特許第6555871号(P6555871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555871
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】キッチン用シンク
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/18 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
   E03C1/18
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-223497(P2014-223497)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-89432(P2016-89432A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】間辺 慎一郎
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−241971(JP,A)
【文献】 特開昭62−148733(JP,A)
【文献】 実公昭43−012290(JP,Y1)
【文献】 特開2003−117423(JP,A)
【文献】 特開昭62−148734(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01367185(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12−1/232
A47B 77/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に平坦に傾斜する底面と、
シンクの左右どちらか一方の端に接する位置に配置された排水口と、
シンクの他方の端に寄った位置に配置された水栓と、
前記シンクの手前端に沿って前記排水口が設けられている側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜領域と、
を備えていることを特徴とするキッチン用シンク。
【請求項2】
前記排水口はシンクの手前端より奥まった位置に配置されていて、
当該シンクは、さらに、前記シンクの側端に沿ってシンクの手前端から前記排水口まで連続する誘導溝を備えていることを特徴とする請求項1に記載のキッチン用シンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチン等のキッチンキャビネットに組み込まれるキッチン用シンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からキッチンでは、キッチンキャビネットにシンクが一体に組み込まれていて、かかるシンクにおいて食材の調理や食器の洗浄が行われる。例えば特許文献1に開示されているキッチンシンクでは、排水口側が低くなるようにシンク底面を傾斜させている。これにより、洗浄時の水が排水口に向かってシンク底面を流れていくため、水捌けの向上を図ることができ、ひいては作業性を高めることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−303170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、調理中、キッチンの調理スペースには調理器具や食器等が置かれるため、洗浄した食材を置くスペースがなくなってしまうことがある。そこで、洗浄した食材をシンク内に置いておきたいという要望があるが、この場合、シンクにおいて水に濡れない領域が必要となる。特許文献1のような従来のシンクであると、シンクの手前側の領域には水に濡れないスペースがあるが、この領域はキッチンでの作業中に使用頻度が高い領域であるため、ここに洗浄後の食材を載置すると作業効率の低下を招いてしまう。一方、シンクの奥側の領域すなわち使用頻度が低い領域は排水口に向かって水が流れてくるため、ここに洗浄後の食材を載置することはできない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、シンクの底面のスペースを有効活用することができ、キッチンでの作業効率をより高めることが可能なキッチン用シンクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかるキッチン用シンクの代表的な構成は、奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に平坦に傾斜する底面と、シンクの左右どちらか一方の端に接する位置に配置された排水口と、シンクの他方の端に寄った位置に配置された水栓と、シンクの手前端に沿って排水口が設けられている側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜領域と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、底面が手前側に向かうにしたがって下方に平坦に傾斜していることにより、水栓からの水は底面を手前側に向かって流れて傾斜領域に至る。そして、傾斜領域に至った水は、そこを経由して排水口に導かれる。このとき、底面が手前側に向かって傾斜していることにより、水栓から流れた水は、底面の水栓近傍の領域から傾斜領域に向かって流れるため、底面の奥側の水栓から離れている領域、すなわちシンクの他方に端に寄って配置された排水口側の領域へ水が流れることがない。これにより、底面のうち、奥側の排水口寄りの領域が水に濡れないスペースとなるため、洗浄後の食材を載置することができる。したがって、上記構成によれば、シンクの底面のスペースを有効活用し、キッチンでの作業効率を高めることが可能となる。
【0008】
上記排水口はシンクの手前端より奥まった位置に配置されていて、当該シンクは、さらに、シンクの側端に沿ってシンクの手前端から排水口まで連続する誘導溝を備えているとよい。かかる構成によれば、排水口がシンクの奥側に配置されている場合であっても、傾斜領域に至った水を好適に排水口まで導くことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シンクの底面のスペースを有効活用することができ、キッチンでの作業効率をより高めることが可能なキッチン用シンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態にかかるキッチン用シンクの全体図である。
図2】シンクの底面における水の流れを説明する図である。
図3】第1実施形態のシンクのバリエーションを説明する図である。
図4】第2実施形態にかかるキッチン用シンクの全体図である。
図5】シンクの底面における水の流れを説明する図である。
図6】第2実施形態のシンクのバリエーションを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかる給湯装置および給湯システムの好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるキッチン用シンク(以下、単にシンク100と称する)の全体図である。図1に示すように、第1実施形態にかかるシンク100は、底面110、排水口120および傾斜領域130を含んで構成される。底面110は、図1において破線矢印で示すように、奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に平坦に傾斜していて、その周囲の縁からは壁面140が立設している。
【0013】
本実施形態では、シンク100の奥側の左隅において、水栓152が上面に配置された膨出部150aが、シンク100の奥側の面である壁面140から手前側にせり出している。またシンク100の手前端100cより奥まった位置であって、シンク100の右端100aに接する位置には排水口120が配置されている。すなわち本実施形態では、排水口120は、シンク100の右端100aおよび左端100bのうち、一方の端である右端100aに接する位置に配置されていて、水栓152は、他方の端である左端100bに寄った位置に配置されている。
【0014】
傾斜領域130は、シンク100の手前端100cに沿って配置されていて、図1に破線矢印で示すように、シンク100の左右方向で右側、すなわち排水口120が設けられている側(排水口120側)に向かうにしたがって下方に傾斜する。また本実施形態では、シンク100の側端である右端100aに沿うように、シンク100の手前端100c、すなわち傾斜領域130の端部から排水口120まで連続する誘導溝160を設けている。
【0015】
図2は、シンク100の底面110における水の流れを説明する図であり、シンク100内において水が流れる領域をハッチングで示している。図2に示すように、水栓の吐出口152a(破線にて図示)を手前側に位置させた状態で水栓152から水を出す。すると、底面110が手前側に向かうにしたがって下方に平坦に傾斜していることにより、水栓152からの水は、底面110のうち水栓152近傍の領域を手前側に向かって流れて傾斜領域130に至る。
【0016】
傾斜領域130に至った水は、かかる傾斜領域130が排水口120側に向かって下方に傾斜していることにより、そこを経由して排水口120側の端部に至る。これにより、シンク100の底面110では、奥側の領域のうち、水栓から離れている領域、すなわち排水口120側の領域102(破線にて図示)は水が流れない領域となる。したがって、底面110のうち、奥側の排水口120寄りの領域102に、水に濡らしたくない食材等を載置することができ、シンク100の底面110の有効活用およびキッチンでの作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0017】
ここで、上述したように排水口120は、シンク100の左右方向では右端100aに接する位置、シンク100の前後方向では奥側に配置されている。このため、本実施形態では、シンク100の右端100aに沿って誘導溝160を設けている。この誘導溝160によって傾斜領域130の排水口120側の端部と排水口120とが接続されていることにより、傾斜領域130に至った水は、かかる傾斜領域130および誘導溝160を経由して排水口120に導かれる。
【0018】
ここで、仮に底面が排水口側の手前側角に向かって斜めに下降する傾斜面(平坦面およびすり鉢状を含む)であるとすると、水栓152から落下した水は底面を斜めに流下することになる。すなわち、底面が斜めに傾斜していると、水は長方形の底面のほぼ対角線上を流れることになり、底面のほぼ全域が濡れてしまうため、上述のような濡れない領域102がほとんど形成されない。このように、本発明においては底面が手前側に向かってまっすぐに傾斜していることが重要である。
【0019】
また本実施形態では、図1および図2に示すように、シンク100の右側においても壁面140から手前側にせり出す膨出部150bが形成されていて、排水口120はこの膨出部150bの手前側に配置されている。これにより、誘導溝160の前後方向の長さ(溝の全長)を抑えることができるため、誘導溝160の最終的な深さも浅くすることができる。したがって、極端な深絞りをする必要がないため、ステンレス鋼をプレス成形する際の加工が容易となる。また溝が浅くなることにより、清掃性を高めることが可能となる。
【0020】
図3は、第1実施形態のシンク100のバリエーションを説明する図である。図3(a)のシンク100dでは、シンク100dの右側には膨出部は設けられていない。排水口120はシンク100dの壁面140の奥側の壁とシンク100dの右端100aに接するように、すなわちシンク100dの奥側の右角部に配置されている。このような構成によっても、底面110のうち、排水口120側の領域102(破線にて図示)は水が流れない領域となるため、上述したシンク100と同様の効果を得ることができる。
【0021】
図3(b)のシンク100eでは、左側においても膨出部が設けられておらず、水栓152はシンク100eの外側に取り付けられている。図3(c)のシンク100fでは、図2に示すシンク100のような階段形状の膨出部ではなく、三角形状の膨出部150c・150dが設けられている。これらのような構成によっても、排水口120側の領域102(破線にて図示)を水が流れない領域とすることができ、上述した効果を得ることができる。すなわち、上述したシンクにおいて得られる効果は、水栓152の取付箇所や膨出部の形状の影響を受けることがない。
【0022】
また図3(d)に示すようにシンク100gが楕円状(オーバル型)であったり、図3(c)および(d)に示すように排水口120が丸型であったりする場合であっても、排水口120側の領域102(破線にて図示)を水が流れない領域とすることができる。したがって、シンクの形状や排水口の形状にかかわらず、上述した効果を得ることが可能である。
【0023】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかるキッチン用シンク(以下、単にシンク200と称する)の全体図である。図5は、シンク200の底面110における水の流れを説明する図であり、シンク200内において水が流れる領域をハッチングで示している。なお、第1実施形態のシンク100と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、第2実施形態のシンク200では、排水口120は、シンク100の手前側の右角部、すなわち右端100aおよび手前端100cに接する位置に配置されている。図5に示すように、シンク200においても、水栓152の吐出口152a(破線にて図示)を手前側に位置させた状態で水を出すと、水栓152からの水は、底面110のうち水栓152近傍の領域を手前側に向かって流れて傾斜領域130に至る。
【0025】
そして、傾斜領域130に至った水は、そこを経由して排水口120に至る。このとき、第2実施形態のシンク200においても、底面110が、すり鉢状ではなく、手前側に向かって平坦に傾斜していることにより、左右方向での排水口120側、すなわちシンク200の右側への水の流れが抑制される。したがって、シンク200においても、第1実施形態のシンク100と同様に、水栓152から離れている領域、すなわち排水口120側の領域102(破線にて図示)は水が流れない領域となるため、領域102に、水に濡らしたくない食材等を載置することができる。
【0026】
また第2実施形態のシンク200のように排水口120をシンク200の手前側に配置することにより、傾斜領域130に至った水はそのまま排水口120に導かれるため、第1実施形態の誘導溝160を設ける必要がない。したがって、シンク200の形状を単純化しつつ、上述した効果を得ることが可能となる。
【0027】
図6は、第2実施形態のシンク200のバリエーションを説明する図である。図6(a)〜(d)に示すシンク200a・200b・200c・200dのように水栓152の取付箇所、膨出部の有無や形状、シンクの形状および排水口120の形状が異なる場合であっても、シンク100・200と同じ効果を得ることが可能である。
【0028】
なお、本実施形態では排水口120をシンクの右側に、水栓152をシンクの左側に配置する構成を例示したが、これに限定するものではなく、それらの配置は左右が逆であってもよい。また傾斜領域130は、溝形状や平坦面のいずれであってもよく、それらを組み合わせた構成としてもよい。
【0029】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、システムキッチン等のキッチンキャビネットに組み込まれるキッチン用シンクとして利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
100…シンク、100a…右端、100b…左端、100c…手前端、100d・100e・100f・100g…シンク、102…領域、110…底面、120…排水口、130…傾斜領域、140…壁面、150a・150b・150c・150d…膨出部、152…水栓、152a…吐出口、160…誘導溝、200・200a・200b・200c・200d…シンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6