特許第6556259号(P6556259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556259自動化されたバレーパーキングサービスのための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556259
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】自動化されたバレーパーキングサービスのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20190729BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20190729BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G08G1/14 A
   G08G1/00 X
   B60W30/06
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-556828(P2017-556828)
(86)(22)【出願日】2016年4月13日
(65)【公表番号】特表2018-519565(P2018-519565A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016058050
(87)【国際公開番号】WO2016173836
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2017年10月30日
(31)【優先権主張番号】102015208068.4
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ニコデムス
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−219738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−1/16
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(110)が引き渡し位置(115)と駐車位置(105)との間の区間(120)上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作(100)を制御するための方法(200)であって、
前記方法(200)は、以下のステップ、
−前記自動車(110)の自律的な走行中の人の搬送に対する許可の付与のための要求を認識するステップ(205)と、
−前記要求を拒否するステップ(210)と、
(a)自律的な走行過程の間に、前記自動車(110)の車内に人が存在していることを認識するステップ(215)と、
(b)走行中の前記人の搬送に対する許可がないことを特定するステップ(220)と、
(c)1つ以上のアクションを実施するステップ(245)と、
を含むことを特徴とする方法(200)。
【請求項2】
自動車(110)が引き渡し位置(115)と駐車位置(105)との間の区間(120)上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作(100)を制御するための方法(200)であって、
前記方法(200)は、以下のステップ、
(a)自律的な走行過程の間に、前記自動車(110)の車内に人が存在していることを認識するステップ(215)と、
(b)走行中の前記人の搬送に対する許可がないことを特定するステップ(220)と、
−前記人との通信接続を形成するステップ(230)と、
−前記人による、前記許可の付与のための要求を、認識するステップ(235)と、
−前記要求を拒否するステップ(240)と、
(c)1つ以上のアクションを実施するステップ(245)と、
を含むことを特徴とする方法(200)。
【請求項3】
前記パーキング動作(100)の領域内の交通状況が、危険とランク付けされる場合にのみ、前記要求は拒否される、請求項1又は2に記載の方法(200)。
【請求項4】
前記アクションは、前記自動車(110)を停止させること、又は、前記自動車(110)を他の駐車位置に迂回させること、又は、前記自動車(110)の走行経路を制御するインフラストラクチャコンポーネントを前記自動車(110)の走行経路を変更若しくは遮断するように及び/又は前記自動車(110)を他の駐車位置に迂回させるように駆動制御すること、又は、それらの組合せを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項5】
前記アクションは、警告指示の出力(245)を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項6】
前記アクションは、前記パーキング動作(100)の領域内の他の自動車(110)を前記自動車(110)が走行可能である安全な位置に移動させること、又は、前記パーキング動作(100)の領域内の他の自動車(110)を前記自動車(110)が走行可能である領域から移動させること、又は、前記パーキング動作(100)の領域内の所定の範囲内を走行する他の自動車(110)を停止又は迂回させることを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項7】
コンピュータプログラムが処理装置(125)上で実行されるときに、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法(200)を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項に記載のコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
自動車(110)が引き渡し位置(115)と駐車位置(105)との間の区間(120)上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作(100)を制御するための装置(125)であって、
前記装置(125)は、
−前記自動車(110)の内部空間内に人が存在しているかどうかを検査するための検査装置(130)と、
−走行中の前記人の搬送に対する許可がないことを特定するための特定装置と、
−1つ以上のアクションを制御するための制御装置と、
を備えており、
前記検査の前に、前記制御装置は、前記許可の付与のための要求を認識し、前記許可がない場合には前記要求を拒否するように構成されている、
ことを特徴とする装置(125)。
【請求項10】
自動車(110)が引き渡し位置(115)と駐車位置(105)との間の区間(120)上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作(100)を制御するための装置(125)であって、
前記装置(125)は、
−前記自動車(110)の内部空間内に人が存在しているかどうかを検査するための検査装置(130)と、
−走行中の前記人の搬送に対する許可がないことを特定するための特定装置と、
−1つ以上のアクションを制御するための制御装置と、
を備えており、
前記許可がないことの前記特定の後、前記アクションを実施する前に、前記制御装置は、
−前記人との通信接続を形成し、
−前記人による、前記許可の付与のための要求を、認識し、
−前記要求を拒否する、
ように構成されている、
ことを特徴とする装置(125)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律的に動く自動車を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
独国特許出願公開第102012222562号明細書(DE102012222562A1)は、起点位置から目標位置まで車両を移送するための公共駐車場用システムを開示している。
【0003】
いわゆる自動化されたバレーパーキング(「AVP」)の場合、自動車は、自身の運転者によって、例えば、パーキングビル前の引き渡し位置(「ドロップゾーン」)に止められ、その位置から自律的に駐車位置に走行し、又は、逆の経路で駐車位置から引き渡し位置まで走行する。自動車の自律的な制御の際に、まだ複数の人が自動車内に存在していると、それによって、このことは問題になり得る。例えば、これらの人々は、パーキング過程の間に、当該自動車から離脱するかもしれず、それによって、これらの人々は、駐車場の運用を妨げかねない。特に、これらの人々は、自律的なバレーパーキング動作を妨げかねない。
【0004】
その一方で、例えば、システム検査の理由から、又は、自律的に制御された車両が立ち往生したままで、交通路から撤去する必要性から、自律的に動いている自動車の車内に人が存在することを可能にすることが望まれることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012222562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の開示
本発明が基礎とする課題は、自動化されたバレーパーキングの分野において、自律走行中の自動車の改善された制御のための技術を提供することにある。本発明は、この課題を、独立請求項の対象を用いて解決している。従属請求項は、好ましい実施形態を特定している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、自動車が引き渡し位置と駐車位置との間の区間上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作を制御するための方法は、自律的な走行過程の間に、自動車の車内に人が存在していることを認識するステップと、走行中の人の搬送に対する許可がないことを特定するステップと、1つ以上のアクションを実施するステップと、を含む。
【0008】
別の態様によれば、自動車が引き渡し位置と駐車位置との間の区間上で自律的に制御される、自動化されたパーキング動作を制御するための装置は、自動車の内部空間内に人が存在しているかどうかを検査するための検査装置と、走行中の人の搬送に対する許可がないことを特定するための特定装置と、1つ以上のアクションを制御するための制御装置と、を備えている。
【0009】
さらに別の態様によれば、コンピュータプログラム製品は、当該コンピュータプログラム製品が処理装置上で実行されるときに又はコンピュータ可読媒体上に記憶されている場合に、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムコード手段を含む。
【0010】
本発明は、次のような考察、すなわち、自律的に動かされる自動車の車内での人の搬送は、自動化されたパーキング動作の枠内では、必ずしも許容できない状況を表すものではないということを基礎としている。それどころか、この過程に対してできるだけ柔軟に対応することが提案されている。特に、問合せ又は要求に対して自動車の車内での人の搬送を許可することが提案されている。
【0011】
この目的のために、既に、走行過程の前に、許可の付与のための要求が認識可能である。この要求は、例えば、自動車の車内の人から、スマートフォンと、パーキング動作のための制御装置との対応するデータ接続とを用いて、生じ得る。上述の方法ステップは、要求が拒否された場合にのみ、適用される。
【0012】
別の実施形態では、後からの時点で許可を要求することも可能である。特に、自動車の車内に人が存在していることを認識した後に、自動車内の人との通信接続を、例えば、自動車の内部又は外部に設けられたスピーカを介して、あるいは、自動車自体又は人の所有する機器、例えばスマートフォンとの電話接続又はデータ接続を介して、形成することが可能である。したがって、人は、この後からの時点で、許可の付与のための要求を出す機会を有する。この許可が拒否され、人の搬送が承認されない場合にのみ、上述したアクションのうちの1つが実施可能になる。
【0013】
許可の付与のための要求を受け取る2つの変形例では、パーキング動作の領域内の交通状況が危険とランク付けされる場合にのみ、要求は拒否され得る。例えば、人のいる自動車の領域内に他の自動車が向かっているならば、このことは既に危険とランク付けすることができる。また、パーキング動作の領域内で総合的に高い交通量も、危険とみなすことができる。危険が存在しないのであれば、人の同乗を許可することが可能である。別の変形形態では、要求が許可される前に、交通状況が危険でないことを考慮することも可能である。この目的のために、例えば、他の自動車の自律走行過程が終了するまで、待機することが可能である。
【0014】
ここでは相互に組み合わせることも可能な様々なアクションが可能である。例えば、自動車の制御目標を変更することが可能である。この目的のために、自動車を、停止させるように指示することが可能である。別の実施形態では、自動車を、そこから例えば危険なことなく降車が可能である他の駐車位置に迂回させることも可能である。このようにして、自動車を、自動化されたパーキング動作から遠ざけることも可能である。さらに別の実施形態では、例えば、自動車の走行経路を制御するインフラストラクチャコンポーネント、すなわち、例えば、信号灯、遮断機又は動的な交通誘導装置を、次のように駆動制御可能である。すなわち、自動車の経路を遮断するように、及び/又は、上述した他の駐車位置に迂回させるように駆動制御可能である。
【0015】
自動車の自律的な動作モードにおいて、人の搬送が特定された場合にも警告指示を発することが可能である。この警告指示は、特に自動車の車内の人に向けられてもよいし、例えば、警告標識、警告灯又は点滅灯又はスピーカでのアナウンスのようなインフラストラクチャ構成要素を用いて行われてもよい。この警告指示はまた、自動車の車内の通信手段、例えばハンズフリートーク装置や人の所有するスマートフォンを用いて発せられてもよい。この警告指示によって、人に、その人の同乗が望まれていないか、又は、許可されていないことを、認識させることができる。このことは、特に、人が、自動車の自動化された制御に介入するか、又は、自動車が自身で誘導する場合に有効である。警告指示は、例えば自動車を停止させるための具体的な動作指示の形態で与えることが可能である。別の実施形態では、自動化されたパーキング動作の領域内の従業員に、状況の説明が求められることも可能である。この目的のために、従業員は、自動車を個人的に訪問すること、及び、場合によっては従業員が人の身元を確認すること、及び/又は、人を自動化されたパーキング動作の領域から誘導することが要求され得る。さらに別の実施形態では、警告指示は、例えば、車載の情報コンポーネント、スマートフォン等のモバイル機器、又は、上記インフラストラクチャ構成要素のうちの1つを介して、自動車内の人に発することができる。
【0016】
さらに別の変形例では、アクションは、パーキング動作の領域内で、他の自動車の制御目標の変更を含むことができる。それにより、予め定められた区間も変更可能である。そのため、この自動車は、AVP自動車が走行可能である安全な位置に移動させることができ、又は、AVP自動車が走行可能である領域から移動させることができる。一変形例では、全体のトラフィックフローを再プランニングすることができ、それによって、例えば、当該自動車を中心として予め定められた周辺内を走行する他の自動車の全て又は全パーキングシステム内を走行する他の自動車の全てが停止又は迂回される。
【0017】
許可がない場合には、自動車を停止するように駆動制御することも可能である。この目的のために、自動車の制御に直接介入することができ、例えば、その際には、相応の指示が、自動車に伝送される。区間は、走行経路を制御するインフラストラクチャコンポーネントを用いて変更又は遮断することができる。そのようなコンポーネントには、例えば、遮断機、信号灯又は類似の装置が含まれ得る。
【0018】
以下では、本発明を、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】自動化されたバレーパーキングのためのパーキングシステム。
図2図1のパーキングシステムを制御するための方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、自動化されたバレーパーキング(AVP)のためのパーキングシステム100を示す。このパーキングシステム100は、1つ以上の駐車位置105を含み、これらの駐車位置には、それぞれ1台の自動車110を止めることが可能である。この目的のために、運転者は、自動車110を、引き渡し位置115に誘導し、当該自動車110を離脱する。その後、自動車110は、区間120上を、予め定められた駐車位置105まで自律的に走行する。どの駐車位置105が当該自動車110のために予め定められているかということと、場合によっては、区間120の誘導も、パーキングシステム100に含まれている制御装置125を用いて特定される。運転者が自身の自動車110を再び使用したいときには、それに対応する方法で、駐車位置105から、運転者が当該自動車110を引き継ぐことができる引き渡し位置115へ自律的に戻される。
【0021】
完全なAVPパーキング過程は、引き渡し位置115から駐車位置105へ走行させること、入庫させること、及び、自動車110を止めることを含み得る。逆の方向では、完全なAVP受け取り過程は、自動車110を始動させること、出庫させること、及び、引き渡し位置115へ自律的に走行させることを含み得る。別の変形例では、そのように完全にではなく、部分的にのみパーキング過程又は受け取り過程が実施され、その場合、いずれにせよ、自動車110の自律的な走行が含まれる。
【0022】
区間120上の自動車110の自律的な走行については、様々なアプローチが公知である。第1の実施形態では、自動車110が、制御装置125によって制御される。この制御装置125は、パーキングシステム100の一部であり、自動車110外に配置されている。この制御装置125は、自動車110とコンタクト形成する通信装置145を含んでいてもよい。この通信装置145は、好ましくは無線方式で構成され、Bluetooth(登録商標)、WLAN又はモバイルデータ無線を含むことができる。自動車110の監視のために、1つ以上の検査装置130、例えば、カメラ、光スイッチ、走行距離計又は他の機器が設けられてもよい。
【0023】
第2の実施形態では、自動車110は、制御装置125によって受信された情報に基づいて走行し、この場合、制御装置125は、区間120上の自動車110の走行経過を積極的に支援する。この実施形態は、協働インフラストラクチャとも称される。
【0024】
第3の実施形態では、自動車110は、専ら、予め定められたデータに基づいて、例えば、駐車場105の配置図と、区間120上で駆動制御すべき駐車位置105の位置とに基づいて走行する。
【0025】
これら3つの全ての実施形態は、本願では、自動車の自律的な制御の名のもとで統合されている。
【0026】
円滑な運用を保証するために、一般的には、自動車110の自律的な走行中に人が車内に存在することは望ましくない。このことを検査するために、検査装置130が設けられていてもよい。この検査装置は、自動車110の車内に設けられていてもよく、例えば、車両センサ、室内カメラ又はシート占有センサ等が含まれていてもよい。代替的に又は付加的に、検査装置130は、自動車110外に配置されていてもよく、例えば、パーキングシステム100の領域内に、特に引き渡し位置115に、カメラが備えられていてもよい。また、様々な箇所に配置が可能な複数の検査装置130も可能である。
【0027】
自動車110が、その際に、又は、ちょうどそのときに、パーキングシステム100の領域内で、車内に人を伴って走行することが特定された場合であっても、このことが、特定の状況において許容される可能性もある。例えば、テスト又は安全上の理由から、技術者又は管理者を、自動車110において搬送する可能性がある。人の搬送は、パーキングシステム100内での運転者又はその同乗者の信頼を高めるために許可することも可能である。
【0028】
ここでは、要求に対して、これに関する人の搬送のための権限を、場合によっては副次的条件の考慮のもとで、付与することが提案されている。この要求は、通常は、自動車110の車内の人から制御装置125に出される。このことは、特に、引き渡し位置115に自動車110を止める前に既に行うことができる。一実施形態では、この要求は、さらに早期の時点でも、例えば駐車位置105に対する予約過程の枠内で、出すことが可能である。要求が受理された場合、対応する指示が制御装置125によって記憶装置135内に格納され、要求した人には、この受理が通知され得る。
【0029】
車内に人を伴った自動車110の自律的な走行が認識されると、許可がある場合には、不正な人の搬送を阻止する目的を持ったさらなるアクションは生じない。そうでない場合には、パーキングシステム100、自動車110の車内の人、及び、当該自動車110自体の安全性を確保するために、1つ以上の手段を講じることができる。通知や警告を発し得るアクションは、自動車110の制御目標に影響を与えることと、パーキングシステム100の領域の他の自動車110の制御目標を変更することとを含み得る。可能なアクションについては、指示又は警告の出力、自動車110の制御目標の対処、及び、パーキングシステム100の領域内の他の自動車110の制御目標の変更を挙げることが可能である。警告指示は、一実施形態では、自動車110の乗員に直接向けられてもよい。この目的のために、この警告指示は、車載のコンポーネントを介して、例えばエンターテインメントシステム、情報システム又は自動車にネットワーク接続されたスマートフォンなどを介して出力することができる。別の実施形態では、警告指示は、このことを引き起こすために、当該過程を適宜に監視している従業員にも出力することができる。
【0030】
それらのアクションのうちの1つを支援するために、パーキングシステム100のインフラストラクチャ140、例えば、信号灯、遮断機、交通誘導システム、スピーカ装置、光、点滅光、又は、当該パーキングシステム100の領域内に固定的に又は可動に配置された他の要素が使用可能である。別の実施形態では、通信装置145は、自動車110との直接の通信又は自動車110内の人との直接の通信のために構成されていてもよい。例えば、据え付けられた機器又は例えばスマートフォンなどのモバイル機器150が、自動車110の車内に設けられ、さらに制御装置125が、通信装置145を介してモバイル機器に応答可能であるものとしてもよい。
【0031】
特に好ましくは、人の搬送が既に認識された場合であっても、区間120上の人の搬送のための許可がまだ要求可能である。このケースでは、人がそのような要求の出力を望んでいるかどうかを特定するために、自動車110の車内の人とコンタクトを取ることが可能である。望んでいる場合には、要求が処理され、肯定的又は否定的な結果が得られる。それが肯定的な結果であるならば、さらなるアクションは留保可能である。人が自身の輸送の許可に対する要求の出力を望まない場合には、前述したアクションのうちの1つが起動され得る。
【0032】
要求を処理する場合に好ましくは、この要求は、パーキングシステム100の動作が、人にとって危険を示しかねない場合にのみ、すなわち、許可が付与されない場合にのみ、受理されない。要求を受信した後の許可の付与は、特に、パーキングシステム100の領域内の交通状況が評価されて安全であるとランク付けされることに結び付けてもよい。この目的のために、特に、全パーキングシステム100内のトラフィックフロー又は当該自動車110の領域内のトラフィックフローが基礎とされ得る。
【0033】
図2は、パーキングシステム100内の自動化されたパーキング動作を制御するための方法200のフローチャートを示す。方法200は、特に、制御装置125上で実行することができる。
【0034】
任意のステップ205では、引き渡し位置115と駐車位置105との間の区間120上で、自動車110の自律的な走行中の人の搬送の許可を付与するための要求が受信される。この場合、ステップ210では、許可を付与するかどうかが決定可能である。この判定の結果は、問合せされた位置又は人、自動車110及び/又は記憶装置135に転送される。
【0035】
自動車110が、区間120上の自律的な走行中であるか、又は、自律的な走行が直前に差し迫っている場合には、同乗者走行であるかどうかが、ステップ215において特定される。同乗者走行である場合は、ステップ220において、対応する許可があるかどうかが検査される。許可がある場合、又は、ステップ215において、同乗者走行ではないことが特定されている場合には、この方法200は、状態225に移行することができ、そこからは、区間120上の自動車110の自律的な走行に関するさらなるアクションが実施されることはない。
【0036】
一方、許可がない場合には、ステップ230において、制御装置125と自動車110内の人との間で通信が形成され得る。この目的のために、インフラストラクチャ140、又は、自動車110の通信装置145、若しくは、自動車110の車内の機器150が使用可能である。任意のステップ235では、人が本当に、自動車110の自律的な走行中に車内に残留する要求を出すことを望んでいるのかどうかが明確にされ得る。この場合には、ステップ210と同様に、ステップ240において、許可を付与することができるのかどうか、あるいは、拒否されるべきなのかどうかが特定され得る。許可が付与される場合には、この方法200は、ステップ225に移行可能である。それ以外の場合は、ステップ245において、同乗者走行に対応するために、1つ以上のアクションが開始され得る。
図1
図2