特許第6556313号(P6556313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機エンジニアリング株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6556313
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】クランプ装置及び固定設備
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/12 20060101AFI20190729BHJP
   B23Q 3/06 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   F16B2/12 A
   B23Q3/06 301K
   B23Q3/06 304B
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-172445(P2018-172445)
(22)【出願日】2018年9月14日
【審査請求日】2018年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】永見 哲郎
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−1163(JP,A)
【文献】 特開2004−314222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/12
B23Q 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ねじ部を有する固定台と、
回転操作されるアーム部及び前記雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部を有する回転部材と、
前記雄ねじ部を貫通させた状態で支持する支持部、前記支持部を中心とする円弧状のピン移動溝、前記ピン移動溝の一端部に形成されたピン係合穴、及び前記固定台上の被固定物を押圧する押圧部とを有するクランプ部材と、
前記アーム部に取り付けられ、先端部が前記ピン移動溝内を移動可能かつ前記ピン係合穴に係合可能であって、前記ピン係合穴に係合している場合に前記ピン係合穴の内周面を押すことによって前記クランプ部材を前記回転部材と一体に回転させるピンとを備え、
前記ピンが前記ピン係合穴から前記ピン移動溝の方向へ移動するように前記アーム部が回転操作された場合、前記ピン係合穴に係合している前記ピンが前記ピン係合穴の内周面を押すことによって前記クランプ部材が前記回転部材と一体に回転して前記押圧部が前記被固定物と対面する位置へ移動し、その後、前記ピンが前記ピン係合穴を抜け出て前記ピン移動溝内を移動することによって前記回転部材が回転し、前記雄ねじ部が前記雌ねじ部にねじ込まれることによって前記押圧部が前記被固定物を押圧し、
前記ピンが前記ピン移動溝から前記ピン係合穴の方向へ移動するように前記アーム部が回転操作された場合、前記回転部材が回転して前記雄ねじ部が前記雌ねじ部から抜け出ることによって前記押圧部が前記被固定物から離れると共に前記ピンが前記ピン移動溝内を移動して前記ピン係合穴に係合し、その後、前記ピンが前記ピン係合穴の内周面を押すことによって前記クランプ部材が前記回転部材と一体に回転し、前記押圧部が前記被固定物と対面しない位置に移動することを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
前記雄ねじ部と前記アーム部とは別体で構成され、前記雄ねじ部の一端には多角形状の突起部が形成され、前記アーム部の一端には前記雄ねじ部の前記突起部が嵌合する多角形状の筒部が形成されており、
前記雄ねじ部と前記アーム部との間に、前記ピンと前記アーム部とを前記雄ねじ部の方向へ付勢するばねが設置されていることを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
【請求項3】
前記固定台は、前記クランプ部材の方向に突出するストッパ部を有し、
前記クランプ部材は、前記押圧部が前記被固定物と対面する位置にある場合、及び前記押圧部が前記被固定物と対面しない位置にある場合のそれぞれで前記ストッパ部が係合するストッパ溝を有することを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
【請求項4】
前記ピン係合穴に係合している前記ピンを、前記ピン係合穴から抜け出す方向に押し出すピン押し出し部を備えることを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のクランプ装置が、前記固定台が有する2つ以上の前記雌ねじ部のそれぞれに取り付けられていることを特徴とする固定設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被固定物を固定するクランプ装置、及びこのクランプ装置を備えた固定設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固定台上に被固定物を固定するクランプ装置として、例えば、特許文献1記載のクランプ装置がある。特許文献1記載のクランプ装置は、固定台に取り付けられた本体と、被固定物を固定台に押圧する押圧体と、回転操作される操作アームとが、相対的に回転可能となるよう互いに組み付けられている。筒状の本体の外面には、水平方向にのびた第1の長孔と、傾斜した第2の長孔とが連続するようにして形成されている。操作アームにはガイドピンが固定され、ガイドピンの先端が第1の長孔及び第2の長孔に差し込まれている。第1の長孔及び第2の長孔とガイドピンとの関係により、操作アームが回転操作されると、押圧体が、操作アームにつられて、被固定物に対面しない位置から被固定物に対面する位置に移動し、被固定物に対面する位置にて、被固定物に対する押圧を解除する高さ位置から被固定物を押圧する高さ位置に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−314222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクランプ装置は以上のように構成されているので、第1の長孔及び第2の長孔の形状によって、押圧体が移動する位置が一意的に決まっていた。そのため、従来のクランプ装置は、固定できる被固定物の高さが限定されるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、高さが異なる被固定物を固定可能なクランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るクランプ装置は、雌ねじ部を有する固定台と、回転操作されるアーム部及び雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部を有する回転部材と、雄ねじ部を貫通させた状態で支持する支持部、支持部を中心とする円弧状のピン移動溝、ピン移動溝の一端部に形成されたピン係合穴、及び固定台上の被固定物を押圧する押圧部とを有するクランプ部材と、アーム部に取り付けられ、先端部がピン移動溝内を移動可能かつピン係合穴に係合可能であって、ピン係合穴に係合している場合にピン係合穴の内周面を押すことによってクランプ部材を回転部材と一体に回転させるピンとを備え、ピンがピン係合穴からピン移動溝の方向へ移動するようにアーム部が回転操作された場合、ピン係合穴に係合しているピンがピン係合穴の内周面を押すことによってクランプ部材が回転部材と一体に回転して押圧部が被固定物と対面する位置へ移動し、その後、ピンがピン係合穴を抜け出てピン移動溝内を移動することによって回転部材が回転し、雄ねじ部が雌ねじ部にねじ込まれることによって押圧部が被固定物を押圧し、ピンがピン移動溝からピン係合穴の方向へ移動するようにアーム部が回転操作された場合、回転部材が回転して雄ねじ部が雌ねじ部から抜け出ることによって押圧部が被固定物から離れると共にピンがピン移動溝内を移動してピン係合穴に係合し、その後、ピンがピン係合穴の内周面を押すことによってクランプ部材が回転部材と一体に回転し、押圧部が被固定物と対面しない位置に移動するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、押圧部が被固定物と対面する位置に移動した状態で、回転部材のみが回転することによって、雌ねじ部に雄ねじ部がねじ込まれて押圧部が被固定物を押圧するようにしたので、高さが異なる被固定物を固定可能なクランプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るクランプ装置を2つ備えた固定設備の構成例を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係るクランプ装置の構成例を示す分解斜視図である。
図3A】実施の形態1に係るクランプ装置が被固定物を固定した状態を示す平面図である。
図3B図3Aに示される状態のクランプ装置をA−A線に沿って切断した断面図である。
図3C図3Aに示される状態のクランプ装置を被固定物側から見た斜視図である。
図3D図3Aに示される状態のクランプ装置を被固定物とは反対側から見た斜視図である。
図4A】実施の形態1に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除する途中の状態であって、ピンがピン移動溝を移動している状態を示す平面図である。
図4B図4Aに示される状態のクランプ装置をB−B線に沿って切断した断面図である。
図5A】実施の形態1に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除する途中の状態であって、ピンがピン係合穴に係合した状態を示す平面図である。
図5B図5Aに示される状態のクランプ装置をC−C線に沿って切断した断面図である。
図5C図5Aに示される状態のクランプ装置を被固定物側から見た斜視図である。
図5D図5Aに示される状態のクランプ装置を被固定物とは反対側から見た斜視図である。
図6A】実施の形態1に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除する途中の状態であって、回転部材とクランプ部材とが一体に回転する状態を示す平面図である。
図6B図6Aに示される状態のクランプ装置をD−D線に沿って切断した断面図である。
図6C図6Aに示される状態のクランプ装置を被固定物側から見た斜視図である。
図6D図6Aに示される状態のクランプ装置を被固定物とは反対側から見た斜視図である。
図7A】実施の形態1に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除した状態を示す平面図である。
図7B図7Aに示される状態のクランプ装置をF−F線に沿って切断した断面図である。
図7C図7Aに示される状態のクランプ装置を被固定物側から見た斜視図である。
図7D図7Aに示される状態のクランプ装置を被固定物とは反対側から見た斜視図である。
図8図6Aに示される状態のピン移動溝とピン係合穴をE−E線に沿って切断した断面図である。
図9A】ストッパ部とストッパ溝の構成例を示す図であり、クランプ部材を図7BのG−G線に沿って切断した断面図である。
図9B】ストッパ部とストッパ溝の変形例を示す図であり、クランプ部材を図7BのG−G線に相当する位置で切断した断面図である。
図10A】実施の形態2に係るクランプ装置が被固定物を固定した状態を示す平面図である。
図10B図10Aに示される状態のクランプ装置をH−H線に沿って切断した断面図である。
図11】実施の形態2に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除する途中の状態であって、ピンがピン移動溝を移動している状態を示す平面図である。
図12A】実施の形態2に係るクランプ装置が被固定物の固定を解除する途中の状態であって、ピンが溝端部に移動した状態を示す平面図である。
図12B図12Aに示される状態のクランプ装置をL−L線に沿って切断した断面図である。
図12C図12BのK領域を拡大した図である。
図13A図12Aに示される状態からクランプ装置を若干解除方向に回転させたときの状態をL−L線に沿って切断した断面図である。
図13B図13AのM領域を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るクランプ装置2を2つ備えた固定設備1の構成例を示す斜視図である。固定設備1の固定台10には被固定物3が置かれ、この被固定物3が2つのクランプ装置2によって固定されている。この被固定物3は、例えば、固定台10上に固定された状態で品質検査等される。後述するクランプ装置2の構成により、固定設備1は、固定台10からの高さが異なる複数の被固定物3を固定可能である。したがって、1つの固定設備1で高さが異なる被固定物3を固定して品質検査等することができる。
なお、図1に示される固定設備1は、2つのクランプ装置2を備えているが、3つ以上のクランプ装置2を備えていてもよい。
【0010】
図2は、実施の形態1に係るクランプ装置2の構成例を示す分解斜視図である。クランプ装置2は、固定台10、回転部材20、クランプ部材30、及びピン40を含む。なお、図2では固定台10の図示を省略している。
【0011】
図3Aは、実施の形態1に係るクランプ装置2が被固定物3を固定した状態を示す平面図である。図3Bは、図3Aに示される状態のクランプ装置2をA−A線に沿って切断した断面図である。図3Cは、図3Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3側から見た斜視図である。図3Dは、図3Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3とは反対側から見た斜視図である。
【0012】
固定台10は、雌ねじ部11及びストッパ部12を有する。雌ねじ部11には、回転部材20の雄ねじ部22がねじ込まれる。図1に示される固定設備1では、固定台10は、2つのクランプ装置2の雄ねじ部22がそれぞれねじ込まれる、2つの雌ねじ部11を有する。ストッパ部12は、クランプ部材30の外周面に形成されたストッパ溝36,37に係合することによって、クランプ部材30の回転を規制する。ストッパ部12がストッパ溝36に係合することによって、図3A図3Dのように押圧部35が被固定物3と対面する位置で、クランプ部材30の回転が規制される。また、ストッパ部12がストッパ溝37に係合することによって、後述する図7A図7Dのように押圧部35が被固定物3とは対面しない位置で、クランプ部材30の回転が規制される。このストッパ部12は、例えば、スリーブ12a、ばね12b、及びボール12cによって構成されるボールプランジャである。スリーブ12aは、固定台10においてストッパ溝36,37と対面する位置に固定される。スリーブ12aの内部には、ばね12bが収容される。ばね12bは、ボール12cをクランプ部材30の方向へ押し出す。
【0013】
回転部材20は、アーム部21、雄ねじ部22、ねじ23、及びばね24を有する。アーム部21は、作業者が手で握って回転操作するための部位である。このアーム部21の下端部には筒部21aが形成され、上端部にはばね収容部21bが形成されている。筒部21aの内周面は、セレーション又は六角形等の多角形状になっている。雄ねじ部22は、固定台10の雌ねじ部11にねじ込まれる。この雄ねじ部22の上端部には突起部22aが形成されている。突起部22aの外周面は、筒部21aの内周面の多角形状に対応する、セレーション又は六角形等の多角形状になっている。また、雄ねじ部22の上端部には、ばね収容部21bを貫通した状態のねじ23が締結されている。ばね収容部21bにおいて、ねじ23の外周側にはばね24が設置されている。ばね24は、一端部がねじ23の頭部裏に当接し、他端部がばね収容部21bの底面に当接した状態で、アーム部21を雄ねじ部22側へ付勢する。回転部材20において、筒部21aと突起部22aとが嵌合した状態で、筒部21aの多角形と突起部22aの多角形とが噛み合うことによって、アーム部21と雄ねじ部22とが一体に回転する。一方、雄ねじ部22が雌ねじ部11にねじ込まれた状態で作業者がアーム部21を上方向に移動させて筒部21aを突起部22aから外し、アーム部21を回転部材20の軸周りに回転させた後、再び筒部21aを突起部22aに嵌合させることにより、クランプ部材30及びピン40に対するアーム部21の角度を変更可能である。なお、ねじ23は、アーム部21に締結されていないため、アーム部21の角度変更時に作業者がねじ23を取り外す必要はない。
【0014】
クランプ部材30は、貫通穴31、支持部32、ピン移動溝33、ピン係合穴34、及び押圧部35を有する。筒体に形成された貫通穴31は、回転部材20の雄ねじ部22を貫通させる穴である。この貫通穴31の途中に、貫通穴31の内径が大きくなった形状の支持部32が形成されている。支持部32は、雄ねじ部22の段差部25に当接することによって回転部材20を支持する。この構成により、クランプ部材30と回転部材20とは、支持部32を中心として相対回転が可能である。また、上記筒体の外周へ突き出した板状の押圧部35は、固定台10上の被固定物3を押圧するためのものである。この押圧部35の上面には、支持部32を中心とする円弧状のピン移動溝33が形成されている。図示例では、ピン移動溝33の中心角は略120度であるが、この中心角に限定されない。ピン移動溝33の溝端部33bには、ピン係合穴34が形成されている。また、上記筒体の外周面における押圧部35側にはストッパ溝36が形成されており、このストッパ溝36とは180度間隔をあけてストッパ溝37が形成されている。
【0015】
ピン40は、アーム部21に取り付けられており、回転部材20と一体に回転する。また、ピン40は、雄ねじ部22に対して上下移動するように、アーム部21に取り付けられている。実施の形態1の構成例では、アーム部21と雄ねじ部22とが別体で構成されており、筒部21aと突起部22aとが嵌合した状態でアーム部21が雄ねじ部22に対して上下移動可能である。そのため、このアーム部21に固定されたピン40も、雄ねじ部22に対して上下移動可能である。ピン40の先端部は、クランプ部材30のピン移動溝33及びピン係合穴34に差し込まれる。このピン40は、図3A図3Dのように押圧部35が被固定物3と対面する位置にある場合、ピン移動溝33の溝端部33a側に位置し、後述する図7A図7Dのように押圧部35が被固定物3とは対面しない位置にある場合、ピン移動溝33の溝端部33b側に形成されたピン係合穴34に係合する。また、ピン40がピン移動溝33内に位置しているときは、回転部材20とクランプ部材30とは相対回転し、ピン40がピン係合穴34に係合しているときは、ピン40がピン係合穴34の内周面を押すことによって回転部材20とクランプ部材30とが同期回転する。
【0016】
次に、クランプ装置2の動作を説明する。まず、被固定物3を固定した状態のクランプ装置2がその固定を解除する動作を説明し、次に、クランプ装置2が被固定物3を固定する動作を説明する。
【0017】
まず、被固定物3を固定した状態のクランプ装置2がその固定を解除する動作を説明する。クランプ装置2は、以下に説明するように、図3A図3D図4A及び図4B図5A図5D図6A図6D、並びに図7A図7Dの順に動作する。図4Aは、実施の形態1に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除する途中の状態であって、ピン40がピン移動溝33を移動している状態を示す平面図である。図4Bは、図4Aに示される状態のクランプ装置2をB−B線に沿って切断した断面図である。図5Aは、実施の形態1に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除する途中の状態であって、ピン40がピン係合穴34に係合した状態を示す平面図である。図5Bは、図5Aに示される状態のクランプ装置2をC−C線に沿って切断した断面図である。図5Cは、図5Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3側から見た斜視図である。図5Dは、図5Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3とは反対側から見た斜視図である。図6Aは、実施の形態1に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除する途中の状態であって、回転部材20とクランプ部材30とが一体に回転する状態を示す平面図である。図6Bは、図6Aに示される状態のクランプ装置2をD−D線に沿って切断した断面図である。図6Cは、図6Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3側から見た斜視図である。図6Dは、図6Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3とは反対側から見た斜視図である。図7Aは、実施の形態1に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除した状態を示す平面図である。図7Bは、図7Aに示される状態のクランプ装置2をF−F線に沿って切断した断面図である。図7Cは、図7Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3側から見た斜視図である。図7Dは、図7Aに示される状態のクランプ装置2を被固定物3とは反対側から見た斜視図である。
【0018】
被固定物3の固定解除時、作業者は、図3Cに示される矢印の方向へ、アーム部21を回転操作する。すると、図4A及び図4Bに示されるように、アーム部21に固定されたピン40が、アーム部21の回転に伴って、ピン移動溝33を一方の溝端部33aからもう一方の溝端部33bへ移動する。一方、クランプ部材30は回転しないので、押圧部35は被固定物3と対面する位置に保持される。
また、アーム部21の回転に伴って、雄ねじ部22が、固定台10の雌ねじ部11から抜け出す方向に回転する。これにより、雄ねじ部22による支持部32に対する荷重が無くなり、押圧部35の被固定物3に対する押圧力も無くなる。
【0019】
作業者がアーム部21を図3A図3Dに示される状態から図4A及び図4Bに示す状態を経て120度回転操作し終えると、図5A図5Dに示されるように、ピン40がピン移動溝33の溝端部33bへ移動してピン係合穴34に相対する。アーム部21と雄ねじ部22との間に設置されたばね24が、アーム部21を雄ねじ部22側へ付勢しているため、図5Bに示されるように、この付勢力を受けたピン40がピン係合穴34に係合する。ピン40とピン係合穴34との係合によって、回転部材20とクランプ部材30とが同期して回転可能な状態になる。
【0020】
作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態からさらに90度回転操作しようとすると、ストッパ溝36に係合していたストッパ部12のボール12cが、ストッパ溝36の縁部に押されてスリーブ12a内に入るため、クランプ部材30の回転を規制していた力が無くなる。そして、作業者がアーム部21を90度回転操作する間、ピン係合穴34に係合しているピン40が、このピン係合穴34の内周面及びピン移動溝33の溝端部33bを押すことにより、クランプ部材30が回転部材20と同期して回転する。作業者がアーム部21を90度回転操作し終えると、図6A図6Cに示されるように、押圧部35の一部が、被固定物3と対面しない位置へ移動する。
【0021】
図8は、図6Aに示される状態のピン移動溝33とピン係合穴34をE−E線に沿って切断した断面図である。図8の例では、ピン40の先端部が、先へ行くほど細くなるテーパ形状になっている。これにより、ピン40がピン係合穴34に係合しやすくなると共に、ピン40がピン係合穴34から抜け出してピン移動溝33に乗り上がりやすくなる。
なお、ピン係合穴34の内周面が、ピン係合穴34の底部からピン移動溝33の底部へ行くほど広がるテーパ形状になっていてもよい。この場合にも、ピン40がピン係合穴34に係合しやすくなると共に、ピン40がピン係合穴34から抜け出してピン移動溝33に乗り上がりやすくなる。
【0022】
作業者がアーム部21を図6A図6Dに示される状態からさらに90度回転操作し終えると、図7A図7Dに示されるように、押圧部35全体が、被固定物3と対面しない位置へ移動する。したがって、被固定物3を固定台10から取り外し可能となる。
また、クランプ部材30のストッパ溝37がストッパ部12と対面する位置へ移動する。すると、ばね12bにより押し出されたボール12cが、ストッパ溝37に係合し、クランプ部材30の回転が規制される。クランプ部材30の回転が規制されることにより、押圧部35が被固定物3と対面しない位置に保持される。また、アーム部21の操作荷重が大きくなることにより、押圧部35が被固定物3と対面しない位置まで移動したことを作業者に感触で知らせることができる。図9Aは、ストッパ部12とストッパ溝36,37の構成例を示す図であり、クランプ部材30を図7BのG−G線に沿って切断した断面図である。
【0023】
次に、クランプ装置2が被固定物3を固定する動作を説明する。クランプ装置2は、以下に説明するように、図7A図7D図6A図6D図5A図5D図4A及び図4B、並びに図3A図3Dの順に動作する。
【0024】
被固定物3の固定時、作業者は、図7A図7Dに示される状態において図7Cに示される矢印の方向へ、アーム部21を回転操作する。すると、ピン係合穴34に係合しているピン40が、ピン係合穴34の内周面を押すことにより、クランプ部材30が回転部材20と同期して回転する。クランプ部材30が回転しようとすると、ストッパ溝37に係合していたストッパ部12のボール12cが、ストッパ溝37の縁部に押されてスリーブ12a内に入るため、クランプ部材30の回転を規制していた力が無くなる。
【0025】
作業者がアーム部21を図7A図7Dに示される状態から180度回転操作し終えると、図5A図5Dに示されるように、押圧部35全体が、被固定物3と対面する位置へ移動する。
また、クランプ部材30のストッパ溝36がストッパ部12と対面する位置へ移動する。すると、ばね12bにより押し出されたボール12cが、ストッパ溝36に係合し、クランプ部材30の回転が規制される。よって、押圧部35は、被固定物3に対面する位置に保持される。
【0026】
作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態からさらに120度回転操作しようとすると、アーム部21に固定されているピン40は、ピン係合穴34から抜け出てピン移動溝33に乗り上がり、ピン移動溝33を溝端部33bから溝端部33aへ移動する。
また、アーム部21の回転に伴って、雄ねじ部22が、固定台10の雌ねじ部11にねじ込まれる方向に回転する。これにより、雄ねじ部22の段差部25が支持部32に荷重をかけ、押圧部35が被固定物3を押圧する。押圧部35が被固定物3を押圧する力は、アーム部21の角度によって決まるため、被固定物3を押圧する力にばらつきが無く、また過剰な力によって押圧部35等のクランプ装置2を構成する部材が破損することも無い。
【0027】
作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態から120度回転操作し終えると、図3A及び図3Cに示されるように、ピン40がピン移動溝33の溝端部33aに当接する。これにより、回転部材20の回転が規制される。
【0028】
なお、被固定物3の高さが高いと、作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態から120度回転操作する途中で、押圧部35が被固定物3を所定の圧力で押圧した状態になり、それ以上アーム部21を回転操作できなくなる場合がある。例えばアーム部21が被固定物3と対面する位置で回転操作できなくなった場合、品質検査等を行う際にアーム部21が邪魔になる。その場合、作業者は、アーム部21を上方向に移動させて筒部21aを突起部22aから外し、図3A図3Dに示すような邪魔にならない位置までアーム部21を回転部材20の軸周りに回転させた後、再び筒部21aを突起部22aに嵌合させればよい。
【0029】
また、被固定物3の高さが低いと、作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態から120度回転操作し終えても、押圧部35と被固定物3との間に隙間が残る場合がある。その場合、作業者は、アーム部21を上方向に移動させて筒部21aを突起部22aから外し、ピン40がピン移動溝33の溝端部33b側にくるようにアーム部21を回転部材20の軸周りに回転させた後、再び筒部21aを突起部22aに嵌合させる。そして、作業者は、再びアーム部21を回転操作することによって、ピン40をピン移動溝33の溝端部33aへ移動させながら、雄ねじ部22を雌ねじ部11にねじ込んで、押圧部35を被固定物3に近づけ、被固定物3を所定の圧力で押圧した状態にする。
ただし、ピン移動溝33の中心角を大きくすることで、又は、雄ねじ部22と雌ねじ部11のリード角を大きくすることで、押圧部35の上下方向の移動量を増やしてクランプ装置2が固定可能な被固定物3の高さ範囲を大きくすることができる。これにより、上述したような、作業者がアーム部21を図5A図5Dに示される状態から120度回転操作し終えても押圧部35と被固定物3との間に隙間が残る事態を回避できる。
【0030】
また、図9Aの例では、クランプ部材30の外周面にストッパ溝36,37が形成されたが、図9Bのように、クランプ部材30の外周面におけるストッパ溝36からストッパ溝37までの間に、回転防止凸部38が形成されてもよい。図9Bは、ストッパ部12とストッパ溝36,37の変形例を示す図であり、クランプ部材30を図7BのG−G線に相当する位置で切断した断面図である。回転防止凸部38は、クランプ部材30の外周面から突出した形状であり、回転防止凸部38のストッパ溝36側の側壁がストッパ部12のスリーブ12aに当接することにより、クランプ部材30の、ストッパ溝37からストッパ溝36へ回転した後の更なる同方向への回転(即ち、回転し過ぎ)を禁止する。また、回転防止凸部38のストッパ溝37側の側壁がストッパ部12のスリーブ12aに当接することにより、クランプ部材30の、ストッパ溝36からストッパ溝37へ回転した後の更なる同方向への回転(即ち、回転し過ぎ)を禁止する。
【0031】
以上のように、実施の形態1によれば、クランプ装置2は、固定台10と、回転部材20と、クランプ部材30と、ピン40とを備える。固定台10は、雌ねじ部11を有する。回転部材20は、回転操作されるアーム部21と、雌ねじ部11にねじ込まれる雄ねじ部22とを有する。クランプ部材30は、雄ねじ部22を貫通させた状態で支持する支持部32と、支持部32を中心とする円弧状のピン移動溝33と、ピン移動溝33の溝端部33bに形成されたピン係合穴34と、固定台10上の被固定物3を押圧する押圧部35とを有する。ピン40は、アーム部21に取り付けられ、先端部がピン移動溝33内を移動可能かつピン係合穴34に係合可能であって、ピン係合穴34に係合している場合にピン係合穴34の内周面を押すことによってクランプ部材30を回転部材20と一体に回転させる。ピン40がピン係合穴34からピン移動溝33の方向へ移動するようにアーム部21が回転操作された場合、即ち被固定物3の固定時、ピン係合穴34に係合しているピン40がピン係合穴34の内周面を押すことによってクランプ部材30が回転部材20と一体に回転して押圧部35が被固定物3と対面する位置へ移動する。その後、ピン40がピン係合穴34を抜け出てピン移動溝33内を移動することによって回転部材20が回転し、雄ねじ部22が雌ねじ部11にねじ込まれることによって押圧部35が被固定物3を押圧する。反対に、ピン移動溝33からピン係合穴34の方向へ移動するようにアーム部21が回転操作された場合、即ち被固定物3の固定解除時、回転部材20が回転して雄ねじ部22が雌ねじ部11から抜け出ることによって押圧部35が被固定物3から離れると共に、ピン40がピン移動溝33内を移動してピン係合穴34に係合する。その後、ピン40がピン係合穴34の内周面を押すことによってクランプ部材30が回転部材20と一体に回転し、押圧部35が被固定物3と対面しない位置に移動する。このように、押圧部35が被固定物3と対面する位置に移動した状態で、回転部材20のみが回転することによって、雌ねじ部11に雄ねじ部22がねじ込まれていき押圧部35が被固定物3を押圧する。したがって、クランプ装置2は、高さが異なる被固定物3を固定可能である。
【0032】
また、実施の形態1の雄ねじ部22とアーム部21とは別体で構成され、雄ねじ部22の一端には多角形状の突起部22aが形成されている。また、アーム部21の一端には、雄ねじ部22の突起部22aが嵌合する多角形状の筒部21aが形成されている。雄ねじ部22とアーム部21との間には、ピン40とアーム部21とを雄ねじ部22の方向へ付勢するばね24が設置されている。この構成により、作業者は、クランプ装置2に被固定物3を固定させた後、アーム部21を邪魔にならない位置に移動できる。したがって、クランプ装置2は、形状が異なる被固定物3を固定可能である。
【0033】
また、実施の形態1の固定台10は、クランプ部材30の方向に突出するストッパ部12を有する。クランプ部材30は、押圧部35が被固定物3と対面する位置にある場合、及び押圧部35が被固定物3と対面しない位置にある場合のそれぞれでストッパ部12が係合するストッパ溝36,37を有する。これにより、クランプ装置2は、被固定物3が固定された状態及び被固定物3の固定が解除された状態を維持できる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では、アーム部21が回転操作されるときのトルクにより、ピン40がピン係合穴34から抜け出てピン移動溝33へ乗り上がる構成であった。これに対し、実施の形態2では、ピン係合穴34に係合しているピン40を、ピン係合穴34から抜け出す方向に押し出す構成を備える。
【0035】
図10Aは、実施の形態2に係るクランプ装置2が被固定物3を固定した状態を示す平面図である。図10Bは、図10Aに示される状態のクランプ装置2をH−H線に沿って切断した断面図である。図11は、実施の形態2に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除する途中の状態であって、ピン40がピン移動溝33を移動している状態を示す平面図である。図12Aは、実施の形態2に係るクランプ装置2が被固定物3の固定を解除する途中の状態であって、ピン40が溝端部33bに移動した状態を示す平面図である。図12Bは、図12Aに示される状態のクランプ装置2をL−L線に沿って切断した断面図である。図12Cは、図12BのK領域を拡大した図である。図13Aは、図12Aに示される状態からクランプ装置2を若干解除方向に回転させたときの状態をL−L線に沿って切断した断面図である。図13Bは、図13AのM領域を拡大した図である。
なお、図10A及び図10B図11図12A図12C並びに図13A及び図13Bにおいて、図1図9Bと同一又は相当する部分は、同一の符号を付し説明を省略する。
【0036】
ピン押し出し部50は、固定台10における、押圧部35が被固定物3と対面する位置にあるときにピン係合穴34と対面する位置に、設けられている。このピン押し出し部50は、例えば固定台10に形成された凹状のピン収容部50aと、このピン収容部50aに収容されたばね50b及び押し出し凸部50cとによって構成される。押し出し凸部50cは、その先端部がピン係合穴34には入るがピン係合穴34からピン移動溝33へは飛び出さない高さになるような形状であり、ばね50bに押し出されている。ばね50bの付勢力は、アーム部21を付勢するばね24の付勢力より大きくなるよう、調節されている。
【0037】
次に、被固定物3を固定した状態のクランプ装置2がその固定を解除する動作を行なっているときの、ピン押し出し部50の動作を説明する。
図10A及び図10Bに示されるように、被固定物3を固定した状態のクランプ装置2において、ばね50bに保持された押し出し凸部50cは、ピン係合穴34に嵌り込んでいる。作業者がアーム部21を図10A及び図10Bに示される状態から回転操作すると、図11に示されるように、アーム部21に取り付けられたピン40が、アーム部21の回転に伴って、ピン移動溝33を一方の溝端部33aからもう一方の溝端部33bへ移動する。一方、クランプ部材30は、押し出し凸部50cがピン係合穴34に嵌り込むことによって回転が規制されているため、回転しない。
【0038】
作業者がアーム部21を図10A及び図10Bに示される状態から図11に示される状態を経て120度回転操作し終えると、ピン40が、図12A図12Cに示されるようにピン移動溝33の溝端部33bへ移動し、図12A図12Cに示されるようにピン係合穴34に相対する。このピン係合穴34には、ばね50bによって押し出された押し出し凸部50cがあるため、ピン40はピン係合穴34に係合できない。しかし、作業者がアーム部21を図12A図12Cに示される状態からさらに回転させる操作を行うと、ピン40がピン移動溝33の溝端部33bを押すことにより、クランプ部材30が回転部材20と同期して回転し、このとき、図13A及び図13Bに示されるようにピン係合穴34の縁部が押し出し凸部50cを押圧してピン収容部50aへ退出させる。押し出し凸部50cがピン係合穴34から退出した後、ピン40はピン係合穴34に係合する。その後、実施の形態1と同様に、作業者がアーム部21を回転操作することにより、クランプ装置2は、図7A図7Dに示される状態となり、被固定物3は固定台10から取り外し可能となる。
【0039】
次に、クランプ装置2が被固定物3を固定する動作を行なっているときの、ピン押し出し部50の動作を説明する。
被固定物3の固定時、作業者が、図7A図7Dに示される状態のアーム部21を180度回転操作すると、クランプ部材30が回転部材20と同期して回転し、図13A及び図13Bに示される状態になる。図13A及び図13Bに示されるように、ピン40が押し出し凸部50cと対面すると、ばね50bが押し出し凸部50cをピン係合穴34へ押し出すことにより、図12B及び図12Cに示されるようにこの押し出し凸部50cによってピン40がピン係合穴34から押し出される。その後、実施の形態1と同様に、作業者がアーム部21を回転操作することにより、クランプ装置2は、図10A及び図10Bに示される状態となり、被固定物3は固定台10に固定される。
【0040】
以上のように、実施の形態2に係るクランプ装置2は、ピン係合穴34に係合しているピン40を、ピン係合穴34から抜け出す方向に押し出すピン押し出し部50を備える。これにより、クランプ部材30の押圧部35が被固定物3と対面しない位置から被固定物3と対面する位置へ移動する途中、ピン40がスムーズにピン係合穴34から抜け出てピン移動溝33に乗り上がる。したがって、クランプ装置2の操作性が向上する。
【0041】
なお、実施の形態2では、固定台10がピン押し出し部50を有するが、被固定物3がピン押し出し部50を有してもよい。
【0042】
本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0043】
実施の形態1,2では、アーム部21と雄ねじ部22とが別体で構成されたが、アーム部21と雄ねじ部22とが一部品として構成されてもよい。アーム部21と雄ねじ部22とが一部品として構成される場合、ピン40は、ばね等によって押圧部35の方向へ付勢された状態でアーム部21に取り付けられることが好ましい。ピン40がばね等を介してアーム部21に取り付けられることで、ピン40が雄ねじ部22に対して上下移動できるため、アーム部21の回転操作時、ピン40がピン係合穴34に係合しやすくなると共に、ピン40がピン係合穴34から抜け出してピン移動溝33に乗り上がりやすくなる。
【0044】
また、実施の形態1,2では、固定台10がストッパ部12を有するが、ストッパ部12を有していなくてもよい。また、実施の形態1,2では、クランプ部材30がストッパ溝36,37を有するが、ストッパ溝36又はストッパ溝37のいずれか一方のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 固定設備、2 クランプ装置、3 被固定物、10 固定台、11 雌ねじ部、12 ストッパ部、12a スリーブ、12b ばね、12c ボール、20 回転部材、21 アーム部、21a 筒部、21b ばね収容部、22 雄ねじ部、22a 突起部、23 ねじ、24 ばね、25 段差部、30 クランプ部材、31 貫通穴、32 支持部、33 ピン移動溝、33a,33b 溝端部、34 ピン係合穴、35 押圧部、36,37 ストッパ溝、38 回転防止凸部、40 ピン、50 ピン押し出し部、50a ピン収容部、50b ばね、50c 押し出し凸部。
【要約】
【課題】高さが異なる被固定物を固定可能なクランプ装置を提供する。
【解決手段】押圧部35が被固定物3と対面する位置に移動した状態で、回転部材20のみが回転することによって、雌ねじ部11に雄ねじ部22がねじ込まれていき押圧部35が被固定物3を押圧するので、クランプ装置2は高さが異なる被固定物3を固定可能である。
【選択図】図2
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B