(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホッパ(5a)内に蓄積された前記被搬送物(W)の質量が設定質量となったときに前記ゲート(20)を開制御し、前記ゲートが開制御された後に前記排出搬送手段(5b)を駆動し、前記排出搬送手段の駆動が停止した後に前記ゲートを閉制御する制御部(6)を備えたことを特徴とする請求項1記載の多段階選別システム。
前記ホッパ(5a)内には、前記ホッパ内に蓄積される前記被搬送物(W)を前記ゲート(20)寄りに案内する案内板(23)が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の多段階選別システム。
前記ゲート(20)は、前記ホッパ(5a)の外壁面の一部をなし、前記外壁面から外側に向かって回動することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の多段階選別システム。
前記ランク判定部(3)は、前記被搬送物(W)にX線を照射したときのX線透過データに基づく前記被搬送物の総X線吸収量に質量換算係数を乗算して前記被搬送物の質量を測定するX線質量測定装置からなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の多段階選別システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1を含む従来の多段階選別システムでは、作業者が現場を離れている状況下において、ランク別収納容器に被計量物が蓄積され続けると、ランク別収納容器が被計量物で充満し、ひいては被計量物がランク別収納容器から溢れ出て床に落下する場合がある。床に落下した被計量物は、品質確保の点からそのまま利用することができないため、無駄な被計量物が発生するという問題があった。
【0008】
特に、
図9のホッパ100を用いた多段階選別システムでは、作業者がシャッタ102を開操作することによってホッパ100内に蓄積された被計量物Wを排出している。このため、シャッタ102を開状態にしたまま現場を離れた状況下では、ホッパ100内に蓄積された被計量物Wが排出され続け、被計量物Wが出荷品箱から溢れ出て床に落下し、上述した場合と同様に、無駄な被計量物が発生するという問題を招く。また、
図9のホッパ100を用いた場合、筒状部101の傾斜面に沿って被計量物Wを排出するため、終盤に排出される被計量物Wが筒状部101の傾斜面で案内されずにホッパ100内に留まったまま残ってしまうことがあった。これにより、出荷品箱に箱詰めされる被計量物が不足してしまい、最終的な質量調整時に余計に手間がかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、物品を無駄にすることなく効率的に物品の排出を行うことができる多段階選別システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された多段階選別システムは、順次搬送される被搬送物を、異なる複数のランクの中から該当するランクに選別する多段階選別システム1において、
前記複数のランクの中から前記被搬送物の該当するランクを判定し、判定されたランクに選別するためのランク選別情報を出力するランク判定部3と、
前記被搬送物を搬送する選別搬送手段4aと、前記選別搬送手段にて搬送される被搬送物を前記ランク選別情報に基づいて該当するランクに選別する選別手段4bとを有するランク選別部4と、
前記選別手段毎に
前記選別搬送手段の下部に設けられ、
上部と底部が開口した矩形筒状に形成され、前記ランク選別部にて選別された被搬送物を
前記上部から受け入れて収容するホッパ5aと、前記ホッパ毎
の底部に設けられ、前記ホッパ内に収容された被搬送物の質量を計測する質量計測手段5cを含む排出搬送手段5bと、前記ホッパ毎
の一側面に開閉可能に設けられ、前記ホッパ内の被搬送物が設定質量になったときに前記排出搬送手段にて搬送される被搬送物を排出するゲート20とを有する質量測定部5と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された多段階選別システムは、請求項1の多段階選別システムにおいて、
前記ホッパ5a内に蓄積された前記被搬送物Wの質量が設定質量となったときに前記ゲート20を開制御し、前記ゲートが開制御された後に前記排出搬送手段5bを駆動し、前記排出搬送手段の駆動が停止した後に前記ゲートを閉制御する制御部6を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載された多段階選別システムは、請求項1又は2の多段階選別システムにおいて、
前記ホッパ5a内には、前記ホッパ内に蓄積される前記被搬送物Wを前記ゲート20寄りに案内する案内板23が設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載された多段階選別システムは、請求項1又は2の多段階選別システムにおいて、
前記選別手段4bは、前記被搬送物Wを前記ホッパ5aの前記ゲート20
が設けられた前記一側面に
向けて選別することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載された多段階選別システムは、請求項1又は2の多段階選別システムにおいて、
前記排出搬送手段5bを振動する振動手段22を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載された多段階選別システムは、請求項1〜5の何れかの多段階選別システムにおいて、
前記ゲート20は、前記ホッパ5aの外壁面の一部をなし、前記外壁面から外側に向かって回動することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載された多段階選別システムは、請求項1〜6の何れかの多段階選別システムにおいて、
前記ランク判定部3は、前記被搬送物WにX線を照射したときのX線透過データに基づく前記被搬送物の総X線吸収量に質量換算係数を乗算して前記被搬送物の質量を測定するX線質量測定装置からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る多段階選別システムによれば、ランク判定部は、複数のランクの中から被搬送物の該当するランクを判定し、判定されたランクに選別するためのランク選別情報を出力する。ランク選別部は、被搬送物を搬送する選別搬送手段と、選別搬送手段にて搬送される被搬送物をランク選別情報に基づいて該当するランクに選別する選別手段とを有する。質量測定部は、選別手段毎に設けられ、ランク選別部にて選別された被搬送物を収容するホッパと、ホッパ毎に設けられ、ホッパ内に収容された被搬送物の質量を計測する質量計測手段を含む排出搬送手段と、ホッパ毎に開閉可能に設けられ、ホッパ内の被搬送物が設定質量になったときに排出搬送手段にて搬送される被搬送物を排出するゲートとを有する。かかる構成によれば、順次供給される被搬送物は、ランク判定結果に基づくランク選別情報から被搬送物が属するランクのホッパに導かれてホッパ内に収容される。そして、ホッパ内に蓄積された被搬送物の質量が設定質量に到達すると、ホッパのゲートが開制御されてホッパ内の被搬送物が排出される。これにより、ホッパ内に蓄積された被搬送物を効率的に排出し、被搬送物を床に落下させて無駄にすることなく品質を確保することができる。しかも、作業者が被搬送物を排出する必要がないので、省人化が可能となり、人件費を節約してコストの削減を図ることができる。
【0018】
ホッパ内に蓄積された被搬送物の質量が設定質量となったときにゲートを開制御し、ゲートが開制御された後に排出搬送手段を駆動し、排出搬送手段の駆動が停止した後にゲートを閉制御する。これにより、従来のように、ホッパに蓄積された被搬送物を排出し忘れたり、ホッパのシャッタを開操作したままの状態で現場を離れた時に、被搬送物がホッパから溢れ出たり、ホッパから排出され続けて床に落下するようなことがなく、被搬送物の無駄を減少させ、商品価値の損失を防止できる。
【0019】
選別手段が被搬送物をホッパのゲート寄りに選別する構成、ホッパ内に蓄積される被搬送物をゲート寄りに案内する案内板をホッパ内に設ける構成とすれば、ホッパ内に蓄積された被搬送物の排出を早め、箱詰め作業に要する時間を短縮することができる。
【0020】
排出搬送手段を振動する振動手段を備えた構成とすれば、ホッパの内壁面の周囲に蓄積された被搬送物をホッパ内の中央に導き、蓄積された被搬送物の高さを平滑化することができる。
【0021】
ゲートをホッパの外壁面の一部で構成し、外壁面から外側に向かって回動する構成とすれば、ゲートの開制御時に、負荷をかけずにゲートを回動させてホッパ内に蓄積された被搬送物をスムーズに排出することができる。また、ゲートの閉制御時には、既に排出搬送手段の駆動が停止しているので、ゲートと排出搬送手段との間に被搬送物を挟み込む虞もない。
【0022】
被搬送物WにX線を照射したときのX線透過データに基づく被搬送物の総X線吸収量に質量換算係数を乗算して被搬送物の質量を測定するX線質量測定装置をランク判定部として用いれば、被搬送物の異物混入の有無の判別とともに質量の測定を同時に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る多段階選別システムは、例えば水産物、農作物などの各種物品(被搬送物)を多段階のランク(例えば質量、形状、個数などのランク)別に選別するものである。具体的な一例を挙げれば、本発明に係る多段階選別システムは、ホタテ貝の貝柱の冷凍品を被搬送物とする選別ラインに設置され、所定間隔を置いて搬送ライン上を順次搬送される被搬送物のランクを判定して該当するランク別のホッパに収容し、ホッパに収容された被搬送物が設定質量に到達したときにホッパから被搬送物を自動的に排出する機能を有する。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の多段階選別システム1は、上記機能を実現するため、供給部2、ランク判定部3、ランク選別部4、質量測定部5、制御部6、表示部7を備えて概略構成される。以下、各部の構成について説明する。
【0026】
[供給部2の構成について]
供給部2は、後段のランク判定部3に対し、被搬送物Wを所定間隔を置いて供給するものである。この供給部2としては、例えば特開2013−220883号公報に開示される供給装置の構成を採用することができる。
【0027】
その構成について説明すると、
図2に示すように、供給部2は、高さ調整可能な脚部を有する下フレーム部11と、被搬送物Wの搬送方向における下フレーム部11の下流側の端部に設けられる架台部12とから構成される基台13を備えている。
【0028】
架台部12は、ランク判定部3の後述する導入搬送手段3a(ベルトコンベア)に被搬送物Wを送り込むのに適した高さに設定される。基台13の上には、
図3に示すように、被搬送物Wを2列の状態で所定間隔を置いて搬送するため、搬送手段としての2組のベルトコンベア14,14が設置されている。各ベルトコンベア14の下流側の端部は、基台13の架台部12の上に取り付けられ、搬送された被搬送物Wが下流側のランク判定部3の導入搬送手段3aに乗り移れるようになっている。各ベルトコンベア14の上流側の端部は、基台13の下フレーム部11の上方において、架台部12上の下流側よりも低い位置に配置され、下フレーム部11に対して支持部材15で連結されて位置固定されている。これにより、各ベルトコンベア14,14は、
図2に示すように、搬送方向に向けて被搬送物Wが上昇するような傾斜角度θに設定される。
【0029】
支持部材15は、ベルトコンベア14の傾斜角度θを任意に設定・変更できるように、2組のベルトコンベア14,14に対して上流側が回動可能に連結され、下流側が下フレーム部11に着脱可能に固定されている。
【0030】
図示はしないが、2組のベルトコンベア14,14は、その上流側の端部に設けられた従動プーリと、下流側の端部に設けられた駆動プーリとの間に、無端の搬送ベルトを掛け回してなる搬送手段から構成される。そして、制御部6の後述する駆動制御手段6aにて制御される駆動モータが駆動プーリを駆動すると、搬送ベルトが下流に向けて登っていくように運転される。
【0031】
なお、架台部12上のベルトコンベア14の下流側の端部には、搬送ベルトの張力を調整するテンション機構(不図示)が設けられ、搬送ベルトの張力が適宜調整できるようになっている。
【0032】
また、図示はしないが、ベルトコンベア14の搬送ベルトには、無端状の平ベルトの搬送面に対し、搬送方向に沿って所定間隔で複数の係止部が突出して設けられている。係止部は、搬送ベルトの搬送面から垂直方向に立ち上がった矩形状の板体であって二枚一組で構成される。一組二枚の係止部は、互いに所定間隔を置き、かつ所定の角度(例えば120°)を以て下流側に向けてハの字状に開いた状態に配置されている。
【0033】
なお、係止部の構造は、被搬送物Wの外形に合わせたものであり、係止部の形状、個数、配置等は被搬送物Wの外形に合わせた構造とし、2個載りした場合に、係止部に安定して載った被搬送物W以外は支持が不安定で落下しやすくなる構成であればよい。
【0034】
2組のベルトコンベア14,14の両側には、
図3に示すように、ベルトコンベア14の搬送方向と直交する幅方向に沿って被搬送物Wの回収手段16が設けられている。詳細には図示しないが、回収手段16は、2組のベルトコンベア14,14の両側位置において、搬送方向に沿ってベルトコンベア14に接して設けられた長手トレイ状の案内部材で構成される。そして、回収手段16は、ベルトコンベア14と同じ傾斜角度θを有し、その案内面がベルトコンベア14の搬送ベルトの搬送面よりも下方に設定されている。
【0035】
ベルトコンベア14の上流側の端部には、
図2及び
図3に示すように、被搬送物Wの容器部である供給用ホッパ17が設けられている。供給用ホッパ17は、上面及び下面が開口とされた全体として三角柱状の中空筐体であり、下方に位置するベルトコンベア14の搬送ベルトに向けて内部が狭くなる形態を採用している。これにより、供給用ホッパ17の上部の開口から投入された被搬送物Wは、順次下方に移動して循環するベルトコンベア14の搬送ベルトに供給され、供給用ホッパ17外に搬出される。また、供給用ホッパ17には回収手段16の案内面が連続しており、案内面を滑り落ちてきた被搬送物Wが供給用ホッパ17に戻って再びベルトコンベア14に供給される。
【0036】
なお、ベルトコンベア14には、搬送ベルト上の不安定な被搬送物Wを係止部から落とすための振動手段(不図示)が設けられている。振動手段は、振動モータの駆動により振動部材を回転し、搬送ベルトを周期的に上下動させて振動を発生させ、搬送ベルト上の被搬送物Wに振動を与える。これにより、搬送ベルト上で係止部に安定して係止されていない不安定な被搬送物Wは、係止部から外れて搬送ベルトから回収手段16の案内面に落下することになる。
【0037】
[ランク判定部3の構成について]
ランク判定部3は、供給部2の下流側に配置され、供給部2から2列の状態で順次供給される被搬送物Wを、一つ一つどのランクに属するか判定し、このランク判定の結果に基づいて該当するランクに各被搬送物Wを選別するためのランク選別情報を制御部6に出力する。
【0038】
ここで、ランク判定とは、例えば、異なる質量範囲からなる複数の質量ランクを予め設定しておき、供給部2から順次搬送される被搬送物Wの質量を検出し、検出した被搬送物Wの質量がどの質量範囲の質量ランクに属するかを判定することである。
【0039】
本例では、被搬送物Wの質量についてランク判定するため、例えば特開20013−19688号公報に開示されるX線質量測定装置をランク判定部3として採用している。ランク判定部3としてのX線質量測定装置は、
図1に示すように、導入搬送手段3a、X線発生源3b、X線検出器3c、判定制御部3dを備えて概略構成される。
【0040】
その構成について簡単に説明すると、導入搬送手段3aは、
図2及び
図3に示すように、脚部を有する架台部18に設置されたベルトコンベアで構成され、供給部2の2組のベルトコンベア14,14の下流側の端部と同等の高さに設けられる。導入搬送手段3aとしてのベルトコンベアは、2組のベルトコンベア14,14から2列の状態で供給される各被搬送物Wを装置本体の筐体内に導入する。X線発生源3bは、装置本体の筐体内における導入搬送手段3aの上方に所定高さ離れて設けられ、X線検出器3cに向けて略三角形状のスクリーン状のX線を被搬送物Wの搬送方向を横切るように照射する。X線検出器3cは、X線発生源3bと対向して導入搬送手段3aの下方に設けられ、X線発生源3bから照射されて各被搬送物Wを透過したX線の透過量を検出し、各被搬送物WのX線透過データを出力する。判定制御部3dは、X線検出器3cからのX線透過データをA/D変換してデジタル化し、各被搬送物Wに吸収されたX線量を示すX線吸収量に変換し、このX線吸収量を周期毎(X線検出器3cのラインセンサの1走査分)に合算して総X線吸収量を得る。ここで、被搬送物Wが同一物品の場合、体積(厚み×面積)がX線吸収量に比例する。そこで、判定制御部3dは、総X線吸収量に質量換算係数を乗算して得た値を被搬送物Wの質量として算出し、算出した質量が複数の質量ランクのどこに属するか判定する。
【0041】
このように、ランク判定部3としてのX線質量測定装置は、X線検出器3cからのX線透過データに基づいて導入搬送手段3aとしてのベルトコンベア上を搬送される被搬送物W毎にX線吸収量を算出し、X線検出器3cのラインセンサ1周期分を合算した総X線吸収量に質量換算係数を乗算して被搬送物W毎に質量を算出し、算出した各被搬送物Wの質量が属するランクを判定し、判定したランクに選別するためのランク選別情報を被搬送物W毎に制御部6に出力する。このランク選別情報は、2列の状態で供給される被搬送物Wの各列の被搬送物W毎に出力される。
【0042】
なお、ランク判定部3としてのX線質量測定装置は、上述した各列毎の被搬送物Wの質量測定とともに、X線透過データから各被搬送物Wへの異物混入の有無を検出し、検出結果を制御部6に出力している。また、ランク判定部3は、例えば高精度な質量測定が可能なロードセルなどを用いることができるが、各被搬送物Wを所定の質量範囲にランク分けできる程度の精度を有していればよい。
【0043】
[ランク選別部4の構成について]
ランク選別部4は、ランク判定部3の下流側に配置され、ランク判定部3からのランク選別情報に基づく制御部6からのランク選別信号により被搬送物Wをランク選別するもので、選別搬送手段4aと選別手段4bを有する。
【0044】
選別搬送手段4aは、
図2乃至
図4に示すように、脚部を有する架台部19に取り付けられた一対のベルトコンベアで構成される。選別搬送手段4aとしての一対のベルトコンベアは、ランク判定部3としてのX線質量測定装置の導入搬送手段3a(ベルトコンベア)の下流側端部と同等の高さに設けられる。選別搬送手段4aとしての一対のベルトコンベアは、ランク判定部3としてのX線質量測定装置の導入搬送手段3aの長手方向に延出しており、ランク判定部3としてのX線質量測定装置にてランク判定されて導入搬送手段3aにより搬送されてくる各列の被搬送物Wをさらに下流側に搬送する。そして、選別搬送手段4aとしての一対のベルトコンベアは、制御部6の後述する駆動制御手段6aにて制御される駆動モータにより駆動の開始・停止が制御される。
【0045】
選別手段4bは、例えば一対のエアジェットで構成され、
図3の矢印Aで示す被搬送物Wの搬送方向(選別搬送手段4aの長手方向)に沿って所定間隔おきに振り分けられた複数のランクの各位置に対応して設けられる。選別手段4bとしての一対のエアジェットは、制御部6の後述する選別制御手段6cからランク選別情報に基づく選別指令信号により、対応する列別に独立して制御される。すなわち、選別手段4bとしての一対のエアジェットは、一方のエアジェットが被搬送物Wの一方の列に対応して駆動され、他方のエアジェットが被搬送物Wの他方の列に対応して駆動される。そして、対応する列別に独立して制御される選別手段4bとしての一対のエアジェットは、例えば
図6(a)に示すように、選別搬送手段(ベルトコンベア)4a上を搬送されるエアジェットと対応する列の被搬送物Wに対し、選別搬送手段4aの搬送方向と直交する外側に向かってエアを吹き付け、被搬送物Wを該当するランクの後述するホッパ20に導く。
【0046】
なお、本例におけるランク選別部4は、
図3に示すように、矢印Aで示す被搬送物Wの搬送方向(選別搬送手段4aの長手方向)に対し、上流側から例えばR1:「NG品」、R2:「正常質量1」、R3:「正常質量2」、R4:「正常質量3」、R5:「正常質量4」、R6:「正常質量5」、R7:「正常質量6」、R8:「正常質量7」、R9:「正常質量8」の順に配置されたR1〜R9の何れかのランクに被搬送物Wを振り分ける。また、ランク選別部4は、ランク判定部3にて選別対象外と判定された被測定物Wが搬送されてくると、この選別対象外の被測定物WをR10:[ランク外(再搬送、その他)」としてランク選別部4の下流側、すなわち、選別搬送手段4aの下流側へそのまま直進させて搬出する。
【0047】
[質量測定部5の構成について]
質量測定部5は、ランク選別部4の選別搬送手段4aの下部に配置され、ランク選別部4のランク選別によって導かれる被搬送物Wを収容して蓄積し、蓄積された被搬送物Wの質量を測定するもので、ホッパ(回収ホッパ)5a、排出搬送手段5b、質量計測手段5cを有する。
【0048】
ホッパ5aは、
図2に示すように、ランク選別部4の選別搬送手段4a(ベルトコンベア)の搬送方向と直交して選別手段4b毎に複数設けられる。各ホッパ5aは、上部と底部が開口した略矩形筒状に形成され、架台部19に着脱可能に係止される。各ホッパ5aは、ランク選別部4の選別手段4bにて選別されて導かれる被搬送物Wを収容する。各ホッパ5aの一側面には、開閉可能なゲート20が設けられている。本例におけるゲート20は、
図4に示すように、ホッパ5aの一側面(作業者が作業を行う側の面)に軸支され、ホッパ5aの外壁面から外側に向かって所定角度回動可能とされている。ゲート20は、制御部6の後述するゲート開閉制御手段6dにて制御される例えばシリンダやロータリアクチュエータなどの駆動手段の駆動により開閉が制御される。すなわち、ゲート20は、ホッパ5a内の被搬送物Wが設定質量(必要質量)となったときに制御部6のゲート開閉制御手段6dから入力されるゲート開信号により開制御され、排出搬送手段5bの駆動が停止してから所定時間後に制御部6のゲート開閉制御手段6dから入力されるゲート閉信号により閉制御される。
【0049】
排出搬送手段5bは、架台部19に取り付けられたベルトコンベアからなる回収コンベアで構成される。排出搬送手段5bとしての回収コンベアは、各ホッパ5aの底部の開口に対し、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wが飛び出さない程度の隙間を置いてランク選別部4の選別搬送手段4a(ベルトコンベア)の搬送面と水平をなして配置される。排出搬送手段5bとしての回収コンベアは、制御部6の後述する搬送制御手段6eにて駆動・停止が制御される。すなわち、排出搬送手段5bは、ゲート20が開制御した後に制御部6の搬送制御手段6eから入力される搬送開始信号により駆動制御され、所定時間(ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wが全て排出されるのに要する時間に相当)後に制御部6の搬送制御手段6eから入力される搬送停止信号により停止制御される。
【0050】
質量計測手段5cは、排出搬送手段5bに配設される秤量手段で構成される。本例では、ホッパ5a内に蓄積された設定質量の被搬送物Wを出荷品箱21に排出して箱詰めする際に、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wの質量を高精度に測定する必要があるため、例えばロードセル(荷重変換器)など秤量手段によって質量計測手段5cを構成する。質量計測手段5cは、ホッパ20内に収容されて蓄積される排出搬送手段5b(回収コンベア)上の被搬送物Wの質量を計測し、計測した質量の質量情報を制御部6に出力する。
【0051】
[制御部6の構成について]
制御部6は、被搬送物Wを多段階のランクに選別する際に、各部を統括制御するものであり、
図1に示すように、駆動制御手段6a、判別手段6b、選別制御手段6c、ゲート開閉制御手段6d、搬送制御手段6e、表示制御手段6fを備えている。
【0052】
駆動制御手段6aは、供給部2の2組のベルトコンベア14,14の駆動を制御しており、ベルトコンベア14,14を駆動するときに駆動モータに駆動開始信号を出力し、ベルトコンベア14,14を停止するときに駆動モータに駆動停止信号を出力する。また、駆動制御手段6aは、ランク選別部4の選別搬送手段4a(ベルトコンベア)の駆動を制御しており、選別搬送手段4aを駆動するときに駆動モータに駆動開始信号を出力し、選別搬送手段4aを停止するときに駆動モータに駆動停止信号を出力する。
【0053】
判別手段6bは、ランク判定部3からのランク判定情報に基づいて被搬送物Wが属するランクを判別し、判別結果に応じて選別制御手段6cに選別指令信号を出力する。また、判別手段6bは、質量測定部5の質量計測手段5cから入力される質量情報に基づいてホッパ20内に蓄積された被搬送物Wが設定質量に到達しているか否かを判別し、判別結果に応じてゲート開閉制御手段6dにゲート開指令信号又はゲート閉指令信号を出力し、搬送制御手段6eに駆動開始信号又は駆動停止信号を出力する。この信号のタイミングについては後述する。
【0054】
選別制御手段6cは、ランク選別部4の選別手段4bを制御しており、判別手段6bから選別指令信号が入力されたときに該当するランク選別部4の選別手段4bに選別信号を出力する。すなわち、選別制御手段6cは、判別手段6bから選別指令信号が入力されると、該当する選別手段4bとしての一対のエアジェットを駆動する。これにより、選別搬送手段4aとしてのベルトコンベア上を搬送される被搬送物Wは、選別手段4bとしてのエアジェットから吹き付けられるエアにより該当するランクのホッパ20に導かれる。
【0055】
ゲート開閉制御手段6dは、質量測定部5におけるホッパ5aのゲート20の開閉を制御する。すなわち、ゲート開閉制御手段6dは、判別手段6bからゲート開指令信号が入力されたときに該当するゲート20にゲート開信号を出力し、判別手段6bからゲート閉指令信号が入力されたときに該当するゲート20にゲート閉信号を出力する。
【0056】
搬送制御手段6eは、質量測定部5の排出搬送手段5bを制御する。すなわち、搬送制御手段6eは、判別手段6bから搬送開始指令信号が入力されたときに、該当する排出搬送手段5bに搬送開始信号を出力し、判別手段6bから搬送停止指令信号が入力されたときに、該当する排出搬送手段5bに搬送停止信号を出力する。
【0057】
表示制御手段6fは、不図示の操作部の操作や判別手段6bの判別結果に基づいて表示部7の表示画面上に所望の表示を行うように表示部7の表示を制御する。
【0058】
[表示部7の構成について]
表示部7は、
図2に示すように、供給部2の架台部12に設置され、例えば液晶表示装置で構成される。表示部7は、制御部6の表示制御手段6fの制御により、各ランクの質量範囲の設定や各ランク毎のホッパに蓄積する必要質量の設定などを行うための設定画面の表示、各ランク毎のホッパ内に蓄積された被搬送物の質量、NG数などの選別結果の表示を含む各種表示を行う。
【0059】
[多段階選別システムの動作について]
次に、上記のように構成される多段階選別システムの動作として、被搬送物Wを多段階選別して設定質量の被搬送物Wを出荷品箱に排出するまでの一連の処理について
図5のタイミングチャート図を参照しながら説明する。
【0060】
なお、
図5は、複数のランク(例えば
図3のR2〜R9)の中の1つのランクに着目し、ランク選別部4の選別手段4bの前を被搬送物WがW1,W2,W3,W4の順に通過した状態を示している。
【0061】
まず、供給部2は、所定数の被搬送物Wがホッパ17に投入され、不図示の操作部から選別動作開始の指示が入力されると、駆動制御手段6aの制御によりベルトコンベア14が駆動を開始し、被搬送物Wを2列の状態で後段のランク判定部3に順次供給する。
【0062】
ランク判定部3としてのX線質量測定装置は、供給部2から2列の状態で供給される被搬送物Wを導入搬送手段3aにて搬送させながらX線発生源3aからX線を照射し、このX線の照射に伴うX線検出器3cからのX線透過データに基づいて各被搬送物W毎にX線吸収量を算出する。そして、各被搬送物Wに対し、X線検出器3cのラインセンサ1周期分を合算した総X線吸収量に質量換算係数を乗算して質量を算出し、算出した質量が属するランクを判定し、判定したランクに選別するためのランク選別情報を各列の被搬送物W毎に制御部6に出力する。この際、X線質量測定装置は、質量測定とともに、X線透過データから各被搬送物Wへの異物混入の有無を検出し、検出結果を制御部6に出力する。
【0063】
ランク判定部3にてランク判定された各被搬送物Wは、2列の状態で導入搬送手段3aにより後段のランク選別部4に搬送される。ランク選別部4は、ランク判定部3からの被搬送物Wを選別搬送手段4aとしてのベルトコンベアにて2列の状態で搬送し、ランク選別情報に基づく選別信号が選別制御手段6cから入力されると、選別手段4bとしての一対のエアジェットの対応するコンベア側のエアジェットが選別搬送手段4aとしてのベルトコンベア上を搬送される被搬送物Wにエアを吹き付け、質量測定部5の該当するランクのホッパ5aに被搬送物Wを導いて選別する。
図5では、ランク選別部4の選別手段4bが被搬送物W1を質量測定部5の該当するランクのホッパ5aに導いて選別した状態を示している。このランク選別部4にて質量測定部5のホッパ5aに導かれた被搬送物Wは、
図6(a)に示すように、ホッパ5a内に逐次収容されて蓄積される。
【0064】
ここで、判別手段6bは、
図5に示すように、被搬送物W1がホッパ5aに収容された後、時間t1のタイミングでホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wが設定質量に到達したと判別すると、ゲート開閉制御手段6dにゲート開信号を出力する。ゲート開閉制御手段6dは、判別手段6bからゲート開信号が入力されると、時間t1のタイミングでホッパ5aのゲート20を開制御する。
【0065】
次に、搬送制御手段6eは、ホッパ5aのゲート20が開制御された時間t1から所定時間t2が経過した時間t3のタイミングで排出搬送手段5bとしての回収コンベアに搬送開始信号を出力し、排出搬送手段5bとしての回収コンベアの駆動を開始する。すなわち、排出搬送手段5bとしての回収コンベアは、ホッパ5a内の被搬送物Wが設定質量に到達してゲート20が開制御された後に駆動が開始される。これにより、
図6(b)に示すように、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wは、排出搬送手段5bとしての回収コンベアにて搬送されて出荷品箱21に排出される。
【0066】
そして、搬送制御手段6eは、排出搬送手段5bとしての回収コンベアの駆動を開始してから所定時間t4が経過した時間t5のタイミングで排出搬送手段5bとしての回収コンベアに搬送停止信号を出力し、排出搬送手段5bとしての回収コンベアの駆動を停止する。続いて、ゲート開閉制御手段6dは、排出搬送手段5bとしての回収コンベアの駆動が停止してから所定時間t6が経過した時間t7のタイミングでホッパ5aのゲート20にゲート閉信号を出力し、ゲート20を閉制御する。すなわち、ホッパ5aのゲート20は、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wが全て出荷品箱21に排出されて排出搬送手段5bとしての回収コンベの駆動が停止した後に閉制御される。そして、ランク選別部4は、時間t7のタイミングでホッパ5aのゲート20が閉制御されてから所定時間t8が経過した時間t9のタイミングから再び選別動作を再開する。
図5では、被搬送物W2,W3の選別動作を行わず、被搬送物W2,W3を選別搬送手段4aによりそのまま直進してR10:「質量小又は質量大の規格外、再搬送、その他」のランクに選別し、被搬送物W4から選別動作を再開する。
【0067】
なお、
図5における時間t1から時間t9までの時間t10は、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wを出荷品箱21に排出する時間であって、被搬送物W(
図5の例では、W2,W3)の選別動作を行わない時間である。
【0068】
ところで、質量測定部5は、
図6(a),(b)の点線で示すように、排出搬送手段5bに振動を与える振動手段22を備えた構成としてもよい。振動手段22は、例えば振動モータにより駆動される振動部材を介して排出搬送手段5bの搬送ベルトを周期的に振動させ、ホッパ5a内に蓄積された排出搬送手段5bの搬送ベルト上の被搬送物Wに振動を与える。この構成によれば、振動手段22の振動によりホッパ5aの内壁面の周囲に蓄積された被搬送物Wがホッパ5a内の中央に導かれ、蓄積された被搬送物Wの高さが平滑化する。そして、
図6(b)に示すように、ホッパ5a内に設定質量の被搬送物Wが蓄積されてゲート20が開制御されたときに、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wをスムーズに排出し、箱詰め作業に要する時間を短縮することができる。
【0069】
また、
図7(a),(b)に示すように、ホッパ5a内に蓄積される被搬送物Wをゲート20寄りに案内するための案内板23を設ける構成としてもよい。この構成によれば、ランク選別部4の選別手段4bによってホッパ5aの案内板23側に導かれた被搬送物Wは、案内板23の表面や案内板23上に蓄積された被搬送物Wによってゲート20寄りに導かれ、
図7(a)に示すように、ホッパ5a内の被搬送物Wを全体的にゲート20寄りに蓄積することができる。そして、
図7(b)に示すように、ホッパ5a内に設定質量の被搬送物Wが蓄積されてゲート20が開制御されたときに、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wの排出を早め、箱詰め作業に要する時間を短縮することができる。
【0070】
[他の実施の形態について]
上述した実施の形態の多段階選別システムでは、2組のベルトコンベア14,14により被搬送物Wを2列の状態で連なって供給する2連の構成としているが、供給部2におけるベルトコンベア14を1つで構成し、被搬送物Wを1列の状態で所定間隔を置いて供給する単連の構成としてもよい。
【0071】
この場合、
図8(a),(b)に示すように、ランク選別部4における選別手段4bは、ランク毎に1つずつ設けられ、ホッパ5aのゲート20がある側に向かって被搬送物Wにエアを吹き付ける。この構成によれば、
図8(a)に示すように、被搬送物Wがホッパ5aのゲート20寄りに蓄積される。そして、
図8(b)に示すように、ホッパ5a内に設定質量の被搬送物Wが蓄積されてゲート20が開制御されたときに、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wの排出を早め、箱詰め作業に要する時間を短縮することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態では、ランク判定部3としてのX線質量測定装置が被搬送物Wの質量についてランク判定を行うものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上述したX線質量測定装置をランク判定部3に用いて被搬送物WのX線透過データから被搬送物Wの大きさや個数などを算出し、これらについてランク判定するようにしてもよい。なお、被搬送物Wの大きさについてランク判定する場合には、被搬送物Wに応じて異なる大きさ範囲からなる複数の大きさランクが予め設定される。また、被搬送物Wの個数(例えば、そら豆、インゲンマメ、落花生などの豆の個数)についてランク判定する場合には、被搬送物Wに応じて異なる個数範囲からなる複数の個数ランクが予め設定される。さらに、ランク判定する被搬送物Wの対象(質量、大きさ、個数など)を複数組み合わせてもよい。
【0073】
このように、本実施の形態の多段階選別システム1は、供給部2から順次供給される被搬送物Wのランクをランク判定部3にて判定し、このランク判定結果に基づくランク選別情報を判別手段6bに出力する。判別手段6bは、ランク選別情報から被搬送物Wが属するランクを判定し、判定したランクのホッパ5aに被搬送物Wを選別するため、選別制御手段6cに選別制御信号を出力する。選別制御手段6cは、選別制御信号により選別手段4bを制御する。選別手段4bは、ランク判定された被搬送物Wを該当するランクのホッパ5aに導いてホッパ5a内に収容する。ホッパ5a内に収容されて蓄積された被搬送物Wは、質量計測手段5cにて質量が計測され、この計測した質量が設定質量に到達すると、ゲート開閉制御手段6dにてホッパ5aのゲート20が開制御される。その後、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wは、排出搬送手段5bにより搬送され、開制御されたゲート20の開口から出荷品箱21に排出される。これにより、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wを効率的に出荷品箱21に排出し、被搬送物Wを床に落下させて無駄にすることなく品質を確保することができる。しかも、作業者による人手を借りて被搬送物Wを排出する必要がないので、省人化が可能となり、人件費を節約してコスト削減を図ることができる。
【0074】
また、制御部6は、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wの質量が設定質量となったときにゲート20を開制御し、ゲート20が開制御された後に排出搬送手段5bを駆動し、排出搬送手段5bの駆動が停止した後にゲート20を閉制御する。これにより、従来のように、ホッパに蓄積された被搬送物Wを排出し忘れたり、ホッパのシャッタを開操作したままの状態で現場を離れた時に、被搬送物Wがホッパから溢れ出たり、ホッパから排出され続けて床に落下するようなことがなく、被搬送物Wの無駄を減少させ、商品価値の損失を防止できる。その際、ゲート20が回動によって開閉する構成なので、負荷をかけずにゲート20を回動させてホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wを排出することができる。また、ゲート20の閉制御時には、既に排出搬送手段5bの駆動が停止しているので、ゲート20と排出搬送手段5bとの間に被搬送物Wを挟み込む虞もない。
【0075】
さらに、質量計測手段5cとしてロードセルを用いれば、ランク判定部3にて被搬送物Wの1つ1つの質量を正確に測定できなくても、ホッパ5a内に蓄積された被搬送物Wをまとめて正確に質量を計測することができる。そして、被搬送物Wが設定質量となったときにゲート20を開制御し、被搬送物Wをホッパ5aから出荷品箱21に排出するので、被搬送物Wを出荷品箱21に箱詰めする際に、人手による質量計測が不要となって省人化が可能であり、最終的な質量調整もほとんど行わずに済み、作業時間の短縮を図ることができる。
【0076】
なお、質量計測手段5cとしては、ロードセルに限らず、選別に要求される精度を満たす秤量を行うようにし、例えば電磁式、静電容量式、その他の秤量機構などで構成することができる。
【0077】
以上、本発明に係る多段階選別システムの最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。