(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示端末は、前記確認画面上において、ユーザから前記ベッドIDが正しい情報では無いことを示す情報を受け付けた場合、前記受信した医療看護支援情報を消去すると共に、前記ベッドIDの変更を受け付ける変更画面を表示し、ユーザから変更するベッドIDの入力を受付け、前記情報提供部に該受け付けたベッドIDを含むベッドID変更要求を送信し、
前記情報提供部は、
前記表示端末から前記ベッドID変更要求を受信すると、前記端末・ベッド対応テーブルにアクセスし、前記ベッドID変更要求を送信した表示端末の端末IDに対応付けられているベッドIDを、前記ベッドID変更要求に含まれるベッドIDに変更し、
さらに、前記患者情報データベースにアクセスして前記ベッドID変更要求に含まれるベッドIDに対応付けられた患者属性情報及び医療看護支援ピクトグラムを抽出し、該抽出した患者属性情報及び医療看護支援ピクトグラムを含む医療看護支援情報を生成し、前記受信した端末IDにより特定される表示端末に対して、前記生成した医療看護支援情報を再送信し、
前記表示端末は、前記情報提供部から再送信された医療看護支援情報を受信し表示することを特徴とする請求項2に記載の医療情報表示システム。
前記表示端末は、前記医療看護支援情報の表示中に、ユーザから前記ベッドIDの変更要求を受付け可能になっており、該ベッドIDの変更要求を受け付けると、前記表示中の医療看護支援情報を消去する共に、前記変更画面を表示して、該ユーザから変更するベッドIDの入力を受付け、前記サーバの情報提供部に該受け付けたベッドIDを含むベッドID変更要求を送信し、該送信したベッドID変更要求に応じて前記サーバから送信された医療看護支援情報を受信し表示することを特徴とする請求項3に記載の医療情報表示システム。
前記サーバは、前記患者情報データベースに登録されている患者IDに、該患者IDにより特定される患者の詳細な医療情報を対応付けて記憶している医療システムに接続されており、
前記患者情報データベースは、各患者IDにパスワードを関連付けて記憶しており、
前記表示端末は、前記医療看護支援情報の表示している際に、ユーザから前記パスワードの入力を受け付け可能になっており、
前記表示端末は、前記医療看護支援情報を表示している際、前記パスワードの入力を受け付けると、前記サーバの情報提供部に該受け付けたパスワードを送信し、
前記情報提供部は、
前記表示端末が送信したパスワードを受信すると、前記患者情報データベースにアクセスし、前記パスワードを送信してきた表示端末に提供している医療看護支援情報の患者を識別する患者IDに関連付けられたパスワードを抽出し、該抽出したパスワードが前記受信したパスワードと一致するか否かを判定するようになっており、
前記抽出したパスワードと前記受信したパスワードとが一致すると判定した場合、前記医療システムから該患者IDにより特定される患者の詳細な医療情報を取得し、前記パスワードを送信してきた表示端末に前記取得した詳細な医療情報を送信し、
前記抽出したパスワードと前記受信したパスワードとが一致しないと判定した場合、前記パスワードを送信してきた表示端末にエラーメッセージを送信することを特徴とする請求項1〜4に記載の医療情報表示システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。先ず、本実施形態の医療情報表示システムの構成について
図1〜
図3を用いて説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の医療情報表示システムは、病院に入院している患者の医療看護支援に関する情報が登録されている管理サーバ(以下、単に「サーバ」という)1と、サーバ1に各種情報を登録したり設定したりする操作端末2と、患者に割り当てたベッドのベッドサイドに配置される表示端末4と、患者のカルテ情報等の詳細な医療情報を記憶している医療システム6とを備えている。また、サーバ1、操作端末2、表示端末4及び医療システム6は、いずれも、ネットワークNWに接続されている。
【0024】
操作端末2は、サーバ1とネットワークNWを介して接続可能になっており、サーバ1との間で各種情報の授受を行う。また、表示端末4は、サーバ1とネットワークNWを介して接続可能になっており、サーバ1との間で各種情報の授受を行うと共に、サーバ1から提供される患者の医療看護支援情報(
図12、13参照)等を表示する。また、サーバ1は、ネットワークNWを介して医療システム6にアクセス可能に構成され、医療システム6から患者の詳細な医療情報(カルテ情報等)を取得できるようになっている。
【0025】
尚、本実施形態では、ネットワークNWが病院に設置されたLAN(Local Area Network)である場合を例にする。また、図示する例では、表示端末4は、ネットワークNWに無線接続されているが(無線LANアクセスポイントAPを介して接続されているが)、これは一例に過ぎない。表示端末4がネットワークNWに有線接続されていてもよい。また、ネットワークNWに接続可能な表示端末4は、入院している患者に割り当てられたベッド数と同じ数だけ設置される。例えば、入院している患者が100人の場合、100台の表示端末4がネットワークNWに接続可能な状態で設置される。
【0026】
また、サーバ1には、「ベッドを識別するベッドIDと、ベッドIDのベッドを割り当てられた患者の患者IDと、患者IDが示す患者の患者属性情報(氏名等の情報)と、その患者の医療看護に関する情報をピクトグラムで示した医療看護支援ピクトグラムとを対応付けて記憶させた患者情報データベース13」と、「ベッドIDと、ベッドIDのベッドに配置される表示端末の端末ID(MACアドレス)とを対応付けて記憶している端末・ベッド対応テーブル14とが設けられている。
【0027】
そして、サーバ1は、表示端末4が起動することによりサーバ1に送信する端末IDを受信すると、端末・ベッド対応テーブル14を用いて受信した端末IDに対応付けられたベッドIDを特定し、患者情報データベース13にアクセスして特定したベッドIDに対応付けられた患者属性情報及び医療看護支援ピクトグラムを抽出し、その抽出した患者属性情報及び医療看護支援ピクトグラムを含む医療看護支援情報を生成し、端末IDを送信してきた表示端末4に送信する。
【0028】
表示端末4は、サーバ1から送信される医療看護支援情報を受信すると、後述する所定操作を受け付けることにより、受信した医療看護支援情報を表示するようになっている。これにより、表示端末4には、その表示端末4が設置されるベッドを利用する患者の医療看護支援情報(
図12、13参照)が表示される。以下、本実施形態の医療情報表示システムの構成を詳細に説明する。
【0029】
サーバ1は、制御部10と、情報提供部11と、詳細医療情報取得部12と、患者情報データベース13と、端末・ベッド対応テーブル14とを有している。
【0030】
ここで、サーバ1の構成のうち各データ(患者情報データベース13、端末・ベッド対応テーブル14)の構成について説明する。
【0031】
先ず、患者情報データベース13について説明する。
図2に示すように、患者情報データベース13は、ベッドを識別するベッドIDを登録するためのフィールド13aと、ベッドIDにより特定されるベッドを割り当てられた患者を識別する患者IDを登録するためのフィールド13bと、患者IDにより特定される患者の患者属性情報を登録するためのフィールド13cと、患者IDにより特定される患者の医療看護に関する情報をピクトグラム(絵文字)で示した医療看護支援ピクトグラムを登録するためのフィールド13dと、患者IDにより特定される患者に対する注意事項を登録するためのフィールド13eと、患者IDにより特定される患者の担当者を登録するためのフィールド13fと、患者IDにより特定される患者の入退院日を登録するためのフィールド13gと、転倒リスクアセスメントを登録するためのフィールド13hと、患者認証用パスワードを登録するためのフィールド13iとを有するレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。
【0032】
ベッドIDは、英数字・記号などで構成される一意のデータであり、ベッド毎に割り当てられている。患者IDは、英数字・記号などで構成される一意のデータであり、患者毎に割り当てられている。患者属性情報は、患者の氏名、性別、年齢等の情報である(図示する例では、氏名のみを示している)。
【0033】
医療看護支援ピクトグラムとは、患者の移動、処遇、姿勢、排泄、食事、及び飲み物に関する条件又は制限をピクトグラム(絵文字)で示した情報や、患者に対して病院スタッフが共有すべき情報をピクトグラムで示した情報のことをいう。
【0034】
例えば、患者の移動に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、歩行移動を示したピクトグラム(
図12の領域100c参照)や、車いす移動を示したピクトグラムがある。また、患者の姿勢に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、ベッドアップ制限(ベッドの傾き角度の制限)の角度(30度等の角度)を示したピクトグラム等がある。また、排泄に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、ベッド排泄を示したピクトグラムや、ポータブルトイレを示したピクトグラムがある。また、処遇に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、外泊可能を示したピクトグラム(
図12の領域100c参照)等がある。また、食事に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、昼食禁止を示したピクトグラム(
図12の領域100c参照)等がある。また、飲み物に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報には、飲み物制限を示したピクトグラム等がある。
また、患者に対して病院スタッフが共有すべき情報をピクトグラムで示した情報には、リハビリ中を示したピクトグラム(
図12の領域100c参照)や、右上肢処置禁止を示したピクトグラム、尿管理を示したピクトグラム等がある。
【0035】
また、上記の注意事項とは、「左上腕で血圧測定」、「発声禁止」、「鼻かみ禁止」等の患者の看護する際の注意事項のことをいう。また、患者の担当者とは、患者を担当する医師の氏名と、看護師の氏名のことをいう。
【0036】
また、転倒リスクアセスメントとは、患者が転倒するリスク(危険度)を段階別に示した情報のことをいう。本実施形態では、「CautiоnI」、「CautiоnII」、「CautiоnIII」の三段階で危険度を示している(数値が高いほど番危険度が高いことを示す)。尚、危険度が一番低い「CautiоnI」を青色表示し、危険度が中間の「CautiоnII」を黄色表示し、危険度が一番高い「CautiоnIII」を赤色表示するようにして、スタッフが一目で判るような表示にするとよい。
【0037】
また、患者認証用パスワードは、英数字・記号などで構成されるデータであり、患者毎に設定されている。尚、患者認証用パスワードは、医療システム6から詳細な医療情報を取得する処理において用いられる(詳細は後段で説明する)。
【0038】
次に、端末・ベッド対応テーブル14について説明する。
また、端末・ベッド対応テーブル14は、ベッドIDに、そのベッドIDにより特定されるベッドのベッドサイドに配置される表示端末4を識別する端末IDを対応付けて記憶するデータベースである。具体的には、端末・ベッド対応テーブル14は、ベッドIDを登録するためのフィールド14aと、端末IDを登録するためのフィールド14bとを有するレコードにより構成されている(複数のレコードにより構成されている)。
尚、端末IDとは表示端末4毎に割り当てられた一意のデータであり、本実施形態では、端末IDにMACアドレスを用いている。
【0039】
図1に戻り、サーバ1の機能処理部を説明する。
【0040】
制御部10は、サーバ1全体の動作を制御すると共に、サーバ1に対する各種設定を受け付ける。
【0041】
情報提供部11は、表示端末4から送信された端末IDを受信すると、端末・ベッド対応テーブル14を用いて受信した端末IDに対応付けられたベッドIDを特定し、患者情報データベース13にアクセスして特定したベッドIDに対応付けられた「患者属性情報、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」を抽出する。また、情報提供部11は、抽出した「患者属性情報、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」及び特定した「ベッドID」が含まれる医療看護支援情報を生成し、受信した端末IDにより特定される表示端末4に対して、生成した医療看護支援情報を送信する。また、情報提供部11は、表示端末4からベッド番号の変更を受け付ける処理や、詳細医療情報の送信要求を受け付ける処理も行う。尚、情報提供部11により行われる処理は後段で詳細に説明する。
【0042】
詳細医療情報取得部12は、情報提供部11から詳細な医療情報の取得要求を受け付けると、医療システム6にアクセスして、医療システム6から対応する患者の詳細な医療情報を取得し、情報提供部11に取得した詳細な医療情報を送信する。
【0043】
また、サーバ1のハードウェア構成は特に限定されるものではない。例えば、サーバ1は、CPU、補助記憶装置、主記憶装置、ネットワークインターフェース及び入出力インターフェースを備えるコンピュータ(1台或いは複数台のコンピュータ)により構成される。この場合、前記補助記憶装置には、制御部10、情報提供部11及び詳細医療情報取得部12の機能を実現するためのプログラムが格納されている。また、前記補助記憶装置には、患者情報データベース13及び端末・ベッド対応テーブル14が記憶されている。そして、制御部10、情報提供部11及び詳細医療情報取得部12の機能は、前記CPUが前記補助記憶装置に格納された前記プログラムを前記主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0044】
次に、操作端末2について説明する。
操作端末2は、CPU、補助記憶装置、主記憶装置、ネットワークインターフェース及び入出力インターフェースを備えるコンピュータ(PC)で構成されており、ナースステーションや病院の情報管理室等に設置されている。操作端末2には、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)と、キーボードやマウス等で構成される入力装置(図示せず)とが接続されている。また、操作端末2には、サーバ1の患者情報データベース13に各種情報を登録したり変更したりするとともに、端末・ベッド対応テーブル14に情報を登録したり変更する情報登録部(図示せず)が設けられている。
【0045】
操作端末2の情報登録部は、表示装置(図示せず)に、患者情報データベース13に情報を登録するための入力画面を表示し、入力装置を介して、患者情報データベース13に登録する情報の入力を受け付ける。操作端末2の情報登録部は、上記情報の入力を受け付けると、受け付けた情報を用いて、患者情報データベース13に登録するレコード(フィールド13a〜13iに対応する情報を登録したレコード)を作成し、サーバ1の患者情報データベース13に作成したレコードを記憶させる。
また、操作端末2の情報登録部は、ユーザからの要求に応じて、表示装置(図示せず)に、患者情報データベース13に登録された情報を変更するための変更画面を表示し、入力装置を介して、患者情報データベース13に登録された情報の変更要求を受け付ける。操作端末2の情報登録部は、上記情報の変更要求を受け付けると、患者情報データベース13にアクセスし、患者情報データベース13に登録されている情報を、受け付けた変更要求に対応する情報に変更し記憶させる更新処理を行う。
【0046】
また、操作端末2の情報登録部は、表示装置(図示せず)に、端末・ベッド対応テーブル14に情報を登録するための入力画面を表示し、入力装置を介して、端末・ベッド対応テーブル14に登録する情報の入力を受け付ける。操作端末2の情報登録部は、上記情報の入力を受け付けると、受け付けた情報を用いて、端末・ベッド対応テーブル14に登録するレコード(フィールド14a、14bに対応する情報を登録したレコード)を作成し、作成したレコードを端末・ベッド対応テーブル14に記憶させる。
また、操作端末2の情報登録部は、ユーザからの要求に応じて、表示装置(図示せず)に、端末・ベッド対応テーブル14に登録された情報を変更登録するための変更画面を表示して、入力装置を介して、端末・ベッド対応テーブル14に登録された情報の変更要求を受け付ける。操作端末2の情報登録部は、上記情報の変更要求を受け付けると、端末・ベッド対応テーブル14にアクセスし、端末・ベッド対応テーブル14に登録されている情報を、受け付けた変更要求に対応する情報に変更し記憶させる更新処理を行う。
【0047】
尚、操作端末2の情報登録部の機能は、操作端末2の補助記憶装置に記憶されているプログラム(情報登録部の機能を実現するためのプログラム)を、操作端末のCPUが主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0048】
次に、表示端末4について説明する。
表示端末4は、タッチパネル対応型ディスプレイで形成される表示部40と、表示端末4全体の動作を制御する制御部41と、表示部40に設けられたタッチパネルやハードスイッチ(電源ボタンや操作ボタン)を介してユーザからの情報入力を受け付ける入力部42と、サーバ1から「医療看護支援情報」や「詳細医療情報」を取得し表示部40に表示させる患者情報取得部43と、詳細医療情報を取得する際に用いるパスワードを取得するPW取得部44とを備えている。また、表示端末4には、ICカードに格納されている「パスワード」を読み取るための読取装置5が接続されている。
【0049】
また、表示端末4には、表示端末4を操作するユーザ(看護師等のスタッフ)を認証するためのスタッフ認証情報と、自身を識別する端末IDとが記憶されている。スタッフ認証情報は、スタッフの氏名毎に、それぞれのスタッフが設定したパスワードを対応付けた情報であり、スタッフ認証が成功しない限り、患者の医療看護支援情報が表示できない仕組みになっている。
【0050】
患者情報取得部43は、入力部42が操作されて表示端末4が起動されると、管理サーバ1に記憶している端末IDを送信し、その送信した端末IDに応じてサーバ1から送信される医療看護支援情報を受信する。また、患者情報取得部43は、医療看護支援情報を受信すると、表示部40にスタッフ名リストを提示し、入力部42を介して、当該リストからスタッフ名の選定を受け付けると共に、ユーザ(看護師等の医療スタッフ)からパスワードの入力を受け付ける。患者情報取得部43は、選定を受け付けたスタッフ名及び入力を受け付けたパスワードと、記憶しているスタッフ認証情報とを照合するスタッフ認証を行い、スタッフ認証が成功すれば(選定を受け付けたスタッフ名及び入力を受け付けたパスワードと、記憶しているスタッフ認証情報が一致すれば)、表示部40にベッドIDの確認画面を表示し、ユーザにベッドID(ベッド番号)の確認を促す。
【0051】
患者情報取得部43は、確認画面上で、ユーザからベッドIDが正しい旨の入力を受け付けた場合、表示部40に受信した医療看護支援情報を表示する。
一方、患者情報取得部43は、確認画面上で、ユーザからベッドIDが間違っている旨の入力を受け付けた場合、上記の受信した医療看護支援情報を消去すると共に、ベッドIDの変更を受け付ける変更画面を表示し、ユーザから変更するベッドIDの入力を受付け、サーバ1の情報提供部11に受け付けたベッドIDを含むベッドID変更要求を送信する。また、患者情報取得部43は、送信したベッドID変更要求に応じてサーバ1から送信された医療看護支援情報を受信して表示する。
【0052】
また、患者情報取得部43は、表示部40に医療看護支援情報が表示されている状態において、ユーザから詳細な医療情報の取得要求を受け付けることができるように構成されている。患者情報取得部43は、詳細な医療情報の取得要求を受け付けると、PW取得部44に、ICカードに記憶されているパスワードを取得させ、その取得したパスワードをサーバ1に送信する。尚、サーバ1は、表示端末4から送信されたパスワードが、患者情報データベース13に登録されたパスワードと一致するか否かの認証を行い、認証されれば、医療システム6から対応する患者の詳細な医療情報を取得し、パスワードを送信してきた表示端末4に送信する。その後、患者情報取得部43は、サーバ1から送信された「詳細な医療情報」を受信して表示する。
【0053】
PW取得部44は、読取装置5を介して、パスワードが記憶されているICカードからパスワードを取得し、患者情報取得部43に、取得したパスワードを送信する。
【0054】
尚、表示端末4のハードウェア構成は特に限定されるものではない。例えば、表示端末4は、タッチパネル対応型液晶ディスプレイ、CPU、補助記憶装置、主記憶装置、ネットワークインターフェース及び入出力インターフェースを備えるタブレット端末(タブレットコンピュータ)により構成される。この場合、前記補助記憶装置には、制御部41、入力部42、患者情報取得部43、PW取得部44の機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、制御部41、入力部42、患者情報取得部43、PW取得部44の機能は、前記CPUが前記補助記憶装置に格納された前記プログラムを前記主記憶装置にロードして実行することにより実現される。尚、前記補助記憶装置の所定領域にはスタッフ認証情報及び端末IDが記憶されている。
【0055】
読取装置5は、パスワードが記憶されているICカードを、読取装置5の所定位置に近接させる(かざす)ことで、ICカードからパスワードを読み取る装置である。
尚、読取装置5は、周知技術のリーダライタ等により実現されるものであるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
医療システム6は、病院において、患者のカルテ情報等の詳細な医療情報、医師や看護師の所属部署情報、手術のスケジュール管理情報等を管理するシステムであり、患者IDに対応付けて「患者のカルテ情報等の詳細な医療情報」を記憶している。また、医療システム6は、サーバ1からの要求に応じて、サーバ1に「患者の詳細な医療情報」を送信できるように構成されている。
尚、本実施形態では、医療システム6は、サーバ1が「患者の詳細な医療情報」を取得するためだけに用いられるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
《医療看護支援情報表示処理》
次に、本実施形態の医療情報表示システムが行う医療看護支援情報表示処理について説明する。
【0058】
先ず、表示端末4を起動させて、表示端末4に医療看護支援情報を表示させる処理について、
図4、5、10〜12を参照しながら説明する。
尚、医療情報表示システムが表示端末4に医療看護支援情報を表示する処理を行う前提として、サーバ1の患者情報データベース13に、正確な情報が登録されているものとする。また、サーバ1の端末・ベッド対応テーブル14にも、表示端末4の端末IDと、ベッドIDとを関連付けた情報が登録されているものとする。
【0059】
ここで、
図4は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末が行う医療看護支援情報表示処理の手順を示したフローチャートである。
図5は、本実施形態の医療情報表示システムのサーバが行う医療看護支援情報表示処理の手順を示したフローチャートである。また、
図10は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末に表示するベッド番号確認画面の一例を示した模式図である。
図11は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末に表示するベッド番号変更画面の一例を示した模式図である。
図12は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末に表示する医療看護支援情報画面の一例を示した模式図である。
【0060】
図4に示すように、看護師等の医療スタッフ(ユーザ)が表示端末4の電源ボタンを操作して表示端末4を起動させると(S1)、表示端末4の患者情報取得部43は、サーバ1に、補助記憶装置に記憶されている端末IDを送信する(S2)。
【0061】
ここで、表示端末4から端末IDを送信されたサーバ1側の処理を
図5に示す。
【0062】
具体的には、サーバ1の情報提供部11は、表示端末4から送信された端末IDを受信すると(S101)、端末・ベッド対応テーブル14を用いて受信した端末IDに対応付けられたベッドIDを特定する。また、情報提供部11は、患者情報データベース13にアクセスし、特定したベッドIDに対応付けられた「患者属性情報(患者氏名)、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」を抽出する(S102)。
【0063】
次に、サーバ1の情報提供部11は、S102で抽出した「患者属性情報、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」と、特定した「ベッドID」とが含まれる医療看護支援情報(
図12参照)を生成し、S101で受信した端末IDにより特定される表示端末4に対して、生成した医療看護支援情報を送信し(S103)、
図4に示す表示端末4のS3の処理に移行する。
【0064】
図4のS3では、表示端末4の患者情報取得部43が、サーバ1の情報提供部11から送信された医療看護支援情報を受信する。
【0065】
次に、患者情報取得部43は、表示部40にスタッフ名リストを表示して、ユーザからスタッフ名の選択を受け付ける(S4)。また、患者情報取得部43は、スタッフ名の選択を受け付けると、表示部40にスタッフ認証用パスワードの入力画面を表示し(S5)、ユーザが入力部42を介して入力するパスワードの入力を受け付ける(S6)。
【0066】
患者情報取得部43は、スタッフ名の選択及びパスワードの入力を受け付けると、表示端末4の補助記憶装置に記憶しているスタッフ認証情報を用いて、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」が正しいか否かを判定し、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」が正しいと判定(スタッフ認証成功と判定)したときにはS8に進み、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」が誤っていると判定(スタッフ認証失敗と判定)したときにはS9に進む(S7)。尚、患者情報取得部43は、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」の組み合わせが、記憶しているスタッフ認証情報のなかにあれば、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」が正しいと判定し、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」の組み合わせが、記憶しているスタッフ認証情報のなかに存在しなければ、受け付けた「スタッフ名及びパスワード」が誤っていると判定する。
【0067】
S9では、患者情報取得部43は、表示部40にエラーメッセージを表示して、S4の処理に戻る。尚、スタッフ認証が所定回数以上失敗したときには、S3で受信した医療看護支援情報を消去して、再起動を促すメッセージを表示するようにしてもよい。
【0068】
次に、S7でスタッフ認証が成功した場合に進むS8以降の処理を説明する。
S8では、患者情報取得部43は、S3で受信した医療看護支援情報からベッドIDを抽出し、抽出したベッドIDが提示された確認画面80(
図10参照)を生成し、表示部40に生成した確認画面80を表示させる。
【0069】
図10に例示する確認画面80には、S3で受信した医療看護支援情報に含まれているベッドIDが提示されていると共に、提示したベッドIDが正しいか否かを受け付ける選択ボタン80a、80bが設けられている。看護師等の医療スタッフ(ユーザ)は、表示端末4の入力部42を操作して、ボタン80a、80bのいずれかを選択することにより、表示端末4に、確認画面80上のベッドIDが正しいか否かを入力する。
【0070】
S10では、患者情報取得部43は、確認画面80上で、ベッドIDが正しいか否かを示す情報を受け付けると共に、ベッドIDが正しい旨を示す情報を受け付けた場合にはS11に進み、ベッドIDが誤っている旨を示す情報を受け付けた場合にはS12に進む。
【0071】
S11では、患者情報取得部43は、表示部40に、S3で受信した医療看護支援情報を表示する。この医療看護支援情報は、看護師等のスタッフからの表示終了要求の操作がなされない限り、常時表示されるようになっている。
【0072】
ここで、上記の医療看護支援情報を表示した画面例を
図12に示す。
例示する医療看護支援情報の表示画面100は、「患者属性情報(氏名)、担当者の氏名、ベッドID(ベッド番号)」を提示する領域100aと、「注意事項(鼻かみ禁止等)」を提示する領域100bと、「医療看護支援ピクトグラム」を提示する領域100cと、「転倒リスクアセスメント」を提示する領域100dと、「現在日時」を提示する領域100eとが設けられている。尚、「現在日時」は、表示端末4に設けられている時計機能から取得しているものとする。
【0073】
このように、本実施形態では、患者のベッドサイドに設置される表示端末4に、患者の移動、処遇、姿勢、排泄、食事、及び飲み物に関する条件又は制限をピクトグラムで示した情報や、患者に対して病院スタッフが共有すべき情報をピクトグラムで示した情報等が表示されるため、看護師等のスタッフや見舞いに来た人等が、患者にどのように対応すべきかを簡単に把握することができ、患者に対して適切な対応ができるようになる。
【0074】
次に、S10において、確認画面80上のベッドIDが誤っている旨を示す情報を受け付けた場合に進むS12以降の処理を説明する。
【0075】
患者情報取得部43は、S3で受信した医療看護支援情報を消去し(S12)、ベッドIDの変更入力を受け付けるための変更画面81(
図11参照)を表示し、看護師等の医療スタッフにベッドIDの入力を促し、変更画面81上でベッドIDの入力を受け付け(S13)、S14の処理に進む。
【0076】
尚、
図11に例示する変更画面81には、ベッドIDの入力欄81aと、入力されたベッドIDの確認ボタン(OKボタン)81bとが設けられている。看護師等の医療スタッフが表示端末4の入力部42を操作し、入力欄81aにベッドIDを入力し、確認ボタン(OKボタン)81bをクリックすることで、患者情報取得部43に変更するベッドIDが入力される。
【0077】
S14では、患者情報取得部43は、サーバ1の情報提供部11に、S13で受け付けたベッドIDを含むベッドID変更要求を送信し、S15の処理に進む。
【0078】
S15では、患者情報取得部43は、送信したベッドID変更要求に応じてサーバ1から送信された医療看護支援情報を受信し、表示部40に、受信した医療看護支援情報を表示して処理を終了する。尚、ベッドID変更要求を受信したサーバ1の処理は、後述する
図7で説明する。
【0079】
S12〜S15の処理によれば、実際に表示端末4が設置されているベッドのベッドIDと異なるベッドIDに対応付けられている患者の医療看護支援情報が送信されている場合に、誤った医療看護支援情報が表示されることが防止され、正確な医療看護支援情報が表示されるようになる。
【0080】
次に、医療看護支援情報を表示している表示端末4からベッドIDを変更し、変更したベッドIDに対応付けられた患者の医療看護支援情報を表示させる処理について、
図6を用いて説明する。
尚、
図6は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末が行うベッドID変更処理の手順を示したフローチャートである。
【0081】
医療看護支援情報を表示している表示端末4の患者情報取得部43は、入力部42を介して、ベッドIDの変更要求操作を受け付けると(S21)、S22〜S25のスタッフ認証処理に移行する。この場合、表示端末4の表示部40は、医療看護支援情報の表示からスタッフ認証用の表示に切り替わる。
【0082】
尚、S22、23、24、25の処理は、上述した
図4のS4、5、6、7と同様であるため説明を省略する。また、S25において認証失敗と判定されたS27の処理は、上述した
図4のS9と同じであるため、説明を省略する。
【0083】
次に、S25においてスタッフ認証成功と判定された場合に進むS26、S28〜S30の処理について説明する。
【0084】
S26では、患者情報取得部43は、表示端末4に記憶されている医療看護支援情報(S21の変更要求を受け付ける際に表示していた医療看護支援情報)を消去する。
【0085】
S28では、患者情報取得部43は、上述した
図4のS13と同様の処理(表示部50に、ベッドIDの変更入力を受け付けるための変更画面81を表示し、変更画面81上でベッドIDの入力を受け付ける処理)を行う。
S29では、患者情報取得部43は、上述した
図4のS14と同様の処理(サーバ1の情報提供部11に、S28で受け付けたベッドIDを含むベッドID変更要求を送信する処理)を行う。
又、S30では、患者情報取得部43は、上述した
図4のS15と同様の処理(送信したベッドID変更要求に応じてサーバ1から送信された医療看護支援情報を受信し、表示部40に、受信した医療看護支援情報を表示する処理)を行い、処理を終了する。
【0086】
次に、上述した「
図4のS14」及び「
図6のS29」において、患者情報取得部43から送信されるベッドID変更要求を受け付けるサーバ1側の処理について、
図7を参照しながら説明する。
尚、
図7は、本実施形態の医療情報表示システムのサーバが行うベッドID変更処理の手順を示したフローチャートである。
【0087】
図示するように、サーバ1の情報提供部11は、表示端末4から送信されるベッドID変更要求を受信し(S110)、S111の処理に進む。
【0088】
S111では、サーバ1の情報提供部11は、端末・ベッドID対応テーブル14にアクセスし、ベッドID変更要求を送信してきた表示端末4の端末IDに対応付けられているベッドIDを、S110で受信したベッドID変更要求に含まれているベッドIDに変更する更新処理を行い、S112の処理に進む。
具体的には、情報提供部11は、端末・ベッドID対応テーブル14にアクセスし、ベッドID変更要求を送信してきた表示端末4を識別する端末IDが登録されたレコードを特定する。そして、情報提供部11は、特定したレコードのフィールド14bに登録されているベッドIDを、受信したベッドID変更要求に含まれているベッドIDに変更し記憶させる。
【0089】
S112では、情報提供部11は、患者情報データベース13にアクセスし、S110で受信したベッドID変更要求に含まれるベッドIDに対応付けられた「患者属性情報(患者氏名)、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」を抽出し、S113の処理に進む。
【0090】
S113では、情報提供部11は、S112で抽出した「患者属性情報、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント」と、S110で受信したベッドID変更要求に含まれる「ベッドID」とが含まれる医療看護支援情報(
図12参照)を生成し、ベッドID変更要求を送信してきた表示端末4に対して、生成した医療看護支援情報を送信し、
図4に示す表示端末4のS15(或いは、
図6に示す表示端末4のS30)の処理に移行する。
【0091】
次に、表示端末4が行う医療看護支援情報の削除処理について
図8を用いて説明する。
尚、
図8は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末が行う医療看護支援情報の削除処理の手順を示したフローチャートである。
【0092】
表示端末4の患者情報取得部43は、表示部40に医療看護支援情報を表示している状態において、入力部42を介して、看護師等のスタッフから表示している医療看護支援情報の削除要求を受け付けることができるようになっている。
【0093】
そして、
図8に示すように、患者情報取得部43は、上記の削除要求を受け付けると(S41)、S42〜S45のスタッフ認証処理に移行する。このとき、表示端末4の表示部40の画像は、医療看護支援情報の表示からスタッフ認証用の画像に切り替わる。
【0094】
尚、S42、43、44、45の処理は、上述した
図4のS4、5、6、7と同様であるため説明を省略する。また、S45において認証失敗と判定されたS47の処理は、上述した
図4のS9と同じであるため、説明を省略する。
【0095】
次に、S45においてスタッフ認証成功と判定された場合に進むS46、S48〜S49の処理について説明する。
【0096】
患者情報取得部43は、ベッドID削除画面(図示せず)を表示し(S46)、この削除画面上でベッドIDの削除要求を受け付け(S48)、S49の処理に進む。
尚、ベッドID削除画面に、上述した変更画面81(
図11)を用いるようにしてもよい。この場合、患者情報取得部43は、例えば、入力部42を介して、入力欄81aに予め定めている数値(例えば、「0000」)が入力された場合に、削除要求を受け付けるようにする。
【0097】
S49では、患者情報取得部43は、表示端末4に記憶されている医療看護支援情報(S41の削除処理要求を受け付ける際に表示していた医療看護支援情報)を消去する。また、患者情報取得部43は、サーバ1に設定されていたベッドID(S41の削除処理要求を受け付ける際に表示していた医療看護支援情報に含まれているベッドID)を含む削除通知を送信して処理を終了する。
【0098】
次に、
図8のS49において、表示端末4からベッドIDを含む削除通知を受け付けたサーバ1が行う医療看護支援情報の削除処理について
図9を用いて説明する。
尚、
図9は、本実施形態の医療情報表示システムの表示端末が行う医療看護支援情報の削除処理の手順を示したフローチャートである。
【0099】
先ず、サーバ1の情報提供部11は、表示端末4から送信されたベッドIDを含む削除通知を受信する(S120)
【0100】
次に、情報提供部11は、端末・ベッド対応テーブルにアクセスし、S120で受信した削除通知に含まれるベッドIDが登録されたレコードを消去し(S121)、処理を終了する。この処理により、ベッド(ベッドID)と、表示端末(端末ID)との紐付けが解消される。
【0101】
このように、本実施形態によれば、医療スタッフ或いは患者がICカードを利用した患者認証作業を行うことなく、ベッドサイドの表示端末4に、患者の医療看護支援情報を表示させることができる。そのため、本実施形態は、上述した従来技術のような「医療スタッフや患者が、ICカードを利用した認証作業を忘れることにより発生する問題(患者の医療情報を表示させることができない、或いは、前の患者の医療情報が表示されたままになるという問題)が生じることがない。
【0102】
また、本実施形態によれば、看護師等の医療スタッフは、確認画面80上に表示されたベッドID(ベッド番号)と、実際に表示端末4が設置されているベッドのベッドID(ベッド番号)とを目視により確認し、ベッド番号が間違っていない場合に当該ベッドを割り当てられた患者に対する医療看護支援情報を表示させることができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、表示端末4に正確な医療看護支援情報を表示させることができる。
【0103】
《詳細な医療情報の表示処理》
次に、本実施形態の医療情報表示システムが行う詳細な医療情報を表示させる処理について説明する。
【0104】
本実施形態の医療情報表示システムでは、表示端末4が表示部40に医療看護支援情報(
図12参照)を表示している場合に限り、表示中の医療看護支援情報に示された患者に対する「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」の表示要求(詳細医療情報表示要求)が行えるようになっている。そして、表示端末4に入力されたパスワード(患者認証用パスワード)がサーバ1により認証されると、サーバ1が医療システム6にアクセスし、対応する患者の「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」を取得し、パスワードが入力された対応する表示端末4に、「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」を送信して表示させるようになっている。以下、「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」の表示処理について具体的に説明する。
尚、詳細な医療情報とは、医療システム6を構成する電子カルテサーバ(図示せず)に記憶されている情報であり、患者に対する「検査」、「投薬」、「手術」等のスケジュールやその内容を示す情報のことをいう。例えば、詳細な医療情報には、「患者の検査結果等の詳細情報」、「通称PACS(Picture Archiving and Communication System(医療用画像データシステム))データと呼ばれる、CT、MRI、レントゲンフィルムなどの画像情報」、「患者の詳細な食事制限情報(検査、投薬および手術前の食事制限情報、アレルギーによる食事制限情報、病状(糖尿病など)による食事制限情報)」等がある。
【0105】
医療看護支援情報を表示している表示端末4の患者情報取得部43は、入力部42を介して、ユーザ(看護師等のスタッフや患者)から詳細医療情報表示要求の受け付けができるように構成されている。
そして、患者情報取得部43は、詳細医療情報表示要求を受け付けると、表示部40に、パスワード(患者認証用パスワード)の入力を促す情報を表示する(例えば、「読取装置5にICカードをかざして下さい」などを示す情報をポップアップ表示する)。また、患者情報取得部43は、PW取得部44にパスワード取得要求を送信する。尚、パスワード(患者認証用パスワード)が記憶されているICカードは、予め、患者に配布されている。また、ICカードの表裏面には、視覚により個人を特定できる情報(氏名、番号等)は一切記載されていない。
【0106】
PW取得部44は、上記パスワード取得要求を受信すると、読取装置5を起動させる。ユーザがICカードを読取装置5にかざすと、読取装置5は、ICカードに記憶されている患者認証用パスワードを読み取り、PW取得部44に読み取った患者認証用パスワードを送信する。PW取得部44は、読取装置5から送信されたパスワードを受信すると、患者情報取得部43に受信した患者認証用パスワードを送信する。患者情報取得部43は、PW取得部44から送信された患者認証用パスワードを受信すると、サーバ1に対して、患者認証用パスワードが含まれる「詳細医療情報の送信要求」を送信する。
【0107】
サーバ1の情報提供部11は、表示端末4から送信される「詳細医療情報の送信要求」を受信すると、患者情報データベース13にアクセスし、詳細医療情報表示要求を送信してきた表示端末4に提供している医療看護支援情報の患者を識別する患者IDに関連付けられたパスワードを抽出する。また、情報提供部11は、患者情報データベース13から抽出した患者認証用パスワードと、「詳細医療情報の送信要求」に含まれる患者認証用パスワードとが一致するか否かの患者認証処理を行う。
【0108】
そして、情報提供部11は、患者情報データベース13から抽出した患者認証用パスワードと、「詳細医療情報の送信要求」に含まれる患者認証用パスワードとが一致する場合、詳細医療情報取得部12に、対応する患者IDが含まれる医療情報の取得要求を送信する(この患者IDは、詳細医療情報表示要求を送信してきた表示端末4に提供している医療看護支援情報の患者を識別する患者IDである)。
【0109】
詳細医療情報取得部12は、前記取得要求を受信すると、医療システム6にアクセスし、前記取得要求に含まれる患者IDに対応付けられた「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」を取得する。また、詳細医療情報取得部12は、情報提供部11に、取得した「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」を送信する。
その後、情報提供部11は、「詳細医療情報の表示要求」を送信した表示端末4に、詳細医療情報取得部12を介して取得した「詳細な医療情報(カルテ情報等の医療情報)」を送信し表示させる。
【0110】
一方、情報提供部11は、患者情報データベース13から抽出した患者認証用パスワードと、詳細医療情報表示要求に含まれる患者認証用パスワードとが一致しない場合、詳細医療情報表示要求を送信した表示端末4に、患者認証ができないため詳細医療情報表示できない旨を示すエラーメッセ−ジ送信して表示させる。
【0111】
このように、本実施形態によれば、医療看護支援情報を表示中の表示端末4に接続された読取装置5に、ICカードに記憶された患者認証用パスワードを読み取らせ、そのパスワードをサーバ1に送り、サーバ1で認証された場合にのみ、表示端末4に詳細医療情報が表示されるようになっている。
上記の構成によれば、医療看護支援情報を表示中の表示端末4に正確なパスワードを入力しなければ、表示端末4に患者の詳細医療情報を表示させることができない。すなわち、本実施形態では、不正にICカードを取得した者がいたとしても、そのICカードを配布された患者の医療看護支援情報を表示中の表示端末4を見つけ出さない限り、患者の詳細な医療情報を表示させることができないようになっており、患者の詳細医療情報の流出の防止が図られている。
【0112】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0113】
例えば、上述した実施形態の医療看護支援情報には、「患者属性情報(氏名)、医療看護支援ピクトグラム、注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント、ベッドID」が含まれているが特にこれに限定されるものではない。例えば、医療看護支援情報が「患者属性情報(氏名)」及び「医療看護支援ピクトグラム」だけでも良いし、例えば、医療看護支援情報が「患者属性情報(氏名)」及び「医療看護支援ピクトグラム」に、「注意事項、担当者、入退院日、転倒リスクアセスメント、ベッドID」のうちのいずれかが含まれる内容になっていてもよい。
【0114】
また、
図12で示した医療看護支援情報の表示画面100は、あくまでも一例に過ぎない。例えば、患者情報データベース13に「医療看護支援ピクトグラム」が4つ登録されている患者の医療看護支援情報を表示する場合、
図13に示すように、
図12の例と比べて、「医療看護支援ピクトグラム」を提示する領域100cを大きく形成しても良い。この場合、
図12の例と比べて、「医療看護支援ピクトグラム」を提示する領域100cを大きくする一方で、「転倒リスクアセスメント」を提示する領域100dを小さくしている。
【0115】
また、上述した実施形態では、詳細な医療情報の表示処理を行う際に、表示端末4が読取装置5を介して、ICカードに記憶された患者認証用パスワードを取得しているが、患者認証用パスワードの取得方法について特に限定されるものではない。例えば、表示端末4の入力部42が「患者認証用パスワード」の入力を受け付ける構成であってもよい。また、患者認証に、パスワードではなく、生体認証(指紋認証や顔認証等の生体認証)を用いるようにしてもよい。この場合は、表示端末4に生体認証用のデバイス(指紋読取装置やカメラ等)を接続し、サーバ1の患者情報データベース13に、患者認証用パスワードの代わりに各患者の生体認証情報を登録しておく。
【0116】
また、表示端末4に表示する医療看護支援情報の表示画面上において、患者が入院する際(始めてベッドに来る際)に、患者を元気付けるメッセージ、画像(イラスト)、動画等を表示するようにしても良い。