特許第6556650号(P6556650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556650
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】データ伝送方法及びデータ復元方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20190729BHJP
   H04L 25/493 20060101ALI20190729BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20190729BHJP
   H04L 7/033 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H04L25/49 C
   H04L25/493
   H04L7/04 100
   H04L7/033
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-57130(P2016-57130)
(22)【出願日】2016年3月22日
(62)【分割の表示】特願2013-201241(P2013-201241)の分割
【原出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2016-140100(P2016-140100A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0109243
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508151769
【氏名又は名称】アナパス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジャエ・リー
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−096982(JP,A)
【文献】 特開平01−195736(JP,A)
【文献】 特開2006−066971(JP,A)
【文献】 特開2002−198805(JP,A)
【文献】 特開2009−232462(JP,A)
【文献】 特開2011−221487(JP,A)
【文献】 特開2006−157269(JP,A)
【文献】 特開平02−186734(JP,A)
【文献】 米国特許第05122912(US,A)
【文献】 特開平05−109202(JP,A)
【文献】 特開平06−112928(JP,A)
【文献】 特開2011−155562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/49
H04L 7/033
H04L 7/04
H04L 25/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ定められたビット数(n)を備えた遷移誘導パケットとあらかじめ定められたビット数(n)を備えた遷移を含むデータパケット(transition includeddata packet)を受信する段階であって、前記遷移誘導パケットは、ダミービットの挿入された伝送準備パケットと同一のビット数を有し、前記遷移誘導パケットと前記伝送準備パケットとの論理演算がおこなわれると、前記論理演算によって得られたパケットが、隣接するビットの間に遷移が少なくとも1つ含むように形成されている、受信する段階と、
クロックを追跡する段階と、
受信された前記遷移を含むデータパケットと前記遷移誘導パケットを利用してクロックを復元する段階と、
前記復元されたクロックを利用して前記遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットをサンプリングする段階と、
前記サンプリングされた前記遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットで論理演算を行い、送信されたデータを復元する段階と、を含み、
前記論理演算を行い、送信されたデータを復元する段階は、
前記サンプリングされた遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを逆直列化(deserialize)することにより、送信されたデータを復元する段階と、
前記逆直列化された遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットでビットワイズ(bitwise)論理演算を行うことにより、送信されたデータを復元する段階と、を含む、
ことを特徴とするデータ復元方法。
【請求項2】
前記論理演算を行う段階は、受信された前記遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットで排他的論理和演算を行うことによって行われる、請求項1に記載のデータ復元方法。
【請求項3】
前記クロックを復元する段階は、位相固定ループ(Phase Locked Loop、PLL)を利用して行う、請求項1に記載のデータ復元方法。
【請求項4】
前記クロックを追跡する段階は、周波数追跡ループ(frequency tracking loop)と位相追跡ループ(phase tracking loop)とに分離した二重ループ構造の位相固定ループを利用して行う、請求項1に記載のデータ復元方法。
【請求項5】
前記クロックを追跡する段階は、位相固定ループ(Phase Locked Loop、PLL)を利用して行う、請求項1に記載のデータ復元方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
データ伝送方法及びデータ復元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスプレイのタイミング制御部とデータ駆動部との間のインターフェース技術としてナショナルセミコンダクター(National Semiconductor)で発表したPPDS(Point to Point Differential Signalling)方式がある。PPDS方式は、タイミング制御部とデータ駆動部との間に独立的なデータ線路が形成される。このようなPPDS方式は、従来のRSDS(Reduced Swing Differential Signalling)方式及びmini−LVDS(Low Voltage Differential Signalling)方式に比べてEMIが減少し、全体信号線の個数が減少するという長所を有する。タイミング制御部と複数のデータ駆動部との間には、クロック線とロード線が連結される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術は、クロック信号を伝送するために別途の伝送線路が必要である。すなわち、クロック信号は、データ信号と別個の線路を通じてタイミング制御部からそれぞれのデータ駆動部に伝達されるので、クロック信号伝送のための別途の線路が必要であり、これは、配線の複雑度を増加させ、製造工程を複雑にし、製造コストを上昇させる。また、高い周波数を有するクロック信号は、EMI(Electro Magnetic Interference)を増加させ、データ信号と別途の線路で伝送されるクロック信号との間にスキュー(skew)が発生すれば、データサンプリング時にエラーが発生することができる。
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題のうち1つは、高い効率でデータを伝送する方法及び伝送されたデータを復元する方法を提供することである。また、本発明が解決しようとする技術的課題のうち1つは、クロック情報とともにデータを伝送し、EMIを低減することができるデータ伝送方法を提供することである。本発明が解決しようとする技術的課題のうち1つは、クロック情報とデータを伝送し、スキューとジッターの問題を解決することができるデータ伝送方法及びデータ復元方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるデータ伝送方法は、伝送するデータをあらかじめ定められたビット数(n、number of bits)で区分して複数の伝送準備パケットを形成する段階と、前記ビット数を有し、前記伝送準備パケットと異なる遷移誘導パケット(transitionenducingpacket)を形成する段階と、前記遷移誘導パケットとそれぞれの前記伝送準備パケットで論理演算を行い、遷移を含むデータパケット(transition included transmission packets)を形成する段階と、前記遷移を含むデータパケット及び前記遷移誘導パケットを伝送する段階とを含む。
【0006】
一実施例において、前記伝送準備パケットを形成する段階は、前記伝送するデータのビット数が前記あらかじめ定められたビット数(n)で割り切れない場合、ダミービットを挿入し、伝送準備パケットを形成して行う。
【0007】
一実施例において、前記遷移誘導パケットを形成する段階は、前記ビット数で形成することができるすべてのデータを有する予備パケットを設定する段階と、前記予備パケットと前記伝送準備パケットを比較する段階と、前記比較結果、前記伝送準備パケットと同一または相補的(complementary)な予備パケットを除去する段階と、除去されずに残っている前記予備パケットのうちいずれか1つを前記遷移誘導パケットとして選択する段階とを含む。
【0008】
一実施例において、前記予備パケットと前記伝送準備パケットを比較する段階は、あらかじめ定められた個数の伝送準備パケットと前記予備パケットを比較して行う。
【0009】
一実施例において、前記あらかじめ定められた個数の伝送準備パケットと前記予備パケットを比較する過程は、1以上2^(n−1)−1以下個数の伝送準備パケットと前記予備パケットを比較して行う。
【0010】
一実施例において、前記遷移誘導パケットを形成する段階は、前記遷移誘導パケットのうちあらかじめ設定された隣接する2つのビットで遷移が起きるように行う。
【0011】
一実施例において、前記隣接する2つのビットで遷移が起きるように遷移誘導パケットを形成する段階は、最上位ビットと隣接する1つのビットの間または最下位ビットと隣接する1つのビットのうちいずれか1つで遷移が起きるように行う。
【0012】
一実施例において、前記予備パケットと前記伝送準備パケットを比較する段階は、互いに異なる伝送準備パケットと前記予備パケットを比較して行う。
【0013】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケットを形成する段階は、前記遷移誘導パケットとそれぞれの前記伝送準備パケットで排他的論理和の演算を行うことによって行われる。
【0014】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケットを形成する段階は、1以上2^(n−1)−1以下個数の伝送準備パケットと前記遷移誘導パケットを排他的論理和演算して行う。
【0015】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケット及び前記遷移誘導パケットを伝送する段階は、ラインブランク区間(Line Blank Period)に前記遷移誘導パケットを伝送して行う。
【0016】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケット及び前記遷移誘導パケットを伝送する段階は、ピクセルデータ伝送区間(Pixel Data Transmission Period)に前記遷移を含むデータパケットと前記遷移誘導パケットを伝送する。
【0017】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケット及び前記遷移誘導パケットを伝送する段階は、ピクセルデータ伝送区間(Pixel Data Transmission Period)以後に前記遷移誘導パケットを伝送する。
【0018】
一実施例において、前記遷移を含むデータパケット及び前記遷移誘導パケットを伝送する段階は、1つの前記遷移誘導パケットを伝送した後、前記データパケットを伝送する。
【0019】
本発明によるデータ復元方法は、遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケット(transition included data packet)を受信する段階と、受信された前記遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットを利用してクロックを復元する段階と、前記復元されたクロックを利用して前記遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットをサンプリングする段階と、前記サンプリングされた前記遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットで論理演算を行い、送信されたデータを復元する段階とを含む。
【0020】
一実施例において、前記論理演算を行う段階は、前記サンプリングされた遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを逆直列化(deserialize)する段階と;前記逆直列化された遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットでビットワイズ論理演算を行う段階と;を含む。
【0021】
一実施例において、前記論理演算を行う段階は、受信された前記遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットで排他的論理和演算を行うことによって行われる。
【0022】
一実施例において、受信されたクロックを復元する段階は、位相固定ループ(Phase Locked Loop、PLL)を利用して行う。
【0023】
一実施例において、前記クロックを復元する段階の前に、クロックを追跡する段階をさらに含む。
【0024】
一実施例において、前記クロックを追跡する段階は、周波数追跡ループ(frequency tracking loop)と位相追跡ループ(phase tracking loop)とに分離した二重ループ構造の位相固定ループを利用して行う。
【0025】
一実施例において、前記クロックを追跡する段階は、位相固定ループ(Phase Locked Loop、PLL)を利用して行う。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例によれば、高い効率でデータを伝送することが可能であり、このように伝送されたデータを復元することができるという長所が提供される。本発明の実施例によれば、伝送される遷移を含むデータパケットで遷移が発生する位置が固定されず、均一に分散されるので、EMIによる影響を低減することができるという長所が提供される。本発明の実施例によれば、受信端で復元したクロックを利用してデータを復元するので、クロックスキューとジッターの問題を解決することができるという長所が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施例によるデータ伝送方法の概要を示す流れ図である。
図2図2は、伝送するピクセルデータPD及び伝送準備パケットの構造Tを概略的に示す図である。
図3図3は、遷移誘導パケットを形成する方法を説明するための図である。
図4図4は、本発明の実施例による遷移誘導パケットを形成する方法の概要を示す流れ図である。
図5図5は、遷移を含むデータパケットを形成する方法の概要を示す図である。
図6図6は、遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを伝送する方法の概要を示す図である。
図7図7は、本発明の実施例によるデータ復元方法の概要を示す流れ図である。
図8図8は、本発明の実施例によるデータを復元する方法の概要を示す図である。
図9図9は、本発明の実施例によるクロックを追跡する方法の概要を示す図である。
図10図10は、本発明の実施例によるクロックを追跡する方法の概要を示す図である。
図11図11は、遷移を含むデータパケットからピクセルデータをサンプリングする構成の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に関する説明は、構造的ないし機能的説明のための実施例に過ぎないので、本発明の権利範囲は、本文に説明された実施例によって制限されるものと解釈されてはならない。すなわち、実施例は、多様な変更が可能であり、さまざまな形態を有することができるので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現することができる均等物を含むものと理解されなければならない。
【0029】
一方、本出願で記述される用語の意味は、次のように理解されなければならない。
単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならないし、「含む」または「有する」などの用語は、記述された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0030】
各段階は、文脈上明白に特定手順を記載しない以上、明記された手順と異なって起きることができる。すなわち、各段階は、明記された手順と同一に起きることもでき、実質的に同時に行われることもでき、反対の順に行われることもできる。
【0031】
ここで使用されるすべての用語は、異なって定義されない限り、本発明の属する分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致するものと解釈されなければならないし、本出願において明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味を有するものと解釈されることができない。
【0032】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施例によるデータ通信方法を説明する。図1は、本発明の実施例によるデータ通信方法を簡略に示す流れ図(flow chart)である。図2は、伝送するピクセルデータPD及び伝送準備パケットの構造Tを概略的に示す図である。図1及び図2を参照すれば、本発明によるデータ伝送方法は、伝送するデータをあらかじめ定められたビット数(numberofbits)で区分し、複数の伝送準備パケットを形成する段階(S100)と、伝送準備パケットと同一のビット数を有し、前記伝送準備パケットと異なる遷移誘導パケット(transition enducing packet)を形成する段階(S200)と、遷移誘導パケットとそれぞれの前記伝送準備パケットで論理演算を行い、遷移を含むデータパケット(transition included transmission packets)を形成する段階(S300)と、遷移を含むデータパケット及び遷移誘導パケットを伝送する段階(S400)とを含む。
【0033】
一実施例において、タイミングコントローラ(図示せず)が各チャネル当たりjビットでk個のチャネルにデータを伝送する場合、ラインブランク(Line Blank、LB)領域と制御信号CSを除いてj×k個ビットのピクセルデータPDがディスプレイドライバーに伝送されなければならない。このようなj×k個ビットのピクセルデータPDをあらかじめ定められたビット数で区分し、伝送準備パケットTを形成する。一例として、図2aに示されたように、総7200ビットのピクセルデータをディスプレイドライバーに伝送すれば、総7200ビットのピクセルデータPDを最上位ビット(MSB、Most Significant Bit)から最下位ビット(LSB、Least Significant Bit)まで5ビットを有する1440個の伝送準備パケットT、T、…、T1440で形成することができる。他の例として、図2bに示されたように、総7200ビットのピクセルデータをディスプレイドライバーに伝送すれば、6bitを有する1200個の伝送準備パケットT、T、…、T1200で形成することができる。他の例として、伝送準備パケットのビット数でピクセルデータの総ビット数が割り切れないこともある。このような場合には、図2cに示されたように、必要な分だけのダミービット(dummy bit)を挿入し、伝送準備パケットを形成する。例えば、前述したように、ピクセルデータPDが総7200ビットであり、伝送準備パケットのビット数が7ビットなら、1028個の伝送準備パケットを形成することができ、伝送準備パケットを形成せず、4ビットが残る。このような場合、3ビットのダミービットを追加し、1029番目の伝送準備パケットT1029を形成することができる。追加されたダミービットの内容は、どんな内容でも無関係であり、101、110などのようにどんな形態でもよい。
【0034】
但し、これは、ただ本発明の実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するためのものではない。したがって、伝送準備パケットのビット数は、他の値として定められることができる。さらに他の例として、図示してはいないが、最下位ビットから最上位ビットまで整列し、伝送準備パケットを形成することができる。
【0035】
一般的に、パケット(packet)は、ヘッダー(header)とペイロード(payload)を有し、ネットワークを通じて伝送されるデータビットのバンドル(bundle)を意味するものと使用されたが、本明細書では、伝送しようとするデータをあらかじめ定められたビット数を有するように分けたビットバンドル(bit bundle)を意味するものと使用する。
【0036】
図1及び図3を参照すれば、遷移誘導パケット(transition enducingpacket、E)を形成する(200)。一実施例において、遷移誘導パケットEは、所定の個数の伝送準備パケットTと論理演算され、前記所定個数分だけのディスプレイドライバーに伝送されるデータパケットDPを形成(図5参照)し、遷移誘導パケットEとの論理演算によって各データパケットDPには、隣接するビットの間に0から1または1から0への遷移(transition)が少なくとも1つ形成される。遷移誘導パケットEは、前述したように、伝送過程でデータドライバーに伝送されるデータパケットに遷移を形成する役目を行う。また、データを復旧する過程では、後述するように、遷移誘導パケットを形成するのに使用される伝送準備パケットとの論理演算を用いたデータ復旧過程でデータ復旧のシード(seed)として機能する。したがって、遷移誘導パケットEは、遷移を含むデータパケットDPとともに伝送される。
【0037】
一実施例において、後述する論理演算の一例として排他的論理和(Exclusive OR、XOR)演算を行う場合、演算結果である伝送パケットに少なくとも1つの遷移を形成するために、遷移誘導パケットEは、伝送準備パケットと同一または相補的(complementary)関係になってはならない。一例として、伝送準備パケットと遷移誘導パケットがいずれも3ビットであると仮定する。伝送準備パケットTが101なら、遷移誘導パケットEは、伝送準備パケットと同一の101またはそれと相補的な010になれない。このような場合、伝送準備パケットと遷移誘導パケットで排他的論理和演算を行う場合、000または111の結果が得られ、演算結果には遷移が含まれないからである。
【0038】
遷移誘導パケットEと伝送準備パケットPがいずれもnビットを有する場合、最大2^(n−1)−1個の互いに異なる伝送準備パケットを利用して1つの遷移誘導パケットEを形成することができる。図3を参照すれば、左側の列は、3ビットで可能な伝送準備パケットTのすべての場合を示すものであり、右側の列は、同様に3ビットで可能な遷移誘導パケットを示すものである。最初に伝送しようとする伝送準備パケットが000(1)なら、伝送パケットに遷移を形成するためには、これと同一または相補的な000及び111は、遷移誘導パケットとして使用することができない。二番目の伝送準備パケットが010(2)なら、同様に、010及び101は、遷移誘導パケットとして使用することができない。三番目の伝送準備パケットが110(3)なら、110及び001は、遷移誘導パケットとして使用することができない。次に、011が次の伝送準備パケット(4)なら、これと同一または相補的な011及び100を遷移誘導パケットとして使用することができないので、図示のように、3ビットのすべての遷移誘導パケットを使用することができない。したがって、互いに異なる3個の伝送準備パケットから少なくとも1つの3ビット遷移誘導パケットを得ることができ、反対に、1個の3ビット遷移誘導パケットで、最大3個の遷移を含むデータパケットを形成することができる。
【0039】
したがって、次のような結論に到逹する。1個のnビット遷移誘導パケットを形成するためには、nビットの最大2^(n−1)−1個の互いに異なる伝送準備パケットが必要である。これは、次のような理由による。nビットで可能なすべての遷移誘導パケットの場合の数は2^(n)個であり、1個のnビット伝送準備パケットが定められれば、2個の遷移誘導パケットを使用することができないようにする。したがって、2^(n)個の遷移誘導パケットEをすべて使用することができないようにする 互いに異なる伝送準備パケットの個数は2^(n)/2個であるので、最大2^(n−1)−1個の互いに異なる伝送準備パケットTで少なくとも1つのnビット遷移誘導パケットを形成することができる。
【0040】
前述した1つの遷移誘導パケットを形成するための互いに異なる伝送準備パケットの個数は、最大値であり、それより少ない個数の伝送準備パケットで遷移誘導パケットを形成することができる。一実施例において、前述したように、1個の3ビット遷移誘導パケットは、最大2^(3−1)−1=3個の伝送準備パケットで形成することができるが、それより少ない2個または1個の伝送準備パケットで遷移誘導パケットを形成することも可能である。例えば010の伝送準備パケットでこれと同一または相補的ではない100及び011のうちいずれか1つのような伝送準備パケットを形成することができる。他の実施例において、1個の6ビット遷移誘導パケットは、最大2^(6−1)−1=31個の伝送準備パケット(6ビット)で形成することができるが、それより少ない30個または29個の伝送準備パケットで形成することもやはり可能である。
【0041】
一実施例において、遷移誘導パケットEも、前述したように、遷移を含むデータパケットとともに伝送され、データを復旧するのに使用されるので、遷移誘導パケットも、遷移を含まなければならない。したがって、遷移誘導パケットEの少なくとも隣接する2つのビットでは、必ず遷移が発生しなければならない。したがって、伝送される遷移誘導パケットE、E、…の所定の隣接するビットの間では、必ず遷移が発生するように遷移誘導パケットを形成する。一例において、最上位ビットMSBと隣接するビットで遷移が起きるように遷移誘導パケットを形成する。他の例において、最下位ビットLSBと隣接するビットで遷移が起きるように遷移誘導パケットを形成する。
【0042】
図4を参照して本発明の実施例による遷移誘導パケットを形成する方法を説明する。nビットで可能なすべてのデータを有する予備パケットを準備する(S210)。一例として、前述したように、3ビットで可能な予備パケットは、000、001、010、011、…、111の8個である。他の例において、遷移誘導パケットと伝送準備パケットが6ビットなら予備パケットは000000、000001、000010、…、111111の64個である。
【0043】
伝送準備パケットを準備する(S220)。一実施例において、前述したように伝送しようとするピクセルデータPDをあらかじめ定められたビット数で区分して伝送準備パケットを準備することができ、当該伝送準備パケットは、レジスタに格納されることができる。準備した伝送準備パケットと予備パケットが同一または相補的であるかを判断し(S230)、同一または相補的な予備パケットを除去する(S240)。伝送準備パケットと同一または相補的な予備パケットは、当該伝送準備パケットと論理演算を行っても、演算結果に遷移を形成することができないからである。
【0044】
次に、あらかじめ定められた個数番目の伝送準備パケットであるかを判断する(S250)。一例において、前述したように、6ビットの伝送準備パケットであるとしても、30個の伝送準備パケットで1つの遷移誘導パケットを形成することができるので、あらかじめ定められた個数番目の伝送準備パケットであるかを判断する。但し、前記あらかじめ定められた個数は、2^(n−1)−1を超過してはならないことは自明である。一実施例において、伝送準備パケットの個数を計数し、次の段階に進行する。本実施例によれば、遷移誘導パケットを形成するために準備した互いに異なる伝送準備パケットの個数を計数する必要がなく、これを具現する装置の構成を簡単にすることができる。他の実施例において、互いに異なる伝送準備パケットの個数を計数し、次の段階に進行する。本実施例によれば、互いに異なる伝送準備パケットの個数を計数し、遷移誘導パケットを形成するので、以後の伝送過程で1つの遷移誘導パケットとともに伝送することができる遷移を含むデータパケットの個数が増加することができるので、データ伝送効率が向上する。
【0045】
残っている予備パケットのうち1つを遷移誘導パケットとして選択(S260)し、遷移誘導パケットを形成する。結果的に形成された遷移誘導パケットは、所定個数の伝送準備パケットと同一または相補的ではない。一実施例において、遷移誘導パケットの最上位ビットと隣接するビットで遷移が起きるようにする場合なら、これに該当するように遷移誘導パケットを選択する。他の実施例において、最下位ビットと隣接するビットで遷移が起きるようにする場合なら、これに該当するように遷移誘導パケットを選択する。他の実施例において、いずれか隣接する2つのビット間で遷移が起きるようにする場合なら、これに該当するように遷移誘導パケットを選択する。
【0046】
図1及び図5を参照すれば、伝送準備パケットTと遷移誘導パケットEで論理演算を行い、遷移を含むデータパケット(transition included data packets)を形成する(S300)。一実施例において、伝送準備パケットTと遷移誘導パケットEのそれぞれ対応するビットで排他的論理和XOR演算を行う。前述したように、伝送準備パケットTと遷移誘導パケットEは、互いに同一のビット数を有する。一例において、伝送されるべきピクセルデータPDが7200ビットであり、伝送準備パケットTと遷移誘導パケットEが6ビットなら、図5に示されたように、1つの遷移誘導パケットと当該遷移誘導パケットを形成するのに使用された伝送準備パケットとの論理演算を行う。一例において、1つの6ビット遷移誘導パケットを形成するのに使用された伝送準備パケットの個数が31個なら、1つの遷移誘導パケットと前記31個の伝送準備パケットと論理演算を行い、31個のデータパケットを形成する。したがって、遷移誘導パケットEと伝送準備パケットT〜T31を利用したそれぞれの論理演算を行い、DP、DP、…、DP31を形成し、遷移誘導パケットE2と伝送準備パケットT32〜T62を利用した論理演算を行い、DP32〜DP62を形成する。このような方法で遷移誘導パケット39と伝送準備パケットT1170〜T1200を論理演算し、DP1170〜DP1200まで形成する。
【0047】
他の例において、図示してはいないが、1つの6ビット遷移誘導パケットを形成するのに使用された伝送準備パケットが30個なら、1つの遷移誘導パケットと前記30個の伝送準備パケットとの論理演算を行い、30個のデータパケットを形成する。
【0048】
【表1】
【0049】
一例において、表1に示されたように一番目の伝送準備パケットTと遷移誘導パケットEがいずれも6ビットなら、一番目の伝送準備パケットと遷移誘導パケットは、同一または互いに相補的な関係にあるものではない。また、その論理演算を行った結果である遷移を含むデータパケットDPを見れば、0から1へ、1から0への遷移が存在することが分かる。同様に、二番目の伝送準備パケットと遷移誘導パケットとの論理演算を行った結果であるデータパケットDPを見れば、1から0への遷移が存在することが分かる。
【0050】
排他的論理和演算を行った結果であるデータパケットDPには、必ず少なくとも1つの遷移が含まれるので、遷移を含むデータパケットを受信した受信部では、後述するように、遷移を利用してクロックを復元する。したがって、従来技術のように、別途のクロック信号線路を形成する理由がないため、ディスプレイの製造費用が減少する。また、遷移が発生する位置がデータパケット内で固定されていないので、様々なデータパケットを送信する場合、遷移がパケット別に均一に分散して位置する。したがって、EMIが減少するという長所が提供される。さらに、クロック信号を受信端で復元して使用するので、クロック信号線路にデータとクロック信号を別に送信する場合に発生するクロックスキュー(Clock Skew)問題が発生しないことが分かる。
【0051】
一実施例において、伝送準備パケットと遷移誘導パケットとの論理演算は直列的に行う。直列的に行われた論理演算の結果を最上位ビットMSBから最下位ビットLSBに整列し、遷移を含むデータパケットDPを形成する。他の実施例において、伝送準備パケットTと遷移誘導パケットとの論理演算は、並列的に行う。並列的に行われた論理演算の結果を直列化(serialize)した後、当該ビットに合わせて整列し、データパケットDPを形成する。
【0052】
図6は、遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットを伝送する方法を概要的に説明する図である。図1図6を参照すれば、遷移を含むデータパケットと前記遷移誘導パケットを伝送する(S400)。一実施例において、1つの6ビット遷移誘導パケットEを形成するために、31個の伝送準備パケットを利用すれば、7200ビットのデータを伝送するために1200個の遷移を含むデータパケットと39個の遷移誘導パケットを伝送しなければならない。他の実施例において、1つの6ビット遷移誘導パケットEを形成するために30個の伝送準備パケットを利用すれば、7200ビットのデータを伝送するために、1200個の遷移を含むデータパケットと40個の遷移誘導パケットを伝送しなければならない。
【0053】
遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを伝送する一実施例において、遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットは、ピクセルデータPD伝送領域で伝送される。図6aに示されたように、遷移を含むデータパケットを伝送するのに先立って、遷移誘導パケットを伝送する。本実施例のように構成すれば、データ伝送区間内に遷移誘導パケットを一緒に伝送するようになるので、伝送効率が少し減少することができるが、データパケットからデータを復元する回路の構成を簡略化させることができる。他の実施例において、1つのチャネルに伝送される遷移誘導パケットをすべて取り集めて伝送し、遷移を含むデータパケットをピクセルデータPD伝送領域に伝送する構成も可能である。一例において、図6bに示されたラインブランク区間LB内に遷移誘導パケットをすべて取り集めて伝送する構成も可能である。但し、図6bに示された例は、1つの遷移誘導パケットEと31個の遷移を含むデータパケットDPを伝送することを例示したもので、1つの遷移誘導パケットE当たり31個を超えない個数(例えば30個)のデータパケットとともに伝送することができることは、前述した通りである。本実施例のように構成すれば、ピクセルデータ伝送領域に単にピクセルデータだけが伝送されるので、伝送効率は100%に近接する。他の実施例において、図示してはいないが、いずれか1つのチャネルのピクセルデータPDの伝送後、次のチャネルのピクセルデータPD伝送区間の前に当該チャネルの遷移誘導パケットまたは次のチャネルの遷移誘導パケットをすべて取り集めて伝送する構成も、また可能である。
【0054】
遷移誘導パケットE及び伝送準備パケットのビット数が増加すれば、データドライバーに伝送されたデータパケットに含まれた遷移を利用してクロックを復元する過程でクロック復元時にエラーが発生する確率が増加するので、クロック復元回路の複雑性及び精密度が増加しなければならないが、データドライバーに伝送される遷移誘導パケットの数が減少し、伝送効率が向上する。
【0055】
以下では、本発明の一実施例によるデータ復元方法を添付の図面を参照して説明する。図7は、本発明の一実施例によるデータ復元方法の概要を示す流れ図である。図7を参照すれば、遷移誘導パケットEと遷移を含むデータパケットを受信する(S500)。データパケットの隣接するビットの間には、前述したように、少なくとも1回0から1へまたは1から0への遷移が存在する。
【0056】
図8は、受信された遷移誘導パケットEと遷移を含むデータパケットDPを利用してクロック信号を復元することができる構成の一例を示す図である。図7及び図8を参照する。受信された遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを利用してクロックを復元する(S600)。一実施例において、図8に示されたように、位相固定ループ(PLL、Phase Locked Loop)構造を利用してクロックを復元することができる。受信された遷移を含むデータパケットDPまたは遷移誘導パケットEと電圧制御発振器(VCO、Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を位相検出器(Phase detector)に入力すれば、位相検出器は、電圧制御発振器VCOで出力された信号とデータパケットの遷移または局部発振器で出力された信号XOと遷移誘導パケットの遷移と位相差を検出する。位相検出器PDは、高い帯域の信号と位相差信号を同時に出力するので、低域通過フィルタ(Low Pass Filter、LPF)を利用して位相差信号のみを得て、これを電圧制御発振器VCOに入力し、発信周波数を制御し、復旧されたクロック信号RCLKを得ることができる。
【0057】
図示の構成は、PLLを利用した構成であるが、電圧制御遅延ライン(VCDL、Voltage Controlled Delay Line)を利用した遅延固定ループ(DLL、Delay Locked Loop)を利用することができることは自明である。DLLを使用する場合、局部発振器を使用するPLLの出力周波数は、構造上、遷移を含むデータパケットの送信周波数と正確に一致することができず、微細なエラー(error)が発生する。このような小さいエラーが累積すれば、結果的に、電圧制御遅延ラインの制御範囲を脱して、エラーを発生させる。したがって、これを補完するために、PLLで生成されたマルチフェーズクロックをVCDLに入力として使用するか、あるいは位相補間器(phase interpolater)を使用してエラーを防止することができる。
【0058】
一実施例において、クロックを復元する段階の前にクロックを追跡(tracking)する段階をさらに含むことができる。図9は、クロックを追跡して復元する構成の一例を示す図である。図9を参照すれば、クロックを追跡する構成は、一定の周波数の信号を出力する局部発振器の出力信号XOを入力される第2位相固定ループPLL2を含む。第2位相固定ループPLL2は、位相周波数検出器PFDと、低域通過フィルタLPF2、電圧制御発振器VCO2を含み、N分周器Div−Nをさらに含むことができる。位相周波数検出器PFDは、局部発振器が出力する局部発振器の出力信号XOと電圧制御発振器VCO2が出力した信号の周波数差及び位相差を検出する。位相検出器PDが出力する信号は、位相差信号とともに、回路の動作と無関係な高域の信号を含んでいるので、低域通過フィルタLPF2を利用して周波数差及び位相差信号のみを得る。上記のように、低域通過フィルタLPF2が出力した位相差信号を電圧制御発振器VCO2に入力した後、N分周器Div−Nにより分周し、クロックの周波数を追跡する。
【0059】
第1低域通過フィルタLPF1で出力された信号は、位相差を検出し、データをサンプリングする第1位相固定ループPLL1の第1電圧制御発振器VCOに入力される。すなわち、第2位相固定ループPLL2を利用してクロック周波数追跡(frequency tracking)の荒いチューニング(coarse tuning)を行った後、その結果を利用して第1位相固定ループPLL1でクロック位相追跡(phase tracking)の微細チューニング(fine tuning)を行い、クロックを復元する。
【0060】
遷移誘導パケットEと遷移を含むデータパケットDPをDフリップフロップに入力し、復元されたクロック信号RCLKを入力すれば、遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットをサンプリングし、伝送されたクロック信号に同期された遷移誘導パケットと遷移を含むデータパケットを得ることができる(S600)。本具現例は、Dフリップフロップを利用することを例示したが、Dラーチを利用してサンプリングすることも当然に可能であり、これらと等価である他の構成で具現することも同様に可能である。
【0061】
図10は、クロックを追跡する構成の他の実施例を示すブロック図である。局部発振器を使用しない場合、周波数追跡ループ(FTL、frequency tracking loop)と位相追跡ループ(PTL、phase tracking loop)とに分離した二重ループ構造で形成し、上記実施例と同様に、クロック信号を復元することができる。最初荒いチューニング(coarse tuning)段階では、一定の周期で遷移が発生するチューニング信号Tを位相周波数検出器に入力する。周波数が固定されていない状態では、周波数固定検出部(FLD、Frequency Lock Detector)は、その出力を低域通過フィルタLPFに連結し、周波数を固定する過程を行う。周波数固定が行われた後には、微細チューニング(fine tuning)過程を行い、クロックを復元する。微細チューニング過程は、遷移誘導パケットEと遷移を含むデータパケットDPを位相検出器PDに入力すれば、周波数固定検出部は、位相検出器PDの出力を低域通過フィルタLPFに連結し、低域通過フィルタが出力した位相差信号を利用して電圧制御発振器VCOを制御し、クロックを復元する。すなわち、荒いチューニング(coarse tuning)段階では、周波数固定ループFTLを動作させてクロック周波数固定を行い、周波数が固定されれば、位相固定ループPTLが動作し、クロック位相が固定されるので、クロックが復元される。このように復元されたクロックRCLKで遷移誘導パケットE及び遷移を含むデータパケットDPをサンプリングし、クロック信号に同期された遷移誘導パケットSE及び同期された遷移を含むデータパケットSDPを形成することができる。
【0062】
図7及び図11を参照する。図11は、サンプリングされた遷移誘導パケットSEとサンプリングされた遷移を含むデータパケットSDPで論理演算を行い、ピクセルデータPDを復元する過程を概略的に示す図である。図7及び図11を参照すれば、サンプリングされた遷移を含むデータパケットと遷移誘導パケットを利用して論理演算を行い、データを復元する(S800)。一実施例において、サンプリングされた遷移誘導パケットSEは、前述したように、ピクセルデータPDを復旧するシード(seed)として活用される。これは、二進データAと他の二進データBの排他的論理和演算を行った演算結果物Cとさらに二進データBとの排他的論理和演算を行う場合、Aを得ることができるということに基盤する。サンプリングされたデータパケットDPは、伝送されるデータをあらかじめ定められたビット数で分割した伝送準備パケットTと同一のビット数を有する遷移誘導パケットEと排他的論理和演算を行った結果物なので、サンプリングされたデータパケットSDPと遷移誘導パケットSEで排他的論理和演算を行う場合、該当する部分のデータを復元することができる。すなわち、SEとSDPで論理演算を行う場合、Tを得ることができ、同様に、SEとSDPで論理演算を行う場合、Tを得ることができる。したがって、遷移誘導パケットとデータパケットとの論理演算を行う場合、ピクセルデータPDを復元することができる。
【0063】
一実施例において、図5aを参照すればラインブランク区間LBに当該ラインの遷移誘導パケットE、E、E、…、E39が順次に伝送され、ピクセルデータ伝送区間PDで遷移を含むデータパケットDP、DP、DP、…、DP1200が順次に伝送される。受信端では、ラインブランク区間の間に順次に伝送された遷移誘導パケットE、E、E、…、E39を復元されたクロックCLKを利用してサンプリングして格納した後、格納された遷移誘導パケットSE、SE、SE、…、SE39を利用して順次に伝送されたデータパケットと排他的論理和演算を行い、該当する区間中のピクセルデータを復元する。このような方式で、全体ピクセルデータPDを復元することができる。
【0064】
他の実施例において、図5bを参照すれば、ラインブランク区間LBの後に、最初遷移誘導パケットEを受信する。次に、順次に受信した遷移を含むデータパケットDP、DP、…、DP31と遷移誘導パケットEをサンプリングした後、論理演算を行い、該当する区間中のピクセルデータを復元する。次に、次の遷移誘導パケットEを受信し、これを利用して順次に受信したデータパケットDP32、…、DP62をサンプリングした後、論理演算を行い、次の領域のピクセルデータを復元する。したがって、本実施例によっても全体ピクセルデータを復元することができる。
【0065】
ピクセルデータを復元する一実施例において、サンプリングされた遷移誘導パケットSEとサンプリングされた遷移を含むデータパケットSDPを逆直列化(deserialize)した後、ビットワイズ(bitwise)で論理演算を行い、伝送クロックに同期されたピクセルデータを得ることができる。このように逆直列化した後、ビットワイズ論理演算を行うので、高い動作速度を具現することができる。本段階での論理演算は、ソフトウェア的に具現することも可能であり、ハードウェア的に具現することも当然可能である。次に、同期されたピクセルデータを所望のビット数に加工した後、当該スキャンドライバーに伝送し、ディスプレイを駆動することができる。
【0066】
前述した通信方法は、情報ディスプレイ装置においてタイミング制御部(Timing Controller)とデータドライバー(Data Driver)間のデータ通信を例示して説明されたが、これは、ただ簡潔で且つ明確な説明のためのものであって、発明の範囲を制限するためのものではない。通常の技術者が本発明の技術的思想を変更し、いずれか1つの装置と他の装置間のデータ通信で使用可能であることは自明である。
【0067】
本発明に対する理解を助けるために図面に示された実施例を参照として説明されたが、これは、実施のための実施例であって、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常的知識を有する者ならこれから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付の特許請求範囲によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0068】
S100〜S400 本発明の実施例によるデータ伝送方法の各段階
S500〜S800 本発明の実施例によるデータ復元方法の各段階
S210〜S260 本発明の実施例による遷移誘導パケット形成方法の各段階
T 伝送準備パケット
PD ピクセルデータ
E 遷移誘導パケット
DP 遷移を含むデータパケット
LB ラインブランク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11