特許第6555843号(P6555843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555843
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20190729BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20190729BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H01L29/78 612D
   H01L29/78 618B
   H01L29/78 617V
   H01L29/78 618A
   H01L29/78 617T
   H01L29/78 617M
   H01L29/78 616V
   G02F1/1368
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-518458(P2018-518458)
(86)(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公表番号】特表2018-533211(P2018-533211A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】CN2015092357
(87)【国際公開番号】WO2017059607
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2018年4月9日
(31)【優先権主張番号】201510655501.8
(32)【優先日】2015年10月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010618
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石 龍強
【審査官】 岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0175443(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103413811(CN,A)
【文献】 特開平08−036192(JP,A)
【文献】 特開平03−241775(JP,A)
【文献】 特開平04−026825(JP,A)
【文献】 特開2011−100997(JP,A)
【文献】 特開2012−084859(JP,A)
【文献】 特開2013−149961(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0084266(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0061665(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0161609(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0254279(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104157609(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103021944(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板の製造方法であって、前記方法は、
基板を提供し、前記基板上に第1金属層を堆積し、第1フォトマスクにより前記第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、
前記ゲート及び前記第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップと、
前記ゲート絶縁層上に半導体層を堆積し、第2フォトマスクにより前記半導体層及び前記ゲート絶縁層をパターン化して、前記第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、
前記ゲート及び前記第1導体により前記半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップであって、前記第1チャネル領域は前記ゲートの上方に対応して位置し、前記第2チャネル領域は前記第1導体の上方に対応して位置するステップと、
前記第1チャネル領域及び前記第2チャネル領域上に第2金属層を堆積し、第3フォトマスクにより前記第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップであって、前記ソース、ドレインはそれぞれ前記第1チャネル領域と接触し、前記第2導体は、前記第2チャネル領域と接触し、且つ前記貫通孔を介して前記第1導体と接触するステップと、を含み、
第2フォトマスクにより前記半導体層及び前記ゲート絶縁層をパターン化して、前記第1導体を露出する貫通孔を形成する前記ステップでは、
前記半導体層上に第1フォトレジスト層を塗布し、
第2フォトマスクを介して前記第1フォトレジスト層を前面から露光し現像し、
現像された前記第1フォトレジスト層、半導体層、ゲート絶縁層を湿式エッチングし、
湿式エッチングされた前記第1フォトレジスト層を剥離して、前記半導体層、ゲート絶縁層において、前記第1導体を露出する貫通孔を形成しており、
前記ゲート及び前記第1導体により前記半導体層をパターン化して、第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する前記ステップでは、
前記半導体層上に第2フォトレジスト層を塗布し、
前記ゲート及び前記第1導体を介して、前記第2フォトレジスト層を背面から露光し現像し、
現像された前記第2フォトレジスト層、半導体層を湿式エッチングし、
湿式エッチングされた前記第2フォトレジスト層を剥離して、前記半導体層において第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ゲート及び前記第1導体上にゲート絶縁層を堆積する前記ステップでは、
前記ゲート及び前記第1導体上において、プラズマ強化化学気相成長法によりゲート絶縁層を堆積しており、
前記ゲート絶縁層上に半導体層を堆積する前記ステップでは、
前記ゲート絶縁層上において、物理的気相成長法により半導体層を堆積する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アレイ基板の製造方法であって、前記方法は、
基板を提供し、前記基板上に第1金属層を堆積し、第1フォトマスクにより前記第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、
前記ゲート及び前記第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップと、
前記ゲート絶縁層上に半導体層を堆積し、第2フォトマスクにより前記半導体層及び前記ゲート絶縁層をパターン化して、前記第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、
前記ゲート及び前記第1導体により前記半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップであって、前記第1チャネル領域は前記ゲートの上方に対応して位置し、前記第2チャネル領域は前記第1導体の上方に対応して位置するステップと、
前記第1チャネル領域及び前記第2チャネル領域上に第2金属層を堆積し、第3フォトマスクにより前記第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップであって、前記ソース、ドレインはそれぞれ前記第1チャネル領域と接触し、前記第2導体は、前記第2チャネル領域と接触し、且つ前記貫通孔を介して前記第1導体と接触するステップと、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記ゲート及び前記第1導体上にゲート絶縁層を堆積する前記ステップでは、
前記ゲート及び前記第1導体上において、プラズマ強化化学気相成長法によりゲート絶縁層を堆積しており、
前記ゲート絶縁層上に半導体層を堆積する前記ステップでは、
前記ゲート絶縁層上において、物理的気相成長法により半導体層を堆積する、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2フォトマスクにより前記半導体層及び前記ゲート絶縁層をパターン化して、前記第1導体を露出する貫通孔を形成する前記ステップでは、
前記半導体層上に第1フォトレジスト層を塗布し、
第2フォトマスクを介して前記第1フォトレジスト層を前面から露光し現像し、
現像された前記第1フォトレジスト層、半導体層、ゲート絶縁層を湿式エッチングし、
湿式エッチングされた前記第1フォトレジスト層を剥離して、前記半導体層、ゲート絶縁層において、前記第1導体を露出する貫通孔を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲート及び前記第1導体により前記半導体層をパターン化して、第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する前記ステップでは、
前記半導体層上に第2フォトレジスト層を塗布し、
前記ゲート及び前記第1導体を介して、前記第2フォトレジスト層を背面から露光し現像し、
現像された前記第2フォトレジスト層、半導体層を湿式エッチングし、
湿式エッチングされた前記第2フォトレジスト層を剥離して、前記半導体層において第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
から上に順に配置された基板、第1金属層、ゲート絶縁層、半導体層及び第2金属層を含むアレイ基板であって
前記第1金属層は、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を含み、前記半導体層は、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を含み、前記第2金属層は、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を含み、
前記第1チャネル領域は、前記ゲートの形状に対応した形状を有し、前記ゲートの領域内で前記ゲートの上方に位置し、前記第2チャネル領域は、前記第1導体の形状に対応した形状を有し、前記第1導体の領域内で前記第1導体の上方に位置し、
前記ソース、ドレインはそれぞれ前記第1チャネル領域と接触し、前記第2導体は、前記第2チャネル領域と接触し、且つ貫通孔を介して前記第1導体と接触し、
前記第1チャネル領域および前記第2チャネル領域の各サイズは、それぞれ、前記ゲートおよび前記第1導体のサイズと実質的に同じである、
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項10】
前記第2チャネル領域は、第1チャネル部及び第2チャネル部を含み、前記第1チャネル部及び前記第2チャネル部は、前記貫通孔の両側に配置され、前記第2導体は、前記第1チャネル部、貫通孔及び第2チャネル部を覆う、ことを特徴とする請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1金属層及び第2金属層の材料は銅、アルミニウム又はモリブデンである、ことを特徴とする請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記ゲート絶縁層の材料は酸化ケイ素又は窒化ケイ素である、ことを特徴とする請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である、ことを特徴とする請求項9に記載のアレイ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶の分野に関し、特にアレイ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックスディスプレイ(Active Matrix Liquid Crystal Display、AMLCD)又はアクティブマトリクス有機発光ダイオード(Active−matrix organic light emitting diode、AMOLED)ディスプレイには、ディスプレイの狭額縁効果を実現するために、アレイ基板行駆動(Gate Driver on Array、GOA)の技術が一般に使用される。
【0003】
GOA技術では、アレイ基板の生産プロセスにおいて、間隔をおいて配置された2つの金属層を設計すると同時に、アレイ基板のゲート絶縁層を跨いで2つの金属層をブリッジする必要があるため、比較的簡単な方法で2つの金属層をブリッジしてアレイ基板の生産効率を向上させることは、解決すべき課題である。また、2つの金属層をブリッジするためには、アレイ基板の生産プロセスにおいて、2つの異なるフォトマスクにより半導体層とゲート絶縁層をそれぞれパターン化する必要があるため、アレイ基板の生産コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が主に解決する技術的課題は、1つのフォトマスクを使用して半導体層及びゲート絶縁層をパターン化することで、アレイ基板の生産コストを低減させることができるとともに、比較的簡単な方法でアレイ基板における2つの金属層をブリッジして、アレイ基板の生産効率を向上させることができるアレイ基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する1つの技術方案は、アレイ基板の製造方法を提供することである。この方法は、基板を提供し、基板上に第1金属層を堆積し、第1フォトマスクにより第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップと、ゲート絶縁層上に半導体層を堆積し、第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップであって、第1チャネル領域はゲートの上方に対応して位置し、第2チャネル領域は第1導体の上方に対応して位置するステップと、第1チャネル領域及び第2チャネル領域上に第2金属層を堆積し、第3フォトマスクにより第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップであって、ソース、ドレインはそれぞれ第1チャネル領域と接触し、第2導体は、第2チャネル領域と接触し、且つ貫通孔を介して第1導体と接触するステップと、を含む。第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップでは、半導体層上に第1フォトレジスト層を塗布し、第2フォトマスクを介して第1フォトレジスト層を前面から露光し現像し、現像された第1フォトレジスト層、半導体層、ゲート絶縁層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第1フォトレジスト層を剥離して、半導体層、ゲート絶縁層において、第1導体を露出する貫通孔を形成する。ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップでは、半導体層上に第2フォトレジスト層を塗布し、ゲート及び第1導体を介して、第2フォトレジスト層を背面から露光し現像し、現像された第2フォトレジスト層、半導体層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第2フォトレジスト層を剥離して、半導体層において第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する。
【0006】
ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップでは、ゲート及び第1導体上において、プラズマ強化化学気相成長法によりゲート絶縁層を堆積する。ゲート絶縁層上に半導体層を堆積するステップでは、ゲート絶縁層上において、物理的気相成長法により半導体層を堆積する。
【0007】
半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である。
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する別の技術方案は、アレイ基板の製造方法を提供することである。この方法は、基板を提供し、基板上に第1金属層を堆積し、第1フォトマスクにより第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップと、ゲート絶縁層上に半導体層を堆積し、第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップであって、第1チャネル領域はゲートの上方に対応して位置し、第2チャネル領域は第1導体の上方に対応して位置するステップと、第1チャネル領域及び第2チャネル領域上に第2金属層を堆積し、第3フォトマスクにより第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップであって、ソース、ドレインはそれぞれ第1チャネル領域と接触し、第2導体は、第2チャネル領域と接触し、且つ貫通孔を介して第1導体と接触するステップと、を含む。
【0009】
ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップでは、ゲート及び第1導体上において、プラズマ強化化学気相成長法によりゲート絶縁層を堆積する。ゲート絶縁層上に半導体層を堆積するステップでは、ゲート絶縁層上において、物理的気相成長法により半導体層を堆積する。
【0010】
第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップでは、半導体層上に第1フォトレジスト層を塗布し、第2フォトマスクを介して第1フォトレジスト層を前面から露光し現像し、現像された第1フォトレジスト層、半導体層、ゲート絶縁層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第1フォトレジスト層を剥離して、半導体層、ゲート絶縁層において、第1導体を露出する貫通孔を形成する。
【0011】
ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップでは、半導体層上に第2フォトレジスト層を塗布し、ゲート及び第1導体を介して、第2フォトレジスト層を背面から露光し現像し、現像された第2フォトレジスト層、半導体層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第2フォトレジスト層を剥離して、半導体層において第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する。
【0012】
半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である。
【0013】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する他の技術方案は、アレイ基板を提供することである。このアレイ基板は、下から上に順に配置された基板、第1金属層、ゲート絶縁層、半導体層及び第2金属層を含む。第1金属層は、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を含む。半導体層は、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を含む。第2金属層は、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を含む。
【0014】
第1チャネル領域は、ゲートの上方に対応して位置し、第2チャネル領域は、第1導体の上方に対応して位置する。
ソース、ドレインはそれぞれ第1チャネル領域と接触する。第2導体は、第2チャネル領域と接触し、且つ貫通孔を介して第1導体と接触する。
前記ゲート絶縁層及び前記半導体層は、1つのフォトマスクによりパターン化される。
【0015】
第2チャネル領域は、第1チャネル部及び第2チャネル部を含む。第1チャネル部及び第2チャネル部は、貫通孔の両側に配置される。第2導体は、第1チャネル部、貫通孔及び第2チャネル部を覆う。
【0016】
第1金属層及び第2金属層の材料は銅、アルミニウム又はモリブデンである。
【0017】
ゲート絶縁層の材料は酸化ケイ素又は窒化ケイ素である。
【0018】
半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明のアレイ基板及びその製造方法は、第1フォトマスクにより第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップと、第3フォトマスクにより第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップと、を含む。第2導体は、貫通孔を介して第1導体と接触する。上記方法により、本発明は1つのフォトマスクを使用して半導体層及びゲート絶縁層をパターン化することで、アレイ基板の生産コストを低減させる一方、本発明は比較的簡単な方法で第1導体及び第2導体をブリッジして、アレイ基板の生産効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施例に係るアレイ基板の製造方法のフローチャートである。
図2A-2G】図2A−2Gは、図1に示される製造方法の製造プロセス中のアレイ基板の構造模式図である。
図3図3は、図1に示される製造方法により製造されたアレイ基板の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
明細書及び特許請求の範囲では、特定の構成要素を称するために、ある用語が使用されるが、当業者であれば、メーカーは異なる用語を用いて同じ構成要素を称する可能性があると理解するであろう。本明細書及び特許請求の範囲は、名称の相違を構成要素の区別手段とせずに、構成要素の機能の違いを区別の基準とする。以下、添付の図面及び実施例を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係るアレイ基板の製造方法のフローチャートである。図2A〜2Gは、図1に示される製造方法の製造プロセス中のアレイ基板の構造模式図である。実質的に同じ結果が得られれば、本発明の方法は図1に示されるフロー順序に限定されないことに留意されたい。図1に示されるように、この方法はステップS101〜ステップS105を含む。
ステップS101では、基板を提供し、基板上に第1金属層を堆積し、第1フォトマスクにより第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成する。
【0023】
ステップS101では、基板はガラス基板であることが好ましく、第1金属層の材料は銅、アルミニウム又はモリブデンであることが好ましい。
図2Aを参照する。図2Aは、基板10に堆積された第1金属層が第1フォトマスクされて得られたゲート21及び第1導体22の断面構造模式図である。
【0024】
ステップS102では、ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積する。
【0025】
ステップS102では、ゲート及び第1導体上にゲート絶縁層を堆積するステップは、具体的に、ゲート及び第1導体上において、プラズマ強化化学気相成長法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVD)により、ゲート絶縁層を堆積することである。好ましくは、ゲート絶縁層の材料は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素である。
【0026】
ステップS103では、ゲート絶縁層上に半導体層を堆積し、第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成する。
【0027】
ステップS103では、ゲート絶縁層上に半導体層を堆積するステップは、具体的に、ゲート絶縁層上において、物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition、PVD)により、半導体層を堆積することである。好ましくは、半導体層の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide、IGZO)である。
【0028】
第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップでは、半導体層上に第1フォトレジスト層を塗布し、第2フォトマスクを介して第1フォトレジスト層を前面から露光し現像し、現像された第1フォトレジスト層、半導体層、ゲート絶縁層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第1フォトレジスト層を剥離して、半導体層、ゲート絶縁層において、第1導体を露出する貫通孔を形成する。
【0029】
図2B、2C、2Dを参照する。図2Bは、第1フォトレジスト層41が塗布された基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、半導体層40の断面構造模式図である。図2Cは、第2フォトマスクを介して第1フォトレジスト層41を前面から露光し現像した後の基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、半導体層40及び第1フォトレジスト層41の断面構造模式図である。図2Dは、湿式エッチングされた第1フォトレジスト層41を剥離した後の基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、半導体層40、及び第1導体22を露出する貫通孔23の断面構造模式図である。
【0030】
ステップS104では、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成する。
【0031】
ステップS104では、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップは、具体的に、半導体層上に第2フォトレジスト層を塗布し、ゲート及び第1導体を介して、第2フォトレジスト層を背面から露光し現像し、現像された第2フォトレジスト層、半導体層を湿式エッチングし、湿式エッチングされた第2フォトレジスト層を剥離して、半導体層において第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成することである。当業者は、ステップS104において、ゲート及び第1導体が1つのフォトマスクとして利用されて、アレイ基板生産中のフォトマスクの使用が減少し、アレイ基板の生産コストが低減することを理解すべきである。
【0032】
第1チャネル領域は、ゲートの上方に位置し、第2チャネル領域は、第1導体の上方に位置する。
【0033】
図2E、2F、2Gを参照する。図2Eは、第2フォトレジスト層42が塗布された基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、半導体層40の断面構造模式図である。図2Fは、ゲート及び第1導体を介して第2フォトレジスト層42を背面から露光し現像した後の基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、半導体層40及び第2フォトレジスト層42の断面構造模式図である。図2Gは、湿式エッチングされた第2フォトレジスト層42を剥離した後の基板10、ゲート21、第1導体22、ゲート絶縁層30、第1チャネル領域43、第2チャネル領域44の断面構造模式図である。
【0034】
ステップS105では、第1チャネル領域及び第2チャネル領域上に第2金属層を堆積し、第3フォトマスクにより第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成する。第2導体は、貫通孔を介して第1導体と接触する。
【0035】
ステップS105では、第1チャネル領域及び第2チャネル領域に第2金属層を堆積するステップは、具体的に、第1チャネル領域及び第2チャネル領域上において、物理的気相成長法により第2金属層を堆積することである。好ましくは、第2金属層の材料は銅、アルミニウム又はモリブデンである。
【0036】
本実施例では、第1金属層の材料は第2金属層の材料と異なる。他の実施例では、第1金属層の材料は第2金属層の材料と同じであってもよい。
【0037】
本実施例では、ソース、ドレインはそれぞれ第1チャネル領域と接触し、第2導体は第2チャネル領域と接触する。他の実施例では、第1チャネル領域のみが存在してもよく、第2導体は直接的に貫通孔を介して第1導体と接触する。
【0038】
図3を参照する。図3は、図1に示される製造方法により製造されたアレイ基板の構造模式図である。図3に示されるように、アレイ基板は、下から上に順に配置された基板10、第1金属層、ゲート絶縁層30、半導体層及び第2金属層を含む。
【0039】
第1金属層は、間隔をおいて配置されたゲート21及び第1導体22を含む。半導体層は、間隔をおいて配置された第1チャネル領域43及び第2チャネル領域44を含む。第2金属層は、間隔をおいて配置されたソース51、ドレイン52及び第2導体53を含む。
【0040】
第1チャネル領域43は、ゲート21の上方に対応して位置し、第2チャネル領域44は、第1導体22の上方に対応して位置する。ソース51、ドレイン52はそれぞれ第1チャネル領域43と接触する。第2導体53は、第2チャネル領域44と接触し、且つ貫通孔を介して第1導体22と接触する。
【0041】
貫通孔23は、1つのフォトマスクによりゲート絶縁層30及び半導体層をパターン化して得られる。
【0042】
即ち、ゲート絶縁層30及び半導体層は、1つのフォトマスクによりパターン化される。
【0043】
好ましくは、第2チャネル領域44は、第1チャネル部441及び第2チャネル部442を含み、第1チャネル部441及び第2チャネル部442は、貫通孔23の両側に配置され、第2導体53は第1チャネル部441、貫通孔23及び第2チャネル部442を覆う。
【0044】
好ましくは、第1金属層に位置するゲート21及び第1導体22、並びに第2金属層に位置するソース51、ドレイン52及び第2導体53の材料は銅、アルミニウム又はモリブデンである。
【0045】
好ましくは、ゲート絶縁層30の材料は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素である。
【0046】
好ましくは、半導体層に位置する第1チャネル領域43及び第2チャネル領域44の材料は、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物である。
【0047】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明のアレイ基板及びその製造方法は、第1フォトマスクにより第1金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたゲート及び第1導体を形成するステップと、第2フォトマスクにより半導体層及びゲート絶縁層をパターン化して、第1導体を露出する貫通孔を形成するステップと、ゲート及び第1導体により半導体層をパターン化して、間隔をおいて配置された第1チャネル領域及び第2チャネル領域を形成するステップと、第3フォトマスクにより第2金属層をパターン化して、間隔をおいて配置されたソース、ドレイン及び第2導体を形成するステップと、を含む。第2導体は、貫通孔を介して第1導体と接触する。上記方法により、本発明は1つのフォトマスクを使用して半導体層及びゲート絶縁層をパターン化することができ、アレイ基板の生産コストを低減させる一方、本発明は比較的簡単な方法で第1導体及び第2導体をブリッジして、アレイ基板の生産効率を向上させることができる。
【0048】
以上の説明は本発明に係る実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3