(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555726
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】腰袋
(51)【国際特許分類】
B25H 3/00 20060101AFI20190729BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
A45C11/00 P
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-31911(P2017-31911)
(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-134715(P2018-134715A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年1月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500339189
【氏名又は名称】有限会社ハヤシ商店
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】林 勝博
【審査官】
山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3174967(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3081202(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3206693(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0237992(US,A1)
【文献】
独国特許出願公開第10060268(DE,A1)
【文献】
特開2003−000326(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3202865(JP,U)
【文献】
特開2015−126821(JP,A)
【文献】
特開2015−009551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/00−3/06,
A45C 1/00−15/08,
A45F 3/00−3/04,3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質樹脂製シートから構成され、上面に開口を有し、平面視で楕円形、小判形又は隅に丸みを持つ多角形の透明な腰袋であって、
底面を有する底部と、
下端外周部と上端外周部を有し、前記底面の底面外周部から立ち上がる側部と、
前記底面外周部と、前記下端外周部を溶着する楕円形状、小判形状又は隅に丸みを持つ多角形状の底面溶着部と、
前記上端外周部の一部を、下端部が両側から挟むように配置される環状のベルト通し部と、
を備え、
前記側部に縦方向の縦溶着継目を有し、
前記側部とベルト通し部を連結する横溶着部を側部の横方向に設け、
前記縦溶着継目と前記横溶着部が部分的に重なることを特徴とする腰袋。
【請求項2】
前記横溶着部が点在溶着部である請求項1の腰袋。
【請求項3】
前記溶着継目が縦方向に一直線に1か所設けられる請求項1又は2の腰袋。
【請求項4】
前記横溶着部の上部に、前記ベルト通し部を構成するシート同士を溶着する補充溶着部を横方向に設ける請求項1ないし3いずれかの腰袋。
【請求項5】
前記底面溶着部の溶着面が傾斜面である請求項1ないし4いずれかの腰袋。
【請求項6】
前記底面溶着部の内側の溶着面に盛り上がり部が設けられる請求項5の腰袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状のベルト通し部分にベルトを貫通させて人の腰部に吊り下げ、工具等を収納し携帯し、使用性を持つ、上面に開口を有する袋状の腰袋、特に、塩化ビニール樹脂等を高周波ウェルダー技法等で加工した小袋形状の腰袋に関する。
【背景技術】
【0002】
腰に下げて使用する腰袋は、特許文献1〜7等、多く存在するが、それは以下のものに大別される。
1.皮革または布または合成樹皮等を用いて、縫製加工を施した形状のもの。
2.プラスチック(多くは塩化ビニル)を用いて、熱溶着加工を施した形状のもの。
3.プラスチックを用いて、射出成形加工あるいは真空圧空成形加工等を施した形状のもの。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−306244号公報
【特許文献2】実用新案登録第3113277公報
【特許文献3】特開2005−342208号公報
【特許文献4】特開2009−248254号公報
【特許文献5】特開2015−16511号公報
【特許文献6】実用新案登録第3204350号公報
【特許文献7】特開2016−87772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の使用素材及び加工技術は、上記の2に該当する。この素材及び技術を用いた長所は、1と比較した場合、糸くずを発生させないこと、透明で中を見やすい素材を容易に選択できること、また、短い加工時間で完成品を生成できることである。3と比較した場合の長所は、強い剛性がなく適度の柔軟性と伸縮性を持つので、使用者に対する安全性が高く、落下や衝突による破損の可能性が小さいことである。
【0005】
しかしながら、環状の中間加工品は四角の底面に垂直に溶着しており、加工を複雑で困難にする。特に、高周波溶接の場合、加工が難しく、コスト上昇に繋がる要因となり、加えて、熟練の作業員の手に拠らなければ最終の補強加工が行えず、機能性が向上する反面、供給力が極めて不安定な製品形状となった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため、糸片を発生させない面の継目の強度の安定化と、製法の簡略化、量産化、低コスト化を可能とする腰袋の形状と構造を見出し、本発明に至った。
【0007】
本発明は、軟質樹脂製シートから構成され、上面に開口を有し、平面視で楕円形、小判形又は隅に丸みを持つ多角形の透明な腰袋であって、底面を有する底部と、下端外周部と上端外周部を有し、前記底面の底面外周部から立ち上がる側部と、前記底面外周部と、前記下端外周部を溶着する楕円形状、小判形状又は隅に丸みを持つ多角形状の底面溶着部と、前記上端外周部の一部を、下端部が両側から挟むように配置される環状のベルト通し部と、を備え、前記側部に縦方向の縦溶着継目を有し、前記側部とベルト通し部を連結する横溶着部を側部の横方向に設け、前記縦溶着継目と前記横溶着部が部分的に重なることを特徴とする腰袋である。
【0008】
前記横溶着部は、線状溶着部でも、点在溶着部でも、いずれでもよい。
【0009】
この点在溶着部の形状は円形、多角形、楕円形等を問わない。側部をベルト通し部で挟んで溶着する構造のため、点在溶着部には三次元の広がりがある。溶着によって点在溶着部が不規則に形成されることがあるので、形状は限定されない。点在溶着部に凹みがあることが好ましい。溶着を完全にするため、工具を押しつける必要があるためである。
【0010】
前記溶着継目が縦方向に一直線に1か所設けられることが好ましい。
【0011】
前記横溶着部の上部に、前記ベルト通し部を構成するシート同士を溶着する補充溶着部を横方向に設けることが好ましい。
【0012】
前記底面溶着部の溶着面が傾斜面であることが好ましい。
【0013】
前記底面溶着部の内側の溶着面に盛り上がり部が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、底面溶着部を楕円形、小判形又は隅に丸みを持つ多角形としたことによって、直角四隅など、ある一部分に集中的に負荷を生じさせることを回避でき、腰袋の収容される内用物の自重や運動によって、破れを起こしやすい脆弱箇所を解消し、それによって底部と側部の継目が損傷する可能性を軽減した。
【0015】
請求項1の発明は、縦溶着継目を横溶着部と重ねたので、継目の強度が高くなり、側部の縦溶着継目の破れによる損壊の可能性を低減させる効果を有する。
【0016】
請求項1の発明は、難加工箇所を無くして加工の安定化と簡便化を図ることで、作業者の熟練度を問わず、腰袋を製造でき、量産化と低コスト化を実現することができる。
【0017】
請求項2の発明により、高周波ウェルダーでの作業が容易になり、製造エネルギーコストが低減される。
【0018】
請求項3の発明により、製造工程が簡素化され、熟練しない作業者でも製造できる。
【0019】
請求項4の発明の補充溶着部により、横溶着部の溶着作業が容易になる。
【0020】
請求項5、6の発明の底面溶着部の強度が一層高くなり、底部と側部の分離を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本発明実施形態の腰袋の別の角度からの斜視図である。
【
図5】本発明実施形態の腰袋の下部の縦断面図である。
【
図6】本発明実施形態の腰袋の上部の縦断面図である。
【
図7】比較例1の腰袋(i)〜(iii)を示す斜視図である。
【
図8】比較例2の腰袋(iv)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態の腰袋1について
図1〜
図6を参照して説明する。
【0023】
腰袋1は、軟質樹脂製シートから構成され、上面に開口2を有し、平面視で楕円形、小判形又は隅に丸みを持つ多角形の透明な腰袋である。腰袋1は、底面を有する底部3と、下端外周部4aと上端外周部4bを有し、底面の底面外周部3aから立ち上がる側部4と、底面外周部3aと下端外周部4aを溶着する楕円形状、小判形状又は隅に丸みを持つ多角形状の底面溶着部5と、上端外周部4bの一部を、下端部が両側から挟むように配置される環状のベルト通し部6と、を備えている。
【0024】
底部3は小判形状の上面と裏面とを備えている。底部3は1層でも2層でもどちらでもよい。
【0025】
側部4に縦方向の縦溶着継目7を有し、側部4とベルト通し部6を連結する横溶着部8を側部4の横方向に設けている。縦溶着継目7と横溶着部8が部分的に重なることを特徴とする。以下、各構成要素を詳細に説明する。
【0026】
底面溶着部5は小判形状であり、底部3や側部4の厚さよりも厚くなっていて盛り上がっている。
図5に示す通り、接合面は傾斜面になっていて、底面溶着部5の内側には盛り上がり部5aがある。
【0027】
側部4は上端部に、補強のため、上端外周部4bを設けてあり、シートが折り曲げられて環状で二重構造になっている。
【0028】
側部4の外面に外ポケット4c〜4e、内面に内ポケット4f,4gを設けている。ポケットの数、大きさ、配置等は適宜選択できる。
【0029】
ベルト通し部6に両側端部に、補強のため、縦方向の一対の縁どり部材6aを設けてあり、シートが折り曲げられて環状で二重構造になっている。
【0030】
縦溶着継目7が縦方向に一直線に連続線条で設けられる。
【0031】
横溶着部8は、点在溶着部であり、形状は矩形である。側部4をベルト通し部6で挟んで溶着する構造のため、点在溶着部には三次元の広がりがある。高周波ウェルダーの工具の形状から、溶着によって点在溶着部が不規則に形成され、
図1、
図2に示す通り、ここでは点在溶着部である。一方から工具を押し付けて溶着するため、
図6に示す通り、片側が凹部(例えばクレーター状)8a、反対側は凸部8bを備えている。高周波ウェルダーは誘電加熱によるので、特有の形状になる。
【0032】
図1、
図2に示す通り、横溶着部8の上部に、ベルト通し部6を構成するシート同士を溶着する補充溶着部9を横方向に設ける。補充溶着部9は横溶着部8に対して左右にずれている。補充溶着部9は表面に凹部を有する
【0033】
本実施形態の腰袋1の効果を説明する。底面を小判形としたことによって、底面から直角の四隅を消失させ、腰袋1の収容される内用物の自重や運動によって、荷重が集中して破れを起こしやすい脆弱箇所をなくし、それによって底部3と側部4の継目である底面溶着部5が損傷する可能性を軽減した。
【0034】
腰袋1は、縦溶着継目7を横溶着部8と重ねたので、縦継目と横継目の強度が高くなり、側部4の縦溶着継目7の破れ、或いは、横継目の損壊の可能性を低減させる。
【0035】
腰袋1は、補強部材の追加をなくすことができ、また、難加工箇所を無くして高周波ウェルダー加工の安定化と簡便化を図ることで、作業者の熟練度を問わず、腰袋を製造でき、量産化と低コスト化を実現することができる。
【0036】
縦溶着継目7が1カ所で縦方向に一直線に設けられるので、製造エネルギーコストが低減される。また、製造工程が簡素化され、熟練しない作業者でも製造できる。
【0037】
横溶着部8が横方向の所定間隔又は任意間隔で点在しているので、製造エネルギーコストが低減できる。
【0038】
補充溶着部9により、横溶着部8の溶着作業が容易になる。
【0039】
補充溶着部9により、横溶着部8の溶着作業が容易になる。
【0040】
底面溶着部5の溶着面が傾斜面であるので、底面溶着部5の強度が一層高くなり、底部3と側部4の分離を防止できる。
【実施例1】
【0041】
腰袋1の底部3の長径が220mm、短径が95mmの小判形状、側部4も底部3と同じ小判形状で高さが158mm、ベルト通し部6の横幅が165mm、高さが75mm、である。横溶着部8と補充溶着部9の上下の距離が10mmである。横溶着部8は縦16mm、横10mmが9個で、両端の2個は他の7個よりも面積が小さい。補充溶着部9は縦9mm、横11mmが8個である。上端外周部4bは、高さ18mmである。上記数値に例示であり、限定されるものではない。
【0042】
ところで、本発明者による比較例1として、
図7の(i)〜(iii)がベルト通し部分と本体背面を一体化させたものである。
【0043】
比較例1の腰袋は、
図7に示す通り、その成形し易さの観点から、(i)5つの面(前面・背面・両側面・底面)に対して各1つの部材を使用し、接辺を溶着して、天面のない6面体を構成する形状のもの、(ii)あるいは、底面と背面で1つの部材を使用しそれを「く」の字に曲げ、前面と両側面で1つの部材を使用し、それを「コ」の字に曲げて接辺を溶着し、天面のない6面体を構成する形状のもの、(iii)あるいは、前面と背面と底面で1つの部材を使用し、それを「コ」の字に曲げ、両側面を接辺で溶着して、天面のない5面体を構成する形状のものが想定できる。
【0044】
前項(i)〜(iii)のいずれも、底面に対する垂直面(前面・背面・両側面)に複数個所の継目を持つことである。元来、溶着によって繋ぎ合わされたプラスチック(塩化ビニル等)は、電極である金型との接点が薄肉化し、硬化する性質を持つ。当該腰袋の場合、使用者はそこに目線を向けることなく、腰袋の中の小さな空間に手を入れ込み、掻き回すように素早く大きくその手を動かして、収容されている工具等を指先の感覚で探すことが予定されている。その使用方法に注視したとき、底面に対する垂直面に性状や強度の偏差を与える継目は、使用中の腰袋の破れを招き、製品寿命を短くする要因となる。
【0045】
比較例2は、
図8の(iv)に示す通り、ベルト通し部分を背面から分離させることで、底面に対する垂直面の継目を極端に少なくしたものである。
図8の比較例2に示す通り、(iv)前面、背面、両側面を1つの長方形とし、それを環状にして継目を1箇所とし、四角の底面と接辺で溶着して、天面のない5面体を構成する形状のものを形成し、更に、破れを引き起こす原因の端部に補強を与えて、継目をストレスから解放する構造の改良案を着想した。これによって、(i)〜(iii)に内包される、抜本的な欠点は解決された。なお、
図7、
図8において、黒太実線・黒太点線は溶着箇所である。
【0046】
図7、
図8の(i)〜(iv)の形状には、底面に直角の四隅を有することである。これは高周波ウェルダー加工特有の自由度の高い利便性と引き換えに表出化する欠点である。高周波ウェルダー加工は、高周波の電波によって、電極である金型を通じて、短時間の通電起動により、極めて容易に塩化ビニール樹脂シート等の柔軟樹脂シートを溶着する。そのため、曲線や複雑な形状に加工した金型を用いない限り、板状・棒状の金型(電極)を用いて直線的な製品形成を行うのが一般的である。従って、縦横に溶着された箇所の交点は、直角状を成す。
【0047】
比較例1、2の腰袋の底面の場合、その使用性の性質上、底面は床に接することはなく、中空にぶら下げられる不安定な格好で、しかも使用者の運動によって大きく振り回されることになる。その際、収容された工具等の自重は、底面の交点である直角部分に応力が集中し、そこを起点に破れを生じるという問題点を持つ。本実施形態は以上の問題点を解消した点で比較例1、2よりは優れている。
【0048】
本実施形態の腰袋1の製造方法を説明する。材料は、すべて同一材料、例えば、塩化ビニール樹脂製とする。
【0049】
(1)原反を所定寸法にカッターを有する切断装置で切断し、矩形の底部用原反、矩形の側部用原反、矩形ベルト通し部材用原反から、それぞれ、底部3、側部4、ベルト通し部6のパーツを作り、側部用原反と、ベルト通し部材用原反の端部を折り返して、高周波ウェルダーで折り返し部を溶着し、上端外周部4bと縁どり部材6aを作る。ベルト通し部材原反に高周波ウェルダーで複数の補充溶着部9を作る。補充溶着部9が側面原反との溶着の際の目印となる。
【0050】
(2)側部用原反の外面に外ポケット4c〜4e、内面に内ポケット4f,4gを高周波ウェルダーで溶着する。
【0051】
(3)側部用原反の端部同士を高周波ウェルダーで溶着し、縦溶着継目7を作る。
【0052】
(4)側部用原反に、下側に余白を持たせ、傾斜面を有するカッターを下端に有する小判形円筒状器具を被せ、底部用原反の上から、側部用原反と小判形円筒状器具を突き合わせ、高周波ウェルダーで溶着し、前記カッターで側部用原反と底面原反余白を焼き切ってカッターで打ち抜き、本体と余白を分離し、底面溶着部5を作る。側面原反と底面原反とは傾斜面同士で溶着し、接合部の内側に盛り上がり部が形成される。
【0053】
(5)工程(1)で作ったベルト通し部材の補充溶着部9よりも下側部分で側面原反上部を挟んで、高周波ウェルダーで溶着し、横溶着部8を作り、側面原反とベルト通し部材原反とを結合する。
【0054】
上記の腰袋1の製造方法の作用効果は、腰袋1と同様であるが、製法の効果としては、上記工程(5)で、補充溶着部9により、位置合わせが容易になり、横溶着部8の溶着作業が容易になる。また、底部3を楕円形又は小判形に高周波ウェルダーで原反を焼き切りながらカッターで打ち抜く技法を採用することにより、工具の自重が集中して破れを起こしやすい脆弱箇所の顕在化を解決し、同時に難加工箇所を無くして加工の安定化と簡便化を図ることで、作業者の熟練度を問わず製造でき、量産化と低コスト化を実現する形状と構造が創出できる。工程は半分以下になる効果があるので、加工時間を短縮化できる。(2)の工程を最後にしてもよい。
【0055】
側部4の上端部がベルト通し部6によって、
図6に示す通り、挟み込まれる。このことで、上端部の継目はベルト通し部6の内側に入り込むため、表面から消失する。小判形円筒状器具を用いて小判形状の底面加工を、1回の通電加工で完了できるので、熟練度も要さない。
【0056】
底部3と側部4の溶着方法を、従来の棒型による複数回に分けた加工方式から、小判形円筒状器具の型を用いた上記(4)での打ち抜き技法に変更したことで、加工工数を大きく低減し、作業員の熟練度を要する加工箇所も消失させ、供給力が大幅に向上した。
【0057】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記した形状、構造、材質のものに限られない等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得ることはもちろんである。例えば、小判形状又は楕円形状は、これに近似した形状も含まれる。横溶着部8と、補充溶着部9の個数や配置は図示に限定されない。底面が小判形状を例示したが、楕円形、隅に丸みを持つ多角形でも実施が可能である。横溶着部8は点在するものを例示したが、これに代えて、線状の溶着部、例えば、連続線条でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ベルトに腰袋を通し、腰袋を提げ、内部に収容された工具等を適宜取り出して各種作業を行うことに利用され、各種の産業に貢献する。
【符号の説明】
【0059】
1・・・腰袋
2・・・開口
3・・・底部
3a・・・底面外周部
4・・・側部
4a・・・下端外周部
4b・・・上端外周部
4c〜4e・・・外ポケット
4f,4g・・・内ポケット
5・・・底面溶着部
5a・・・盛り上がり部
6・・・ベルト通し部
6a・・・縁どり部材
7・・・縦溶着継目
8・・・横溶着部
8a・・・凹部
8b・・・凸部
9・・・補充溶着部