【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、
図1に例示するものであって、風速又は風圧を測定する測定用センサ部(2)からのアナログ信号(S
A)をデジタル信号(S
D)に変換して出力する測風装置(1)において、
ディザ信号(S
dit)を生成するディザ信号生成部(3)と、
前記測定用センサ部(2)からの前記アナログ信号(S
A)に前記ディザ信号生成部(3)により生成されたディザ信号(S
dit)を付加するディザ信号付加部(4)と、
該ディザ信号(S
dit)が付加されたアナログ信号(S
Adit)を所定のオーバーサンプリング周波数(F
os)でオーバーサンプリングしてデジタル信号(S
D)に変換するA/D変換部(6)と、
該A/D変換部(6)にて変換されたデジタル信号(S
D)をフーリエ変換するフーリエ変換部(10)と、
振幅スペクトルと位相スペクトルとを求める第1スペクトル演算部(11)と、
前記振幅スペクトルの補正係数である振幅補正係数と前記位相スペクトルの補正係数である位相補正係数とを求める補正係数演算部(12)と、
該振幅補正係数と該位相補正係数とによって前記第1スペクトル演算部(11)にて求めた前記振幅スペクトル及び前記位相スペクトルを補正するスペクトル補正部(13)と、
該補正を行った振幅スペクトル及び位相スペクトルに逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部(14)と、
を備え、
前記補正係数演算部(12)は、
前記測定用センサ部(2)と該測定用センサ部(2)よりも応答性能が高い校正用センサ部(不図示)とによる風速又は風圧の同時計測で得られた時刻歴波形をフーリエ変換して該測定用センサ部(2)の振幅スペクトルGG(f)及び位相スペクトルPG(f)と該校正用センサ部(不図示)の振幅スペクトルGH(f)及び位相スペクトルPH(f)とを求める第2スペクトル演算部(121)と、
該第2スペクトル演算部(121)にて求められた振幅スペクトルGG(f)及びGH(f)より振幅の比率である振幅補正係数GG(f)/GH(f)=g(f)を求める振幅補正係数演算部(122)と、
前記第2スペクトル演算部(121)にて求められた位相スペクトルPG(f)及びPH(f)より位相の差分である位相補正係数PG(f)−PH(f)=p(f)を求める位相補正係数演算部(123)と、
により構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の観点は、前記A/D変換部(6)にて変換されたデジタル信号(S
D)の平均化処理を行う平均化処理部(8)、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点は、前記平均化処理部(8)にて平均化処理された信号の最初の部分(
図3にて符号Δt1で示す部分)にフェードイン処理を行うと共に該信号の最後の部分(
図3にて符号Δt2で示す部分)にフェードアウト処理を行うフェードイン・アウト処理部(9)、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の観点は、前記測定用センサ部(2)が、ガラスや金属や樹脂や塗料でコーティングされてなることを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の観点は、風洞(7)の内部に配置されて風速又は風圧を測定する測定用センサ部(2)からのアナログ信号(S
A)をデジタル信号(S
D)に変換して出力する測風システム(A
1)において、
ディザ信号(S
dit)を生成するディザ信号生成部(3)と、
前記測定用センサ部(2)からの前記アナログ信号(S
A)に前記ディザ信号生成部(3)により生成されたディザ信号(S
dit)を付加するディザ信号付加部(4)と、
該ディザ信号(S
dit)が付加されたアナログ信号(S
Adit)を所定のオーバーサンプリング周波数(F
os)でオーバーサンプリングしてデジタル信号(S
D)に変換するA/D変換部(6)と、
該A/D変換部(6)にて変換されたデジタル信号(S
D)をフーリエ変換するフーリエ変換部(10)と、
振幅スペクトルと位相スペクトルとを求める第1スペクトル演算部(11)と、
前記振幅スペクトルの補正係数である振幅補正係数と前記位相スペクトルの補正係数である位相補正係数とを求める補正係数演算部(12)と、
該振幅補正係数と該位相補正係数とによって前記第1スペクトル演算部(11)にて求めた前記振幅スペクトル及び前記位相スペクトルを補正するスペクトル補正部(13)と、
該補正を行った振幅スペクトル及び位相スペクトルに逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部(14)と、
を備え、
前記補正係数演算部(12)は、
前記測定用センサ部(2)と該測定用センサ部(2)よりも応答性能が高い校正用センサ部(不図示)とによる風速又は風圧の同時計測で得られた時刻歴波形をフーリエ変換して該測定用センサ部(2)の振幅スペクトルGG(f)及び位相スペクトルPG(f)と該校正用センサ部(不図示)の振幅スペクトルGH(f)及び位相スペクトルPH(f)とを求める第2スペクトル演算部(121)と、
該第2スペクトル演算部(121)にて求められた振幅スペクトルGG(f)及びGH(f)より振幅の比率である振幅補正係数GG(f)/GH(f)=g(f)を求める振幅補正係数演算部(122)と、
前記第2スペクトル演算部(121)にて求められた位相スペクトルPG(f)及びPH(f)より位相の差分である位相補正係数PG(f)−PH(f)=p(f)を求める位相補正係数演算部(123)と、
により構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第6の観点は、前記A/D変換部(6)にて変換されたデジタル信号(S
D)の平均化処理を行う平均化処理部(8)、を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の観点は、前記平均化処理部(8)にて平均化処理された信号の最初の部分(
図3にて符号Δt1で示す部分)にフェードイン処理を行うと共に該信号の最後の部分(
図3にて符号Δt2で示す部分)にフェードアウト処理を行うフェードイン・アウト処理部(9)、を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第8の観点は、前記測定用センサ部(2)が、ガラスや金属や樹脂や塗料でコーティングされてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の第9の観点は、測定用センサ部(2)により風速又は風圧を測定すると共にその測定値をアナログ信号として出力する工程、
ディザ信号(S
dit)を生成する工程、
該生成されたディザ信号(S
dit)を前記アナログ信号(S
A)に付加する工程、
該ディザ信号(S
dit)が付加されたアナログ信号(S
Adit)を所定のオーバーサンプリング周波数(F
os)でオーバーサンプリングしてデジタル信号(S
D)にA/D変換する工程、
該A/D変換されたデジタル信号(S
D)をフーリエ変換する工程(
図2のP4参照)、
振幅スペクトルと位相スペクトルとを求める工程(
図2のP5参照)、
前記振幅スペクトルの補正係数である振幅補正係数と前記位相スペクトルの補正係数である位相補正係数とを求める工程(
図2のP6参照)、
該振幅補正係数と該位相補正係数とによって前記振幅スペクトル及び位相スペクトルを補正する工程(
図2のP7参照)、及び
該補正を行った振幅スペクトル及び位相スペクトルに逆フーリエ変換を行う工程(
図2のP8,P9参照)、
を備え、
前記振幅補正係数と前記位相補正係数とを求める工程(P6)は、
前記測定用センサ部(2)と該測定用センサ部(2)よりも応答性能が高い校正用センサ部(不図示)とによる風速又は風圧の同時計測で得られた時刻歴波形をフーリエ変換して該測定用センサ部(2)の振幅スペクトルGG(f)及び位相スペクトルPG(f)と該校正用センサ部(不図示)の振幅スペクトルGH(f)及び位相スペクトルPH(f)とを求める工程と、
該求められた振幅スペクトルGG(f)及びGH(f)より振幅の比率である振幅補正係数GG(f)/GH(f)=g(f)を求める工程と、
前記求められた位相スペクトルPG(f)及びPH(f)より位相の差分である位相補正係数PG(f)−PH(f)=p(f)を求める工程と、
からなる、
ことを特徴とする測風方法に関する。
【0018】
本発明の第10の観点は、前記A/D変換されたデジタル信号(S
D)の平均化処理を行う工程(
図2のP2参照)、を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第11の観点は、前記平均化処理された信号の最初の部分(
図3にて符号Δt1で示す部分)にフェードイン処理を行うと共に、該信号の最後の部分(
図3にて符号Δt2で示す部分)にフェードアウト処理を行う工程(
図2のP3参照)、を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第12の観点は、前記測定用センサ部(2)が、ガラスや金属や樹脂や塗料でコーティングされてなることを特徴とする。
【0021】
本発明の第13の観点は、コンピュータに、
ディザ信号(S
dit)を生成する手順、
風速又は風圧を測定した測定用センサ部(2)からのアナログ信号(S
A)に該生成されたディザ信号(S
dit)を付加する手順、
該ディザ信号(S
dit)が付加されたアナログ信号(S
Adit)を所定のオーバーサンプリング周波数F
osでオーバーサンプリングしてデジタル信号(S
D)に変換する手順、
該変換されたデジタル信号(S
D)をフーリエ変換する手順(
図2のP4参照)、
振幅スペクトルと位相スペクトルとを求める手順(
図2のP5参照)、
前記振幅スペクトルの補正係数である振幅補正係数と前記位相スペクトルの補正係数である位相補正係数とを求める手順(
図2のP6参照)、
該振幅補正係数と該位相補正係数とによって前記求めた振幅スペクトル及び位相スペクトルを補正する手順(
図2のP7参照)、
該補正を行った振幅スペクトル及び位相スペクトルに逆フーリエ変換を行う手順(
図2のP8,P9参照)、
を実行させるための測風プログラムであり、
前記振幅補正係数と前記位相補正係数とを求める手順(P6)は、
前記測定用センサ部(2)と該測定用センサ部(2)よりも応答性能が高い校正用センサ部(不図示)とによる風速又は風圧の同時計測で得られた時刻歴波形をフーリエ変換して該測定用センサ部(2)の振幅スペクトルGG(f)及び位相スペクトルPG(f)と該校正用センサ部(不図示)の振幅スペクトルGH(f)及び位相スペクトルPH(f)とを求める手順と、
該求められた振幅スペクトルGG(f)及びGH(f)より振幅の比率である振幅補正係数GG(f)/GH(f)=g(f)を求める手順と、
前記求められた位相スペクトルPG(f)及びPH(f)より位相の差分である位相補正係数PG(f)−PH(f)=p(f)を求める手順と、
からなることを特徴とする測風プログラムに関する。
【0022】
本発明の第14の観点は、前記A/D変換されたデジタル信号(S
D)の平均化処理を行う手順(
図2のP2参照)、を実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の第15の観点は、前記平均化処理された信号の最初の部分(
図3にて符号Δt1で示す部分)にフェードイン処理を行うと共に該信号の最後の部分(
図3にて符号Δt2で示す部分)にフェードアウト処理を行う手順(
図2のP3参照)、を実行させることを特徴とする。
【0024】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。