(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヘテロダイン信号の前記周波数を調整することが、前記オフセット周波数信号がオフセット周波数の所定域内で変更されるように前記オフセット源を調整することを備える、請求項1に記載のシステム。
前記画像センサが、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子増倍管(PMT)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、または電荷結合素子(CCD)の少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
試料を放射光の少なくとも第1の部分で照射し光変調器を前記放射光の少なくとも第2の部分で照射するように、光源に光を放射させることであって、前記光変調器は、変調光を提供するように、基準周波数信号に基づいて前記変調光の少なくとも前記第2の部分を制御可能に変調するように構成されている、放射させることと、
オフセット源を調整することであって、前記オフセット源はオフセット周波数信号を提供するように構成されており、前記オフセット源を調整することは、前記オフセット周波数信号をオフセット周波数の所定域内で変更することを備える、調整することと、
前記オフセット源を調整しながら、画像センサから情報を受信することであって、前記画像センサは、前記変調光が前記画像センサを照射するように前記試料および前記光変調器に光学的に結合されており、前記画像センサは複数の検出素子を含み、前記複数の検出素子の各検出素子は利得入力を有し、前記利得入力は混合器に結合されており、前記混合器は、前記基準周波数信号および前記オフセット周波数信号に基づいてヘテロダイン信号を提供するように構成されており、各検出素子の前記利得入力は前記ヘテロダイン信号に基づいて変調される、受信することと、
前記受信した情報に基づいて前記試料の一部の動きを判定することと、
を含む方法。
前記画像センサが、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子増倍管(PMT)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、または電荷結合素子(CCD)の少なくとも1つを備える、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.概観
[0008] 本開示の実施形態は、組織における血流に関する診断情報を提供するように動作可能であるシステムおよび方法に関する。具体的には、レーザーは、試料を放射光の一部で照射し得る。放射光の別の部分は、光変調器を介して、基準周波数で変調され得る。制御可能な周波数オフセットおよび基準周波数は、ヘテロダイン信号へと混合され得る。ヘテロダイン信号は、複数の検出素子に対する利得入力として利用され得る。そうしたシナリオでは、試料における血液の動きは、複数の検出素子から受信した情報から取得され得る。さらに、周波数オフセットを調整することによって、ある範囲の血流量に関する情報が取得され得る。
【0008】
[0009] 検出素子の利得入力を変調することによって、変調周波数と異なる周波数で発生する光のゆらぎは、平均するとゼロになり得る。このようにして、各検出素子は、独立したロックインアンプとして動作可能であり得、単一の画像フレームでは、複数の検出素子は、意図された周波数近傍のドップラーシフトを有するフロー構成要素のスナップショットを提供し得る。さらに、オフセット周波数を所定域(たとえば、数MHz)にわたって調整することによって、ある範囲の流量を有する複数の画像フレームがキャプチャされ得る。
【0009】
[0010] 例示的な実施形態は、光ヘテロダイン検波およびドップラー効果に少なくとも部分的に基づいて表面下血管系のフローマッピングを提供するように動作可能であってもよい。光ヘテロダイン検波には、非変調信号と局部発信器周波数で変調された信号の非線形光混合が含まれる。非線形光混合は、2乗検波器で重畳光信号を検波したときに発生し得る。検波プロセスは、非変調信号と変調信号の、和周波数の信号および差周波数の信号を生成する。
【0010】
[0011] ドップラー効果は、本明細書中で、流体流量を判定する方法として利用され得る。すなわち、照明光と流動流体の光学的相互作用により、流体の流体流量に基づいてドップラーシフトされた周波数を有する散乱光が生成され得る。本明細書中で記載するように、流体は、血液、リンパ液、間質液、または検出システムおよび/もしくは照明光源に対して移動している別のタイプの流体物または固体物に関連してもよい。
【0011】
[0012] ドップラー効果と光ヘテロダインを組み合わせることによって、本明細書中に開示されたシステムおよび方法は、リアルタイム、フルフレームの流体フロー画像を提供するように動作可能であり得る。例示的な実施形態では、表面下血管系(例えば血管)における定量的流量測定は、広視野にわたって取得され得る。さらに、本システムおよび方法は、さまざまな流速をモニタリングし、流れの遅い浅い血管ならびに皮膚表面から少なくとも数ミリメートルのところにあってもよい、多少深部の血管の両方を検知するのに動作可能であり得る。さらに、開示された実施形態の一部は、非接触式に動作してもよく、これにより、実施者/患者のより良好な経験が提供され得、かつ、外科的処置に関連する使用が可能にされ得る。そうした外科的シナリオでは、非接触システムは、他の手術用機器を邪魔せず、異物を手術部位内に取り込まないという利益を提供する。
2.システム例
【0012】
[0013]
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を示す。システム100は、光変調器102、局部発振器源104、オフセット源106、混合器108、および少なくとも1つの光源110を含む。システム100はまた、画像センサ120およびコントローラ130も含む。任意選択的に、システム100は、ビームスプリッタ112、114および116を含んでもよい。
【0013】
[0014]
図1にビームスプリッタ112、114および116が示されているが、他の光学構成要素が、本明細書中に記載したように光を調節し、方向付け、かつ/または吸収することが可能であることが理解される。例えば、光ファイバセットアップでは、1つ以上のファイバ結合器が用いられ得る。さらに、光ファイバは、シングルモードファイバであってもよい。さらに、システム100は、画像センサ120でモード整合を提供する様々な光学構成要素を含んでもよい。すなわち、試料から受信した光信号と変調光136の適切な光ヘテロダイン混合を達成するために、光学構成要素は、画像センサ120の検出素子のすべてにわたってモード整合を維持するように選択され得る。光フィルタ、レンズ、開口およびシャッターなどの他の光学要素はシステム100に実装され得、すべてが本明細書中で予想される。
【0014】
[0015] 光源110は、ビームスプリッタ112を介して光変調器102に光学的に結合されている。光変調器102は、変調光136を提供するように、基準周波数信号105に基づいて放射光の少なくとも第2の部分を制御可能に変調するように構成されている。
【0015】
[0016] 例示的な実施形態では、光源110は単一モードレーザーであってもよい。例えば、光源110は、約785ナノメートルの波長を有する放射光111を提供するように構成されたレーザーを含んでもよい。さらに、他の低位相雑音、単一モード、単一波長光源が可能である。近赤外(例えば0.7−2.0ミクロン)における他の波長が可能であり、予想される。一例として、放射光111の波長は、組織における照明光の侵入深さならびに体液の分光吸収帯および血液の分光吸収帯といった検討事項に基づいて選択かつ/または制御され得る。
【0016】
[0017] いくつかの実施形態では、光源110は、複数の光源を含んでもよい。そうしたシナリオでは、光源110は、分光フロー情報の必要性に基づいて選択され得る。例えば、第1の波長で動作する第1の光源は、第1の組織深度での流量に関する情報を取得するように構成され得、第2の光源は、第2の組織深度での流量に関する情報を取得するように第2の波長で動作するように構成され得る。
【0017】
[0018] システム100は、組織140と相互作用するように構成され得る。すなわち、組織の一部154は、照明光134によって照射されてもよい。照明光134は、非変調光を含んでもよい。例えば、照明光134は、非変調である、光源110からの放射光111の第1の部分を含んでもよい。変調光136は、放射光111の第2の部分133と光変調器102の間の相互作用によって提供されてもよい。具体的には、変調光136は、局部発振器源104からの基準周波数信号105に基づいて変調され得る。
【0018】
[0019] 例示的な実施形態では、光変調器102は、放射光111の第2の部分133の光周波数をシフトするように構成され得る。さらに、光変調器102は、実質的に定常な振幅を保持するように構成され得る。このようにして、光変調器102は、変調光111の第2の部分133の単側波帯の位相を変調するように構成された位相変調器であってもよい。
【0019】
[0020] 例えば、光変調器102は、屈折変調器であってもよい。このようにして、屈折変調器は、調節可能な屈折率を有する材料を含んでもよい。例えば、屈折変調器は、その屈折率を、音響光学効果または電気光学効果を介して調整してもよい。そうした例では、屈折変調器は、進行波音響光学変調器(AOM)または電気光学変調器(EOM)であってもよい。
【0020】
[0021] その上さらに、光変調器102は、入射光の位相を調節するように構成された空間光変調器(SLM)であってもよい。
【0021】
[0022] いくつかの実施形態では、光変調器102は、入射してくる光を様々な伝達関数にしたがって変調し得る。例えば、光変調器102は、入射してくる光の位相を、正弦波変調入力信号にしたがって変調し得る。代替として、変調入力信号は、線形鋸歯状波を含んでもよい。そうしたシナリオでは、光変調器102は、入射してくる光を、セロダイン位相変調にしたがって変調し得る。
【0022】
[0023] 代替として、光変調器102は、吸収変調器であってもよい。そうしたシナリオでは、吸収変調器は、調節可能な吸収係数を有する材料を含んでもよい。例えば、吸収変調器は、電界吸収変調器(EAM)であってもよい。
【0023】
[0024] 局部発振器源104は、基準周波数信号105を光変調器102および混合器108に提供するように構成されている。例示的な実施形態では、局部発振器源104は、周波数合成器であってもよく、それは発振回路および周波数混合器を含んでもよい。局部発振器源104は、低調波のかつ位相の雑音を有する安定周波数基準を提供するように動作可能であってもよい。他の実施形態では、局部発振器源104は、水晶発振器または可変周波数発振器であってもよい。例示的な実施形態では、局部発振器源104は、1〜100MHz間の基準周波数信号105を提供するように調整可能であってもよい。例示的な実施形態では、局部発振器源104は、40MHzの基準周波数信号105を提供してもよい。他の周波数が、本明細書中で予想される。
【0024】
[0025] オフセット源106は、オフセット周波数信号を提供するように構成されている。例示的な実施形態では、オフセット源106は、周波数合成器であってもよい。他のオフセット周波数域が可能である。オフセット源106は、0〜5MHzの周波数を有するオフセット周波数信号107を提供するように調整可能であってもよい。他の周波数が、本明細書中で予想される。
【0025】
[0026] 混合器108は、基準周波数信号105およびオフセット周波数信号107に基づいてヘテロダイン信号109を提供するように構成されている。例示的な実施形態では、混合器108は、非線形電気回路を有する周波数混合器であってもよい。このようにして、非線形電気回路は、基準周波数信号105およびオフセット周波数信号107を受け取り、2つの新しい信号;基準周波数とオフセット周波数の和の第1の信号および基準周波数とオフセット周波数の差の第2の信号を生成するように動作可能であってもよい。そうしたシナリオでは、オフセット源106は、0〜5MHzのオフセット周波数信号107を提供するように調整可能であってもよい。例えば、基準周波数信号105が40MHzの搬送周波数を有する場合、オフセット周波数信号107は、0〜5MHzの範囲内の周波数を有してもよい。混合器108は、オフセット周波数信号107と基準周波数信号105からの和の周波数および差の周波数を含むとしてヘテロダイン信号109を提供してもよく、その結果、ヘテロダイン信号109は、35〜45MHzの周波数域内に在ってもよい。しかしながら、他のヘテロダイン信号、周波数および周波数域が可能である。
【0026】
[0027] 例示的な実施形態では、フィルタは、システム100に対するフロー方向を区別するために用いられ得る。すなわち、フィルタは、「正の」フロー情報および「負の」フロー情報を明確にするために用いられ得る。いくつかの実施形態では、フィルタは無効にされてもよく、フロー方向に関わらず、全てのフロー構成要素の画像化を可能にする。
【0027】
[0028] いくつかの実施形態では、混合器108は、受動混合器または能動(例えば増幅)混合器であってもよい。さらに、混合器108は、シングルバランスドミキサまたはダブルバランスドミキサであってもよい。代替として、混合器108は、不平衡混合器(例えばダイオード)であってもよい。他のタイプの無線周波数(RF)混合器が、本明細書中で予想される。
【0028】
[0029] 画像センサ120は、組織140および光変調器102に光学的に結合されてもよい。例示的な実施形態では、画像センサ120は、ビームスプリッタ114および116を介して組織140に光学的に結合されている。画像センサ120に、組織140、具体的には組織の一部154、を含む視野からの光を検出することを可能にさせるような他の光学的構成が可能であることが理解される。
【0029】
[0030] 画像センサ120はまた、ビームスプリッタ116を介して光変調器102にも結合されてもよい。したがって、画像センサ120は、変調光136ならびに組織140からの散乱光を受けるように構成されてもよい。
【0030】
[0031] 例示的な実施形態では、画像センサ120は、複数の検出素子を含む。例えば、検出素子は、アバランシェフォトダイオード(APD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、または電荷結合素子(CCD)であってもよい。そうしたシナリオでは、複数の検出素子の各検出素子は、利得入力を有してもよい。利得入力は、各検出素子の利得入力がヘテロダイン信号109に基づいて変調されるように、混合器108に結合されてもよい。すなわち、画像センサ140は、利得変調された画像センサとして動作されてもよい。言い換えると、検出器の利得を変調することによって、各検出素子は、ロックインアンプとして働き得、ヘテロダイン信号109以外の周波数を有する信号を少なくとも実質的に拒絶し得る。
【0031】
[0032] 画像センサ140は、1〜10ミリ秒ごとに画像(例えば、1秒ごとに100〜1000の画像フレーム)をキャプチャするように構成されてもよい。しかしながら、1秒ごとに10のフレームといった他のキャプチャ率が可能である。
【0032】
[0033] コントローラ130は、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含む。メモリは、コントローラに動作の実行を指示し得る特定の命令を含んでもよい。動作は、オフセット周波数信号107がオフセット周波数の所定域内(例えば0〜5MHz)で変更されるようにオフセット源を調整することを含む。このようにして、ヘテロダイン信号109は、35〜45MHzの周波数域内に在ってもよい。他の周波数域が可能である。
【0033】
[0034] 動作はまた、オフセット源106を調整しながら、画像センサから情報を受信することも含む。例示的な実施形態では、受信した情報は、変調光と組織の一部154の間の散乱相互作用を示す情報を含む。
【0034】
[0035] 動作は、さらに、受信した情報に基づいて、試料の一部(例えば、血管142の流体)の動きを判定することを含む。動きの判定は、試料の少なくとも一部における流体の流れを計算かつ/または推定することを含んでもよい。例示的な実施形態では、計算は、検出器データにおいて観察されるドップラーシフトに基づくものであってもよい。
【0035】
[0036] 例示的な実施形態では、組織140の血管142の流動流体144は、照明光134によって照射されてもよい。ドップラーシフトは、照明光134と流動流体144の間の散乱相互作用から散乱光が生成されたときに生じ得る。言い換えると、散乱光は、流動流体144の動きに基づいてドップラーシフトを示し得る。例えば、ドップラーシフトは、1MHz前後であってもよい。例示的な実施形態では、「遅い」血管(例えば血管142)は、1MHz以下のドップラーシフトを示し得る。例えば、毛細血管は、1秒当たり100ミクロン前後の血流を示し得、静脈は、1秒当たり10ミリメートル前後の血流を有し得る。
【0036】
[0037] いくつかの実施形態では、「速い」血管(例えば血管148)は、2MHzまでのドップラーシフトを示し得る。他のドップラーシフトが可能である。例えば、動脈は、1秒あたり1メートルを超える拍動血流を示し得、それはドップラーシフトの数MHzに対応し得る。特定のドップラーシフトの振幅および符号は、例えば光源110とそれぞれの流体の流れ144および150の相対配向および相対運動に依存し得ることが理解される。したがって、他のドップラーシフトの値が可能である。
【0037】
[0038] 任意選択的に、動作は、さらに、試料におけるフローマップを判定することを含んでもよい。フローマップは、試料のそれぞれの空間部分の流体の流れ に関する情報を含んでもよい。フローマップは、画像センサ120からの1つ以上の画像によって提供されてもよい。例示的な実施形態では、複数のフローマップは組み合わされて、ハイパースペクトル流量データキューブを形成してもよい。そうしたシナリオでは、ハイパースペクトル流量データキューブは、それぞれが各画素位置(xおよびy)での強度を示す複数の画像を含んでもよい。より高い強度は、検出器が所与のドップラーシフトで相対的に多い数の光子を感知していることを示し得る。
【0038】
[0039] オフセット信号107ひいてはヘテロダイン信号109を変更するようにオフセット源106を調整しながら、複数の画像がキャプチャされてもよい。そうした場合、複数の画像の各画像は、所与の画像がキャプチャされながら検出素子の利得入力に供給されたヘテロダイン信号109の周波数に基づく所与のドップラーシフト(ひいては特定の流量)を表してもよい。したがって、ハイパースペクトル流量データキューブの各要素は、画像センサ120に沿うx位置、画像センサ120に沿うy位置および流量(またはドップラーシフト)を用いて表されてもよい。
【0039】
[0040]
図1は特定の構成の要素を有するものとしてシステム100を示すが、他の構成が可能である。例えば、光学構成要素の少なくともいくつかは、異なる目的のために、移動、修正かつ/または用いられてもよい。例示的な実施形態では、光変調器102は、放射光111の第2の部分133ではなく、試料からの信号ビームを変調するために随意的に用いられてもよい。別の実施形態では、オフセット周波数信号107は、光変調器102に供給されてもよい。そうしたシナリオでは、画像センサ120の検出素子の利得入力は、固定利得を有してもよい。
【0040】
[0041] さらに、または、代替として、システム100のいくつかの要素は、組み合わされてもよく、かつ/または、再配置されてもよい。例えば、いくつかのタイプの光変調器(例えば音響光学変調器(AOM))は、周波数シフタ/変調器とビームスプリッタの両方として同時に機能してもよい。さらに、ヘテロダイン信号109は、オフセット源106および混合器108の代わりに、独立した周波数源によって生成されてもよい。システム100の要素の他の構成が可能である。
【0041】
[0042] いくつかの実施形態では、システム100は、内視鏡内に組み込まれてもよい。例えば、システム100は、光ファイババンドルを介して内視鏡に光学的に結合されてもよい。1つ以上の光ファイバは、照明光134を、光路132を介して組織140に送達してもよい。さらに、複数の光ファイバは、流動流体144および150などの組織140における様々な構造体との散乱相互作用からの光を受けてもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバは、偏波保持光ファイバであってもよい。
【0042】
[0043] 他の実施形態では、システム100は、手術ロボット、外科用メス、モバイルコンピューティングデバイスまたは別のタイプの医療機器に組み込まれてもよい。一般に、システム100は、散乱体と照明光134の光位相の間の任意の相対運動を検出するように動作可能であってもよい。
3.方法例
【0043】
[0044]
図2は、例示的な実施形態による方法200を示す。方法200は、様々なブロックまたはステップを含んでもよい。ブロックまたはステップは、個々にまたは組み合わせて実行されてもよい。ブロックまたはステップは、任意の順序でかつ/または順次または並行して実行されてもよい。さらに、ブロックまたはステップは、方法200において、省略されてもよくまたは追加されてもよい。
【0044】
[0045] 方法200のブロックは、
図1を参照して示され記載されたようなシステム100の様々な要素によって実行されてもよい。
【0045】
[0046] ブロック202は、試料を放射光の少なくとも第1の部分で照射し光変調器を放射光の少なくとも第2の部分で照射するように、光源に光を放射させることを含む。光源は、
図1を参照して示され記載されたような光源102を含んでもよい。例えば、光源は単一モードレーザーであってもよい。放射光の第1の部分は、照明光134を含んでもよい。さらに、放射光の第2の部分は第2の部分133を含んでもよく、これは変調光136を提供するように変調されてもよい。
【0046】
[0047] 光変調器は、光変調器102を含んでもよく、音響光学変調器または電気光学変調器であり得る。光変調器は、変調光を提供するように、基準周波数信号に基づいて放射光の少なくとも第2の部分を制御可能に変調するように構成されている。基準周波数信号は、
図1を参照して示され記載されるような局部発振器源104によって提供される基準信号105であってもよい。
図1に関して記載されるように、システム100の要素は、様々な構成でかつ/または様々な目的のために用いられ得る。例示的な実施形態では、基準周波数信号S
OSCは、1〜100MHzの周波数を有してもよく、これは以下のように表されてもよい。
【0047】
[0048] S
OSC(t)∝sin(2πf
OSCt)
【0048】
[0049] 光変調器102は、f
OSCで第2の部分133を変調してもよい。さらに、光変調器102は、単側波帯信号を提供してもよい。例示的な実施形態では、光基準周波数信号(例えば変調光136)は正弦波であってもよく、
【数1】
として表され得る電場を有してもよい。
【0049】
[0050] ブロック204は、オフセット源を調整することを含む。オフセット源は、オフセット源106であり得る。オフセット源は、オフセット無線周波数信号(例えばオフセット周波数信号107)を提供するように構成されている。例示的な実施形態では、オフセット無線周波数信号は、正弦波であってもよく、S
offset(t)∝sin(2πf
offsett)として表されてもよい。オフセット周波数信号および基準周波数信号は、混合器108などの混合器に入力されて、ヘテロダイン信号を形成してもよい。ヘテロダイン信号は、オフセット周波数と基準周波数の和の周波数および差の周波数の信号を含んでもよい。
【0050】
[0051] 所与の基準周波数f
OSCおよび所与のオフセット周波数f
offsetにおいて、ヘテロダイン信号は、S
heterodyne(t)∝sin[2π(f
OSC±f
offset)t]として表され得る。
【0051】
[0052] オフセット源を調整することは、オフセット周波数信号を、オフセット周波数の所定域(例えば0〜5MHz)内で変更することを含んでもよい。例示的な実施形態では、基準周波数は40MHzであってもよい。したがって、RFヘテロダイン信号の周波数、f
heterodyneは35〜45MHzの間に在ってもよい。ヘテロダイン信号の他の周波数が可能である。
【0052】
[0053] ブロック206は、オフセット源を調整しながら、画像センサから情報を受信することを含む。画像センサは、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子増倍管(PMT)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、または電荷結合素子(CCD)の少なくとも1つを含んでもよい。画像センサは、変調光が画像センサを照射するように、試料および光変調器に光学的に結合されている。画像センサは、複数の検出素子を含んでもよい。
【0053】
[0054] 放射光の第1の部分(例えば照明光134)は、様々な種類の光学的プロセスを介して試料と相互作用してもよい。例えば、放射光の第1の部分は、試料の一部によって吸収され、反射され、または散乱されてもよい。さらに、試料の一部が光源に対して移動すると、ドップラーシフトが散乱光で観察されてもよい。例えば、ドップラーシフトは、放射光の周波数と比較して、散乱光の周波数(および対応する波長)の変化を含んでもよい。言い換えると、試料の一部が光源に対して移動しているシナリオでは、画像センサによって受けられる散乱光の少なくとも一部は、移動している試料の一部から散乱されるドップラーシフトされた光を含んでもよい。
【0054】
[0055] ドップラーシフトΔfは、Δf/f
SOURCE∝v/cとして表されてもよく、f
SOURCEは、放射光の周波数であり、cは光の速度であり、vは光源に対する試料の一部の速度である。したがって、試料の移動している一部から散乱された光は、以下のように表されてもよい。
【0055】
[0056] S
sample(t)∝sin[2π(f
SOURCE+Δf)t]
【0056】
[0057] 画像センサの検出素子は、「2乗検波器」として光を吸収するように構成されてもよい。すなわち、検出器によって生成される検出器信号Dは、検出器に入射する光の電場振幅の2乗に比例する。2つの偏波整合された、正弦波的に変動するコヒーレント(例えば同相の)光信号、すなわちS
sampleおよびS
modulatorが検出器に同時に存在する場合、検出器信号Dは、2つの光信号の重畳として表されてもよい。
【0057】
[0058] D∝∫(S
sample+S
modulator)
2dt
【0058】
[0059] さらに、画像センサの各検出素子は、利得入力を有する。このようにして、各検出素子は、利得G(t)を検出素子の出力に提供してもよい。代入すると以下のようになる。
【0059】
[0060] D∝∫G(t)[sin[2π(f
SOURCE±Δf)t]+sin[2π(f
source±f
OSC)t]]
2dt
【0060】
[0061] 利得入力は、G(t)=S
heterodyne(t)=sin[2π(f
OSC±f
offset)t]となるように、混合器に電気的に結合されてもよい。すなわち、混合器108からのヘテロダイン信号は、画像センサ120の複数の検出素子それぞれに対する時間変動利得入力として用いられてもよい。光信号の重畳の和の2乗は、sin[2π(f
OSC−Δf)t]に比例する差分項を有する。ヘテロダイン利得入力に代入すると以下が得られる。
【0061】
[0062] D≒∫sin[2π(f
OSC−f
offset)t]sin[2π(f
osc−Δf)t]dt
【0062】
[0063] したがって、f
OSC−f
offset≒f
OSC−Δfの場合をのぞくすべての周波数においてD=ゼロである。したがって、ヘテロダイン信号を検出素子の利得入力への入力として用いることによって、検出素子、および画像センサ全体として、ヘテロダイン信号周波数以外の周波数で受信された光信号をフィルタリングし得る。すなわち、それぞれの検出素子の利得入力を変調することによって、検出素子を、ヘテロダイン信号周波数と異なる周波数を有する信号を拒絶または抑制するように構成された個々のロックインアンプとして動作させ得る。
【0063】
[0064] したがって、オフセット信号の周波数を所定域内で調整することによって、オフセット信号周波数と等しい周波数を有するドップラーシフトされた光は、選択可能に分離されてもよい。言い換えると、画像センサは、等価のオフセット信号周波数を選択することによって、所与のドップラー周波数シフトに対応する速度で移動している試料の部分に選択可能に感応的であってもよい。このようにして、組織内の流体の流れに適用されると、ある範囲の流体流量は、オフセット信号周波数を0〜5MHzの範囲内で調整することによって画像センサで画像化され得る。
【0064】
[0065] ブロック208は、受信した情報に基づいて、試料の一部の動きを判定することを含む。受信した情報に基づいて、試料の一部の動きを判定することは、試料の一部における流体の流れを判定することを含む。例示的な実施形態では、受信した情報は、放射光の第1の部分と試料の一部の間の散乱相互作用を示す情報を含む。したがって、本明細書中の別の個所に記載されたように、試料の一部における流体の流れの流量は、受信した情報のドップラーシフトに少なくとも基づいて判定されてもよい。
【0065】
[0066] 言い換えると、観察される流量は、ヘテロダイン信号周波数に基づいて計算されてもよい。さらに、画像センサおよび光源が移動していない場合、試料の一部の流量または速度は、v
sample∝c(f/f
0−1)として計算されてもよくまたは近似されてもよい。試料の一部の動きを判定または計算する他の方法が可能であり、本明細書中で予想される。
【0066】
[0067] 任意選択的に、本方法は、試料に対するフローマップを判定することを含んでもよい。フローマップは、試料の複数の部分それぞれの各流量を含んでもよい。例えば、画像センサの各検出素子または画素は、異なる試料の部分から光を受けるように構成されてもよい。このようにして、画像センサからの各画像フレームは、試料の面積、体積および/または領域に関する流量の情報を含んでもよい。さらに、ヘテロダイン信号が所定域内で調整されるようにオフセット信号を調整しながら試料を画像化することによって、ある範囲の流量に関する情報を含む画像フレームが取得され得る。
【0067】
[0068] 図に示されている特定の構成は、限定するものとして見られるべきではない。他の実施形態は所与の図に示された各要素をより多く、またはより少なく含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、示された要素のいくつかは、組み合わされてもよくまたは省略されてもよい。その上さらに、実例的な実施形態は、図に示されていない要素を含んでもよい。
【0068】
[0069] 情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書中に記載された方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成され得る回路に対応し得る。代替として、または、さらに、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部に対応し得る。プログラムコードは、方法または技術における特定の論理機能またはアクションを実装するためのプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含み得る。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む記憶装置などの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納され得る。
【0069】
[0070] コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、より長い期間、プログラムコードおよび/またはデータを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体も含み得る。したがって、コンピュータ可読媒体は、例えば読み出し専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)のような二次的なまたは永続的な長期ストレージを含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムでもあり得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばまたは有形記憶装置と見なされ得る。
【0070】
[0071] 様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態が、当業者に明らかとなろう。様々な開示された例および実施形態は、例示の目的のためであり、限定する意図はなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。