(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入庫可能範囲の外側の領域の可視光映像を投射する映写機器は、前記入庫可能範囲の外側の領域の可視光映像を、前記入庫可能範囲の内側とは色の質の異なる可視光で投射するものであること
を特徴とする請求項2記載の駐車装置。
前記コンピュータは、前記入庫可能範囲の外側の領域の可視光映像を投射する映写機器から投射する前記入庫可能範囲の外側の領域の可視光映像について、前記乗降室に乗り入れた前記車両の車体色に応じて色の質を変える機能を有すること
を特徴とする請求項3記載の駐車装置。
【背景技術】
【0002】
駐車装置の一つとしては、運転者が車両を運転して乗降室に乗り入れ、運転者や同乗者が車両を降りて乗降室から退出した後、車両をリフトやコンベヤや台車等の搬送手段を用いて乗降室から格納スペースへ搬送して駐車させる機械式の駐車装置が知られている。
【0003】
この種の駐車装置は、通常、車両の搬送手段の構成や配置、更には、格納スペースの形状や構造等の駐車装置の内部構造に応じて、乗降室内に入庫可能範囲が設定されている。この入庫可能範囲は、搬送手段による車両の搬送が実施可能であり、且つ搬送中の車両が駐車装置の内部構造と干渉しないことが確認されている範囲である。
【0004】
したがって、駐車装置に車両を駐車するときには、乗降室に乗り入れた車両が、入庫可能範囲に収まっている必要がある。
【0005】
乗降室で車両が入庫可能範囲に収まっているか否かの確認は、通常、入庫可能範囲の前側、後側、左右両側及び上側に沿うように配置された光学式センサによって車両のはみ出しが検出されないことに基づいて判断されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
前記いずれかの光学式センサによって車両の入庫可能範囲からのはみ出しが検出された場合は、そのままでは搬送手段による車両の支持が正常に行えなかったり、搬送手段で搬送中の車両が駐車装置内の機器に接触する虞がある。そのため、車両の入庫可能範囲からのはみ出しが検出された場合は、車両のはみ出しが警告(通知)されるようになっている。更には、搬送装置が車両の搬送を開始しないというような処理も採られている。
【0007】
したがって、前記のようにして車両の入庫可能範囲からのはみ出しが検出された場合は、運転者が、乗降室に乗り入れた車両の位置を入庫可能範囲に収まるように調整(修正)するようにしてある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の駐車装置について、図面を参照して説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は駐車装置の第1実施形態を示すもので、乗降室の概略斜視図である。
図2は乗降室に乗り入れた車両が部分的に入庫可能範囲からはみ出している状態を示す図である。
【0020】
なお、乗降室については、説明の便宜上、乘り入れ口が設けられている側を前、乗り入れ口から見て奥側を後、乘り入れ口側から乗降室を見て左側を左、右側を右という(後述する第2実施形態も同様である)。
【0021】
又、図示する便宜上、
図1、
図2では、図面上、手前側に位置する乗降室の天井壁と前側壁と左側壁については、その形状だけを示し、本来、天井壁と前側壁と左側壁の陰になる位置に配置されているものも実線で記載してある。
【0022】
本実施形態の駐車装置は、
図1に示すように、車両1の乗り入れ口3を備えた乗降室2を備えている。乗降室2内には、入庫可能範囲6が設定されている。更に、本実施形態の駐車装置は、乗降室2に備えたレーザスキャナのような三次元スキャナ4、及び、プロジェクタのような映写機器5と、この三次元スキャナ4及び映写機器5に接続されたコンピュータ7とを備えた構成とされている。
【0023】
乗降室2は、入庫させる車両1を乗り入れ口3より乗り入れると共に、運転者や同乗者が乗り降りするための区画(部屋)である。
【0024】
乗降室2には、図示しないが、乗降室2に乗り入れられた車両1を格納スペースへ搬送して駐車させるためのリフト、コンベヤ、台車のような搬送手段が付設されている。これにより、運転者が車両1を運転して乗降室に乗り入れた後、運転者や同乗者が車両1から降りて乗降室2から退出すると、車両1は、図示しない搬送手段により乗降室2から格納スペースへ搬送されて駐車状態とされる。
【0025】
乗降室2内に定められている入庫可能範囲6は、乗り入れた車両1が入庫可能範囲6に収まる状態で停止されていれば、搬送装置(図示せず)による格納スペースへの搬送に支障が生じることはなく、又、車両1を乗降室2と格納スペースとの間で搬送装置により搬送する際に駐車装置の構成機器や構成部材との干渉が生じないということが確認されている範囲である。
【0026】
映写機器5は、入庫可能範囲6の外側の領域の可視光映像を投射するものであり、これにより、乗降室2内における入庫可能範囲6と、入庫可能範囲6の外側の領域とを一義的に決めることができる。
【0027】
入庫可能範囲6の境界は、基本的には、
図1に一点鎖線で示す前側面部6a、後側面部6b、左側面部6c、右側面部6d、天井面部6eの5面で囲まれる直方体形状とされる。更に、
図1に示した入庫可能範囲6の境界は、実際の車両1の前部形状と後部形状、及び、格納スペースの機器構成や、搬送手段で車両1を横送りすること等を考慮して、前側の上部の前側傾斜面部6fと、後側の上部の後側傾斜面部6gとを備えた形状となっている。
【0028】
三次元スキャナ4は、たとえば、
図1に示すように、乗降室2の後側壁2aの上部側に設けられている。この三次元スキャナ4は、乗降室2に乗り入れた車両1が停止する入庫可能範囲6とその周辺が計測領域となる姿勢で設けられている。これにより、運転者が車両1を乗降室2に乗り入れて、入庫可能範囲6の付近で停止すると、車両1の三次元形状が、三次元スキャナ4により計測される。この際、三次元スキャナ4は、車両1の三次元形状を、予め乗降室2内に設定されている三次元座標と関連付けて計測するようにしてある。この三次元スキャナ4による計測結果は、コンピュータ7に入力される。
【0029】
なお、三次元スキャナ4は、乗降室2に乗り入れられた車両1の三次元形状を前記三次元座標と関連付けた状態で計測することができれば、乗降室2内での設置個所を図示した以外の個所としてもよいことは勿論である。
【0030】
又、たとえば、三次元スキャナ4は、乗降室2内に複数備えるようにしてもよい。この場合は、各三次元スキャナ4の設置個所を、入庫可能範囲6を中心として周方向にずらすようにすればよい。これにより、各三次元スキャナ4により車両1の三次元形状を計測するときには、車両1自体によって影(死角)となる範囲を低減させることができる。そのため、各三次元スキャナ4の計測結果を共にコンピュータ7に入力して足し合わせることで、車両1について、より広い範囲の3次元形状を得ることができる。
【0031】
コンピュータ7は、
図1に示すように、演算部7aと、入庫可能範囲6のデータが記憶された記憶部7bとを備えている。
【0032】
記憶部7bには、予め、乗降室2における入庫可能範囲6の外側の領域の映像データが記憶されている。この映像データは、前記したように乗降室2内に設定されている前記三次元座標と関連づけられた状態で記憶されている。
【0033】
演算部7aは、三次元スキャナ4より車両1の三次元形状の計測結果が入力されると、記憶部7bに記憶されている入庫可能範囲6の外側の領域の映像データを、車両1の三次元形状に合わせる演算を行う。
【0034】
この演算の際、車両1の三次元形状がすべて入庫可能範囲6に収まっている場合は、車両1の三次元形状と、入庫可能範囲6の外側の領域の映像データは重なる部分がないため、演算部7aによる処理の前後で映像データは特に変更されない。
【0035】
一方、車両1の三次元形状が入庫可能範囲6からはみ出している場合は、そのはみ出した部分と、入庫可能範囲6の外側の領域の映像データに重なる部分が生じるため、演算部7aは、その重なる部分の映像データを、はみ出した部分の三次元形状に合うように加工する処理を行う。
【0036】
この演算部7aによる処理が終了すると、コンピュータ7は、演算部7aによる処理が行われた映像データを、映写機器5に出力して、映写機器5より乗降室2内に入庫可能範囲6の外側の領域の映像を投影させる。この際、コンピュータ7は、入庫可能範囲6の外側の領域の映像を、入庫可能範囲6の内側の領域とは色の質が異なる可視光の映像として投影させる。なお、色の質が異なるとは、色相、彩度、明度の少なくとも一つが異なることを意味している。
【0037】
これにより、乗降室2内で停止させた車両1が、部分的に入庫可能範囲6からはみ出している場合、たとえば、
図2に示すように、左側のドアミラー1aと、後部バンパー1bが入庫可能範囲6からはみ出している場合は、このはみ出している部分(左側のドアミラー1a及び後部バンパー1b)の表面に、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されるようになる。
【0038】
したがって、この状態で、運転者や、駐車装置の管理者は、乗降室2に乗り入れた車両1について、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されている部分を目視で確認することにより、入庫可能範囲6よりはみ出している部分と、はみ出している量とを、直接確認することができる。たとえば、
図2では、左のドアミラー分、左に寄り過ぎで、後部バンパー分、後に寄り過ぎていることが、目視によって容易に確認できる。
【0039】
そのため、その後、運転者が乗降室2内で車両1の停止位置を入庫可能範囲6に収まるように修正するための操作が容易になる。
【0040】
一方、乗降室2内で停止させた車両1の全体が入庫可能範囲6に収まっている場合は、車両1の車体に、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されることはない。よって、この状態で、運転者や、駐車装置の管理者は、車両1について、入庫可能範囲6に収まっていることを、目視により容易に確認することができる。
【0041】
ここで、車両1の車体色について考えると、車体色が白や淡色の場合は、色相や彩度の変化に基づいて、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されている部分の有無が容易に判断可能となる。これに対し、車体色が原色に近い場合は、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が同系色であると、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されている部分の有無が分かり難いことが考えられる。更に、車体色が黒や黒に近い濃色の場合は、入庫可能範囲6の外側の領域の映像が投影されている部分の有無が、色相の相違からでは分かり難いことが考えられる。
【0042】
そこで、乗降室2に、
図1に二点鎖線で示すように、車両1をカラーで撮像する撮像装置8を設け、この撮像装置8で撮影された車両1の画像をコンピュータ7に入力させて、コンピュータ7で車両1の車体色の検出を行うと共に、検出された車体色に応じて、入庫可能範囲6の外側の領域の映像の色の質を変化させるようにしてもよい。
【0043】
この場合は、たとえば、コンピュータ7に、予め、車体色に応じて使用する入庫可能範囲6の外側の領域の映像の色の質のデータを蓄積しておき、撮像装置8で撮影された車両1の画像を基に車体色が検出されると、コンピュータ7は、その車体色に応じた色の質で映写機器5より入庫可能範囲6の外側の領域の映像の投影を行わせるようにすればよい。
【0044】
たとえば、入庫可能範囲6の内側の領域が白色光で照明されている場合、車両1の車体色が白や淡色のときには、入庫可能範囲6の外側の領域の映像を、赤等で着色した状態で投影するようにすればよい。この際、車体色が赤系統の色の場合は、補色に近い色を設定してもよい。
【0045】
車体色が原色に近い場合は、入庫可能範囲6の外側の領域の映像を、補色に近い色相で投影するようにするとよい。
【0046】
更に、車体色が黒や黒に近い濃色の場合は、入庫可能範囲6の外側の領域の映像を、入庫可能範囲6の内側の領域と、色相と明度や、明度のみを変化させた状態で、映写機器5より投影するようにするとよい。
【0047】
更に、乗降室2内には、入庫可能範囲6の外側の領域全体の色の質を均一にした映像に代えて、入庫可能範囲6の境界のみ明度を高めた映像を投影するようにしてもよい。このようにすれば、車両1に入庫可能範囲6よりはみ出した部分が存在すると、そのはみ出した部分には輝線が投影されるようになるので、この輝線の有無を基に、入庫可能範囲6よりはみ出した部分の有無を容易に確認することができる。
【0048】
なお、入庫可能範囲6の外側の領域の映像は、入庫可能範囲6の内側の領域と色の質を変えることに代えて、色の質が異なる複数の可視光によって形成した格子模様や縞模様、その他の模様を付した映像を用いるようにしてもよい。
【0049】
これらの入庫可能範囲6の外側の領域の映像の色の質等については、車両1に投影されたときにその映像が目視によって確認しやすくなるように、車体色の色見本のような試験片等を用いた試験を適宜行って設定するようにしてもよい。
【0050】
[第2実施形態]
図3は駐車装置の第2実施形態を示すもので、乗降室の概略斜視図、
図4は乗降室に乗り入れる車両から乗降室内を見た状態を示す概要図である。
【0051】
なお、
図3、
図4において、
図1、
図2に示したものと同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
本実施形態の駐車装置は、
図3に示すように、車両1の乗り入れを行う乗降室2内に、入庫可能範囲6の各面部6a〜6gに沿う位置に可視光の映像としてのシート状の光10a〜10gを投射する映写機器9a〜9gを備えている。
【0053】
映写機器9a〜9gは、入庫可能範囲6の境界の可視光映像を投射するものであり、これにより、乗降室2内における入庫可能範囲6と、入庫可能範囲6の外側の領域とを一義的に決めることができる。
【0054】
図3に示した構成では、乗降室2の右側壁2bには、映写機器9a,9b,9e,9f,9gが、入庫可能範囲6の前側面部6a、後側面部6b、天井面部6e、前側傾斜面部6f、及び後側傾斜面部6gのそれぞれの右側に位置するように配置された状態で設けられている。
【0055】
各映写機器9a,9b,9e,9f,9gは、左方向に向けてシート状の光10a,10b,10e,10f,10gを投射する機能を備えている。これにより、各映写機器9a,9b,9e,9f,9gより投射される各シート状の光10a,10b,10e,10f,10gが、入庫可能範囲6の前側面部6a、後側面部6b、天井面部6e、前側傾斜面部6f、及び後側傾斜面部6gに沿う配置となる。したがって、この状態で、各シート状の光10a,10b,10e,10f,10gが、空気中の塵等の浮遊物によって散乱されると、その散乱光によって入庫可能範囲6の前側面部6a、後側面部6b、天井面部6e、前側傾斜面部6f、及び後側傾斜面部6gの位置が可視化される。
【0056】
又、乗降室2の後側壁2aの上部には、映写機器9c,9dが、入庫可能範囲6の左側面部と右側面部とに平行な配置で設けられている。
【0057】
各映写機器9c,9dは、前側の斜め下方に向けてシート状の光10c,10dを投射する機能を備えている。これにより、各映写機器9c,9dより投射される各シート状の光10c,10dが、入庫可能範囲6の左側面部6cと右側面部6dに沿う配置となる。したがって、この状態で各シート状の光10c,10dが、空気中の塵等の浮遊物によって散乱されると、その散乱光によって入庫可能範囲6の左側面部6cと右側面部6dの位置が可視化される。
【0058】
このように、各映写機器9a〜9gから投射される各シート状の光10a〜10gにより、入庫可能範囲6の境界が可視化されることになる。
【0059】
なお、入庫可能範囲6の各面部6a〜6gに沿う位置にシート状の光10a〜10gを投射することができるようにしてあれば、各映写機器9a,9b,9e,9f,9gより左方向に投射するシート状の光10a,10b,10e,10f,10gは、左方向へ行くにしたがって幅広となる扇状の平面光であってもよく、各映写機器9c,9dより投射するシート状の光10c,10dは、前側の斜め下方に向けて平行に延びる光であってもよい。
【0060】
又、入庫可能範囲6の各面部6a〜6gに沿う位置にシート状の光10a〜10gを投射することができるようにしてあれば、乗降室2内での各映写機器9a〜9gの配置は、
図3に示した以外の配置であってもよい。
【0061】
更に、入庫可能範囲6の各面部6a〜6gの位置を可視化することができれば、各映写機器9a〜9gは、可視光のビームを走査することによってシート状の光を投射するものであってもよい。この場合の構成は、各映写機器9a〜9gは固定した状態でビームのみを走査させる形式、あるいは、各映写機器9a〜9g自体を揺動させる形式のいずれであってもよい。又、各映写機器9a〜9gは、シート状の光10a〜10gに代えて、各面部6a〜6gに沿う位置に、可視光の映像として、多数の線状の光を投射するものや、各面部6a〜6gに沿う位置に、多数の発光点を配列させるものなど、任意の形式の映写機器を採用してもよい。
【0062】
乗降室2には、各シート状の光10a〜10gの散乱を増加させて、入庫可能範囲6の各面部6a〜6gに沿う位置の視認性を高めるために、図示しないミスト発生装置を備える構成としてもよい。
【0063】
以上の構成としてある本実施形態の駐車装置を使用する場合は、乗降室2への車両1(
図1参照)の乗り入れを行うときに、各映写機器9a〜9gよりシート状の光10a〜10gの投射を行う。これにより、
図4に示すように、乗降室2内には、各シート状の光10a〜10gによって各面部6a〜6g(
図3参照)が可視化された状態の入庫可能範囲6が表示される。なお、
図4では、図示する便宜上、各シート状の光10a〜10gについて、入庫可能範囲6の外側の部分は記載を省略してある。
【0064】
この状態で、車両1の運転者は、乗降室2へ乗り入れる。この際、運転者は、各シート状の光10a〜10gによって、入庫可能範囲6の各面部6a〜6g(
図3参照)の位置を視認することができる。このため、運転者は、自分で運転している車両1の一部が、各シート状の光10a〜10gに接しているか否かを目視することによって、車両1が入庫可能範囲6からはみ出しているか否かを確認することができる。更に、車両1の一部が入庫可能範囲6からはみ出ている場合は、そのはみ出している部分と、はみ出し量とを容易に確認することができる。このため、運転者は、車両1の位置を、入庫可能範囲6に収まるように容易に修正(調整)することができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
なお、本発明は、前記各実施形態にのみ限定されるものではなく、第1実施形態の構成に、第2実施形態に示した映写機器9a〜9gを併せて備えた構成としてもよい。この構成の場合は、乗降室2に車両1を乗り入れて停止させるまでは、第2実施形態に示したと同様の処理を行い、乗降室2に車両1を停止させた後は、映写機器9a〜9gによる画像投影を停止させた後、第1実施形態と同様の処理を行うようにすればよい。
【0066】
各図に示した乗降室2、乗り入れ口3、入庫可能範囲6、及び車両1の個々の寸法と、互いの寸法比は、図示するための便宜的なものであって、必ずしも実際の寸法や寸法比を反映したものではない。
【0067】
本発明は、入庫可能範囲6が複数設定されていてもよい。たとえば、車両1を普通車とハイルーフ車、更には、両者の中間の車高を有するミドルルーフ車のように、車高を基準に複数に区分して、それぞれ異なる区画に駐車させる形式の駐車装置に本発明を適用する場合は、車高の区分に応じた複数の入庫可能範囲6をデータとして備えておき、駐車させる車両1の車高に応じて、あるいは、車両1を駐車させる予定の区画に応じて、使用する入庫可能範囲6のデータを切り替えるようにしてもよい。
【0068】
同様に、たとえば、車両1を普通車と大型車のように、車体のサイズを基準に複数に区分して、それぞれ異なる区画に駐車させる形式の駐車装置に本発明を適用する場合は、車体のサイズの区分に応じた複数の入庫可能範囲6をデータとして備えておき、駐車させる車両1の車体サイズに応じて、あるいは、車両1を駐車させる予定の区画に応じて、使用する入庫可能範囲6のデータを切り替えるようにしてもよい。
【0069】
この入庫可能範囲6のデータの切り替えは、第1実施形態では、予め、記憶部7bに複数の異なるサイズの入庫可能範囲6の外側の領域の映像データを記憶させておき、それらを適宜選択して用いるようにすればよい。
【0070】
第2実施形態では、各映写機器9a〜9gを複数組備えるか、又は、各映写機器9a〜9gを可動式とするか、又は、各映写機器9a〜9gを複数方向や複数位置にシート状の光10a〜10gを投射する機能を備えるものとして、複数の入庫可能範囲6のデータの切り替えは、その入庫可能範囲6の各面部6a〜6gの配置に応じて、シート状の光10a〜10gを投射する位置を適宜変更させるようにすればよい。
【0071】
乗降室2は、車両1の出庫時に運転者や同乗者の乗降を行うための出庫時用の乗降室を兼ねていてもよい。この場合は、乗降室2の乗り入れ口3は、入出庫口として使用される。
【0072】
本発明の駐車装置は、乗降室2に、光学式センサによって車両1の入庫可能範囲6からのはみ出しが検出されると、表示装置やスピーカから車両1のはみ出しが警告(通知)される形式の従来のはみ出し検知手段を併設した構成としてもよい。
【0073】
第1実施形態では、コンピュータ7の演算部7aにて、車両1の三次元形状が入庫可能範囲6からはみ出している部分に対し、入庫可能範囲6の外側の領域の映像データの重なる部分を合わせる処理が生じた場合に、コンピュータ7に接続された図示しない表示装置やスピーカから、車両1のはみ出しの警告(通知)を行わせるようにしてもよい。
【0074】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。