特許第6556461号(P6556461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556461
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】ホースの曲がり補助具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/02 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
   F16L3/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-28034(P2015-28034)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-151296(P2016-151296A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082027
【弁理士】
【氏名又は名称】竹安 英雄
(72)【発明者】
【氏名】根立 敏
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 京太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂口 正記
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭64−007979(JP,U)
【文献】 特開2010−242769(JP,A)
【文献】 特開平11−148578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0241714(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3025450(JP,U)
【文献】 特開2000−202920(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0116324(US,A1)
【文献】 実開昭59−125685(JP,U)
【文献】 実開昭52−138073(JP,U)
【文献】 特開2006−200678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平に折畳み可能のホース(1)の曲がり補助具(4)であって、前記ホース(1)を膨らませた状態で挿通し得る太さを有し、その全長に亙って一方向に均一に曲がった剛直な筒体(5)の、当該曲がり方向に対して垂直方向に、その全長に亙って開口部(6)を形成したことを特徴とする、ホースの曲がり補助具
【請求項2】
前記筒体(5)の曲がり角度(α)が、15〜60度曲がっていることを特徴とする、請求項1に記載のホースの曲がり補助具
【請求項3】
前記筒体(5)の曲率半径が、筒体(5)の口径の5〜15倍であることを特徴とする、請求項1に記載のホースの曲がり補助具
【請求項4】
前記開口部(6)が、筒体(5)の周長の5〜30%であることを特徴とする、請求項1に記載のホースの曲がり補助具
【請求項5】
前記開口部(6)の反対面に脚(7)を設けたことを特徴とする、請求項1に記載のホースの曲がり補助具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホースの曲がり補助具に関するものであって、特に消防用ホースや排水ホースなどのように扁平に折り畳まれたホースを、キンクすることなくスムーズに曲げることができる補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の曲がり補助具としては、実願平2−125061号出願(実開平4‐82493号)のマイクロフィルムや、実用新案登録第3131739号公報などに記載されたものが知られている。
【0003】
これらのものは、ホースを挿通し得る太さの管を約90度程度に曲げ、その曲がりの外側彎曲面にスリットを形成したものであって、当該スリットからホースを管内に挿入するようにしたものである。
【0004】
しかしながらこのものでは、管内に挿通されたホース内に水を送入し、ホースに内圧がかかると、ホースが真っ直ぐに延びようとするため、前記スリットを押し拡げてホースが管から押し出されることがある。
【0005】
また実用新案登録第3066050号公報には、ホースを挿通し得る管を90度乃至180度屈曲し、その屈曲方向に対して垂直方向にスリットを形成したものが記載されているが、かかる構造ではこの中に挿通されたホースが急角度で屈曲されるため、器具の中でキンクしてしまう可能性が高い。
【0006】
また建設マネジメント技術2009年5月号60〜66ページには、図4に示すように、ホース1を曲げたときの曲がりの内側部分及び外側部分に沿うサポート板2に、ホース1をベルト3で括りつけるようにしたものが記載されている。
【0007】
しかしながらこのものではサポート板2にホース1を取り付ける手間がかかる。しかも
ホース1に消防用ホースなどのように大きな内圧が作用したときには、ホース1が直線状に延びようとするため、それをサポート板2に固定し続けることが困難となることも起こり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実願平2−125061号出願(実開平4‐82493号)のマイクロフィルム
【特許文献2】実用新案登録第3131739号公報
【特許文献3】実用新案登録第3066050号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】建設マネジメント技術2009年5月号60〜66ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、ホースを器具に取り付けるためにベルトなどを使用することがなく、且つホースに内圧が作用して真っ直ぐに延びようとした場合においても、ホースが器具から脱落するようなことがないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して本発明は、扁平に折畳み可能のホースの曲がり補助具であって、前記ホースを膨らませた状態で挿通し得る太さを有し、その全長に亙って一方向に均一に曲がった剛直な筒体の、当該曲がり方向に対して垂直方向に、その全長に亙って開口部を形成したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のホースの曲がり補助具においては、前記筒体の曲がり角度が、15〜60度曲がっていることが好ましい。また前記筒体の曲率半径が、筒体の口径の5〜15倍であることが好ましい。また前記開口部が、筒体の周長の5〜30%であることが好ましい。また前記開口部の反対面には、脚を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、剛直な筒体内に前記開口部からホースを挿入するので、そのホースを筒体に取り付けるために、ベルトなどの特別な手段を必要とせず、またホースに内圧がかかっていても扁平であっても、ホースは筒体により保持されるので、何ら問題なく使用することができる。
【0014】
また本発明は、曲がった剛直な筒体の、その曲がり方向に対して垂直方向に開口部を形成しているので、その筒体内に挿通したホースに内圧が作用し、ホースが真っ直ぐに延びようとした場合においても、ホースには筒体の開口部に向かう力が作用することはなく、ホースが筒体から抜け出すことがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のホースの曲がり補助具の平面図
図2図1のII−II断面図
図3】本発明の使用状態を示す側面図
図4】従来の曲がり補助具の使用状態図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明のホースの曲がり補助具4を示すものであって、図1はその平面図であり、図2は横断面図である。
【0017】
当該曲がり補助具4はホース1を挿通し得る太さを有する筒体5であって、当該筒体5はFRPなどの剛直な材料よりなっている。そしてその全長に亙って一方向に均一に曲がっており、当該曲がり方向に対して垂直方向に、その全長に亙って開口部6が形成されている。
【0018】
そして当該曲がり補助具4の開口部6からホース1を筒体5内に挿入する。例えば高い位置と低い位置との間にホース1を敷設する場合には、高い位置の端部においてホース1が局部的に当たり、また低い位置からホース1が立ち上がる個所においてホース1が地面に擦れる。
【0019】
そこで図3に示すようにかかるホース1が局部的に当たったり地面に擦れたりする箇所に本発明の曲がり補助具4を取り付けることにより、ホース1の損傷を有効に防止することができる。
【0020】
そして当該筒体5の曲がり角度αは、15〜60度曲がっていることが適当である。また当該筒体5の曲がりの曲率半径Rは、筒体5の口径の5〜15倍程度とするのが適当である。
【0021】
前記特許文献1乃至3に記載されたものにおいては、管を90度又はそれ以上に屈曲せしめられており、且つ曲率半径Rは筒体の口径の1〜3倍程度であるので、ホース1が器具の内部でキンクする可能性があるが、本発明によれば、ホース1が曲がり補助具4内でキンクすることはない。
【0022】
ホース1を60度以上に曲げる必要があるときは、本発明の曲がり補助具4を若干間隔を開けてホースに複数取り付けることにより、キンクすることなく大きい範囲で曲げることが可能である。
【0023】
また本発明における開口部6の大きさは、筒体5の周長の5〜30%が適当である。5%あれば当該開口部6を通してホース1を筒体5内に挿入することが可能であり、30%以下であればホース1が筒体5から脱落することはない。
【0024】
また本発明においては、図2に示すように、前記開口部6の反対面に脚7を設けることが好ましい。本発明の曲がり補助具4を地面の上で水平方向にホース1を曲げるために使用することもでき、その場合には前記脚7で曲がり補助具4を支えることにより、曲がり補助具4が転がることなく安定してホース1を誘導することができる。
【0025】
前記脚7は、曲がり補助具4の全長に亙って連続して設けることが好ましいが、断続的に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 ホース
4 曲がり補助具
5 筒体
6 開口部
7 脚
図1
図2
図3
図4