特許第6556487号(P6556487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556487
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】鉄道車両用台車
(51)【国際特許分類】
   B61F 5/52 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
   B61F5/52
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-89518(P2015-89518)
(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公開番号】特開2016-203865(P2016-203865A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新村 浩
(72)【発明者】
【氏名】金屋 大三
(72)【発明者】
【氏名】坪井 順二
(72)【発明者】
【氏名】高田 伸久
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02030861(EP,A2)
【文献】 米国特許第01882469(US,A)
【文献】 特開2010−149808(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103950455(CN,A)
【文献】 特開昭64−004566(JP,A)
【文献】 特開2010−083215(JP,A)
【文献】 特開昭48−051413(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02174856(EP,A1)
【文献】 特開昭55−059058(JP,A)
【文献】 特許第4889831(JP,B2)
【文献】 特開2011−148367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに沿って前後方向に配置された左側梁及び右側梁と、枕木に沿って左右方向に配置された横梁を有し、前記側梁に前記横梁が保持された鉄道車両用の台車枠と、前記台車枠に備えられて車体を支持する車体支持装置と、前記台車枠に取付けられ車軸を受ける軸受けを備えた軸箱支持装置と、車輪及び車軸を備える鉄道車両用台車において、
前記横梁は上下2分割の構造で、上側に配置される第1横梁と下側に配置される第2横梁とが全ての当接面において結合されずに別れた状態であり、それぞれ前記左側梁と前記右側梁に固定されていること、
を特徴とする鉄道車両用台車。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道車両用台車において、
前記第1横梁と前記第2横梁とが貫通リーマボルトにより、当接して、保持されていること、
を特徴とする鉄道車両用台車。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄道車両用台車において、
前記第1横梁と前記第2横梁とは、一対の保持ブラケットにより挟持されていること、
を特徴とする鉄道車両用台車。
【請求項4】
請求項3に記載の鉄道車両台車において、
前記保持ブラケットに、
空気バネ受け台、左右動ダンパ受け部、ユニットブレーキ受け部、左右動ストップ受け部、及びZリンク受け部が備えられていること、
を特徴とする鉄道車両台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の台車に関し、詳しくは側梁と横梁とからなる台車の横梁の構造を工夫することで、軌道平面性変位の大きな箇所で輪重減少を抑制して脱線を防ぐ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両用台車枠は、レール方向(台車枠の前後方向)に沿って配置された左右2本の側梁と、枕木方向(台車枠の左右方向)に沿って配置された横梁とが連結されて構成されている。こうした形状の鉄道車両用台車枠には、従来から様々な構造のものが提案されている。
【0003】
特許文献1には、鉄道車両用台車枠に関する技術が開示されている。左右の側梁に横梁が接合され、横梁は前後方向に幅広の扁平形状に形成され、側梁を貫通して接合される左右の接合部と、その左右の接合部の間にあって中央に長円形状の貫通孔が形成された中間部とを有している。この中間部にモータが取付けられる場合には、ブラケットによる前後方向の位置調整が必要ないように前後方向の幅寸法が接合部よりも大きく形成されている。また、左右の側梁の内側にブレーキをそれぞれ取付ける左右方向の寸法を有する。この為、機器取付け性に優れた鉄道車両用台車枠を提供可能となっている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いた台車枠を鉄道台車に用い、軌道変位が生じた場所を通過する際は、台車に平面性捻れが生じるものの捻れに追従できずに車輪の輪重抜けなどが発生するおそれがある。例えば、列車の繰り返し通過や自然現象に起因して、レールに予測不可能な不整が生じる場合がある。また、曲線の出入り口には左右レールの高度差が連続的に変化するカント遁減区間が設けられている。この様な箇所では、レールの高さが左右で不均衡となり、台車に捻れが生じる。特に台車の重量が軽い場合は、その影響を強く受けると考えられる。そこで、特許文献2のような技術を用いることが考えられる。
【0005】
特許文献2には、鉄道車両用台車に関する技術が開示されている。車両進行方向にほぼ沿って伸びると共に枕木方向に離間して配置された一対の側梁と、側梁に設けられた輪軸の端部を保持する軸箱と、軸バネを介して軸箱を支持する軸箱支持装置と、枕木方向に沿って伸び、一対の側梁の中間部間を連結する横梁とを備える鉄道車両用台車を、左右の側梁を枕木方向にほぼ沿った回転軸回りに相対回転可能とする軸受部が設けられる。こうすることで、車両の乗り心地及び高速走行性能を確保しつつ、軌道に対する車輪の追従性を増している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4889831号公報
【特許文献2】特開2011―148367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、この平面性捻れに対応するために側梁に軸受けを設ける構造である。軸受けと軸とは、回転摺動部となるため、定期的なメンテナンスが必要である。このメンテナンスは、車両構体を台車から降ろした上で、台車を分解したうえで行う必要があると考えられる。しかし、台車に回転摺動部を備えることで側梁の構造が複雑化し、メンテナンスの頻度が高くする必要があると考えられる他、台車の組み付け精度を高める必要があるなど、メンテナンス作業の困難化が予想される。この為、メンテナンスコストが高くなるなどの問題がある。
【0008】
そこで本発明は、簡素な構成で車輪の輪重抜け防止が可能な鉄道車両用台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の一態様による鉄道車両用台車を、以下のような特徴を有する。
【0010】
(1)レールに沿って前後方向に配置された左側梁及び右側梁と、枕木に沿って左右方向に配置された横梁を有し、前記側梁に前記横梁が保持された鉄道車両用の台車枠と、前記台車枠に備えられて車体を支持する車体支持装置と、前記台車枠に取付けられ車軸を受ける軸受けを備えた軸箱支持装置と、車輪及び車軸を備える鉄道車両用台車において、前記横梁は上下2分割の構造で、上側に配置される第1横梁と下側に配置される第2横梁とが全ての当接面において結合されずに別れた状態であり、それぞれ前記左側梁と前記右側梁に固定されていること、を特徴とする。
【0011】
上記(1)に記載の態様によれば、鉄道車両用台車枠は、横梁と側梁とから構成されており、横梁は上下二つに分かれている。ここで横梁に生じるねじれ剛性とは、側梁に連結される横梁にねじれ方向に力が加わった際に、これに抗する力のことを言う。例えば左側梁の先端部がZ軸方向上側に傾いた際に、右側梁の先端部がZ軸方向下側に傾くことで、左側梁と右側梁が異なる挙動を示し、これに伴って側梁に連結される横梁にはねじれ方向に力が加わる。このように、ねじれ剛性低減部が横梁に設けられることで、台車に対して平面性捻れが発生した際に台車枠が追従し易くなる。日本国内においては、レールの継ぎ目等の位置を左右で合わせるよう敷設したり、レールの点検を頻繁に行って整備したりと、平面性捻れの発生は生じにくい。しかし、海外ではこうした配慮が為されていない国もあり、車両からの重量を受け止めるべく設計された台車の剛性が仇となるケースも想定される。
【0012】
また、課題で示したように、列車の繰り返し通過や自然現象に起因、或いはカント遁減区間など、平面性捻れの発生し易い箇所もある。特に、台車の自重が軽い場合には、この影響が強くなる。このため、左右の側梁を繋ぐ横梁を上下で第1横梁と第2横梁に分けることでねじれ剛性を低減させている。この結果、右側のレールと左側のレールの高さが部分的に異なるような、レール側の問題を台車で吸収することが可能となり、列車の乗り心地の改善や安全性の向上に寄与することができる。
【0013】
(2)(1)に記載の鉄道車両用台車において、前記側梁と前記横梁とを固定する保持ブラケットを有し、前記保持ブラケットは、前記側梁及び前記横梁に固定されることで、前記側梁に対して前記横梁を保持すること、が好ましい。
【0014】
上記(2)に記載に態様により、横梁と側梁とは保持ブラケットによって結合される。この結果、横梁と側梁とを溶接する必要が無くなるため、鉄道車両用台車の部品構造の単純化を図ることができる。
【0015】
(3)(2)に記載の鉄道車両用台車において、前記保持ブラケットに、空気バネ受け台、左右動ダンパ受け部、ユニットブレーキ受け部、左右動ストッパ受け部、及びZリンク受け部が備えられていること、が好ましい。
【0016】
上記(3)に記載の態様により、横梁に空気バネ受け台、左右動ダンパ受け部、ユニットブレーキ受け部、左右動ストッパ受け部、及びZリンク受け部を溶接する必要が無くなる為、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の、鉄道車両用台車枠の全体斜視図である。
図2】第1実施形態の、鉄道車両用の台車枠の正面断面図である。
図3】第1実施形態の、鉄道車両用台車枠の部分側面図である。
図4】第1実施形態の、横梁の分解斜視図である。
図5】第1実施形態の、鉄道車両用の台車の平面図である。
図6】第1実施形態の、鉄道車両用の台車の側面図である。
図7】第2実施形態の、鉄道車両用台車枠の全体斜視図である。
図8】第2実施形態の、空気バネを外した鉄道車両用台車枠の全体斜視図である。
図9】第2実施形態の、鉄道車両用台車枠の分解斜視図である。
図10】第2実施形態の、保持ブラケットを外した鉄道車両台車枠の斜視図である。
図11】第2実施形態の、横梁の分解斜視図である。
図12】第2実施形態の、鉄道車両用台車枠の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明を行う。図1に、第1実施形態の鉄道車両用台車枠100の全体斜視図を示す。図2に、鉄道車両用台車枠100の正面断面図を示す。図3に、鉄道車両用台車枠100の部分側面図を示す。鉄道車両用台車枠100は、横梁110と側梁120とが組み合わされてなる。横梁110は、上側に配置される第1横梁110aと下側に配置される第2横梁110bよりなる。横梁110は、図1に示すように側梁120と接合される横梁端部111と、左側側梁120aと右側側梁120bの間に設けられる横梁中央部112とを有する。
【0019】
第1横梁110aと第2横梁110bは、それぞれ左側側梁120aと右側側梁120bとを貫通して配置される。横梁端部111は幅広の長円形状に形成されており、側梁120と接合された場合に、側梁120の前後方向(即ちレール50に沿った方向)に幅広となるように配置される。横梁中央部112は、横梁端部111よりも前後方向に曲線的に拡幅されて幅広に形成され、その横梁中央部112に軌道面に対して直交する方向に貫通する貫通孔113が設けられている。
【0020】
そして、左側側梁120aと右側側梁120bには、支持金具121が設けられている。支持金具121は複数のリブ121aを有する構造で、リブ121aを介して側梁120に溶接されて固定されている。この支持金具121にはリーマ孔121bが複数設けられている。図4に、横梁110の分解斜視図を示す。第1横梁110a及び第2横梁110bは、図4に示すように、1枚の鉄板をプレス成型して凹状になっている。よって、鉄道車両用台車枠100の材料を組立てると、第1横梁110aと第2横梁110bとが向き合って、中空状の横梁110が出来上がる。第1横梁110aと第2横梁110bは、それぞれ左側側梁120a及び右側側梁120bに結合される。
【0021】
そして、第1横梁110aの両端に配置される横梁端部111にも上側リーマ孔111cが6カ所ずつ設けられている。同様に、第2横梁110bの両端に配置される横梁端部111にも下側リーマ孔111dが6カ所ずつ設けられている。この上側リーマ孔111c及び下側リーマ孔111dと、支持金具121に設けられるリーマ孔121bに、リーマボルト122を貫通させて、第1横梁110a及び第2横梁110bを固定する。
【0022】
なお、図3に示すように、中央に設けられた上側リーマ孔111c及び下側リーマ孔111d、リーマ孔121bには、貫通リーマボルト123が用いられる。貫通リーマボルト123によって、第1横梁110a及び第2横梁110bがスペーサ124を挟んで保持される。この結果、第1横梁110aと第2横梁110bとの相対位置が適切な距離に保たれる。図示されないが、第1横梁110aと第2横梁110bとの間には隙間が形成され、この隙間は横梁110に図1に示すような力がかかった場合に、互いに干渉しない程度に設けられる事が望ましい。
【0023】
図5に、鉄道車両用の台車150の平面図を示す。図6に、鉄道車両用の台車150の側面図を示す。鉄道車両に用いる台車150は、レール50側から、レール50の上を走る車輪20とそれを支える車軸21、車軸21を受ける軸受22、そして軸受22が支持される軸箱支持装置23に、台車150の重量を受ける鉄道車両用台車枠100、そして鉄道車両用台車枠100と車体との間で荷重を伝達する車体支持装置40が備えられる。側梁120には、軸箱支持装置23が取付けられる。これは、台車150がレール50上に配置された場合に、ちょうどレール50と並行に位置する配置である。車体支持装置40の上には図示しない車体が配置される。
【0024】
本実施形態の鉄道車両用台車枠100を備えた台車150は上記構成であるので、以下に示すような作用及び効果を奏する。
【0025】
第1実施形態の台車150は、平面性捻れが発生した際にも鉄道車両用台車枠100が追従することで変位を吸収するので、列車の乗り心地の改善や安全性の向上に寄与することができる。これは第1実施形態の鉄道車両用台車枠100が、レール50に沿って前後方向に配置された左側側梁120a及び右側側梁120bと、枕木に沿って左右方向に配置された横梁110を有し、側梁120に横梁110が接合された鉄道車両用台車枠100と、鉄道車両用台車枠100に備えられて車体を支持する車体支持装置40と、鉄道車両用台車枠100に取付けられ車軸21を受ける軸受22を備えた軸箱支持装置23と、車輪20及び車軸21を備える鉄道車両用台車において、横梁110は上下2分割の構造で、上側に配置される第1横梁110aと下側に配置される第2横梁110bとがそれぞれ左側側梁120aと右側側梁120bに固定されている。
【0026】
この様な構成である為、横梁110が一体で作られる場合に比べて、横梁110の捻れ剛性を低くすることが可能となる。これは、第1横梁110aと第2横梁110bの2つの部品に別れた状態で、それぞれ左側側梁120a及び右側側梁120bにリーマボルト122で固定されているためである。よって、このような横梁110を用いた鉄道車両用台車枠100も、平面性捻れが発生した際にレール50に追従し易くなる。特に、鉄道車両用台車枠100の荷重が軽い場合には輪重抜けが起き易くなるが、本実施形態の鉄道車両用台車枠100は、捻り剛性が低下していることで、平面性捻れに対応して鉄道車両用台車枠100がレール50に追従して変形することができる為、輪重抜けを防ぐことができる。
【0027】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態の構成と似ているが、横梁と側梁との結合方法が異なる。以下に異なる点について説明する。
【0028】
図7に、第2実施形態の、鉄道車両用台車枠200の全体斜視図を示す。第2実施形態の鉄道車両用台車枠200は、横梁210と側梁220とを備える点で第1実施形態とは同じである。ただし、第2実施形態では側梁220に横梁210を保持ブラケット225及びスペーサ226を用いて保持している。図8に、空気バネ130を外した状態の鉄道車両用台車枠200の全体斜視図を示す。図9に、鉄道車両用台車枠200の分解斜視図を示す。図9図8に示される鉄道車両用台車枠200を分解した様子を示している。
【0029】
図10に、保持ブラケット225を外した鉄道車両用台車枠200の斜視図を示す。図11に、横梁210の分解斜視図を示す。横梁210は、図11に示される様に第1横梁210aと第2横梁210bがスペーサ226を挟んで扁平に形成されている。スペーサ226に設けられる6つの貫通孔226cは、後述のボルト230を貫通させるための孔であり、第1横梁210a及び第2横梁210bの横梁端部211にそれぞれ2列ずつ設けられたリーマ孔211cに対応して形成されている。
【0030】
横梁210は、図10に示される様に左側側梁220aと右側側梁220bに貫通する様な形で保持される。保持ブラケット225は、図9に示される様に第1上部保持ブラケット225a1と第1下部保持ブラケット225a2、または第2上部保持ブラケット225b1と第2下部保持ブラケット225b2よりなる。この保持ブラケット225を用いて横梁210と側梁220とが固定される。保持ブラケット225には挿通孔225cがリーマ孔211cに対応するように備えられる。そして、ボルト230が挿通孔225c、リーマ孔211c、貫通孔226cに挿通される。ボルト230の先端にはナット231が締め込まれる。その結果、横梁210と側梁220とが保持ブラケット225によって保持される。
【0031】
保持ブラケット225には、空気バネ受台240が設けられており、その上に空気バネ130を固定する事が可能である。図12に、鉄道車両用台車枠200の部分断面図を示す。なお、本来は中空である空気バネ130等の構成は、説明の都合上簡略化して示している。図7に示す鉄道車両用台車枠200のAA断面を示している。第2上部保持ブラケット225b1には、右動ダンパ受部227にダンパ260が取付けられている。また、保持ブラケット225の端部は左右動ストッパ受けとなっており、左右動ストッパ270が取付けられている。なお、図示していないが、Zリンクを取り付ける為のZリンク受けやユニットブレーキ受けなどを保持ブラケット225に設けても良い。
【0032】
第2実施形態の鉄道車両用台車枠100はこの様な構成であるので、横梁210と側梁220とを溶接することなく保持ブラケット225によって保持する事が可能になる。このため、メンテナンス面で有利に働く。また、横梁210及び側梁220に対して右動ダンパ受部227が設けられ、空気バネ受台240が取付けられており、これらを横梁210や側梁220に直接溶接して取付ける必要が無くなる。つまり、保持ブラケット225に右動ダンパ受部227や空気バネ受台240を設けてユニット化し、鉄道車両用台車枠200に取り付け可能となる。この結果、鉄道車両用台車枠200のメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0033】
以上、本発明に係る鉄道車両用台車の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1実施形態で説明する横梁110の構成であるが、第1横梁110aと第2横梁110bとの間に隙間を設けることを妨げない。また、台車150の形状や構成についても、適宜変更することを妨げない。また、第2実施形態の保持ブラケット225には、右動ダンパ受部227や空気バネ受台240が設けられてユニット化されているが、この他、Zリンク受けやユニットブレーキ受けなどを保持ブラケット225に設けることを妨げない。また、この組み合わせは適宜選択可能である。
【符号の説明】
【0034】
20 車輪
21 車軸
22 軸受
23 軸箱支持装置
40 車体支持装置
50 レール
100 鉄道車両用台車枠
110 横梁
110a、110b 第1横梁、第2横梁
111 横梁端部
112 横梁中央部
113 貫通孔
120 側梁
120a、120b 左側側梁、右側側梁
121 支持金具
122 リーマボルト
150 台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12