特許第6556510号(P6556510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556510タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556510
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20190729BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G06F3/041 422
   G06F3/041 490
   G06F3/044 128
   G06F3/044 127
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-121066(P2015-121066)
(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公開番号】特開2017-4462(P2017-4462A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】518236856
【氏名又は名称】株式会社VTSタッチセンサー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】橋田 裕功
(72)【発明者】
【氏名】山中 茂
(72)【発明者】
【氏名】中田 友則
【審査官】 佐伯 憲太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−037683(JP,A)
【文献】 特開2011−159492(JP,A)
【文献】 特開2004−228449(JP,A)
【文献】 特開2015−069611(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0092359(US,A1)
【文献】 特表2012−519329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って並ぶ複数のドライブ電極であって、複数の前記ドライブ電極の各々が前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びる複数の前記ドライブ電極と、
前記第2方向に沿って並ぶ複数のセンシング電極であって、複数の前記センシング電極の各々が前記第1方向に沿って延びる複数の前記センシング電極と、
複数の前記ドライブ電極と、複数の前記センシング電極とに挟まれる透明誘電体基板と、を備え、
複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極とは、いずれも6角形の基準パターンがハニカム状に配置されたメッシュパターンからなり、
複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極の少なくとも一方における前記6角形は、2種類以上の異なる線幅からなる6辺により形成されることを特徴とするタッチセンサ用電極。
【請求項2】
前記6角形を形成する前記6辺の2種類以上の線幅の配置は、周期性がないことを特徴とする、請求項1に記載のタッチセンサ用電極。
【請求項3】
前記第1方向に沿って並ぶ複数の前記ドライブ電極と、前記第2方向に沿って並ぶ複数の前記センシング電極の少なくとも一方は、隣り合う電極同士で、各々の前記6角形内部の面積が異なる電極を含むことを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載のタッチセンサ用電極。
【請求項4】
前記ドライブ電極は、
前記基準パターンを含み、前記第2方向に沿って並ぶ複数の第1検出部と、
前記基準パターンから構成され、前記第2方向にて相互に隣り合う2つの前記第1検出部を接続する第1接続部と、を備え、
前記センシング電極は、
前記基準パターンを含み、前記第1方向に沿って並ぶ複数の第2検出部と、
前記基準パターンから構成され、前記第1方向にて相互に隣り合う2つの前記第2検出部を接続する第2接続部と、を備え、
平面視にて、前記第1接続部の中心は、前記第2接続部の中心と一致し、
前記第1検出部は、前記第2方向において相互に隣り合う前記センシング電極の間に位置し、かつ、前記第1方向において相互に隣り合う2つの前記第2検出部の間に位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のタッチセンサ用電極。
【請求項5】
複数のドライブ電極と、複数のセンシング電極と、複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極とに挟まれる透明誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、
前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、
前記ドライブ電極と前記センシング電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備え、前記タッチセンサ用電極は、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極であることを特徴とするタッチパネル。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向とに沿ってマトリクス状に並ぶ複数の画素を有して、前記画素を用いて情報を表示する表示パネルと、
タッチパネルを駆動する駆動回路と、
前記表示パネルの表示する前記情報を透過する前記タッチパネルと、を備え、
前記タッチパネルは、請求項5に記載のタッチパネルであることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電極線を備えるタッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の備えるタッチセンサは、タッチセンサ用電極の一例であるドライブ電極とセンシング電極とを備え、指などが表示装置の操作面に接触することをドライブ電極とセンシング電極との間の静電容量の変化として検出する。表示装置の表示パネルが形成する画像は、ドライブ電極とセンシング電極とを通して操作面に出力されるため、ドライブ電極とセンシング電極とは、例えば、相互に間隔を空けて並べられた多数の直線形状を有する電極線の集合によって構成されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−79238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ドライブ電極の電極線とセンシング電極の電極線とは、ドライブ電極とセンシング電極とが積み重なる方向から見て、通常矩形格子形状を形成している。一方で、表示パネルは、ドライブ電極の並ぶ方向と、センシング電極の並ぶ方向とに沿ってマトリクス状に並ぶ複数の画素を有し、複数の画素の各々は、矩形格子形状を有するブラックマトリクスによって区画されている。そのため、表示装置において、タッチセンサ用電極の形成する矩形格子形状と、ブラックマトリクスの有する矩形格子形状とに応じたモアレが生じてしまい、結果として、操作面に出力された表示品位が低下してしまう。
【0005】
本発明は、モアレが生じることを抑えられるタッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1方向に沿って並ぶ複数のドライブ電極であって、複数の前記ドライブ電極の各々が前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びる複数の前記ドライブ電極と、前記第2方向に沿って並ぶ複数のセンシング電極であって、複数の前記センシング電極の各々が前記第1方向に沿って延びる複数の前記センシング電極と、複数の前記ドライブ電極と、複数の前記センシング電極とに挟まれる透明誘電体基板と、を備え、複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極とは、いずれも6角形の基準パターンがハニカム状に配置されたメッシュパターンからなり、複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極の少なくとも一方における前記6角形は、2種類以上の異なる線幅からなる6辺により形成されることを特徴とするタッチセンサ用電極としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記6角形を形成する前記6辺の2種類以上の線幅の配置は、周期性がないことを特徴とする、請求項1に記載のタッチセンサ用電極としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記第1方向に沿って並ぶ複数の前記ドライブ電極と、前記第2方向に沿って並ぶ複数の前記センシング電極の少なくとも一方は、隣り合う電極同士
で、各々の前記6角形内部の面積が異なる電極を含むことを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載のタッチセンサ用電極としたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記ドライブ電極は、前記基準パターンを含み、前記第2方向に沿って並ぶ複数の第1検出部と、前記基準パターンから構成され、前記第2方向にて相互に隣り合う2つの前記第1検出部を接続する第1接続部と、を備え、前記センシング電極は、前記基準パターンを含み、前記第1方向に沿って並ぶ複数の第2検出部と、前記基準パターンから構成され、前記第1方向にて相互に隣り合う2つの前記第2検出部を接続する第2接続部と、を備え、平面視にて、前記第1接続部の中心は、前記第2接続部の中心と一致し、前記第1検出部は、前記第2方向において相互に隣り合う前記センシング電極の間に位置し、かつ、前記第1方向において相互に隣り合う2つの前記第2検出部の間に位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のタッチセンサ用電極としたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、複数のドライブ電極と、複数のセンシング電極と、複数の前記ドライブ電極と複数の前記センシング電極とに挟まれる透明誘電体基板と、を備えるタッチセンサ用電極と、前記タッチセンサ用電極を覆うカバー層と、前記ドライブ電極と前記センシング電極との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備え、前記タッチセンサ用電極は、請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ用電極であることを特徴とするタッチパネルとしたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記第1方向と前記第2方向とに沿ってマトリクス状に並ぶ複数の画素を有して、前記画素を用いて情報を表示する表示パネルと、タッチパネルを駆動する駆動回路と、前記表示パネルの表示する前記情報を透過する前記タッチパネルと、を備え、前記タッチパネルは、請求項5に記載のタッチパネルであることを特徴とする表示装置としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、(1)モアレが生じることが抑えられる。
【0013】
本発明では、モアレ解消の主目的以外に、以下の(2)、(3)の作用効果を奏する。(2)原則的に正6角形、別の実施形態として図8(後述)に例示するような縦横に圧縮(あるいは拡大)した6角形を採用するため、平面充填が容易である。従って、平面をトリミングしてメッシュ電極の外形を規定する取扱い上での優位性を有する。
【0014】
(3)金属層のエッチングにより電極パターンを製造する際、鋭角(90°以下)部分を含むパターンでは、エッチャントの挙動が複雑となり、設計通りの加工が困難になることが経験的に知られている。4角形以上の多角形ではパターンを規定する全ての角度を直角以上(正六角形の場合は120°)にしやすいため、設計通りの加工を安定して行なう上での優位性も有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を具体化した表示装置の平面構造を示す平面図であって、相互に異なる構成要素の一部が重なる順に切り欠いて示される図である。
図2】本発明の実施形態における表示装置の断面構造を示す断面図である。
図3】本発明の実施形態におけるタッチパネルの電気的構成を説明するためのブロック図である。
図4】本発明の実施形態におけるドライブ電極の配置の一部(図1のA部)を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態におけるドライブ電極の一部(図4のB部)を示す部分拡大図である。
図6】本発明の別の実施形態におけるドライブ電極の配置の一部(図1のA部)を示す平面図である。
図7】本発明の別の実施形態におけるドライブ電極の一部(図4のB部)を示す部分拡大図である。
図8】本発明の別の実施形態におけるドライブ電極の一部(図4のB部)を示す部分拡大図である。
図9】本発明の実施形態におけるドライブ電極とセンシング電極との配置の関係を示す平面図である。
図10】本発明の作用を説明するための作用図である。
図11】他の変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
図12】他の変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、タッチセンサ用電極、タッチパネル、および、表示装置を具体化した本発明の実施形態を説明する。以下では、表示装置の構成、ドライブ電極の構成、タッチセンサ用電極の構成、および、タッチセンサ用電極の作用を順番に説明する。
【0017】
[表示装置]
図1を参照して表示装置を説明する。図1には、表示装置の備えるカラーフィルタ層、ドライブ面に形成されるドライブ電極、および、センシング面に形成されるセンシング電極の構成を示すが、説明の便宜上、カラーフィルタ層、ドライブ電極、および、センシング電極が誇張して示されている。また、図1では、図示の便宜上、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとにドットが付されている。
【0018】
図1が示すように、表示装置は、例えば液晶パネルである表示パネル10とタッチパネル20とが、1つの透明接着層によって貼り合わされた積層体であり、タッチパネル20を駆動する駆動回路を備えている。表示パネル10の表面には、矩形形状に形成された表示面10Sが区画され、表示面10Sには、外部からの画像データに基づく画像などの情報が表示される。尚、表示パネル10とタッチパネル20との相対的な位置が筐体などの他の構成によって固定される前提であれば、透明接着層が割愛されてもよい。
【0019】
表示パネル10は、カラーフィルタ層15を備え、カラーフィルタ層15において、ブラックマトリクス15aが、ドライブ電極31DPにおいて定められる第1方向D1と、第1方向D1と直交し、センシング電極33SPにおいて定められる第2方向D2とに沿って並ぶ複数の単位格子から構成される格子形状を有している。ブラックマトリクス15aを構成する各単位格子が区画する領域には、赤色を表示するための赤着色層15R、緑色を表示するための緑着色層15G、および、青色を表示するための青着色層15Bのいずれかが位置している。
【0020】
カラーフィルタ層15において、例えば、複数の赤着色層15R、複数の緑着色層15G、および、複数の青着色層15Bの各々は、第2方向D2に沿って並んでいる。
1つの赤着色層15R、1つの緑着色層15G、および、1つの青着色層15Bは、1つの画素15Pを構成し、複数の画素15Pは、第1方向D1における赤着色層15R、緑着色層15G、および、青着色層15Bの並ぶ順番を維持した状態で、第1方向D1に沿って並んでいる。各画素15Pにおける第1方向D1に沿った幅が第1画素幅WP1であり、第2方向D2に沿った幅が第2画素幅WP2であり、各着色層における第1方向D1に沿った幅が第3画素幅WP3である。第1画素幅WP1、第2画素幅WP2、および、第3画素幅WP3の各々は、表示装置の解像度などに応じた値に設定されている。
【0021】
タッチパネル20は、静電容量式のタッチパネルであり、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが透明接着層23によって貼り合わされた積層体であり(図2も参照)、表示パネル10の表示する情報を透過する。カバー層22は、ガラス基板や樹脂フィルムなどによって形成され、カバー層22における透明接着層23とは反対側の面は、タッチパネル20における操作面20Sとして機能する。透明接着層23は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性を有し、透明接着層23には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤が用いられる。
【0022】
タッチセンサ用電極21を構成する透明基板31は、表示パネル10に形成された表示面10Sの全体に重ねられて、表示面10Sに形成される画像を透過する。透明基板31は、例えば、透明ガラス基板や透明樹脂フィルムなどの基材から構成されて、1つの基材から構成される単層構造であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造であってもよい。
【0023】
各ドライブ電極31DPの形成材料には、銅やアルミニウムなどの金属膜、酸化亜鉛などの金属酸化物膜、および、酸化インジウム錫や酸化インジウムガリウム亜鉛などのインジウム、スズ、ガリウム、および、亜鉛などの金属酸化物を含む複合酸化物膜が用いられる。また、各ドライブ電極31DPの形成材料には、銀ナノワイヤー、導電性高分子膜、および、グラフェン膜などの導電膜も用いられる。
【0024】
ドライブ電極31DPの各々は、個別に選択回路に接続して、選択回路が供給する駆動信号を受けることにより、選択回路によって選択される(図3も参照)。
ドライブ面31S、および、複数のドライブ電極31DPは、1つの透明接着層32によって透明誘電体基板33に貼り合わされている。透明接着層32は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性を有して、ドライブ面31S、および、複数のドライブ電極31DPと、透明誘電体基板33とを接着する。透明接着層32には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤などが用いられる。透明接着層32、および、透明誘電体基板33は、誘電体基材を構成し、誘電体基材の裏面に、複数のドライブ電極31DPが形成されている。
【0025】
透明誘電体基板33は、例えば、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂フィルムや透明ガラス基板などの基材から構成されて、1つの基材から構成される単層構造であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造であってもよい。透明誘電体基板33は、表示面10Sに表示される画像を透過する光透過性と、電極間における静電容量の検出に適した比誘電率とを有する。
【0026】
各センシング電極33SPの形成材料には、上述したドライブ電極31DPと同様、銅やアルミニウムなどの金属膜、酸化亜鉛などの金属酸化物膜、および、酸化インジウム錫や酸化インジウムガリウム亜鉛などのインジウム、スズ、ガリウム、および、亜鉛などの金属酸化物を含む複合酸化物膜が用いられる。また、各センシング電極33SPの形成材料には、銀ナノワイヤー、導電性高分子膜、および、グラフェン膜などの導電膜も用いられる。
【0027】
センシング電極33SPの各々は、個別に検出回路に接続されて、センシング電極33SPごとの電圧が、検出回路によって検出される。タッチセンサ用電極21、選択回路、および、検出回路が、タッチセンサの一例である。
【0028】
透明誘電体基板33における透明接着層32とは反対側の面は、センシング面33Sとして設定され、センシング面33S、および、複数のセンシング電極33SPは、上述した透明接着層23によってカバー層22に貼り合わされている。
すなわち、図2で示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、透明基板31、ドライブ電極31DP、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置している。このうち、透明誘電体基板33は、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとに挟まれている。
【0029】
尚、透明接着層32は、ドライブ電極31DPを構成する電極線の周りを覆って、隣り合う電極線の間を埋めながら、ドライブ電極31DPと透明誘電体基板33との間に位置している。また、透明接着層23は、センシング電極33SPを構成する電極線の周りを覆って、隣り合う電極線の間を埋めながら、センシング電極33SPとカバー層22との間に位置している。これらの構成要素において、透明接着層23、および、透明基板31の少なくとも一方は、割愛されてもよい。
【0030】
また、表示パネル10では、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、表示パネル10を構成する複数の構成要素が以下のように並んでいる。すなわち、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、下側偏光板11、薄膜トランジスタ(以下、TFT)基板12、TFT層13、液晶層14、カラーフィルタ層15、カラーフィルタ基板16、上側偏光板17が位置している。このうち、TFT層13には、サブ画素を構成する画素電極がマトリクス状に位置している。そして、カラーフィルタ層15では、ブラックマトリクス15aが、サブ画素の各々と向かい合う矩形形状を有する複数の領域を区画し、ブラックマトリクス15aの区画する各領域には、白色光を赤色、緑色、および、青色のいずれかの色の光に変える上述した着色層が位置している。
【0031】
尚、表示パネル10は、液晶パネルでなくともよく、例えば、有機ELパネルなどであってもよい。
尚、透明接着層23の割愛される構成においては、カバー層22の面の中で透明誘電体基板33と対向する面がセンシング面33Sとして設定され、センシング面33Sに形成される1つの薄膜のパターニングによって、複数のセンシング電極33SPが形成されてもよい。
【0032】
また、タッチパネル20の製造に際しては、タッチセンサ用電極21とカバー層22とが、透明接着層23によって貼り合わされる方法が採用されてもよいし、こうした製造方法とは異なる他の例として、以下の製造方法が採用されてもよい。すなわち、樹脂フィルムなどのカバー層22に銅などの導電性金属から構成される薄膜層を直に、もしくは、下地層を介して形成し、薄膜層の上にセンシング電極のパターン形状を有したレジスト層を形成する。次いで、塩化第二鉄などを用いたウェットエッチング法によって、薄膜層を複数のセンシング電極33SPに加工して、第1のフィルムを得る。また、センシング電極33SPと同様に、他の樹脂フィルムに形成された薄膜層を複数のドライブ電極31DPに加工して、第2のフィルムを得る。そして、第1フィルムと第2フィルムとが透明誘電体基板33を挟むように、透明誘電体基板33に対して透明接着層によって貼り付けられる。
【0033】
[タッチパネルの電気的構成]
図3を参照して、タッチパネル20の電気的構成を説明する。尚、以下では、静電容量式のタッチパネル20の一例として、相互容量方式のタッチパネル20における電気的構成を説明する。
【0034】
図3が示すように、タッチパネル20は、選択回路34、検出回路35、および、制御部36を備えている。選択回路34は、複数のドライブ電極31DPに接続することが可能であり、検出回路35は、複数のセンシング電極33SPに接続することが可能であり
、制御部36は、選択回路34と検出回路35とに接続している。
【0035】
制御部36は、各ドライブ電極31DPに対する駆動信号の生成を選択回路34に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、駆動信号が供給される対象を1番目のドライブ電極31DPからn番目のドライブ電極31DPに向けて選択回路34に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0036】
一方で、制御部36は、各センシング電極33SPを流れる電流の検出を検出回路35に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、検出の対象を1番目のセンシング電極33SPからn番目のセンシング電極33SPに向けて検出回路35に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0037】
選択回路34は、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、駆動信号の生成を開始し、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、駆動信号の出力先を1番目のドライブ電極31DP1からn番目のドライブ電極31DPnに向けて走査する。
【0038】
検出回路35は、信号取得部35aと信号処理部35bとを備えている。信号取得部35aは、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、各センシング電極33SPに生成されたアナログ信号である電流信号の取得を開始する。そして、信号取得部35aは、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、電流信号の取得元を1番目のセンシング電極33SP1からn番目のセンシング電極33SPnに向けて走査する。
【0039】
信号処理部35bは、信号取得部35aの取得した各電流信号を処理して、デジタル値である電圧信号を生成し、生成した電圧信号を制御部36に向けて出力する。このように、選択回路34と検出回路35とは、静電容量の変化に応じて変わる電流信号から電圧信号を生成することで、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量の変化を測定している。選択回路34および検出回路35が、周辺回路の一例である。
【0040】
制御部36は、信号処理部35bの出力した電圧信号に基づいて、タッチパネル20において使用者の指などが触れている位置を検出する。
尚、タッチパネル20は、上述した相互容量方式のタッチパネル20に限らず、自己容量方式のタッチパネルであってもよい。
【0041】
図1で示すように、透明基板31のドライブ面31Sでは、複数のドライブ電極31DPが第1方向D1に沿って並び、複数のドライブ電極31DPの各々が、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って延びている。各ドライブ電極31DPは、後述する基準パターン31RPから構成され、第2方向D2に沿って並ぶ複数のドライブ検出部31DPaと、基準パターン31RPから構成され、第2方向D2にて相互に隣り合う2つのドライブ検出部31DPaを接続するドライブ接続部31DPbとを備えている。各ドライブ電極31DPにおいて、各々のドライブ検出部31DPaは、例えば図1に示すように六角形形状(後述のメッシュパターンの6角形と区別するために「六角形」と表記する)を有し、ドライブ接続部31DPbは、例えば、第2方向D2にて相互に隣り合うドライブ検出部31DPaの各々と一辺を共有する矩形形状を有している。
【0042】
複数のドライブ電極31DPにおいて、複数のドライブ検出部31DPaが第1方向D1に沿って並び、かつ、複数のドライブ接続部31DPbが第1方向D1に沿って並んでいる。第1方向D1にて相互に隣り合うドライブ検出部31DPaは、六角形の1つの頂点が相互に向かい合い、かつ、第1方向D1にて相互に隣り合うドライブ検出部31DPa同士が電気的に接続されていない状態で並んでいる。そのため、第1方向D1にて相互
に隣り合う2つのドライブ電極31DPの間には、4つのドライブ検出部31DPaと、2つのドライブ接続部31DPbによって六角形形状を有したドライブ隙間31DPcが区画され、複数のドライブ隙間31DPcは、第1方向D1に沿って並んでいる。
【0043】
透明誘電体基板33のセンシング面33Sには、複数のセンシング電極33SPが第2方向D2に沿って並び、複数のセンシング電極33SPの各々が、第2方向D2と直交する第1方向D1に沿って延びている。各センシング電極33SPは、後述する基準パターン33RPから構成され、第1方向D1に沿って並ぶ複数のセンシング検出部33SPaと、基準パターン33RPから構成され、第1方向D1にて相互に隣り合う2つのセンシング検出部33SPaを接続するセンシング接続部33SPbとを備えている。
【0044】
各センシング電極33SPにおいて、センシング検出部33SPaは、例えば六角形形状を有し、センシング接続部33SPbは、例えば、第1方向D1にて相互に隣り合うセンシング検出部33SPaの各々と一辺を共有する矩形形状を有している。各センシング検出部33SPaは、1つのドライブ隙間31DPcと等しい形状と等しい大きさとを有し、各センシング接続部33SPbは、1つのドライブ接続部31DPbと等しい形状と等しい大きさとを有している。
【0045】
複数のセンシング電極33SPにおいて、複数のセンシング検出部33SPaが第2方向D2に沿って並び、かつ、複数のセンシング接続部33SPbが第2方向D2に沿って並んでいる。第2方向D2にて相互に隣り合うセンシング検出部33SPaは、六角形の1つの頂点が相互に向かい合い、かつ、第2方向D2にて相互に隣り合うセンシング検出部33SPa同士が電気的に接続されていない状態で並んでいる。そのため、第2方向D2にて相互に隣り合う2つのセンシング電極33SPの間には、4つのセンシング検出部33SPaと、2つのセンシング接続部33SPbとによって六角形形状を有したセンシング隙間33SPcが区画され、複数のセンシング隙間33SPcは、第2方向D2に沿って並んでいる。各センシング隙間33SPcは、1つのドライブ検出部31DPaと等しい形状と等しい大きさとを有している。
【0046】
透明誘電体基板33と対向する平面視にて、1つのドライブ接続部31DPbは、1つのセンシング接続部33SPbと部分的に重なる。また、透明誘電体基板33と対向する平面視にて、1つのドライブ検出部31DPaは、第2方向D2において相互に隣り合うセンシング電極33SPの間に位置し、かつ、第1方向D1において相互に隣り合う2つのセンシング検出部33SPaの間に位置している。
【0047】
一方で、透明誘電体基板33と対向する平面視にて、1つのセンシング検出部33SPaは、第1方向D1において相互に隣り合うドライブ電極31DPの間に位置し、かつ、第2方向D2において相互に隣り合う2つのドライブ検出部31DPaの間に位置している。すなわち、1つのドライブ検出部31DPaは、1つのセンシング隙間33SPcに位置し、1つのセンシング検出部33SPaは、1つのドライブ隙間31DPcに位置する。
【0048】
[ドライブ電極]
図4を参照してドライブ電極を説明する。図4は、ドライブ電極31DPの配置における一部分(図1における破線内A)の平面構造を示す平面図である。
尚、センシング電極33SPは、ドライブ電極31DPと比べて、センシング電極33SPを構成する基準パターンの方向が第2方向D2である点が異なるのみであり、センシング電極33SPを構成する電極線の構造は、ドライブ電極31DPを構成する電極線の構造と同様である。そのため、以下では、ドライブ電極31DPの構成について詳しく説明し、センシング電極33SPの構成については、説明を省略する。
尚、これらの電極は、それぞれドライブ電極とセンシング電極としての役割をそれぞれ入れ替えて用いることもできる。
【0049】
ドライブ検出部31DPaは、上述のように、六角形形状を有し、ドライブ検出部31DPaの最大幅を有する部分であって、2つの頂点で挟まれる部分を通る直線を対象軸とするとき、線対称な2つの台形部分によって構成されている。各台形部分において、第1方向D1に沿った幅は、最大幅であるドライブ電極幅WDP1からドライブ接続幅WDP2に向けて次第に小さくなる。
【0050】
図4で示すように、本発明では、ドライブ電極31DPのドライブ検出部31DPa、およびドライブ接続部31DPbの電極線は、いずれも6角形の基準パターン31RPがハニカム状に配置されたメッシュパターンからなっており、これらはドライブ検出部31DPa、ドライブ接続部31DPbの境界部において連続している。
【0051】
基準パターンが6角形であることの利点は、以下のようである。まず、ブラックマトリクスと同様に2方向のみの周期性をもつ4角形と比べると、ブラックマトリクスとの干渉性が緩和される。また、頂角が鋭角(90°以下)である3角形では、電極エッチング後、角部の線幅が太り、ばらつきやすいが、6角形は頂角が鈍角(90°以上)であるため、そのような現象が起きにくくなる。さらに、7角形以上の形状では、同じ形状でのいわゆる平面充填ができず、平面充填するためには4角形や鋭角を含まざるを得ない、という欠点がある。
【0052】
本発明の6角形形状は、必ずしも正6角形である必要はない。いわゆる不等辺6角形であってもよいが、不等辺6角形の場合、同じ形状で無限に平面を充填することはできない。本発明の場合、電気的に接続している個々のドライブ電極領域で、平面充填できる6角形であれば、不等辺6角形であってもよい。
以下の説明では、特にことわらない限り、正6角形を例として説明する。
【0053】
図4において点線で囲むBの領域の例を図5(a)、(b)に示す。本発明では、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPの少なくとも一方において、基準パターン31RPと33RPの少なくとも一方の6角形は、少なくとも2種類以上の線幅からなる6辺から形成されることを特徴としている。これによりブラックマトリクスパターンとの干渉性を緩和し、モアレを低減する。
【0054】
図5はいずれも3種類の線幅(細、中、太)からなる6辺で6角形を形成した例であり、図5(a)は、対向する2辺同士を同じ線幅としている。さらに好ましい形態として、図5(b)では、3種類の線幅の配置に周期性がなく、ランダムな配置となっている。これによりブラックマトリクスパターンとの干渉性をさらに緩和し、モアレを低減する。
【0055】
また、本発明の別の実施形態として、図6に示すように、隣り合うドライブ電極31DP同士で、各々の基準パターンである6角形内部の面積(大きさ)を異なるようにすることができる。これによっても、ブラックマトリクスパターンとの干渉性は分散して緩和され、モアレが低減される。
【0056】
さらに本発明の別の実施形態として以下のものが挙げられる。
図7(a)は、これまでの図に用いている、ブラックマトリクスの配列の1方向であるD2方向に対して、6角形の対向する2辺が平行になるよう6角形を配列した場合であるが、図7(b)では、それらがD2(D1)方向に対して45°の傾き角θを有している。図7(b)ではθ=45°であるが、必ずしも45°である必要はなく、表示装置の特性や使用条件に応じて、ブラックマトリクスの配列方向に対して任意の角度で傾けることにより、ブラックマトリクスパターンとの干渉性をさらに緩和する。
【0057】
図8(a)、(b)はさらに別の実施形態であり、いずれも6角形の対向する2辺の長さが、残りの4辺よりも長い形態を示している。図8(a)では長辺がD2方向と平行に配列しており、図8(b)では、長辺がD1方向と平行に配列している。図8では対向する2辺が残りの4辺よりも長い場合を示したが、対向する2辺が残りの4辺よりも短い場合も同様である(図示は省略する)。
【0058】
本発明では、基準パターンである6角形に、上記のような、線幅、面積(大きさ)、傾き、辺長に変化をもたせることを組み合わせて使用することも可能である。これにより、表示装置の特性や使用条件に応じて、ブラックマトリクスの配列方向に対して、ブラックマトリクスパターンとの干渉性を多様に緩和し、モアレを低減することができる。
【0059】
[タッチセンサ用電極]
図9を参照してタッチセンサ用電極21を説明する。図9は、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとが積み重なる方向から見た平面構造の一部を示す平面図であり、ドライブ電極31DPを構成する6角形のメッシュパターンの配置と、センシング電極33SPを構成する6角形のメッシュパターンの配置を示している。図9における符号は、ドライブ電極31DPの符号は図4において示しているので、センシング電極33SPの符号のみを図示している。
【0060】
図9からも分かるように、透明誘電体基板33と対向する平面視にて、ドライブ電極31DPのドライブ接続部31DPbと、センシング電極33SPのセンシング接続部33SPbとが、部分的に重なる。
【0061】
一方で、透明誘電体基板33と対向する平面視にて、センシング電極33SPのセンシング検出部33SPaは、ドライブ隙間31DPcに位置する。そのため、ドライブ電極31DPのドライブ検出部31DPaと、センシング電極33SPのセンシング検出部33SPaとは、透明誘電体基板33と対向する平面視にて相互に重ならない。
尚、図示の都合上、ドライブ電極31DPを構成する6角形のメッシュパターンと、センシング電極33SPを構成する6角形のメッシュパターンは、連続しているように見えるが、これらは相互に離隔していることは言うまでもない。
【0062】
[タッチセンサ用電極の作用]
図10を参照してタッチセンサ用電極の作用を説明する。尚、図10では、説明の便宜上、ドライブ電極31DPの位置している透明基板31の図示が省略されている。
【0063】
図10が示すように、選択回路34がドライブ電極31DPに駆動信号を出力する。そして、例えば、透明誘電体基板33と対向する平面視にて、第1方向D1にて相互に隣り合うドライブ検出部31DPaとセンシング検出部33SPaとの間であって、ドライブ検出部31DPaを構成する1つの電極線と、センシング検出部33SPaを構成する1つの電極線との間に電界EFが形成される。このとき、ドライブ検出部31DPaとセンシング検出部33SPaとは、透明誘電体基板33と対向する平面視にて相互に重ならないため、電界EFは、ドライブ検出部31DPaの電極線から、センシング検出部33SPaの電極線に向けて斜めに延びる。それゆえに、2つの電極線の間に形成される電界EFの距離が長くなる。
【0064】
こうしたタッチセンサ用電極21に人の指Fが近付くと、指Fに触れた電界EFが人体を介して放電するため、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間に形成される静電容量の大きさが変わる。上述したように、電界EFは、ドライブ検出部31DP
aの電極線から、センシング検出部33SPaの電極線に向けて斜めに延びているため、電界EFは人の指Fによって影響されやすい。それゆえに、タッチセンサ用電極21では、人の指Fの接触に対する感度が高くなる。結果として、人の指Fの接触した位置を高い感度で検出することができる。
【0065】
[他の変形例]
図11が示すように、タッチパネル20を構成するタッチセンサ用電極21において、透明基板31および透明接着層32が割愛されてもよい。こうした構成では、透明誘電体基板33の面の中で、表示パネル10と対向する1つの面がドライブ面31Sとして設定され、ドライブ面31Sには、ドライブ電極31DPが位置すればよい。そして、透明誘電体基板33における、ドライブ面31Sと対向する面に、センシング電極33SPが位置すればよい。
【0066】
尚、こうした構成では、ドライブ電極31DPは、例えば、ドライブ面31Sに形成される1つの薄膜のパターニングによって形成される。
図12が示すように、タッチパネル20では、表示パネル10に近い構成要素から順番に、ドライブ電極31DP、透明基板31、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置してもよい。
【0067】
尚、こうした構成では、例えば、ドライブ電極31DPが、透明基板31の1つの面であるドライブ面31Sに形成され、センシング電極33SPが、透明誘電体基板33の1つの面であるセンシング面33Sに形成される。そして、透明基板31においてドライブ面31Sと対向する面と、透明誘電体基板33においてセンシング面33Sと対応する面とが、透明接着層32によって接着される。
【0068】
タッチパネル20と表示パネル10とは、個別に形成されていなくともよく、タッチパネル20は、表示パネル10と一体に形成されてもよい。こうした構成では、例えば、タッチセンサ用電極21のうち、複数のドライブ電極31DPがTFT層13に位置する一方、複数のセンシング電極33SPがカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するインセル型の構成とすることができる。あるいは、タッチセンサ用電極21がカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するオンセル型の構成でもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…表示パネル、10S…表示面、11…下側偏光板、12…薄膜トランジスタ基板、13…TFT層、14…液晶層、15…カラーフィルタ層、15a…ブラックマトリクス、15B…青着色層、15G…緑着色層、15P…画素、15R…赤着色層、16…カラーフィルタ基板、17…上側偏光板、20…タッチパネル、20S…操作面、21…タッチセンサ用電極、22…カバー層、23…透明接着層、31透明基板、31DP,31DP1,31DPn…ドライブ電極、31DPa…ドライブ検出部、31DPb…ドライブ接続部、31DPc…ドライブ隙間、31RP,33RP…基準パターン、31S…ドライブ面、32…透明接着層、33…透明誘電体基板、33S…センシング面、33SP,33SP1,33SPn…センシング電極、33SPa…センシング検出部、33SPb…センシング接続部、33SPc…センシング隙間、34…選択回路、35…検出回路、35a…信号取得部、35b…信号処理部、36…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12