特許第6556282号(P6556282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6556282
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】紙類処理剤
(51)【国際特許分類】
   D21H 21/22 20060101AFI20190729BHJP
   D21H 19/10 20060101ALI20190729BHJP
   A47K 10/16 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   D21H21/22
   D21H19/10 A
   A47K10/16 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-46528(P2018-46528)
(22)【出願日】2018年3月14日
【審査請求日】2019年5月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114318
【氏名又は名称】ミヨシ油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174702
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 拓
(72)【発明者】
【氏名】執行 恵未
【審査官】 堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−189725(JP,A)
【文献】 特開2017−106131(JP,A)
【文献】 特開平9−105075(JP,A)
【文献】 特開2016−74999(JP,A)
【文献】 特開2015−203172(JP,A)
【文献】 特開2014−208921(JP,A)
【文献】 特開2011−111703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00−D21J7/00
A47K7/00−7/08、10/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)多価アルコールを主成分とする紙類処理剤であって、(B)炭素数12超22未満のアシル基を有し、かつHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルおよび(C)イオン性界面活性剤を含有し、前記(B)成分に対する前記(C)成分の質量比(C/B)が0.65〜24である紙類処理剤。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が、水分を除く全量に対して80質量%以上である請求項1に記載の紙類処理剤。
【請求項3】
前記(A)成分に対する前記(B)成分の質量比(B/A)が0.20×10−2以上である請求項1または2に記載の紙類処理剤。
【請求項4】
前記(A)成分に対する前記(C)成分の質量比(C/A)が0.01以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙類処理剤。
【請求項5】
坪量9〜10g/mのドライティッシュの質量に対して有効分が18±3質量%となるように、前記紙類処理剤で処理した処理紙と、同条件においてグリセリンで処理した処理紙との、摩擦静荷重25g、1mm/sec.で測定したMMD値の変化率(100×紙類処理剤で処理した処理紙のMMD値/グリセリンで処理した処理紙のMMD値)が95%未満である請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙類処理剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の紙類処理剤で紙類を処理することにより、紙類のぬめり感を向上させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙類処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保湿剤を主成分とする紙類処理剤で紙類を処理することで、通常のドライティッシュ等に比べて紙類にしっとり感と柔らかさを付与した製品が知られている。その代表的な製品であるローションティッシュは、ティッシュ原紙に紙類処理剤としてローション剤を塗布した保湿ティッシュであり、しっとりとして、柔らかさのある風合いで使用感が大きく向上することから、花粉症、インフルエンザ対策等の冬場の季節商品として普及が進み、近年では、鼻かみ用途中心から日常用途へ拡大し、通年化しつつある。
【0003】
保湿ティッシュの保湿剤には、グリセリンやポリエチレングリコール(PEG)等の多価アルコール、特に、安価で安全な優れた保湿剤であるグリセリンが使用される場合が多い。この保湿剤によって紙類の吸湿性、保湿性を強化し、紙類にしっとり柔らかな風合いを付与している。
【0004】
人がものに触れたときに感じる材質感や感触としての風合いは、保湿ティッシュの使用感に大きな影響を与え、商品の付加価値となる最も重要な品質のひとつになっている。保湿ティッシュの風合いとして、なめらかさは、しっとり感、柔らかさと共に、従来検討されてきた。従来において検討されてきたなめらかさは、保湿ティッシュを軽くなぞるように触れる場合の感触と、鼻かみ等において保湿ティッシュをやや強く押した場合の感触とを特段には区別せずに、ざらつきが少ない、あるいはすべりやすいといった広義の官能として評価され、良好な風合いの指標の一つとされてきた。
【0005】
しかし、鼻かみ等において保湿ティッシュを肌に接触させたときの風合い、特に実際の使用に即して肌へ強めに押した際における消費者の感覚は鋭敏である。従って従来の感覚とは異質な、特に肌へ強めに押した際に感じられる風合いの向上や特異性は、例えば低刺激な感触で肌への負担を軽減するようなものであれば、消費者に従来とは異なる使用感として認識され、心地よい感触として大きな影響を与え、このような技術改良は商品の付加価値となり得る。
【0006】
従来、保湿剤を主成分とする紙類処理剤に、保湿剤によるしっとり感の他に、柔らかさ、なめらかさ等の風合いを向上させることを課題とした技術として、保湿剤と共に各種の添加成分を配合することが提案されている(特許文献1〜8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−226986号公報
【特許文献2】特開2007−107173号公報
【特許文献3】特開2008−7926号公報
【特許文献4】特開2014−65986号公報
【特許文献5】特開2015−203172号公報
【特許文献6】公開技報2014−503441
【特許文献7】特開2013−189725号公報
【特許文献8】特開2014−208921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、以上のような従来技術では、従来評価されてきたなめらかさ等の風合いとは区別して認識される、更なる改良については検討されていない。例えば、特許文献1〜4はこのような従来認識されている広義のなめらかさを課題として各種の添加成分を配合したものである。特許文献5では柔らかさを付与することを課題としてショ糖脂肪酸エステルを配合し、特許文献6〜8では、風合いを向上させることを課題としてショ糖脂肪酸エステルとイオン性界面活性剤を配合することが提案されているが、上記のような更なる改良の観点、特に保湿ティッシュの典型的な使用態様である鼻かみ等において圧が掛かったときに特異的に発現する独特な風合いや、ショ糖脂肪酸エステルにおける脂肪酸炭素数および疎水性と親水性のバランスとして定義されるHLB、これらの中でも特にHLBと、更にイオン性界面活性剤を、質量比も考慮して組み合わせたときの相関については着目されていない。すなわち、ショ糖脂肪酸エステルの詳細な構造および特性と共に、特定の界面活性剤を組み合わせた場合における、特異的な風合いとの相関性についての詳細な検討はされていなかった。
【0009】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、鼻かみ等のように圧が掛かった際に、従来検討されてきたなめらかさとは異質の改良された感触が得られる紙類処理剤を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、特定の脂肪酸炭素数とHLBの組み合わせを持つショ糖脂肪酸エステルと、イオン性界面活性剤とを、これらが特定の質量比となるように配合した場合に、例えば鼻かみ等において処理紙をやや強く押した時のように圧が掛かった際に、独特のなめらかさであるぬめり感、言い換えると、処理紙をやや強く押した時に引っ掛かりの無さとして感じられる、ぬるっとしたなめらかさが特異的に発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコールを主成分とする紙類処理剤であって、(B)炭素数12超22未満のアシル基を有し、かつHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルおよび(C)イオン性界面活性剤を含有し、(B)成分に対する(C)成分の質量比(C/B)が0.65〜24であることを特徴としている。
【0012】
本発明の方法は、前記紙類処理剤で紙類を処理することにより、紙類のぬめり感を向上させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の紙類処理剤とそれを用いた方法によれば、鼻かみ等のように処理紙に圧が掛かった際に、従来にない特異的な、独特のなめらかさであるぬめり感が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明の紙類処理剤において、(A)成分の多価アルコールは、紙類の吸湿性、保湿性を強化し、紙類にしっとり感を付与する保湿剤であり、紙類処理剤の主成分である。
【0016】
ここで主成分とは、紙類処理剤の原料である各添加成分の中で、(A)成分を最も多い質量で配合することを意味する。その中でも、(A)成分の含有量は、水を除く紙類処理剤の原料全量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。なお、紙類処理剤の配合成分は有効分を基準とし、かつ水分を除く値を示している。
【0017】
本発明に用いられる(A)成分の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリンエーテル、イソプレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。また、糖アルコール類や糖類であってもよく、糖アルコール類としては、例えば、ソルビトール、イノシトール、グルコシルトレハロース、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、フルクトース、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元澱粉加水分解物等が挙げられる。糖類としては、例えば、果糖、ブドウ糖、乳糖、キシロース、プシコース、麦芽糖、水飴、オリゴ糖、マルトース、トレハロース、ラクトース、パラチニット、ショ糖、異性化糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、ステビア、甘草、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
これらの中でも、グリセリンが好ましい。保湿剤としてグリセリンを使用する場合、保湿剤全量に対するグリセリンの割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。グリセリンと併用する保湿剤としては、例えば、ソルビトール等が挙げられる。
【0019】
本発明の紙類処理剤において、保湿剤としては、(A)成分の多価アルコール以外の成分を(A)成分と併用してもよい。このような保湿剤としては、例えば、アミノ酸類、吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類が挙げられる。アミノ酸類としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類としては、例えば、パンテテイン−S−スルホン酸塩、トリメチルグリシン、ベタイン、ピロリン酸、ピロリン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸塩、ピロリン酸カリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明の紙類処理剤において、(B)成分は、炭素数12超22未満のアシル基を有し、かつHLBが11以上のショ糖脂肪酸エステル(以下、「ショ糖脂肪酸エステル」と略称することがある。)である。(B)成分は、(C)成分のイオン性界面活性剤を質量比(C/B)が0.65〜24となるように併用することによって、鼻かみ等のように処理紙に圧が掛かった際に、独特のなめらかさであるぬめり感が得られる。
【0021】
本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸等が挙げられる。また、ラードやパーム油脂肪酸等の混合脂肪酸に由来するアシル基であってもよい。脂肪酸は直鎖状と分岐状のいずれであってもよく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましく、飽和脂肪酸が好ましい。ショ糖脂肪酸エステルのアシル基の炭素数の下限は12超であり、14以上、16以上であってよい。また炭素数上限は22未満であり、20以下、18以下であってよい。本発明におけるショ糖脂肪酸エステルは、これらの脂肪酸を主要構成脂肪酸として有していればよい。
【0022】
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖アラキジン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられるが、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
ショ糖脂肪酸エステルのHLBは、11〜19が好ましく、11〜16がより好ましい。
【0024】
HLBは、乳化剤の疎水性と親水性のバランスを表す数値であり、ショ糖脂肪酸エステルのHLBは、乳化実験による方法で求めた値が参照される。市販品を使用する場合には、そのカタログ等に記載されている値も参照される。ショ糖脂肪酸エステルのHLB範囲は、1〜19とされており、HLB範囲の広い乳化剤として知られている。
【0025】
ショ糖脂肪酸エステルは、そのモノ、ジ、トリエステルの含有量は特に限定されないが、モノエステル含量は、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましい。また95%以下が好ましく、75%以下がより好ましい。
【0026】
ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、三菱フーズケミカル株式会社製のリョートーシュガーエステルM−1695(ショ糖ミリスチン酸エステル、HLB16)、P−1570(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB15)、P−1670(ショ糖パルミチン酸エステル、HLB16)、S−1170(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB11)、S−1570(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15)、S−1670(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB16)、O−1570(ショ糖オレイン酸エステル、HLB15)、第一工業製薬株式会社製のDKエステルF−110(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB11)、F−140(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB13)、F−160(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15)、SS(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB19)等が挙げられる。
【0027】
本発明の紙類処理剤において、(B)成分の含有量は、肌へ強く押したときの独特な風合いの点を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。また、紙類の風合いに関わる紙類処理剤の紙類への均一塗布性が良好となる点を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
【0028】
本発明の紙類処理剤において、(C)成分のイオン性界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤を用いることができる。
【0029】
アニオン性界面活性剤は、特に限定されるものではなく、リン酸エステル塩型、スルホン酸塩型、硫酸エステル塩型、カルボン酸塩型等のアニオン性界面活性剤を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
リン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0031】
スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルケニルアミドスルホン酸塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルスルホン酸塩等が挙げられる。
【0032】
硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪族アミドエーテル硫酸塩、アルキルグリセリルエーテル硫酸塩、硫酸化脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0033】
カルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩、アシル乳酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアラニン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシル−ω−アミノ酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルケニルスルホ酢酸塩、アルケニルコハク酸塩、ロジン酸塩、ナフテン酸塩等が挙げられる。
【0034】
カチオン性界面活性剤は、特に限定されるものではなく、第4級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型、アルキルアミン塩型等のカチオン性界面活性剤を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
第4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンザルコニウム塩、N,N−ジアルキロイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0036】
ピリジニウム塩型のカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
【0037】
アルキルアミン塩型のカチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等が挙げられる。
【0038】
両性界面活性剤は、特に限定されるものではなく、ベタイン型、イミダゾリン型、アミノ酸型、アミンオキシド型等の両性界面活性剤を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
ベタイン型の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、レシチン、水添レシチン等が挙げられる。
【0040】
イミダゾリン型の両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウム−1−アセテート、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム等が挙げられる。
【0041】
アミノ酸型の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジエチレントリアミノ酢酸塩、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、ジヒドロキシアルキルメチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸、N−[3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩、アルキルアミノジプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0042】
アミンオキシド型の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
本発明の紙類処理剤において、(B)成分に対する(C)成分の質量比(C/B)は、0.65〜24である。この範囲内であると、鼻かみ等のように処理紙に圧が掛かった際に、独特のなめらかさであるぬめり感が得られる。経時での風合い劣化の観点から、質量比(C/B)の下限は、0.70以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましく、3.0以上が特に好ましい。また、経時での粘度変化を抑制する観点から、質量比(C/B)の上限は、23以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましく、7以下が最も好ましい。
【0044】
本発明の紙類処理剤において、(A)成分に対する(B)成分の質量比(B/A)は、独特のなめらかさであるぬめり感がより向上する点から、0.20×10−2以上が好ましく、0.20×10−2〜2.3×10−2がより好ましい。また、低粘度の紙類処理剤は、移送が容易でハンドリング性が良く、処理紙に対する処理剤付着量の管理が平易で、操業性が良好となる。従って粘度増加による操業性の悪化を回避することが求められているが、過度の増粘を抑制する点から、質量比(B/A)は、1.0×10−2以下が好ましい。
【0045】
本発明の紙類処理剤において、(A)成分に対する(C)成分の質量比(C/A)は、独特のなめらかさであるぬめり感がより向上する点から、0.01以上が好ましく、0.01〜0.24がより好ましい。また過度の増粘を抑制する点から、質量比(C/A)は、0.1以下が好ましい。
【0046】
本発明の紙類処理剤において、(C)成分の含有量は、全体的な各効果の発現、特に、独特のぬめり感が良好となる点を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して0.1質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、紙類の風合いに関わる紙類処理剤の紙類への均一塗布性が良好となる点を考慮すると、水を除いた処理剤全量に対して20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
【0047】
本発明の紙類処理剤は、坪量9〜10g/mのドライティッシュの質量に対して有効分が18±3質量%となるように、紙類処理剤で処理した処理紙と、同条件においてグリセリンで処理した処理紙との、摩擦静荷重25g、1mm/sec.で測定したMMD値の変化率(100×紙類処理剤で処理した処理紙のMMD値/グリセリンで処理した処理紙のMMD値)が95%未満であることが好ましく、90%以下であることがより好ましい。MMD値の変化率がこの範囲内であると、独特のなめらかさであるぬめり感を得るのに適している。
【0048】
本発明において、紙類処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記以外の他の成分を原料として添加することができる。このような他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、非イオン性界面活性剤、油性成分、増粘剤、防カビ剤、防腐剤、消泡剤、香料、色素類、pH調整剤、エキス類、抗酸化剤、抗炎症剤、無機鉱物、無機塩、水溶性高分子等が挙げられる。
【0049】
水は、添加してもよく、添加しなくてもよいが、添加する場合には、紙類処理剤中の水分量が1〜30質量%となるように添加されることが好ましく、3〜25質量%となるように添加されることがより好ましく、5〜20質量%となるように添加されることがさらに好ましい。
【0050】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ヒマシ油脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエタノールアミド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ピログルタミン酸脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレングリセリルピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
【0051】
油性成分としては、例えば、固形パラフィンや流動パラフィン等の炭化水素類、油脂類、エステル類、シリコーン油類、ロウ類、ステロイド類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0052】
本発明の紙類処理剤は、常法に従って各原料を均一に混合することによって製造することができ、例えば、各原料が溶解する温度で撹拌混合することにより得ることができる。
【0053】
本発明の紙類処理剤は、溶融している状態でも、可溶化している状態でも、乳化している状態でも、分散している状態でもよい。
【0054】
本発明の紙類処理剤で紙類を処理することにより、紙類の風合いを向上させることができる。特に、本発明の紙類処理剤で紙類を処理することにより、処理された紙類のぬめり感が向上する。
【0055】
紙類としては、例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、ポケットティッシュ、紙ハンカチ、紙タオル等が挙げられる。
【0056】
紙類の坪量は、1〜50g/mが好ましく、5〜20g/mがより好ましい。ply数(原紙の積層枚数)は、1〜5が好ましく、2〜3がより好ましい。
【0057】
紙類処理剤で紙類を処理する方法としては、例えば、紙類に塗布する方法等が挙げられる。紙類に塗布する方法としては、例えば、転写、噴霧等が挙げられる。これらの方法で紙類に塗布する方式としては、例えば、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式、スプレー方式、ローターダンプニング方式等が挙げられる。フレキソ印刷方式では、凸版印刷機の一種であるフレキソ印刷機を使用し、表面を彫刻したゴムや合成樹脂等の刷版を装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。グラビア印刷方式では、凹版印刷機の一種であるグラビア印刷機を使用し、表面に製版を施した金属のシリンダで装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。スプレー方式では、圧縮空気によりノズルから紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。ローターダンプニング方式では、高速回転する円盤で紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。
【0058】
紙類への紙類処理剤の塗布量は、水分を除いた有効分で1〜7g/mが好ましく、1.5〜6g/mがより好ましい。
【実施例】
【0059】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)紙類処理剤の調製
次の手順により紙類処理剤を調製した。
ビーカーに各配合原料を表1および表2に記載した添加量で仕込み、各原料が溶解する温度で攪拌混合し、紙類処理剤を調製した。表1および表2に示す各成分の配合量は、有姿量が水分を含む場合、水分を除いた有効分を示し、水の含有量は省略して示している。
【0060】
(2)処理紙の作製
上記の方法により得られた紙類処理剤を水に溶解させて有効分18±3質量%の処理液を調製した。各処理液を、ドライティッシュ(ply数2、坪量9〜10g/m)の両面に均一に噴霧して実施例1〜11および比較例1〜12の処理紙を作製した。その後、3時間風乾させ、更に恒温恒湿室(温度25℃、湿度40%R.H.)内で含有水分率が平衡に達するまで放置した後、処理紙の評価を行った。
【0061】
(3)評価
上記において作製した実施例1〜11および比較例1〜12の処理紙について以下の評価を行った(表1、表2)。
[ぬめり感(MMD値)]
試験機器として粗さ付摩擦感テスターKES−SE(カトーテック(株))を用い、試料2枚(1組)の表面を摩擦子によってなぞり、摩擦係数の平均偏差(MMD)を求めた。ドライティッシュの質量に対して処理剤の有効分が18±3質量%となるように処理液を噴霧塗布した処理紙と、同条件でグリセリンを噴霧塗布した処理紙との、摩擦静荷重25g、1mm/sec.で測定したMMD値の変化率(100×紙類処理剤で処理した処理紙のMMD値/グリセリンで処理した処理紙のMMD値)を求め、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:MMD値の変化率が90%以下
○:MMD値の変化率が90%以上95%未満
△:MMD値の変化率が95%以上100%未満
×:MMD値の変化率が100%以上
【0062】
[ぬめり感(官能評価)]
ドライティッシュの質量に対し処理剤の有効分が18±3質量%となるように処理液を噴霧塗布した処理紙を用いて、官能評価として、熟練したパネル10名により以下の評価点に基づいて1〜3点のいずれかの点数で評価し、その平均値より以下の基準で評価した。
評価点
3点:やや強く押した時に引っ掛かりが無く、ぬるっとしたなめらかさを感じる。
2点:やや強く押した時に引っ掛かりが無く、ややぬるっとしたなめらかさを感じる。
1点:ぬるっとしたなめらかさを感じない。
評価基準
◎:パネル10名の平均点が2.5点以上
○:パネル10名の平均点2.0点以上2.5点未満
△:パネル10名の平均点1.5点以上2.0点未満
×:パネル10名の平均点1.5点未満
【0063】
[柔らかさ]
ドライティッシュの質量に対し処理剤の有効分が18±3質量%となるように処理液を噴霧した処理紙を用いて、官能評価として、熟練したパネル10名により以下の評価点に基づいて1〜3点のいずれかの点数で評価し、その平均値より以下の基準で評価した。
評価点
3点:非常に柔らかい。
2点:柔らかい。
1点:やや硬い。
評価基準
○:パネル10名の平均点が2点以上
×:パネル10名の平均点が2点未満
【0064】
表3に示すように“独特のなめらかさ”であるぬめり感と、従来の技術常識として認識されている“なめらかさ”の違いについて、実施例1、8と比較例1、8を代表的な例として評価した。
【0065】
表3において、MIU値は、試験機器として粗さ付摩擦感テスターKES−SE(カトーテック(株))を用い、処理紙2枚(1組)の表面を摩擦子によってなぞり、平均摩擦係数(MIU)を求めた。MMD値およびMMD値の変化率は上記の方法で測定し、官能評価のうち「ぬめり感」は上記と同様の基準で評価した。「なめらかさ」は、評価点を以下のとおりとした以外は、上記の「ぬめり感(官能評価)」と同様の条件と基準で、パネル10名の平均値より評価した。
[なめらかさ]
評価点
2点:なめらかさを感じる。
1点:なめらかさを感じない。
評価基準
○:パネル10名の平均点が1.5点以上
×:パネル10名の平均点が1.5点未満
【0066】
上記の評価結果を表3に示す。独特のなめらかさであるぬめり感は、処理紙をやや強く押した時に引っ掛かりの無さとして感じられる、ぬるっとしたなめらかさのことである。表3において、官能評価でぬめり感(独特のなめらかさ)が感じられる実施例1と、なめらかさは感じるがぬめり感が感じられない比較例1を対比すると、摩擦係数μの平均値であるMIU値は同等であるが、摩擦係数の平均偏差であるMMD値のグリセリン処理紙からの変化率には大きな差異がある。また、実施例1と、なめらかさもぬめり感も感じられない比較例8を対比すると、MIU値もMMD値の変化率も大きく異なる。また、ぬめり感を感じられる実施例1と実施例8を対比すると、実施例1の方がこの風合いを強く感じることができる。両者の物性値を比較すると、MIU値に大きな違いはないが、MMD値の変化率には差異が確認できる。
【0067】
一般に“なめらかさ”を持つ処理紙は、MIU値が小さいことが知られているが、独特のなめらかさである“ぬめり感”は、特定の条件で一定のMMD値の変化率の傾向を持つ処理紙で特異的に感じられることが分かった。MIU値とMMD値は、処理剤の組成だけでなく、処理剤の付着量や原紙のスペック等によって変化するため、その絶対値の比較によって処理剤の効果を規定することは困難であった。しかし、検討の結果、ドライティッシュに処理剤を15〜30質量%程度噴霧塗布した処理紙と、同水準付着量のグリセリンのみを噴霧塗布した処理紙における、摩擦静荷重25g、1mm/sec.で測定したMMD値の変化率が、独特のなめらかさであるぬめり感と高い相関を持つ傾向を確認した。すなわち、この条件における、上記MMD値の変化率が95%未満の場合、“独特のなめさかさ”が感じられ、95%以上の場合は感じられないことが明らかとなった。
【0068】
各実施例および比較例の配合と各項目の評価結果を表1、表2に示す。上記した“独特のなめさかさ”であるぬめり感と、“なめらかさ”の違いに関する結果は表3に示した。表1〜表3の各評価項目において、◎、○は課題解決の点で望ましく、かつ◎と○は効果発現において有意な差がある。比較例10、11の非イオン界面活性剤はポリオキシアルキレン多価アルコール、比較例12の非イオン界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
実施例1〜11は、(A)多価アルコールを主成分とする紙類処理剤であって、(B)炭素数12超22未満のアシル基を有し、かつHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルおよび(C)イオン性界面活性剤を含有し、(B)成分に対する(C)成分の質量比(C/B)が0.65〜24である。実施例1〜11の処理紙は、独特のなめらかさであるぬめり感があり、MMDの変化率と官能評価によって確認される。
【0073】
実施例11や実施例1、3〜7、9と、実施例2や実施例8との対比より、(A)成分に対する(B)成分の含有量(B/A)が0.20×10−2以上、また(A)成分に対する(C)成分の含有量(C/A)が0.01以上であると、ぬめり感がより向上する。
【0074】
比較例1、2、9、12は、(B)成分に対する(C)成分の質量比(C/B)が上記の範囲外、比較例3は、(A)成分と(C)成分を添加したがショ糖脂肪酸エステルのHLBが上記の範囲外、比較例4、5は、ショ糖脂肪酸エステルのアシル基炭素数が上記の範囲外である。比較例6は、(A)成分と(C)成分を添加したが(B)成分を添加せず、比較例7は、(A)成分と(B)成分を添加したが(C)成分を添加せず、比較例8は(A)成分のみ、比較例10は、(A)成分と(B)成分と非イオン性界面活性剤を添加したが(C)成分を添加せず、比較例11は、(A)成分と非イオン性界面活性剤を添加したが(B)成分と(C)成分を添加しなかった。これらの比較例との対比からも、特定のショ糖脂肪酸エステルとイオン性界面活性剤を特定の割合で組み合わせることによって、各々単独の使用では得られない、独特のなめらかさであるぬめり感が得られることが確認される。
【要約】
【課題】鼻かみ等のように圧が掛かった際に、従来検討されてきたなめらかさとは異質の改良された感触が得られる紙類処理剤を提供する。
【解決手段】本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコールを主成分とする紙類処理剤であって、(B)炭素数12超22未満のアシル基を有し、かつHLBが11以上であるショ糖脂肪酸エステルおよび(C)イオン性界面活性剤を含有し、(B)成分に対する(C)成分の質量比(C/B)が0.65〜24であることを特徴としている。本発明の紙類処理剤によれば、鼻かみ等のように処理紙に圧が掛かった際に、従来にない特異的な、独特のなめらかさであるぬめり感が得られる。
【選択図】なし