(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、上位メニューから順次そのメニューに属する下位メニューを表示し、最下位に位置する機能メニューを選択して各種の設定を行うために、ディスプレイに階層型メニューを表示する階層型メニュー表示装置が広く用いられている。
【0003】
ところで、近年のデジタル機器においては操作機器の画面上に表示するメニュー機能が複雑化し、その結果、メニュー階層が深くなると共に、同じメニュー階層内の選択肢も増加している。このため、深い階層にある所望のメニューを選択するには複雑なキー操作を何回も行わなければならない。
【0004】
そこで従来、例えば特許文献1に開示されているように、ユーザー自身が良く使うメニューを登録してユーザーメニュー(ショートカットメニュー)を作成し、作成したユーザーメニューを表示させて目的の機能メニューを選択することにより、メニュー操作の回数を減らするようにしたものがある。
【0005】
また、特許文献2には、登録した機能メニューの機能を分かり易くし、かつ、面倒な登録作業をせずにユーザーメニューを作成することが可能な階層型メニュー表示装置が提案されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の階層型メニュー表示装置を適用した生体情報モニター100の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本発明の階層型メニュー表示装置は、表示部101及び表示制御部102として具現化されている。
【0014】
生体情報モニター100は、コネクタ部110を介して、心電図を検出するための心電電極111、血圧を検出するための血圧測定用カフ112、体温を検出するための体温センサ113、SpO
2を検出するためのSpO
2センサ114、及び心拍出量を検出するための心拍出量センサ115などの生体情報検出部が接続されている。コネクタ部110は、生体情報検出部と計測処理部104との間のインタフェースとして機能する。
【0015】
計測処理部104は、記憶部105に記憶されたプログラムを実行することで、所定の計測処理を実行する。この計測処理によって、計測処理部104は、コネクタ部110に接続された生体情報検出部(心電電極111、血圧測定用カフ112、体温センサ113、SpO
2センサ114及び心拍出量センサ115)を用いて患者の生体情報を計測する。なお、上記生体情報検出部を用いた各種生体情報の計測方法については従来周知のものを適用可能であるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、計測処理部104は、過去に計測した生体情報を記憶部105に記憶させる動作、及び、記憶部105に記憶されている生体情報を読み出す動作を行うことができるようになっている。
【0016】
また、計測処理部104によって得られた生体情報は、表示制御部102を介して表示部101に計測値又は波形の形式で表示される。さらに、計測処理部104は、計測した生体情報のアラーム判定を行い、判定の結果に応じてアラームインジケータ106を制御する。
【0017】
表示部101は、例えばタッチパネル付き液晶表示器であり、生体情報を表示する表示機能を有するだけでなく、ユーザーによる入力操作を受け付ける入力部としての機能も有する。具体的には、ユーザーによる表示部101のタッチ操作によって、表示制御部102による表示部101の表示や計測処理部104の処理が変更される。
【0018】
図2−
図6は、表示部101に表示される本実施の形態による階層型の入力メニューを示す。表示部101への階層型入力メニューの表示は、表示制御部102が、記憶部103に記憶された階層型入力メニューを、表示部101のタッチ操作に応じて適宜読み出すことで行われる。
【0019】
図2は、メインの設定画面であり、画面中央にメインメニューが表示される。
図2の例では、メインメニューとして、「患者入退床」、「アラーム」、「パラメータ」、「データレビュー」、「共通設定」、「床別設定」の上位階層入力メニューが表示されている。なお、本明細書における入力メニューは、操作子と言い換えてもよい。
【0020】
各上位階層入力メニューは枠で囲われ、その枠内には各上位階層入力メニューに対応する下位階層入力メニューが表示される。図の例では、上位階層入力メニューである「患者入退床」の枠内には下位階層入力メニューである「入床」、「退床」が表示されている。上位階層入力メニューである「アラーム」の枠内には下位階層入力メニューである「基本」が表示されている。上位階層入力メニューである「データレビュー」の枠内には下位階層入力メニューである「NIBPリスト」、「リスト」が表示されている。上位階層入力メニューである「共通設定」の枠内には下位階層入力メニューである「音」が表示されている。
【0021】
上位階層入力メニューの枠内のうち、下位階層入力メニューの枠内を除く領域がタッチ操作されると、上位階層入力メニューに属する複数の下位階層入力メニューが別画面で表示される。
図2の例では、上位階層入力メニューの枠内の濃い網掛け領域が上位階層入力メニューの感応領域となっており、その濃い網掛け領域がタッチ操作されると、上位階層入力メニューに属する複数の下位階層入力メニューが別画面で表示される。
【0022】
例えば、上位階層入力メニューである「アラーム」の枠内の上位階層入力メニュー感応領域がタッチ操作されると、
図3に示すように、上位階層入力メニューである「アラーム」に属する複数の下位階層入力メニュー(「基本」、「循環」、「NIBP」、「呼吸・CO
2」、「不整脈」、「ST」、「一覧」、「詳細設定」)が表示される。そして、下位階層入力メニューのいずれかの枠内がタッチ操作されると、その下位階層入力メニューに対応した設定画面が表示される。
図3の画面において、例えば「基本」の枠内がタッチ操作されると、
図4に示すように、アラームの基本設定を行うための画面が表示される。ユーザーは、
図4の画面を操作することでアラームの基本設定を行うことができる。
【0023】
また、
図2の画面において、例えば上位階層入力メニューである「データレビュー」の枠内の上位階層入力メニュー感応領域がタッチ操作されると、
図5に示すように、上位階層入力メニューである「データレビュー」に属する複数の下位階層入力メニュー(「トレンド」、「リスト」、「リコール」、「NIBPリスト」、「ST」)が表示される。そして、下位階層入力メニューのいずれかの枠内がタッチ操作されると、その下位階層入力メニューに対応した画面が表示される。
図5の画面において、例えば「NIBPリスト」の枠内がタッチ操作されると、
図6に示すように、NIBPデータを含むデータリスト画面が表示される。
【0024】
ちなみに、
図2−
図6から分かるように、画面の中央に表示された階層型入力メニューの上方には、心電図及び心拍数(HR)などの生体情報のうちでも患者の生命にとって重要な生体情報がリアルタイム表示されている。これにより、ユーザーは階層型入力メニューを用いた設定操作を行っている間も、患者の容体の急変などを認識できる。また、階層型入力メニューの下方には、階層型メニューとは別個に、使用頻度の高い、或いは、緊急の入力操作が要求される、入力メニュー(「メニュー」、「入床」、「中断」、「計測値拡大縮小」、………)が並んで表示されている。
【0025】
さらに、画面の中央に表示された階層型入力メニューの左側方には、上向きの矢印「↑」の操作子が表示されており、ユーザーがこの操作子をタッチ操作すると、現在表示されている階層型メニューよりも1つ上位の階層型メニューが表示される。例えば、
図4の上向きの矢印「↑」がタッチ操作されると、それよりも1つ上位の階層型メニュー画像である
図3の画像が表示され、
図3の上向きの矢印「↑」がタッチ操作されると、それよりも1つ上位の階層型メニュー画像である
図2の画像が表示される。
【0026】
図2は、本実施の形態による階層型メニュー表示の特徴を最も良く表したものなので、以下
図2を用いて本実施の形態の特徴について説明する。
【0027】
本実施の形態では、複数の上位階層入力メニュー(「患者入退床」、「アラーム」、「パラメータ」、「データレビュー」、「共通設定」、「床別設定」)を同一画面に並べて表示する。また、上位階層入力メニューの枠内には、上位階層入力メニューが操作されたときに別画面で表示される複数の下位階層入力メニューの数よりも少ない数の下位階層入力メニューが表示される。例えば、
図2において、上位階層入力メニューである「アラーム」をタッチ操作すると、
図3に示すように別画面で8個の下位階層入力メニュー(「基本」、「循環」、「NIBP」、「呼吸・CO
2」、「不整脈」、「ST」、「一覧」、「詳細設定」)が表示されるのに対して、
図2の「アラーム」の枠内に表示されるのは1個の下位階層入力メニュー(「基本」)である。また、例えば、
図2において、上位階層入力メニューである「データレビュー」をタッチ操作すると、
図5に示すように別画面で5個の下位階層入力メニュー(「トレンド」、「リスト」、「リコール」、「NIBPリスト」、「ST」)が表示されるのに対して、
図2の「データレビュー」の枠内に表示されるのは2個の下位階層入力メニュー(「NIBPリスト」、「リスト」)である。
【0028】
ただし、全ての上位階層入力メニューについて、その枠内に配置される下位階層入力メニューの数が、上位階層入力メニューが操作されたときに別画面で表示される複数の下位階層入力メニューの数よりも少なくなくてもよい。例えば、上位階層入力メニューである「患者入退床」については、その枠内に配置される下位階層入力メニューは「入床」、「退床」の2つであり、「患者入退床」が操作されたときに別画面で表示される下位階層入力メニューも「入床」、「退床」の2つである。要は、少なくとも1つの上位階層入力メニューについて、その枠内に配置される下位階層入力メニューの数が、上位階層入力メニューが操作されたときに別画面で表示される複数の下位階層入力メニューの数よりも少なければよい。
【0029】
ここで、上位階層入力メニューの枠内に、どの下位階層入力メニューを表示されるかについては、操作履歴の新しい下位階層入力メニュー、又は、操作頻度の高い下位階層入力メニューを表示するとよい。例えば、上位階層入力メニューである「データレビュー」の枠内に表示されている「NIBPリスト」は前回に操作された下位階層入力メニューであり、その下に表示されている「リスト」は前々回に操作された下位階層入力メニューである。このような制御は、記憶部103に下位階層入力メニューの操作履歴や操作頻度を記憶しておくことで実現できる。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上位階層入力メニューが操作されると当該上位階層入力メニューに属する複数の下位階層入力メニュー画面を切り替えて別画面で表示し、かつ、上位階層入力メニューの枠内に下位階層入力メニューを表示し、かつ、上位階層入力メニューの枠内に配置される下位階層入力メニューの数を上位階層入力メニューが操作されたときに別画面で表示される複数の下位階層入力メニューの数よりも少なくしたことにより、目的の機能メニューを操作するまでの操作回数が少なく、かつ、上位階層入力メニューと下位階層入力メニューとの関係を直感的に分かり易く表示するができ、この結果、ユーザーが容易に機器の設定操作を行うことができる階層型メニュー表示装置を実現できる。
【0031】
本実施の形態によれば、同一画面において、上位階層入力メニューを操作することもでき、下位階層入力メニューを操作することもできる。また、上位階層入力メニューと下位階層入力メニューとの関係も一画面上で容易に見ることができる。
【0032】
特に、上述した階層型メニューの表示方法を、心電図などの生体情報を表示する生体情報モニターや心電計などの生体情報表示装置に適用すれば、リアルタイムで表示されている重要な生体情報を隠さずに、階層型の入力メニューを表示できるようになるので、好適である。つまり、上位階層入力メニューをクリック操作したときに、当該上位階層入力メニューと同一画面に当該上位階層入力メニューに属する全ての下位階層入力メニューを表示領域を拡大して表示するような従来の表示方法では、下位階層入力メニューの拡大表示領域によって生体情報が隠れてしまうおそれがある。これに対して、上述した実施の形態の階層型メニュー表示方法では、
図2に示したように、生体情報と同一画面に、上位階層入力メニューに加えて、最小限の下位階層入力メニューを固定した位置に表示する。そして、上位階層入力メニューが操作されると、当該上位階層入力メニューに属する複数の下位階層入力メニューを画面を切り替えて別画面で表示する。よって、生体情報が隠されることがない。
【0033】
なお、上述の実施の形態では、
図2に示したように、上位階層入力メニューの枠内に下位階層入力メニューを表示した場合について述べたが、これに限らず、上位階層入力メニューに近接して下位階層入力メニューを表示してもよい。要は、上位階層入力メニューとそれに属する下位階層入力メニューとの対応を容易に把握できるように、上位階層入力メニューとそれに属する下位階層入力メニューとを表示すればよい。
【0034】
また、上述の実施の形態では、表示部101がタッチパネル付き液晶表示器である場合について述べたが、表示部101がタッチパネルを有さずに入力操作をマウスやキーボードで行う場合にも適用でき、この場合にも上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、上述の実施の形態では、本発明の階層型メニュー表示装置を生体情報モニター100に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、表示部に階層型の入力メニューを表示する電子機器に広く適用可能である。
【0036】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。