特許第6556368号(P6556368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556368少なくとも1つの装置とユーザー端末とを伴う、データを交換する改善された方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556368
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの装置とユーザー端末とを伴う、データを交換する改善された方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20190729BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20190729BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20190729BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20190729BHJP
   H01Q 25/04 20060101ALI20190729BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20190729BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20190729BHJP
【FI】
   H04B7/0456 400
   H04L27/26 100
   H04B7/0456 110
   H04B7/06 956
   H01Q21/06
   H01Q25/04
   H04W16/28
   H04W72/04 133
【請求項の数】24
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2018-536317(P2018-536317)
(86)(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公表番号】特表2019-503617(P2019-503617A)
(43)【公表日】2019年2月7日
(86)【国際出願番号】JP2017018941
(87)【国際公開番号】WO2017200108
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】16305572.6
(32)【優先日】2016年5月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(72)【発明者】
【氏名】ブルネル、ロイク
(72)【発明者】
【氏名】ギエ、ジュリアン
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103796319(CN,A)
【文献】 特開2017−143422(JP,A)
【文献】 特開2013−135246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0456
H01Q 21/06
H01Q 25/04
H04B 7/06
H04L 27/26
H04W 16/28
H04W 72/04
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの装置(APP)と、ユーザー端末、すなわちUTとを伴うデータを交換する方法であって、
前記装置及び前記UTは、前記データを搬送する電磁波を用いてデータを交換するように構成され、
前記装置は、少なくとも1つのアンテナの複数のグループ(GANT,...,GANT)を備え、
少なくとも1つのアンテナの各グループは、前記UTに前記データを送信するために電磁波のビームを放射し、前記UTから前記データを表す信号を受信するように構成され、
前記装置によって放射されるように構成される各ビームは、UTが位置する場合があるビームエリア(BA)を画定し、
少なくとも1つのアンテナの各グループは、対応するビームを生成し、対応するビームエリア内に位置する少なくとも1つのUTから信号をそれぞれ受信するために、少なくとも1つのアンテナの前記グループによって使用されるように構成される時間−周波数リソースに関連付けられ、
前記時間−周波数リソースは、所与のタイムスロットにそれぞれ対応し、前記タイムスロットに関して、所与の周波数サブバンドに対応する時間−周波数要素に分割され、
該方法は、
前記UTから測定データを受信すること(S1)であって、前記測定データは、前記対応するビームエリア内の前記対応するUTの角度位置を少なくとも表す位置データを含むことと、
少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの1つにそれぞれ関連付けられる少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択すること(S2)であって、各プリコーディングサブセットは、対象のカラーを有する1つ以上の対象のビームエリアの中の所与のビームエリアにそれぞれ関連付けられるアンテナの全てのグループに関連付けられ、それにより、対応するビームが同じ偏波構成と、共通の周波数範囲とを共有するときに、2つのビームエリアが同じカラーを有し、各プリコーディングサブセットは、前記対象のビームエリアのそれぞれから多くても1つのUTを含み、前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットの各プリコーディングサブセットは、前記対応するビームエリア内の前記UTの少なくともそれぞれの角度位置の関数として前記対象のビームエリアの中の異なるビームエリア内にそれぞれ位置する1つ以上のUTを選択することによって選択され、前記UTによって送信される前記位置データに基づいて決定されることと、
前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの全て又は一部を用いて、前記データを前記UTに伝達するか、又は前記データを前記UTから受信するために、前記プリコーディングサブセットの前記UTに向かうことになっているか、又は前記プリコーディングサブセットの前記UTから到来する前記データの関数として構成される少なくとも1つの信号を生成すること(S3)と、
を含み、
前記時間−周波数リソースは、それぞれが複数のタイムスロットを含む期間に分割され、
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、
対象のビームエリアごとに、前記期間にわたって前記ビームエリアの各UTが属することになるプリコーディングサブセットの数を決定するリソース割当てアルゴリズムを実施することと、
各ビームエリアにおいて、前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記UTの少なくとも前記角度位置の関数として、ランクを前記ビームエリアの各UTに関連付けることであって、前記基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
ビームエリアごとに、UTを含むベクトルを前記ランクの降順又は昇順において構成することであって、各UTは、前記ベクトル内に、前記リソース割当てアルゴリズム中に対応するUTのために決定された回数と同じ回数だけ、前記ベクトル内の連続した位置に含まれることと、
所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられる前記ベクトル内の同じ位置を共有する前記ベクトルの前記UTを関連付けることによって、前記期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、前記期間の少なくとも1つの時間−周波数要素に関してアンテナの少なくとも1つのグループの前記時間−周波数リソースがビームを生成するか、又は少なくとも1つのUTから信号を受信するために使用されないように、少なくとも1つのプリコーディングサブセットの前記1つ以上のUTを選択することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、前記期間の前記時間−周波数要素のための前記プリコーディングサブセットを更に負荷制約の関数として規定することを含み、それにより、前記期間の前記時間−周波数リソースは全て、ビームを生成するか、又はUTから信号を受信するために使用される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記期間の前記プリコーディングサブセットの少なくとも1つのUTは、1つ以上のプリコーディングサブセットの一部を更に公平性基準の関数として形成するためにも選択され、それにより、少なくとも1つのビームエリアに関して、前記ビームエリアの前記UTがそれぞれ所定の数のタイムスロットにわたって同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、前記少なくとも1つのUTが少なくとも1つの先行するタイムスロット及び/又は1つの後続するタイムスロットの前記プリコーディングサブセットの関数として選択される、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記対象のビームエリア(BA)の中の少なくとも1つの基準ビームエリアを決定することを含む、
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基準ビームは、前記対象のビームエリアの中の最も多くの数のUTを含む前記ビームエリア(BA)に対応するものとして決定される、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
前記ビームエリア内でそれぞれ、前記基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記基準ビームエリア内の2つの対象のUTのそれぞれの角度位置の少なくとも関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、対にされたUT間の前記距離メトリックの前記値の関連付けメトリック関数が最小になるように、前記基準ビームエリアの前記UTのそれぞれが前記ビームエリアの多くても1つのUTとそれぞれ対にされることと、
前記基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTと対にされる前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むものとして1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
前記ビームエリア内でそれぞれ、前記基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記基準ビームエリア内の2つの対象のUTのそれぞれの角度位置の少なくとも関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、前記基準ビームエリアの前記UTのそれぞれが、前記距離行列内で最小である前記所定の距離メトリックの前記値に対応する前記対象のビームエリアの前記UTとそれぞれ対され、それにより、前記ビームエリアの各UTは、前記基準ビームエリアからの選択された数のUTと対にされることと、
前記基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTと対にされる前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むものとして1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
前記基準ビームエリアに関して、そして前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームとは異なるビームエリアごとに、前記対応するビームエリア内の前記UTに少なくとも1つのランクを関連付けることであって、前記ランクは、前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記対象のビームエリア内の前記対象のUTの前記角度位置の関数と定義され、前記基準角度位置は、ビームエリアごとに同一と見なされることと、
1つ以上のプリコーディングサブセットを、自らのそれぞれのビームエリア内で同じランクを共有する前記UTをそれぞれ含むものとして規定することと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、
前記対象のビームエリアの中の基準ビームエリアの組を選択することと、
基準ビームエリアの組のビームエリアごとに、
前記ビームエリアを一時的基準ビームエリアと見なすことと、前記対象のビームエリアの中の前記一時的基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
前記ビームエリア内でそれぞれ、前記一時的基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記一時的基準ビームエリアの前記UT及び前記一時的基準ビームエリア内の前記ビームエリアの前記UTの少なくともそれぞれの角度位置の関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、対にされたUT間の前記距離メトリックの前記値の第1の関連付けメトリック関数が最小になるように、前記一時的基準ビームエリアの前記UTの全て又は一部のそれぞれが前記対象のビームエリアの前記UTとそれぞれ対にされることと、
前記一時的基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTのうちの前記1つと対にされる前記一時的基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組を規定することと、
プリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの前記一時的な組の前記UTの前記角度位置の関数として少なくとも定義される第2の関連付けメトリックの値を求めることと、
前記第2の関連付けメトリックのその値が最も低いプリコーディングサブセットの前記一時的な組の各プリコーディングサブセットを、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のそれぞれに関連付けられる前記プリコーディングサブセットとして選択することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、
前記対象のカラーの前記対象のビームエリアのそれぞれの1つのUTをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組の所定の集合の中のプリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの前記一時的な組の前記プリコーディングサブセットの前記UTの前記角度位置の関数として定義される関連付けメトリックの値を求めることと、
前記少なくとも1つの時間−周波数要素のための前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットを、最も低い関連付けメトリックを有するプリコーディングサブセットの前記一時的な組内に含まれる1つ以上のプリコーディングサブセットとして規定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記対象のビームエリアの中の1つのビームエリア内のUTの最大数以上の所与の数の時間−周波数要素を含む少なくとも1つの期間に、
前記対象のビームエリアの中のビームエリアごとに、
前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記UTの前記角度位置の関数として、ランクを前記ビームエリアの各UTに関連付けることであって、該基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
UTを含むベクトルを前記ランクの降順又は昇順において構成することであって、各UTは、前記期間内の時間−周波数要素の前記所与の数と、前記ビームエリア内のUTの数との関数である所定の回数だけ、前記ベクトル内の連続した位置に現れることと、
所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられる前記ベクトル内の同じ位置を共有する前記ベクトルの前記UTを関連付けることによって、前記期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、各対象のビームエリアの前記UTを1つ以上のUTをそれぞれ含む複数のグループに分割することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
各ビームの前記UTをグループに分割することは、
各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、同じ対象のカラーを有する全ての他のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
各ビームエリア内で、各グループを所与のゾーン内に位置する前記UTとして規定することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
全ての対象のビームエリアの中の、前記対象のゾーンに、又は同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの1つの対象のビームエリアのゾーンにわたる和以上の時間−周波数要素の数を含むものとして1つの期間を規定することと、
グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、前記グループの各UTがその一部を形成することになる、前記期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することと、
前記期間の時間−周波数要素ごとに、所与のビームエリアの所与のグループに属する1つのUTを選択し、前記期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、前記対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記グループは準一定のサイズを有し、それにより、各ビームエリア内で、前記グループが含むUTのそれぞれの数は等しいか、又は1だけ異なる、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記UTをグループに分割することは、
各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを前記対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーン(Z,...,Z)に分割することであって、それにより、各ゾーンは、全ての他の対象のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
ビームエリアごとに、複数の一時的グループのそれぞれを、所与のゾーン内に位置するUTをそれぞれ含むものとして規定することと、
ビームエリアごとに、全ての前記一時的グループが、等しいか、又は1だけ異なるUTのそれぞれの数を有するまで、所定の数より多いUTの数を有する一時的グループ内の前記UTの中の、最も少ない数のUT数を有する前記一時的グループのゾーンに最も近い前記一時的グループからの1つのUTを最も少ない数のUT数を有する前記一時的グループに再度割り当てることと、
前記グループを、全ての一時的グループが、等しいか、又は1だけ異なるUTのそれぞれの数を有するときに得られた前記一時的グループとして規定することであって、各グループは、前記対応する一時的グループのゾーンと同じゾーンに関連付けられることと、
を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記UTをグループに分割することは、
各対象のビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを前記対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、全ての他の対象のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
前記空間分割方式が適用されたビームエリアごとに、
前記ビームエリアのUTと前記ビームエリアのゾーンとの間の距離の値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
少なくとも1つの反復を有する関連付けアルゴリズムを実施することであって、該反復中にそれぞれ、関連付けられるUTとゾーンとの間の距離の和が最小になるように各ゾーンがUTに関連付けられ、前記距離行列内の前記対応する要素は、前記対応するUTが更なる反復において別のゾーンに関連付けられるのを防ぐように変更され、前記関連付けアルゴリズムは、全てのUTが1つのゾーンに関連付けられたときに終了することと、
を含み、
前記方法は、各ビームエリアの各グループを、前記関連付けアルゴリズムを通して前記ビームエリア内の同じゾーンに関連付けられた前記UTとして規定することを更に含む、 請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、所与のグループに属する1つのUTを選択し、全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを形成することを更に含む、
請求項14、16、17又は18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
全ての対象のビームエリアの中の、前記対象のゾーンに、又は同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの前記対象のビームエリアの中の1つのビームエリアの前記ゾーンにわたる和以上のタイムスロットの数を含む少なくとも1つの期間を規定することと、
グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、前記グループの各UTがその一部を形成することになる、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することであって、前記選択は前記公平性基準の関数として更に行われることと、
前記少なくとも1つの期間の時間−周波数要素ごとに、所与のグループに属する1つのUTを選択し、前記期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、全ての他の対象のビームエリアに関して、所与のグループに属する前記UTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、前記対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を更に含む、請求項、及び請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのプリコーディングサブセットに関して、前記時間−周波数リソースは、前記対応するビームエリア内に位置する前記プリコーディングサブセットの前記UTに向けられるビームを生成するために、前記サブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの全て又は一部によって使用され、少なくとも1つの信号を生成することは、前記サブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの前記全て又は一部のアンテナのグループごとに、前記対応するビームを生成するためにアンテナの前記グループによって使用されることになっている信号を生成することを含み、前記信号は、前記プリコーディングサブセットに属する全てのUTに向かうことになっているデータの関数として生成される、
請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記装置は、前記複数のアンテナを有する衛星を含む、
請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記装置は、地球の表面上に位置する複数の基地局を含み、
各基地局は、1つ以上のアンテナグループに配列される1つ以上のアンテナを備える、 請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
コンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含む、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、端末にデータを伝達するという観点から、スマートフォン等のユーザー端末とこれらのデータを交換するために使用されるか、又は端末によって送信されたそのようなデータを遠隔した別の機器に転送するために使用される装置の分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
より厳密に言うと、本発明は、データを送信する少なくとも1つの装置と、ユーザー端末、すなわち、UTとを伴う、データを送信する方法の分野に関連し、その装置及びUTは、データを搬送する電磁波のビームを用いてデータを交換するように構成され、その装置は、少なくとも1つのアンテナの複数のグループを備え、少なくとも1つのアンテナの各グループは、ビームのうちの1つを放射し、UTからデータを表す信号を受信するように構成され、装置によって放射される各ビームはUTの少なくとも一部が位置するビームエリアを画定し、少なくとも1つのアンテナの各グループは、対応するビームを生成し、対応するビームエリア内に位置する少なくとも1つのUTから信号をそれぞれ受信するために、少なくとも1つのアンテナのグループによって使用されるように構成される時間−周波数リソースに関連付けられ、時間−周波数リソースは所与のタイムスロットに、及び所与の周波数サブバンドにそれぞれ対応する時間−周波数要素に分割される。
【0003】
そのような状況において、アンテナのグループのうちの幾つかが、同じ偏波構成及び共通の周波数範囲を共有する。これら2つの要素が合わせて、カラーとして知られるものを規定し、その際、装置は、同じカラーを有する複数のビームを放射するように構成される。
【0004】
既知の態様において、同じカラーを有するビームは互いに干渉する傾向がある。それゆえ、データを送信するためにビームを生成するときであろうと、同じカラーのビームエリアからのUTから信号を受信するときであろうと、干渉が観測される。
【0005】
これらの干渉を低減するための現実的な手法は、衛星が有するカラーの数を最適化することにある。実際には、衛星内のカラーの数が増加するにつれて、同じカラーを有するビーム間の干渉レベルが低下する。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、この手法は、結果として、衛星のデータレートを下げることになり、望ましくない。一般的には、同じカラーのビーム間の干渉レベルを改善することを目的とする既知の手法は、満足のいくものではないことがわかっている。
【0007】
本発明は、この状況を改善することを目的とする。
【0008】
このために、本発明は、少なくとも1つの装置と、ユーザー端末、すなわち、UTとを伴うデータを交換する方法であって、前記装置及び前記UTは前記データを搬送する電磁波を用いてデータを交換するように構成され、前記装置は、少なくとも1つのアンテナの複数のグループを備え、少なくとも1つのアンテナの各グループは前記UTに前記データを送信するために電磁波のビームを放射し、前記UTから前記データを表す信号を受信するように構成され、前記装置によって放射されるように構成される各ビームは、UTが位置する場合があるビームエリアを画定し、少なくとも1つのアンテナの各グループは、対応するビームを生成し、対応するビームエリア内に位置する少なくとも1つのUTから信号をそれぞれ受信するために、少なくとも1つのアンテナの前記グループによって使用されるように構成される時間−周波数リソースに関連付けられ、前記時間−周波数リソースは、所与のタイムスロットにそれぞれ対応し、前記タイムスロットに関して、所与の周波数サブバンドに対応する時間−周波数要素に分割され、該方法は、
−前記UTから測定データを受信することであって、前記測定データは、前記対応するビームエリア内の前記対応するUTの角度位置を少なくとも表す位置データを含むことと、
−少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの1つにそれぞれ関連付けられる少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することであって、各プリコーディングサブセットは、対象のカラーを有する1つ以上の対象のビームエリアの中の所与のビームエリアにそれぞれ関連付けられるアンテナの全てのグループに関連付けられ、それにより、対応するビームが同じ偏波構成と、共通の周波数範囲とを共有するときに、2つのビームエリアが同じカラーを有し、各プリコーディングサブセットは、前記対象のビームエリアのそれぞれから多くても1つのUTを含み、前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットの各プリコーディングサブセットは、前記対応するビームエリア内の前記UTの少なくともそれぞれの角度位置の関数として前記対象のビームエリアの中の異なるビームエリア内にそれぞれ位置する1つ以上のUTを選択することによって選択され、前記UTによって送信される前記位置データに基づいて決定されることと、
−前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの全て又は一部を用いて、前記データを前記UTに伝達するか、又は前記データを前記UTから受信するために、前記プリコーディングサブセットの前記UTに向かうことになっているか、又は前記プリコーディングサブセットの前記UTから到来する前記データの関数として構成される少なくとも1つの信号を生成することと、
を含む、方法に関する。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記時間−周波数リソースは、それぞれが複数のタイムスロットを含む期間に分割される。
【0010】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、前記期間の少なくとも1つの時間−周波数要素に関してアンテナの少なくとも1つのグループの前記時間−周波数リソースがビームを生成するか、又は少なくとも1つのUTから信号を受信するために使用されないように、少なくとも1つのプリコーディングサブセットの前記1つ以上のUTを選択することを含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、前記期間の前記時間−周波数要素のための前記プリコーディングサブセットを更に負荷制約の関数として規定することを含み、それにより、前記期間の前記時間−周波数リソースは全て、ビームを生成するか、又はUTから信号を受信するために使用される。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記期間の前記プリコーディングサブセットの少なくとも1つのUTは、1つ以上のプリコーディングサブセットの一部を更に公平性基準の関数として形成するためにも選択され、それにより、少なくとも1つのビームエリアに関して、前記ビームエリアの前記UTがそれぞれ所定の数のタイムスロットにわたって同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、前記少なくとも1つのUTが少なくとも1つの先行するタイムスロット及び/又は1つの後続するタイムスロットの前記プリコーディングサブセットの関数として選択される。
【0013】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記対象のビームエリアの中の少なくとも1つの基準ビームエリアを決定することを含む。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記基準ビームは、前記対象のビームエリアの中の最も多くの数のUTを含む前記ビームエリアに対応するものとして決定される。
【0015】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
−前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
−前記ビームエリア内でそれぞれ、前記基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記基準ビームエリア内の2つの対象のUTのそれぞれの角度位置の少なくとも関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
−関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、対にされたUT間の前記距離メトリックの前記値の関連付けメトリック関数が最小になるように、前記基準ビームエリアの前記UTのそれぞれが前記ビームエリアの多くても1つのUTとそれぞれ対にされることと、
−前記基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTと対にされる前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むものとして1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を更に含む。
【0016】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
−前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
−前記ビームエリア内でそれぞれ、前記基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記基準ビームエリア内の2つの対象のUTのそれぞれの角度位置の少なくとも関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
−関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、前記基準ビームエリアの前記UTのそれぞれが、前記距離行列内で最小である前記所定の距離メトリックの前記値に対応する前記対象のビームエリアの前記UTとそれぞれ対にされ、それにより、前記ビームエリアの各UTは、前記基準ビームエリアからの選択された数のUTと対にされることと、
−前記基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTと対にされる前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むものとして1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を更に含む。
【0017】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、
−前記基準ビームエリアに関して、そして前記対象のビームエリアの中の前記基準ビームとは異なるビームエリアごとに、前記対応するビームエリア内の前記UTに少なくとも1つのランクを関連付けることであって、前記ランクは、前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記対象のビームエリア内の前記対象のUTの前記角度位置の関数と定義され、前記基準角度位置は、ビームエリアごとに同一と見なされることと、
−1つ以上のプリコーディングサブセットを、自らのそれぞれのビームエリア内で同じランクを共有する前記UTをそれぞれ含むものとして規定することと、
を更に含む。
【0018】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、
−前記対象のビームエリアの中の基準ビームエリアの組を選択することと、
−基準ビームエリアの組のビームエリアごとに、
−前記ビームエリアを一時的基準ビームエリアと見なすことと、前記対象のビームエリアの中の前記一時的基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
−前記ビームエリア内でそれぞれ、前記一時的基準ビームエリアのUTに、そして前記ビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、前記一時的基準ビームエリアの前記UT及び前記一時的基準ビームエリア内の前記ビームエリアの前記UTの少なくともそれぞれの角度位置の関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
−関連付けアルゴリズムを適用することであって、該アルゴリズムを通して、対にされたUT間の前記距離メトリックの前記値の第1の関連付けメトリック関数が最小になるように、前記一時的基準ビームエリアの前記UTの全て又は一部のそれぞれが前記対象のビームエリアの前記UTとそれぞれ対にされることと、
−前記一時的基準ビームエリアの前記UTのうちの1つと、前記基準ビームエリアの前記UTのうちの前記1つと対にされる前記一時的基準ビームエリアとは異なる前記ビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組を規定することと、
−プリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの前記一時的な組の前記UTの前記角度位置の関数として少なくとも定義される第2の関連付けメトリックの値を求めることと、
−前記第2の関連付けメトリックのその値が最も低いプリコーディングサブセットの前記一時的な組の各プリコーディングサブセットを、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のそれぞれに関連付けられる前記プリコーディングサブセットとして選択することと、
を含む。
【0019】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記少なくとも1つの時間−周波数要素のうちの少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、
−前記対象のカラーの前記対象のビームエリアのそれぞれの1つのUTをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組の所定の集合の中のプリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの前記一時的な組の前記プリコーディングサブセットの前記UTの前記角度位置の関数として定義される関連付けメトリックの値を求めることと、
−前記少なくとも1つの時間−周波数要素のための前記少なくとも1つのプリコーディングサブセットを、最も低い関連付けメトリックを有するプリコーディングサブセットの前記一時的な組内に含まれる1つ以上のプリコーディングサブセットとして規定することと、
を含む。
【0020】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、前記対象のビームエリアの中の1つのビームエリア内のUTの最大数以上の所与の数の時間−周波数要素を含む少なくとも1つの期間に、
−前記対象のビームエリアの中のビームエリアごとに、
−前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記UTの前記角度位置の関数として、ランクを前記ビームエリアの各UTに関連付けることであって、該基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
−UTを含むベクトルを前記ランクの降順又は昇順において構成することであって、各UTは、前記期間内の時間−周波数要素の前記所与の数と、前記ビームエリア内のUTの数との関数である所定の回数だけ、前記ベクトル内の連続した位置に現れることと、
−所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられる前記ベクトル内の同じ位置を共有する前記ベクトルの前記UTを関連付けることによって、前記期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を含む。
【0021】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの期間に、
−対象のビームエリアごとに、前記期間にわたって前記ビームエリアの各UTが属することになるプリコーディングサブセットの数を決定するリソース割当てアルゴリズムを実施することと、
−各ビームエリアにおいて、前記ビームエリア内の基準角度位置に対する前記UTの少なくとも前記角度位置の関数として、ランクを前記ビームエリアの各UTに関連付けることであって、前記基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
−ビームエリアごとに、UTを含むベクトルを前記ランクの降順又は昇順において構成することであって、各UTは、前記ベクトル内に、前記リソース割当てアルゴリズム中に対応するUTのために決定された回数と同じ回数だけ、前記ベクトル内の連続した位置に含まれることと、
−所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられる前記ベクトル内の同じ位置を共有する前記ベクトルの前記UTを関連付けることによって、前記期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を含む。
【0022】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、各対象のビームエリアの前記UTを1つ以上のUTをそれぞれ含む複数のグループに分割することを含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、各ビームの前記UTをグループに分割することは、
−各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、同じ対象のカラーを有する全ての他のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
−各ビームエリア内で、各グループを所与のゾーン内に位置する前記UTとして規定することと、
を含む。
【0024】
本発明の一態様によれば、前記方法は、
−全ての対象のビームエリアの中の、前記対象のゾーンに、又は同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの1つの対象のビームエリアのゾーンにわたる和以上の時間−周波数要素の数を含むものとして1つの期間を規定することと、
−グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、前記グループの各UTがその一部を形成することになる、前記期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することと、
−前記期間の時間−周波数要素ごとに、所与のビームエリアの所与のグループに属する1つのUTを選択し、前記期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、前記対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を更に含む。
【0025】
本発明の一態様によれば、前記グループは準一定のサイズを有し、それにより、各ビームエリア内で、前記グループが含むUTのそれぞれの数は等しいか、又は1だけ異なる。
【0026】
本発明の一態様によれば、前記UTをグループに分割することは、
−各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを前記対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、全ての他の対象のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
−ビームエリアごとに、複数の一時的グループのそれぞれを、所与のゾーン内に位置するUTをそれぞれ含むものとして規定することと、
−ビームエリアごとに、全ての前記一時的グループが、1以下だけ異なるUTのそれぞれの数を有するまで、所定の数より多いUTの数を有する一時的グループ内の前記UTの中の、最も少ない数のUT数を有する前記一時的グループの前記ゾーンに最も近い前記一時的グループからの1つのUTを最も少ない数のUT数を有する前記一時的グループに再度割り当てることと、
−前記グループを、全ての一時的グループが1以下だけ異なるUTのそれぞれの数を有するときに得られた前記一時的グループとして規定することであって、各グループは、前記対応する一時的グループのゾーンと同じゾーンに関連付けられることと、
を含む。
【0027】
本発明の一態様によれば、前記UTをグループに分割することは、
−各対象のビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、前記ビームエリアを前記対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、全ての他の対象のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、前記対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
−前記空間分割方式が適用されたビームエリアごとに、
−前記ビームエリアのUTと前記ビームエリアのゾーンとの間の距離の値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
−少なくとも1つの反復を有する関連付けアルゴリズムを実施することであって、該反復中にそれぞれ、関連付けられるUTとゾーンとの間の距離の和が最小になるように各ゾーンがUTに関連付けられ、前記距離行列内の前記対応する要素は、前記対応するUTが更なる反復において別のゾーンに関連付けられるのを防ぐように変更され、前記関連付けアルゴリズムは、全てのUTが1つのゾーンに関連付けられたときに終了することと、
を含み、
前記方法は、各ビームエリアの各グループを、前記関連付けアルゴリズムを通して前記ビームエリア内の同じゾーンに関連付けられた前記UTとして規定することを更に含む。
【0028】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、所与のグループに属する1つのUTを選択し、全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを形成することを更に含む。
【0029】
本発明の一態様によれば、前記方法は、
−全ての対象のビームエリアの中の、前記対象のゾーンに、又は同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの前記対象のビームエリアの中の1つのビームエリアの前記ゾーンにわたる和以上のタイムスロットの数を含む少なくとも1つの期間を規定することと、
−グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、前記グループの各UTがその一部を形成することになる、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することであって、前記選択は前記公平性基準の関数として更に行われることと、
−前記少なくとも1つの期間の時間−周波数要素ごとに、所与のグループに属する1つのUTを選択し、前記期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、全ての他の対象のビームエリアに関して、所与のグループに属する前記UTの前記グループに関連付けられる前記ゾーンに同等である前記ビームエリアの前記ゾーンに関連付けられる前記ビームエリアの前記グループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、前記対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を更に含む。
【0030】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのプリコーディングサブセットに関して、前記時間−周波数リソースは、前記対応するビームエリア内に位置する前記プリコーディングサブセットの前記UTに向けられるビームを生成するために、前記サブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの全て又は一部によって使用され、少なくとも1つの信号を生成することは、前記サブセットに関連付けられるアンテナの前記グループの前記全て又は一部のアンテナのグループごとに、前記対応するビームを生成するためにアンテナの前記グループによって使用されることになっている信号を生成することを含み、前記信号は、前記プリコーディングサブセットに属する全てのUTに向かうことになっているデータの関数として生成される。
【0031】
本発明の一態様によれば、前記装置は、前記複数のアンテナを有する衛星を含む。
【0032】
本発明の一態様によれば、前記装置は、地球の表面上に位置する複数の基地局を含み、各基地局は、1つ以上のアンテナグループに配列される1つ以上のアンテナを備える。
【0033】
また、本発明は、コンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプロセッサによって実行されるときに、上記に記載の方法を実施するための命令を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0034】
本発明の更なる特徴及び利点は、実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより明らかとなるであろう。これらは、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による方法に関与する要素を示す図である。
図2】時間−周波数リソースを示す図である。
図3】本発明による方法が解決するように設計された問題のモデルを示す図である。
図4】本発明による方法のステップを示す図である。
図5】プリコーディングサブセットを概略的な形で示す図である。
図6】ビームエリアと、これらのビームエリア内の対応するUTとを示す図である。
図7a】本発明による方法において使用される場合がある取り得るゾーン規定を示す図である。
図7b】本発明による方法において使用される場合がある取り得るゾーン規定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による方法に関与する要素を示す。
【0037】
これらの要素は、装置APP及びユーザー端末UT、すなわち、UTを含む。装置及びUTは、電磁波を用いてデータを交換するように構成される。
【0038】
データは、例えば、電話による会話中に生成されるデータ、又は任意の既知の種類のユーザーデータ等の電気通信データである。
【0039】
装置は、電磁波を用いて、UTにデータを送信し、UTからデータを受信するように構成される。
【0040】
そのために、装置は複数のアンテナを備える。アンテナは、それぞれ少なくとも1つのアンテナを備えるグループGANT,GANT・・・,GANTに配置され、各グループは、例えば、データストリームの形でデータを搬送するために電磁波の単一のビームを生成し、UTから、UTによって生成された電磁波を通して搬送される信号を受信するように構成される。
【0041】
アンテナは図1において概略的に示されており、各グループ内に正方形の形で示される。
【0042】
アンテナを用いて所与の時点に異なるビームを生成することができるように、所与のアンテナは複数のグループの一部とすることができる。
【0043】
所与のグループのアンテナは必ずしも装置内の相対的に隣接する位置に配置されないことに留意されたい。
【0044】
好ましい実施形態において、図1に示されるように、装置は、それぞれがそのような波を生成し、受信するように構成される複数のアンテナを備える衛星の形をとる。
【0045】
例えば、衛星は、従来の衛星より大きい容量を提供するが、同様のスペクトルを用いる、ハイスループットタイプの衛星である。さらに、その衛星はマルチビーム衛星である。
【0046】
以下の説明は、装置が衛星である構成に関して非限定的に与えられるが、以下に説明される代替の実施形態も考えられる。
【0047】
既知の態様において、アンテナのグループによって生成されるビームは、表面上の所与の領域に向けられるメインローブと、不可避であり、他の領域に少なくとも部分的に向けられるサイドローブとを与える。これらのメインローブ及びサイドローブは、アンテナがUTから電磁波を受信する受信モードにおけるアンテナの検出能力及び性能も決定する。
【0048】
アンテナの各グループは、地球の表面にわたってビームエリアBAを画定し、ビームエリアはアンテナのグループの好ましい照射領域に対応する。実際には、ビームエリアは、アンテナの他のグループに対して、アンテナの対象のグループによって生成されるビームから最も高い電力が到来する領域に対応する。
【0049】
実際には、ビームを実効的に生成しない場合であっても、アンテナのグループは依然として、自らの専用の検出領域に対応する自らのビームエリアを画定する。
【0050】
各ビームエリアはUTを含まないか、又は1つ以上のUTを含む。
【0051】
ビームエリアはそれぞれ中心を有する。この中心は、ビームエリアの幾何学的中心、ビームエリアの重心、又はビームエリア内でビームが最も高いエネルギーで受信される点とすることができる。例えば、ビームエリアは、地形の変形が考慮されるときに、概ね円形又は楕円形の形状等の任意の形状を有する。さらに、任意選択で、それらのビームエリアのうちの少なくとも幾つかは、隣接するビームエリアと部分的に重なり合う。
【0052】
通常、アンテナのグループは、自らの放射特性及び受信特性を規定する、偏波構成及び所与の周波数範囲を示す。例えば、偏波構成は、右円偏波及び左円偏波並びに垂直直線偏波及び水平直線偏波等の2つの取り得る構成の中から選択される。
【0053】
周波数範囲及び偏波構成の所与の組が、アンテナのグループごとのカラーとして知られるものを規定し、対応するビームエリアを画定する。
【0054】
例えば、衛星は複数のカラーを与える。
【0055】
少なくとも2つのビームが同じ偏波構成及び共通の周波数範囲を共有し、それにより、同じカラーを有し、延いては、対応するビームエリアは同じカラーを有する。
【0056】
例えば、図1の例において、BAと呼ばれるビームエリアは全て同じカラーを有し、4つのこのビームエリアが存在している。
【0057】
所定の時点において、カラーに割り当てられたそれぞれの周波数範囲は変更されることに留意されたい。言い換えると、所与の時点において、カラー自体の規定を変更することに決めることができる。
【0058】
また、アンテナの特定のグループを使用するのを止めることに、及び/又はこれまで使用されていなかったグループを使用し始めることに決めることもできる。
【0059】
既知であり、上記で論じられたように、同じカラーを有するビームは、アンテナのグループのサイドローブが他のビームに関連付けられるビームエリアに向けられるのは避けられないことに特に起因して、互いに干渉する傾向がある。
【0060】
装置は物理リソースである時間−周波数リソースを更に含み、そのリソースを介して、アンテナのグループによってビームが生成され、そのリソースを介して、アンテナのグループを用いて、UTによって放射された信号を受信する。
【0061】
実際には、それらのリソースは、装置の物理リソースブロックに対応する。
【0062】
図2を参照すると、時間−周波数リソースは、それぞれが所与のタイムスロットに対応し、そのタイムスロットに関して、所与の周波数サブバンドに対応する時間−周波数要素に分割される。
【0063】
タイムスロットは時間経過に対応し、対応する周波数サブバンドは、関連付けられるタイムスロット中にビームを生成するか、又は信号を受信するために使用される場合がある周波数に対応する。サブバンドを合わせたものが、所与のカラーに割り当てられる周波数バンド(すなわち、周波数範囲)に対応することに留意されたい。
【0064】
時間及び周波数空間におけるその規定を仮定すると、所与の時間−周波数要素が、対応するビームを放射するために、又はUTから信号を受信するためにアンテナの複数のグループによって共有される場合がある。
【0065】
タイムスロットは複数の期間内に配列することができ、期間は、本発明の要件に応じて一緒に考慮される複数の連続したタイムスロットに対応する。
【0066】
有利には、衛星を通して搬送されるデータは、表面上に位置する地上局ESに向かうことになっているか、又は地上局ESから到来し、地上局ES自体は、任意選択の処理後にデータを転送するように構成することができる。
【0067】
衛星及び地上局は、フィーダーリンクとして知られるものを介して、データを交換する。衛星と地上局との間の交換は、従来の通信技術を用いて実行される。
【0068】
UTに関して言うと、UTは、データを生成し、これらのデータを装置に送信するように構成され、アンテナのグループによって生成されたビームを通して、装置からデータを受信するように構成される。データを送信するために、UTは、電磁波を通して搬送され、衛星のアンテナによって受信されるように構成される信号を生成するように構成され、その際、衛星のアンテナは受信機として動作する。
【0069】
UTは、スマートフォン、パーソナルコンピューター、屋上受信デバイス等の電子デバイスである。UTは、UTの動作のために必要とされる全ての既知の構成要素を含む。
【0070】
以下の説明において、UTは、スマートフォンとして非限定的に図示及び説明される。詳細には、UTは、対応するUTの通常動作に関して他の構成要素の動作を処理するように構成される処理モジュールを含む。
【0071】
この処理モジュールは、それに加えて、対応するUTが位置する衛星のビームエリア内の、そのUTの位置を表す位置データを生成するように構成される。
【0072】
詳細には、これらの位置データは、そのビームエリア内の対応するUTの角度位置を少なくとも表す。ここで、そして後に詳述されるように、UTの角度位置は、ビームエリア内のUTの位置と、ビームエリアの中心を通る所与の基準方向とによって規定される角度に対応する。
【0073】
有利には、位置データは、対応するUTの径方向位置、すなわち、ビームエリアの中心に対するUTの距離も表す。
【0074】
これらのデータは、衛星又は地上局に向かうことになっている。それらのデータが地上局に向かうことになっている場合には、それらのデータは、衛星を経由することなく、地上局に通信される場合があり、例えば、地上ケーブル(land cable)を通して通信される。
【0075】
これらの位置データは、例えば、既知のプロセスを通して生成される。例えば、処理デバイスは、例えば、GNSS信号(全地球的航法衛星システム用)又はそのために構成される任意の他のタイプの信号に基づいて、これらのデータを生成するように特に構成される位置決めデバイスを含む。
【0076】
例えば、これらのデータは所与の周期で生成され、衛星に定期的に送信される。
【0077】
位置データは、直接的な形で角度位置を含む、すなわち、角度位置は対応するUTによって特定され、転送されるか、又は位置データは、この角度位置を、例えば、装置によって遠方から特定できるようにする情報を単に含むかのいずれかであることに留意されたい。
【0078】
ここで、本発明による方法が、更に詳細に説明されることになる。
【0079】
本発明による方法の目的は、上記で説明され、下り構成に関して同じカラーを有する2つの異なるビームエリア内にそれぞれ位置する2つのUT、UT及びUTを有する構成、すなわち、衛星が2つのUTのためのビームを生成する構成に関して図3に示されるようにモデル化することができる干渉現象を考慮に入れることである。図示される構成は、本発明の文脈と同様にプリコーディングサブセットに頼らない構成に対応する。
【0080】
UT及びUTにそれぞれ向かうことになっているデータs、sは、1つ以上の信号を通して、フィーダーリンクを用いて地上局ESによって衛星APPに送信される。これらの信号は、UT及びUTにそれぞれ向かうことになっており、それぞれが対応するデータs、sを表す、2つのビームの形をとるそれぞれの信号
【数1】
を生成するために衛星によって使用される。信号はそれぞれ、それらの信号が波として搬送されること、それらの信号がUTによって電気信号に変換されること、及びそれらの信号がビーム間干渉を引き起こすアンテナのサイドローブによって引き起こされる干渉を受けることに起因する変化等の、UT、UT及びUTにおいて受信信号y、yになる前に信号が受ける全ての現象を規定するチャネルとして知られるものを経由する。
【0081】
これらの現象は、非限定的な線形構成において、以下のようにモデル化することができる。
【数2】
ただし、y及びyは所与の時間−周波数要素における受信信号であり、α及びαは有用なチャネル係数であり、α及びαはそれぞれUT及びUTに関する干渉チャネル係数である。n及びnは、信号がそれぞれUT及びUTにおける受信によって変化することに起因する相加性白色ガウス雑音を表す。係数αを伴う行列Hは、各ビームを通しての各UTまでのチャネルを表すチャネル行列である。
【0082】
本発明による方法は、これらの現象、詳細にはビーム間干渉の影響を低減することを目的とする。
【0083】
そのために、図4を参照すると、本発明による、データを送信する方法は、装置の少なくとも1つのカラーに関して、そしてこのカラーの対象のビームエリアに関して、3つの主なステップ、すなわち、
−対象のビームエリア内のUTの少なくとも角度位置を特定するために、対象のビームエリア内に位置するUTによって送信される位置データを受信するステップS1と、
−事前に特定された少なくとも角度位置に基づいて、UTの1つ以上のプリコーディングサブセットを構成するステップS2と、
−UTに向かうことになっているか、又はUTから到来するデータを伝達するために、ステップS2において構成されたプリコーディングサブセット(複数の場合もある)のUTの関数として少なくとも1つの信号を生成するステップS3と、
を含む。
【0084】
有利には、これらのステップは装置APPによって実行される。そのために、装置は、アンテナのグループと、装置がそれを経由してフィーダーリンクを介して地上局とデータを交換する通信インターフェースとに動作可能に結合されるモジュールを備える。
【0085】
そのモジュールは、UTの少なくとも角度位置を特定し、プリコーディングサブセット(複数の場合もある)を構成し、少なくとも1つの信号を生成するか、又は少なくとも1つの信号の生成をトリガーするために、位置データを処理するように構成される。
【0086】
例えば、このモジュールは、1つ以上のプロセッサと、位置データを記憶し、プロセッサ(複数の場合もある)によるその実行の結果として、本発明が実行されることになる1つ以上のコンピュータープログラムを含むために構成される1つ以上のメモリとを備える。
【0087】
代替的には、その方法の全て又は一部が地上局によって実施され、その際、地上局は対応するステップを実行するように構成されるモジュールを備える。
【0088】
プリコーディングサブセットを構成するステップは、本発明による方法の中核的なステップを構成し、その方法の主な焦点である。
【0089】
図5を参照すると、各プリコーディングサブセットは、周波数リソースの所与の時間−周波数要素に関連付けられる。また、各プリコーディングサブセットは単一のカラーにも関連付けられる。さらに、各プリコーディングサブセットは、対象のカラーのビームエリアの全て又は一部と、対象のビームエリアに対応するアンテナの全てのグループとに関連付けられる。
【0090】
所与のサブセットは、対象のカラーの対象のビームエリアごとに、このビームエリアのUTから選択される多くても1つのUTを含む。
【0091】
所与のサブセットが対象のビームエリアに対応するアンテナの全てのグループに関連付けられるが、後に更に詳細に説明されるように、それらの一部のみの動作のためにのみ使用される場合があることに留意されたい。
【0092】
しかしながら、好ましくは、ビームエリアの所与の組からのUTを含むサブセットが、アンテナの全ての対応するグループの動作のために使用される。
【0093】
さらに、対象のカラーに関して、プリコーディングサブセットを構成するために、対象のカラーの全てのビームエリアが使用されるとは限らない場合がある。例えば、10個のビームエリアを有するカラーに関して、プリコーディングサブセットを規定するために、これらのビームエリアのうちの5個のみが考慮される場合がある。後に更に明らかになるように、これは、サブセットのUTが対象のビームエリアから選択されるが、サブセットを構成するためにそれ自体考慮されない、対象のカラーのビームエリアから選択されないことを意味する。
【0094】
有利には、対象のカラーの全てのビームエリアが考慮に入れられるが、代替的には、少なくとも1つは考慮に入れられない。好ましくは、各サブセットを構成するために複数のビームエリアが考慮される。
【0095】
これらの要素は、所与の時間−周波数要素に結び付けられる所与のサブセットを構成することが、
−ビームエリアの所与のカラーを考慮することと、
−その後、サブセットを構成するために、このカラーのビームエリアの全て又は一部を考慮して、UTを選択することと(それは、アンテナの対応するグループも考慮されることを意味する)、
−サブセット自体を構成することと、
を伴うことを意味する。
【0096】
サブセットは、その後、それにより考慮されるアンテナのグループの全て又は一部の動作のために、そして全体としての装置の動作のためにステップS3において考慮される。
【0097】
図5において、同じ時間−周波数要素上に重ね合わせられる、異なる高さに示される所与のサブセットの異なるUTは例示のためにすぎず、所与のサブセットのUTが全て単一の時間−周波数要素に対応することに留意されたい。
【0098】
また、時間−周波数要素は複数のサブセットに関連付けられる場合があることにも留意されたい。詳細には、これは、対象のビームエリアが所与のカラーのビームエリアの一部のみを形成するとき、及び/又は2つのカラーがその偏波構成によってのみ異なる(それゆえ、同じ周波数範囲を有する)ときに当てはまる場合がある。
【0099】
時間−周波数要素kにおいてスケジューリングされるビームエリアbのUTのインデックスをVb,kと表すことによって、時間−周波数要素kのためのプリコーディングサブセットは、要素Vb,kを有する行列Vの列kと見なすことができる、すなわち、
【数3】
である。ただし、NUT,bはビームエリアb内のUTの数であり、NSlotはスケジューリング期間にわたる時間−周波数要素の数であり、NBeamは、UTが選択される対象のビームエリアの数である。要素Vb,kとしての値0は、時間−周波数要素kにおいてスケジューリングされるビームエリアbにおいて、UTがスケジューリングされないことを意味する。行列Vの行bをVと表す。
【0100】
本発明の文脈において、プリコーディングサブセットは、対象のビームエリア内のUTの少なくとも角度位置に基づいて構成される。
【0101】
図6を参照すると、そのビームエリア内の所与のUTの位置は、ビームエリアの中心までのUTの距離rと、ビームエリアの中心を通る(そして、好ましくは全ての対象のビームエリアに関して同一と見なされる)基準方向に対するビームエリア内のUTの角度θとによって規定される。図1において、UT及びUTは、対応するビームエリアの中心までのその距離r1、r2と、基準方向に対してそれらがなす角度θ、θとによって規定されるそれぞれの位置を有する。
【0102】
サブセットの構成の原理は、それぞれのビームエリア内で少なくとも角度に関して近い、対応するビームエリアの中心に対する位置を有する、対象のカラーの対象のビームエリアの中のUTを選択することによって、サブセットを形成することを中心に展開する。
【0103】
そのために、この原理を中心に展開する複数の原理が実現される場合がある。
【0104】
どの原理が考慮されるかにかかわらず、UTの少なくとも角度位置の関数として実行されることに加えて、サブセットの構成は、任意選択で、負荷制約の関数として1つ以上の期間にわたって実行される場合もあり、それにより、ビームを生成するか、又はUTから信号を受信するために、その期間のアンテナの対象のグループに関連付けられる時間−周波数リソースが全て使用される。
【0105】
言い換えると、「全負荷手法」とも呼ばれる、この負荷制約を通して、対象のタイムスロットごとに、対象のカラーを有するアンテナの対象のグループに割り当てられる全ての時間−周波数リソースが使用されるように、サブセットが構成される。
【0106】
この負荷制約は、任意選択で、公平性基準とともに適用することができ、それにより、少なくとも1つの対象のビームエリアに関して、そのビームエリアのUTがそれぞれ所定の数のタイムスロットにわたって同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、少なくとも1つの先行するタイムスロット及び/又は1つの後続するタイムスロットのプリコーディングサブセットの関数として、1つのプリコーディングサブセットの少なくとも1つのUTが選択される。
【0107】
第1の原理
本発明によれば、第1の原理は、所与のビームエリアのUTを複数のグループに分割することを中心に展開する、後に説明される第2の原理とは対照的に、対象のカラーの所与のビームエリア内の全てのUTをUTの単一のグループの一部を形成するものと見なすことを中心に展開する。
【0108】
したがって、この第1の原理は、「グループを用いない」手法と説明することができる。
【0109】
この原理は、2つのサブ原理に分解することができる。すなわち、
−第1のサブ原理は、対象のカラーのビームエリア内に少なくとも1つの基準ビームエリアを画定することに頼る。
−第2のサブ原理は、基準ビームエリアを画定することに頼らない。
【0110】
第1の原理の第1のサブ原理
このサブ原理の実施形態の第1の組において、基準ビームエリアが最初に選択され、選択された時間−周波数要素に関して構成されることになるプリコーディングサブセットを規定する場合に変わらないという点で、基準ビームエリアの規定は特有である。
【0111】
例えば、基準ビームエリアは、対象のカラーのビームエリアの中の最も密集したビームエリアとして選択される。言い換えると、基準ビームエリアは、最も多くの数のUTを含むビームエリアとして選択される。
【0112】
第1の実施形態において、対象のカラーの対象のビームエリアに関して、そして対象の時間−周波数要素に関して、少なくとも1つのサブセットが以下のように構成される。
【0113】
対象のビームエリアの中の基準ビームエリアとは異なるビームエリアごとに、
−対象のビームエリア内でそれぞれ、基準ビームエリアのUTに、そして対象のビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、基準ビームエリア内の2つの対象のUTのそれぞれの角度位置の少なくとも関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成すること、
−関連付けアルゴリズムを適用することであって、このアルゴリズムを通して、対にされたUT間の距離メトリックの値の関連付けメトリック関数が最小になるように、基準ビームエリアのUTのそれぞれが対象のビームエリアの多くても1つのUTとそれぞれ対にされること、
−基準ビームエリアのUTのうちの1つと、基準ビームエリアのUTと対にされる対象のビームエリアの中の基準ビームエリアとは異なるビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むものとして1つ以上のプリコーディングサブセットを規定すること。
【0114】
好ましくは、基準ビームエリアの各UTが単一のサブセットに属するように、所与の数の時間−周波数要素に関して、プリコーディングサブセットがそのように構成される。より具体的には、考慮される時間−周波数要素の数はNUT,Maxであり、それは、基準ビームが含むUTの数に対応する。
【0115】
距離行列はNUT,b×NUT,Max次元であり、ただし、NUT,bは、対象のビームエリアが含むUTの数である。
【0116】
行列の各行は対象のビームエリアのUTに関連付けられ、各列は基準ビームエリアのUTに関連付けられる。行列の各要素は、対応するUT間の所定の距離メトリックの値に対応する。
【0117】
後に明らかになるように、距離メトリックは、そのビームエリア内の対象のビームエリアのUTの少なくとも角度位置と、基準ビームエリア内の基準ビームエリアのUTの少なくとも角度位置とに基づいて構成されるという点で、2つのUT間の相対距離を規定する。
【0118】
距離メトリックはwで示される。このメトリックは、有利には、以下の行列のうちの1つとして選択される。
【数4】
ただし、Xb,u及びVb’,u’は、対応するビームエリアの中心に対する、ビームエリアb及びb’内にそれぞれ位置するUT u及びu’のそれぞれの位置を示す。
【0119】
任意選択で、上記のメトリックにおける距離rは、ビームエリアのサイズ、例えば、円形ビームエリアの半径又はビームエリアの表面の平方根に基づいて規定される寸法等の、対象のビームエリアの特徴的な寸法で、ビームの中心に対する距離を割ったものと定義できることに留意されたい。
【0120】
第1のメトリックは位置に基づく距離であり、それは、対象のUTの角度位置(関連付けられるビームエリアの中心を通り、両方のビームエリアに関して同一と見なされる基準方向に対する角度位置)に本質的に依存し、関連付けられるビームエリアの中心までのそのUTの距離にも依存する。
【0121】
第2のメトリックは角度に基づく距離であり、それは、関連付けられるビームエリアの中心を通り、両方のビームエリアに関して同一と見なされる基準方向に対するUTの角度位置にのみ依存する。
【0122】
第3のメトリックは、対象のUTの距離及び角度に関する重み係数(weighing factor)を含む、2つの先行するメトリックを一般化したものである。
【0123】
好ましくは、サブセットの所望の組を構成するために、距離メトリックが最初に選択され、全てのビームエリアの距離行列を構成するために使用される。
【0124】
Gで示される関連付けメトリックに関して、実際には、最適化されたプリコーディングサブセットを構成する問題は、Vを
【数5】
として得ることと見なすことができる。ただし、Xは要素xb,uを有する行列である。この問題は、公平性及び全負荷についての上記で論じられた制約を含むことができる。
【0125】
本発明の文脈において、関連付けメトリックGは、同じUTプリコーディングサブセット内のUTの位置にのみ依存する。
【0126】
有利には、メトリックGは、以下のメトリックの中から選択される。
●対象のカラーの全ての対象のビームエリア及び全ての対象の時間−周波数要素内の一緒にプリコーディングされるUTの対間の距離メトリックの値の和:
【数6】
●対象のカラーの全ての対象のビームエリア及び全ての対象の時間−周波数要素内の一緒にプリコーディングされるUTの全ての対の中の距離メトリックの値の最大値:
【数7】
●対象のカラーの全ての対象のビームエリア内の一緒にプリコーディングされるUTの対の中の距離メトリックの値の最大値の全ての対象の時間−周波数要素にわたる和:
【数8】
【0127】
関連付けアルゴリズム中に、基準ビームのUTが対にされると、このUTを対象のビームエリアの更なるUTと対にできないように、距離行列内の列の対応する値が変更される。例えば、これらの値は、その際、無限値に設定される。
【0128】
有利には、全負荷手法に関して、そのアルゴリズムは、NIt,b=ceil(NUT,Max/NUT,b)に等しい回数、すなわち、直近の整数に切り上げられた、除算NUT,Max/NUT,bの結果に対応する回数だけ繰り返される。
【0129】
代替的には、そのアルゴリズムは一度だけ実行される。
【0130】
その際、アルゴリズムの詳細は、例えば、以下の通りである。
【0131】
各UTがサービスを提供されるのを確実にするために、考慮されるスケジューリング期間が、NUT,Maxに等しいNSlotとして設定される。
【0132】
brefで示される基準ビームエリアは、対象のカラーの対象のビームエリアの中の最も負荷が高いビームエリアとして設定される。
その際:
−ビームエリアbrefとは異なるビームエリアbごとに、
○大きさNUT,b×NUT,Maxの距離行列Mが構成される(ビームエリアb内の所与のUTのビームエリア内位置と、選択された距離メトリックという意味においてビームエリアbref内の所与のUTのビームエリア内位置との間の距離)。
○全負荷手法に関して、
■NIt,bをceil(NUT,Max/NUT,b)(直近の整数に切り上げられた、除算の結果)に等しいと定義する。
○そうでない場合には、
■NIt,bを1に等しいと定義する。
○反復1から反復NIt,bに関して、
■入力としてMを有する2次元関連付けアルゴリズム(例えば、ハンガリアン又は貪欲)が、2UTのNUT,b個のサブセットの最大値を見つけるために実行され(最後の反復に関して、NUT,b個未満のサブセット、すなわち、NUT,Max−(NIt,b−1)×NUT,b個未満のサブセットが存在する)、一方のUTは基準ビームエリアbrefに属し、他方のUTはビームエリアbに属し、これらNUT,b個のサブセットは、2次元の場合に関してメトリックG(2d)を最小化する。
■基準ビームエリアに属するNUT,b個の選択されたUTに対応するMの列内に無限値が挿入される。
−NBeam−1個の2次元結果からNBeam個のUTのNslot個のサブセットを得る、すなわち、各サブセットは、基準ビームエリアのUTのうちの1つと、2次元関連付けアルゴリズムによって基準ビームエリアのUTに関連付けられる基準ビームエリアとは異なるビームエリアの全てのUTとを含む。それらは行列Vを形成する。
【0133】
この第1の組の実施形態の別の実施形態において、関連付けアルゴリズムは、ビームエリア内の各UTが属するプリコーディングサブセットの数を制御できるようにする。
【0134】
所与のビームエリア内のUTが関連付けられる時間−周波数要素の数の間の最大差は、ΔSlot,Maxで示される(1以上の値)。
【0135】
その際、対象のカラーを有する対象のビームエリアに関して、そして対象の時間−周波数要素に関して、所望のサブセットを構成する原理は以下の通りである。
−基準ビームエリアとは異なるが、基準ビームエリアと同じ対象のカラーを有する対象のビームエリアごとに、
−対象のビームエリア内でそれぞれ、基準ビームエリアのUTに、そして対象のビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、基準ビームエリア内の2つの対象のUTの少なくともそれぞれの角度位置の関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成する。
−関連付けアルゴリズムを適用する。そのアルゴリズムを通して、基準ビームエリアのUTのそれぞれが、距離行列内で最小である所定の距離の値に対応する対象のビームエリアのUTとそれぞれ対にされ、それにより、ビームエリアの各UTが、基準ビームエリアからの選択された数のUTと対にされる。
−基準ビームエリアのUTのうちの1つと、基準ビームエリアとは異なるが、基準ビームエリアと同じ対象のカラーを有するビームエリアの、基準ビームエリアのそのUTと対にされる全てのUTとをそれぞれ含むものとして、1つ以上のプリコーディングサブセットを規定する。
【0136】
実際には、そのアルゴリズムの詳細は以下の通りである。
【0137】
各UTがサービスを提供されるのを確実にするために、スケジューリング期間が、NUT,Max(基準ビームエリア内のUTの数)に等しいNSlotとして設定される。
その際:
−ビームエリアBrefとは異なるビームエリアbごとに、
○大きさNUT,b×NUT,Maxの距離行列Mが、上記で説明されたのと同じようにして構成される。
○Sbref及びSを空集合と定義する。
○M内に無限値とは異なる値が存在する限り、
■M内の最も小さな値が見つけられる。
■2つの対応する要素が対にされる。Mの対応する行のインデックスlは、ビームエリアbのUTであり、Mの対応する列のインデックスcは、基準ビームエリアbrefのUTのインデックスであり、すなわち、ビームエリアbのUTc及び基準ビームエリアのUTlは同じプリコーディングサブセット内にある。
■インデックスcが集合Sbrefに追加される。
■インデックスlが集合Sに追加される。
■基準ビームのUTcが対にされると、Mの列cに無限値が挿入される。
■ビームエリアbのUTlが、少なくとも(ceil(NUT,Max/NUT,b)+ΔSlot,Max−1)回だけ選択される場合には(ただし、ceilは直近の整数に切り上げる演算子である)、又は(NUT,b−card(S))が(NUT,Max−card(Sbref))に等しい場合には、Mの対応する行lに無限値が挿入される。
−NBeam−1個の2次元結果からNBeam個のUTのNslot個のサブセットを得る、すなわち、各サブセットは、基準ビームエリアのUTのうちの1つと、2次元関連付けアルゴリズムによって基準ビームエリアのUTに関連付けられる基準ビームエリアとは異なるビームエリアの全てのUTとを含む。それらは行列Vを形成する。
【0138】
第1の組の実施形態の別の実施形態において、1つ以上のサブセットを規定することは、対象のカラーの対象のビームエリアに関して、そして対象の時間−周波数要素に関して:
−基準ビームエリアに関して、そして基準ビームエリアとは異なるが、基準ビームエリアと同じ対象のカラーを有するビームエリアごとに、対応するビームエリア内のUTに少なくとも1つのランクを関連付けることであって、ランクは、ビームエリア内の基準角度位置に対する対象のビームエリア内の対象のUTの角度位置の関数と定義され、基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
−1つ以上のプリコーディングサブセットを、それぞれのビームエリア内で同じランクを共有するUTの組をそれぞれ含むと定義することと、
を含む。
【0139】
言い換えると、ビームエリアごとに同一の基準方向が設定され、この方向が、ビームエリアにおいて0に等しい基準角を規定する。この基準方向は、対象のビームエリアの中心を通る。
【0140】
この実施形態に関して取り得るアルゴリズムの詳細は以下の通りである。
【0141】
上記のように、各UTがサービスを提供されるのを確実にするために、スケジューリング期間が、NUT,Maxに等しいNSlotとして設定される。公平性制約として、ΔSlot,Max≧1が設定される。
【0142】
各ビームエリアにおいて、基準角に対してUTの位置がなす角度に基づいて、UTごとにランクが規定される。
その際、そのアルゴリズムは、以下のことを含む。すなわち、
−基準角に対するその角度値の昇順又は降順に(すなわち、ランクによって)各ビームエリア内のUTを並べること。この角度値は、0度〜360度の間にある。
−基準ビームエリアbrefとは異なるビームエリアbごとに、
○Vbrefを、要素1〜Nslotを有する大きさNslotのベクトルと定義すること。
○Ntmpをceil(NUT,Max/NUT,b)(すなわち、直近の整数に切り上げられた、除算の結果)として設定すること。
○Ntmp2をmax(Ntmp−ΔSlot,Max,1)として設定すること。それは、UTあたりの時間−周波数要素の最大数(すなわち、各UTが属することになるサブセットの最小数)に対応する。
○大きさ(Ntmp2.NUT,b)を有するベクトルUを定義すること。そのベクトル内の各要素はUTインデックスである。
■ベクトルUは、Ntmp2値「1」と、その後に、Ntmp2値「2」から、Ntmp2値「NUT,b」までの値を含む。
○Vを空ベクトルとして設定すること。
○Vの第1の要素は1である(ベクトルUの第1の要素)。
○Vrefの最後のNend個の要素がUの最後のNend個の要素より大きい角度値を有するように、Nendを設定すること。
○ベクトルUのNend個の最後の要素をベクトルVの最後に挿入すること。
○2に等しいkを設定すること。
○第2のUTからUT Nslot−NendまでのビームエリアbrefのUTjごとに、
■ビームエリアbrefのUTjの角度がビームbのUT Uの角度より大きい場合には、
●ベクトルVの要素jはUであり、
●kがインクリメントされる。
■そうでない場合には、
●ビームエリアbrefのUTjの角度と、ビームエリアbのUT Uの角度との間の距離が、ビームエリアbrefのUTjの角度と、ビームb’’のUT Uk−1の角度との間の距離より大きい場合には、
○全負荷手法に関して、
■各UTが少なくとも1つの要素を有しなければならないことに従って、空要素を追加できるか否かをチェックし、
■その場合には、ベクトルVの要素jは0であり、
■そうでない場合には、
●ベクトルVの要素jはUであり、
●その後、kがインクリメントされ、
○そうでない場合には、
■各UTが少なくとも1つの要素を有しなければならないこと、及び要素の数の間の最大差がΔSlot,Max−1であることに従って、先行するUT Uk−1に要素を追加できるか否かをチェックし、
■その場合には、ベクトルVの要素jはUk−1であり、
■そうでない場合には、
●ベクトルVの要素jはUであり、
●その後、kがインクリメントされ、
●そうでない場合には、
○ベクトルVの要素jはUであり、
○その後、kがインクリメントされる。
【0143】
ベクトルVが得られると、所与のサブセットに関して、基準ビームエリアのUTと、それらのベクトル内で同じランクを共有するベクトルVのUT(もしあるなら)とを選択することによって、対象の時間−周波数要素に関してサブセットが構成される。言い換えると、行V及び行Vbrefから行列Vが形成される。
【0144】
任意選択で、そのプロセスは、基準方向がそれぞれ他の反復と異なる所与の反復回数だけ繰り返される。
【0145】
基準方向(それぞれ角度基準を規定する)は、例えば、基準ビームエリアのUTの角度の関数として選択される(例えば、その際、基準ビームの各UTが、所与の反復に関して角度基準を規定する)。代替的には、それら基準方向は、基準ビームエリアのUTから独立して選択される所定の基準方向を通して選択される。
【0146】
この反復構成に関して、各反復が与えるサブセットの異なるグループの中の、サブセットの選択されたグループは、上記で論じられた選択された関連付けメトリックGを最小化するグループに対応する。
【0147】
第1のサブ原理の実施形態の第2の組において、ビームエリアの規定は特有ではない。
【0148】
より具体的には、プリコーディングサブセットを構成することは、所与の反復に関して基準ビームエリアとしてそれぞれ選択された複数のビームエリアにわたって反復することを含む。
【0149】
サブセットを構成するプロセスは、タイムスロットの所与の期間に結び付けられる。
【0150】
そのプロセスは、各UTにその期間の幾つかの時間−周波数要素を割り当てる、すなわち、この期間に各UTが属することになるサブセットの数を規定する第1のステップと、実行された割当てに基づいて、サブセットを実際に構成する第2のステップとを含む。
【0151】
これらの実施形態において、NUT,Max(対象のビームエリア内のUTの最大数)以上のNSlot=NPackets×LPacketsを有するLPackets個の時間−周波数要素のNPackets個のパケットを考える。NSlot個の時間−周波数要素は対象の期間を形成する。NSlotが多いほど、UT間で達成可能な公平性が高い。例えば、LPacketsはNUT,Maxに等しいか、又はLPacketsはNSlotsに等しい(すなわち、NPackets=1)。
【0152】
2つの例示的な割当て方法が以下に説明される。
【0153】
第1の方法において、スケジューリング期間は、NSlot=NPackets×NUT,Maxと設定される。
その際、ビームエリアbごとに:
○V’が空ベクトルとして設定される。
○ビームエリアb内のUTuに割り当てられた時間−周波数要素の数NSlot,u,bは0に設定される。
○UTあたり、そしてパケットあたりの時間−周波数要素の最小数は:Nfloor,b=floor(NUT,Max/NUT,b)(直近の整数に切り下げられた、除算の結果)に設定される。
○パケットあたりの残りの時間−周波数要素の数は:NSlot,Rem,b=NUT,Max−Nfloor,b×NUT,bに設定される。
○その際、1からNPacketsまでのパケットkごとに、
■NSlot,Rem,b個の残りの時間−周波数要素が割り当てられる:
k,bは、付加的な時間−周波数要素が割り当てられるUTの組である。
■UTあたりの時間−周波数要素の最大数は:NSlot,max,b=max(NSlot,u,b)に設定される。
■SMaxは、NSlot,u,bがNSlot,max,bに等しいUTの組として設定される。
■SMax−1={1,2,...,NUT,b}−SMaxは、NSlot,u,bがNSlot,max,b−1に等しいUTの組として設定される。
■値card(SMax−1)がNSlot,Rem,b以下である場合には、
●SMax−1のUTuごとに、NSlot,u,bはNSlot,u,b+1に等しく、Sk,bはSMax−1に等しい。
●SMax,RandはSMax内のNSlot,Rem,b−card(SMax−1)個のランダムに選択されたUTの組として設定される。
●SMax,RandのUTuごとに、NSlot,u,bはNSlot,u,b+1に等しく、Sk,bはSk,bUSMax,Rand(すなわち、その和集合)に等しい。
■そうでない場合には、
●SMax−1,Randは、SMax−1内のNSlot,Rem,b個のランダムに選択されたUTの組として設定される。
●SMax−1,RandのUTuごとに、NSlot,u,bはNSlot,u,b+1に等しく、Sk,bはSMax−1,Randに等しい。
■V’は、Nfloor,b×ベクトル[1,2,3,...,NUT,b]及び1×(one time)Sk,bの要素のベクトルと連結されたベクトルV’として設定される。
【0154】
そのアルゴリズムの出力は、ビームエリアbごとのベクトルV’である。
【0155】
第2の方法において(同じ記号を用いる)、スケジューリング期間は、NSlot(NUT,Max以上)として設定され、NSlotは、NPackets×LPacketsに等しい。
その際、ビームエリアbごとに:
○ceil(NSlot/NUT,b)×ベクトル[1,2,3,...,NUT,b]を連結する(ただし、ceilは直近の整数に切り上げる演算子である)。
○NSlot個の最初の要素は保持され、V’に挿入される。
【0156】
そのアルゴリズムの出力は、ビームエリアbごとの(UTインデックスから形成される)ベクトルV’である。
【0157】
そこから1つ以上のサブセットを構成するプロセスは、少なくとも1つの時間−周波数要素に関して、そして対象のビームエリアに関して以下のように説明することができる。
−対象のカラーを有する対象のビームエリアの中の基準ビームエリアの組を選択する。
−基準ビームエリアの組のビームエリアごとに:
−そのビームエリアを一時的基準ビームエリアと見なし、その一時的基準ビームエリアとは異なる対象のカラーのビームエリアごとに:
−対象のビームエリア内でそれぞれ、一時的基準ビームエリアのUTに、そして対象のビームエリアのUTにそれぞれ関連付けられ、一時的基準ビームエリア内の2つの対象のUTの少なくともそれぞれの角度位置の関数である所定の距離メトリックの値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成する。
−対にされたUT間の距離メトリックの値の第1の関連付けメトリック関数が最小になるように、一時的基準ビームエリアのUTの全て又は一部がそれぞれ対象のビームエリアのUTとそれぞれ対にされる関連付けアルゴリズムを適用する。
−一時的基準ビームエリアのUTのうちの1つと、基準ビームエリアのUTのうちのその1つと対にされる一時的基準ビームエリアとは異なるビームエリアの全てのUTとをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組を規定する。
−プリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの一時的な組のUTの角度位置の関数として少なくとも定義される第2の関連付けメトリックの値を求める。
−関連付けメトリックのその値が最も小さいプリコーディングサブセットの一時的な組のうちのプリコーディングサブセットを、少なくとも1つの時間−周波数要素のそれぞれに関連付けられるプリコーディングサブセットとして選択する。
【0158】
この構成のために取り得るアルゴリズムの詳細は以下の通りである。
−ビームエリアbごとに、V’がLPackets個の要素からなるNPackets個のベクトルに再形成され、V’’k,bに挿入される。ただし、kは1〜NPacketsである。
その後:
−基準ビームエリアの組が選択される。
−1〜NPacketsのパケットkごとに、
○一時的基準ビームエリアbtrefごとに、
■一時的基準ビームエリアbtrefとは異なるビームエリアbごとに、
●UTインデックスを含み、それゆえ、対応する位置を示す大きさLPacketsを有するベクトルV’’k,b及びV’’k,btrefに基づいて、大きさLPackets×LPacketsの距離行列Mが構成される:行l及び列c内のMの要素は、V’’k,bの位置lにあるUTと、V’’k,btrefの位置cにあるUTとの間の距離メトリックの値である。
●一方のUTが一時的基準ビームエリアbtrefに属し、他方のUTが選択されたメトリックG(2d)(2次元の場合)を最小にするビームエリアbに属する、2つのUTのLPackets個のサブセットを見つけるために、入力としてMを用いる関連付けアルゴリズムが実施される(ハンガリアン又は貪欲アルゴリズム等)。
■NBeam−1個の2次元の結果からのNBeam個のUTのLPackets個のサブセットが構成され、対応するメトリックGが計算される。
○パケットkに関して、最小のメトリックGを有する一時的基準ビームエリアbtrefに対応するLPackets個のサブセットが選択される。
○インデックス(k−1)LPackets+1を有する要素からインデックスkLPacketsを有する要素まで、LPackets個のUTプリコーディングサブセットをNBeam個のベクトルVに挿入する。ただし、bは1〜NBeamに等しい。ベクトルVは行列Vの行を形成する。
【0159】
第1の原理の第2のサブ原理
第2のサブ原理において、サブセットを構成することは、1つ以上の基準ビームエリアを規定することに頼らない。
【0160】
この第2のサブ原理の第1の実施形態は、以下のように説明することができる:
少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、少なくとも1つの時間−周波数要素に関して:
−対象のカラーの対象のビームエリアのそれぞれの1つのUTをそれぞれ含むプリコーディングサブセットの一時的な組の所定の集合の中のプリコーディングサブセットの一時的な組ごとに、プリコーディングサブセットの一時的な組のプリコーディングサブセットのUTの角度位置の関数として定義される関連付けメトリックの値を求めることと、
−少なくとも1つの時間−周波数要素のための少なくとも1つのプリコーディングサブセットを、最も低い関連付けメトリックを有するプリコーディングサブセットの一時的な組内に含まれる1つ以上のプリコーディングサブセットとして規定することと、
を含む。
【0161】
言い換えると、この実施形態は、プリコーディングサブセットの一時的な組内のUTの全ての取り得る関連付けを調査し、メトリックGを最小化する関連付けを保持することを中心に展開する。
【0162】
対応するアルゴリズムの詳細は以下の通りとすることができる。
【0163】
各UTがサービスを提供されるのを確実にするために、スケジューリング期間が、NUT,Max以上のNSlotとして設定される。
−NBeam個のUTのNSlot個のサブセットの所定の数の組(非全負荷手法では幾つかのビームエリアにおける見つからないUTを含む)が構成される。1つのサブセットの異なるUTは、対象のカラーの異なるビームエリアに属する。
−組ごとに、選択されたメトリックGが計算される。
−最小のメトリックGを有するNBeam個のUTのNSlot個のサブセットの組が選択される。それらのサブセットが行列Vを形成する。
【0164】
構成された組の数は、各UTに少なくとも一度サービスを提供する等の制約を考慮に入れるように、全負荷制約を考慮にいれるか、又は入れないように、そして公平性制約を考慮に入れるか、又は考慮に入れないように選択することができる。実際には、それらの制約等の初期制約が規定され、これらの制約と整合する全ての取り得る組が構築され、その選択されたメトリックGが求められる。
【0165】
別の実施形態において、同じ対象のカラーを有する対象のビームエリアの中の1つのビームエリア内のUTの最大数以上の所与の数の時間−周波数要素を含む少なくとも1つの期間に、サブセットを構成することは以下のように説明することができる:
−対象のビームエリアごとに:
−ビームエリア内の基準角度位置に対するUTの角度位置の関数として、ランクをそのビームエリアの各UTに関連付ける。その基準角度位置はビームエリアごとに同一であると見なされる。
−UTを含むベクトルをそのランクの降順又は降順に構成する。各UTは、その所与の数の時間−周波数要素と、そのビームエリア内のUTの数との関数である所定の回数だけ、ベクトル内の連続した位置に現れる。
−所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられるベクトル内の同じ位置を共有するベクトルのUTを関連付けることによって、その期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定する。
【0166】
この手法は、UT間の最大の公平性を可能にする。
【0167】
そのアルゴリズムの詳細は、以下の通りとすることができる。
【0168】
各UTがサービスを提供されるのを確実にするために、スケジューリング期間が、NUT,Max個以上のNSlotとして設定される。
その際:
−対象のビームエリアbごとに、
○UTインデックスが、(上記で論じられたように、全てのビームエリアに関して同一と見なされるビームエリアの中心を通る基準方向に対する)ビームエリア内のそれぞれの角度の昇順/降順に並べられるように、UTインデックスベクトルV’を構成する。
○Nを0に設定する。
○Vを空ベクトルとして設定する。
○1〜NUT,b−1までのUTuに関して、
■Vにround(u.Nslot/NUT,b)−N×値uを含むベクトルを連結する(すなわち、UTuにround(u.Nslot/NUT,b)−N個の時間−周波数要素を割り当てる)。
■その後、Nをround(u.Nslot/NUT,b)と設定する。
○VにNslot−N×値NUT,bを含むベクトルを連結する(すなわち、UT NUT,bにNslot−N個の時間−周波数要素を割り当てる)。
【0169】
ベクトルVは行列Vの行を形成する。
【0170】
任意選択で、異なる基準方向に関してそのアルゴリズムが反復され、各反復の結果に対して、選択された関連付けメトリックGが計算され、最も小さい値のメトリックGを有する結果が、プリコーディングサブセットを形成するために選択される。
【0171】
別の実施形態において、少なくとも1つの期間に、対象のカラーの対象のビームエリアに関して、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは:
−対象のカラーを有する対象のビームエリアごとに、その期間に、そのビームエリアの各UTが属することになるプリコーディングサブセットの数を決定するリソース割当てアルゴリズムを実施することと、
−各ビームエリアにおいて、ビームエリア内の基準角度位置に対するUTの少なくとも角度位置の関数として、ランクをそのビームエリアの各UTに関連付けることであって、基準角度位置はビームエリアごとに同一と見なされることと、
−ビームエリアごとに、UTを含むベクトルをそれらのランクの降順又は昇順において構成することであって、各UTは、そのベクトル内に、そのリソース割当てアルゴリズム中に対応するUTのために特定された回数と同じ回数だけ、ベクトル内の連続した位置に含まれることと、
−所与の時間−周波数要素に関して、各ビームエリアにそれぞれ関連付けられるベクトル内の同じ位置を共有するベクトルのUTを関連付けることによって、その期間の1つ以上のプリコーディングサブセットを規定することと、
を含む。
【0172】
この実施形態は、エリアbごとにUTインデックスのベクトルV’を与える、上記のアルゴリズムのような初期割当てアルゴリズムに頼る。
【0173】
この実施形態に関して取り得るアルゴリズムの詳細は以下の通りである。
−ビームエリアbごとに、
○V’をLPackets個の要素のNPackets個のベクトルに再形成し、V’をV’’k,bに挿入する。ただし、kは1〜NPacketsである。
○Vを空ベクトルとして設定する。
○1〜NPacketsのパケットkごとに、
■V’’k,bのUTインデックス要素を(対応するビームエリアの中心を通る基準方向に対する)その角度に基づいて昇順又は降順に並べ、その結果をVの最後に連結する。
【0174】
ベクトルVは行列Vの行を形成する。
【0175】
任意選択で、異なる基準方向に関してそのアルゴリズムが反復され、基準角ごとに、そしてパケットkごとに、選択された関連付けメトリックGが計算される。パケットkごとに、そのパケットkに関して最も低いメトリックGを有する基準角に対応するUTを用いて、パケットkに対応する出力VのLPackets個の列が設定される。
【0176】
第2の原理
第2の原理の文脈において、対象のビームエリアのUTが、分割されない第1の原理とは対照的に、グループに分割される。
【0177】
この第2の原理の2つのサブ原理を実現することができる。
【0178】
第1のサブ原理において、UTのグループが、所与のビームエリアの分割によって画定されるそのビームエリアの所与のゾーン内に位置するUTをそれぞれ含むものとして規定される。
【0179】
第2のサブ原理は、ビームエリア内に準一定のサイズを構成するグループを得ることを中心に展開し、それにより、異なるグループは、異なるグループにわたって等しいか、又は1だけ異なるそれぞれのUT数を含む。
【0180】
第2の原理の第1のサブ原理
第1のサブ原理の文脈において、UTをグループに分割することは、より具体的には、対象のカラーの対象のビームエリアに関して:
−各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、そのビームエリアを対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは、同じ対象のカラーを有する全ての他のビームエリア内で同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、対応するビームエリアの中心に対するそれぞれのビームエリアの同じ相対位置をカバーすることと、
−各ビームエリア内で、各グループを、所与のゾーン内に位置するUTとして規定することと、
を含む。
【0181】
空間分割方式に関して、幾つかの実施形態が可能である。
【0182】
図7aを参照すると、その分割方式は、各ビームエリアを、そのビームエリアのそれぞれの角度位置の全てをそれぞれがカバーするゾーンに分割する。言い換えると、各ゾーンは、ゾーンの角度境界に対応する(ビームエリアの中心を通り抜ける)2つの基準方向によって画定され、ゾーンはこれらの基準方向間のビームエリアの全ての表面を含む。図7aは、ビームエリアの全角度位置をそれぞれカバーする3つのゾーンZ、Z、Zを示しており、この場合、角度位置はそれぞれ120度をカバーする。
【0183】
図7bを参照すると、その分割方式は、各ビームエリアを、ビームエリアの角度位置の一部のみをカバーするゾーンに分割する。言い換えると、その分割方式は、ビームエリアを角度において分割し、同じく半径においても分割する。図7bは、6つのゾーンZ〜Zを示しており、ゾーンZ及びZはそれぞれ同じ角度部分の一部をカバーし、合わせて全角度部分をカバーする。同じことが、Z及びZ、並びにZ及びZにも当てはまる。
【0184】
2つの基準方向間で、その分割方式は、それゆえ、ビームエリアの中心から異なるそれぞれの距離に位置する少なくとも2つのゾーンを画定する。
【0185】
分割方式にかかわらず、対象のビームエリアに同じ分割方式が適用される。「同じ分割方式」とは、異なるビームエリアが異なる寸法を有する場合があると仮定すると、各ビームを、他のビームエリア内の対応するゾーンの相対的表面と(対象のビームエリアの全表面に対して)そのビームエリア内で実質的に同一の相対的表面を占有し、(ビームエリアの中心に対して)同一の基準方向によって画定されるゾーンに分割することによって、その分割方式がこの現象を考慮に入れると理解されたい。
【0186】
言い換えると、各ゾーンは他のビームエリア内に同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、それぞれのビームエリアの中心に対して同じ角度構成を有し、対応するビームエリアの表面に対して、実質的に同じであるそれぞれの表面を有する。
【0187】
2つの同等のゾーンは、それぞれのビームエリア内で同じ相対角度位置(そして、図6bの実施形態の場合、同じ相対径方向位置)を占有する。
【0188】
各ビームエリアに対して分割方式が適用されると、各ゾーンは、対象のゾーン内に位置する全てのUTを含む、UTのグループを規定する。
【0189】
この第1のサブ原理の文脈において、プリコーディングサブセットを構成することは、異なる実施形態に従って実行することができる。
【0190】
第1の実施形態において、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、所与のグループに属する1つのUTを選択し、対象のカラーの全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTのグループに関連付けられるゾーンと同等である、そのビームエリアのゾーンに関連付けられるそのビームエリアのグループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを形成することを含む。
【0191】
言い換えると、グループが形成されると、所与のグループ内の1つのUTを選択し、選択されたUTに、他のビームエリア内の各同等のゾーンのUTをランダムに、又は任意に関連付けることによって、少なくとも1つのサブセットが構成される。
【0192】
更なるサブセットを構成することに関して、既に構成されたサブセットのUTはもはや考慮されない。ランダムな、又は任意の割当ては、全てのUTがプリコーディングサブセットに属するまで継続する。
【0193】
別の実施形態において、少なくとも1つのサブセットを構成することは、ゾーンごとのグループを得た後に、
−同じ対象のカラーを有する全てのビームエリアの中の、対象のゾーンに、又は同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの対象のカラーを有する1つの対象のビームエリアのゾーンにわたる和以上の時間−周波数要素の数を含むものとして1つの期間を規定することと、
−グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、そのグループの各UTがその一部を形成することになる、その期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することと、
−その期間の時間−周波数要素ごとに、所与のビームエリアの所与のグループに属する1つのUTを選択し、その期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、対象のカラーの全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTのグループに関連付けられるゾーンに同等であるそのビームエリアのゾーンに関連付けられる、そのビームエリアのグループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を含む。
【0194】
実際には、この実施形態は、全負荷手法に準拠するサブセットを得ることを目的とする。
【0195】
第2の原理の第2のサブ原理
第2のサブ原理の文脈において、対象のカラーの全ての対象のビームエリア内に準一定のサイズを与えるようにグループが構築される。
【0196】
異なる手法を用いて、そのようなグループを構成することができる。
【0197】
第1の手法において、UTをグループに分割することは、対象のビームエリアごとに:
−各ビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、そのビームエリアを対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは同じ対象のカラーの全ての他のビームエリア内に同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、対応するビームエリアの中心に対してそれぞれのビームエリアの同じ部分をカバーすることと、
−ビームエリアごとに、複数の一時的グループのそれぞれを、所与のゾーン内に位置するUTをそれぞれ含むものとして規定することと、
−対象のビームエリアごとに、全ての一時的グループが1以下だけ異なるUTのそれぞれの数を有するまで、所定の数より多い数のUTを有する一時的グループ内のUTの中の、最も少ない数のUTを有する一時的グループのゾーンに最も近い一時的グループからの1つのUTを最も少ない数のUTを有する一時的グループに再度割り当てることと、
−そのグループを、全ての一時的グループが1以下だけ異なるUTのそれぞれの数を有するときに得られた一時的グループと規定することであって、各グループは対応する一時的グループのゾーンと同じゾーンに関連付けられることと、
を含む。
【0198】
この手法は、最初にゾーンごとのグループを構成することに頼り、その後、グループが、準一定のサイズのグループを得るために更に変更される。
【0199】
この文脈において、各グループは、その一時的なゾーンごとのグループが関連付けられたゾーンに対応するが、他のゾーン内に位置するUTを含むことができる所与のゾーンに依然として関連付けられる。
【0200】
第2の手法において、グループは関連付けアルゴリズムを通して構成され、UTをグループに分割することは:
−各対象のビームエリアに所定の空間分割方式を適用して、そのビームエリアを対応するビームエリアの角度部分の全て又は一部をそれぞれカバーするゾーンに分割することであって、それにより、各ゾーンは同じ対象のカラーの全ての他の対象のビームエリア内に同等のゾーンを有し、2つの同等のゾーンは、対応するビームエリアの中心に対してそれぞれのビームエリアの同じ部分をカバーすることと、
−ビームエリアごとに、ビームエリアのUTとそのビームエリアのゾーンとの間の距離の値にそれぞれ対応する要素を有する距離行列を構成することと、
−ビームエリアごとに、複数の反復を有する関連付けアルゴリズムを実施することであって、各反復中に、関連付けられるUTとゾーンとの間の距離の和が最小になるように、各ゾーンがUTに関連付けられ、距離行列内の対応する要素は、対応するUTが更なる反復において別のゾーンに関連付けられるのを防ぐように変更され、その関連付けアルゴリズムは、全てのUTがゾーンに関連付けられたときに終了することと、
を含み、
各ビームエリアの各グループは、関連付けアルゴリズムを通して所与のビームエリア内の同じゾーンに関連付けられたUTとして規定される。
【0201】
実際には、この実施形態に関して取り得るアルゴリズムの詳細は以下の通りである:
−対象のビームエリアbごとに:
○大きさNUT,b×NGroupの距離行列Mを構成する(NGroupはビームエリアあたりのグループの数であり、その数はビームエリアのゾーンの数に等しい)。その要素は、ビームエリアのUTとそのビームエリアのゾーンとの間の距離にそれぞれ対応する。
○NIt,bをceil(NUT,b/NGroup)(直近の整数に切り上げられた、除算の結果)に等しいと設定する。
○1〜NIt,bの反復に関して、
■距離行列Mの対応する要素の和を最小化する、1つのUT及び1つのゾーンのNGroup個のサブセットの最大数を見つけるために、UTとゾーンとの間に2次元関連付けアルゴリズムを適用する。
■NGroup個の選択されたUTに対応する距離行列Mの行に対して無限値を設定する。
【0202】
所与のUTからゾーンまでの距離は、例えば、そのUTとそのゾーンとの間の距離に対応する。この距離は、例えば、UTとゾーンの中心との間の距離、又はUTとゾーンの境界との間の距離と規定することができる。
【0203】
このプロセスを通して、グループが、対象のカラーの他の対象のビームエリアにおいて同等のゾーンを有するゾーンに依然として関連付けられる。
【0204】
そこから、第2のサブ原理の文脈において、サブセットを構成する幾つかの実施形態を実施することができる。
【0205】
所与の実施形態において、この構成は、第2の原理の第1のサブ原理の第1の実施形態と同様に実行される。
【0206】
言い換えると、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを選択することは、所与のグループに属する1つのUTを選択し、対象のカラーの全ての他の対象のビームエリアに関して、そのように選択されたUTのグループに関連付けられるゾーンに同等であるビームエリアのゾーンに関連付けられるビームエリアのグループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、少なくとも1つのプリコーディングサブセットを形成することを含む。
【0207】
別の実施形態において、1つ以上のサブセットを構成することは:
−同じ対象のカラーを有する全ての対象のビームエリアの中の、対象のゾーンに、又は対象のビームエリア内の同等のゾーンに関連付けられるグループが含む最も多くの数のUTの所与の対象のカラーを有する1つのビームエリアのゾーンにわたる和以上のタイムスロットの数を含む少なくとも1つの期間を規定することと、
−グループごとに、各UTが少なくとも1つのプリコーディングサブセットに属するように、そのグループの各UTがその一部を形成する、少なくとも1つの期間の異なるプリコーディングサブセットの数を選択することであって、その選択は、公平性基準の関数として更に行われることと、
−その少なくとも1つの期間の時間−周波数要素ごとに、所与のグループに属する1つのUTを選択し、その期間にわたって各UTが事前に選択されたのと同じ数のプリコーディングサブセットに属するように、同じ対象のカラーの全ての他のビームエリアに関して、そのように選択されたUTのグループに関連付けられるゾーンに同等であるそのビームエリアのゾーンに関連付けられる、そのビームエリアのグループから1つのUTをランダムに、又は任意に選択することによって、対応するプリコーディングサブセットを形成することと、
を含む。
【0208】
サブセットの数の選択はそれぞれ、例えば、上記の2つのうちの1つのような、リソース割当てアルゴリズムを通して実施される。
【0209】
例えば、公平性制約を含むこの割当てアルゴリズムは、グループごとに、そしてグループごと、ビームエリアごとに実施される。
【0210】
サブセットは、対象のビームエリアの1つのUTを選択し、このUTを、この最初に選択されたUTのゾーンの同等のゾーンにそれ自体関連付けられる各グループの1つのUTにランダムに、又は任意に関連付けることによって構成される。更なるサブセットを構成することに関して、既に構成されたサブセットのUTはもはや考慮されない。ランダムな、又は任意の割当ては、全てのUTがプリコーディングサブセットに属するまで継続する。
【0211】
プリコーディングサブセットが構成されると、本発明による方法のステップS3中に、プリコーディングサブセットに基づいて、1つ以上の信号が生成される。
【0212】
下り構成(その場合、アンテナのグループがビームを生成する)では、対象の時間−周波数要素ごとに、対象のサブセットに関連付けられる対象のカラーを有するアンテナのグループの組のために、アンテナのグループごとに信号が生成され、その信号に基づいて、アンテナのそのグループが自らのビームを生成することになる。
【0213】
信号は、対象のサブセットの全てのUTにそれぞれ向かうことになっているデータの関数として構成される。
【0214】
所与の時間−周波数要素に関して、アンテナの2つのそのようなグループにそれぞれ関連付けられる2つの生成された信号は、同一でないそれぞれ方法においてこれらのデータに依存する場合があることに留意されたい。
【0215】
言い換えると、例示的な線形構成に関して、アンテナの第1のグループによって生成されるビームを通して搬送される信号は、サブセットのUTにそれぞれ向かうことになっているデータの第1の線形結合を表すことになり、アンテナの第2のグループによって生成されるビームを通して搬送される信号は、サブセットのUTにそれぞれ向かうことになっているデータの第2の線形結合を表すことになる。
【0216】
上り構成(その場合、アンテナのグループがUTから信号を受信する)、アンテナの各グループが、UTから生じるデータを表す、サブセットの異なるUTから生じる信号を受信する受信機として動作することを除いて、同じプロセスが見られる。したがって、各グループは、サブセットのUTから到来する信号に依存することになる所与の信号を生成する。
【0217】
ここでも、所与のサブセット(そして、所与の時間−周波数要素)に関してアンテナの2つのグループによってそれぞれ生成される2つの信号は、一般に、異なる方法において、サブセットのUTから到来するそれぞれのデータに依存する。
【0218】
この上り構成において、有利には、装置によって実際に受信される、UTから到来するデータを表す信号に基づいて、そのデータを再構成するのを改善するために、これらの異なる信号は、例えば、結合の形を通して合わせて処理される。
【0219】
2つのUTから到来するデータを再構成するためにアンテナの異なるグループからの信号を処理することは、一般に、異なる方法において、UTから受信されたそれぞれ信号に依存する。
【0220】
上記の説明は、その装置が、グループに配列されるアンテナを備えるマルチビーム衛星である構成において与えられており、本発明による方法は、アンテナがUTに向かってビームを生成する下り構成、及びUTが衛星にデータを送信する上り構成に関して適合する。
【0221】
しかしながら、他の実施形態では、その装置は、地球の表面上に位置する複数の基地局を備え、各基地局が、それぞれがビームエリアを画定するアンテナの1つ以上のグループに配列される1つ以上のアンテナを備える。
【0222】
これらの実施形態において、ビームエリアはセルとしても知られている。これらの実施形態における上り構成はアップリンクと呼ばれ、下り構成はダウンリンクと呼ばれる。衛星構成では、上り構成はアップリンク又はリターンリンクとも呼ばれ、下り構成はダウンリンク又はフォワードリンクとも呼ばれる。
【0223】
その際、地上局は、ゲートウェイ等の、基地局が属するネットワークの1つの装置である。
【0224】
一般に、上記の実施形態は互いに組み合わせることができる。例えば、所与の数のタイムスロットのためのプリコーディングサブセットを構成するために第1の実施形態が実施され、後続の数のタイムスロットのために異なる実施形態が実施される等である。所与の時間−周波数要素のサブセットは、その際、上記で説明された実施形態のうちの1つの実施形態の原理に基づいて構成される。
【0225】
本発明は数多くの利点を有する。第一に、本発明は、異なるビームエリアに属するが、互いに近いUTが一緒にプリコーディングされる望ましくない状況を防ぎ、それにより、最も性能が悪いUTの性能を示す、セルエッジ性能を改善する。この改善は、(ビームエリアの中心辺りの)良好なセル中心性能を保持しながら得られる。
【0226】
さらに、本発明は、簡単であり、複雑でないように特に設計され、それは、ビームエリアあたりのUTの数は非常に多くなる可能性があると仮定した場合に重要である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b