(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556139
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】トリップアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01H 73/36 20060101AFI20190729BHJP
H01H 33/42 20060101ALI20190729BHJP
H01H 73/18 20060101ALI20190729BHJP
H01H 71/74 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
H01H73/36 E
H01H33/42 R
H01H73/18 Z
H01H71/74
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-541069(P2016-541069)
(86)(22)【出願日】2014年11月12日
(65)【公表番号】特表2017-500706(P2017-500706A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2014065122
(87)【国際公開番号】WO2015094517
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月13日
(31)【優先権主張番号】14/133,691
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャン,キン ハン
(72)【発明者】
【氏名】シスレイ,ジェイムズ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,デイビッド カーティス
(72)【発明者】
【氏名】リトル,デイビッド エドワード
(72)【発明者】
【氏名】メルク,ポール アラン
【審査官】
杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭52−138267(JP,U)
【文献】
英国特許出願公告第00996014(GB,A)
【文献】
実開昭57−002547(JP,U)
【文献】
特開平09−115409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/28−33/59
H01H 71/00−83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流の回路遮断器(10)における直流のトリップ条件を検出するように構築された直流トリップアセンブリ(50)であって、前記回路遮断器(10)は、ハウジングアセンブリ(12)、トリップ装置アセンブリ(40)、及び導電体アセンブリ(14)を含み、前記導電体アセンブリ(14)は、幾つかの負荷導電体を含み、前記トリップ装置アセンブリ(40)は、トリップバー(42)を含んでおり、前記直流トリップアセンブリ(50)は、
負荷バス(22)に結合される電磁石(30)と、
本体(60)を含む取付けアセンブリ(52)と、を含み、前記取付けアセンブリの本体(60)は、旋回結合部(62)を含み、
前記取付けアセンブリの本体(60)は、前記回路遮断器のハウジングアセンブリ(12)に結合され、かつ前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)を前記電磁石(30)に隣接して配置する、ように構築され、
前記直流トリップアセンブリは、
磁性を有する本体(110)及びトリップバー連結部(130)を含むアーマチャアセンブリ(54)をさらに含み、前記トリップバー連結部(130)は前記アーマチャアセンブリの本体(110)から延びており、
前記アーマチャアセンブリの本体(110)は、前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)に回動可能に結合され、
前記アーマチャアセンブリの本体(110)は、前記アーマチャアセンブリの本体(110)が前記電磁石(30)に近接する第1位置と、前記アーマチャアセンブリの本体(110)が前記電磁石(30)から離れる第2位置との間で動くように構築され、
前記トリップバー連結部(130)は、第1位置と第2位置との間で動くように構築され、前記トリップバー連結部(130)の位置は、前記アーマチャアセンブリの本体(110)の位置に対応し、
前記トリップバー連結部(130)は、前記トリップバー(42)に結合されるように構築される、ことを特徴とする直流トリップアセンブリ。
【請求項2】
前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)は運動平面を有し、
前記アーマチャアセンブリの本体(110)は、長手軸(111)を有する長尺の四角形部(112)を含み、
前記アーマチャアセンブリの本体の平面状の部分の長手軸(111)は、前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)の運動平面に対して略直交する方向に延びる、ことを特徴とする請求項1に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項3】
前記取付けアセンブリ(52)は、付勢アセンブリ(80)を含み、
前記付勢アセンブリ(80)は、前記アーマチャアセンブリの本体(110)に結合され、
前記付勢アセンブリ(80)は、前記アーマチャアセンブリの本体(110)を第2位置に付勢する、ことを特徴とする請求項1に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項4】
前記付勢アセンブリ(80)は、幾つかのバネ(82)を含むことを特徴とする請求項3に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項5】
前記取付けアセンブリ(52)は、較正アセンブリ(90)を含み、
前記アーマチャアセンブリの本体(110)が第2位置にあるとき、前記較正アセンブリ(90)は、前記アーマチャアセンブリの本体(110)を幾つかの較正位置のうちの1つに配置するように構築され、前記アーマチャアセンブリの本体(110)の較正位置は、上方の第2位置と下方の第2位置の間に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項6】
前記較正アセンブリ(90)は、較正ブロック(92)及び較正部材(94)を含み、
前記較正ブロック(92)は、前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)に隣接して前記取付けアセンブリの本体(60)に結合され、
前記較正ブロック(92)は、ネジ穴(96)を含み、
前記較正部材(94)は、ネジ部(100)を備えた長尺の本体(98)を含み、
前記較正部材(94)は、前記較正ブロック(92)に螺合可能に結合される、ことを特徴とする請求項5に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項7】
前記回路遮断器のハウジングアセンブリ(12)は、幾つかのチャネル部(19)を定め、各チャネル部(19)は、幅を有しており、
前記取付けアセンブリの本体(60)は、障壁部材(64)を含み、
前記障壁部材(64)は、前記回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部(19)に対応する幅を有する平面状の部材であり、
前記障壁部材(64)は、前記回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部(19)内で、前記回路遮断器のハウジングアセンブリ(12)に結合されるように構築される、ことを特徴とする請求項1に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項8】
前記障壁部材(64)は、幾つかの通気穴(65)を含むことを特徴とする請求項7に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項9】
前記取付けアセンブリの本体(60)は、障壁部材(64)及び較正ブロック(92)を含み、
前記取付けアセンブリの本体の旋回結合部(62)、障壁部材(64)、及び較正ブロック(92)は、単一体をなすことを特徴とする請求項1に記載の直流トリップアセンブリ(50)。
【請求項10】
ハウジングアセンブリ(12)、トリップ装置アセンブリ(40)、導電体アセンブリ(14)、及び請求項1から9のいずれか1項に記載の直流トリップアセンブリ(50)を含んでおり、
前記ハウジングアセンブリ(12)は、幾つかのチャンネル部(19)を定め、
前記導電体アセンブリ(14)は、幾つかの負荷バス(22)を含み、
前記負荷バス(22)は、前記チャネル部(19)の1つに配置され、
前記トリップ装置アセンブリ(40)は、トリップバー(42)を含む、ことを特徴とする回路遮断器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年12月19日に出願された米国特許出願第14/133,691号の優先権及び利益を主張するものであり、この出願の開示は参照により本明細書に援用される。
【0002】
開示されかつ請求される概念は、回路遮断器に関し、より詳しくは、交流トリップアセンブリに替わる磁気式直流トリップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
回路遮断器は周知である。回路遮断器は、トリップ装置アセンブリを含む。トリップ装置アセンブリは、一般には、交流または直流のいずれか1つにおける過電流状態を検出するように構築される。したがって、交流の過電流状態を検出するように構築されたトリップ装置アセンブリのみを有する回路遮断器は、直流の過電流状態を検出することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、交流トリップアセンブリを代替するように構築された直流トリップアセンブリに対する要望がある。さらに、直流トリップアセンブリを、既存の交流のみの回路遮断器に組み込まれるようにすることに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の要望、及びその他の要望は、開示されかつ請求される概念の少なくとも1つの実施形態によって満足される。開示されかつ請求される概念は、回路遮断器内の交流トリップアセンブリを代替するように構築された磁気式直流トリップアセンブリを提供する。回路遮断器は、ハウジングアセンブリと、交流トリップアセンブリを備えたトリップ装置と、導電体アセンブリとを含む。導電体アセンブリは、幾つかの負荷バスを含み、トリップ装置は、トリップバーを含む。直流トリップアセンブリは、磁石と、取付けアセンブリと、アーマチャアセンブリとを含む。取付けアセンブリは、本体を含み、取付けアセンブリの本体は、旋回結合部を含む。取付けアセンブリの本体は、回路遮断器のハウジングアセンブリに結合され、かつ取付けアセンブリの本体の旋回結合部を磁石に隣接して配置するように、構築される。アーマチャアセンブリは、磁性を有する本体とトリップバー連結部を含み、トリップバー連結部は、アーマチャアセンブリの本体から延びる。アーマチャアセンブリの本体は、取付けアセンブリの本体の旋回結合部に回動可能に結合される。アーマチャアセンブリの本体は、アーマチャアセンブリの本体が磁石に近接する第1位置と、アーマチャアセンブリの本体が磁石から離れる第2位置との間で動くように構築される。トリップバー連結部は、第1位置と第2位置との間で動くように構築され、トリップバー連結部の位置は、アーマチャアセンブリの本体の位置に対応する。トリップバー連結部は、トリップバーに結合されるように構築される。
【0006】
好適な実施形態の以下の説明を、添付図面を参照しつつ読むことにより、本発明の完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、回路遮断器を、第1位置においてハウジングアセンブリを省略して示す側面図である。
【
図3】
図3は、回路遮断器を、第2位置においてハウジングアセンブリを省略して示す側面図である。
【
図4】
図4は、直流トリップアセンブリの等角図である。
【
図5】
図5は、直流トリップアセンブリの取付けアセンブリの等角図である。
【
図6】
図6は、直流トリップアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面に図示され、以下の詳細な説明に記載された特定の要素は、開示される概念の単なる例示的な実施形態であり、説明のみを目的とする非限定的な例として提供されるものである。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法、向き、及び他の物理的特性は、開示される概念の範囲を限定するものとして考えられるべきものではない。
【0009】
本明細で使用される方向を示す用語(例えば、時計回り、反時計回り、左、右、頂部、底部、上方、下方、及びこれらから派生する用語)は、図面に示される要素の向きに関するものであり、請求項中に明示的に記載されていない限り、請求項を限定するものではない。
【0010】
本明細書で使用される単数の名詞は、文脈から複数ではないことが明白に決まらない限り、複数への言及を含むものである。
【0011】
本明細書において、2以上の部分または構成要素が「結合される」という記述は、これらの部分または構成要素が、直接的に、あるいは、間接的に(すなわち、結び付きが生じている限り、1以上の中間の部品または構成要素を介して)接合されるか、または、共に作動することを意味する。本明細書において、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書において、「固定的に結合される」または「固定される」は、2つの要素が、互いの相対的な向きを一定に維持しながら一体として動くように結合されることを意味する。したがって、2つの要素が結合されているとき、それら2つの要素の全ての部分が結合されている。但し、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される(例えば、軸の第1の端部が第1のホイールに結合される)という記載は、第1の要素のその特定の部分が、第2の要素に対して、第1の要素の他の部分よりも近接して配置されることを意味する。
【0012】
本明細書において、2以上の部分または構成要素が互いに「係合する」という記述は、これらの部分または構成要素が、直接的に、または、1以上の中間の部品または構成要素を介して、互いに力を及ぼすことを意味する。
【0013】
本明細書において、「単一体」という用語は、単一の部品またはユニットとして形成された構成要素を意味する。すなわち、別々に作成された複数の部品を含み、それらの部品が1ユニットとして結合された構成要素または物体は、「単一体」ではない。
【0014】
本明細書において、「数」(または「幾つかの」)という用語は、1または1より大きい(すなわち、複数の)整数を意味する。
【0015】
本明細書において、「結合アセンブリ」は、2以上の結合部または結合要素を含む。結合部または結合アセンブリの複数の構成要素は、一般に、同じ要素または他の構成要素の一部ではない。したがって、「結合アセンブリ」の複数の構成要素は、以下の説明において、同時に説明されない場合もある。
【0016】
本明細書において、「結合部」または「結合要素」は、結合アセンブリの1以上の構成要素である。すなわち、結合アセンブリは、互いに結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。結合アセンブリの複数の構成要素は、互いに適合するものである。例えば、結合アセンブリにおいて、1つの結合要素がスナップ式ソケットの場合、他の結合要素はスナップ式プラグである。また、1つの結合要素がボルトの場合、他の結合要素はナットである。
【0017】
本明細書において、「磁性要素」または「磁性体」には、鉄または鋼によって引き付けられる部材(例えば、通常の磁石)、または、磁石が引き付けられる鉄製または鋼製の部材(または、同様の部材)のいずれの場合も含まれる。
【0018】
本明細書において、磁石が、磁気引力を発生できる他の要素から「作動可能に離隔配置される」は、磁石または他の要素が拘束されていない場合、磁石または他の要素が動いて互いに接触するために十分な力で磁石が他の要素に引き付けられ得る程度に、2つの要素が近接していることを意味する。
【0019】
本明細書において、「関連付けられた」という表現は、複数の要素が、同じアセンブリの一部であること、及び/または、共に作動すること、あるいは何らかの形で互いに作用を及ぼすかもしくは共に動作することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップを有している。これらの全ての要素が自動車の一部として結合されている間、それぞれのハブキャップは、特定のタイヤと「関連付けられ」ている。
【0020】
本明細書において、「〜するように構築される」の記載は、指定された要素またはアセンブリが、「〜する」によって指定された動作を実行するための形状、大きさ、配置、結合、及び/または、構成を有することを意味する。例えば、「動くように構築された」部材は、別の要素に可動に結合され、その部材を動かす要素を含むか、または、その部材が他の要素またはアセンブリに応答して動くように構成されている。
【0021】
本明細書において、「対応する」とういう表現は、2つの構造要素の大きさ及び形状が互いに同様であり、最小限の摩擦で結合され得ることを示す。したがって、ある部材に「対応する」開口部は、その部材が開口部を最小限の摩擦で通ることができるように、その部材よりも僅かに大きい。この定義は、2つの構成要素が「スナッグ(snug)」に嵌まるまたは「スナッグに対応する」と言われる場合、修正される。この場合、2つの構成要素の間の大きさの差はさらに小さく、それによって、摩擦が増大する。開口部が設けられる要素及び/またはその開口部に挿入される構成要素が変形可能または圧縮可能な材料からなる場合、開口部は、その開口部に挿入される構成要素よりも僅かに小さい場合すらあり得る。この定義は、2つの構成要素が「十分に対応する」と言われる場合、さらに修正される。「十分に対応する」という表現は、開口部の大きさが、その開口部に挿入される要素の大きさに非常に近いことを意味する。この場合の近さは、言い換えれば、スナッグな嵌め合いのような実質的な摩擦が生じるほど近くはないが、「対応する」(すなわち、「僅かに大きい」)嵌め合いよりも強い接触及び大きな摩擦を伴う近さである。
【0022】
図1に示すように、また周知のように、回路遮断器10は、ハウジングアセンブリ12、導電体アセンブリ14、作動機構16、トリップ装置アセンブリ40、(模式的または部分的に示される幾つかの要素)、及び他の構成要素を含んでいる。ハウジングアセンブリ12は、非導電性の材料からなり、他の構成要素を配置できる閉鎖空間18を定める。ハウジングアセンブリの閉鎖空間18は、例示的な一実施形態において、幾つかの空洞部17に分けられており、これらの空洞部には、幾つかの長尺のチャネル部19及びトリップ装置の空洞部(図示は省略する)が含まれる。
【0023】
図2及び
図3に示すように、各導電体アンセブリ14は、負荷バス22、可動接点24、固定接点26、及びラインバス28を含むが、これらに限定されるものではない。負荷バス22と可動接点24は電気的に接続され、また、固定接点26とラインバス28は電気的に接続されている。作動機構16は、各可動接点24に作動可能に結合され、各可動接点24を開位置である第1位置と閉位置である第2位置との間で動かすように構築されている。第1位置において、各可動接点24は、第1位置において、関連付けられた固定接点26から離れて配置され、第2位置において、関連付けられた固定接点26に直接結合され、かつ電気的に接続される。さらに、負荷バス22は、電磁石30(以下、磁石30という)を含む。電流が負荷バス22を通じて流れるとき、磁石30は磁界を発生する。例示的な一実施形態において、磁石30は、可動接点24から離れて配置される。また、例示的な一実施形態において、磁石30は、略平面の上面34を備えた略円筒形の本体32を含む。磁石30は、後述すように、直流トリップアセンブリ50の一部でもある。周知のように、回路遮断器10は、例示的な一実施形態において、複数の導電体アセンブリ14を含む。さらに、各導電体アセンブリ14は、ハウジングアセンブリのチャネル部19内に、隣接する導電体アセンブリ14から実質的に離れて配置される。
【0024】
作動機構16は、例えば、バネ(図示は省略する)のような(但し、これには限定されない)付勢要素(図示は省略する)を含み、この付勢要素は、接点24を開位置である第1位置へと付勢する。作動機構16は、接点24、26を閉位置である第2位置に動かすために使用されるハンドル(図示は省略する)を含む。作動機構16は、さらに、接点24、26を第2位置に維持する止め部(図示は省略する)または同様の装置を含んでいる。止め部、またはより一般的には作動機構16は、トリップ装置アセンブリ40に機械的に結合される。例示的な一実施形態において、第1トリップアセンブリ(図示は省略する)は、交流回路における過電流状態を検出するように構築される(以下、交流トリップアセンブリという)。周知のように、交流トリップアセンブリが過電流状態を検出したとき、例えばトリップバー42のような(但し、これには限定されない)、作動機構16に結合された機械的連結部によって止め部が解除され、それによって、接点24、26が作動機構16の付勢により開位置である第1位置に動かされる。すなわち、トリップ装置アセンブリ40は、第1位置と第2位置との間で動くトリップバー42を含んでおり、第1位置において、トリップバー42は、作動機構16を拘束せず、第2位置において、トリップバー42は、作動機構16を拘束する。さらに周知のように、作動機構16は、「リセット」配置に動かすこともできる。
【0025】
例示的な一実施形態において、交流トリップ装置の要素は、直流の磁石式トリップアーマチャアセンブリ50(以下、直流トリップアセンブリ50という)によって代替される。すなわち、
図4及び
図6に示すように、各導電体アセンブリ14は、直流トリップアセンブリ50を含んでいる。各直流トリップアセンブリ50は、直流のトリップ条件を検出するように構築される。直流トリップアセンブリ50は、交流トリップアセンブリ(図示は省略する)と取り替えられる。直流トリップアンセブリ50は、(上述した)磁石30、取付けアセンブリ52、及びアーマチャアセンブリ54を含む。取付けアセンブリ52は、本体60、付勢アセンブリ80、及び較正アセンブリ90を含む。
【0026】
取付けアセンブリの本体60は、
図5に示すように、回路遮断器のハウジングアセンブリ12に結合されるように構築される。取付けアセンブリの本体60は、旋回結合部62及び障壁部材64を含む。例示的な一実施形態において、取付けアセンブリの本体60は、略平面状のベース部材66と2つの略平面状の側面部材68、70を含む。側面部材68、70は、略平面状のベース部材66の側面から、ベース部材に対して略直交する方向に延びる。したがって、取付けアセンブリの本体60は、略U字状の断面を有する。取付けアセンブリの本体60は、側面部材68、70が延びる側である前面72と、略平面状の背面74を有する。例示的な一実施形態において、旋回結合部62は、取付け部材の本体の背面74を横断するように延びる溝部63である。旋回結合部62は運動平面を有し、この運動平面は、例示的な一実施形態において、側面部材68、70の平面に対して略平行である。
【0027】
障壁部材64は、略平面状の部材であり、回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部19に対応する幅を有する。言い換えれば、障壁部材64は、回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部19と略同一の幅を有する。障壁部材64は、幾つかの通気穴65を含む。障壁部材64は、回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部19内で回路遮断器のハウジングアセンブリ12と結合され、かつ取付け部材の本体60の旋回結合部62を導電体アセンブリ14に(さらに、例示的な一実施形態において、磁石30に)隣接して配置するように構築される。例示的な一実施形態において、回路遮断器のハウジングアセンブリの各チャネル部19は、2つの対向する溝部21(
図1)を含み、障壁部材64はこの溝部に対応する大きさを有する。この構成において、取付けアセンブリの本体60は、障壁部材64を溝部21内に滑り込ませることによって、回路遮断器のハウジングアセンブリ12に結合させることができる。
【0028】
図2及び
図3に示すように、付勢アセンブリ80は、例示的な一実施形態において、幾つかのバネ82を含む。図示されるように、例示的な一実施形態において、バネ82は2つあり、それぞれのバネは、取付けアセンブリの本体の側面部材68、70に結合されるか、または直接結合される。バネ82は、さらに、後述するアーマチャアセンブリの本体110に結合され、かつアーマチャアセンブリの本体110を取付けアセンブリの本体60に向けて付勢する。
【0029】
較正アセンブリ90は、例示的な一実施形態において、較正ブロック92と較正部材94を含む。例示的な一実施形態において、較正ブロック92は、取付けアセンブリの本体60に、取付けアセンブリの本体の旋回結合部62に隣接して結合される。別の実施形態において、図示されるように、較正ブロック92は、取付けアセンブリの本体60と単一体をなす。図示されるように、較正ブロック92は、取付けアセンブリの本体の側面部材68、70の間の取付けアセンブリの本体の前面72上に配置される。較正ブロック92は、ネジ穴96を含む。較正アセンブリのネジ穴96は、取付けアセンブリの旋回結合部62の運動平面に略平行に延びる。較正部材94は、ネジ部100を備えた長尺の本体98を含む。較正部材94は、上記較正ブロック92に螺合可能に結合される。
【0030】
アーマチャアセンブリ54は、本体110とトリップバー連結部130を含む。例示的な一実施形態において、アーマチャアセンブリの本体110は、略平面状であり、長尺の四角形部112と結合部114を含んでいる。四角形部112は磁性体である、四角形部112は、長手軸を有し、この長手軸は、取付けアセンブリの本体の結合部の運動平面に対して略直交する方向に延びる。例示的な一実施形態において、結合部114は、四角形部112から延びるか、または、四角形部112と単一体をなす。結合部114は、旋回ロッド114、付勢装置結合部118、及び較正装置結合部120を含む。
【0031】
例示的な一実施形態において、結合部114は、略平面状であり、四角形部112と略同一の平面に沿って配置される。さらに、結合部114は、四角形部112に隣接する広幅端部から、旋回ロッド116における狭幅端部までテーパ付けられているか、または、図示されるように、テーパ部を有する。アーマチャアセンブリの旋回ロッド116は、旋回結合部の溝部63に対応する大きさを有する。すなわち、アーマチャアセンブリの旋回ロッド116は、旋回結合部の溝部63に回動可能に結合されるように構築されている。アーマチャアセンブリの旋回ロッド116に隣接して、取付けアセンブリの本体60に対応する大きさを有する穴部122がある。結合部114は、図示されるように、さらなる穴部124を含む。
【0032】
付勢装置結合部118は、付勢アセンブリ80に結合されるように構築される。例示的な一実施形態において、付勢アセンブリ80は、バネ82を含んでおり、付勢装置結合部118は、バネ82に結合されるように構築される。図示されるように、付勢装置結合部118は、さらなる穴部124によって定められる、薄く長尺のブレース(brace)128である。
【0033】
較正装置結合部120は、結合部114の較正ブロック92に隣接する平面部である。較正装置結合部120は、較正部材94が係合する面を与えるものである。
【0034】
トリップバー連結部130は、例示的な一実施形態において、トリップバー42に結合されるように構築された剛性の連結部である。図示されるように、例示的な一実施形態において、トリップバー連結部130は、長尺のロッド132とブラケット134を含む。トリップバー連結部のロッド132は、略平面状のアーマチャアセンブリの本体110の略法線方向に延びる。トリップバー連結部のブラケット134は、トリップバー連結部のロッド132とトリップバー42の両方に結合され、かつこれらのロッドとトリップバーの間に延びるものである。
【0035】
直流トリップアセンブリ50は、次のように組み立てられる。アーマチャアンセブリの本体110が、取付けアセンブリの本体の旋回結合部62に回動可能に結合される。すなわち、例示的な一実施形態において、アーマチャアセンブリの旋回ロッド116が、旋回結合部の溝部63に回動可能に結合される。取付けアセンブリの本体60が、アーマチャアセンブリの結合部の穴部122内に配置されるとともに、較正装置結合部120は、較正ブロック92に隣接して配置される。較正部材94が、較正ブロック92を通じて螺着され、較正部材の下端部は、較正装置結合部120に直に隣接するように配置される。付勢アセンブリ80が、アーマチャアセンブリの本体110に結合される。すなわち、例示的な一実施形態において、付勢アセンブリのバネ82が、取付けアセンブリの本体60と付勢装置結合部のブレース128に結合され、かつこれらの本体とブレースとの間に延びる。
【0036】
次いで、障壁部材64が、回路遮断器のハウジングアセンブリ12に結合される。例示的な一実施形態において、障壁部材64は、回路遮断器のハウジングアセンブリのチャネル部19内で、回路遮断器のハウジングアセンブリの互いに対向する溝部21に結合される。トリップバー連結130が、例えば締結部材(図示は省略する)によって、トリップバーに結合される。
【0037】
この構成において、アーマチャアセンブリの本体の磁性体の四角形部112は、磁石30に隣接して配置される。さらに、アーマチャアセンブリの本体110は、アーマチャアセンブリの本体110が磁石30に近接する第1位置と、アーマチャアセンブリの本体110が磁石30から離れる第2位置との間で動くように構築される。これらの位置は、相対位置である。例示的な一実施形態において、アーマチャアセンブリの本体の磁性体の四角形部112は、アーマチャアセンブリの本体の磁性体の四角形部112が磁石30と接触する第1位置と、アーマチャアセンブリの本体の磁性体の四角形部112が磁石30から離れる第2位置との間で動くように構築される。
【0038】
周知のように、導電体アセンブリ14を通じて流れる電流量は、磁石30に発生する磁界の強さに影響を及ぼす。すなわち、電流が増えるほど、磁界は強くなる。アーマチャアセンブリの本体110が、回路遮断器10の正常動作の間の位置である第2位置にあるとき、アーマチャアセンブリ110の本体、より詳しくはアーマチャアセンブリの本体の磁性体の四角形部112は、磁石30から作動可能に離隔配置されている。但し、アーマチャアセンブリの本体110は、付勢アセンブリ80の強さによって、第2位置に維持されている。したがって、正常動作の間、すなわち、過電流状態ではないとき、アーマチャアセンブリの本体110は、磁石30に向けて引き付けられない。
【0039】
過電流状態が生じたとき、磁石30によって発生する磁界の強さが増大する。磁石30によって発生する磁界の強さが増大するとき、磁界の強さが付勢アセンブリ80によって発生する付勢に打ち勝ち、アーマチャアセンブリの本体110が、導電体アセンブリ14、より詳しくは、磁石30に向けて、引き付けられる。アーマチャアセンブリの本体110の動きによって、トリップバー連結部130の動きが生じ、これによってトリップバー42が回動する。周知のように、トリップバー42が動くことによって、トリップ装置アセンブリ40が作動機構16を解除し、かつ接点24、46を第1位置に動かす。したがって、トリップバー連結部130も、第1位置と第2位置との間で動くものである。さらに、アーマチャアセンブリの本体100、トリップバー連結部130、トリップバー42、及び接点24、26の位置は、互いに対応する。すなわち、アーマチャアセンブリの本体110が第2位置にあるとき、トリップバー連結部130及びトリップバー42はそれらの第2位置にあり、これによって、作動機構15が接点24、26をそれらの第2位置に維持することが可能となる。過電流状態に続いて、アーマチャアセンブリの本体110が第1位置に動き、それによって今度はトリップバー連結部130及びトリップバー42がそれらの第1位置に動き、これによって、作動機構14が解除され、これによって、接点24、26のそれらの第1位置への動きが生じる。
【0040】
較正アセンブリ90は、アーマチャアセンブリの本体110の第2位置の位置を変更するように構築される。すなわち、較正アセンブリ90は、アーマチャアセンブリの本体110を、それが第2位置にある間、磁石30に対して少し近づくか、または磁石30から少し離れるように動かすことを可能にする。例えば、較正部材94をアーマチャアセンブリの本体110に向けて動かすことによって、較正部材94は、図示された低位置で較正装置結合部120に接触して、これによって、アーマチャアセンブリの本体110は、較正部材94が存在しない場合とくらべて、少し低い位置に配置される。このように、較正アセンブリ90は、アーマチャアセンブリの本体110を、それが第2位置にある間、上方の第2位置と下方の第2位置との間で動かすことを可能にする。言い換えれば、アーマチャアセンブリの本体110がその第2位置にあるとき、較正部材90は、アーマチャアセンブリの本体110を、幾つかの較正位置のうちの1つに配置するように構築され、アーマチャアセンブリの本体110の較正位置は、上方の第2位置と下方の第2位置との間に配置される。
【0041】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、開示の全体的な教示に鑑みて、これらの詳細に対して様々な変更及び代替が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、開示された特定の議論は、説明のみを意図するものであり、添付請求項の全範囲並びに任意の及び全ての均等物で与えられる本発明の範囲を限定するものではない。