特許第6556249号(P6556249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556249
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】サーバの動作方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20190729BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G06F8/65
   B60R16/02 660U
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-547960(P2017-547960)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2018-515828(P2018-515828A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2016051786
(87)【国際公開番号】WO2016142100
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2017年9月11日
(31)【優先権主張番号】102015204363.0
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
【審査官】 塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0215758(US,A1)
【文献】 特開2006−085350(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0030470(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/140781(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0300595(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0307336(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ(201)の動作方法であって、当該方法は、
・駐車場(303)の通信インフラストラクチャ(305)を用いて形成された通信ネットワークを介して、前記サーバ(201)と前記駐車場(303)に存在する車両との間に通信接続を形成するステップ(101)と、
・前記車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かを、前記通信接続を介して検査するステップ(103)と、
・当該検査に基づいて、前記サーバ(201)を用いて、前記ソフトウェアの更新のための更新データを、前記通信接続を介して前記車両に送信するステップ(105)であって、これによって、前記車両が前記駐車場(303)に存在している間に前記更新データに基づいて前記ソフトウェアが更新される、ステップと、
を含み、
前記検査は、
前記処理装置が機能エラーを有しているか否かについての検査を含み、さらに、
前記処理装置が機能エラーを有している場合には、当該機能エラーを除去するために前記ソフトウェアの更新で足りるか否かについての検査を含み、
前記機能エラーを除去するために前記ソフトウェアの更新では足りない場合に、前記機能エラーに関連する前記車両の少なくとも1つの走行機能のブロック及び/又は制限が、前記サーバ(201)によって実施され、さらに、以下の処置、即ち、
・前記車両の所有者及び/又は運転者にこのことを通知するための、前記車両の所有者及び/又は運転者へのメッセージの送信
・前記車両の所有者及び/又は運転者の工場にこのことを通知するための、前記車両の所有者及び/又は運転者の工場へのメッセージの送
前記機能エラーの修理を依頼するための、ロードサービスへのメッセージの送信
・前記車両の引き取りを依頼するための、引き取りサービスへのメッセージの送信
のうちの少なくとも1つが、前記サーバ(201)によって実施され、
前記ロードサービス又は前記引き取りサービスへのメッセージが送信される場合に、前記ロードサービス又は前記引き取りサービスへの前記依頼に対する承認を要求するメッセージが、前記車両の所有者及び/又は運転者に、前記サーバ(201)を用いて送信される、
ことを特徴とする、サーバ(201)の動作方法。
【請求項2】
前記サーバ(201)は、前記更新データを、前記車両の静止状態の間のみ、前記車両に送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバ(201)と別のサーバとの間に別の通信接続が形成され、前記サーバ(201)は、前記通信接続を介して前記更新データを前記車両に送信するために、前記更新データを、前記別のサーバから前記別の通信接続を介して受信する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ソフトウェアの更新で足りる場合に、メッセージが、前記車両の所有者及び/又は運転者に、前記サーバ(201)を用いて送信され、前記車両の所有者及び/又は運転者にこのことが通知される、及び/又は、前記車両の所有者及び/又は運転者に、前記更新の実施に対する承認が要求される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記機能エラーは、自律走行機能に関する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記自律走行機能は、自律駐車機能である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
サーバ(201)であって、当該サーバ(201)は、
・駐車場(303)の通信インフラストラクチャ(305)を用いて形成された通信ネットワークを介して通信するように構成されている通信インタフェース(203)と、
・プロセッサ(205)と、
を備えており、
・前記プロセッサ(205)は、前記通信インタフェース(203)が、前記サーバ(201)と前記駐車場(303)に存在している前記車両との間の通信接続を、前記通信ネットワークを介して形成するように、前記通信インタフェース(203)を制御するように構成されており、
・これによって、前記通信接続を介して、前記車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かが検査され、
・前記プロセッサ(205)は、前記通信インタフェース(203)が、前記ソフトウェアの更新のための更新データを、前記通信接続を介して前記車両に送信するように、前記検査に基づいて前記通信インタフェース(203)を制御するように構成されており、これによって、前記車両が前記駐車場(303)に存在している間に前記ソフトウェアが前記更新データに基づいて更新され、
前記検査は、
前記処理装置が機能エラーを有しているか否かについての検査を含み、さらに、
前記処理装置が機能エラーを有している場合には、当該機能エラーを除去するために前記ソフトウェアの更新で足りるか否かについての検査を含み、
前記機能エラーを除去するために前記ソフトウェアの更新では足りない場合に、前記サーバ(201)は、前記機能エラーに関連する前記車両の少なくとも1つの走行機能のブロック及び/又は制限を実施し、さらに、以下の処置、即ち、
・前記車両の所有者及び/又は運転者にこのことを通知するための、前記車両の所有者及び/又は運転者へのメッセージの送信
・前記車両の所有者及び/又は運転者の工場にこのことを通知するための、前記車両の所有者及び/又は運転者の工場へのメッセージの送
前記機能エラーの修理を依頼するための、ロードサービスへのメッセージの送信
・前記車両の引き取りを依頼するための、引き取りサービスへのメッセージの送信
のうちの少なくとも1つを実施し、
前記サーバ(201)は、
前記ロードサービス又は前記引き取りサービスへのメッセージを送信する場合に、前記ロードサービス又は前記引き取りサービスへの前記依頼に対する承認を要求するメッセージを、前記車両の所有者及び/又は運転者に送信する、
ことを特徴とするサーバ(201)。
【請求項8】
車両用の駐車システム(301)であって、当該駐車システム(301)は、
・駐車場(303)を含み、
・前記駐車場(303)は、通信インフラストラクチャ(305)を備えており、
・前記通信インフラストラクチャ(305)は、通信ネットワークを形成するように構成されており、さらに、当該駐車システム(301)は、
・請求項7に記載のサーバ(201)を含む、
ことを特徴とする駐車システム(301)。
【請求項9】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバの動作方法に関する。本発明は、さらに、サーバ及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
詳細なエラー分析とソフトウェアアップデートによる欠陥除去とを伴う車両検査は、通常、規則的な間隔で、例えば2年ごとに、及び/又は、20,000キロメートルごとに、工場で行われる。この分析は、ケーブル接続によって、OBD(On Board Diagnose:オンボード診断)コネクタを介して行われ、このコネクタを介して、大量のデータが伝送可能である。
【0003】
問題が重大である場合には、この検査の他に、製造業者によって、通常、車両のリコールが開始される。
【0004】
小規模の及び/又は重大でない、製造業者及び/又はOEM(Original Equipment Manufacturer:相手先商標製造会社)に既知のエラーの場合には、むしろ、ソフトウェアアップデートが、車両に対する移動無線接続を介して、欠陥除去のために実行される。このような、車両に対する移動無線接続の場合、通信が中断されてしまうことがある。これは、移動無線網がカバレッジホールを有している場合、又は、例えば、車両が地下ガレージ内へ走行する場合である。これによって、車両のソフトウェアの更新が失敗に終わることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の開示
従って、本発明の課題は、車両の処理装置に格納されているソフトウェアが確実に更新されることを可能にする効率的なコンセプトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題は、独立請求項の各構成要件によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0007】
ある態様においては、サーバの動作方法が提示され、この方法は、以下のステップ、即ち、
・駐車場の通信インフラストラクチャを用いて形成された通信ネットワークを介して、サーバとこの駐車場に存在する車両との間に通信接続を形成するステップと、
・車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かを、この通信接続を介して検査するステップと、
・この検査に基づいて、サーバを用いて、ソフトウェアの更新のための更新データを、通信接続を介して車両に送信するステップであって、これによって、車両が駐車場に存在している間に更新データに基づいてソフトウェアが更新可能である、ステップと、
を含む。
【0008】
別の態様においては、サーバが提示される。このサーバは、
・駐車場の通信インフラストラクチャを用いて形成された通信ネットワークを介して通信するように構成されている通信インタフェースと、
・プロセッサと、
を備えており、
・このプロセッサは、通信インタフェースが、サーバと駐車場に存在している車両との間の通信接続を、通信ネットワークを介して形成するように、通信インタフェースを制御するように構成されており、
・これによって、この通信接続を介して、車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かが検査可能であり、
・ここで、プロセッサは、通信インタフェースが、ソフトウェアの更新のための更新データを、通信接続を介して車両に送信するように、この検査に基づいて通信インタフェースを制御するように構成されており、これによって、車両が駐車場に存在している間にソフトウェアが更新データに基づいて更新可能である。
【0009】
別の態様においては、車両用の駐車システムが提示される。この駐車システムは、
・駐車場を含み、
・この駐車場は、通信インフラストラクチャを備えており、
・この通信インフラストラクチャは、通信ネットワークを形成するように構成されており、さらに、この駐車システムは、
・本発明に係るサーバを含む。
【0010】
別の態様においては、コンピュータプログラムが提示される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で、特にサーバ上で実行されるときに、サーバの動作方法を実施するためのプログラムコードを含む。
【0011】
即ち、本発明は、特に、車両に対する通信接続を形成するために、駐車場の通信ネットワークを使用するというアイディアを含んでいる。さらに、この場合には、有利には、車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かが検査され得る。本発明においては、さらに、この検査によって、ソフトウェアが更新されなければならないことが判明すると、この通信接続を介して、更新データが車両に送信される。ここで、この車両は、駐車場に存在している。即ち、本発明においては、その内部で車両との通信が行われ、場合によっては、ソフトウェア更新が実施される所定の通信環境に車両が存在している。即ち、有利には、駐車場の通信インフラストラクチャによって形成された通信ネットワークが、通信接続のために使用される。このような通信ネットワークは、通常、駐車場内に、通常の移動無線ネットワークよりも確実な無線カバレッジを有している。通常、通信インフラストラクチャは、駐車場の構造に適合させられているので、車両に対する確実な通信接続に十分な無線カバレッジが得られる。駐車場内で通信ネットワークが、無線カバレッジホールを有しているであろう場合でも、車両との通信の際にこのような状況を考慮するために、これを容易に検知することができる。これは、通常、駐車場外に形成又は構築されている移動無線ネットワークと比較して、駐車場においてより容易に実施可能である。なぜなら、駐車場外においては、通常、移動無線ネットワークの無線カバレッジに影響を与え得る多数の未知のパラメータが存在しているからである。
【0012】
従って、駐車場の通信インフラストラクチャによって、有利には、サーバと車両との間に、駐車場外の通常の移動無線接続と比較して、よりロバストかつより確実な通信接続を形成することができる。この点においては、この場合に、これによって、有利には、車両への更新データのより安全かつより確実な伝送が可能になる。従って、即ち、有利には、ソフトウェアの更新がより安全かつよりロバストに実行可能である。
【0013】
ソフトウェアは、例えば、コンピュータ、特に処理装置を動作させるために用いられる1つのプログラム又は多数のプログラムを含む。
【0014】
ソフトウェアは、例えば、1つ又は複数のプログラム及び属するドキュメンテーションを含む。
【0015】
ソフトウェアは例えば、1つ又は複数のプログラムと、例えば属するドキュメンテーションと、例えばさらなるデータとを含む。これら(プログラム及び/又はドキュメンテーション及び/又はデータ)は、コンピュータの動作のために必要である。
【0016】
ある実施形態においては、上記検査は、サーバによって実施される。これによって、効率的に、更新が行われなければならないか否かを検査することができる。
【0017】
ある実施形態においては、サーバは、更新データを、車両の静止状態の間のみ、車両に送信する。これによって、特に、サーバと車両との間の通信接続が特にロバストであるという技術的な利点が生じる。特にこれによって、有利には、通信接続が特に安定する。特に、これによって、有利には、データレートがほぼ一定に保持される。なぜなら、更新データが車両に送信される間、車両が静止していることによって、車両が例えば、通信ネットワークの無線波を少なくとも部分的に遮る柱を通過して走行するという状況が生じ得ないからである。
【0018】
車両の静止状態は、特に、車両が停車している、特に駐車位置に停車しているということを含む。即ち、特に、ある実施形態においては、車両が駐車位置に停車している場合にのみ、サーバが、更新データを、車両に送信する。
【0019】
ある実施形態においては、車両が駐車場に存在している間に、車両は、自律駐車プロセスを実施する。この自律駐車プロセスは、特に、車両が駐車位置に駐車すること、即ち、駐車位置上の車両の駐車を含んでいる。このような自律駐車プロセスにおいては、車両は通常、自身の運転者によって、引き渡し位置に停車される。このような引き渡し位置から、車両は自律して、又は、遠隔操作されて、駐車場の駐車位置に走行し、そこに駐車される。駐車持続時間の終了後、又は、運転者側又は駐車場運営業者からの要求に従って、車両は自律して、又は、遠隔制御されて、この駐車位置から、引き取り位置へと走行する。この引き取り位置で、運転者は自身の車両を引き取ることができる。引き取り位置は、特に、引き渡し位置と同一であってよい。このような自律駐車は、AVPとも称される。AVPとは、英語で、「automatic valet parking」であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このような、自動入庫及び自動出庫可能な自律走行車両は、例えば、AVP車両と称される。
【0020】
即ち、特に、ある実施形態においては、車両はAVP車両である。即ち、AVP車両は、特に、自律駐車機能を有している。
【0021】
「自律」とは、本発明においては、特に、車両がスタンドアローンで、即ち、運転者の介入なく、駐車場上で移動を行う又は走行すること意味している。即ち、車両は、駐車場上をスタンドアローンで走行する。ここで、運転者は、このために車両を制御する必要はない。
【0022】
本発明においては、駐車場は、駐車フロアとも称され、車両用の停車領域として用いられる。従って、駐車場は、特に、(私有地の駐車場における)複数の駐車マス、又は、(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有している、1つの連通したエリアを形成している。駐車場は、ある実施形態においては、パーキングビルに含まれていてもよい。特に、駐車場は、ガレージに含まれていてもよい。
【0023】
ある実施形態においては、上記サーバと別のサーバとの間に、別の通信接続が形成される。ここで、上記サーバは、更新データを別のサーバから別の通信接続を介して受信し、上記の通信接続を介して更新データが車両に送信される。これによって、特に、サーバ自体が、更新データを格納しなくてもよいという技術的な利点が生じる。更新データは、別のサーバ上にあり、又は、別のサーバは、更新データにアクセスすることができる。これによって、サーバ自体を効率良く、かつ、必要なメモリを減少させて、動作させることができる。
【0024】
別のサーバは、ある実施形態においては、OEM、即ち、相手先商標製造会社(Original Equipment Manufacturer)のサーバである。特に、別のサーバとは、OEM−検査プロバイダのサーバである。このようなプロバイダは、例えば、オンラインで、即ち、通信接続を介して、車両の検査、即ち、特に車両システムの検査を実施する。
【0025】
ある実施形態においては、別の通信接続が、上記サーバと別のサーバとの間に形成される。
【0026】
ある実施形態においては、別の通信接続が、上記サーバと別のサーバとの間に形成され、ここで、上記検査は、この別のサーバによって実施される。
【0027】
即ち、別のサーバは、特に別の通信接続を介して、及び、上記通信接続を介して、離隔して、車両にアクセスすることができ、これによって、例えば、処理装置のエラー分析を実施する、及び/又は、例えば、更新データを実行する。
【0028】
ある実施形態においては、サーバは、更新データ自体を提供する。即ち、サーバ上に、更新データが格納されている、又は、データバンクが設けられており、サーバは、このデータバンクにアクセスすることができる。ここで、このデータバンク内に、更新データが格納されている。
【0029】
ある実施形態においては、上記検査は、処理装置が機能エラーを有しているか否かを、及び/又は、処理装置が機能エラーを有していたか否かを含み、処理装置が機能エラーを有している、及び/又は、処理装置が機能エラーを有していた場合には、このような機能エラーを除去するためにソフトウェアの更新で足りるか否かを含む。これによって、特に、機能エラーを効率良く識別することができるという技術的な利点が生じる。特に、これによって、ソフトウェアの更新が、この機能エラーを除去するために足りるか否かを効率良く識別することができるという技術的な利点が生じる。このような識別によって、有利には、車両のより安全な動作が可能になる。
【0030】
ある実施形態においては、機能エラーを除去するためにソフトウェアの更新では足りない場合に、以下の処置のうちの少なくとも1つが、サーバによって実施される。
・車両の所有者及び/又は運転者にこのことを通知するための、車両の所有者及び/又は運転者へのメッセージの送信
・車両の所有者及び/又は運転者の工場にこのことを通知するための、車両の所有者及び/又は運転者の工場へのメッセージの送信
・機能エラーに関連する車両の少なくとも1つの走行機能のブロック及び/又は制限
・機能エラーの修理を依頼するための、ロードサービスへのメッセージの送信
・車両の引き取りを依頼するための、引き取りサービスへのメッセージの送信
【0031】
この送信は、例えば、上記通信ネットワークを介して、及び/又は、別の通信ネットワークを介して実施可能である。
【0032】
車両の所有者及び/又は運転者にこのことを通知するための、車両の所有者及び/又は運転者へのメッセージの送信によって、特に、機能エラーを除去するためにソフトウェアの更新では足りないということを、車両の所有者及び/又は運転者が知ることができるという技術的な利点が得られる。
【0033】
工場にこのことを通知するための、工場へのメッセージの送信は、特に、機能エラーを除去するためにソフトウェアの更新では足りないということを、工場が知ることができるという技術的な利点を有している。これに対応して、工場は、特に有利には、車両が工場において現場にあるときに、機能エラーを除去するために、予備の措置を取ることが可能である。
【0034】
機能エラーに関連する、車両の走行機能のブロック及び/又は制限は、特に、これによって、車両のより安全な動作が可能になるという技術的な利点を有している。なぜなら、これによって、有利には、機能エラーが新たに発生するということを回避することができる、又は、この制限に基づいて、重大な作用が軽減されるということが生じるはずだからである。
【0035】
ロードサービスへのメッセージの送信は、特に、ロードサービスが、現場において、即ち、車両が駐車場にあるうちに、機能エラーを修理することができるという技術的な利点を有している。従って、例えば、車両の運転者が、修理の目的で、工場へ再び赴く必要は無くなる。
【0036】
引き取りサービスへのメッセージの送信は、特に、運転者自身が、それに煩わされることがないという技術的な利点を有している。従って、運転者は、時間を節約することができる。
【0037】
別の実施形態においては、メッセージが、車両の所有者及び/又は運転者に、サーバを用いて送信され、ソフトウェアの更新で足りる場合に、車両の所有者及び/又は運転者にこのことが通知される、及び/又は、車両の所有者及び/又は運転者に、更新の実施に対する承認が要求される、又は、ロードサービス若しくは引き取りサービスの依頼に対する承認が要求される。これによって、特に、ソフトウェアが更新されるべき場合、又は、ロードサービス若しくは引き取りサービスが相応に依頼されるべき場合、所有者及び/又は運転者が、明示的に、承認しなければならないという技術的な利点が生じる。特に、この場合には、所有者の側及び/又は運転者の側の承認に対応してはじめて、ソフトウェアが更新される、又は、ロードサービス若しくは引き取りサービスへの依頼が行われる。
【0038】
別の実施形態においては、機能エラーは、自律走行機能、特に、自律駐車機能に関するものである。これによって、特に、自律走行機能、特に自律駐車機能が、エラーを伴わずに又はエラーを伴って動作しているか否かを識別することができる、という技術的な利点が生じる。
【0039】
ある実施形態においては、サーバは、サーバの動作方法を実行又は実施するように構成又は調整されている。
【0040】
ある実施形態においては、サーバの動作方法に記載されているサーバは、本発明に係るサーバである。
【0041】
ある実施形態においては、通信は、通信ネットワークを介して暗号化されている、又は、暗号化される。
【0042】
ある実施形態においては、通信ネットワークは、移動無線通信ネットワーク及び/又はWLAN通信ネットワークを含む。特に、WLAN通信ネットワークは、有利には、特にロバストで、安定しており、かつ、帯域幅の広い通信接続を提供することができる。
【0043】
通信インフラストラクチャは、ある実施形態においては、1つ又は複数のアクセスポイント(無線アクセスポイント、ベースステーション)を含む。即ち、例えば、複数のWLANベースステーション及び/又は複数の移動無線ベースステーション、例えば、LTE(Long Term Evolution:ロング・ターム・エボリューション)ベースステーションが駐車場上に配置されている。
【0044】
装置の特徴は、同様に、対応する方法の特徴から明らかであり、方法の特徴は、同様に、対応する装置の特徴から明らかである。即ち、方法に関する技術的な機能性は、装置に関する対応する機能性から明らかであり、装置に関する技術的な機能性は、方法に関する対応する機能性から明らかである。
【0045】
即ち、特に、ある実施形態においては、プロセッサは、通信インタフェースを相応に制御するようにして、方法に従って技術的なステップを実施するように構成されている。
【0046】
従って、ある実施形態においては、プロセッサは、上述したメッセージを求める又は生成するように構成されており、ここで、この場合には、特に、これらのメッセージ又はこれらのメッセージのうちの1つを、通信ネットワークを介して、例えばロードサービスに、及び/又は、例えば引き取りサービスに、及び/又は、例えば工場に、及び/又は、例えば所有者及び/又は運転者に送信するように、通信インタフェースが構成されている。
【0047】
これに対応して、この場合に、ある実施形態においては、通信インタフェースは、承認を受信するように、対応して構成されている。
【0048】
本発明を以下において、有利な実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】サーバの動作方法のフローチャート。
図2】サーバ。
図3】車両用の駐車システム。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、サーバの動作方法のフローチャートを示している。
【0051】
この方法は、
・駐車場の通信インフラストラクチャを用いて形成された通信ネットワークを介して、サーバと駐車場に存在する車両との間に通信接続を形成するステップ101と、
・車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かをこの通信接続を介して検査するステップ103と、
・この検査に基づいて、サーバを用いて、ソフトウェアの更新のための更新データを、通信接続を介して車両に送信するステップ105であって、これによって、車両が駐車場に存在している間に更新データに基づいてソフトウェアが更新可能である、ステップと、
を含む。
【0052】
ある実施形態においては、この検査は、サーバを用いて実施される。
【0053】
別の実施形態においては、上記サーバと別のサーバとの間に、別の通信接続が形成され、ここで、このサーバは、更新データを別のサーバから別の通信接続を介して受信し、これによって、上記通信接続を介して、更新データが車両に送信される。
【0054】
ある実施形態においては、この別のサーバが、上記検査を実施する。
【0055】
図2は、サーバ201を示している。
【0056】
このサーバ201は、
・駐車場の通信インフラストラクチャを用いて形成された通信ネットワークを介して通信するように構成されている通信インタフェース203と、
・プロセッサ205と、
を備えており、
・このプロセッサは、通信インタフェース203が、サーバ201と駐車場に存在している車両との間の通信接続を、通信ネットワークを介して形成するように、通信インタフェース203を制御するように構成されており、
・これによって、この通信接続を介して、車両の処理装置に格納されているソフトウェアが更新されなければならないか否かが検査可能であり、
・ここで、プロセッサ205は、通信インタフェース203が、ソフトウェアの更新のための更新データを、通信接続を介して車両に送信するように、この検査に基づいて通信インタフェース203を制御するように構成されており、これによって、車両が駐車場に存在している間にソフトウェアが更新データに基づいて更新可能である。
【0057】
ある実施形態においては、サーバ201は、サーバの動作方法を実施又は実行するように構成又は調整されている。
【0058】
図3は、車両用の駐車システム301を示している。
【0059】
この駐車システム301は、
・駐車場303を含み、
・この駐車場303は、通信インフラストラクチャ305を備えており、
・この通信インフラストラクチャ305は、通信ネットワークを形成するように構成されており、さらに、この駐車システム301は、
図2に示されているサーバ201を含む。
【0060】
即ち、本発明は特に、技術的かつ効率の良いコンセプトを提供するというアイディアを含んでいる。これは、場合によって必要となるソフトウェアアップデートの実行(ソフトウェア更新)を含めた規則的な検査分析を可能にする。規則的であるとは、ここでは、日に何度も繰り返されることまで意味し得る。これは特に、AVP駐車の都度である。
【0061】
場合によって必要なソフトウェア更新の分析及び実行は、特に、有利には、ロバストな、安定した、かつ、帯域幅の広い通信接続であるWLAN通信接続を介して行われる。
【0062】
ある実施形態においては、更新データの検査及び送信は、必要な場合には、駐車プロセスの間、特に、自律駐車プロセスの間に行われる。特に、更新データの検査、及び、場合によって必要な送信は、車両の静止状態において実施される。即ち、特に、この方法は、車両が停車している、又は、静止している時にのみ実施される。これによって、さらに、次のことが保証される。即ち、ソフトウェアの実行、即ち、特に更新データの実行に、通信接続の中断によって、妨害が加えられない、ということが保証される。
【0063】
サーバは、ある実施形態においては、駐車場マネージメントシステム又は駐車場管理システムに含まれている。このような駐車場マネージメントシステムは、特に、駐車場を管理しており、即ち、駐車場を運営しており、例えば、AVP車両のAVPプロセスを調整する。
【0064】
ある実施形態においては、サーバ、特に駐車場マネージメントシステムは、OEM−検査プロバイダの機能を担う。即ち、この実施形態においては、サーバは、更新データの検査も、送信も、実施する。別の実施形態においては、サーバ、特に駐車場マネージメントシステムは、OEM−検査プロバイダと接続されている(別のサーバと別の通信接続に関連する実施形態を参照)。ここで、このOEM−検査プロバイダは、この検査を実施し、サーバに、更新データを送信する。従って、これは、受信した更新データを車両に転送することができる。
【0065】
ある実施形態においては、サーバ、特に駐車場マネージメントシステムは、全ての、及び/又は、種々の、及び/又は、複数のOEMと接続されている。
【0066】
これによって、特に、常に最新の検査分析及びソフトウェアアップデート、即ち、ソフトウェア更新が提供されることが保証される。
【0067】
別の実施形態においては、特別に、AVPプロセスに対して必要なコンポーネント及び/又は機能が分析され、場合によっては更新される。
【0068】
分析の際に、エラー及び/又は必要なソフトウェア更新が確認されると、有利には、更新データが、車両に送信される。即ち、有利には、ソフトウェアアップデートが実行される。
【0069】
発見されたエラーを除去するために、ソフトウェアアップデートでは足りない場合には、以下の処置のうちの少なくとも1つ又は複数が起動又は実施される。
・所有者/運転者に(迅速に又は車両の引き取り時に)エラーを通知する(例えば、メッセージが、所有者及び/又は運転者の移動端末機器に送信される)。
・所有者/運転者の「標準的な」工場への情報(ここで、この情報は、エラーに関する情報を含んでいる)。従って、この工場は、運転者/所有者と期日を取り決めることができ、場合によって必要な材料を調達することができる。
・深刻なエラーが存在する場合に、場合によって、走行特性に関して、車両を「ブロック」及び/又は制限する。
・現場での迅速なサービスの依頼(有利には、所有者と相談して)
・引き取りサービスの依頼(例えば、車両を工場に引き渡すために)
【0070】
ソフトウェアアップデートで足りる場合には、ある実施形態においては、所有者/運転者の少なくとも一方に、情報が伝達される。ある実施形態においては、事前に(即ち、更新前、特に、更新データの送信前に)このようなサービスが、運転者/所有者によって、許可/指示される。
【0071】
本発明においては、「アップデート」と「更新」とは、一般的に、同義語として使用可能である。
図1
図2
図3