(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556280
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】SMD式LEDディライトレスパッケージ方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20190729BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20190729BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20190729BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20190729BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20190729BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/56
H01L33/50
H01L33/48
H01L23/30 F
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-41220(P2018-41220)
(22)【出願日】2018年3月7日
(65)【公開番号】特開2019-36705(P2019-36705A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2018年6月14日
(31)【優先権主張番号】201710708934.4
(32)【優先日】2017年8月17日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518079611
【氏名又は名称】旭宇光電(深▲せん▼)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】718003500
【氏名又は名称】鄒 静文
(74)【代理人】
【識別番号】717007675
【氏名又は名称】許 麗穎
(72)【発明者】
【氏名】林金填
(72)【発明者】
【氏名】王遠東
(72)【発明者】
【氏名】李超
(72)【発明者】
【氏名】趙文
(72)【発明者】
【氏名】楊世友
【審査官】
皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−184616(JP,A)
【文献】
特開2017−085125(JP,A)
【文献】
特開2017−011257(JP,A)
【文献】
特開2012−199345(JP,A)
【文献】
特開2017−092258(JP,A)
【文献】
特開2004−119583(JP,A)
【文献】
特開2013−225597(JP,A)
【文献】
特開2005−129879(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102014108377(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMD式LEDディライトレスパッケージ方法であって、ブラケットを設置し、前記ブラケットのキャビティにLEDチップを設置するステップと、キャビティに封止グルーを塗りつぶし、前記封止グルーをベーキング硬化するステップと、透明シリコーンを硬化後の前記封止グルーに付け、前記透明シリコーンの中部を凸面にするステップと、前記ブラケットを上下反対に置き、前記ブラケットのキャビティを下に向け、前記透明シリコーンを重力の作用下で流れさせ、前記透明シリコーンをベーキングし硬化させレンズを成型する、成型ステップと、を含み、前記成型ステップには、ベーキングの温度は75-85セルシウスであり、前記成型ステップにおいて、前記ブラケットを支えるための材料ボックスを用い、前記成型ステップには、オーブンで前記透明シリコーンをベーキングし、前記レンズの発光角度は60-90度であり、前記レンズは半球状または水滴状であり、封止グルーステップには、オーブンベーキングを使用し、ベーキングの温度は130-160セルシウスであり、前記封止グルーは蛍光グルーであり、封止グルーステップの前に、蛍光粉をシリコーンに入れ、混ぜて、蛍光グルーを制作するステップを包含し、前記封止グルーステップにおいて、前記封止グルーをキャビティに均等的に塗りつぶすことを特徴とするSMD式LEDディライトレスパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED技術分野に属し、より具体的に言えば、SMD式LEDディライトレスパッケージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、略称:LED)は照明装置に広く応用されている。一般的に、その中のSMD式LED(SMD LEDと略される)は、一側がキャビティを備えているブラケット、
前記ブラケットのキャビティの中に設置しているチップ、キャビティに塗りつぶされている封止グルーと封止グルーに設置しているコンデンサーレンズを包含している。チップが発出した光の波長の一致性を保証するために、
前記ブラケットのキャビティに均等的に一定の厚さの封止グルーを塗りつぶしている。封止グルーを通した光はコンデンサーレンズにより調整された後、発出する。一般的には、コンデンサーレンズが金具を用いて硬化成形させ、封止グルーあるいは
前記ブラケットに溶接または接着させ、制作プロセスは複雑であり、コストは高い。それと同時に、金具のコストが高く、SMD LEDのコストを高めることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第106876534号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第102956758号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はSMD LEDディライトレスパッケージ方法を提供することにあり、従来の技術に存在するSMD LEDパッケージレンズの複雑なプロセスや高いコストという問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を目的を実現するため、本発明に係る技術方案はSMD LEDディライトレスパッケージ方法を提供する。以下のようなステップを含まれている。
【0006】
「チップを取り付ける」:
前記ブラケットを設置し、
前記ブラケットのキャビティにLEDチップを設置する。
【0007】
「封止グルー」:キャビティに封止グルーを塗りつぶし、封止グルーをベーキング硬化する。
【0008】
「グルーを注入する」:透明シリコーン点を硬化後の封止グルーに付け、
前記透明シリコーンの中部を凸面にする。
【0009】
「成型」:
前記ブラケットを
上下反対に置き、
前記ブラケットのキャビティを下に向け、
前記透明シリコーンを重力の作用で流れさせ、
前記透明シリコーンをベーキングし硬化させレンズ
を成型させる。
【0010】
さらに、成型ステップには、ベーキングの温度は75-85セルシウスである。
【0011】
さらに、
成型ステップにおいて、前記ブラケットを支えるための材料ボックスを用いる。
【0012】
さらに、成型ステップには、オーブンで
前記透明シリコーンをベーキングする。
【0013】
さらに、
前記レンズの発光角度は60-90度である。
【0014】
さらに、
前記レンズは半球状または水滴状である。
【0015】
さらに、封止グルーステップには、オーブンベーキングを使用する。ベーキングの温度は130-160セルシウスである。
【0016】
さらに、封止グルーは蛍光グルーである。
【0017】
さらに、封止グルーステップの前に、
蛍光粉をシリコーンに入れ、混ぜて、蛍光グルーを制作するステップを包含する。
【0018】
さらに、
前記封止グルーステップにおいて、前記封止グルーをキャビティに均等的に塗りつぶす。
【発明の効果】
【0019】
本発明が提供するSMD LEDディライトレスパッケージ方法の有益な効果は、既存の技術と比べ、硬化後の封止グルーに
前記透明シリコーンを注入し、
前記ブラケットを反対に置き、ベーキングを行う。
前記透明シリコーンが重力により流れ、徐々に硬化し、
前記レンズを形成する。プロセスの各ステップは簡単であり、制作容易であり、金具が必要ではなく、コストが低い。
【0020】
本発明の実施例の中の技術方案をもっとはっきりと説明するため、下記に実施例また既存の技術説明を図面を用いて簡単に紹介する。一目でわかることは下記の説明の中の図面はただ本発明のいくつかの実施例で、本分野の普通の技術者にとって、創造的な労働を払わない前提に、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の実施例が提供したSMD LEDディライトレスパッケージ方法のプロセスの説明図である。
【
図2】
図2は、
図1のSMD LEDディライトレスパッケージ方法を用いて作られたSMD LEDの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明が解決する技術問題と、技術方案及び有益な効果をより明白に説明するために、以下には、図面と実施例と共に、本発明についてより詳しく説明していく。注意しておきたいことは、ここで書いてある具体的な実施例は、本発明のみについて説明するが、本発明に限られないのである。
【0023】
事前に説明しておけば良いことは、あるコンポーネントは別のコンポーネントに「固定」され、「設置」されると称されれば、それはその別のコンポーネントに、あるいは間接的に別のコンポーネントにあるということである。あるコンポーネントは別のコンポーネントと接続されると称されれば、それは直接あるいは間接に別のコンポーネントと接続しているということである。
【0024】
それ以外には、「第一」、「第二」は目的のみを説明し、相対的に重要性の表示や暗示、または技術特徴の数量が隠れている説明と理解することはできない。それゆえに、「第一」、「第二」を限定している特徴は、一つあるいはより多い特徴を含まれる明示や暗示である可能性がある。本発明の説明の中で、別の明確的に規定がなければ、「多くの」の意味は、二つか二つ以上という意味である。
【0025】
本発明の記述の中で、先に理解して良いなのは、「中心」、「長さ」、「広さ」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「底」、「内」、「外」等が指す方向や位置関係は、図により表される方位や位置関係であり、本発明を説明し、説明を簡潔化するためである。装置かコンポーネントが必ず備える特定の方位や、特定な方位構造や操作で利用することなどを指す、または暗示することではない。従って、それらは本発明に対する制限ではない。
【0026】
本発明の説明の中、注意しておきたいのは、明確な規定や限定がない限り、「設置」、「接続」は広義的に理解されるということである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続、または一体的な接続である可能性がある。機械的な接続や電気的な接続である可能性がある直接的な接続や中間媒介体による間接的な接続、あるいは二つのコンポーネント内部の繋がりや二つのコンポーネントの相互作用関係である可能性もある。本分野の一般の技術者に対しては、具体的な状況により、上述の術語が本発明での具体な意味を理解した方が良い。
【0027】
図1と
図2を参照してください。本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法について説明していく。SMD LEDディライトレスパッケージ方法は以下のステップを含まれている。
【0028】
チップを設置するS1:
前記ブラケット11を設置し、
前記ブラケット11のキャビティにLEDチップを設置する。
【0029】
封止グルーS3:キャビティに封止グルー12を塗りつぶし、封止グルー12をベーキング硬化する。
【0030】
グルーを注入するS4:
前記透明シリコーンを硬化後の封止グルー12に付け、
前記透明シリコーンの中部を凸面にする。
【0031】
成型S5:
前記ブラケット11を
上下反対に置き、
前記ブラケット11のキャビティを下に向け、
前記透明シリコーンを重力の作用下で流れさせ、
前記透明シリコーンをベーキングし硬化させ
前記レンズ13
を成型させる。
【0032】
チップを設置するステップS1を通じて、LEDチップを
前記ブラケット11のキャビティに固定し、溶接個体結晶を行うことで、LEDチップを
前記ブラケット11に設置する。封止グルーステップS3では、キャビティに封止グルー12を塗りつぶすことで、LEDチップを包含し、そして、ベーキングにより硬化させ、LEDチップを保護する。グルーを注入するステップS4においては、
前記透明シリコーンを使用し、LEDチップが発出した光が封止グルー12を通じて発出後、より良く発出でき、出光率を高める。
前記透明シリコーンの中部を凸面にすることで、形作りをより容易にできる。成型ステップS5においては、
前記ブラケット11を反対に置き、
前記ブラケット11のキャビティを下に向けることで、
前記透明シリコーンが重力により流れると同時に、
前記透明シリコーンをベーキングし、
前記透明シリコーンを徐々に硬化させ、
前記レンズ13を形成させ、光を調整することができる。
【0033】
本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法は、従来の技術と比べれば、本発明は硬化後の封止グルー12に
前記透明シリコーンを注入し、
前記ブラケット11を反対に置き、ベーキングを行う。
前記透明シリコーンが重力により流れ、徐々に硬化し、
前記レンズ13を形成する。プロセスのステップは簡単であり、制作容易であり、金具が必要ではなく、コストは低い。
【0034】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として、成型ステップには、ベーキングの温度は75-85セルシウスである。75-85セルシウスの温度で
前記透明シリコーンをベーキングすることにより、
前記透明シリコーンをゆっくりと硬化させ、
前記透明シリコーンが重力の作用により流れやすくなる。優先的には、ベーキングの温度は80セルシウスである。
【0035】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として成型ステップS5の中には、
前記ブラケット11を支えるための材料ボックスを用いる。材料ボックスを設置し、ベーキングの前、
前記ブラケット11を反対設置し材料ボックスの中に置かられ。
前記ブラケット11をより良くサポートし、それで、
前記ブラケット11にある
前記透明シリコーンに対してのベーキングをより容易にし、それを硬化させ
前記レンズ13と形成させる。
【0036】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として成型ステップS5では、オーブンで
前記透明シリコーンをベーキングする。オーブンでベーキングを行い、オーブンの温度と時間をコントロールしやすくする。
【0037】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルー12に注入した
前記透明シリコーンの量とベーキング時間で、硬化後形成した
前記レンズ13の形状をコントロールする。SMD LEDの発光角度をコントロールする。具体的には、
前記レンズ13の発光角度は60-90度である。大多数の場合の要求を満たし、光を集中させ、明度を高める。
【0038】
さらには本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として
前記レンズ13は半球状である。確かに、他の実施例には、
前記レンズ13が水滴状である可能性がある。
前記ブラケット11の傾斜度をコントロールすることで、
前記透明シリコーンの流れる方向をコントロールし、したがって、様々な形状の
前記レンズ13を形成する。
【0039】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルーステップS3の中では、オーブンベーキングを使用する。ベーキングの温度は130-160セルシウスである。130-160セルシウスの温度で封止グルー12をベーキングすることにより、封止グルー12を短時間で硬化させ、効率を高める。封止グルー12が
前記ブラケット11のキャビティに塗りつぶされているため、
前記ブラケット11のキャビティを通じて封止グルー12の形成を限定する。より高い温度で快速な硬化を行い、効率を高める。
【0040】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルー12は蛍光グルーである。蛍光グルーを使用することで、LEDチップを赤、緑、青、白の色の光を発出させることができる。確かに、他の実施例には、LEDチップ自身が赤、緑や青の色の光を発出しており、SMD LEDが赤、緑や青の光を発出しようとする場合、封止グルー12は透明のシリコーンを使うことができる。
【0041】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルーステップS3の前に、蛍光グルーを制作するステップS2を包含している。蛍光粉をシリコーンに入れ、よく混ぜる。蛍光グルーを制作するステップS2を通して、蛍光粉をシリコーンと均等的に混ぜさせ、出光の一致性を保証することができる。
【0042】
さらに、
図1と
図2を一緒にご参照し、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルー12をキャビティに均等的に塗りつぶしている。封止グルー12を
前記ブラケット11のキャビティに均等的に塗りつぶすことで、LEDチップが発出した光線の波長の一致性を保証することができる。それと同時に、封止グルー12を塗りつぶしやすくなる。
【0043】
もっとさらには本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式として封止グルー12の頂部は
前記ブラケット11の頂部と同じ水平にあり、塗りつぶされる封止グルー12の量を制御することが容易となり、加工制作しやすくなる。
【0044】
さらに、本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式としてキャビティはボール状である。キャビティをボール状に設置することで、LEDチップが発出した光を反射的にすることができ、出光率を高めることができる。
【0045】
もっとさらには本発明のSMD LEDディライトレスパッケージ方法の一種の具体的な実施方式としてキャビティの内部の表面には反射層を設置している。キャビティの内面に反射層を設置することにより、出光率を高めることができる。
【0046】
以上に述べたのは本発明のより良い実施例で、本発明を制限することに用いない、本発明の意義と原則のもとで行う全部の修正、同等取替と改善が本発明の保護範囲にある。