特許第6555846号(P6555846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555846
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】シール糊除去ペーパー
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/17 20060101AFI20190729BHJP
   C11D 7/50 20060101ALI20190729BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   A47L13/17 A
   C11D7/50
   C11D17/04
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-211974(P2013-211974)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-73738(P2015-73738A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年8月26日
【審判番号】不服2018-4930(P2018-4930/J1)
【審判請求日】2018年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591086854
【氏名又は名称】株式会社テクノメデイカ
(74)【代理人】
【識別番号】100064388
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】川名 祐司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 舞
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 堀川 一郎
【審判官】 上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−214195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糊剥離物質及び溶剤を含有するシール糊除去剤を不織布に含浸させてなる、シール糊除去ペーパーであって、
前記糊剥離物質は、d−リモネンであり、
前記溶剤は、炭素原子数1ないし6の脂肪族アルコール又は酢酸エステルであり、且つ
前記シール糊除去剤に対して、前記糊剥離物質を2ないし15質量%の範囲で含有していることを特徴とする、前記シール糊除去ペーパー。
【請求項2】
前記不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシール糊除去ペーパー。
【請求項3】
前記溶剤はエチルアルコールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシール糊除去ペーパー。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルシールの貼付装置のシールローラに付着したシール糊を除去し得るペーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルシールの貼り付けは個体識別を行うことを目的として多くの場面で利用されている方法である。ラベルシールを貼り付けるには、剥離紙に貼り付けられたラベルをはがし取り、それを貼り付け対象物に貼り付ける必要がある。剥離紙に貼り付けられたラベルシールは、剥離紙に応力を掛けることで浮かし、浮いた部分を起点としてラベルシールをはがし取る。その際に、ローラに転写させてはがし取る工程を取られる場合が多くあり、転写を繰り返すことで徐々にラベルシールの糊がローラに残り、転写不良を起こすトラブルの原因となっている。そのために、定期的なローラの清掃が必要になっている。
【0003】
一方で、薬剤を含浸させて成る不織布から成る、汚れ除去を目的とした種々のシートに係る発明が開示されている。例えば、特許文献1は、台所周りでの油汚れの洗浄に用いる清掃用シートを開示している。この特許文献1に記載の発明は、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリンモノラウリン酸エステルを精製水に溶解させた薬剤を、アクリル樹脂性繊維から構成される不織布に含浸させて得た清掃用シートを用いて、油汚れ落とし性、拭き残り性及び手触りなどについて試験評価を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−16560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ローラ部に糊が付着することにより生じる転写不良のトラブルを回避するために、従来はアルコール綿やシンナー、市販の糊はがし液等の溶剤を使用して、ローラを清掃していた。これら溶剤は糊の成分を溶解することを目的としていることから、糊を溶かす作用を有していることが一般的である。
しかしながらそのため、アルコール綿を用いてローラ部を清掃した場合には、一時的に表面上の糊が取れたように見えても、実際は溶解した糊がまだローラ部に付着しており、これが固着することによって、その後のラベル貼り付けエラーが発生してしまうこととなる。その結果、シンナーや糊はがし液等の浸透潤滑剤(溶剤)などを用いてローラ部をさらにクリーニングすることになり、安全性や清掃後の廃棄等の手間、負担が増えることになってしまう。
また、特許文献1が開示するようなシートは、油汚れの清掃を目的としたもののため、シール糊を溶解する能力が十分でなく、現場において、効率よくシール糊を除去することが困難である。
【0006】
作業現場においては、作業効率化のため、短時間で、手軽に、且つ確実に、ローラに付着したシール糊を除去し得る手段が求められている。それにもかかわらず、シール糊の除去剤として、一方では、糊の成分を溶解する性質が強すぎると、溶剤が乾燥する前に拭きとらなければローラ部に糊が残ったままになってしまう問題点を生じる事になるし、他方では、溶解する性質が弱いと、糊をはがし取るのに時間と手間を要し、きれいに取り除くことが困難であるという、相反した課題が生じていたため、このような課題を解決し得る手段が達成されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで以上の点に鑑み、本発明者らは鋭意研究した結果、シール糊を適度に溶解し得る糊剥離物質及び当該糊剥離物質を溶解させ得る溶剤を含有するシール糊除去剤を不織布に含浸させてなるシール糊除去ペーパーが、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、糊剥離物質及び溶剤を含有するシール糊除去剤を不織布に含浸させてなる、シール糊除去ペーパーであって、
前記糊剥離物質は、テルペン又はミネラルオイルであり、
前記溶剤は、炭素原子数1ないし6の脂肪族アルコール又は酢酸エステルであり、且つ
前記シール糊除去剤に対して、前記糊剥離物質を2ないし15質量%の範囲で含有していることを特徴とする、前記シール糊除去ペーパーに関する。
本発明の好ましい態様は、前記不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されることを特徴とする。
本発明の別の好ましい態様は、前記テルペンがd−リモネンであることを特徴とする。
本発明のさらに別の好ましい態様は、前記溶剤がエチルアルコールであることを特徴とする。
【0008】
本発明において、糊剥離物質と溶剤を含有するシール糊除去剤は、シール糊の中に浸透し、付着物から浮き上がらせると同時に、糊成分を凝集させる効果を有する。したがって、シール糊除去剤が対象物に浸されると糊成分はダマ状になる。ダマ状になった糊成分はそのままでは糊付着物に固着するか、ぼろぼろと剥がれ落ちる。つまり、ダマとして糊を除去する手段のため、糊を完全に溶解させる手段と異なり、除去後に見えない糊が残存するおそれを防止することができる。
本発明のもう一つの特徴は、上記のとおりダマ状になった糊成分を取り込む構造を有する繊維状の不織布をシール糊除去ペーパーの母材に使用することにある。この母材のペーパーに取り込まれることにより、糊付着物に残って固着することがなく、またぼろぼろと剥がれ落ちて、剥がれ落ちた糊成分をさらに清掃する必要がない。
【0009】
ここで、本発明にいう「糊」とは、対象物にシールを貼付するのに用いられる粘着剤をいう。例えば、合成樹脂系又は天然系などのラベル糊に使用される糊材料が挙げられる。より具体的には、合成系の樹脂では、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シアノアクリレート樹脂、シリコーン系樹脂、ニトロセルロース樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン樹脂が挙げられ、そして、天然系の樹脂では、アラビアガム、ラテックスゴム、膠、松やにを糊材料としたもので使用でき、アルブミンやフィブリン、でんぷんのような易水溶性糊が挙げられる。
【0010】
本発明にいう「糊剥離物質」とは、上記の「糊」を、それが付着した対象物から確実に除去し得る程度に、適度に溶解し若しくは軟化させることのできる物質をいう。言い換えると、糊剥離物質とは、糊と類似構造を有する化合物であって、当該糊を適度に溶解させることができ、糊成分の除去の際には糊材料に浸透し、分解して表面上に浮き立たせ、糊を落とす作用を有する。
【0011】
本発明の糊剥離物質として例えば、テルペン系化合物を挙げることができる。好ましくはリモネンであり、より具体的にはd−体、l−体、d/l体のリモネンである。入手しやすいd−体が実用的である。
相溶性を考える時に、分子構造が似ている者同士のほうが似ていないものよりよく溶ける。この点、ラベル糊の成分とリモネンの分子構造は非常によく似ているため、混ざると自然に溶け合うため、好ましい。また、リモネンは天然オレンジオイルから生まれた人と地球環境にやさしいのに超強力な汚れはがし剤である。100%有機質・生分解性であり、トルエン、キシレン、ベンゼンに替わることができ、金属などに対し非腐食性をもつ特徴を有するため、さらに好ましい。
また、本発明の糊剥離物質として、ミネラルオイルが挙げられる。ミネラルオイルは化粧品の成分としても用いられるなど、安全性の面で実績のある成分であり、好ましい。
【0012】
糊剥離物質のシール糊除去剤に対する含有量は、2質量%〜50質量%である。2質量%未満であると、糊を除去する能力が不十分であり、50質量%を超えると、シールが付着した対象物、特にローラ自体を変質させるおそれがある。
好ましくは、質量%〜15質量%である。この範囲内において糊剥離物質を含有したシール糊除去剤が不織布に含浸したシール糊除去ペーパーは、シール糊を剥離する効果が最良となる。
【0013】
本発明において用いられる溶剤は、糊剥離物質を溶解し得るものから選択されるが、作業員の健康を考慮して比較的毒性の低いものが好ましい。例えば、炭素原子数1ないし6の脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル2−プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール等が挙げられる。その中でも、エチルアルコール及びイソプロパノールが好ましく、エチルアルコールがより好ましい。
若しくは、酢酸エステル例えば酢酸エチルなどの溶剤であってもよい。
溶剤は、無水であってもよいし、或いは、清掃中の時間を確保する目的で蒸発、乾燥を遅らせるために、保水性、乾燥遅延のため、水を含有していてもよい。
【0014】
本発明において、シール糊除去剤を含浸させる不織布は、シール糊除去剤の作用によって、対象物から剥離し及びダマとなった糊を、取り込む、付着させる、拭き取る、若しくは擦り取ることのできる、好ましくは、吸着し及び包埋し得ることのできる材質及び特性を有する。
例えば、コットン、テンセル(登録商標)、アクリル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維又はレーヨン繊維等の天然又は合成樹脂系の繊維を挙げることができる。
【0015】
本発明のシール糊除去ペーパーは、比較的容易に製造することができる。
例えば、糊剥離物質を適当な溶剤中に溶解させて得たシール糊除去剤に対して、所定の寸法に裁断した不織布を含浸させて、製造することができる。このとき、不織布の全体に対してシール糊除去剤がまんべんなく含浸するように製造するとよい。そして製造後には、シール糊除去剤が蒸発しないよう、適当な密閉容器等に保管され、その後、現場において必要に応じて取り出して使用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシール糊除去ペーパーは、作業員による簡単な手作業で、ラベルシールの貼付装置のシールローラに付着したシール糊をダマ状の塊と化して除去できるため、比較的手軽に、且つ確実に除去し得る。そのため、作業現場において何ら特殊な洗浄器具を用いる工程を必要としないため、作業効率の向上につながるという利点を有する。
また、シール糊除去ペーパーの母材である不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されることによって、ダマ状となったシール糊を素早く効率的に除去し得る。
また、シール糊除去剤に対して糊剥離物質を5質量%〜30質量%含有することによって、シール糊をより確実に除去し得る。
また、糊剥離物質として、テルペン特にリモネン又はミネラルオイルを用いれば、より環境に優しいシール糊除去ペーパーとなり得る。
さらにまた、溶剤として入手しやすく、且つ、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の他の有機溶剤と比較して安全性の高い成分であるエチルアルコールを用いることによって、糊の除去を行う作業員の健康上、好ましいという利点をも有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をより具体的に説明するが、下記実施例は、本発明を必要以上に限定解釈することを目的として記載するのではない点に留意されるべきである。
【0018】
(実施例1)
溶剤として無水エタノール(日本薬局方)に対して、糊剥離物質としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を、溶液全体として2質量%となるよう溶解して、シール糊除去剤を得た。次に、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量の2倍質量の前記シール糊除去剤を含浸させて、本発明のシール糊除去ペーパー1を作製した。
【0019】
(実施例2)
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を5質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー2を得た。
【0020】
(実施例3)
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー3を得た。
【0021】
(実施例4)
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を10質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー4を得た。
【0022】
(実施例5)
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を15質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー5を得た。
【0024】
(実施例7)
溶剤として無水メタノール(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー7を得た。
【0025】
(実施例8)
溶剤としてイソプロパノール(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー8を得た。
【0026】
(実施例9)
溶剤として酢酸エチル(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー9を得た。
【0027】
(比較例1)
溶剤として無水エタノール(日本薬局方)に対して、d−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を、溶液全体として1質量%となるよう溶解して、薬剤を得た。次に、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例1の清掃用ペーパーを作製した。
【0028】
(比較例2)
70%エチルアルコールを、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例2の清掃用ペーパーを作製した。
【0029】
(比較例3)
90%エチルアルコールを、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例3の清掃用ペーパーを作製した。
【0030】
(比較例4)
無水エタノール(日本薬局方)を、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例4の清掃用ペーパーを作製した。
【0031】
(比較例5)
トリグリセリンモノラウリン酸エステル5質量%及びグリセリンモノラウリン酸エステル1質量%となるように精製水に溶解させ、得られた薬液を、レーヨンを主体とする不織布に対し、2倍質量となるよう含浸させ、比較例5の清掃用ペーパーを得た。
【0032】
(試験例)シール糊の除去試験
耐アルコール合成紙ラベル糊(テクノメディカ社製;アクリル樹脂)を、シールローラに10mm×35mmの領域で貼付した。なお、当然ながら、各試験とも、糊の厚さは全て均一とした。
次に、実施例1〜9及び比較例1〜5の各々のペーパーを用いて、作業員の手によって30秒間、一定のリズム及び一定の力で、糊が貼付した領域を拭き取ることにより糊の除去を行った。
除去作業の1分後において、溶剤が蒸発した頃を見計らい、糊が貼付した領域の糊の残存具合を、糊の剥がれ具合、及び、糊がダマ状になって剥がれたか否か、の2項目について、観察した。
このうち、糊の剥がれ具合については、◎(糊がきれいに除去された)、○(糊が僅かに残った)、△(糊がまばらに残存した)、×(糊が殆ど除去されなかった)の4段階で評価した。
また、糊がダマ状になって剥がれたか否かについては、○(ダマ状を形成した)及び×(ダマを形成しなかった)で評価した。
【0033】
結果を下記表1に示す。
【表1】

【0034】
試験例より、本発明のシール糊除去ペーパーは、シール糊を適度に溶解することにより剥がすことができるとともに、糊をダマ状として剥がし得るものであるため、糊を完全に溶解させる手段と異なり、除去後に見えない糊が残存するおそれを防止することができるものといえる。それとともに、比較的手軽に、且つ確実にシール糊を除去し得るため、作業現場において何ら特殊な洗浄器具を用いる工程を必要としないため、作業効率の向上につながるということができる。