(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、島設備の一実施形態について説明する。
本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、島設備に遊技機を設置した状態において、該遊技機で遊技を行う者(以下、遊技者という)から見たときの各方向を示すものとする。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の島設備10は、遊技機としてのパチンコ遊技機11を設置するための設備である。島設備10は、遊技店などの設置場所に設置される。島設備10は、複数のパチンコ遊技機11を左右方向に沿って並ぶように設置可能に構成されている。なお、本実施形態の島設備10は、該島設備10の一方側にのみパチンコ遊技機11を設置可能に構成されている。
【0015】
本実施形態において、左右方向は、島設備10及びパチンコ遊技機11の幅方向に相当し、上下方向は、島設備10及びパチンコ遊技機11の高さ方向に相当し、前後方向は、島設備10及びパチンコ遊技機11の奥行き方向に相当する。
【0016】
まず、パチンコ遊技機11について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機11は、遊技枠体12を備えている。遊技枠体12は、外枠体20と、中枠体30と、前枠体40と、を備えている。
【0017】
外枠体20は、島設備10に固定される固定用の枠体である。外枠体20は、天板21、底板22、左側板23、及び右側板24を備えており、正面視において、開口部20aを有する縦長の四角枠状である。本実施形態において、外枠体20は、パチンコ遊技機11の外郭をなしている。外枠体20の天板21及び底板22は、ベニヤ板などのように釘打ちが可能な木製であり、左側板23及び右側板24は、アルミニウムなどの金属製である。天板21及び底板22は、釘打ちが可能な材料製であれば、樹脂材料製であってもよい。
【0018】
中枠体30は、他の部材を搭載するための枠体である。以下の説明では、遊技枠体12に搭載されている部材を搭載部材と示す。中枠体30は、正面視において、縦長の四角枠状である。中枠体30は、開口部20aの前面側において、外枠体20に対して相対的に開放及び閉鎖が可能となるように、外枠体20の左側板23に軸支されている。
【0019】
中枠体30は、搭載部材の1つとして、遊技盤31を備えている。
遊技盤31は、前面側に、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域31aを備えている。例えば、遊技盤31は、遊技領域31aに開口している入賞口として、始動入賞口32、及び大入賞口33などを備えている。遊技盤31は、大入賞口33を開閉する開閉部材33aを備えている。遊技盤31は、所定の画像を表示する演出を実行する演出表示装置34を備えている。遊技盤31は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置35を備えている。遊技盤31は、該遊技盤31の後側に、制御基板36を備えている。制御基板36は、CPUなどの処理部と、RAMやROMなどの記憶部と、を備えている。制御基板36の処理部は、記憶部に記憶されているプログラムを実行することによって、各種の処理を実行する。
【0020】
ここで、制御基板36の処理部が実行する処理の概略について説明する。
例えば、制御基板36の処理部は、始動入賞口32に遊技球が入賞したことを契機として内部抽選(所謂、大当り抽選)を実行する。制御基板36の処理部は、大当り抽選の結果に基づいて、所定の図柄を変動表示させるとともに、1つの特別図柄を確定停止表示(導出)させる特別図柄変動ゲームを実行するように、特別図柄表示装置35を制御する。制御基板36の処理部は、大当り抽選に当選した場合には、上記特別図柄変動ゲームにおいて大当りを認識可能な特別図柄を確定停止表示させたのち、大入賞口33を開放させる大当り遊技を生起させる。制御基板36の処理部は、大当り抽選に当選しなかった場合には、上記特別図柄変動ゲームにおいてはずれを認識可能な特別図柄を確定停止表示させる。また、制御基板36の処理部は、大当り抽選の結果に基づいて、所定の演出を演出装置に実行させる。所定の演出を実行させる演出装置としては、演出表示装置34や、後述するランプユニット42及びスピーカユニット43の中から1又は複数を任意に選択できる。なお、パチンコ遊技機11が複数の制御基板を備えている場合、上記処理は、複数の制御基板によって分割して実行してもよい。
【0021】
前枠体40は、他の部材を搭載するための枠体である。前枠体40は、正面視において、開口部40aを有する縦長の四角枠状である。前枠体40は、中枠体30の前面側において、外枠体20及び中枠体30対して相対的に開放及び閉鎖が可能となるように、外枠体20の左側板23に軸支されている。本実施形態において、枠体30,40は、外枠体20に対して相対的に開放及び閉鎖が可能であり、前枠体40は、中枠体30に対して相対的に開放及び閉鎖が可能である。なお、枠体30,40は、外枠体20の右側板24に軸支されていてもよい。
【0022】
前枠体40は、搭載部材の1つとして、ランプユニット42を備えている。ランプユニット42は、電球やLEDなどのように、図示しない発光体を内蔵している。ランプユニット42は、演出の1つとして、内蔵された発光体を点灯、点滅、及び消灯させることで所定の演出を実行する。前枠体40は、搭載部材の1つとして、スピーカユニット43,43を備えている。スピーカユニット43,43は、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出を実行する。
【0023】
前枠体40は、搭載部材の1つとして、遊技球を貯留する上球皿44、及び下球皿45を備えている。前枠体40は、搭載部材の1つとして、発射ハンドル46を備えている。パチンコ遊技機11では、発射ハンドル46の操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技球が遊技領域31aに向かって発射される。また、前枠体40は、搭載部材の1つとして、保護ガラス47を備えている。保護ガラス47は、前枠体40の開口部40aを覆っている。保護ガラス47は、中枠体30に搭載された遊技盤31の遊技領域31aを保護している。
【0024】
次に、島設備10について詳しく説明する。
以下の説明では、前後方向における島設備10の両端部のうち、一方の端部から他方の縁部までを内側と示す場合がある。また、以下の説明では、島設備10において、前後方向における一方の端部よりも他方の端部とは反対側、及び、他方の端部よりも一方の端部とは反対側を、島設備10の外側と示す場合がある。
【0025】
図1及び
図3に示すように、島設備10は、左右方向に沿って延びている長方形の設置台51を備えている。例えば、設置台51は、金属製の枠状部材であってもよく、木製の板状部材であってもよい。例えば、設置台51は、アンカーボルトなどの固定手段によって、設置場所の床面に固定される。
【0026】
島設備10は、設置台51の上方に固定されており、且つ、左右方向に沿って延びている下台枠52を備えている。例えば、下台枠52は、平面視において左右方向に沿って延びている長方形の下枠体52a及び上枠体52bと、下枠体52aの上方に上枠体52bを支持する複数の支持柱52cと、を備えている。下台枠52は、全体として、左右方向に沿って延びている直方体状のフレームである。支持柱52cは、前後方向における下台枠52の両端部にそれぞれ設けられている。本実施形態において、上枠体52bの上面のうち、前後方向における縁部(外側の縁部)は、左右方向に沿って延びており、且つ、パチンコ遊技機11を支持するための下支持面52dとされている。
【0027】
島設備10は、下台枠52の上枠体52bから上方に向かって延びている複数の支持枠53を備えている。複数の支持枠53は、上下方向に沿って延びており、且つ、前後方向に沿って並んでいる第1柱部53a及び第2柱部53bと、柱部53a,53bを下端部において連結している下連結部53cと、柱部53a,53bを上端部において連結している上連結部53dと、をそれぞれ備えている。複数の支持枠53は、側面視において、上下方向に沿って延びている長方形の枠体である。柱部53a,53b及び連結部53c,53dは、中実又は中空の角材であってもよく、長手方向と直交する平面で切断したときの断面がコの字型の溝型材(チャンネル材)であってもよい。前後方向に沿った支持枠53の長さは、前後方向に沿った下台枠52の長さよりも短い。また、平面視において、支持枠53は、前後方向に沿った下台枠52の中央又は略中央に固定されている。
【0028】
複数の支持枠53は、柱部53a,53bの上端部のそれぞれに、他方の柱部とは反対側の面から突出している取付部53eを備えている。即ち、取付部53e,53eは、柱部53a,53bの上端部のそれぞれから、外側に向かって前後方向に沿って延びている。取付部53e,53eは、中実又は中空の角材であってもよく、溝型材(チャンネル材)であってもよい。
【0029】
図1に示すように、島設備10において、複数の支持枠53は、左右方向に沿って所定の間隔で立設されている。好ましくは、複数の支持枠53は、左右方向に沿って、2つのパチンコ遊技機11を設置できる距離ごとに設けられている。
【0030】
島設備10は、左右方向に沿って延びており、且つ、正面視において長方形の枠状である1又は複数の上台枠54を備えている。上台枠54は、隣り合う2つの支持枠53における取付部53eの先端部に対して固定されており、支持枠53,53の上端部同士を連結している。
【0031】
上台枠54は、左右方向に沿って延びている上枠材55及び下枠材56と、下枠材56の上方に上枠材55を支持している左支持材57a及び右支持材57bと、を備えている。上台枠54は、左支持材57aと右支持材57bとの間において、下枠材56の上方に上枠材55を支持している中支持材57cを備えている。
【0032】
本実施形態において、下枠材56は、左右方向と直交する平面で切断したときの断面が上方に開口しているコの字型の溝型材(チャンネル材)である。枠材55,57a〜57cは、中実又は中空の角材であってもよく、溝型材(チャンネル材)であってもよい。上台枠54(下枠材56)の下面は、パチンコ遊技機11を支持する上支持面54aとされている。
【0033】
図1及び
図3に示すように、島設備10は、遊技者の所有物や、遊技者が遊技球を貯留する箱(所謂、ドル箱)を載置するためのテーブル58を備えている。テーブル58は、左右方向に沿って延びており、且つ、平面視において、下台枠52よりも前後方向における外側に突出している。テーブル58は、下台枠52の支持面52dに固定されている。
【0034】
島設備10は、テーブル58の上部に、パチンコ遊技機11の底板22を固定するための1又は複数の下設置板60を備えている。下設置板60は、平板状の部材であって、下台枠52の下支持面52d(テーブル58)に対して移動不能に固定されている。本実施形態の下設置板60は、底板22を釘打ちにより固定可能な材料製である。例えば、下設置板60は、ベニヤ板などの木製である。本実施形態において、左右方向に沿った下設置板60の長さは、左右方向に沿ったパチンコ遊技機11の長さの2倍以上の長さである。
【0035】
また、島設備10は、上台枠54の上支持面54a側に、パチンコ遊技機11の天板21を固定するための複数の上設置板61を備えている。複数の上設置板61は、平板状の部材である。複数の上設置板61は、天板21を釘打ちにより固定可能に構成されている。本実施形態において、左右方向に沿った下設置板60の長さは、左右方向に沿ったパチンコ遊技機11の長さと同一又は略同一である。
【0036】
ここで、本実施形態では、下台枠52、左右方向に隣り合う2つの支持枠53、及び上台枠54によって、左右方向に2つのパチンコ遊技機11を並べて設置するための設置領域62が形成されている。島設備10は、1つの設置領域62を備えていてもよく、複数の設置領域62を備えていてもよい。1つの設置領域62には、2つの設置部62a,62aが左右方向に沿って並ぶように設けられている。そして、複数の設置部62aには、上設置板61がそれぞれ各別に設けられている。その一方で、下設置板60は、1つの設置領域62に1つ設けられている。即ち、下設置板60は、複数の設置部62aにまたがって設けられている。
【0037】
本実施形態の島設備10において、上台枠54の上支持面54aと、下台枠52の下支持面52dとは、他の部材が存在していない状態において、相互に向かい合っている。即ち、平面視において、上支持面54aと下支持面52dとは、相互に重なり合っている。したがって、島設備10において、上設置板61と下設置板60とは、パチンコ遊技機11が存在していない状態において、相互に向かい合っている。即ち、平面視において、上設置板61と下設置板60とは、相互に重なり合っている。
【0038】
島設備10は、上台枠54の前面(外側)に、上幕板63aを備えている。また、島設備10は、下台枠52の前面(外側)に、下幕板63bを備えている。上下の幕板63a,63bは、左右方向に沿って延びており、且つ、正面視において長方形の板状である。例えば、幕板63a,63bは、前面に絵柄や文字といった各種の装飾が施されていてもよい。
【0039】
本実施形態において、下設置板60及び上設置板61は、遊技機の枠体としての外枠体20が取り付けられる取付部に相当する。上設置板61は、外枠体20のうち第1部位としての天板21が取り付けられる第1取付部に相当する。また、下設置板60は、天板21とは反対側の第2部位としての底板22が取り付けられる第2取付部に相当する。
【0040】
本実施形態の島設備10は、パチンコ遊技機11の傾き(傾斜)を調整可能に構成された傾き調整機構70を備えている。
図4〜
図8に示すように、本実施形態の傾き調整機構70は、上設置板61と、上台枠54のうち下枠材56と、パチンコ遊技機11の傾きを調整する操作が可能な操作部71と、を含んで構成されている。以下、傾き調整機構70に関する構造について、詳細に説明する。
【0041】
図4及び
図5に示すように、上台枠54の下枠材56は、左右方向に沿って延びている平板状の底板56aを備えている。下枠材56は、底板56aにおける前側(外側)の端部56bから上方に向かって延びており、且つ、左右方向に沿って延びている平板状の前板56cを備えている。下枠材56は、底板56aにおける後側(内側)の端部56dから上方に向かって延びており、且つ、左右方向に沿って延びている平板状の後板56eを備えている。本実施形態において、前板56c及び後板56eが延びている上方向は、底板56aから離間する方向に相当する。前板56cは、第1壁に相当し、後板56eは、第2壁に相当する。
【0042】
下枠材56は、前板56cの上端部から下端部側へ切り欠くようにして形成された第1係止部としての前係止部56fを備えている。下枠材56は、後板56eの上端部から下端部側へ切り欠くようにして形成された第2係止部としての後係止部56gを備えている。前係止部56fと後係止部56gとは、前後方向に沿って並んでいる。好ましくは、前係止部56fと後係止部56gとは、前方かた見たときに整合一致している。
【0043】
下枠材56は、底板56aに、前後方向に沿って延びている長孔56hを備えている。平面視において、前係止部56fと、後係止部56gと、長孔56hとは、前後方向に沿って並んでいる。好ましくは、前係止部56fと、後係止部56gと、長孔56hとは、左右方向における中心線が一致している。本実施形態において、下枠材56の底板56aは、上設置板61と対向している対向部に相当する。
【0044】
図4及び
図6に示すように、上設置板61は、釘打ちによって外枠体20の天板21を固定可能な基礎板部61aを備えている。例えば、基礎板部61aは、ベニヤ板などの木製や、樹脂材料製である。基礎板部61aは、左右方向に沿って延びている平板状である。例えば、左右方向に沿った基礎板部61aの長さは、左右方向に沿ったパチンコ遊技機11の長さと同一又は略同一である。上設置板61は、基礎板部61aの前側(外側)の端部を覆っている化粧部材61b,61cを備えている。
【0045】
図8に示すように、上設置板61は、基礎板部61aを上下方向に沿って貫通している締結ボルト孔61dを備えている。締結ボルト孔61dには、締結ボルト64が挿通される。上設置板61は、締結ボルト孔61dの下端部側に、締結ボルト64の頭部64aを収容するための座繰り部61eを備えている。締結ボルト64の軸部64bを締結ボルト孔61dに挿通し、且つ、締結ボルト64の頭部64aを座繰り部61eに収容した状態では、締結ボルト64の頭部64aが基礎板部61aの下面から突出しない。
【0046】
図4及び
図6に示すように、下設置板60は、基礎板部61aの上面側に固定されている補強板61fを備えている。補強板61fは、前後方向に沿って延びている長方形の板状である。補強板61fは、上下方向に貫通しており、且つ、平面視において締結ボルト孔61dと整合一致している挿通孔61gを備えている。補強板61fは、平面視において挿通孔61gを囲う環状であって、且つ、上方に向かって延びているスペーサ部61hを備えている。本実施形態のスペーサ部61hは、平面視において円形である。スペーサ部61hは、平面視において楕円形や四角形であってもよい。
【0047】
本実施形態において、補強板61fの上面からスペーサ部61hの先端面までの上下方向に沿った長さ(以下、スペーサ部高さHと示す)は、下枠材56における底板56aの上下方向に沿った長さ(以下、板厚Tと示す)よりも長い。また、平面視において、左右方向に沿ったスペーサ部61hの長さ(幅)は、左右方向に沿った長孔56hの長さ(幅)よりも僅かに短い。
【0048】
次に、操作部71について説明する。
図4に示すように、操作部71は、前後方向に沿って延びている傾き調整ボルト72と、傾き調整ボルト72によって前後方向に移動される調整ブロック73と、を備えている。
【0049】
傾き調整ボルト72について説明する。
本実施形態の傾き調整ボルト72は、頭部72aと、軸部72bと、を備えている。傾き調整ボルト72は、軸部72bに固定されている第1固定環72cと第2固定環72dとを備えている。軸部72bの長さ方向に沿った固定環72c,72dの離間距離は、下枠材56における前板56cの前後方向に沿った長さ(厚さ)よりも僅かに大きい。固定環72c,72dは、軸部72bの長さ方向における中央よりも基端部(頭部72a)側に設けられている。
【0050】
調整ブロック73について説明する。
図7(a)〜(f)に示すように、調整ブロック73は、全体として四角箱状の部材である。調整ブロック73は、左右方向における略中央において、前後方向に沿って延びている挿通溝73aを備えている。左右方向に沿った挿通溝73aの長さ(幅)、及び、上下方向に沿った挿通溝73aの長さ(高さ)は、傾き調整ボルト72の軸部72bの直径よりも長い。
【0051】
調整ブロック73は、傾き調整ボルト72の軸部72bを螺入するための調整ボルト孔74aを備えている。調整ボルト孔74aは、挿通溝73aの内部に配置されている。調整ボルト孔74aは、正面視において四角板状の金属片74を、前後方向に沿って貫通するように形成されている。金属片74は、調整ブロック73に固定されている。金属片74は、調整ブロック73の下面から上面側に向かって延びている固定穴73bに対する圧入によって固定されている。例えば、金属片74は、接着剤、ネジ、及びボルトなどの固定手段によって固定されていてもよい。
【0052】
調整ブロック73は、締結ボルト64の軸部64bを螺入するための締結ボルト孔75aを備えている。例えば、締結ボルト孔75aは、挿通溝73aに露出していてもよい。締結ボルト孔75aは、平面視において六角形のブロック状である金属片75を、上下方向に沿って貫通するように形成されている。例えば、金属片75は、ナットである。金属片75は、調整ブロック73に固定されている。金属片74は、調整ブロック73と一体成型することによって固定されている。例えば、金属片75は、接着剤、ネジ、及びボルトなどの固定手段によって固定されていてもよい。本実施形態の金属片75は、調整ブロック73の下面に露出しており、該調整ブロック73の下面を構成している。
【0053】
図8に示すように、調整ブロック73は、チャンネル型である下枠材56内に収容されている。具体的に言えば、調整ブロック73は、前板56cと後板56eとの間に配設されている。したがって、本実施形態において、調整ブロック73は、底板56aを挟んで上設置板61とは反対側に配置されている第1連結部に相当する。
【0054】
そして、傾き調整ボルト72の軸部72bは、調整ブロック73の調整ボルト孔74aに螺入させた状態において、前板56cの前係止部56fと、後板56eの後係止部56gと、に架け渡すように設置されている。具体的に、軸部72bの基端部(前側)は、固定環72c,72dの間に前板56cが位置するように、前係止部56fに挿し込まれている。また、軸部72bの先端部は、後係止部56gに挿し込まれている。本実施形態において、傾き調整ボルト72は、前後方向に沿って延びている棒状であり、調整ブロック73と連結されている第3連結部に相当する。軸部72bの基端部(前側)は、第1端部に相当し、軸部72bの先端部は、第2端部に相当する。
【0055】
そして、締結ボルト64は、上設置板61の締結ボルト孔61d、及び挿通孔61gを挿通させた状態で、調整ブロック73の締結ボルト孔75aに螺入されている。この状態において、スペーサ部61hは、長孔56hに挿通されている。スペーサ部61hの上面(先端面)は、調整ブロック73(金属片75)の下面と接触している。このように、締結ボルト64は、調整ブロック73と上設置板61とを締結している。したがって、本実施形態において、締結ボルト64は、長孔56hに挿通された状態で上設置板61と調整ブロック73とを連結(締結)している第2連結部に相当する。そして、上設置板61は、下枠材56の下側に吊り下げられるようにして支持される。
【0056】
また、上述のように、スペーサ部高さHは、下枠材56における底板56aの板厚Tよりも長い。したがって、本実施形態の傾き調整機構70において、下枠材56の底板56aは、調整ブロック73と上設置板61(補強板61f)との間に配置されているものの、調整ブロック73と上設置板61(補強板61f)とによって挟持されてはいない。このように、締結ボルト64によって上設置板61と調整ブロック73とが連結されている状態において、上設置板61と調整ブロック73との離間距離は、少なくとも一部において底板56aの厚さよりも長い。
【0057】
また、平面視において、左右方向に沿ったスペーサ部61hの長さ(幅)は、左右方向に沿った長孔56hの長さ(幅)よりも僅かに短い。したがって、上設置板61は、調整ブロック73と締結された状態のまま、相互に連れ立って前後方向に沿って移動が可能である。即ち、本実施形態において、上設置板61は、下枠材56に対して移動可能に構成されている。
【0058】
また、上述のように、調整ブロック73は、チャンネル型である下枠材56内に収容されている。したがって、調整ブロック73は、上設置板61の移動に伴って、前後方向における底板56aの前側(外側)の端部56bと、端部56bとは反対側の後側(内側)の端部56dと、の間の範囲内において移動可能に構成されている。本実施形態において、前側(外側)の端部56bは、第1端部に相当し、後側(内側)の端部56dは、第2端部に相当する。
【0059】
図1に示すように、本実施形態の島設備10は、設置部62aごとに傾き調整機構70を2つずつ備えている。2つの傾き調整機構70のうち、一方の傾き調整機構70は、左右方向における設置部62aの中央よりも左方であって、設置部62aの上部に設けられている。2つの傾き調整機構70のうち、他方の傾き調整機構70は、左右方向における設置部62aの中央よりも右方であって、設置部62aの上部に設けられている。本実施形態において、2つの傾き調整機構70は、設置部62aにおいて、左右対称に設けられている。設置部62aのそれぞれにおいて、上設置板61は、2つの傾き調整機構70によって、下枠材56の下方に吊り下げられるようにして支持されている。
【0060】
本実施形態において、設置台51、下台枠52、支持枠53、及び上台枠54は、下設置板60及び上設置板61を支持する支持部81を構成している。例えば、支持部81の内部には、パチンコ遊技機11に対して遊技球を供給するための供給路、パチンコ遊技機11から遊技球を回収するための回収路、パチンコ遊技機11から回収した遊技球を上記供給路へと揚送するための揚送装置などが配設される。また、例えば、支持部81の内部には、パチンコ遊技機11と遊技店に設置されているホルコンとを接続するための配線や、パチンコ遊技機11に対して電源を供給するための配線などが設置される。
【0061】
次に、島設備10におけるパチンコ遊技機11の設置方法について、その作用とともに説明する。
パチンコ遊技機11の設置方法は、外枠体20を釘打ちする第1固定工程及び第2固定工程と、パチンコ遊技機11の傾きを調整する調整工程と、が含まれている。
【0062】
図9(a)及び(b)に示すように、第1固定工程は、底板22を下設置板60に対して固定する工程である。第1固定工程では、底板22を貫通して下設置板60に到達するように1又は複数の釘80を打ち込む。第2固定工程は、天板21を上設置板61に対して固定する固定である。第2固定工程では、天板21を貫通して上設置板61(基礎板部61a)に到達するように1又は複数の釘80を打ち込む。第1固定工程及び第2固定工程のうち、先に行う工程は、第1固定工程及び第2固定工程の何れであってもよい。
【0063】
そして、調整工程は、傾き調整機構70を操作することによって、パチンコ遊技機11の傾き(傾斜)を調整する工程である。図中において矢印Y1に示すように、調整ブロック73は、傾き調整ボルト72を軸部72bの軸線まわりにおける第1方向へ回転させることにより、前側へ移動される。調整ブロック73は、締結ボルト64によって上設置板61と締結されており、さらに、上設置板61には、外枠体20の天板21が固定されている。したがって、傾き調整ボルト72を第1方向へ回転させることにより、外枠体20の天板21側を前側へ移動させ、パチンコ遊技機11の全体の傾きを前傾姿勢側へ調整することができる。
【0064】
図中において矢印Y2に示すように、調整ブロック73は、傾き調整ボルト72を第1方向とは反対の第2方向へ回転させることにより、後側へ移動される。したがって、傾き調整ボルト72を第2方向へ回転させることにより、外枠体20の天板21側を後側へ移動させ、パチンコ遊技機11の全体の傾きを後傾姿勢側へ調整することができる。
【0065】
上述したように、下設置板60は、下台枠52に対して移動不能に固定されている。したがって、調整工程において、底板22と下設置板60とを固定している釘80は、パチンコ遊技機11の傾動に伴って屈曲し、パチンコ遊技機11の傾きを調整する場合の起点となる。このように、本実施形態において、取付部の一部にあたる上設置板61は、下枠材56に対して、パチンコ遊技機11の傾きを調整する調整方向に沿って移動可能に構成されている。本実施形態において、前後方向は、パチンコ遊技機11の傾きの調整方向に相当する。
【0066】
また、傾き調整機構70において、下枠材56の底板56aは、調整ブロック73と上設置板61(補強板61f)との間に配置されているものの、調整ブロック73と上設置板61(補強板61f)とによって挟持されてはいない。したがって、傾き調整機構70では、底板56aと調整ブロック73との間や、底板56aと上設置板61(補強板61f)との間における摩擦によって、パチンコ遊技機11の傾きを調整し難くなることが抑制される。
【0067】
また、本実施形態の島設備10では、設置部62aごとに2つの傾き調整機構70を備えている。したがって、パチンコ遊技機11の左側と右側のそれぞれにおける傾きを所望の傾きに調整できる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、パチンコ遊技機11(枠体12)が取り付けられた上設置板61を移動させることによって、パチンコ遊技機11の傾きを調整することが可能になる。したがって、パチンコ遊技機11の傾きを容易に調整できる。
【0069】
(2)本実施形態によれば、下設置板60は下台枠52に対して移動不能に固定されている。したがって、上設置板61を調整方向に相当する前後方向に沿って移動させるだけで、下設置板60側を起点として、簡便にパチンコ遊技機11の傾きを調整できる。
【0070】
(3)本実施形態によれば、長孔56hに沿って上設置板61及び調整ブロック73を移動させることで、簡便な構成により、パチンコ遊技機11の傾きを調整できる。
(4)本実施形態によれば、スペーサ部高さHは、下枠材56における底板56aの板厚Tよりも長い。このため、上設置板61及び調整ブロック73を移動させるときに、長孔56hまわりにおいて、上設置板61及び調整ブロック73が底板56a(下枠材56)に接触することを抑制できる。したがって、パチンコ遊技機11の傾きを容易に調整できる。
【0071】
(5)本実施形態によれば、調整ブロック73は、上設置板61の移動に伴って、前後方向における底板56aの端部56b,56dの間の範囲内において移動可能に構成されている。したがって、調整ブロック73が底板56a(下枠材56)から前後方向に沿って突出しない。したがって、例えば、島設備10の内部に配設される他の部品との干渉を少なくできる。
【0072】
(6)本実施形態によれば、係止部56f,56gに傾き調整ボルト72を係止させることで、調整ブロック73を簡単に設置できる。
(7)本実施形態によれば、島設備10は、複数の設置部62aを備えていることから、島設備10に複数のパチンコ遊技機11を設置できるとともに、個々の設置部62aに配置された上設置板61を移動させることにより、複数のパチンコ遊技機11のそれぞれについて、個別に傾きを調整できる。
【0073】
(8)本実施形態によれば、相互に当接する金属片75及び補強板61fは、何れも強度が高い金属製である。したがって、締結ボルト64によって、上設置板61と調整ブロック73とを強く締結することが可能である。
【0074】
(9)上設置板61は、設置部62aごとに設けられている。このため、上設置板61は、パチンコ遊技機11の交換が複数回にわたって行われて老朽化したときに、交換が簡単にできる。
【0075】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・
図10に示すように、傾き調整機構70は、カバー77を備えていてもよい。例えば、カバー77は、調整ブロック73を覆っている箱状であるとよい。
【0076】
・
図10及び
図11に示すように、傾き調整機構70は、パチンコ遊技機11の傾きを調整するときに参照できる指標情報が付与されていてもよい。例えば、指標情報は、カバー77に目盛り77aとして設けられているとよい。この場合、
図11に示すように、金属片74の上端部を上方に延長するとともに、該延長した部分に調整ブロック73の位置を指示する指示部材78を取り付けるとよい。これによれば、指示部材78によって指示される位置と、目盛り77aと、を参照することによって、パチンコ遊技機11の傾きを所望の傾きに調整し易くできる。
【0077】
・
図10に示すように、傾き調整機構70は、傾き調整ボルト72に動力を伝達可能に接続されており、調整ブロック73を前後方向に沿って移動させる動力手段としてのアクチュエータ82を備えていてもよい。例えば、アクチュエータは、ステッピングモータであるとよい。本別例によれば、アクチュエータ82の動力によって、傾き調整ボルト72を回転させることで、調整ブロック73とともに上設置板61を移動させ、簡単にパチンコ遊技機11の傾きを調整できる。アクチュエータ82は、動力を伝達できるように、傾き調整ボルト72の頭部72aに接続されていてもよく、軸部72bの先端部に接続されていてもよい。
【0078】
・傾き調整機構70は、アクチュエータ82の動作を制御する制御手段(コントローラ)としての傾き制御部83を備えていてもよい。傾き制御部83は、CPUなどの処理部と、RAMやROMなどの記憶部と、を備えるとよい。例えば、傾き制御部83は、パチンコ遊技機11の傾きを検知するとともに、該検知結果に基づいてアクチュエータ82を制御し、パチンコ遊技機11の傾きを自動的に所定の傾きとなるように調整してもよい。例えば、傾き制御部83は、操作手段としての操作ボタンを備え、該操作ボタンの操作に基づいてアクチュエータ82を制御し、上設置板61を移動させてもよい。傾き制御部83は、島設備10に搭載されていてもよく、必要なときにだけアクチュエータ82に接続する外部装置として構成されていてもよい。本別例によれば、傾き制御部83によりアクチュエータ82を制御できることから、調整ブロック73とともに上設置板61を移動させ、簡単にパチンコ遊技機11の傾きを調整できる。
【0079】
・調整ブロック73の形状は変更してもよい。例えば、調整ブロック73は、全体として、六角柱形であってもよく、円柱状であってもよい。
・島設備10は、1つの設置部62aを備えていてもよい。設置領域62は、1つの設置部62aを備えていてもよく、3つ以上の設置部62aを備えていてもよい。
【0080】
・設置部62aは、1つの傾き調整機構70を備えていてもよく、3つ以上の傾き調整機構70を備えていてもよい。
・傾き調整ボルト72は、第1固定環72cを省略し、頭部72aと共用されていてもよい。
【0081】
・島設備10は、上設置板61に加えて、又は代えて、下設置板60が前後方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。設置板60,61の両方を移動可能に構成する場合、取付部の全部は、前後方向に沿って移動可能に構成されているといえる。
【0082】
・島設備10は、下設置板60及び上設置板61を含んで構成された四角枠状の取付部を備えていてもよい。
・設置板60,61に対して外枠体20を取り付けるための構造は、適宜変更してもよい。例えば、外枠体20は、設置板60,61に対してネジ止めされていてもよく、ボルトによって固定されていてもよく、ロック機構により取り付けられていてもよい。
【0083】
・上設置板61は、設置部62aごとに複数備えられていてもよい。例えば、傾き調整機構70ごとに分割して上設置板61を備えているとよい。上設置板61は、複数の設置部62aごとに1つ備えられていてもよい。
【0084】
・下設置板60は、設置部62aごとに1つずつ備えられていてもよい。下設置板60は、複数の設置領域62にまたがって設けられていてもよい。
・スペーサ部61hは、環状である必要はなく、挿通孔61gの周囲を囲むように配置された複数の突出部により構成されていてもよい。
【0085】
・上設置板61と調整ブロック73とは、締結ボルト64に加えて、又は代えて、異なる第2連結手段によって締結されていてもよい。例えば、上設置板61と調整ブロック73とは、釘打ちやネジ止めにより固定されていてもよく、圧入や接着により固定されていてもよい。
【0086】
・島設備10は、該島設備10の両方側にパチンコ遊技機11を設置可能に構成されていてもよい。
・島設備10に設置する遊技機は、遊技媒体として遊技球やメダルを用いるスロットマシンであってもよい。
【0087】
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記調整方向に沿って延びている棒状であり、前記第1連結部と連結されている第3連結部と、前記第1端部において前記第1取付部から離間する方向に沿って延びている第1壁と、前記第2端部において前記第1取付部から離間する方向に沿って延びている第2壁と、前記第1壁にあり、前記第3連結部の第1端部が係止可能な第1係止部と、前記第2壁にあり、前記第3連結部の第2端部が係止可能な第2係止部と、を備えている。
【0088】
(ロ)前記調整方向に沿って延びている棒状であり、前記第1連結部と連結されている第3連結部と、前記第3連結部に動力を伝達可能に接続されており、前記第3連結部を前記調整方向に沿って移動させる動力手段と、を備えている。
【0089】
(ハ)前記動力手段を制御する制御手段を備えている。
(ニ)遊技機を設置するための複数の設置部を備え、前記取付部は、前記枠体のうち第1部位が取り付けられる第1取付部と、前記第1部位とは反対側の第2部位が取り付けられる第2取付部と、を含み、前記複数の設置部には、前記第1取付部がそれぞれ各別に設けられている。