【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 研究集会名 第1回内見会 主催者名 株式会社テクト/株式会社丸高工業 開催日 平成27年10月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアータッカーによるステープルの打ち出しによって圧縮空気が消費され、エアータンクの圧縮空気が減少した場合、エアーコンプレッサーが作動してエアーコンプレッサーからエアータンクに圧縮空気が供給される。エアータンクに圧縮空気を蓄えることによってエアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の脈動をある程度防ぐことはできるが、エアータッカーによってステープルが連続的に打ち出されて圧縮空気が連続して消費され、圧縮空気がエアーコンプレッサーからエアータンクに連続して供給される場合、エアータンクからエアータッカーに供給される圧縮空気に脈動が発生する場合がある。圧縮空気に脈動が発生すると、エアータンクからエアータッカーに供給される圧縮空気に圧力変動が生じ、エアータッカーに一定圧の圧縮空気を供給することができず、エアータッカーのシリンダーに流入する圧縮空気の空気圧が変動(空気圧が増加または低下)してステープルを一定の圧力で打ち出すことができない。
【0006】
圧縮空気の空気圧が増加してステープルの打ち出し圧力が増加すると、ステープルの打ち込み時において大きな打ち込み音が発生し、周囲に不快な騒音が伝播される。圧縮空気の空気圧が減少してステープルの打ち出し圧力が低下すると、ステープルを壁材や天井材、床材に十分に打ち込むことができない場合があるとともに、エアータンク内部の圧縮空気の空気圧が安定するまでエアータッカーによるステープルの打ち込み作業を中止しなければならない。
【0007】
本発明の目的は、エアー工具に供給される圧縮空気の空気圧の変動を防ぐことができ、エアー工具を一定圧の圧縮空気によって作動させることができるエアー工具作動システムを提供することにある。本発明の他の目的は、エアー工具を連続して作動させ、エアー工具において圧縮空気が連続的に消費されたとしても、一定圧の圧縮空気をエアー工具に連続して供給することができるエアー工具作動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、エアー工具に圧縮空気を供給してエアー工具を作動させるエアー工具作動システムである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、エアー工具作動システムが、所定圧力の圧縮空気を供給するエアーコンプレッサーと、エアーコンプレッサーに連結されてエアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の空気圧を一定に保持しつつ一定圧の圧縮空気を供給する圧力レギュレーターと、圧力レギュレーターに連結されて圧力レギュレーターから供給された一定圧の圧縮空気を蓄えるエアータンクとから形成され、エアータンクからエアー工具に一定圧の圧縮空気を供給してエアー工具において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持する空気圧保持手段を有することにある。
【0010】
本発明の一例としては、エアー工具作動システムが、エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の圧力変動を圧力レギュレーターによって防止しつつ、エアー工具において圧縮空気が消費されてエアータンクに蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーターから該エアータンクに一定圧の圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段を有する。
【0011】
本発明の他の一例として、エアー工具作動システムでは、エアーコンプレッサーから圧力レギュレーターに供給される圧縮空気の空気圧が圧力レギュレーターからエアータンクに供給される圧縮空気の空気圧よりも高く、空気圧保持手段が、エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の空気圧を圧力レギュレーターによって一定圧に減圧し、圧縮空気供給手段が、減圧した一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーターからエアータンクに供給する。
【0012】
本発明の他の一例としては、圧縮空気供給手段が、エアー工具において圧縮空気が連続的に消費された場合、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーターからエアータンクに連続して供給する。
【0013】
本発明の他の一例としては、エアー工具作動システムが圧力レギュレーターを利用して圧縮空気の空気圧をエアー工具の使用空気圧に応じて調整する空気圧調整手段を有する。
【0014】
本発明の他の一例として、空気圧調整手段では、圧力レギュレーターを利用し、エアー工具の使用空気圧の範囲内において圧縮空気の空気圧を微調整可能である。
【0015】
本発明の他の一例として、エアー工具作動システムでは、エアータンクに複数のエアー工具が連結され、空気圧保持手段がエアータンクからそれらエアー工具に一定圧の圧縮空気を供給してそれらエアー工具において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持する。
【0016】
本発明の他の一例としては、エアー工具がエアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用してステープルを前方へ打ち出すエアータッカーである。
【発明の効果】
【0017】
前記本発明にかかるエアー工具作動システムによれば、エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の空気圧を一定に保持しつつ一定圧の圧縮空気を供給する圧力レギュレーターを備え、圧力レギュレーターからエアータンクに一定圧の圧縮空気を供給するとともに、エアータンクからエアー工具に一定圧の圧縮空気を供給してエアー工具において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持するから、エアー工具に供給される圧縮空気の空気圧の圧力変動を防ぐことができ、エアー工具を一定圧の圧縮空気によって作動させることができる。エアー工具作動システムは、エアーコンプレッサーにおいて圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーターによって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動が防止され、エアータンクからエアー工具に供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、常に一定の空気圧の圧縮空気をエアー工具に供給することができるから、エアー工具に必要以上の空気圧の圧縮空気が供給されることやエアー工具を正常に作動させることができない程度の空気圧の圧縮空気が供給されることはなく、エアー工具を正常に作動させることができるとともに、エアー工具の各機能を十分に発揮させることができる。
【0018】
エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の圧力変動を圧力レギュレーターによって防止しつつ、エアー工具において圧縮空気が消費されてエアータンクに蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーターからエアータンクに一定圧の圧縮空気を供給するエアー工具作動システムは、エアーコンプレッサーにおいて圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーターによって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動が防止されるから、常に一定の空気圧の圧縮空気をエアータンクからエアー工具に供給することができ、エアー工具を正常に作動させることができるとともに、エアー工具の各機能を十分に発揮させることができる。
【0019】
エアーコンプレッサーから圧力レギュレーターに供給される圧縮空気の空気圧が圧力レギュレーターからエアータンクに供給される圧縮空気の空気圧よりも高く、エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の空気圧を圧力レギュレーターによって一定圧に減圧し、減圧した一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーターからエアータンクに供給するエアー工具作動システムは、エアーコンプレッサーにおいて圧縮空気に脈動が発生したとしても、エアーコンプレッサーから供給された圧縮空気の空気圧を圧力レギュレーターによって一定圧に減圧することで圧縮空気の圧力変動が防止され、圧力レギュレーターからエアータンクに供給される圧縮空気の空気圧を一定に保持することができ、エアータンクから供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、常に一定の空気圧の圧縮空気をエアータンクからエアー工具に供給することができる。
【0020】
エアー工具において圧縮空気が連続的に消費された場合、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーターからエアータンクに連続して供給するエアー工具作動システムは、圧縮空気がエアーコンプレッサーから連続して供給されると圧縮空気に脈動が発生し易いが、圧力レギュレーターによって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動を防止しつつ、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーターからエアータンクに連続して供給することで、一定圧の圧縮空気をエアータンクからエアー工具に連続して供給することができ、エアー工具を連続して正常に作動させることができるとともに、エアー工具の各機能を連続して発揮させることができる。
【0021】
圧力レギュレーターを利用して圧縮空気の空気圧をエアー工具の使用空気圧に応じて調整するエアー工具作動システムは、各エアー工具によってその使用空気圧が異なるが、圧力レギュレーターを利用して圧縮空気の空気圧をエアー工具の使用空気圧に調整することができるから、各種のエアー工具の使用空気圧に応じた空気圧であって一定圧の圧縮空気をエアー工具に供給することができ、各種のエアー工具を正常に作動させることができるとともに、それらエアー工具の各機能を十分に発揮させることができる。
【0022】
圧力レギュレーターを利用してエアー工具の使用空気圧の範囲内において圧縮空気の空気圧を微調整可能なエアー工具作動システムは、圧力レギュレーターを利用し、加工する材料の材質に応じてエアー工具の使用空気圧の範囲内で圧縮空気の空気圧を微調整することができるから、材料の材質にあわせた空気圧であって一定圧の圧縮空気をエアー工具に供給することができ、エアー工具を利用して材質が異なる材料を確実に加工することができる。
【0023】
エアータンクに複数のエアー工具が連結され、エアータンクからそれらエアー工具に一定圧の圧縮空気を供給してそれらエアー工具において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持するエアー工具作動システムは、圧力レギュレーターからエアータンクに一定圧の圧縮空気を供給し、エアータンクから各エアー工具に一定圧の圧縮空気を供給してそれらエアー工具において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持するから、それらエアー工具に供給される圧縮空気の空気圧の圧力変動を防ぐことができ、それらエアー工具を一定圧の圧縮空気によって作動させることができる。エアー工具作動システムは、エアーコンプレッサーにおいて圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーターによって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動が防止され、エアータンクから各エアー工具に供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、常に一定の空気圧の圧縮空気を各エアー工具に供給することができるから、それらエアー工具に必要以上の空気圧の圧縮空気が供給されることやそれらエアー工具を正常に動作させることができない程度の空気圧の圧縮空気が供給されることはなく、それらエアー工具を正常に作動させることができるとともに、それらエアー工具の各機能を十分に発揮させることができる。
【0024】
エアー工具がエアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用してステープルを前方へ打ち出すエアータッカーであるエアー工具作動システムは、エアー工具がエアータッカーである場合、エアーコンプレッサーにおいて圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーターを利用して一定の空気圧の圧縮空気をエアータンクに供給することができ、エアータンクから供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、エアータッカーから一定の圧力でステープルを打ち出すことができる。エアー工具作動システムは、一定圧の圧縮空気をエアータンクからエアータッカーに供給することができるから、ステープルの打ち込み時に大きな打ち込み音が発生することはなく、ステープルを各材料に確実に打ち込むことができるとともに、エアータンク内部の圧縮空気の空気圧を常に安定させることができ、エアータッカーのステープル打ち込み機能を連続して発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
一例として示すエアー工具作動システム10の構成図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるエアー工具作動システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。エアー工具作動システム10は、各種のエアー工具に圧縮空気を供給してそれらエアー工具を作動させる。
図1では、エアー工具として圧縮空気の空気圧を利用してステープル(金属針)を前方へ打ち出すエアータッカー16を例示している。
【0027】
エアー工具には、エアータッカーの他に、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用してネイルを前方へ打ち出すエアー釘打機、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用して部材の研削や研磨を行うエアーグラインダー、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用して部材のサンディングを行うエアーサンダー、エアータンクから供給される圧縮空気を動力源とするエアードリルドライバーやエアーインパクトドライバー、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用して目地やタイル等の剥離を行うエアーハンマー、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用して部材に液剤を吹き付けるスプレーガン、エアータンクから供給される圧縮空気の空気圧を利用して目地材を充填するコーキングガンがある。エアー工具作動システム10は、エアー釘打機やエアーグラインダー、エアーサンダー、エアードリルドライバー、エアーインパクトドライバー、エアーハンマー、スプレーガン、コーキングガンを作動させることができる。
【0028】
エアー工具作動システム10は、所定圧力の圧縮空気を供給するエアーコンプレッサー11と、一定圧の圧縮空気を供給する圧力レギュレーター12(圧力制御弁)と、圧縮空気を蓄えるエアータンク13とから形成されている。圧力レギュレーター12は、エアーコンプレッサー11にエアーホース14によって連結され、エアータンク13は、圧力レギュレーター12にエアーホース15によって連結されている。エアータッカー16は、エアータンク13にエアーホース17によって連結されている。
【0029】
エアーコンプレッサー11は、エアーホース14を介して圧縮空気を圧力レギュレーター12に供給する。エアーコンプレッサー11には、回転式コンプレッサーや遠心式コンプレッサー、軸流式コンプレッサーを使用することができる。エアーコンプレッサー11の機種について特に制限はないが、機種によってタンク容量や馬力、取り出し可能圧力(吐出可能圧力)(MPa)、吐出空気量、大きさ、質量、騒音(普通、静音、超静音)等が異なり、エアータッカー16(エアー工具)の機種(エアー工具の種類)に応じて最適なそれを選定する。エアーコンプレッサー11は、その取り出し可能圧力を調整することができる。
【0030】
圧力レギュレーター12は、エアーコンプレッサー11によって作られた圧縮空気の圧力を減圧するとともに、圧縮空気の圧力を一定に保持(コントロール)する。圧力レギュレーター12は、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の空気圧を一定に保持しつつ一定圧の圧縮空気をエアータンク13に供給する。圧力レギュレーター1
2は、圧力調整スプリングと一次側圧力(IN側圧力)および二次側圧力(OUT側圧力)による力とのバランスにより、二次側圧力を調整する。ステムまたはハンドルを回転させてスプリングの力を調整し、適切な二次側圧力に設定する。圧力レギュレーター12は、二次側圧力をたとえば0.01〜4(MPa)の範囲で調整可能である。
【0031】
エアータンク13は、圧力レギュレーター1
2から供給された一定圧の圧縮空気を蓄え、蓄えた圧縮空気をエアータッカー16(エアー工具)に供給する。エアータンク13の機種について特に制限はないが、機種によって空気タンク容量や空気タンク内最高圧力(MPa)、使用圧力範囲(MPa)、空気取り出し口数、大きさ、質量等が異なり、エアータッカー16(エアー工具)の機種(エアー工具の種類)に応じて最適なそれを選定する。なお、エアータンク13にはその使用圧力を調節するレギュレーターは設置されておらず、エアータッカー16への圧縮空気の供給路が全開に開放され、圧力レギュレーター1
2によって調整された空気圧の圧縮空気をそのままエアータッカー16に供給する。
【0032】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の空気圧を圧力レギュレーター12によって一定圧に減圧しつつ、圧力レギュレーター12によってエアータンク13に供給する圧縮空気の空気圧を一定に保持し、エアータンク13からエアータッカー16(エアー工具)に一定圧の圧縮空気を供給してエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持する(空気圧保持手段)。エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12を利用して圧縮空気の空気圧をエアータッカー16の使用空気圧の範囲に応じて調整する(空気圧調整手段)。なお、圧力レギュレーター12を利用し、エアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧の範囲内において圧縮空気の空気圧を微調整することができる。
【0033】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の圧力変動を圧力レギュレーター12によって防止しつつ、エアータッカー16において圧縮空気が消費されてエアータンク13に蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーター12によって減圧した一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーター12からエアータンク13に供給する(圧縮空気供給手段)。なお、エアータッカー16において圧縮空気が連続的に消費された場合、圧縮空気をエアーコンプレッサー11から圧力レギュレーター12に連続して供給しつつ、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーター12からエアータンク13に連続して供給する。
【0034】
図2は、一例として示すエアータッカー16の側面図であり、
図3は、一例として示すピストンユニット25の側面図である。
図4は、一例として示すジョイント部材29の側面図であり、
図5は、ジョイント部材29の正面図である。
図6は、
図4のA−A線断面図であり、
図7は、一例として示すハウジング61の側面図である。
図8は、ハウジング61の正面図であり、
図9は、
図7のB−B線断面図である。
図10は、一例として示すサイレンサー62の側面図である。
図2では、エアータッカー1
6(マガジンユニット28を除く)を一方向(長さ方向)へ切断した状態で示し、一方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。
【0035】
エアータッカー16(常圧、高圧を含む)は、低反発ゴム26(緩衝部材)、ジョイント部材29、消音ユニット30を除き、既存(公知)のそれが使用されている。エアータッカー16は、ステープルを一方向前方へ強力に打ち出し、壁材(ラス網、防水・防湿紙、壁クロス、壁板等)と壁とにステープルを打ち込んで壁材を壁面に固定し、天井材(天井クロス、ムク材、合板、繊維板等)と天井とにステープルを打ち込んで天井材を天井面に固定するとともに、床材(木質フローリング、コルク、カーペット、クッションフロア等)と床とにステープルを打ち込んで床材を床面に固定する。
【0036】
エアータッカー16は、一方向へ長いボディー18と、ボディー18の中央部19から後端部20に連結されたグリップ21と、ボディー18の後端部20に取り付けられたシリンダーキャップ22と、ボディー18の内部に設置されて一方向へ延びるシリンダー23と、シリンダー23の内部24に摺動可能に収容されたピストンユニット25と、ピストンユニット25に取り付けられた低反発ゴム26と、ボディー18の後端部20に設置されたヘッドバルブ27と、ステープルを送出するマガジンユニット28と、ボディー18の後端部20に取り付けられたジョイント部材29と、ボディー18の後端部20に取り付けられた消音ユニット30とを備えている。なお、エアータッカー16における各所のエアー漏れを防止するため、各種複数のリングやシールが取り付けられているが、それらリングやシールの図示は省略する。
【0037】
ボディー18の内部には、圧縮空気が流入する第1空気室31と、圧縮空気が流入する第2空気室32(戻り空気室)と、圧縮空気が流入する第3空気室33(ヘッドバルブ空気室)とが作られている。第1空気室31は、ボディー18の中央部19と後端部20との間において一方向へ延びている。第2空気室32(戻り空気室)は、ボディー18の前端部34と中央部19との間において一方向へ延びている。第3空気室33(バルブ空気室)は、ヘッドバルブ27の一方向後方であってボディー18の後端部20に位置している。第3空気室33には、一方向へ延びるコイルバネ35が設置されている。
【0038】
ボディー18の中央部19には、トリガー36(引き金)が設置されている。トリガー36は、バネ(図示せず)によって一方向前方へ付勢されている。グリップ21は、ボディー18の中央部19および後端部20から径方向へ延びている。グリップ21の内部は、圧縮空気が流入する空気室37(空洞)になっている。グリップ21の空気室37は、ボディー18の第1空気室31につながっている。グリップ21の下端部には、エアーホース17を接続するカプラ38が取り付けられている。ピストンユニット25に対向するシリンダーキャップ22の対向面には、ピストンユニット25の後記するピストンストッパー48が係脱可能に係合する係合凹部74が作られている。
【0039】
グリップ21のトリガー36に対向する位置には、トリガーバルブ39が取り付けられている。トリガーバルブ39は、圧縮空気が流入・流出するトリガーバルブ室40と、トリガーバルブ室40に設置されて一方向前方と一方向後方とへ移動するプランジャ41と、トリガーバルブ室40に設置されて一方向前方と一方向後方とへ移動するプッシュレバー42とから形成されている。トリガーバルブ室40には、空気が通流するパイプ43が接続されている。パイプ43は、トリガーバルブ室40からボディー18の後端部20の第3空気室33(ヘッドバルブ空気室)につながっている。
【0040】
シリンダー23は、一方向へ長い円筒状に成形され、その前端部にバンパー44が取り付けられている。ピストンユニット25は、
図3に示すように、円盤状に成形されたピストンヘッド45と、棒状に成形されてステープルを一方向前方へ押し出すドライバ46と、ピストンヘッド45の一方向後方への移動を停止させるピストンストッパー48とから形成されている。
【0041】
ピストンユニット25は、シリンダー23の内部24において一方向前方へ前進するとともに一方向後方へ後退する。ドライバ46は、シリンダー23のバンパー44(ボディー18の前端部34)に対向するピストンヘッド45の対向端面49から一方向前方へ延びている。ピストンストッパー48は、ピストンヘッド45よりも小さく、一方向後方へ凸となる略凸状に成形され、ボディー18の後端部20に対向するピストンヘッド45の反対端面50に設置されている。
【0042】
ピストンヘッド45の対向端面49には、弾性変形可能な低反発ゴム26(緩衝部材)が取り付けられている。ピストンユニット25では、
図3に示すように、ピストンヘッド45の対向端面49に1つの低反発ゴム26が取り付けられているが、ピストンヘッド45の対向端面49に2つ(一対)の低反発ゴム26が取り付けられていてもよい。低反発ゴム26には、低反発ウレタンゴムを使用することが好ましい。
【0043】
低反発ゴム26は、所定面積および所定厚みを有する環状に成形され、その大きさや形状がピストンヘッド45の対向端面49と略同形同大である。ピストンヘッド45の対向端面49に2つの低反発ゴム26が取り付けられる場合、同形同大の各低反発ゴム26が一方向へ重なり合い、それら低反発ゴム26が接着剤を介して固着される。低反発ゴム26は、ドライバ46に挿通された状態で接着剤を介してピストンヘッド45の対向端面49に固着されている。
【0044】
低反発ゴム26は、シリンダー23のバンパー44(シリンダー23の前端部)にピストンヘッド45が衝突したときの衝撃を吸収し、その衝撃を軽減することで、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音を低減する。低反発ゴム26は、その反発弾性率が2.0〜7.0%の範囲にある。低反発ゴム26は、一方向の厚み寸法が1〜3mmの範囲にある。なお、2つの低反発ゴム26を取り付ける場合、1つのそれの一方向の厚み寸法が0.5〜1.5mmの範囲にあり、2つ合わせた一方向の厚み寸法が1〜3mmの範囲にある。
【0045】
低反発ゴム26の反発弾性率が7.0%を超過すると、低反発ゴム26の衝撃吸収性が低下し、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音を低減することができない。低反発ゴム26の一方向の厚み寸法が1mm未満では、低反発ゴム26の衝撃吸収性が低下し、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音を低減することができないのみならず、バンパー44とピストンヘッド45との衝突によって低反発ゴム26が容易に破損し、長期間の使用に耐えることができない。低反発ゴム26の一方向の厚み寸法が3mmを超過すると、低反発ゴム26の存在によってドライバ46の一方向前方へのストロークが短くなり、ドライバ46によってステープルを一方向前方へ打ち出すことができない場合がある。
【0046】
低反発ゴム26は、その反発弾性率が前記範囲にあるから、バンパー44とピストンヘッド45とが衝突したときの衝撃を十分に吸収することができ、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音を確実に低減することができる。低反発ゴム26は、その一方向の厚み寸法が前記範囲にあるから、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音を低減することができるのみならず、低反発ゴム26の耐久性が向上し、長期間の使用に耐えることができる。また、低反発ゴム26の存在によってドライバ46の一方向前方へのストロークが短くなることはなく、ドライバ46によってステープルを一方向前方へ確実に打ち出すことができる。
【0047】
ヘッドバルブ27は、ピストンユニット25とボディー18の後端部20との間に延びるスペース51に設置されている。ヘッドバルブ27は、第3空気室33に設置されたコイルバネ35によって一方向前方へ付勢されている。ヘッドバルブ27は、圧縮空気を給気する給気路52(
図12参照)を開閉するとともに、圧縮空気を排気する排気路53(
図13参照)を開閉する。マガジンユニット28は、既存(公知)のそれが使用され、ボディー18の前端部34とグリップ21の下端部とに着脱可能に連結されている。マガジンユニット28の内部には複数のステープルが装填(収容)され、バネの付勢力によってステープルをエアータッカー16の射出口54に送出する。
【0048】
ジョイント部材29は、ボディー18の後端部20と消音ユニット30の後記するハウジング61との間に介在し、ボディー18の後端部20と消音ユニット30(ハウジング61)とを間接的に連結する。ジョイント部材29は、円板状の端面壁55と、端面壁55の外周縁から一方向前方へ延びる筒状の周壁56と、周壁56の前端から径方向外方へ延びるフランジ57と、端面壁55の中央において一方向前方へ凸となる凸部58と、端面壁55を一方向へ貫通する円形の複数の排気貫通孔59とを有する。
【0049】
端面壁55は、その直径がハウジング61の後記する第1排気空間66の直径よりもわずかに小さく、ハウジング61の第1排気空間66に入り込んでいる。周壁56は、その直径がハウジング61の後記する第1周壁63の直径よりもわずかに小さく、ハウジング61の第1周壁63に摺動可能に嵌り込み、第1周壁63の内周面に密着している。フランジ57には、ハウジング61の第1周壁63の前端が密着している。
【0050】
ジョイント部材29の周壁56がハウジング61の第1周壁63に嵌り込み、ハウジング61の第1周壁63の前端がジョイント部材29のフランジ57に密着するから、ジョイント部材29とハウジング61との間に間隙が形成されることはなく、排気路53から排気された圧縮空気のすべてを消音ユニット30に流入させることができる。フランジ57の各角部には、固定ボルトを螺着するボルト螺着孔60(雌ネジ孔)が穿孔されている。凸部58は、シリンダーキャップ22の後端面に密着している。それら排気貫通孔59は、凸部58を中心として凸部58の周りに穿孔され、排気路53とハウジング61の第1排気空間66につながっている。
【0051】
消音ユニット30は、排気路53から排気される圧縮空気の排気音を低減する。消音ユニット30は、ジョイント部材29を介してボディー18の後端部20に着脱可能に連結されたハウジング61と、ハウジング61に着脱可能に取り付けられたサイレンサー62とから形成されている。ハウジング61は、ボディー18の後端部20から一方向後方へ延びる筒状の第1周壁63と、第1周壁63の後端から径方向へ延びる環状の後端壁64と、第1周壁63の後端から一方向後方へ延びる筒状の第2周壁65と、排気路53につながる所定容積の第1排気空間66と、後端壁64を貫通して第1排気空間66につながる螺着貫通孔67と、螺着貫通孔67につながる所定容積の第2排気空間68と、第2排気空間68につながる第1排気開口69と、第2排気空間68につながる複数の第2排気開口70とから形成されている。
【0052】
第1周壁63の各角部には、固定ボルトを螺着するボルト螺着孔71(雌ネジ孔)が穿孔されている。第1排気空間66は、略円筒状のスペースであり、第1周壁63と後端壁64とに囲繞されて一方向へ延びている。第1排気空間66には、排気路53から排気されてジョイント部材29の排気貫通孔59を通過した圧縮空気が流入する。螺着貫通孔67は、後端壁64の中央に開口している。螺着貫通孔67には、雌ネジが作られている。第2排気空間
68は、円筒状のスペースであり、第2周壁65に囲繞されて一方向へ延びている。第1排気開口69は、第2周壁65の後端に囲繞された円形の排気口である。それら第2排気開口70は、第2周壁65を径方向外方へ貫通して一方向へ延びている
【0053】
サイレンサー62は、中空円筒状の螺着部72と、螺着部72につながって螺着部72から一方向後方へ延びる円柱状の消音部73とから形成されている。螺着部72には、雄ネジが作られている。螺着部72は、それに作られた雄ネジを螺着貫通孔67を囲繞する後端壁64に作られた雌ネジに螺着することで、後端壁64(ハウジング61)の中央に着脱可能に設置される。消音部73は、ボディー18の後端部20の排気路53から排気される圧縮空気を通流させる多数の細孔を有して柱状に成形された多孔質の合成樹脂から作られ、または、排気路53から排気される圧縮空気を通流させる多数の細孔を有して柱状に成形された金属(黄銅、銅系焼結)から作られている。消音部73は、第2排気空間68の中央に位置し、その周囲全体が第2周壁65に囲繞されている(取り囲まれている)。
【0054】
螺着貫通孔67の後端壁64にサイレンサー62の螺着部72を螺着してハウジング61にサイレンサー62を固定する。次に、ボディー18の後端部20に取り付けられた排気カバー(図示せず)を取り外し、ボディー18の後端部20に穿孔されたボルト螺着孔(雌ネジ孔)(図示せず)にジョイント部材29のフランジ57に穿孔されたボルト螺着孔60およびハウジング61の第1周壁63に穿孔されたボルト螺着孔71を合わせ、それらボルト螺着孔60,71に固定ボルトを螺着することで、ボディー18の後端部20にジョイント部材29とハウジング61(消音ユニット30)とを固定する。ボディー18の後端部20と消音ユニット30のハウジング61とは、ジョイント部材29を介して間接的に連結される。
【0055】
ハウジング61にサイレンサー62を固定すると、消音部73が第2排気空間68の中央に露出するとともに、消音部73の全体が第2周壁65に取り囲まれる。消音部73は、中空円筒状の螺着部72を介して第1排気空間
66につながる。ジョイント部材29とハウジング61とをボディー18の後端部20に連結すると、ジョイント部材29の端面壁55がハウジング61の第1排気空間66に入り込み、ジョイント部材29の周壁56がハウジング61の第1周壁63に摺動可能に嵌り込み、ハウジング61の第1周壁63の前端がジョイント部材29のフランジ57に密着し、ジョイント部材29の排気貫通孔59が排気路53とハウジング61の第1排気空間66とにつながる。
【0056】
図11は、エアー工具作動システム10におけるエアータッカー16の作動を説明する切断面図であり、
図12は、
図11から続くエアータッカー16の切断面図である。
図13は、
図12から続くエアータッカー16の切断面図であり、
図14は、
図13から続くエアータッカー16の切断面図である。
図15は、消音ユニット30における圧縮空気の流れを示す図である。
図15では、ジョイント部材29や消音ユニット30を断面図として示すとともに、エアータッカー16の図示を省略している。
図11では、一方向前方を矢印X1で示し、一方向後方を矢印X2で示す。なお、ピストンヘッド
45の対向端面4
9には、低反発ゴム26が取り付けられている。
【0057】
エアー工具作動システム10を利用し、エアータッカー16を使用して壁材や天井材、床材を壁面や天井面、床面の所定箇所に固定する手順の一例は以下のとおりである。エアーコンプレッサー11と圧力レギュレーター12とエアータンク13とをエアーホース14,15によって連結し、エアータンク13のカプラにエアーホース17の一方の端部を連結するとともに、エアータッカー16のグリップ21の下端部から延出するカプラ38にエアーホース17の他方の端部を連結する。
【0058】
次に、エアーコンプレッサー11の取り出し可能圧力(吐出可能圧力)を調節(たとえば、0.6〜0.7MPaの範囲の中のいずれかの圧力)し、圧力レギュレーター12の圧力調整ハンドルを回転させて二次側圧力を調整(たとえば、0.3MPa)する。エアー工具作動システム10では、圧力レギュレーター12を利用して圧縮空気の空気圧をエアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧に応じて調整する(空気圧調整手段)。
【0059】
エアーコンプレッサー11の取り出し可能圧力や圧力レギュレーター12の二次側圧力を調整した後、エアーコンプレッサー11のスイッチをONにする。エアーコンプレッサー11のスイッチをONにすると、所定の空気圧(調整後の取り出し可能圧力)の圧縮空気がエアーコンプレッサー11からエアーホース14に流入し、圧縮空気がエアーホース14から圧力レギュレーター12に流入する。
【0060】
圧力レギュレーター12では、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の空気圧を一定圧(調整後の二次側圧力)に減圧し、エアーホース15を介して減圧した一定圧の圧縮空気をエアータンク13に供給する。なお、エアーコンプレッサー11から圧力レギュレーター12に供給される圧縮空気(エアーホース14に流入した圧縮空気)の空気圧が圧力レギュレーター12からエアータンク13に供給される圧縮空気(圧力レギュレーター12の二次側の圧縮空気)の空気圧よりも高い。
【0061】
圧力レギュレーター12から供給された一定圧の圧縮空気は、エアーホース15を介してエアータンク13に流入し、エアータンク13に蓄えられるとともに、エアータンク13からエアータッカー16に供給される。エアー工具作動システム10では、エアータンク13からエアータッカー16(エアー工具)に一定圧の圧縮空気を供給してエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持する(空気圧保持手段)。
【0062】
一定圧の圧縮空気は、エアータッカー16のグリップ21内部の空気室37とボディー18の第1空気室31とに流入する。エアータッカー16では、
図11に示すように、圧縮空気がグリップ21の空気室37、ボディー1
8の第1空気室31および第3空気室33(バルブ空気室)に充満し、空気室37に充満した圧縮空気の空気圧によってプッシュレバー42が一方向前方へ移動し、空気室31とトリガーバルブ室40とが連通してバルブ室40に圧縮空気が充満し、トリガーバルブ室40に充満した圧縮空気の空気圧によってプランジャ41が一方向後方へ移動している。プランジャ41が一方向後方へ移動した状態では、空気室37とパイプ43とが連通して空気室37の圧縮空気がパイプ43を通ってボディー18の第3空気室33(バルブ空気室)に流入し、圧縮空気が第3空気室33に充満する。
【0063】
ボディー18の第3空気室33に充満する圧縮空気の空気圧とコイルバネ35の付勢力とによって、ヘッドバルブ27がシリンダー23の後端縁に密着し、給気路52が閉鎖されている。ピストンユニット25のピストンヘッド45がボディー18の後端部20に位置し、ピストンユニット
25のピストンストッパー48がシリンダーキャップ22の係合凹部74に係合している。ピストンユニット25のドライバ46の先端部47は、射出口54から一方向後方へ離間して位置している。ボディー18の前端部34の射出口54には、マガジンユニット28から送出されたステープル(図示せず)が位置している。
【0064】
図11の状態でエアータッカー16の試し打ちを行う。エアータッカー16の射出口54を壁面や天井面、床面の所定箇所に向けた後、トリガー36を引く。トリガー36を引くと、射出口54からステープルが打ち出される。打ち出されたステープルは、壁材や天井材、床材に打ち込まれる。壁材や天井材、床材へのステープルの打ち込み状態を判断し、打ち込み状態可の場合、圧力レギュレーター12の現在の二次側圧力を保持し、打ち込み状態不可の場合、圧力レギュレーター12の圧力調整ハンドルを回転させて二次側圧力を微調整する(空気圧調整手段)。
【0065】
エアー工具作動システム10では、空気圧調整手段において、圧力レギュレーター12を利用し、エアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧の範囲内において圧縮空気の空気圧を微調整可能である。何度かの試し打ちを繰り返し、エアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧の範囲内において圧力レギュレーター12の二次側圧力を微調整し、所定の部材に対するステープルの打ち込みに最適な圧力レギュレーターの二次側圧力を選定する。
【0066】
エアータッカー16(エアー工具)の各機種(エアー工具の種類)によってその使用空気圧が異なるが、エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12を利用して圧縮空気の空気圧をエアータッカー16の使用空気圧の範囲内に微調整することができるから、エアータッカー16の各機種(各種のエアー工具)の使用空気圧に応じた空気圧であって一定圧の圧縮空気をエアータッカー16に供給することができ、各エアータッカー16を正常に作動させることができるとともに、それらエアータッカー16のステープルの打ち込み機能(各エアー工具の各機能)を十分に発揮させることができる。エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12を利用し、加工する材料の材質に応じてエアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧の範囲内で圧縮空気の空気圧を微調整することができるから、材料の材質にあわせた空気圧であって一定圧の圧縮空気をエアータッカー16に供給することができ、エアータッカー16を利用して材質が異なる材料を確実に加工することができる。
【0067】
エアータッカー16のトリガー36を引くと、トリガー36によってトリガーバルブ39のプッシュレバー42が一方向後方へ押されてプッシュレバー42が一方向後方へ移動する。プッシュレバー42が一方向後方へ移動すると、
図12に矢印L1で示すように、トリガーバルブ室40に充填された圧縮空気がトリガーバルブ39の排気口から外部に排出(排気)され、それによってグリップ21の空気室37に充満する圧縮空気の空気圧によってプランジャ41が一方向前方へ移動する。
【0068】
プランジャ41が一方向前方へ移動すると、トリガーバルブ室40の通気路が開放される。通気路が開放されると、
図12に矢印L2で示すように、第3空気室33に充満する圧縮空気がパイプ43と通気路とを通ってグリップ21の排気口から外部に排出(排気)される。圧縮空気が第3空気室33から排出されると、グリップ21の空気室37とボディー18の第1空気室31とに充満する圧縮空気の空気圧によってヘッドバルブ27のリブが一方向後方に押圧され、ヘッドバルブ27がコイルバネ35の付勢力に抗して一方向後方に移動し、給気路52が開放される。
【0069】
給気路52が開放されると、
図12に矢印L3で示すように、グリップ21の空気室37とボディー18の第1空気室31とに充満する圧縮空気が給気路52を通ってシリンダー23の反対端面50からシリンダー23の内部24に一気に流入する。シリンダー23の対向端面49とバンパー44との間に存在する空気は、
図12に矢印L4で示すように、ボディー18の第2空気室32(戻り空気室)に流入する。
【0070】
エアータンク13から一定圧の圧縮空気がエアータッカー16に供給され、一定圧の圧縮空気がエアータッカー16のグリップ21内部の空気室37とボディー18の第1空気室31とに流入する。エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の圧力変動が圧力レギュレーター12によって防止され、エアータンク13からエアータッカー16に一定圧の圧縮空気が供給されてエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧が一定に保持される(空気圧保持手段)。エアータッカー16において圧縮空気が消費されてエアータンク13に蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーター12によって一定圧に減圧された圧縮空気が圧力レギュレーター12からエアータンク13に供給される(圧縮空気供給手段)。
【0071】
圧縮空気がシリンダー23の内部24に流入すると、
図13に示すように、圧縮空気の空気圧によってピストンヘッド45が一方向前方へ瞬時(瞬間的)に前進(移動)し、ピストンストッパー48がシリンダーキャップ22の係合凹部74から瞬時に抜け出すとともにドライバ46が一方向前方へ瞬時(瞬間的)に前進(移動)し、射出口54に位置するステープルがドライバ46の先端部47に押圧されて射出口54から一方向前方へ打ち出される。シリンダー23の内部24の圧縮空気は、
図13に矢印L5で示すように、シリンダー23から第2空気室32(戻り空気室)に流入する。
【0072】
ピストンヘッド45が一方向前方へ前進した
図13の状態では、ピストンヘッド45がバンパー44に衝突することによってピストンユニット25の一方向前方への前進(移動)が停止する。ピストンヘッド45がバンパー44に衝突するときに、その衝撃がピストンヘッド45の対向端面49に取り付けられた低反発ゴム26によって吸収され、衝撃が軽減されることで、ピストンヘッド45とバンパー44との衝突音が大幅に低減される。 エアータッカー16は、バンパー44(シリンダー23の前端部)にピストンヘッド45が衝突したときの衝突音を軽減する弾性変形可能な低反発ゴム26がピストンヘッド45の対向端面49に取り付けられ、バンパー44にピストンヘッド45が衝突したときの衝撃が低反発ゴム26によって軽減されるから、ステープルを打ち出すときのバンパー44とピストンヘッド45との衝突音が低減され、大きな衝突音の発生を確実に防ぐことができる。
【0073】
射出口54からステープルが打ち出された後、トリガー36を放すと、トリガー36がバネの付勢力によって一方向前方へ素早く移動する。トリガー36が一方向前方へ移動すると、グリップ21の空気室37に充満した圧縮空気の空気圧によってプッシュレバー42が一方向前方へ瞬時に移動し、空気室37とトリガーバルブ室40とが連通してバルブ室40に圧縮空気が充満し、トリガーバルブ室40に充満した圧縮空気の空気圧によってプランジャ41が一方向後方へ瞬時に移動する。プランジャ41が一方向後方へ移動すると、空気室37とパイプ43とが連通して空気室37の圧縮空気がパイプ43を通ってボディー18の第3空気室33(バルブ空気室)に流入し、圧縮空気が第3空気室33に充満する。
【0074】
第3空気室33に圧縮空気が充満すると、圧縮空気の空気圧とコイルバネ35の付勢力とによってヘッドバルブ27が一方向前方へ移動し、ヘッドバルブ27がシリンダー23の後端縁に密着して給気路52が閉鎖されるとともに、排気路53が開放される。排気路53が開放されると、シリンダー23の内部24の圧縮空気は、
図14に矢印L6で示すように、排気路53を通ってジョイント部材29および消音ユニット30に向かう。さらに、
図14に矢印L7で示すように、第2空気室32(戻り空気室)の空気がピストンヘッド45の対向端面49の側のシリンダー23の内部24に流入する。
【0075】
第2空気室32の空気がピストンヘッド45の対向端面49の側のシリンダー23の内部24に流入すると、その空気の空気圧によってピストンヘッド45が一方向後方へ瞬時(瞬間的)に後退(移動)するとともに、ドライバ46が一方向後方へ瞬時(瞬間的)に後退(移動)し、ピストンストッパー48がシリンダーキャップ22の係合凹部74に係合し、
図11の状態に戻る。なお、
図11の状態に戻ったときに、図示はしていないが、マガジンユニット28から次に打ち出されるステープルが射出口54に自動的にセットされる。
図11〜
図14の状態(手順)を繰り返すことで、エアータッカー16から複数のステープルを略連続して打ち出すことができる。
【0076】
エアータッカー16からステープルを連続して打ち出す場合、エアータッカー16において圧縮空気が連続して消費される。この場合、エアータンク13から一定圧の圧縮空気がエアータッカー16に連続して供給され、一定圧の圧縮空気がエアータッカー16のグリップ21内部の空気室37とボディー18の第1空気室31とに流入する。エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の圧力変動が圧力レギュレーター12によって防止され、エアータンク13からエアータッカー16に一定圧の圧縮空気が連続して供給されてエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧が一定に保持される(空気圧保持手段)。エアータッカー16において圧縮空気が連続して消費されてエアータンク13に蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーター12によって一定圧に減圧された圧縮空気が圧力レギュレーター12からエアータンク13に連続して供給される(圧縮空気供給手段)。
【0077】
排気路53から一方向後方に流出した圧縮空気は、
図15に矢印L8で示すように、排気路53からジョイント部材29の排気貫通孔59を通ってハウジング61の第1排気空間66に流入する。第1排気空間66に流入した圧縮空気は、第1排気空間66において乱流となり、その流速が低下する。排気路53から排気された圧縮空気がハウジング61の所定容積の第1排気空間66に流入することで、第1排気空間66において圧縮空気が乱流になって圧縮空気の流速が低下し、第1排気空間66において圧縮空気の排気音が低減する。
【0078】
第1排気空間66の圧縮空気は、サイレンサー62の中空の螺着部72に流入した後、螺着部72から多孔質の合成樹脂または多数の細孔を有する金属から作られた消音部73に向かう。消音部73に向かった圧縮空気は、消音部73のそれら細孔に流入し、圧縮空気がそれら細孔によって四方に分散されるとともに、細孔において圧縮空気の流速がさらに低下する。圧縮空気が消音部73の細孔を通過することで圧縮空気の流速が大幅に低下し、消音部73によって圧縮空気の排気音が大幅に低減する。
【0079】
圧縮空気は、消音部73の細孔からハウジング61の第2排気空間68の四方に排出(排気)される。第2排気空間68に排出された圧縮空気は、
図15に矢印L9で示すように、第1排気開口69と複数の第2排気開口70とから外部に放出(排気)される。消音部73の細孔から第2排気空間68の四方に排出された圧縮空気が複数の第2排気開口70から外部(径方向外方)に放出されることで、排気音が第2周壁65に囲繞された第2排気空間68において籠もることはなく、不快な籠もり音は発生しない。
【0080】
エアータッカー16は、所定容積の第1排気空間66において圧縮空気の流速が低下するとともに、圧縮空気がサイレンサー62の消音部73のそれら細孔によって四方に分散され、圧縮空気の流速が消音部73の細孔によって大幅に低下するから、ハウジング61の第1排気空間66とサイレンサー62の消音部73とによって圧縮空気の排気音を大幅に低減することができ、大きな排気音の発生を確実に防ぐことができる。また、第2排気空間68の圧縮空気が複数の第2排気開口70から外部に放出されるから、第2排気空間68において排気音が籠もることはなく、不快な籠もり音の発生を防ぐことができる。エアータッカー1
6は、ピストンユニット25の一方向前方への前進と一方向後方への後退との1サイクルにおいてエアータッカー16から発生する衝突音および排気音の音圧レベルが60〜75dBの範囲にある。
【0081】
エアータッカー16は、バンパー44(シリンダー23の前端部)とピストンヘッド45との衝突音が低反発ゴム26によって低減され、ボディー18の後端部20から排気される圧縮空気の排気音が消音ユニット30(ハウジング61の第1排気空間66およびハウジング61に連結されたサイレンサー62の消音部73)によって確実に低減されるから、大きな衝突音および大きな排気音の発生を防ぐことができ、衝突音や排気音が不快な騒音になることはなく、不快な騒音の周囲への伝播を防ぐことができる。
【0082】
エアータッカー16は、サイレンサー62の消音部73が第1周壁63から一方向後方へ延びる筒状のハウジング61の第2周壁65に囲繞されているから、第2周壁65が防御壁となって消音部73の外物との衝突を防ぐことができ、消音部73の破損や損壊を防ぐことができる。エアータッカー16は、消音ユニット30のハウジング61がボディー18の後端部20に直接連結できない場合でも、公知のエアータッカー1
6を構成する排気カバーの代わりとなるジョイント部材29をボディー18の後端部20とハウジング61とに連結することで、ジョイント部材29を介して消音ユニット30をボディー
16の後端部20に間接的に連結することができる。
【0083】
なお、ジョイント部材29を利用して消音ユニット30がボディー18の後端部20に取り付けられているが、消音ユニット30がボディー18の後端部20に直接取り付けられる場合は、ジョイント部材29を省くことができる。また、ピストンヘッド45の対向端面49に低反発ゴム26(緩衝部材)が取り付けられ、消音ユニット30がボディー18の後端部20に取り付けられているが、消音ユニット30が取り付けられておらず、低反発ゴム26(緩衝部材)のみがピストンヘッド45に取り付けられている場合、または、低反発ゴム26(緩衝部材)が取り付けられておらず、消音ユニット30のみがボディー18の後端部20に取り付けられている場合がある。
【0084】
低反発ゴム26のみが取り付けられている場合は、バンパー44(シリンダー23の前端部)にピストンヘッド45が衝突したときの衝撃が低反発ゴム26によって軽減され、バンパー44とピストンヘッド45との衝突音が低減されるから、大きな衝突音の発生を防ぐことができる。消音ユニット30のみが取り付けられている場合は、ボディー18の後端部20から排気される圧縮空気の排気音が消音ユニット30によって低減されるから、大きな排気音の発生を防ぐことができる。
【0085】
エアー工具作動システム10は、低反発ゴム26によってエアータッカー16における大きな衝突音の発生を防ぐことができるとともに、消音ユニット30(第1排気空間66およびサイレンサー62)によってエアータッカー16における大きな排気音の発生を防ぐことができるから、周囲の静寂を保持することができ、静穏状態を保持しつつステープルの打ち込み作業を行うことができる。
【0086】
エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12からエアータンク13に一定圧に減圧された圧縮空気を供給するとともに、エアータンク13からエアータッカー16(エアー工具)に一定圧の圧縮空気を供給してエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持するから、エアータッカー16に供給される圧縮空気の空気圧の圧力変動を防ぐことができ、エアータッカー16を一定圧の圧縮空気によって作動させることができる。
【0087】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11において圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーター12によって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動が防止され、エアータンク13からエアータッカー16(エアー工具)に供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、常に一定の空気圧の圧縮空気をエアータッカー16に供給することができるから、エアータッカー16に必要以上の空気圧の圧縮空気が供給されることやエアータッカー16を正常に作動させることができない程度の空気圧の圧縮空気が供給されることはなく、エアータッカー16を正常に作動させることができるとともに、エアータッカー16のステープル打ち込み機能を十分に発揮させることができる。
【0088】
エアー工具作動システム10は、一定圧の圧縮空気をエアータンク13からエアータッカー16(エアー工具)に供給することができるから、ステープルの打ち込み時に大きな打ち込み音が発生することはなく、ステープルを各材料に確実に打ち込むことができるとともに、エアータンク13内部の圧縮空気の空気圧を常に安定させることができ、エアータッカー16のステープル打ち込み機能(エアー工具の各機能)を連続して発揮させることができる。
【0089】
圧縮空気がエアーコンプレッサー11から連続して供給されると圧縮空気に脈動が発生し易いが、エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12によって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動を防止しつつ、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーター12からエアータンク13に連続して供給することで、一定圧の圧縮空気をエアータンク13からエアー工具に連続して供給することができ、エアータッカー16(エアー工具)を連続して正常に作動させることができるとともに、エアータッカー16のステープル打ち込み機能(エアー工具の各機能)を連続して発揮させることができる。
【0090】
エアー工具としてエアー釘打機を使用する場合、エアーコンプレッサー11において圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーター12を利用して一定の空気圧の圧縮空気をエアータンク13に供給することができ、エアータンク13から供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によってエアー釘打機から一定の圧力でネイル(釘)を打ち出すことができ、エアー釘打機を正常に作動させることができる。エアー工具作動システム10は、一定圧の圧縮空気をエアータンク13からエアー釘打機に供給することができるから、ネイル(釘)の打ち込み時に大きな打ち込み音が発生することはなく、ネイルを各材料に確実に打ち込むことができるとともに、エアータンク13内部の圧縮空気の空気圧を常に安定させることができ、エアー釘打機のネイル打ち込み機能を連続して発揮させることができる。
【0091】
エアー工具としてエアーグラインダーを使用する場合、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によってエアーグラインダーのディスクホイール(砥石)を一定の速度で回転させることができ、エアーグラインダーを正常に作動させることができるとともに、エアーグラインダーの研削・研磨機能を連続して発揮させることができる。エアー工具としてエアーサンダーを使用する場合、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によってエアーサンダーのパッドやサンディングベルトを一定の速度で回転させることができ、エアーサンダーを正常に作動させることができるとともに、エアーサンダーのサンディング機能を連続して発揮させることができる。
【0092】
エアー工具としてエアードリルドライバーやエアーインパクトドライバーを使用する場合、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によってエアードライバーのドライバービットを一定の速度で回転させることができ、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によってエアーインパクトドライバーのドライバービットを一定の速度で回転および打撃させることができ、エアードライバーやエアーインパクトドライバーを正常に作動させることができるとともに、エアードリルドライバーやエアーインパクトドライバーのネジ締め付け機能や穴開け機能を連続して発揮させることができる。エアー工具としてスプレーガンを使用する場合、エアータンク13から供給される一定圧の圧縮空気によって部材に液剤を吹き付けることができ、スプレーガンを正常に作動させることができるとともに、スプレーガンの液剤吹き付け機能を連続して発揮させることができる。
【0093】
図16は、他の一例として示すエアー工具作動システム10の構成図である。
図16のエアー工具作動システム10が
図1のエアー工具作動システム10と異なるところは、2台のエアータッカー16(複数のエアー工具)がエアータンク13に連結されている点にあり、その他の構成は
図1のシステム10と同一であるから、
図1のシステム10の説明を援用するともに、
図1と同一の符号を付すことで、
図16のエアー工具作動システム10におけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0094】
このエアー工具作動システム10は、所定圧力の圧縮空気を供給するエアーコンプレッサー11と、一定圧の圧縮空気を供給する圧力レギュレーター12(圧力制御弁)と、圧縮空気を蓄えるエアータンク13とから形成されている。それらエアータッカー16は、エアータンク13にエアーホース17によって連結されている。エアーコンプレッサー11や圧力レギュレーター12、エアータンク13は、
図1のシステム10のそれらと同一である。なお、エアータッカー16の台数に特に制限はなく、3台以上のエアータッカー16がエアータンク13に連結されていてもよい。また、このシステム10においても、エアータッカー16の他に、複数のエアー釘打機や複数のエアーグラインダー、複数のエアーサンダー、複数のエアードリルドライバー、複数のエアーインパクトドライバー、複数のエアーハンマー、複数のスプレーガン、複数のコーキングガンを作動させることができる。
【0095】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の空気圧を圧力レギュレーター12によって一定圧に減圧しつつ、圧力レギュレーター12によってエアータンク13に供給する圧縮空気の空気圧を一定に保持し、エアータンク13から各エアータッカー16(エアー工具)に一定圧の圧縮空気を供給してそれらエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持する(空気圧保持手段)。エアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12を利用して圧縮空気の空気圧をエアータッカー16の使用空気圧の範囲に応じて調整する(空気圧調整手段)。なお、圧力レギュレーター12を利用し、それらエアータッカー16(エアー工具)の使用空気圧の範囲内において圧縮空気の空気圧を微調整することができる。
【0096】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11から供給された圧縮空気の圧力変動を圧力レギュレーター12によって防止しつつ、それらエアータッカー16において圧縮空気が消費されてエアータンク13に蓄えられた圧縮空気が不足したときに、圧力レギュレーター12によって減圧した一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーター12からエアータンク13に供給する(圧縮空気供給手段)。なお、エアータッカー16において圧縮空気が連続的に消費された場合、圧縮空気をエアーコンプレッサー11から圧力レギュレーター12に連続して供給しつつ、一定圧の圧縮空気を圧力レギュレーター12からエアータンク13に連続して供給する。
【0097】
図16のエアー工具作動システム10は、圧力レギュレーター12からエアータンク13に一定圧の圧縮空気を供給し、エアータンク13から各エアータッカー16(各エアー工具)に一定圧の圧縮空気を供給してそれらエアータッカー16において使用する圧縮空気の空気圧を一定に保持するから、それらエアータッカー16に供給される圧縮空気の空気圧の圧力変動を防ぐことができ、それらエアータッカー16を一定圧の圧縮空気によって作動させることができる。
【0098】
エアー工具作動システム10は、エアーコンプレッサー11において圧縮空気に脈動が発生したとしても、圧力レギュレーター12によって圧縮空気の空気圧を一定に保持することで圧縮空気の圧力変動が防止され、エアータンク13から各エアータッカー16(各エアー工具)に供給される圧縮空気に脈動が発生することはなく、常に一定の空気圧の圧縮空気を各エアータッカー16具に供給することができるから、それらエアータッカー16に必要以上の空気圧の圧縮空気が供給されることやそれらエアータッカー16を正常に動作させることができない程度の空気圧の圧縮空気が供給されることはなく、それらエアータッカー16を正常に作動させることができるとともに、それらエアータッカー16のステープル打ち込み機能(エアー工具の各機能)を十分に発揮させることができる。