【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、入口部3、出口部4、および入口部と出口部との間の流れ調節通路5を備えている流体流路2と、流路内に配置された細長い梁部材10と、を含む小型の流体流れ調節装置1であって、入口部と出口部との間の圧力差が、流れ調節通路内で梁部材が曲がって流体の流れを調節することを引き起こし、
細長い梁部材は、第1の端部13と第2の端部14を有し、流路の入口部から出口部まで延びており、
この装置は、支持手段19a,19b,20a,20bを含み、
第1の端部と第2の端部の少なくとも一方は、装置内で、支持手段によって支持されている、小型の流体流れ調節装置が提供される。
【0013】
第2の態様では、好ましくは1000Paの圧力範囲に亘って、呼気の流れを10〜300ml/s、好ましくは50±5ml/sの範囲内に維持するように調節する前述した小型の流れ調節装置を含む呼吸分析装置が提供される。
【0014】
第3の態様では、好ましくは1000Paの圧力範囲に亘って、呼気の流れを10〜300ml/s、好ましくは50±5ml/sに維持するように調節する、呼吸分析装置内の前述した小型の流れ調節装置の使用方法が提供される。
【0015】
このように、本発明は、入口部、出口部、および入口部と出口部との間の流れ調節通路を備えている流体流路と、流路内に配置された細長い梁部材と、を含み、入口部と出口部との間の圧力差が、流れ調節通路内で梁部材が曲がって流体の流れを調節することを引き起こす小型の流体流れ調節装置に関する。
【0016】
それによって、低コストで製造でき、携帯型の分析装置に一体化された、簡素な流体流れ調節装置が実現する。これは、サイズが比較的大きい流体流れを受動的に調節することができる。
【0017】
細長い梁は第1および第2の面を有し、第1の面は流体の流路の入口部と連通して流体圧力に曝され、細長い梁の第1および第2の面に作用する圧力の差が、流れ調節通路内で梁部材が曲がって流体の流れを調節することを引き起こす。
【0018】
それによって、梁のばね力が梁全体に亘る圧力差を均衡させるように、効果的に自動調整で流れを受動的に調節することが、簡素な手段で達成できる。
【0019】
この装置は、流体流路から分離しており流体流路の入口部と連通している流体スペースを含み、細長い梁の第1の面は流体スペースの壁を形成している。それによって、入口部の圧力は、梁を撓ませて流れを調節するために用いられる。
【0020】
細長い梁は、流路から分離している流体スペースからの漏れ通路が形成され、流体が流体スペースから出口部に向かって導かれるように、配置されていてよい。
【0021】
漏れ通路は、最小化されるか、または特定の漏れ流れ特性をもたらすように構成されていてよい。
【0022】
第2の面は、流れ調節通路の壁を形成してもよい。それによって、梁の屈曲が、流れ調節通路内の流れを直接調節する。
【0023】
流れ調節通路は、流体流路の入口部から出口部に向けて圧力が低下するように構成されてもよい。それによって、入口部と出口部との間の、従って細長い梁部材全体に亘る圧力差が実現する。
【0024】
細長い梁は、延びる方向が流体流路に沿うように配置されてもよい。それによって、梁の屈曲が、流れ調節通路の断面積の統一した調節(a uniform regulation of the cross-sectional area)を引き起こす。
【0025】
細長い梁は、第1の端部と第2の端部を有し、流路の入口部から出口部まで延びている。
【0026】
細長い梁の第1の端部は、装置内で支持されていてよい。第1の端部は装置内で固定されてもよく、それによって細長い梁は片持ち梁を形成する。第2の端部は自由端であってもよい。こうして、梁の大きな撓みが達成される。
【0027】
細長い梁の第1の端部は、流体流路の出口部に向けられていてよい。こうして、装置内で第1の端部が取り付けられることによって、流体スペースが形成される。
【0028】
第2の端部は装置内で支持されてもよく、それによって、例えば梁の共鳴周波数が高くなる。
【0029】
この装置は支持手段を含み、第1の端部と第2の端部の少なくとも一方は、装置内で、支持手段によって支持されている。単純な支持を行うことによって、所望の圧力差のための梁のより大きな撓みが実現する。
【0030】
支持手段は、単純に支持される端部の長さに沿う中間位置および/または端部の角部に、単純に支持される端部の全長に沿う支持をもたらすように構成されていてよい。それによって、支持手段は、梁部材の様々な寸法に応じた支持をもたらすように構成される。
【0031】
支持手段は、梁の撓みに応じて、梁に沿う支持位置で、細長い梁に沿う支持をもたらすように構成されていてよい。
【0032】
梁の撓みに応じて支持位置を形成することによって、調節の、流れに対する圧力への依存性(pressure to flow dependency of regulation)は、所望の挙動に適合する。
【0033】
梁に沿う支持位置は、梁の撓みの程度に応じて連続的に変化してもよい。それによって、調節の、流れに対する圧力への依存性は、所望の挙動に連続的に適合する。
【0034】
支持手段は、梁の支持部が梁の撓み時に流れ調節通路に向かって移動するように構成されていてもよい。それによって、流れ調節通路は、梁の撓みによってさらに絞られ、梁の支持部の位置は、梁の撓みと
協働して、流れを調節するために流れ調節通路の断面積を小さくする。
【0035】
従って、支持手段は、梁の撓みが増大した時に、細長い梁の非支持長さを有効に短縮し、それによって梁の剛性を高くするように構成されている。流量が大きいほど梁の非支持長さが短く、それによって、調節が向上する。
【0036】
支持手段は、梁の延びる方向に沿って延びる尾根部、および/または1つまたは複数の個別の支持部を含んでいてよい。
【0037】
支持手段は、梁の延びる方向に沿って延び、梁の第1および第2の側部(側方とは側部に関する意味である)に配置されている第1および第2の尾根部を含んでいてもよい。それによって、梁の側部の安定した支持がもたらされる。
【0038】
尾根部から細長い梁に沿う支持位置が梁の撓みの程度に応じて連続的に変化するように、第1および第2の尾根部は湾曲していてもよい。
【0039】
支持手段は、細長い梁の第1および第2の端部に関して対称であってもよい。
【0040】
細長い梁は、5〜20mm、好ましくは5〜15mmの範囲内の長さ、および/または2〜10mm、好ましくは4〜6mmの範囲内の幅、および/または10〜500μm、好ましくは30〜300μmの範囲内の厚さを有していてもよい。
【0041】
流路は、2〜10mm、好ましくは4〜6mmの範囲内の幅、および/または0.1〜2mm、好ましくは0.5〜1mmの範囲内の高さを有していてもよい。
【0042】
細長い梁は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンカーバイド、金属、または高レベルの疲労強度を有するポリマー材料、例えばポリイミドやPEEKなどを含んでいてよい。それによって、梁は、損傷の危険性が最小であって、繰り返し曲げられる。
【0043】
本発明は、さらに、1000Paの圧力範囲、好ましくは2000Paより大きい圧力範囲に亘って、呼気の流れを10〜300ml/s、好ましくは50±5ml/sの範囲内に維持するように調節する、ここに開示される流れ調節装置を含む呼吸分析装置に関する。
【0044】
呼吸分析装置は、呼気中の一酸化窒素(NO)の含有量を分析するセンサを含んでいてよい。
【0045】
本発明は、さらに、1000Paの圧力範囲、好ましくは2000Paより大きい圧力範囲に亘って、呼気の流れを10〜300ml/s、好ましくは50±5ml/sの範囲内に維持するように調節する、呼吸分析装置内の、ここに開示される流れ調節装置の使用方法に関する。
【0046】
ここで用いられる単数形の「a」、「an」、「the」は、複数形も同様に含む意図である。およそ(about)という用語は、±10%の範囲内のばらつきを表すと定義される。