特許第6555891号(P6555891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6555891携帯通信端末および携帯通信端末の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6555891
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】携帯通信端末および携帯通信端末の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/73 20060101AFI20190729BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20190729BHJP
   H04W 76/20 20180101ALI20190729BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20190729BHJP
【FI】
   H04M1/73
   H04W52/02
   H04W76/20
   H04W88/02
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-19130(P2015-19130)
(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公開番号】特開2016-144061(P2016-144061A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 裕吾
(72)【発明者】
【氏名】竹厚 善生
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−244057(JP,A)
【文献】 特開2013−34150(JP,A)
【文献】 特開2006−304317(JP,A)
【文献】 特開2000−50337(JP,A)
【文献】 特開2005−229546(JP,A)
【文献】 特開2003−273790(JP,A)
【文献】 特開平10−187301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/73
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と通信を行う通信手段と、
前記基地局との通信により発生したイベントを処理する通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、
前記イベントの発生を監視し、前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるイベント監視手段と、を備え、
前記イベント監視手段は、
前記基地局との通信品質に基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する通信品質判定部と、
前記基地局から送信され、CPUによるイベント対応処理が必要となる指示情報である制御メッセージに基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する指示判定部と、を備え、
前記通信品質判定部は、
前記基地局から受信した信号のRSSIを平均化した平均化RSSIと、予め設定した平均RSSI閾値とを比較し、前記平均化RSSIが前記平均RSSI閾値よりも低い場合に前記イベントが発生したと判定するRSSI判定部と、
前記基地局との通信で発生した通信エラーに基づくFERを平均化した平均化FERと、予め設定した平均FER閾値とを比較し、前記平均化FERが前記平均FER閾値よりも高い場合に前記イベントが発生したと判定するFER判定部と、を備える、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記イベント監視手段は、FPGAにより構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
基地局と通信を行う通信手段と、
前記基地局との通信により発生したイベントを処理する通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、
前記イベントの発生を監視し、前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるイベント監視手段と、を備え、
前記イベント監視手段は、
前記基地局との通信品質に基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する通信品質判定部と、
前記基地局から送信され、CPUによるイベント対応処理が必要となる指示情報である指示情報である制御メッセージに基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する指示判定部と、を備え、
前記通信品質判定部は、
前記基地局から受信した信号のRSSIを平均化した平均化RSSIと、予め設定した平均RSSI閾値とを比較し、前記平均化RSSIが前記平均RSSI閾値よりも低い場合に前記イベントが発生したと判定するRSSI判定部と、
前記基地局との通信で発生した通信エラーに基づくFERを平均化した平均化FERと、予め設定した平均FER閾値とを比較し、前記平均化FERが前記平均FER閾値よりも高い場合に前記イベントが発生したと判定するFER判定部と、を備えた携帯通信端末の制御方法であって、
基地局との通信中にCPUによる処理が必要なイベントが発生したか否かを監視するイベント監視ステップと、
前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力し、前記CPUを休止状態であるスリープモードから前記イベントを処理する通常モードへと切り替えるモード切替ステップと、
を備えることを特徴とする携帯通信端末の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CPUを休止状態にするスリープ機能を備えた携帯通信端末および携帯通信端末の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信ネットワークの基地局と無線通信を行うことにより通話やデータ通信などを行う携帯通信端末として、PHS(Personal Handy−phone System)端末や携帯電話機、スマートフォンなどが普及している。携帯通信端末は、基地局との通信中に通信品質に影響を及ぼす問題(以下、イベントという)が発生した場合に、このイベントを解消するためのイベント対応処理を行うことにより通信品質を維持している。そのため、従来の携帯通信端末は、通信中に常にイベントの発生を監視している。
【0003】
図6に示すように、例えばPHS端末である従来の携帯通信端末20は、音声データなどが変調されたフレームを基地局との間で送受信するアンテナ21およびRF(Radio Frequency)部22と、ベースバンド信号を処理するベースバンド部23と、各部を制御するCPU(Central Processing Unit)24とを備える。
【0004】
CPU24は、通信中にイベントの発生を常時監視し、イベントが発生した場合には、イベント対応処理を実行する。例えば、CPU24は、ベースバンド部23のAD計測回路231から送信される受信信号強度(RSSI;Received Signal Strength Indicator)のAD計測値に基づいて通信品質を評価し、通信品質が低下している場合には、イベントが発生していると判定して干渉回避処理などのイベント対応処理を実行する。また、CPU24は、ベースバンド部23のチャネルコーデック232からCRC(Cyclic Redundancy check)エラーの発生が通知された場合に、通信エラーの発生率であるフレームエラー率(FER;Frame Error Rate)に基づいて通信品質を評価し、通信品質が低下している場合には、イベントが発生していると判定して干渉回避処理などを行う。さらに、CPU24は、ベースバンド部23の割込発生回路233からフレーム受信毎に割込信号が送信された場合に、フレームに付随して送信されてきた指示情報である制御メッセージを確認し、この制御メッセージに基づくイベントの発生を監視している。
【0005】
ところで、携帯通信端末は、屋外に持ち出して使用される機会が多いため、電池による駆動時間の延長が望まれている。携帯通信端末に関するものではないが、例えば、複数の無線センサをネットワークに接続して情報収集を行うセンサネットワークでは、無線センサのCPUを休止状態となるスリープモードに設定し、センサネットワークの管理装置からウェイクアップ信号を無線センサで受信した場合にCPUをスリープモードから通常モードに復帰させるものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発明によれば、消費電力の大きなCPUをスリープモードにするので、無線センサの消費電力が低減され、電池による駆動時間が長くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−109959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯通信端末に特許文献1の技術を利用してCPUを休止状態にすれば、携帯通信端末の消費電力が低減されるので、電池による駆動時間が長くなる。しかしながら、従来の携帯通信端末20は、通話中にCPU24によりイベントの発生を常時監視しているので、CPU24を休止状態にすることはできない。
【0008】
本発明は、基地局との通信によるイベントの発生を常時監視しながら、CPUを休止状態にする携帯通信端末および携帯通信端末の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、基地局と通信を行う通信手段と、前記基地局との通信により発生したイベントを処理する通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、前記イベントの発生を監視し、前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるイベント監視手段と、を備え、前記イベント監視手段は、前記基地局との通信品質に基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する通信品質判定部と、前記基地局から送信され、CPUによるイベント対応処理が必要となる指示情報である制御メッセージに基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する指示判定部と、を備え、前記通信品質判定部は、前記基地局から受信した信号のRSSIを平均化した平均化RSSIと、予め設定した平均RSSI閾値とを比較し、前記平均化RSSIが前記平均RSSI閾値よりも低い場合に前記イベントが発生したと判定するRSSI判定部と、前記基地局との通信で発生した通信エラーに基づくFERを平均化した平均化FERと、予め設定した平均FER閾値とを比較し、前記平均化FERが前記平均FER閾値よりも高い場合に前記イベントが発生したと判定するFER判定部と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記イベント監視手段は、FPGAにより構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、基地局と通信を行う通信手段と、前記基地局との通信により発生したイベントを処理する通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、前記イベントの発生を監視し、前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるイベント監視手段と、を備え、前記イベント監視手段は、前記基地局との通信品質に基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する通信品質判定部と、前記基地局から送信され、CPUによるイベント対応処理が必要となる指示情報である制御メッセージに基づいて、前記イベントが発生したか否かを判定する指示判定部と、を備え、前記通信品質判定部は、前記基地局から受信した信号のRSSIを平均化した平均化RSSIと、予め設定した平均RSSI閾値とを比較し、前記平均化RSSIが前記平均RSSI閾値よりも低い場合に前記イベントが発生したと判定するRSSI判定部と、前記基地局との通信で発生した通信エラーに基づくFERを平均化した平均化FERと、予め設定した平均FER閾値とを比較し、前記平均化FERが前記平均FER閾値よりも高い場合に前記イベントが発生したと判定するFER判定部と、を備えた携帯通信端末の制御方法であって、基地局との通信中にCPUによる処理が必要なイベントが発生したか否かを監視するイベント監視ステップと、前記イベントが発生した場合に前記CPUへ割込信号を出力し、前記CPUを休止状態であるスリープモードから前記イベントを処理する通常モードへと切り替えるモード切替ステップと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項3記載の発明によれば、基地局との通信中に発生するイベントをイベント監視手段によって監視するので、CPUをスリープモードに切り替えられる。したがって、CPUがスリープモードに設定されている間は、携帯通信端末の消費電力が低減されるので、電池の維持時間(使用可能時間)が長くなる。
また、基地局との通信品質および基地局からの指示という異なる原因によって発生するイベントが監視されるので、CPUは、適正なタイミングでスリープモードから通常モードに切り替えられる。
さらに、RSSIおよびFERという異なる指標に基づいて、通信品質によるイベントの発生を監視するので、CPUは、適正なタイミングでスリープモードから通常モードに切り替えられる。
さらにまた、通話動作中のCPUによる制御が不要な場合にCPUがスリープモードに切り替えられるので、携帯通信端末の制御に支障をきたすことはない。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、イベント監視手段をFPGAにより構成したので、イベント監視動作は、FPGAのプログラム変更のみで容易に変更可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施の形態に係る移動体通信ネットワークを示す概略構成ブロック図である。
図2】この発明の実施の形態に係る携帯通信端末の概略構成ブロック図である。
図3図1の携帯通信端末において、RSSIに基づいてイベントの発生を監視する場合の動作を示すフローチャートである。
図4図1の携帯通信端末において、FERに基づいてイベントの発生を監視する場合の動作を示すフローチャートである。
図5図1の携帯通信端末において、基地局からの制御メッセージに基づいてイベントの発生を監視する場合の動作を示すフローチャートである。
図6】従来の携帯通信端末の概略構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0022】
図1および図2は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る移動体通信ネットワーク1を示す概略構成ブロック図である。移動体通信ネットワーク1は、複数の携帯通信端末2、3と、複数の基地局4、5、6と、複数の基地局4、5、6がそれぞれ接続された公衆回線網7とを備える。
【0023】
携帯通信端末2、3は、例えば、PHS端末、携帯電話機またはスマートフォンなどである。複数の基地局4、5、6は、携帯通信端末2、3との無線通信が可能な所定の通信可能範囲41、51、61をそれぞれ備える。基地局4、5、6の通信可能範囲41、51、61は、それぞれ隣接する基地局の通信可能範囲と部分的に重なっている。なお、図面の煩雑化を避けるため携帯通信端末を2つ、基地局を3つしか描いていないが、実際の移動体通信ネットワーク1は、多数の携帯通信端末及び基地局によって構成されている。
【0024】
図2に示すように、携帯通信端末2は、例えばPHS端末であり、主として、音声データなどが変調されたフレームを基地局4との間で送受信するアンテナ8およびRF部9と、ベースバンド信号を処理するベースバンド部10とを備える。また、携帯通信端末2は、基地局4との通信中にイベントの発生を監視するFPGA(イベント監視手段)11と、携帯通信端末2の各部を制御するとともに、FPGA11のイベント監視結果に応じてイベント対応処理を実行するCPU12とを備える。CPU12は、イベント対応処理などの各種処理を行う通常モードと、休止状態となるスリープモードとの間で切り替え可能となっている。
【0025】
アンテナ8は、RF部9に接続されており、RF部9はベースバンド部10に接続されている。ベースバンド部10は、FPGA11を介してCPU12に接続されている。アンテナ8、RF部9及びベースバンド部10は、本発明の通信手段に相当する。
【0026】
ベースバンド部10は、フレームを変調および復調するモデム101と、RF部9から送信されたRSSIをA/D変換し、変換したAD計測値をFPGA11に送信するAD計測回路102とを備える。また、ベースバンド部10は、フレームの構成および解析を行ってCRCエラーの発生を検出するチャネルコーデック103と、基地局4からのフレーム受信毎にCPU12に割込信号を送信する割込発生回路104とを備える。
【0027】
FPGA(Field Programmable Gate Array)11は、所定のプログラムを搭載した集積回路・デバイスであり、基地局4との通信品質に基づいて、イベントが発生したか否かを判定する通信品質判定部111を備える。また、FPGA11は、基地局4から送信された指示情報である制御メッセージに基づいて、イベントが発生したか否かを判定する指示判定部112を備える。
【0028】
通信品質判定部111は、AD計測回路102から送信されたAD計測値に基づいてイベントの発生を監視するRSSI判定部113と、チャネルコーデック103から送信されたCRCエラーの通知に基づいてイベントの発生を監視するFER判定部114とを備える。RSSI判定部113およびFER判定部114は、通信品質の評価に用いられる平均RSSI閾値および平均FER閾値がそれぞれ格納された記憶部113aおよび114aをそれぞれ備えている。
【0029】
次に、図3を参照して、RSSIに基づくイベント監視及びイベント対応処理について説明する。CPU12は、例えば、通話動作中に通常モードからスリープモードに移行する。CPU12が休止状態となることにより、携帯通信端末2の消費電力が低下するので、携帯通信端末2の電池による駆動時間は、CPU12が通常モードにある場合よりも長くなる。
【0030】
ベースバンド部10のAD計測回路102は、RF部9で基地局4からフレームを受信する毎にRF部9からRSSIを取得し、RSSIをA/D変換してAD計測値を算出する。AD計測回路102は、FPGA11のRSSI判定部113に受信完了を示す受信タイミング信号を送信した後、AD計測値をRSSI判定部113に送信する。
【0031】
RSSI判定部113は、RSSIからノイズの影響や突発的な変動を取り除くためにAD計測値の平均化処理を行い、平均化RSSIを算出する。次いで、RSSI判定部113は、平均化RSSIと、記憶部113aに格納されている平均RSSI閾値とを比較し、平均化RSSIが平均RSSI閾値よりも低い場合には、通信品質低下というイベントが発生していると判定する。ここまでの処理が本発明のイベント監視ステップに相当する。RSSI判定部113は、通信品質低下が発生していると判定した場合には、CPU12に割込信号を送信する。この処理は、本発明のモード切替ステップに相当する。
【0032】
CPU12は、割込信号によりスリープモードから通常モードに移行し、RSSIに基づく通信品質評価を確認するために、FPGA11にステータス確認信号を送信する。RSSI判定部113は、ステータス確認信号に応答して、平均化RSSIが平均RSSI閾値よりも低いことをCPU12に通知する。CPU12は、通信品質低下に対するイベント対応処理として、基地局の切り替えなどの干渉回避処理を行う。
【0033】
次に、図4を参照して、FERに基づくイベント監視及びイベント対応処理について説明する。CPU12は、RSSIに基づくイベント監視と同様に、通話動作中に通常モードからスリープモードに移行する。
【0034】
ベースバンド部10のチャネルコーデック103は、RF部9でフレームの受信が正しく行われたか否かを確認するために、モデム101で復調されたフレームを解析し、CRCエラーの発生を検出する。チャネルコーデック103は、フレーム解析後にFPGA11のFER判定部114に対して受信タイミング信号を送信する。FER判定部114は、CRCエラーの発生を確認するために、FPGA11にステータス確認信号を送信する。チャネルコーデック103は、ステータス確認信号に応答して、CRCエラーの発生の有無を通知する。
【0035】
FER判定部114は、チャネルコーデック103からの通知結果に基づいてFERを算出し、ノイズの影響や突発的な変動を取り除くためにFERの平均化処理を行い、平均化FERを算出する。次いで、FER判定部114は、平均化FERと、記憶部114aに格納されている平均FER閾値とを比較し、平均化FERが平均FER閾値よりも高い場合には、通信品質低下というイベントが発生していると判定する。FER判定部114は、通信品質低下が発生していると判定した場合には、CPU12に割込信号を送信する。
【0036】
CPU12は、割込信号によりスリープモードから通常モードに移行し、FERに基づく通信品質評価を確認するために、FPGA11にステータス確認信号を送信する。FER判定部114は、ステータス確認信号に応答して、平均化FERが平均FER閾値よりも高いことをCPU12に通知する。CPU12は、通信品質低下に対するイベント対応処理として、基地局の切り替えなどの干渉回避処理を行う。
【0037】
次に、図5を参照して、基地局4からの制御メッセージに基づくイベント監視及びイベント対応処理について説明する。CPU12は、RSSIおよびFERに基づくイベント監視と同様に、通話動作中に通常モードからスリープモードに移行する。
【0038】
ベースバンド部10の割込発生回路104は、チャネルコーデック103でフレームが解析されると、FPGA11の指示判定部112に対して割込信号を送信する。指示判定部112は、割込信号を受信するとフレームの付随制御チャネル(ACCH;Associated Control Channel)により送信された制御メッセージを確認するため、割込発生回路104に対してステータス確認信号を送信する。割込発生回路104は、ステータス確認信号に応答して、指示判定部112に制御メッセージを送信する。
【0039】
指示判定部112は、制御メッセージが無い場合には何ら処理を行わないが、CPU12によるイベント対応処理が必要となる制御メッセージを受信した場合には、CPU12に対して割込信号を送信する。CPU12によるイベント対応処理が必要となる制御メッセージには、例えば、低速付随制御チャネル(SACCH;Slow Associated Control Channel)によって送信される「RR受信」、「網側切断」や、高速付随制御チャネル(FACCH;Fast Associated Control Channel)により送信される「TCH切替指示」などがある。「RR(Receive Ready)受信」は、基地局4から携帯通信端末2に通信状態の継続を確認するための制御メッセージである。「網側切断」は、公衆回線網からの通信切断を通知する制御メッセージである。また、「TCH切替指示」は、基地局の切り替えを指示する制御メッセージである。
【0040】
CPU12は、割込信号によりスリープモードから通常モードに移行し、制御メッセージを確認するために、FPGA11にステータス確認信号を送信する。割込発生回路104は、ステータス確認信号に応答して、制御メッセージをCPU12に送信する。CPU12は、制御メッセージに応じてイベント対応処理を実行する。例えば、CPU12は、「RR受信」に対しては、基地局4にRR信号を送信するためのRR送信処理を実行する。また、「網側切断」に対しては、CPU12は、携帯通信端末2側からも通信を切断する切断処理を実行する。さらに、「TCH切替指示」に対しては、CPU12は、電波状況のよい基地局に接続を切り替えるためのTCH切替処理を実行する。
【0041】
以上のように、本発明を実施した携帯通信端末2によれば、基地局4との通信中に発生するイベントをFPGA11によって監視するので、CPU12をスリープモードに切り替えられる。したがって、CPU12がスリープモードに設定されている間は、携帯通信端末2の消費電力が低減されるので、電池の維持時間(使用可能時間)が長くなる。
【0042】
また、通信品質判定部111により通信品質に基づいて発生するイベントを監視し、指示判定部112により制御メッセージに基づいて発生するイベント監視するので、基地局4との通信品質、および基地局4からの指示という異なる原因によって発生するイベントが監視される。したがって、CPU12は、適正なタイミングでスリープモードから通常モードに切り替わる。
【0043】
さらに、RSSI判定部113およびFER判定部114により、RSSIとFERという異なる指標に基づいて、通信品質によるイベントの発生を監視するので、CPU12は、適正なタイミングでスリープモードから通常モードに切り替わる。
【0044】
また、CPU12による制御が不要な通話動作中にCPU12がスリープモードになるので、携帯通信端末2の制御に支障をきたすことはない。さらに、イベント発生の監視にFPGA11を利用するので、イベント監視動作は、FPGA11のプログラム変更のみで容易に変更される。
【0045】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、基地局4との間の通信品質と、基地局4からの制御メッセージとに基づいてイベントの発生を監視しているが、いずれか一方のみを利用してイベント発生を監視してもよい。また、通信品質に基づくイベント発生をRSSIおよびFERに基づいて監視しているが、いずれか一方のみを利用してイベント発生を監視してもよい。さらに、通信品質の評価に用いる指標や、制御メッセージの種類も上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態で明示していないその他の指標や制御メッセージを利用してイベント発生を監視してもよい。
【0046】
さらに、イベント監視手段をFPGA11で構成しているが、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCSSP(Customer Specific Standard Products、登録商標)などで構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
2、3 携帯通信端末
4〜6 基地局
8 アンテナ
9 RF部
10 ベースバンド部
11 FPGA
12 CPU
111 通信品質判定部
112 指示判定部
113 RSSI判定部
114 FER判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6