(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556238
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】プレゼンス情報を介した近接サービス(ProSe)のための公共安全/セキュリティUE通信フレームワーク
(51)【国際特許分類】
H04W 76/50 20180101AFI20190729BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20190729BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20190729BHJP
H04W 8/00 20090101ALI20190729BHJP
【FI】
H04W76/50
H04W76/14
H04W92/18
H04W8/00 110
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-532820(P2017-532820)
(86)(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公表番号】特表2018-504031(P2018-504031A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】US2015066357
(87)【国際公開番号】WO2016100653
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】14/573,628
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワ,スーザン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,イーガン
【審査官】
古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/122374(WO,A1)
【文献】
特開2009−230562(JP,A)
【文献】
3GPP TR 22.803 V12.2.0(2013-06),2013年 6月28日,p.28, 5.2.5A.5 Potential Requirements,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/22_series/22.803/22803-c.zip>,URL,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/22_series/22.803/22803-c.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
前記プロセッサに動作可能に結合され、命令を含むコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、命令が、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサを、
プレゼンス情報をプレゼンスサーバ(PS)に送信することであって、プレゼンス情報が公共安全(PuSa)固有近接ベースサービス(ProSe)情報を含み、前記PuSa固有ProSe情報は、PuSaサービスプレゼンティティのみに関連する1つ以上のパラメータを含む、送信することと、
ターゲットプレゼンティティのPuSa固有ProSe情報をサブスクライブしたいという要求をPSに送信することであって、要求が専用PuSaサービス識別情報(ID)を含み、前記専用PuSaサービス識別情報(ID)は、PuSaプレゼンティティのみに割り当てられたサービスIDパラメータを含む、送信することと
を行うように構成する、コンピュータ可読非一時的記憶媒体と
を備える、装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記命令によって、
PSが前記ターゲットプレゼンティティの前記PuSa固有ProSe情報を返すという条件でのみ、前記ターゲットプレゼンティティの前記PuSa固有ProSe情報を使用して、前記ターゲットプレゼンティティのユーザ機器(UE)のプレゼンスを発見する
ようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記命令によって、通信ネットワークとは無関係に無線周波数リンクを介して前記UEと直接通信するようにさらに構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記PuSa固有ProSe情報が、ターゲットプレゼンティティのPuSa−ProSeサービスIDと、ジオロケーションデータと、タイムスタンプとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
プレゼンス情報をプレゼンスサーバ(PS)に送信するようにモバイルコンピューティングデバイスを構成するステップであって、プレゼンス情報が公共安全(PuSa)固有近接ベースサービス(ProSe)情報を含み、前記PuSa固有ProSe情報は、PuSaサービスプレゼンティティのみに関連する1つ以上のパラメータを含む、構成するステップと、
ターゲットプレゼンティティのPuSa固有ProSe情報をサブスクライブしたいという要求をPSに送信するようにモバイルコンピューティングデバイスを構成するステップであって、要求が専用PuSaサービス識別情報(ID)を含み、前記専用PuSaサービス識別情報(ID)は、PuSaプレゼンティティのみに割り当てられたサービスIDパラメータを含む、構成するステップと
を備える、方法。
【請求項6】
プロセッサと、
前記プロセッサに動作可能に結合され、命令を含むコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、命令が、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサを、
ターゲットユーザ機器(UE)から、公共安全(PuSa)固有近接ベースサービス(ProSe)情報を含むプレゼンス情報を受信することであって、前記PuSa固有ProSe情報は、PuSaサービスプレゼンティティのみに関連する1つ以上のパラメータを含む、受信することと、
ウォッチャーUEから、前記プレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求を受信することと、
PuSaサブスクリプションルールに基づいて前記ウォッチャーUEがPuSa ProSeユーザであると決定されるという条件で、前記プレゼンス情報を前記ウォッチャーUEに送信することと
を行うように構成する、コンピュータ可読非一時的記憶媒体と
を備える、装置。
【請求項7】
前記プレゼンス情報が、前記ターゲットUEの識別子(ID)と、ジオロケーションと、タイムスタンプとを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記PuSaサブスクリプションルールが、認可されたPuSaプレゼンティティに固有のサービス識別子の定義を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記PuSaサブスクリプションルールが、非PuSa ProSeサービスに適用可能なサービス識別子の定義を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
サーバを、
ターゲットユーザ機器(UE)から、公共安全(PuSa)固有近接ベースサービス(ProSe)情報を含むプレゼンス情報を受信することであって、前記PuSa固有ProSe情報は、PuSaサービスプレゼンティティのみに関連する1つ以上のパラメータを含む、受信することと、
ウォッチャーUEから、前記プレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求を受信することと、
PuSaサブスクリプションルールに基づいて前記ウォッチャーUEがPuSa ProSeユーザであると決定されるという条件で、前記プレゼンス情報を前記ウォッチャーUEに送信することと
を行うように構成するステップ
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、限定はしないが、ワイヤレス通信、たとえば近接サービス(ProSe:proximity service)を使用する公共安全(public safety)プロバイダ間の通信に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本発明のより良い理解を可能にするのを助け得る態様を紹介する。したがって、このセクションの文は、この観点から読まれるべきであり、何が従来技術であるか、または何が従来技術でないかについての承認として理解されるべきでない。
【0003】
近接ベースサービス(ProSe:Proximity−based Service)アーキテクチャが、たとえば、3GPP TS23.303において指定されているように確立された。ワイヤレス通信インターフェースの追加の拡張が、3GPP RAN1/RAN2ワーキンググループ、たとえばTR22.803およびTR36.843において提案された。しかしながら、既存の提案されたProSe規格は、プレゼンス情報(presence information)に基づく公共安全UE通信を適切にサポートしない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態は、装置、たとえば、スマートフォンなど、モバイルコンピューティングデバイス、またはクライアントを提供する。本装置は、プロセッサと、プロセッサに動作可能に結合されたコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含む。記憶媒体は命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されたとき、プレゼンス情報をプレゼンスサーバ(PS)のほうへ向けるようにプロセッサを構成し、プレゼンス情報は、公共安全(PuSa:public−safety)固有近接ベースサービス(ProSe)情報を含む。ProSe情報は、好ましくは、PuSa ProSeサービス識別情報(ID)と、ジオロケーションデータと、タイムスタンプとを含む。プロセッサは、ターゲットプレゼンティティ(target presentity)のPuSa固有ProSe情報をサブスクライブしたいという要求をPSに向けるようにさらに構成され、要求は専用PuSaサービスIDを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、PSがターゲットプレゼンティティのPuSa固有ProSe情報を返すという条件でのみ、ターゲットプレゼンティティのユーザ機器(UE)を発見するようにさらに構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、通信ネットワークとは無関係に無線周波数(RF)リンクを介してUEと直接通信するようにさらに構成される。RFリンクは、専用公共安全周波数を介するものであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ターゲットプレゼンティティのプレゼンスを示すリストまたはマップを表示するようにさらに構成される。UEとの通信は、UEに関連するリストまたはマップアイコンの作動によって開始され得る。
【0006】
別の実施形態は、たとえば、モバイルコンピューティングデバイスを製造する方法である。本方法は、プレゼンス情報をプレゼンスサーバに向けるようにモバイルコンピューティングデバイスを構成するステップを含み、プレゼンス情報はPuSa固有ProSe情報を含む。モバイルコンピューティングデバイスは、ターゲットプレゼンティティのPuSa固有ProSe情報をサブスクライブしたいという要求をPSに向けるようにさらに構成され、要求は専用PuSaサービスIDを含む。
【0007】
別の実施形態は、プロセッサとプロセッサに動作可能に結合されたコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含む、装置、たとえば、ProSeプレゼンスサーバである。記憶媒体は、プロセッサによって実行されたとき、ターゲットUEからプレゼンス情報を受信するようにプロセッサを構成する命令を含み、プレゼンス情報は、ProSeターゲットプレゼンティティに関するPuSa固有ProSe情報を含む。本装置は、プレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求をウォッチャープレゼンティティ(watcher presentity)のウォッチャーUEから受信する。本装置は、PuSaサブスクリプションルールに基づいてウォッチャープレゼンティティがPuSa ProSeユーザであると決定されるという条件で、プレゼンス情報をウォッチャーUEに向ける。
【0008】
いくつかの実施形態では、プレゼンス情報は、ターゲットプレゼンティティのID、ジオロケーション、および/またはタイムスタンプを含む。PuSaサブスクリプションルールは、任意選択で、XMLコードによって定義され得る。PuSaサブスクリプションルールは、認可されたPuSaプレゼンティティに固有のサービスIDの定義をも含み得る。さらに、ルールは、すべての通常商用ProSe使用に適用可能なサービスIDの定義を含み得る。
【0009】
別の実施形態は、たとえば、ProSeプレゼンスサーバを製造する方法である。本方法は、ProSeターゲットプレゼンティティに関するPuSa固有ProSe情報を含むプレゼンス情報をUEから受信するようにサーバを構成することを含む。サーバは、プレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求をウォッチャープレゼンティティのウォッチャーUEから受信するようにさらに構成される。サーバは、PuSaサブスクリプションルールに基づいてウォッチャープレゼンティティがPuSa ProSeユーザであると決定されるという条件で、プレゼンス情報をウォッチャーUEに向けるようにさらに構成される。
【0010】
本発明の追加の態様は、部分的に、以下の発明を実施するための形態、図およびいずれかの請求項において記載されることになり、部分的に、発明を実施するための形態から導出されることになるか、または本発明の実施によって習得され得る。上記の概略的な説明と以下の発明を実施するための形態の両方が、例であり、また例示的なものにすぎず、開示される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0011】
添付の図面とともに以下の発明を実施するための形態を参照することによって、本発明のより完全な理解が得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】互いにおよびProSeプレゼンスサーバと直接相互通信するいくつかのUEデバイスを示す一実施形態の図である。
【
図2】
図1の実施形態において使用され得るモバイルデバイス、たとえば、ユーザ機器の一実施形態を示す図である。
【
図3】
図1の実施形態において使用され得るプレゼンスサーバの一実施形態を示す図である。
【
図4】
図1のUE間でなど、UEによって、PuSaプレゼンティティと通信するために実行され得る方法のフローチャートである。
【
図5】UE間のProSeサービスを認可するために、
図1のProSeサーバによって様々な実施形態において採用可能であり得るルールセットを示す図である。
【
図6】PuSaプレゼンティティ間のProSeサービスを認可するために、
図1のProSeサーバによって実行され得る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
近接ベースサービス(ProSe)は、同時に発生する配備されるインフラストラクチャの増加とともに、ますます普及してきた。そのようなサービスは、モバイルフォンまたは同様の装置などのユーザ機器(UE)の第1のユーザが、第1のユーザの地理的近接内の第2のユーザのプレゼンスを発見するための機構を提供する。次いで、ユーザ間のデータおよび/または音声通信の直接の交換が可能にされ、公共商用ワイヤレスネットワークをバイパスし得る。
【0014】
ProSe通信は、特に、公共安全(PuSa)サービスの配信に有益であり得る。公共安全サービス人員は、ワイヤレスネットワークサービス中断中、またはワイヤレスネットワークへの接続が信頼できない、または不可能である環境において、他の安全人員と直接通信する必要があり得る。しかしながら、たとえば直接通信の混乱または輻輳を避けるために、PuSa人員通信デバイスの発見を他のPuSa人員のみに限定することが望ましい、または必要であり得る。現在知られているProSeサービス定義は、それらの発見可能性を他のPuSaサービスプロバイダのみに限定するためのPuSaサービスプロバイダの能力を提供しない。そのような能力の欠如は、重大なギャップがPuSa通信プロトコルであることを表す。本明細書で説明される実施形態は、この必要に対処するが、明示的な記載がない限り、そのような公共安全適用例に限定されない。
【0015】
本明細書で説明される実施形態は、プレゼンス情報を介してProSeのためのPuSa UE通信をサポートするための装置、システムおよび方法を提供する。以下で説明されるフレームワーク内では、第1のPuSaプレゼンティティに関連する第1のUEが、プレゼンスサーバ(PS)へのプレゼンスドキュメント中でプレゼンティティのPuSa ProSe固有情報を発行し得る。ウォッチャー、たとえば第2のPuSaプレゼンティティが、第1のプレゼンティティのプレゼンス情報をサブスクライブするとき、PSは、PuSaプレゼンティティの間の許容される通信を定義するPuSa ProSe認可ルールを検査し得る。要求がルールに準拠する場合、第1のPuSaプレゼンティティのProSe情報は、第2のPuSaプレゼンティティのUEに送られることになる。次いで、第1のPuSaプレゼンティティと第2のPuSaプレゼンティティとは、商用ワイヤレスネットワークとは無関係に直接ワイヤレスリンクを介して、たとえば、専用PuSa無線周波数を介して互いに通信し得る。
【0016】
図1は、本発明の様々な原理による、ProSe通信を実装するように構成されたデバイスを含むシステム100を示す。3つのポータブル通信デバイス、UE110aと110bと110cとが図示されている。各UE110は、対応するプレゼンティティ、たとえばPuSaサービスプロバイダに関連付けられ得る。UE110a、110b、110cは各々、インターネットまたはWiFiホットスポットに接続するテレコムネットワークなどの公的にアクセス可能なネットワーク130内で動作し得る、プレゼンスサーバ(PS)120と通信し得る。UE110とPS120との間の接続は、任意のタイプのワイヤレス通信ネットワーク規格、たとえば、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)またはロングタームエボリューション(LTE)、あるいは、規格のいくつかの版のうちのいずれかにおける802.11などのWiFi規格によるものであり得る。PS120と通信する能力に加えて、UE110a、110b、110cはまた、互いに直接、たとえばワイヤレスに通信し得る。
【0017】
システム100では、UE110の各々は、ウォッチャープレゼンティティに関連するウォッチャーUEとして、および/またはターゲットプレゼンティティに関連するターゲットUEとして動作し得る。以下の説明では、UE110Aに関してウォッチャーUEへの言及が行われ、UE110Bに関してターゲットUEへの言及が行われ得る。当業者は、これが恣意的な割当てと見なされ得、UE110のうちのいずれも、ウォッチャーUEおよび/またはターゲットUEとして動作するように構成され得ることを諒解されよう。
【0018】
図2は、メモリ220とトランシーバ230とに動作可能に結合されたプロセッサ210を含む、UE110の一実施形態を概略的に示す。プロセッサ210、メモリ220およびトランシーバ230の各々は、本開示の範囲内で実施形態に矛盾しない機能を与えるように構成され得、場合によっては、任意の従来のまたは将来開発されるタイプであり得る。メモリ220は、そのような実施形態に従ってプロセッサ210によって実行される動作命令を保持する、非一時的物理的命令空間を含む。これらの命令は、様々な通信規格、たとえば、GSM、3GPPまたはLTE、あるいは802.11などのWiFi規格に準拠する動作を実装するためのそのような命令を含み得る。命令はまた、ピアツーピア通信に矛盾しない動作、たとえば、それの全体が参照により本明細書に組み込まれる、3GPPリリース12によって記述されているようなデバイスツーデバイス(D2D)機能を符号化する。プロセッサ210は、アンテナ240を介して、インターネットアクセスポイント、たとえばモバイルネットワークタワーと通信し、およびUE110の他のインスタンス、たとえば、
図1のUE110a、110b、110cのうちのいずれかと通信するようにトランシーバ230を制御するように構成される。アンテナ240は、特定のタイプに限定されず、MIMO通信を実装するために複数のアンテナ要素を含み得る。
【0019】
図3は、プロセッサ(CPU)310と、メモリ320と、ネットワークインターフェース330とを含む、プレゼンスサーバ120の例示的な一実施形態を示す。メモリ320は、プロセッサ310によって読取り可能である非一時的メモリ空間を含み、たとえば、本明細書で説明される機能をサポートするためにRAM、ROMおよびディスクストレージの、任意の組合せを含み得る。メモリ320は、プロセッサ310にとってアクセス可能な、プロセッサ310によって実行される命令を含み得、命令は、プロセッサ310によって実行されたとき、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態を実装するようにプロセッサ310を構成する。ネットワークインターフェース330は、たとえば、モバイル通信システムインフラストラクチャ、たとえばネットワーク130を介した、UE110との通信を可能にするネットワーク要素と通信するための任意の従来または新規の機能を含み得る。
【0020】
図4は、UE、たとえばUE110aによって実行され得る、例示的な一実施形態による方法400を示す。方法400のステップは、任意選択で実行され得る他のステップへの制限なしに提示される。
【0021】
ステップ410において、UE110aは、プレゼンス情報をプレゼンスサーバ、たとえばプレゼンスサーバ120に向ける。当業者は、第1のプレゼンティティデバイス、たとえばUE110aが、プレゼンスドキュメントをプレゼンスサーバ、たとえばPS120に送信し得、プレゼンスドキュメントが、第1のプレゼンティティデバイスのプレゼンスを第2のプレゼンティティデバイス、たとえばUE110bに通信するためにプレゼンスサーバが使用し得る様々なデータを含むことを認識されよう。このコンテキストでは、UE110bはウォッチャーUEとして働き、UE110aはターゲットUEとして動作する。方法400および600の説明の残り部分では、ウォッチャーUEおよびターゲットUEは、それへの限定なしにそのように呼ばれることがある。プレゼンスドキュメント中に含まれる任意の従来のデータに加えて、本開示に矛盾しない実施形態では、第1のプレゼンティティデバイスは、PuSa固有情報をも含む。非限定的な実施形態では、第1のプレゼンティティデバイスは、ProSeサービスのための2つのPuSa固有ProSeサービスIDを含む。PuSa固有情報は、これらの追加のサービスID、または任意の数の他の同様のPuSa固有サービスIDを含み得る。第1のサービスID、たとえばxxxx.ProSeは、通常商用使用、たとえば非PuSa関係サービスに適用可能であり得る。この例では、「xxxx」は、標準化団体またはサービスプロバイダによって決定されたストリングであり得る。たとえば、サービスIDが3GPPによって標準化される場合、xxxxストリングは、「org.3gpp.urn:urn−7」に関連し得、その場合、第1のサービスIDは、org.3gpp.urn.urn−7.ProSeであり得る。サービスIDがオープンモバイルアライアンスによって標準化されるべきである場合、xxxxストリングは「org.openmobilealliance」に関連することになり、その場合、第1のサービスIDは、org.openmobilealliance.ProSeになり得る。本例を続けると、第2のサービスID、たとえばxxxx.PuSa−ProSeは、PuSaプレゼンティティにのみ適用可能である。「xxxx」プレフィックスは、前に説明されたように決定され得る。
【0022】
引き続きステップ410を参照すると、第1のPuSa ProSeプレゼンティティに関連するUE、たとえばUE110aが、プレゼンスドキュメント中にPuSa固有ProSe情報を含める。そのような情報は、概して、PuSaサービスプロバイダ(プレゼンティティ)にのみ関連する1つまたは複数のパラメータを含む。より詳細には、限定はしないが、PuSa固有ProSe情報は、PuSaプレゼンティティにのみ割り当てられ、一般公衆に割り当てられないProSeサービスIDパラメータを含み得る。より具体的な例では、PuSa固有ProSe情報は、PuSa ProSeサービスに専用のサービスタプルを含み得る。サービスタプルは、サービスプロバイダによって使用されるUEに固有であるPuSa ProSeサービスIDと、そのUEの現在のジオロケーションと、タイムスタンプとを含む。したがって、タプルは、(service_ID、(緯度、経度)、時間)のように見え得る。任意選択で、PuSa UEが、他の通常のProSeユーザと通信するために使用され得る通常のProSeサービスをもサポートする場合、PuSa ProSeプレゼンティティUE、たとえばUE110aは、プレゼンスドキュメント中にProSeサービス情報をも含み得る。
【0023】
ステップ420において、ウォッチャーPuSa ProSeプレゼンティティに関連するUE、たとえばUE110bは、ターゲットプレゼンティティについてのプレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求をPS120に向ける。この要求は慣習的に、たとえば3GPPリリース12によって記述されているように、実装され得る。
【0024】
PS120は、公共安全調整当局(public safety coordinating authority)と協働してネットワークサービスプロバイダによって供給され得る、PuSa ProSeのためのグローバル認可ルール(global authorization rule)を含む。ルールは、要求側(ウォッチャーUE)がターゲットPuSaプレゼンティティに関するプレゼンス情報を受信することが、それの下で許可されることになる(1つまたは複数の)条件を、明示的に指定する。たとえば、いくつかの実施形態では、ルールは、許可されたインターネットドメイン、たとえば公共安全組織に関連するドメインのセットのうちの1つから発生する要求のみを認可し得る。他の実施形態では、ルールは、除外されるインターネットドメインのセットから発生する要求を阻止し得る。前者の様式で動作するルールは、本明細書では許可ルール(permission rule)と呼ばれ、後者の様式で動作するルールは禁止ルール(prohibition rule)と呼ばれる。PS120は、要求を認めるべきかどうかを決定するためのルールに従って、ウォッチャーUE110bからの要求を処理する。
【0025】
図5は、非限定的な実施形態におけるそのような許可認可ルール(permit authorization rule)の一例を提示する。この例示的なルールは、拡張可能マークアップ言語(XML)コードで表現されているが、代替マークアップ言語、たとえば「Yet another Markup Language(もうひとつ別のマークアップ言語)」(YAML)、CおよびPERLなどのプログラミング言語など、任意の好適なデータ構造が使用され得る。当業者は、例示的なルールにおける行の働きを直ちに認識されよう。手短に説明すると、行501は、XMLバージョンと符号化タイプとを指定するXMLヘッダである。行505は、ルールドキュメントのXML名前空間、たとえば「pres−rules(presルール)」を指定する。行509は、XML方式、たとえば「common−policy(共通ポリシー)」を指定する。行517−597は、ルール、たとえば「rule−1(ルール1)」を具現する。行521−549は、認可された要求側、たとえば他のPuSaサービスプロバイダのセット内のそれらの要求側のみに、ProSeサービスの付与を限定する条件を定義する。図示された例では、2つのドメイン、domain−x(ドメインx)とdomain−y(ドメインy)とが含まれる。これらのドメインは、通常、ProSe要求がそれから発生するインターネットドメインを示し得る。したがって、これらのドメインからのウォッチャープレゼンティティによる要求は、ターゲットプレゼンティティのプレゼンス情報へのアクセスを認められ得る。行553−561は、条件が満たされた場合に実行されるアクション、たとえばProSeサービスを「allow(許容する)」ことを定義する。行565−593は、許容されるProSeサービス、たとえば「PuSa−ProSe」のサービス記述子を定義する。特に、行577は、前に説明されたPuSa−ProSeサービスID「xxxx.PuSa−ProSe」を含む。このサービス記述子は、この例では、このサービスIDを提供するウォッチャーのみが、ターゲットプレゼンティティのProSeプレゼンス情報をサブスクライブすることを許可されるという制限を定義する。前にさらに説明されたように、このサービスIDは、任意の所望の形式をとり得、PuSa ProSeサービスへのアクセスを、認可されたPuSa人員に限定するために、それらの人員のみに供給される。
【0026】
許可認可ルールが満たされ、サブスクライブする(ウォッチャー)プレゼンティティが正しいサービスIDを含む場合、PS160は、ターゲットプレゼンティティのPuSa ProSeサービス情報をウォッチャー/要求側にパスすることになる。他の場合、PS160は、ウォッチャーにとって場合によっては利用可能なサービスから、PuSa−ProSeサービスを濾過除去し得る。したがってこの場合、ウォッチャーは、ターゲットプレゼンティティのPuSa−ProSeサービス情報を受信しないことになる。
【0027】
いくつかの実施形態では、認可ルールは、ProSeプレゼンス情報の配布に対する制限が排除として表現される、「禁止認可」ルールとして表現される。たとえば、
図5のルールは、行533および537において「domain(ドメイン)」を「except domain(排除ドメイン)」と入れ替え、行557において「allow(許容する)」を「prohibit(禁止する)」と入れ替え、行569において「provide−services(サービスを提供する)」を「do−not−provide−services(サービスを提供しない)」と入れ替えることによって、禁止ルールとして表現され得る。いくつかの実施形態では、ターゲットプレゼンティティのProSeサービス情報へのアクセスを正確に制御するために、許可ルール(permit rule)と禁止ルールとを含む複合ルールファイルが構築され得る。
【0028】
図4に戻ると、ステップ430において、要求側UE、たとえばウォッチャーUE110bは、要求されたプレゼンス情報を受信するか、この情報を受信することに失敗するかのいずれかである。失敗の指示は、特定の形式に限定されず、それは、応答がそれ以内に期待される時間期間の満了を含み得、プレゼンス情報を与えることの拒絶を明示的に示すPS120からのメッセージを含み得る。ウォッチャーUE110bが、ターゲットUE110aに関するプレゼンス情報を受信する場合、方法400は、ウォッチャーUE110bが、受信されたプレゼンス情報をターゲットUE110aのプレゼンスを発見するために使用する、ステップ440に進む。
【0029】
方法400は、任意選択で、ウォッチャーUE110bがProSeベースメッセージを介してターゲットUE110aと通信する、ステップ450に進み得る。これは、ステップ410においてプレゼンスサーバに配信されたタプル中に含まれた、ターゲットPuSaプレゼンティティのジオロケーション情報に基づいて、ターゲットPuSaプレゼンティティが要求側プレゼンティティの無線信号カバレージ内にあるかどうかを決定することを含み得る。ターゲットプレゼンティティが範囲内にある場合、要求側プレゼンティティは、通信ネットワークとは無関係にターゲットプレゼンティティとワイヤレス通信することを要求し得る。任意選択で、ワイヤレス通信は、専用PuSa無線周波数を介したものである。ステップ430においてプレゼンス情報が受信されない場合、方法400はステップ460に進み、ターゲットUEのプレゼンスを発見するためのアクションは行われない。
【0030】
図6は、プレゼンスサーバ、たとえばPS120において実行され得る方法600を示す。方法600は、ウォッチャーUE、たとえばUE110bからのプレゼンス要求に応答して開始され得、PS120と、ターゲットPuSaプレゼンティティに関連するUE、たとえばUE110aとの間の通信を含み得る。
【0031】
ステップ610において、PS120は、ターゲットUE110aからターゲットプレゼンティティに関するプレゼンス情報を受信する。ステップ620において、PS120は、ターゲットUE110aに関するプレゼンス情報をサブスクライブしたいという要求をウォッチャーUE110bから受信する。ステップ630において、PS120は、前に説明されたように、サブスクリプション要求が、PuSaプレゼンティティ間のProSeサービスの確立を管理する1つまたは複数のルールに準拠するかどうかを決定する。様々な実施形態では、このステップはまた、ウォッチャーUEおよびターゲットUEが同じ論理ドメイン中にあると決定することなどによって、要求側UE110bがPuSa ProSeユーザであることを検証することを含む。要求が準拠する場合、ステップ640において、プレゼンスサーバはターゲットプレゼンティティのプレゼンス情報をウォッチャーUE110bに向ける。代わりに、ステップ630において、PS120が、サブスクリプションが(1つまたは複数の)ルールに準拠することができないかどうかを決定する場合、本方法は、ステップ650に進み、PS120が拒絶をウォッチャーUE110bに向けるか、またはProSeサービスの要求が満了することを許容する。
【0032】
様々な実施形態では、ウォッチャーUE110bは、ウォッチャーUE110bの無線カバレージ内にあるすべてのターゲットPuSa ProSeプレゼンティティのうちのUEを、選択されたときに表示する、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)メニューボタンをサポートする。そのようなプレゼンティティは、各ターゲットPuSa ProSeプレゼンティティに関連するジオロケーションに従って、リスト中またはマップ上のいずれかに表示され得る。ウォッチャーUE110bが、ターゲットプレゼンティティが無線カバレージエリアに入るまたはそれを出るとき、リストまたはマップを更新し得るという点で、リストおよび/またはマップは動的であり得る。任意選択で、リストおよび/またはマップは、プレゼンティティが、選択されたターゲットプレゼンティティとの通信を開始するために、リストまたはマップエントリを作動させ、たとえばタッチし得るという点で、機能的にアクティブである。UEは、リストまたはマップエントリの第2の作動がProSe接続を終了させるようにさらに構成され得る。様々な実施形態では、ウォッチャーUE110bは、PuSa ProSeプレゼンティティ間の直接通信のためのデータファイル、静止画像および/またはビデオ画像を含める能力を含む。
【0033】
本発明の複数の実施形態が、付随する図面に示され、上記の発明を実施するための形態で説明されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によって記載および定義される本発明から逸脱することなく、多数の再構成、変更および代替が可能であることを理解されたい。