特許第6556509号(P6556509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556509
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】光音響画像化装置および光源ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/13 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
   A61B8/13
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-120909(P2015-120909)
(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公開番号】特開2017-660(P2017-660A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】506310865
【氏名又は名称】CYBERDYNE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直人
(72)【発明者】
【氏名】中塚 均
【審査官】 森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−184023(JP,A)
【文献】 特開2013−211528(JP,A)
【文献】 特表2015−509443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00−8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパルス幅のパルス光を所定の発光周期で繰り返し発光して被検体に照射する半導体発光素子からなる光源と、当該光源を駆動する光源駆動部と、前記光源および前記光源駆動部に電力を供給する光源用電池とが一体となって構成される光源ユニットと、前記パルス光を吸収した前記被検体内の検出対象物から発生する光音響波を検出する検出部とを有するプローブ部と、
前記プローブ部と別体にかつ電気的に接続され、前記検出部により検出される光音響波に基づいて、当該光音響波に基づく前記被検体内の画像を生成する制御部を含む装置本体部とを備え、
前記光源ユニットは、前記光源ユニットの識別情報とともに、前記光源の波長、前記光源の波長の組み合わせ、前記光源の光量、前記光源の製造ロット番号、および前記光源の指向特性の少なくともいずれかに関する対応情報を記憶する記憶部を有し、前記検出部を含む前記プローブ部から着脱可能に取り付けられ、
前記制御部は、前記光源ユニットが前記プローブ部に取り付けられている状態で、前記記憶部から取得した前記光源ユニットの識別情報に基づいて、当該記憶部から前記対応情報を取得し、当該対応情報に基づいて、前記光源駆動部の駆動条件である前記光源のパルス光のパルス幅とパルス光の発光周期とを決定する制御を行うとともに、前記光音響波の検出信号の処理条件である当該検出信号の平均化処理の平均化回数と画像化の際の当該検出信号の補正係数とを決定する制御を行う
ことを特徴とする光音響画像化装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶されている前記対応情報は、前記光源の稼働時間、前記光源の耐用時間、前記光源の駆動回数、前記光源ユニットの温度特性、光源用電池の耐用充電回数、および前記光源用電池の充電回数のうちの少なくとも1つの情報を含む前記光源ユニットに関する対応情報とからなり、
前記装置本体部は、
前記制御部により生成された光音響波画像を表示可能な表示部を有し、
前記制御部は、前記記憶部から取得した前記光源ユニットに関する対応情報を前記表示部に表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の光音響画像化装置。
【請求項3】
前記光源情報のうちの前記対応情報には、前記光源ユニットの認証情報を含み、
前記制御部は、当該認証情報に基づいて、前記光源ユニットが正規品であるか否かを判断し、正規品ではないと判断した場合には、前記表示部に非正規品であることを表示するように制御を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光音響画像化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光音響画像化装置に関し、特に、光音響波の検出信号に基づいて画像化を行う光音響画像化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光音響波の検出信号に基づいて画像化を行う光音響画像化装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、超音波プローブと、光源ユニットと、超音波ユニットとを備える光音響画像診断装置(光音響画像化装置)が開示されている。この光音響画像診断装置では、光源ユニットは、被検体に照射するための光を生成するように構成されている。超音波プローブは、光源ユニットからの光を吸収した被検体内の検出対象物から発生する超音波(光音響波)を検出するように構成されている。超音波ユニットは、超音波プローブにより検出された超音波の検出信号に基づいて、画像化を行うように構成されている。
【0004】
ここで、一般的に、光源ユニットは、経年変化による劣化などのために、交換される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−179350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の光音響画像診断装置では、光源ユニットの交換に関して何ら開示されておらず、光源ユニットの交換に対応していないと考えられる。このため、光源ユニットが交換された場合には、光源ユニットの違いに起因して、交換された光源ユニットに応じた適切な制御を行うことが困難であるという問題点があると考えられる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、交換された光源ユニットに応じた適切な制御を行うことが可能な光音響画像化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明においては、光音響画像化装置について、所定のパルス幅のパルス光を所定の発光周期で繰り返し発光して被検体に照射する半導体発光素子からなる光源と、当該光源を駆動する光源駆動部と、光源および光源駆動部に電力を供給する光源用電池とが一体となって構成される光源ユニットと、パルス光を吸収した被検体内の検出対象物から発生する光音響波を検出する検出部とを有するプローブ部と、プローブ部と別体にかつ電気的に接続され、検出部により検出される光音響波に基づいて、当該光音響波に基づく被検体内の画像を生成する制御部を含む装置本体部とを備え、光源ユニットは、光源ユニットの識別情報とともに、光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、および光源の指向特性の少なくともいずれかに関する対応情報を記憶する記憶部を有し、検出部を含むプローブ部から着脱可能に取り付けられ、制御部は、光源ユニットがプローブ部に取り付けられている状態で、記憶部から取得した光源ユニットの識別情報に基づいて、当該記憶部から対応情報を取得し、当該対応情報に基づいて、光源駆動部の駆動条件である光源のパルス光のパルス幅とパルス光の発光周期とを決定する制御を行うとともに、光音響波の検出信号の処理条件である当該検出信号の平均化処理の平均化回数と画像化の際の当該検出信号の補正係数とを決定する制御を行うようにした。
【0009】
かかる構成によれば、光源ユニットが交換される場合に、交換された光源ユニット毎に光量などの光源の特性にばらつきがあるときにも、光源ユニット毎に測定条件にばらつきが生じることを抑制することができるとともに、交換された光源ユニットの光源の特性に起因して測定条件にばらつきが生じたとしても、測定条件のばらつきに起因する影響を低減することができる。
【0010】
さらに本発明においては、前記記憶部に記憶されている前記対応情報は、前記光源の稼働時間、前記光源の耐用時間、前記光源の駆動回数、前記光源ユニットの温度特性、光源用電池の耐用充電回数、および前記光源用電池の充電回数のうちの少なくとも1つの情報を含む前記光源ユニットに関する対応情報とからなり、前記装置本体部は、前記制御部により生成された光音響波画像を表示可能な表示部を有し、前記制御部は、前記記憶部から取得した前記光源ユニットに関する対応情報を前記表示部に表示する制御を行うようにした
【0011】
かかる構成によれば、ユーザは、使用中の光源ユニットにおける対応情報を確認することが可能である。
【0012】
さらに本発明においては、前記光源情報のうちの前記対応情報には、前記光源ユニットの認証情報を含み、前記制御部は、当該認証情報に基づいて、前記光源ユニットが正規品であるか否かを判断し、正規品ではないと判断した場合には、前記表示部に非正規品であることを表示するように制御を行うようにした。
【0013】
かかる構成によれば、ユーザは、光源ユニットが交換される場合に、交換された光源ユニットが非正規品であることを確認することが可能である。
【0020】
上記第2の局面による光源ユニットにおいて、好ましくは、光源ユニット本体の識別情報、光源ユニット本体の光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット本体の温度特性、光源用電池の耐用充電回数、および光源用電池の充電回数のうちの少なくとも1つの情報を含む光源情報を記憶する記憶部を備える。このように構成すれば、上記のような光源情報に基づいて、交換された光源ユニットに関する制御を光音響画像化装置の制御部により容易に行うことができるので、交換された光源ユニットに応じた適切な制御を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、交換された光源ユニットに応じた適切な制御を行うことが可能な光音響画像化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の測定状態を示す模式図である。
図3】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置のプローブ部における光源ユニットの着脱を説明するための図である。
図4】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の光源ユニットに関する表示を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置のパルス光の発光周期を説明するための図である。
図6】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の光音響波の検出信号の平均化処理を説明するための図である。
図7】本発明の第1実施形態による光音響画像化装置の非正規品が接続された場合の表示を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態による光音響画像化装置の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
[第1実施形態]
(光音響画像化装置の構成)
図1図7を参照して、本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100の構成について説明する。
【0026】
本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100は、図1および図2に示すように、人体などの被検体P内の検出対象物Qから発生する光音響波AWを検出するとともに、検出された光音響波AWに基づいて、被検体P内を画像化する装置である。なお、光音響波AWは、被検体P内の検出対象物Qが光を吸収した結果生じる超音波である。
【0027】
光音響画像化装置100は、装置本体部1と、装置本体部1とは別個に設けられるプローブ部2とを備えている。装置本体部1とプローブ部2とは、配線51を介して接続されている。装置本体部1には、制御部30と、表示部40とが設けられている。また、プローブ部2には、光源ユニット10と、検出部20とが設けられている。
【0028】
図1に示すように、光源ユニット10は、人体などの被検体Pに向けて測定のための光を照射するように構成されている。また、図2に示すように、光源ユニット10は、検出部20の近傍において、検出部20を挟むように検出部20の両側に1つずつ配置されている。
【0029】
図3に示すように、2つの光源ユニット10は、共に、プローブ本体部2aに着脱可能に取り付けられている。これにより、2つの光源ユニット10は、交換可能に構成されている。
【0030】
また、図2に示すように、2つの光源ユニット10は、配線51を介して装置本体部1にそれぞれ接続されている。また、2つの光源ユニット10は、配線51を介して装置本体部1からの制御信号などが供給されるように構成されている。2つの光源ユニット10は、配置が異なる点を除いて略同様の構成であるので、以下では、1つの光源ユニット10について説明する。
【0031】
図1および図2に示すように、光源ユニット10には、光源用電池11と、光源駆動部12と、半導体発光素子13と、記憶部14とが設けられている。光源用電池11と、光源駆動部12と、半導体発光素子13と、記憶部14とは、光源ユニット本体10aに設けられている。
【0032】
光源用電池11は、充電可能な二次電池を含んでいる。また、光源用電池11は、光源駆動部12を介して、半導体発光素子13に発光のための電力を供給するように構成されている。
【0033】
光源駆動部12は、光源用電池11から電力を取得するとともに、制御部30からの制御信号に基づいて、半導体発光素子13に電力を供給するように構成されている。
【0034】
半導体発光素子13は、光源駆動部12からの電力により、人体などの被検体Pの測定に適した赤外領域の測定波長の光(たとえば、約700nm〜約1000nmに中心波長を有する光)を発生するように構成されている。なお、半導体発光素子13で発生する光の測定波長は、検出を所望する検出対象物Qに応じて適宜決定されればよい。
【0035】
半導体発光素子13としては、たとえば、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子、または有機発光ダイオード素子を用いることが可能である。この場合、比較的小型である半導体発光素子13を光源として用いることにより、光源ユニット10を小型化することができるので、小型化された光源ユニット10を容易に交換することが可能になる。
【0036】
また、図5に示すように、光源ユニット10の半導体発光素子13は、光源駆動部12からの電力に応じて、パルス幅taのパルス光を、発光周期Taで繰り返し発光可能に構成されている。
【0037】
ここで、第1実施形態では、記憶部14は、光源ユニット10に関する光源情報を記憶するように構成されている。具体的には、記憶部14は、光源ユニット本体10aの光源(半導体発光素子13。以下、光源という場合には、同様)の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性(配光特性)、光源ユニット本体10aの温度特性、光源用電池11の耐用充電回数、および光源用電池11の充電回数の情報を含む光源情報を記憶するように構成されている。光源情報に係る制御部30の制御の詳細については、後述する。
【0038】
図1および図2に示すように、検出部20は、圧電素子などの超音波振動子を含み、プローブ本体部2aに設けられている。また、検出部20は、配線51を介して装置本体部1と接続されている。検出部20では、超音波振動子は、被検体Pに当接する側において、アレイ状に配列されている。
【0039】
検出部20は、光源ユニット10から照射された光を吸収した被検体P内の検出対象物Qから発生する光音響波AWによって超音波振動子が振動されることにより、光音響波AWを検出するように構成されている。
【0040】
また、検出部20は、制御部30から出力される制御信号に基づいて、超音波振動子を振動させることにより、被検体Pに向けて超音波UWを送信可能に構成されている。また、検出部20は、超音波振動子から送信され被検体P内で反射された超音波UWによって超音波振動子が振動されることにより、超音波UWを検出するように構成されている。また、検出部20は、検出された光音響波AWの検出信号および超音波UWの検出信号を、配線51を介して制御部30に出力するように構成されている。
【0041】
なお、本明細書では、説明の都合上、被検体P内の検出対象物Qが光を吸収することにより発生する超音波を「光音響波」として、検出部20の超音波振動子により発生されるとともに、被検体P内で反射される超音波を「超音波」として区別して記載する。
【0042】
制御部30は、CPUを含み、図1に示すように、検出部20により検出される検出信号(光音響波AWの検出信号および超音波UWの検出信号)に基づいて、被検体P内の画像化を行うように構成されている。
【0043】
具体的には、制御部30は、光音響波AWの検出信号に基づいて、光音響波AWに基づく画像(以下、光音響波画像という)を生成するように構成されている。また、制御部30は、超音波UWの検出信号に基づいて、超音波UWに基づく画像(以下、超音波画像という)を生成するように構成されている。
【0044】
また、制御部30は、光音響波画像と超音波画像とを重畳するように合成することが可能に構成されている。これにより、被検体P内の多様な情報を画像化することが可能になる。
【0045】
図1および図2に示すように、表示部40は、一般的な液晶方式のモニタなどにより構成されている。また、表示部40は、制御部30により生成された光音響波画像、超音波画像、または光音響波画像と超音波画像とを合成した合成画像などを表示可能に構成されている。
【0046】
(光源情報に係る制御部の構成)
ここで、第1実施形態では、制御部30は、光源ユニット10から光源情報を取得するとともに、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する制御を行うように構成されている。
【0047】
具体的には、図4に示すように、制御部30は、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。
【0048】
具体的には、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の波長(約750nmなど)、または光源の波長の組み合わせ(約750nmおよび約850nmの組み合わせなど)の少なくともいずれかに基づいて、光源の波長の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源ユニット10から照射される光の波長または光の波長の組み合わせを確認することが可能である。
【0049】
また、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の稼働時間に基づいて、光源の稼働時間の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源の稼働時間を確認することが可能である。なお、図4では、光源の稼働時間の情報を表示部40のモニタ上に表示する例を示したが、これに限られず、取得された光源情報のうちの駆動回数に基づいて、駆動回数の情報を表示部40のモニタ上に表示してもよい。
【0050】
また、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の稼働時間、光源の耐用時間、および光源の駆動回数(駆動パルス回数など)に基づいて、光源の交換時期の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源の交換時期を確認することが可能である。なお、図4では、使用中の光源の交換時期の情報を表示部40のモニタ上に表示する例を示したが、これに限られず、光源の交換を促すメッセージを表示部40のモニタ上に表示してもよい。
【0051】
また、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源ユニット本体10aの温度特性に基づいて、光源ユニット10内の温度の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源ユニット10内の温度を確認することができるので、光源ユニット10内の温度を考慮しながら、光音響波AWの測定を行うことが可能である。
【0052】
なお、光源ユニット本体10aの温度特性は、光源ユニット10の駆動状況と光源ユニット10内の温度とを対応付けた情報を含んでいる。これにより、光源ユニット10の駆動状況から、光源ユニット10内の温度を取得することが可能である。その結果、光源ユニット10に温度センサを設けなくとも、光源ユニット10内の温度を取得することが可能である。
【0053】
また、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源用電池11の充電回数に基づいて、光源用電池11の充電回数の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源用電池11の充電回数を確認することが可能である。
【0054】
また、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源用電池11の耐用充電回数、および光源用電池11の充電回数に基づいて、光源用電池11の交換時期の情報を表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、使用中の光源用電池11の交換時期を確認することが可能である。なお、図4では、光源用電池11の交換時期の情報を表示部40のモニタ上に表示する例を示したが、これに限られず、光源用電池11の交換を促すメッセージを表示部40のモニタ上に表示してもよい。
【0055】
また、第1実施形態では、制御部30は、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット10の駆動条件を決定する制御を行うように構成されている。
【0056】
具体的には、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の波長、または光源の波長の組み合わせの少なくともいずれかに基づいて、光源に印加する電圧値を決定する制御を行うように構成されている。これにより、光源の波長により適正な印加電圧が異なる場合にも、光源に適切な電圧を印加することが可能である。なお、光源の波長、および光源の波長の組み合わせは、光源(半導体発光素子13)の接続状態(直列接続や並列接続など)や接続個数の情報を含んでいる。
【0057】
また、図5に示すように、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、および光源の指向特性の少なくともいずれかに基づいて、パルス光のパルス幅taやパルス光の発光周期Taなどを決定する制御を行うように構成されている。これにより、光源ユニット10が交換される場合に、交換された光源ユニット10毎に光量などの光源の特性にばらつきがあるときにも、光源ユニット10毎に測定条件にばらつきが生じることを抑制することが可能である。
【0058】
また、第1実施形態では、制御部30は、取得された光源情報に基づいて、光音響波の検出信号の処理条件を決定する制御を行うように構成されている。
【0059】
具体的には、図6に示すように、制御部30は、取得された光源情報のうちの光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、および光源の指向特性の少なくともいずれかに基づいて、光音響波AWの検出信号の平均化処理の平均化回数Nや、画像化の際の光音響波AWの検出信号の補正係数などを決定する制御を行うように構成されている。これにより、交換された光源ユニット10の光源の特性に起因して測定条件にばらつきが生じたとしても、測定条件のばらつきに起因する影響を低減することが可能である。
【0060】
また、第1実施形態では、制御部30は、光源情報のうちの光源の稼働時間、光源の駆動回数、および光源用電池11の充電回数の情報を、光源ユニット10の記憶部14に書き込むことにより、更新する制御を行うように構成されている。
【0061】
また、第1実施形態では、光源ユニット10の記憶部14は、光源情報として光源ユニット10の認証情報を記憶するように構成されている。なお、認証情報は、光源ユニット10が正規品であるか否かを判断するための情報である。
【0062】
制御部30は、取得された認証情報に基づいて、プローブ本体部2aに装着された光源ユニット10が正規品であるか否かを判断するように構成されている。
【0063】
また、図7に示すように、制御部30は、プローブ本体部2aに装着された光源ユニット10が正規品ではないと判断される場合には、プローブ本体部2aに装着された光源ユニット10が非正規品であることを表示部40のモニタ上に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザは、光源ユニット10が交換される場合に、交換された光源ユニット10が非正規品であることを確認することが可能である。
【0064】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
第1実施形態では、上記のように、被検体Pに光を照射する光源ユニット10から、光源ユニット10に関する光源情報を取得するとともに、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する制御を行う制御部30を設ける。これにより、光源ユニット10が交換されたとしても、交換された光源ユニット10の光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する制御を行うことができる。その結果、交換された光源ユニット10に応じた適切な制御を行うことができる。特に、光源の波長を変更する場合などに光源ユニット10を交換する必要性が高い半導体発光素子13を光源として用いる場合には、この効果は有効である。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報は、光源ユニット本体10aの光源(半導体発光素子13)の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット本体10aの温度特性、光源用電池11の耐用充電回数、および光源用電池11の充電回数の情報を含む。これにより、上記のような光源情報に基づいて、交換された光源ユニット10に関する制御を容易に行うことができるので、交換された光源ユニット10に応じた適切な制御を容易に行うことができる。
【0067】
また、第1実施形態では、上記のように、光源ユニット10から、光源情報として、光源ユニット10の光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット10の温度特性、光源用電池11の耐用充電回数、光源用電池11の充電回数の情報が取得される場合には、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する制御を行うように制御部30を構成する。これにより、光源ユニット10から、光源情報として、光源ユニット10の光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット10の温度特性、光源用電池11の耐用充電回数、光源用電池11の充電回数の情報を取得することができるので、上記のような光源情報が光音響画像化装置100側に格納されていない場合にも、光源ユニット10に応じた適切な制御を行うことができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報に基づいて、光源ユニット10に関する情報を表示部40に表示する制御を行うように制御部30を構成する。これにより、交換された光源ユニット10に関する情報を表示部40に表示して、交換された光源ユニット10に関する情報をユーザに知らせることができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報に基づいて、光源ユニット10の駆動条件を決定する制御を行うように制御部30を構成する。これにより、交換された光源ユニット10に応じた駆動条件で、光源ユニット10を駆動することができるので、交換された光源ユニット10に応じた適切な光源ユニット10の駆動制御を行うことができる。特に、光源の使用回数(発光回数)に応じた光量のばらつきや、光源の製造ロット毎の光量のばらつきなどが生じ易い半導体発光素子13を光源として用いる場合には、この効果は有効である。
【0070】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報に基づいて、光音響波AWの検出信号の処理条件を決定する制御を行うように制御部30を構成する。これにより、交換された光源ユニット10に応じた処理条件で、光音響波AWの検出信号を処理することができるので、交換された光源ユニット10に応じた適切な光音響波AWの検出信号の処理を適切に行うことができる。特に、光源の使用回数(発光回数)に応じた光量のばらつきや、光源の製造ロット毎の光量のばらつきなどが生じ易い半導体発光素子13を光源として用いる場合には、この効果は有効である。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報(光源の稼働時間、光源の駆動回数、および光源用電池11の充電回数)を更新する制御を行うように制御部30を構成する。これにより、光源の稼働時間、光源の駆動回数、および光源用電池11の充電回数の情報を更新することができるので、更新された光源の稼働時間、光源の駆動回数、および光源用電池11の充電回数の情報に基づいて、光源ユニット10に関する制御を適切に行うことができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、光源情報は、光源ユニット10の認証情報を含む。これにより、認証情報に基づいて、交換された光源ユニット10が正規品であるか否かを判断することができる。その結果、品質が保証されない非正規品が使用されることを抑制することができる。
【0073】
また、第1実施形態では、上記のように、光源ユニット10の半導体発光素子13として、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子または有機発光ダイオード素子を用いる。これにより、固体レーザ光源を用いる場合と比べて、光源の消費電力の低減および光源ユニット10の小型化などの利点を得ることができる。
【0074】
[第2実施形態]
次に、図8を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、光源ユニットから光源IDを取得する例について説明する。
【0075】
(光音響画像化装置の構成)
本発明の第2実施形態による光音響画像化装置200は、図8に示すように、装置本体部101とプローブ部102とを備える点で、上記第1実施形態の光音響画像化装置100と相違する。装置本体部101は、制御部130と記憶部150とを含む点で、上記第1実施形態の装置本体部1と相違する。プローブ部102は、光源ユニット110を含む点で、上記第1実施形態のプローブ部2と相違する。光源ユニット110は、記憶部114を含む点で、上記第1実施形態の光源ユニット10と相違する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0076】
第2実施形態では、光源ユニット110の記憶部114は、光源IDを記憶するように構成されている。なお、光源IDは、光源ユニット110を識別するための情報である。また、光源IDは、本発明の「光源情報」および「光源ユニットの識別情報」の一例である。
【0077】
また、第2実施形態では、装置本体部101の記憶部150は、光源IDに対応するとともに、光源ユニット110に関する対応情報を複数含む光源DB(データベース)を記憶するように構成されている。なお、対応情報は、光源ユニット本体10aの光源(半導体発光素子13)の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性(配光特性)、光源ユニット本体10aの温度特性、光源用電池11の耐用充電回数、および光源用電池11の充電回数の情報を含んでいる。
【0078】
ここで、第2実施形態では、制御部130は、光源ユニット110から光源IDが取得される場合には、光源IDに基づいて、記憶部150から対応情報を取得するとともに、取得された対応情報に基づいて、光源ユニット110に関する制御を行うように構成されている。
【0079】
具体的には、制御部130は、光源IDに基づいて、記憶部150の光源DBから、プローブ部2aに装着中の光源ユニット110に対応する対応情報を検索して取得するように構成されている。そして、制御部130は、取得された対応情報に基づいて、上記第1実施形態と同様に、光源ユニット110に関する制御を行うように構成されている。
【0080】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
第2実施形態では、上記のように、被検体Pに光を照射する光源ユニット110から、光源ユニット110に関する光源情報を取得するとともに、取得された光源情報に基づいて、光源ユニット110に関する制御を行う制御部130を設ける。これにより、上記第1実施形態と同様に、交換された光源ユニット110に応じた適切な制御を行うことができる。
【0083】
また、第2実施形態では、上記のように、光源情報は、光源IDである。これにより、交換された光源ユニット110の光源IDに基づいて、光源ユニット110に関する制御を容易に行うことができるので、交換された光源ユニット110に応じた適切な制御を容易に行うことができる。
【0084】
また、第2実施形態では、上記のように、光源ユニット110から光源情報として光源ユニット110の光源IDが取得される場合には、光源ユニット110の識別情報に基づいて、記憶部150から対応情報を取得するとともに、取得された対応情報に基づいて、光源ユニット110に関する制御を行うように制御部130を構成する。これにより、光源ユニット110から光源情報として光源ユニット110の光源IDが取得されるだけで、光源ユニット110に応じた適切な制御を行うことができる。
【0085】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0086】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0087】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、プローブ本体部に着脱可能に取り付けられた光源ユニットを用いる光音響画像化装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、交換可能な光源ユニットを用いる光音響画像化装置であれば、どのような光音響画像化装置に適用されてもよい。たとえば、プローブ部ごと光源ユニットを交換する光音響画像化装置にも、適用可能である。
【0088】
また、上記第1および第2実施形態では、光源ユニットの駆動条件、および光音響波の検出信号の処理条件の両方を決定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源ユニットの駆動条件、または光音響波の検出信号の処理条件のいずれか一方だけを決定してもよい。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態では、光源の波長の情報、光源の稼働時間の情報、光源の交換時期の情報、光源ユニット内の温度の情報、光源用電池の充電回数の情報、および光源用電池の交換時期の情報を一度に表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源の波長の情報、光源の稼働時間の情報、光源の交換時期の情報、光源ユニット内の温度の情報、光源用電池の充電回数の情報、および光源用電池の交換時期の情報を個別に表示してもよい。
【0090】
また、上記第1および第2実施形態では、モニタなどにより構成された表示部を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、モニタなどにより構成された表示部以外の表示部を用いてもよい。たとえば、発光状態(点灯や点滅など)や色などを異ならせることにより、情報を表示するLEDなどにより構成された表示部を用いてもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、光源ユニット本体の光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット本体の温度特性、光源用電池の耐用充電回数、および光源用電池の充電回数の情報を光源情報が含んだ例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源ユニット本体の識別情報、光源ユニット本体の光源の波長、光源の波長の組み合わせ、光源の光量、光源の製造ロット番号、光源の稼働時間、光源の耐用時間、光源の駆動回数、光源の指向特性、光源ユニット本体の温度特性、光源用電池の耐用充電回数、および光源用電池の充電回数のうちの少なくとも1つの情報を光源情報が含んでいてもよい。
【0092】
また、上記第1および第2実施形態では、プローブ部に光源用電池を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、装置本体部に光源用電池を設けてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10、110 光源ユニット
13 半導体発光素子
14、114 (光源ユニットの)記憶部
30、130 制御部
40 表示部
100、200 光音響画像化装置
150 (光音響画像化装置の)記憶部
P 被検体
Q 検出対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8