きでVRが視聴されるようにしてもよい。
【0136】
≪プレイヤ切替処理≫
図23は、実施形態におけるプレイヤ切替処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す処理は、
図21に示すステップS308の表示制御中に行われる処理として説明する。
【0137】
図23に示すステップS502で、受付部210は、プレイヤの切替指示が有ったか否かを判定する。プレイヤの切替指示として予め設定した所定の操作をユーザが行った場合、受付部210は、プレイヤの切替指示と判断する。切替指示が有れば(ステップS502−YES)、処理はステップS504に進み、切替指示がなければ(ステップS502−NO)、処理はステップS502に戻る。
【0138】
ステップS504で、表示制御部214は、受付部210から切替指示が通知されると、映像コンテンツの表示を一時停止する。
【0139】
ステップS506で、コンテンツ制御部206は、アプリケーション画面を通じて、どのプレイヤに切り替えるかをユーザに提示する。例えば、コンテンツ制御部206は、表示中のプレイヤキャラクタを切替候補にするとよい。受付部210は、ユーザに選択されたプレイヤのIDを特定する。
【0140】
ステップS508で、取得部212は、プレイヤIDに対応するコンテンツを第2記憶部208又はサーバ装置50から取得する。このとき、第2記憶部208に、プレイヤIDに対応する映像コンテンツがない場合、取得部212は、エラーを返すようにする。また、サーバ装置50から課金処理により、この映像コンテンツが取得される場合は、課金画面が表示されるようにすればよい。また、取得部212は、仮想空間データや、切替後のプレイヤIDの視線方向情報が第2記憶部208等にあれば、仮想空間データと、視線方向情報とに基づいて、プレイヤ切替後の映像コンテンツを生成し、この映像コンテンツを取得する。
【0141】
ステップS510で、表示制御部214は、取得されたコンテンツを表示するよう制御する。これにより、ユーザは、VRを視聴中に、体験するプレイヤを切り替えることができる。なお、表示制御部214は、以前に表示していたコンテンツの視聴時間の所定時間前から、切替後のコンテンツを表示するように制御してもよい。これは、視聴中にプレイヤを切り替えるということは、その時の体験中のプレイヤを他のプレイヤから見てみたいというユーザの要求があり、その要求に応えるためである。
【0142】
なお、
図19〜23で説明した処理のフローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0143】
以上より、実施形態におけるコンテンツ配信システム1によれば、VRにおいて、オブジェクトの様々な動きに対応しつつ、多数のオブジェクトの視点からのコンテンツを容易に生成することができる。また、コンテンツ配信システム1は、上述した方法で生成されたコンテンツをユーザに提供することができる。
【0144】
また、撮像されるイベントをスポーツにすることで、本実施形態をスポーツ教育に用いることができる。例えば、子供たちに、有名な選手の視点からの世界観を体験させたり、コーチによる選手の動きの解説を入れたりすることで、そのスポーツに対するプレイを向上させることが可能になる。
【0145】
また、上記実施形態において、第1のコンテンツ提供モデルとして、ユーザは、プログラム44を無償でダウンロードし、プログラム44によるアプリケーションを用いて、取得したい映像コンテンツや部分コンテンツに課金することで、そのコンテンツをダウンロードすることができるようにしてもよい。
【0146】
また、上記実施形態において、上記モデルに限らず、第2のコンテンツ提供モデルとして、月額のリース契約により、所定のイベントに対する仮想空間データ、及び各プレイヤの視線方向情報を提供することも考えられる。
【0147】
[変形例]
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記例に限定されるものではない。
【0148】
報知部220による報知処理について、この処理を行う場合は、映像コンテンツは、必ずしもCGにより生成される必要はない。例えば、特開2006−211531号公報で開示されている自由視点映像生成技術を用いた実映像でのVRの映像コンテンツにおいて、上述した報知処理を適用することができる。例えば、自由視点映像生成技術を用いた実映像でのVRにおいて、プレイヤの操作により視線移動等が行える場合、ユーザにより移動される視線方向と、実際の視線方向との差異を報知するようにすることができる。
【0149】
また、報知処理について、携帯端末10が、サーバ装置50から、各プレイヤの視点からの映像コンテンツを取得する場合でも実行可能である。この場合、映像として、プレイヤキャラクタの視点からの映像が表示されるため、報知部220は、ユーザ操作に基づく視線方向や動き方向を示す第1方向を報知するようにすればよい。すなわち、報知部220は、第1方向又は第2方向を映像に表示するだけでも、両方向の違いを表現することが可能である。
【0150】
また、上述した実施形態において、コンテンツは、ライブ映像や、スポーツ映像を含み、スポーツ映像は、サッカーに限らず、野球、テニス、ボクシング等の試合でもよい。
【0151】
なお、本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。