特許第6556211号(P6556211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556211熱電モジュール及び熱電デバイス、特に自動車の電流生成熱電モジュール及び熱電デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556211
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】熱電モジュール及び熱電デバイス、特に自動車の電流生成熱電モジュール及び熱電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20190729BHJP
   H01L 35/30 20060101ALI20190729BHJP
   H01L 35/32 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H02N11/00 A
   H01L35/30
   H01L35/32 A
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-222921(P2017-222921)
(22)【出願日】2017年11月20日
(62)【分割の表示】特願2014-513156(P2014-513156)の分割
【原出願日】2012年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-50463(P2018-50463A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2017年11月27日
(31)【優先権主張番号】1154838
(32)【優先日】2011年6月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513302156
【氏名又は名称】バレオ システム テルミク
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES THERMIQUES
(73)【特許権者】
【識別番号】314008596
【氏名又は名称】ミシェル シモニン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル シモニン
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0028769(US,A1)
【文献】 特開2007−037319(JP,A)
【文献】 特表2012−521084(JP,A)
【文献】 特表2011−524481(JP,A)
【文献】 特開2006−294738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H01L 35/30
H01L 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の熱電素子を備える熱電モジュールであって、
前記熱電素子は、その2つの面の間に生じる温度勾配の作用下において電流を生成することができ、
前記面の1つである第1の面は、他の面である第2の面よりも広い面積を有し、
前記モジュールは、前記第1の面と第1の流体との間で熱交換を確立し、前記第2の面と第2の流体との間で熱交換を確立するように構成され、
前記第2の流体は、前記第1の流体よりも高い熱交換係数を有し、
前記モジュールは、前記第1の流体として車両のエンジンの排気ガスが用いられるように構成され、
前記モジュールは、前記第2の流体として冷却液体が用いられるように構成され、
前記熱電素子の前記第2の面と接触する冷液循環チャネル及び前記熱電素子の前記第1の面と接触する気体循環チャネルのいずれかまたは両方を有し、
互いに平行な複数の冷液循環チャネルを有し、
各チャネルは複数の熱電素子と協働し、
各熱電素子は、角を有する筒状部を形成して、対応するチャネルの伸張長手方向に沿って延長線上に配置される、
熱電モジュール。
【請求項2】
複数の熱電素子を備える熱電モジュールであって、
前記熱電素子は、その2つの面の間に生じる温度勾配の作用下において電流を生成することができ、
前記面の1つである第1の面は、他の面である第2の面よりも広い面積を有し、
前記モジュールは、前記第1の面と第1の流体との間で熱交換を確立し、前記第2の面と第2の流体との間で熱交換を確立するように構成され、
前記第2の流体は、前記第1の流体よりも高い熱交換係数を有し、
前記モジュールは、前記第1の流体として車両のエンジンの排気ガスが用いられるように構成され、
前記モジュールは、前記第2の流体として冷却液体が用いられるように構成され、
同じ型の熱電素子が長手伸張方向に沿って他の型の熱電素子と交互に配置される少なくとも2つの熱電素子が取り付けられた冷液循環チューブを備え、
互いに平行な複数の冷液循環チャネルを有し、
各チャネルは複数の熱電素子と協働し、
各熱電素子は、角を有する筒状部を形成して、対応するチャネルの伸張長手方向に沿って延長線上に配置される、
熱電モジュール。
【請求項3】
前記熱電素子は、リング形状の一部の形状であり、
前記第1の面は、前記リング形状の外周表面により規定され、
前記第2の面は、前記リング形状の内周表面により規定される、
請求項1または請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記第1及び第2の面のいずれかまたは両方は円筒形状である、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記第1の面は、前記第2の面の1.5倍から4倍の間の半径を有する、
請求項4に記載のモジュール。
【請求項6】
前記熱電素子は、2つの対向する平行な平面を有する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項7】
前記気体循環チャネルは、補助的交換表面を有する、
請求項1に記載のモジュール。
【請求項8】
前記気体循環チャネルの外壁を規定する外部断熱ケーシングを備える、
請求項1または請求項7に記載のモジュール。
【請求項9】
前記冷液循環チャネルを規定するように各チューブが他のチューブの軸延長方向に配置される複数のチューブ、及び前記気体循環チャネルの内壁の一連の部分を規定するように各チューブが他のチューブの軸延長方向に配置される複数のチューブのいずれかまたは両方を備える、
請求項1、請求項7及び請求項8のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項10】
前記一連の冷液循環チューブ間及び前記一連の気体循環チューブ間のいずれかまたは両方に封止接合部が備えられ、それぞれ前記冷液循環チューブ間及び前記気体循環チューブ間のいずれかまたは両方における電気絶縁を確保する、
請求項9に記載のモジュール。
【請求項11】
前記冷液循環チューブ及び前記気体循環チューブのいずれかまたは両方はショルダが備えられ、当該ショルダに対し前記熱電素子及び前記封止接合部のいずれかまたは両方が支持される、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
熱電素子は、電気絶縁性かつ熱伝導性材料の層で被覆され、前記気体循環チャネルの内壁を部分的に規定する、
請求項11に記載のモジュール。
【請求項13】
気体循環チャネル内に設けられ、熱電素子の保持を確保するように構成される補助的交換表面を有する、
請求項2または請求項12に記載のモジュール。
【請求項14】
請求項1、及び請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載のモジュールを複数備える熱電デバイス。
【請求項15】
前記モジュールを収納する複数の保持部を備える本体を有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記モジュールは、補助的交換表面により前記保持部内に保持される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記保持部は、異なるモジュールの前記気体循環チャネルが互いに平行となるように配置される、
請求項15または請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記本体は外部衝撃吸収ケーシングで覆われる、
請求項15乃至請求項17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記モジュールをバイパスする気体循環チャネルを有する、
請求項14乃至請求項18のいずれか一項に記載のデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電モジュール及び熱電デバイスに関し、特に自動車で電流を生成するため
の熱電モジュール及び熱電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車業界において、いわゆる熱電素子と呼ばれる素子を使用した熱電デバイスが既に
提案されている。熱電素子は、その2つの対向面の間の温度勾配の存在下で、ゼーベック
効果という名称で知られる現象に従って電流を生成できる。これらのデバイスは、エンジ
ンからの排気ガスを循環させるための第1のチューブの束と、冷却回路からの熱伝導液を
循環させるための第2のチューブの束とを有する。熱電素子は、暖かい排気ガスと冷たい
冷却液との間の温度差により生じる温度勾配にさらされるように、チューブ間に挟まれる
【0003】
かかるデバイスは、エンジンの排気ガスに起因する熱の変換に基づいて電気を生成でき
るため極めて興味深い。そのため、エンジンのクランクシャフトによって駆動されるベル
トに基づいて電気を生成するために通常後半部に設けられるオルタネータに代わって、か
かるデバイスを少なくとも部分的に代用することにより、自動車の燃料消費量を削減する
ことが可能になる。
【0004】
既知の熱電素子は、平行六面体状の矩形形状であり、所望の電流を生成できる温度勾配
が、熱電素子の対向する2つの面の間に与えられる。従って、これら2つの面は同じ寸法
である。
【0005】
流体とチューブの壁面との間の伝導による熱交換係数は、液体の場合と気体の場合とで
大きく異なる。従って、組立製品の熱効率は、熱交換係数が最も低い流体(この場合は排
気ガス)により制約される。
【0006】
この問題を解決する第1の解決法は、気体側の交換面積を拡げることである。しかしな
がら、かかる解決法には限界がある。なぜなら、デバイスは自動車の排気経路上に設けら
れるため、デバイスは気体の流れに対する抵抗が要求される。しかし、かかる抵抗は、チ
ューブ内に配置された交換面積の範囲または気体に含まれる煤塵の堆積により生じる付着
物に起因する逆圧の効果を抑制するために、できる限り低くすべきである。さもなければ
、熱電デバイスだけでなくエンジンの効果的な機能に悪影響が生じうる。従って、かかる
制約により、交換面積を効率化して交換係数を実質的に上昇させる可能性が制限される。
【0007】
従って、気体側の交換係数は、液体側の交換係数よりも10以上低くなりうる。交換面
積は同一であるため、気体側の熱抵抗と液体側の熱抵抗との比率は、気体側の熱交換係数
と液体側の熱交換係数との比率の逆数となる。従って、気体側の熱抵抗は、液体側の熱抵
抗よりもはるかに大きく、これによりデバイスの性能に悪影響が及ぼされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、この問題を改善することを提案するものであり、この目的を達成するために
、少なくとも1つの熱電素子を備える熱電モジュールであって、前記熱電素子は、その2
つの面の間に生じる温度勾配の作用下において電流を生成することができ、前記面の1つ
である第1の面は、他の面である第2の面よりも広い面積を有し、前記モジュールは、前
記第1の面と第1の流体との間で熱交換を確立し、前記第2の面と第2の流体との間で熱
交換を確立するように構成され、前記第2の流体は、前記第1の流体よりも高い熱交換係
数を有する、熱電モジュールに関するものである。
【0009】
従って、より低い交換係数を有する流体上でより大きな交換表面を使用することにより
、気体側の熱抵抗及び液体側の熱抵抗との間で、より均等の取れた比率を実現することが
でき、組立製品全体の運転にとって好ましい。
【0010】
本発明の異なる態様において、以下の構成を全てまたは個々に有する。
【0011】
前記熱電素子は、リング形状またはリング形状の一部の形状であり、前記第1の面は、
前記リング形状の外周表面により規定され、前記第2の表面は、前記リング形状の内周表
面により規定される。
【0012】
前記第1及び/または第2の表面は、例えば直線上に配置される。
【0013】
前記第1及び/または第2の表面は円筒形状である。
【0014】
前記第1の表面は、前記第2の表面の1.5倍から4倍の間の半径を有する。
【0015】
前記第1及び/または第2の表面は、同軸である。
【0016】
前記熱電素子は、2つの対向する平行な平面を有する。
【0017】
前記モジュールは、複数の前記熱電素子を有する。
【0018】
前記熱電素子には2つの型があり、第1の型(P型と称す)は、前記第1及び第2の面
が所定の温度勾配にさらされたときに前記第1及び第2の面の間に電位差を確立すること
を可能にし、第2の型(N型と称す)は、前記第1及び第2の面が同一の温度勾配にさら
されたときに前記第1及び第2の面の間に反対方向の電位差を確立することを可能にする
【0019】
前記熱電素子は、それぞれ他の熱電素子の長手伸張方向に配置され、P型の前記熱電素
子は、N型の熱電素子と交互に配置される。
【0020】
熱電素子は、前記P型の熱電素子により形成される対と前記N型の熱電素子により形成
される対とに分類され、前記モジュールは、同じ一対の前記熱電素子の前記第1の面同士
の間の流れの循環、及び同じ一対の前記熱電素子のそれぞれの前記第2の表面と隣接する
対の隣接する熱電素子との間の流れの循環が可能となるように構成される。
【0021】
前記熱電素子は、第1及び/または第2の表面がそれぞれ他を延長するように互いに関
連して配置される。
【0022】
前記熱電素子は、同一の形状及び寸法である。
【0023】
前記第1及び/または第2の表面は、直線により生成される表面に内接する。
【0024】
前記熱電素子の前記第2の表面と接触する冷液循環チャネル及び/または前記熱電素子
の前記第1の表面と接触する気体循環チャネルを備える。
【0025】
前記冷液循環チャネルは円形であり、前記気体循環チャネルは環状であり、前記熱電素
子は、一方の前記冷液循環チャネル及び他方の前記気体循環チャネルの間で半径方向に配
置される。
【0026】
前記気体循環チャネルは、補助的交換表面を有する。
【0027】
前記モジュールは、外部保護ケーシング、特に排気ガスと外気との間の断熱を可能にす
るケーシングを備える。
【0028】
前記外部ケーシングは、前記気体循環チャネルの外壁を規定する。
【0029】
一実施形態において、前記モジュールは、前記冷液循環チャネルを規定するように各チ
ューブが他のチューブの軸延長方向に配置される複数のチューブ及び/または前記気体循
環チャネルの内壁の一連の部分を規定できるように各チューブが他のチューブの軸延長方
向に配置される複数のチューブを備える。
【0030】
本実施形態において、前記デバイスは以下の特徴を示す。
【0031】
前記一連の冷液循環チューブ間及び/または前記一連の気体循環チューブ間に封止接合
部が備えられ、それぞれ前記冷液循環チューブ間及び/または前記気体循環チューブ間に
おいて電気絶縁を確保する。
【0032】
前記冷液循環チューブ及び/または前記気体循環チューブはショルダが備えられ、当該
ショルダに対し前記熱電素子及び/または前記封止接合部が支持される。
【0033】
代替可能な他の一実施形態において、前記モジュールは、同じ型の熱電素子が長手伸張
方向に沿って他の型の熱電素子と交互に配置される少なくとも2つの熱電素子が取り付け
られた冷液循環チューブを備える。
【0034】
本実施形態において、前記デバイスは以下の特徴を示す。
【0035】
熱電素子は、電気絶縁性かつ熱伝導性材料の層で被覆され、前記気体循環チャネルの内
壁を部分的に規定する。
【0036】
前記補助的交換表面は、熱電素子の保持を確保するように構成される。
【0037】
本発明において、前記モジュールは、互いに平行な複数の冷液循環チャネルを有し、各
チャネルは複数の熱電素子と協働し、各熱電素子は、角を有する筒状部を形成して、対応
するチャネルの伸張長手方向に沿って延長線上に配置されてもよい。
【0038】
本発明は、さらに、上述のモジュールを複数備える熱電デバイスに関する。
【0039】
本発明の異なる態様において、以下の構成を全てまたは個々に有する。
【0040】
前記デバイスは、前記モジュールを収納する複数の保持部を備える本体を有する。
【0041】
前記本体は、耐火性材料、絶縁性材料及び/または多孔質材料で形成される。
【0042】
前記モジュールは、補助的交換表面により前記保持部内に保持される。
【0043】
前記保持部は、異なるモジュールの前記気体循環チャネルが互いに平行となるように配
置される。
【0044】
前記デバイスは、前記モジュールをバイパスする気体循環チャネルを有する。
【0045】
前記本体は外部衝撃吸収ケーシングで覆われる。
【0046】
本発明は、下記の添付図面を伴う説明により、より良く理解されるであろう。下記の説
明は、発明を説明することを目的として提示され、限定することを意図して提示されるも
のではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の第1の実施形態に係るモジュールの軸断面に沿った概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るモジュールの一部分を示す、図1のII−IIに沿った断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るモジュールの取付けにおける異なるステップの概略的な斜視図である。
図4】本発明の他の一実施形態に係るモジュールの径方向の断面に沿った概略図である。
図5】本発明の一実施形態の本体の概略的な斜視図である。
図6図5に示される本体に備えられた本発明の一実施形態を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る一変形例の径方向の断面に沿った概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1から図4に示されるように、本発明は、熱電モジュールに関し、第1の流体、特に
モータからの排気ガスの循環を可能にする第1の回路1(高温回路)と、第1の流体より
も温度が低い第2の流体、特に冷却回路の熱交換流体の循環を可能にする第2の回路2(
低温回路)とを備える。
【0049】
モジュールは、2つの面4a及び4bの間で生じる温度勾配の作用下において電流を生
成できる複数の熱電素子3、3p、3nも備える。かかる素子は、温度勾配にさらされる
面4a及び4bの間に接続された負荷内で電流を生成可能にし、ゼーベック効果に従って
機能する。当業者に知られた態様では、かかる素子は、例えばビスマスとテルルとからな
る(BiTe)。
【0050】
熱電素子は、一方では、所定の温度勾配にさらされたときに一方向(正の方向とする)
に電位差を確立できる第1の型の素子3p(P型と称する)であり、他方では、同一の温
度勾配にさらされたときに反対方向(負の方向とする)に電位差を生成できる第2の型の
素子3n(N型と称する)である。
【0051】
本発明によれば、1つの面4a(第1の面と称する)は、他の面4b(第2の面と称す
る)よりも広い表面積を有し、モジュールは、第1の面と第1の流体との間で熱交換を行
い、第2の面と第2の流体との間で熱交換を行うように構成される。第2の流体は、第1
の流体よりも高い熱交換係数を有する。
【0052】
このことは、熱電素子3p及び3nと、低い方の熱交換係数を有する流体(ここでは排
気ガス)との間の熱交換にとって都合が良い。
【0053】
本発明に係るモジュールが備えられている熱電素子の例について、以下説明する。
【0054】
熱電素子の第1の表面4a及び/または第2の表面4bは、例えば直線上に形成される
。これにより、流体回路1及び2の構成が簡略化される。よって、流体回路は、特に円柱
形状を呈する。
【0055】
このようにして、リング形状またはリングの一部分の形状の熱電素子を使用することが
でき、第1の表面4aはリング形状の外周表面によって規定される一方、第2の表面4b
は、リング形状の内周表面によって規定される。
【0056】
図2において、図示される熱電素子3は、互いに対称に配置される2つの同一のハーフ
リング5により形成されるリングからなる。図3aから3fにおいて、熱電素子3は単一
部材のリングである。
【0057】
第1の表面4aは、第2の表面4bの半径の、例えば1.5倍から4倍の間の半径を有
する。ここでは、第1の表面4aの半径は第2の表面4bの半径の約2倍である。
【0058】
熱電素子に沿った角度で熱交換の均一性を促進するためには、第1及び/または第2の
表面4a及び4bは、例えば同軸である。言い換えると、熱電素子は、一定の半径の厚さ
である。
【0059】
熱電素子は、例えば2つの対向する平行な平面6a及び6bを有する。言い換えると、
熱電素子を構成するリングは、リングの断面において矩形である。
【0060】
本発明に係るモジュール内における熱電素子同士の組合せについて、次のとおり説明す
る。
【0061】
熱電素子3p及び3nは、例えば互いに長手伸張方向に、特に同軸上に配置され、P型
の熱電素子は、N型の熱電素子と方向Dにおいて交互に配置される。これら熱電素子は、
特に同一の形状及び寸法である。
【0062】
熱電素子3p及び3nは、例えば対をなし、各対がP型の熱電素子とN型の熱電素子と
により構成される。モジュールは、同じ一対の熱電素子の第1の表面同士の間の流れの循
環、及び同じ一対の熱電素子のそれぞれの第2の表面と隣接する対の隣接する熱電素子と
の間の流れの循環が可能となるように構成される。このことは、特に図1に示されており
、熱電素子の循環が破線により示されている。このようにして、方向Dにおいて互いに平
行に配置される熱電素子3p及び3nの間を電流が循環する。
【0063】
繰り返すと、流体循環回路1及び2の構成を簡単にするために、熱電素子3p及び3n
は、第1の表面4a及び/または第2の表面4bがそれぞれ他の延長上に位置するように
、互いに関連して配置されるように備えられる。第1の表面4a及び/または第2の表面
4bは、例えば直線により規定される表面に内接している。
【0064】
流体の循環のために、本発明に係るモジュールは、熱電素子3p及び3nの第2の表面
4bに接触する冷液循環チャネル7、並びに/または熱電素子3p及び3nの第1の表面
4aに接触する気体循環チャネル8を有していてもよい。
【0065】
液体循環チャネル7の断面は、例えば円形状である。気体循環チャネル8は、例えば環
状の断面である。熱電素子3p及び3nは、チャネル7及び8の間に、例えば半径方向に
配置される。
【0066】
一方で図1及び2の実施形態を参照し、他方で図3aから3eの実施形態を参照すると
、冷液循環チャネル7及び気体循環チャネル8は同軸である。
【0067】
熱電素子3p及び3nと第2の流体との間の熱交換をさらに改善するために、気体循環
チャネル8は、補助的交換表面9を備えていてもよい。補助的交換表面9は、例えば放射
状のフィン10である。後に詳述するように、補助的交換表面は、他の機能、特に取付け
に関する機能を有することができる。
【0068】
外部からの保護及び隔離のために、本発明に係るモジュールは、外部断熱ケーシング1
1を有していてもよく、必要に応じて、外部断熱ケーシング11は気体循環チャネル8の
外部壁を規定してもよい。
【0069】
図1及び2の実施形態において、本発明に係るモジュールは、複数のチューブ12を有
し、各チューブは他のチューブの軸延長方向に配置されて、冷流循環チャネル7を規定す
る。また、モジュールは、複数のチューブ13も有し、各チューブは他のチューブの軸延
長方向に配置されて、気体循環チャネル8の内壁の一連の部分を規定する。
【0070】
気体循環チューブ13は、例えば、気体循環チューブ13に対して軸方向にオフセット
されることによって気体循環チューブ13の内側に配置される冷液循環チューブ12と同
軸となる。より正確には、冷液循環チューブ12は、2つの気体循環チューブ13の間に
おいて、方向Dに向けて配置される。
【0071】
冷液循環チャネル7の各チューブ12は、熱電素子3p及び3nの対に関連付けられる
。隣接する気体循環チューブ13、すなわち冷液循環チューブ12が内部に配置されるチ
ューブ13は、熱電素子3p及び3nの隣接する対の素子3n及び3pのそれぞれと同様
に、チューブ12の熱電素子3p及び3nのうちの1つに関連付けられる。
【0072】
封止接合部14及び15を、一連の冷液循環チューブ12間及び/または一連の気体循
環チューブ13間に設けることもできる。封止接合部は、封止機能に加えて、冷液循環チ
ューブ12の間及び/または気体循環チューブの間の電気絶縁性をそれぞれ確保する。
【0073】
チューブ12及び13は、例えば金属製である。チューブ12及び13は、例えばセラ
ミックなどの材料の薄い層で被覆され、チューブと熱電素子との間の熱伝導性及び電気絶
縁性を確保する。熱電素子3pと3nとの間の導電性については、材料の層が電気経路で
覆われている。
【0074】
本実施形態において、フィン10は、例えば押出しにより成型される気体循環チューブ
13で形成される。
【0075】
このモジュールにおいて、冷液循環チューブ12及び13並びに/または気体循環チュ
ーブには、ショルダ16及び17が設けられ、熱電素子3p及び3n並びに/または封止
接合部14及び15は、ショルダ16及び17に対して支持される。このショルダは、例
えばチューブ12及び13の長手方向端部に設けられる。
【0076】
熱電素子3p及び3nは、外周領域の気体循環チューブ13におけるショルダ17に対
して、熱電素子の一方の平面6aで支持され、内周領域の冷液循環チューブにおけるショ
ルダ16に対して、他方の平面6bで支持される。接合部14及び15は、それぞれチュ
ーブ12及び13の2つのショルダの間に設けられる。
【0077】
例として、モジュールの取付けは、熱電素子3p及び3nを、気体循環チューブ13上
に配置されるように冷液循環チューブ12の半径方向に伸張させることによりなされる。
変形例として、モジュールの取付けは、熱電素子3p及び3nを、冷液循環チューブ12
上に配置されるように気体循環チューブ13をロックすることによってなされる。熱電素
子3p及び3nとチューブとの間の接触をより確実にする材料を使用してもよい。
【0078】
図3aから3eの実施形態によれば、本発明に係るモジュールは、冷液循環チューブ1
2と、その上に取り付けられた少なくとも2つの熱電素子とを備え、同一の型の熱電素子
は、チューブの長手伸張方向Dに、他の型の熱電素子と交互に配置される。この場合、図
3bから3eに示されるように、複数の熱電素子3pは、複数の熱電素子3nと交互に配
置される。
【0079】
図3aを参照すると、電気絶縁ワッシャ20が、チューブ12の長手伸張方向Dに隣接
する熱電素子3p及び3nにおける対向する2つの面6a及び6bの間に配置される。図
3bにおいて、熱電素子3p、3n及びワッシャ20が、冷流循環チューブ12上に交互
に取り付けられている。
【0080】
図3cに示されるように、熱電素子3p及び3nは、例えば、特に銅及び/またはニッ
ケル製の導電性材料の層22で、2つずつ被覆されている。
【0081】
図3dに示されるように、熱電素子3p及び3nは、電気絶縁性かつ熱伝導性材料でも
被覆され、気体循環チャネル8の内壁を少なくとも部分的に規定している。この材料は、
特にセラミック材料である。電気絶縁性かつ熱伝導性材料の層24は、導電性材料の層2
2の外側に位置する。
【0082】
冷却チューブ12は、特に金属である。上述の実施形態のように、冷却チューブ12は
、例えばセラミック等の材料の薄い層で被覆されており、チューブと熱電素子3p及び3
nとの間の熱伝導性及び電気絶縁性を確保する。熱電素子3p及び3nの間の導電性のた
め、特に方向Dに沿った熱電素子の直列接続を確保する目的のため材料の層は電気的な通
路で覆われている。
【0083】
図3eに示されるように、この型のモジュールの補助的交換表面9は、熱電素子3p及
び3nの保持を確実にするように構成される。これは、例えば、半径方向の弾性を呈し、
与圧を受けるように構成される金属タービュレータ26である。
【0084】
図3aから3eの実施形態に関して示されていないが、気体循環チャネル8の外周領域
は、耐火性及び/または絶縁保護の材料のケーシングにより覆われている。このケーシン
グは、タービュレータ26の支持体表面を形成する。
【0085】
上述の例では、冷液循環チャネル7は、1つであり、モジュールの中心に配置される。
【0086】
図4の変形例では、モジュールは互いに平行な複数の冷液循環チャネル7を有し、各チ
ャネルは複数の熱電素子3と協働し、各熱電素子は、角を有する筒状部を形成して、それ
ぞれ対応するチャネルの長手伸長方向に沿って延長線上に配置される。
【0087】
各チャネル7は、例えば、冷液循環のチューブ12により規定される。n個の冷液循環
チューブ12があり、ここでは4つのチューブがあるとする。熱電素子3は、チューブご
とに同一の角部を有し、円形の断面を有する円筒を規定する。それぞれの角はほぼ(36
0/n)度の角で、ここでは円筒の4分円となる90°である。冷液循環チューブ12は
、例えば互いに平行である。この場合、冷液循環チューブ12は、平行四辺形の4つの辺
を形成する。
【0088】
熱電素子3は、例えば同じ厚さであり、連続した層として積み重ねられ、1つの層は、
冷液循環チューブのそれぞれと関連する熱電素子3を備える。
【0089】
交差ブレース28は、熱電素子3を仕切り、保持するために、各4分円または等分部分
の間に備えられる。
【0090】
その他の点については、モジュールは、図3aから3eのモジュールに対応する。従っ
て、モジュールは、保護ケーシングを備えてもよい。
【0091】
第1の実施形態おいて、様々な前述の実施形態のモジュールは、個々に使用されること
が想定される。
【0092】
後述するように、モジュールは、熱電デバイスの本体の格納ハウジングに挿入するステ
ィックも形成してもよい。
【0093】
さらに広範には、本発明は、上述した複数のモジュールを含むデバイスに関する。
【0094】
図5に示されるように、デバイスは、モジュール34を収納する複数の収納部32を有
する本体30を備えることができる。
【0095】
本体は、例えば、耐火性材料、絶縁性材料及び/または多孔質材料で形成される。
【0096】
図6及び7に示されるように、上述の棒状モジュールの場合、これらの棒状モジュール
は、その後、収納部32に挿入されて保持され、特に、タービュレータ26を使用して中
心に配置される。気体循環チャネル8の外壁は、本体30により直接的に規定される。従
って、モジュールは、補助的交換表面9、特にその半径方向の弾力により収納部32内に
保持される。
【0097】
保持部32は、特に、異なるモジュールの気体循環チャネルが互いに平行となるように
配置される。
【0098】
本体30は、特にほぼ円筒形状であり、保持部32は、互いに平行であり、本体30の
軸に平行である。保持部32は、例えば本体30の周縁に等間隔で配置されている。
【0099】
電気的な観点から、モジュールは、長手方向端部に位置する接続(図示無し)により、
互いに直列かつ/または並列に接続することができる。
【0100】
変形例として、図7に示されるように、デバイスは、モジュール34をバイパスする気
体循環チャネル36を備えることができる。気体循環チャネル36は、特に本体30の中
心に配置される。
【0101】
本体は、この場合においても外部衝撃吸収ケーシング38で覆うことができる。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5
図6
図7