(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサは、直線グリッド又は正方形格子の位置に対して前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを走査するように、前記xy走査デバイスの前記制御パラメータを定める、請求項15に記載のシステム。
前記プロセッサは、直線グリッド又は正方形格子の位置に対して前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを走査するように、前記xy走査デバイスの前記制御パラメータを定める、請求項21に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の開示は、関連技術の制約及び欠点に起因する1又は2以上の問題を実質的に排除するレーザ較正システム及び関連方法を提供する。上述のように、レーザシステム較正は、較正板を用いた走査システムの手動較正を時として必要とする時に、非常に時間を消費する可能性がある。従って、レーザシステムを自動的に較正するためのシステム及び方法を提供することは有益であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、一部の実施形態において、治療空間を用いてレーザシステムを較正する方法を提供する。レーザシステムは、走査システムとカメラとを含むことができる。カメラは、センサ面位置を有するセンサを含むことができる。一部の実施形態において、センサは、ピクセルのアレイを含むことができ、センサ面位置は、ピクセル位置とすることができる。一部の実施形態は、レーザシステムの治療空間へのセンサ面位置のマッピングを提供する。一部の実施形態において、本方法は、カメラピクセル位置を治療空間にマッピングする段階を含むことができる。走査システムを用いて、レーザシステムの電磁放射線ビームは、蛍光材料の一連の走査位置に対して走査することができる。一連の位置は、電磁ビームをビームの伝播方向に対して直角に移動することによって走査することができる。カメラは、走査された電磁放射線ビームに応答して蛍光材料の一連の位置から放出された光を捕捉することができる。その後に、走査システムは、ビデオカメラによって捕捉された一連の位置に基づいて、かつセンサ面位置を治療空間にマッピングすることによって、治療空間を用いて較正することができる。
【0006】
一部の実施形態において、センサ面位置は、多項式フィッティング又はルックアップテーブルを用いて治療空間にマッピングすることができる。カメラは、それを用いて、既知の距離でカメラに対して直角に位置決めされた較正板を観察することによって、較正することができる。較正板は、治療空間内の離散した既知の位置を定めることができる。カメラの歪みは、較正板によって定められた位置に基づいて除去することができる。一部の実施形態において、較正板は、グリッド交点が治療空間内の離散した既知の位置を定める較正グリッドとすることができる。任意的に、較正板は、電磁放射線を通すための複数の貫通孔を含むことができ、複数の貫通孔は、治療空間内の離散した既知の位置を定めることができる。
【0007】
一部の実施形態において、走査システムは、xy走査デバイスを含む。本方法は、レーザシステムの電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して走査するための制御パラメータを走査システムのxy走査デバイスに対して定める段階を含むことができる。その後に、治療空間は、xy走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。一部の実施形態において、治療空間は、多項式フィッティング又はルックアップテーブルを用いてxy走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。一部の実施形態において、治療空間は、多項式フィッティングを用いてxy走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができ、多項式フィッティングは、一部の実施形態ではz焦点深度に依存しない場合がある。任意的に、xy走査デバイスの制御パラメータは、レーザシステムの電磁放射線ビームを直線グリッド又は正方形格子の位置に対して走査するように定めることができる。
【0008】
一部の実施形態において、走査システムは、治療空間内の電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含むことができる。本方法は、レーザシステムの電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるようにz走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって走査システムのz走査デバイスを較正する段階を含むことができる。カメラ又は共焦点検出器は、電磁放射線ビーム集束に応答して一連の深度位置で蛍光板から放出された光を捕捉するために使用することができる。その後に、治療空間は、z走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。一部の実施形態において、レーザシステムと蛍光材料の間の深度は、蛍光材料を支持するジャッキを用いて変化させることができる。ジャッキは、レーザシステムと蛍光材料の間の深度を設定するように構成され得る。それは、高さを変化させるように自動化することもできる。
【0009】
本発明の更に別の態様において、レーザシステムを提供することができる。レーザシステムは、ビームを治療空間に向けてビーム経路に沿って出力するように構成された電磁放射線ビーム源を含むことができる。それはまた、出力ビームを治療空間内の複数の位置に向けるように構成された走査システムを含むことができる。レーザシステムはまた、治療空間の画像を捕捉するためのカメラを含むことができる。走査システム及びカメラには、プロセッサを結合することができる。プロセッサは、レーザシステムの電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して走査することによって走査システムを較正するように構成することができる。一連の走査位置は、電磁放射線ビームの伝播方向に対して直交することができる。カメラを用いて、プロセッサは、更に、走査された電磁放射線ビームに応答して蛍光材料の一連の位置から放出された光を捕捉することができる。その後に、プロセッサは、カメラによって捕捉された一連の位置に基づいて、治療空間を用いて走査システムを較正することができる。
【0010】
一部の実施形態において、カメラは、ピクセルのアレイを有するセンサを含むことができ、各ピクセルは、ピクセル位置を有することができる。プロセッサは、カメラを用いて、既知の距離でカメラに対して直角に位置決めされた較正板を観察することによって、カメラピクセル位置を治療空間にマッピングすることができる。較正板は、電磁放射線を通すための較正グリッド又は複数の貫通孔を含むことができる。
【0011】
一部の実施形態において、走査システムは、xy走査デバイスを含むことができる。プロセッサは、電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して走査するようにxy走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって、走査システムを較正することができる。プロセッサは、多項式フィッティングを用いて治療空間をxy走査デバイスの制御パラメータにマッピングするために使用することができ、多項式フィッティングは、z焦点深度に依存しない場合がある。一部の実施形態において、プロセッサは、レーザシステムの電磁放射線ビームを直線グリッド又は正方形格子の位置に対して走査するようにxy走査デバイスの制御パラメータを定めることができる。
【0012】
一部の実施形態において、走査システムは、治療空間内の電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含むことができる。プロセッサは、電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるようにz走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって、走査システムを較正することができる。電磁放射線ビームを集束させる段階に応答して一連の深度位置で蛍光板から放出された光を捕捉するために、カメラ又は共焦点検出器を使用することができる。次いで、治療空間は、z走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。一部の実施形態において、システムは、蛍光材料を支持するためのジャッキを含むことができる。ジャッキは、レーザシステムと蛍光材料の間の深度を設定するように構成することができる。
【0013】
本発明の一部の態様において、治療空間を用いてレーザシステムを較正するための1組のコンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体を提供する。コンピュータプロセッサによる当該命令の実行は、センサ面位置を治療空間にマッピングする段階をプロセッサに実施させることができる。更に、プロセッサは、レーザシステムの電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して走査する命令を走査システムに送ることができる。一連の走査位置は、電磁放射線ビームの伝播方向に対して直交することができる。更に、プロセッサは、走査された電磁放射線ビームに応答して蛍光材料の一連の位置から放出された光のカメラの捕捉に関するデータを受信することができる。それはまた、カメラによって捕捉された一連の位置に基づいて、かつ治療空間にマッピングされたカメラピクセル位置に基づいて治療空間を用いて走査システムを較正することができる。
【0014】
一部の実施形態において、コンピュータプロセッサによる当該命令の実行は、既知の距離でカメラに対して直角に位置決めされた較正板のカメラデータを受信することによってカメラを較正する段階をプロセッサに更に実施させることができる。較正板は、治療空間内の離散した既知の位置を定めることができる。その後に、プロセッサは、較正板によって定められた位置に基づいて、カメラの歪みを除去することができる。
【0015】
走査システムがxy走査デバイスを含む一部の実施形態において、プロセッサは、レーザシステムの電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して走査するようにxy走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって、走査システムを較正することができる。その後に、治療空間は、xy走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。一部の実施形態において、プロセッサは、電磁放射線ビームを直線グリッド又は正方形格子の位置に対して走査するようにxy走査デバイスの制御パラメータを定めることができる。走査システムは、治療空間内の電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含むことができる。この場合に、プロセッサは、電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるようにz走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって、走査システムを較正することができる。プロセッサは、電磁放射線ビーム集束に応答して一連の深度位置で蛍光板から放出された光のカメラデータ又は共焦点検出器データを受信することができる。その後に、治療空間は、z走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる。
【0016】
一部の実施形態では、コンピュータプロセッサによる当該命令の実行は、蛍光材料を支持するジャッキに起動命令を送ることによってレーザシステムと蛍光材料の間の深度を変化させる段階を、プロセッサに更に実施させることができる。ジャッキは、レーザシステムと蛍光材料の間の深度を設定するように構成することができる。
【0017】
この概要及び以下の詳細な説明は、単に例示的、例証的、かつ説明的なものに過ぎず、請求する本発明を限定するのではなく、そのより詳しい説明を提供するように意図したものである。本発明の実施形態の更に別の特徴、態様、目的、及び利点は、本明細書、図面、及び特許請求の範囲に示され、これらは、部分的に図面及び詳細な説明から明らかになり、又は実施によって習得することができるであろう。特許請求の範囲は、当該引用によって本明細書に組み込まれる。
【0018】
本発明の新しい特徴は、特許請求の範囲に詳細に示されている。本発明の特徴及び利点のより明確な理解は、本発明の原理を使用する例示的実施形態を示す以下の詳細な説明、並びに添付図面、を参照することによって得られるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明は、本発明の様々な実施形態を説明するものである。説明目的で、これらの実施形態の完全な理解をもたらすために、特定の構成及び詳細が示されている。しかし、当業者には、本発明の実施形態をある具体的詳細を用いずに実施することができることは、明らかであろう。更に、説明する実施形態を不明瞭にすることを避けるために、様々な公知の特徴は、本明細書では省略又は簡略化される場合がある。
【0042】
患者の眼を撮像及び/又は治療するためのシステムが提供される。多くの実施形態において、自由浮遊機構が、眼内に配置された焦点から反射された電磁ビームの一部分を共焦点検出アセンブリのような経路長に依存しない撮像アセンブリに向ける可変光路を提供する。多くの実施形態において、当該自由浮遊機構は、電磁放射線ビームと患者の間のアラインメントを維持しながら患者の移動を受け入れるように構成される。電磁放射線ビームは、眼を撮像すること、眼を治療すること、及び、眼を撮像するのに加えて治療すること、に向けて構成することができる。
【0043】
ここで、類似の番号が類似の要素を指している各図面を参照して、
図1は、多くの実施形態によるレーザ手術システム10を略示している。レーザ手術システム10は、レーザアセンブリ12と、共焦点検出アセンブリ14と、自由浮遊機構16と、走査アセンブリ18と、対物レンズアセンブリ20と、患者インタフェースデバイス22と、を含むことができる。患者インタフェースデバイス22は、患者24とのインタフェースとして作用するように構成することができる。患者インタフェースデバイス22は、対物レンズアセンブリ20によって支持することができる。対物レンズアセンブリ20は、走査アセンブリ18によって支持することができる。走査アセンブリ18は、自由浮遊機構16によって支持することができる。自由浮遊機構16は、レーザアセンブリ12及び共焦点検出アセンブリ14に対して固定された場所及び向きを有する部分を有することができる。
【0044】
一部の実施形態において、患者インタフェースデバイス22は、患者24の眼とのインタフェースとして作用するように構成することができる。例えば、患者インタフェースデバイス22は、全開示内容が当該引用によって本明細書に組み込まれる2013年10月31日出願の「Liquid Optical Interface for Laser Eye Surgery System(レーザ眼手術システムのための液体光学インタフェース)」という名称の米国特許出願第14/068,994号明細書に記載されているように、真空吸引を用いて患者24の眼に結合されるように構成することができる。患者インタフェース22は、システム及び眼の軸(axis of eye)に位置合わせするように構成されたインタフェースレンズを含むことができる光透過構造体を含むことができる。患者インタフェースレンズは、手術に向けて患者の眼の上に配置することができ、光透過構造体は、対物レンズから離して配置することができる。多くの実施形態において、光透過構造体は、コンタクトレンズ光学距離(以下では「CLopt」)の場所に配置されたレンズを含む。光透過構造体は、例えば、コンタクトレンズの厚みを含むことができる厚みを含むことができる。多くの実施形態において、コンタクトレンズを含む光透過構造体は、眼に接触することができるが、コンタクトレンズは、その後面が食塩水又は粘弾性溶液に接触するように、当該レンズと角膜の頂点との間を延びる間隙によって角膜から分離することができる。
【0045】
レーザ手術システム10は、定位置に固定するか又は再位置決め可能にすることができるベースアセンブリ26を任意的に含むことができる。例えば、ベースアセンブリ26は、患者に対するベースアセンブリ26の選択的な再位置決めを可能にし、かつベースアセンブリ26を患者に対する選択固定場所に固定することを可能にするように構成された支持リンケージによって支持することができる。そのような支持リンケージは、例えば、固定支持ベースによるか、又は患者に近い適切な位置に再位置決めすることができる可動カートによる、あらゆる適切な方式で支持することができる。多くの実施形態において、支持リンケージは、セットアップ継手を含み、各セットアップ継手は、その選択的な関節結合を可能にするように構成され、かつその不用意な関節結合を防止するために選択的に係止することができ、それによってセットアップ継手が係止された時にベースアセンブリ26が患者に対して選択された固定場所に固定される。
【0046】
多くの実施形態において、レーザアセンブリ12は、電磁放射線ビーム28を放出するように構成することができる。ビーム28は、あらゆる適切なエネルギレベル、持続時間、及び繰り返し数、の一連のレーザパルスを含むことができる。
【0047】
多くの実施形態において、レーザアセンブリ12は、フェムト秒(FS)レーザ技術を組み込んでいる。フェムト秒レーザ技術を使用することにより、組織を破壊するために短い持続時間(例えば、持続時間で約10
-13〜10
-15秒)のレーザパルス(マイクロジュール範囲のエネルギレベルを有する)を密に集束させた点に送出することができ、それによってより長い持続時間を有するレーザパルスと比較して眼内ターゲットを撮像及び/又は修正するのに必要とされるエネルギレベルが有意に低下する。
【0048】
レーザアセンブリ12は、組織を治療及び/又は撮像するのに適する波長を有するレーザパルスを生成することができる。例えば、レーザアセンブリ12は、全体の開示内容が当該引用によって本明細書に組み込まれる2013年10月31日出願の「レーザ眼手術システム(Laser Eye Surgery System)」という名称の米国特許出願第14/069,044号明細書及び2011年1月7日出願の「眼球組織及び眼内水晶体を修正する方法及びシステム(Method and System For Modifying Eye Tissue and Intraocular Lenses)」という名称の米国特許出願第12/987,069号明細書に記載されているレーザ手術システムのうちのいずれかによって放出されるもののような電磁放射線ビーム28を放出するように構成することができる。例えば、レーザアセンブリ12は、1020nmから1050nmまでの波長を有するレーザパルスを生成することができる。例えば、レーザアセンブリ12は、1030(±5)nmの中心波長を有するダイオード励起固体構成を有することができる。別の例として、レーザアセンブリ12は、320nmから430nmまでの波長を有するレーザパルスを生成することができる。更に、レーザアセンブリ12は、3次調波波長(355nm)で作動し、50ピコ秒から15ナノ秒までのパルス持続時間を有するパルスを生成するNd−YAGレーザ源を含むことができる。スポットサイズに基づいて、典型的な使用パルスエネルギは、ナノジュールからマイクロジュールの範囲にあるとすることができる。レーザアセンブリ12は、あらゆる適切な構成の2又は3以上のレーザを含むことができる。
【0049】
レーザアセンブリ12は、制御構成要素及び調整構成要素を含むことができる。例えば、制御構成要素は、レーザパルスのエネルギ及びパルス列の平均電力を制御するためのビーム減衰器、レーザパルスを含むビームの断面空間広がりを制御するための固定アパーチャ、ビーム列の流束及び繰り返し数、従ってレーザパルスエネルギ、をモニターするための1又は2以上の電力モニター、並びに、レーザパルスの透過を許可/阻止するためのシャッター、のような構成要素を含むことができる。調整構成要素は、構成要素の変化に対して高い許容性を与えるために、レーザパルスビームの場所及び/又は方向の変化性に対応しながらある距離にわたってレーザパルスを伝達するための、調節可能ズームアセンブリ及び固定光学リレーを含むことができる。
【0050】
多くの実施形態において、レーザアセンブリ12及び共焦点検出アセンブリ14は、ベースアセンブリ26に対して固定された一を有することができる。レーザアセンブリ12によって放出されたビーム28は、固定光路に沿って共焦点検出アセンブリ14を抜けて自由浮遊機構16に伝播することができる。ビーム28は、それを走査アセンブリ18に送出することができる自由浮遊機構16を可変光路30に沿って抜けて伝播することができる。多くの実施形態において、レーザアセンブリ12によって放出されたビーム28は、それが、患者の移動によって誘起されるレーザアセンブリ12とスキャナ16の間の光路の長さ変化による影響を受けないように平行化(collimated)することができる。走査アセンブリ18は、ビーム28を少なくとも1つの次元内で走査する(例えば、ビーム28の制御式可変偏向により)ように作動可能とすることができる。多くの実施形態において、走査アセンブリ18は、ビーム28の伝播方向に対して横断方向の2つの次元内でビーム28を走査するように作動可能であり、更に、ビーム28の伝播方向にその焦点の位置を走査するように作動可能とすることができる。走査ビームは、走査アセンブリ18から対物レンズアセンブリ20を抜け、インタフェースデバイス22を抜けて患者24の眼に伝播するように放出することができる。
【0051】
自由浮遊機構16は、走査アセンブリ18によって放出されるビーム28と患者24とのアラインメントを維持しながら、レーザアセンブリ12及び共焦点検出アセンブリ14に対する患者24の1又は2以上の方向の様々な移動を受け入れるように構成することができる。例えば、多くの実施形態において、自由浮遊機構16は、単位直交方向(X、Y、及びZ)のあらゆる組合せによって定められるいずれかの方向の患者24の様々な移動を受け入れるように構成することができる。
【0052】
自由浮遊機構16は、走査アセンブリ18を支持することができ、患者24の移動に応答して変えることができる可変光路30を与えることができる。患者インタフェースデバイス22は、患者24とのインタフェースとして作用することができるので、患者24の移動は、患者インタフェースデバイス22、対物レンズアセンブリ20、及び走査アセンブリ18の対応する移動をもたらし得る。自由浮遊機構16は、例えば、走査アセンブリ18と例えば共焦点検出アセンブリ24との間の相対移動を受け入れるリンケージと、可変光路30を形成するように当該リンケージに適切に縛結された光学構成要素と、のあらゆる適切な組合せを含むことができる。任意的に、自由浮遊機構16は、全体の開示内容が当該引用によって本明細書に組み込まれる2014年2月26日出願の「レーザ手術システム(Laser Surgery System)」という名称の米国特許出願第14/191,095号明細書及びPCT出願PCT/US2014/018752に記載されているように構成することができる。
【0053】
電磁放射線ビーム28の一部分は、焦点の場所にある眼球組織から反射することができ、共焦点検出アセンブリ14に伝播して戻ることができる。具体的には、電磁放射線ビーム28の反射部分は、患者インタフェースデバイス22を抜け、対物レンズアセンブリ20を抜け、走査アセンブリ18を抜け(更にそれによって脱走査され)、自由浮遊機構16を抜けて(可変光路30に沿って)共焦点検出アセンブリ14まで進行して戻ることができる。多くの実施形態において、共焦点検出アセンブリ14まで進行して戻る電磁放射線ビームの反射部分は、電磁放射線ビームの入射部分の強度を示す強度信号を生成するセンサ上に入射するように向けることができる。眼内の焦点の関連走査と結合される強度信号は、例えば、角膜の前面、角膜の後面、虹彩、水晶体嚢の前面、及び、水晶体嚢の後面、のような眼の構造を、撮像する/位置付けるための走査パラメータに関連付けて処理することができる。多くの実施形態において、共焦点検出アセンブリ14に進行する反射電磁放射線ビームの量は、患者の移動に起因して予想される可変光路30の長さの変化に実質的に依存せず、それによって眼の構造を撮像する/位置付けるために前記強度信号を処理するときに患者の移動を無視すること(機能)を可能にする。
【0054】
図2は、レーザ手術システム10の実施形態の詳細を略示している。具体的には、レーザアセンブリ12、共焦点検出アセンブリ14、及び走査アセンブリ18に関する例示的構成を略示している。図示の実施形態に示すように、レーザアセンブリ12は、超高速(UF)レーザ32(例えば、フェムト秒レーザ)と、アラインメントミラー34、36と、ビーム拡大器38と、半波長板40と、偏光子及びビーム廃棄デバイス42と、出力ピックオフ及びモニター44と、システム制御式シャッター46と、を含むことができる。レーザ32によって出力された電磁放射線ビーム28は、アラインメントミラー34、36によって偏向させることができる。多くの実施形態において、アラインメントミラー34、36は、ビーム28を下流光学構成要素を通る下流光路に位置合わせする機能を与えるために、場所及び/又は向きにおいて調節可能にすることができる。次いで、ビーム28は、その直径を増大させることができるビーム拡大器38を通過することができる。拡大されたビーム28は、次いで、半波長板40を通過することができ、その後に、偏光子を通過する。レーザを射出するビームは、直線偏光状態にあるとすることができる。半波長板40は、この偏光を回転させることができる。偏光子を通過する光の量は、直線偏光の回転角に依存する。従って、偏光子を有する半波長板40は、ビーム28の減衰器として機能することができる。この減衰部から除外された光は、ビーム廃棄部内に向けることができる。次いで、減衰されたビーム28は、出力ピックオフ及びモニター44を通過し、次いで、システム制御式シャッター46を通過することができる。システム制御式シャッター46を出力ピックオフ及びモニター44の下流に位置付けることにより、システム制御式シャッター46を開く前にビーム28の電力を検査することができる。
【0055】
図示の実施形態に示すように、共焦点検出アセンブリ14は、偏光又は非偏光のビームスプリッタのような偏光感応デバイス48と、フィルタ50と、集束レンズ51と、ピンホールアパーチャ52と、検出センサ54と、を含むことができる。偏光ビームスプリッタ48の下流には、4分の1波長板56を配置することができる。レーザアセンブリ12から受光されるビーム28は、偏光ビームスプリッタ48を通過するように偏光することができる。次いで、ビーム28は、4分の1波長板56を通過することができ、それによってビーム28の偏光軸が回転される。好ましい回転量は、4分の1回転とすることができる。眼内の焦点から反射された後に、ビーム28のうちで帰還する反射部分は4分の1波長板56を逆に通過することができ、それによってビーム28の帰還反射部分の偏光軸が回転される。4分の1波長板56を逆に通過した後に、ビームの帰還反射部分は、眼から反射された光を偏光ビームスプリッタ48によって完全に反射することができるように、90°の合計偏光回転を受けることができる。例えば、撮像ターゲットの構造が水晶体である場合に、角膜の複屈折に対処することができる。この場合に、波長板56の2回通過並びに角膜の2回通過が90°の偏光回転に加え合わせられるように、波長板56を調節及び/又は構成することができる。角膜の複屈折は患者毎に異なる可能性があるので、検出センサ54に帰還する信号を最適化するために、波長板56の構成/調節を動的に行うことができる。一部の実施形態において、波長板56をある角度で回転させることができる。従って、ビーム28の帰還反射部分は、フィルタ50を抜け、レンズ51を抜けてピンホールアパーチャ52に向けられるように、偏光ビームスプリッタ48によって少なくとも部分的に反射されるように偏光することができる。フィルタ50は、当該波長以外の波長を阻止するように構成することができる。ピンホールアパーチャ52は、焦点以外の位置から反射されたビーム28のあらゆる帰還反射部分が検出センサ54に到達することを阻止することができる。検出センサ54に到達するビーム28の帰還反射部分の量は、ビーム28の焦点にある組織の性質に依存するので、検出センサ54によって生成される信号は、眼の構造に関する像/位置を生成するために関連の焦点位置に関するデータとの組合せで処理することができる。
【0056】
図示の実施形態に示すように、走査アセンブリ18は、z走査デバイス58とxy走査デバイス60とを含むことができる。z走査デバイス58は、ビーム28の収束/発散の角度を変化させ、それによって焦点の位置をビーム28の伝播方向に変更するように作動可能とすることができる。例えば、z走査デバイス58は、ビーム28の収束/発散の角度を変化させるためにビーム28の伝播方向に制御可能に可動な1又は2以上のレンズを含むことができる。xy走査デバイス60は、ビーム28の伝播方向に対して横断方向の2つの次元内でビーム28を偏向するように作動可能とすることができる。例えば、xy走査デバイス60は、ビーム28の伝播方向に対して横断方向の2つの次元内でビーム28を走査するように制御可能に偏向可能な1又は2以上のミラーを含むことができる。従って、z走査デバイス58とxy走査デバイス60との組合せは、例えば患者の眼内で焦点を3つの次元内で制御可能に走査するように作動させることができる。
【0057】
図示の実施形態に示すように、カメラ62及び関連のビデオ照明64を走査アセンブリ18と統合することができる。カメラ62とビーム28は、対物レンズアセンブリ20を抜けて眼に至る共通の光路を共有することができる。ビーム28をカメラによって使用される照明波長と組み合わせる及び/又はそこから分離するために、ビデオダイクロイック66を使用することができる。例えば、ビーム28は、約355nmの波長を有することができ、ビデオ照明64は、450nmよりも長い波長を有する照明を放出するように構成することができる。従って、ビデオダイクロイック66を、450nmよりも長い波長を透過すると同時に355nmの波長を反射するように、構成することができる。
【0058】
図3は、多くの実施形態による眼を撮像する方法200の作動の概略ブロック図である。方法200を実施するのに、本明細書で説明するもののようなあらゆる適切なデバイス、アセンブリ、及び/又はシステムを使用することができる。方法200は、ビーム源を用いて電磁放射線ビームを生成する段階(作動202)を含むことができる。
【0059】
方法200は、電磁放射線ビームをビーム源からスキャナに、眼の移動に応答して変化する光路長を有する可変光路に沿って伝播させる段階(作動204)を含むことができる。方法200は、電磁放射線ビームを眼内の位置にある焦点に集束させる段階(作動206)を含むことができる。方法200は、スキャナを用いて焦点を眼内の異なる位置に対して走査する段階(作動208)を含むことができる。方法200は、電磁放射線ビームのうちで焦点位置から反射された部分を可変光路に沿ってセンサに逆に伝播させる段階(作動210)を含むことができる。方法200は、センサを用いて、電磁放射線ビームのうちで焦点位置から反射され、センサに伝播した部分の強度を示す強度信号を生成する段階(作動212)を含むことができる。
【0060】
図4、
図5、及び
図6は、方法200の一部として達成することができる任意的作動の概略ブロック図である。例えば、方法200は、眼の移動を受け入れるために、第1の支持アセンブリを用いて、スキャナと第1の支持アセンブリとの間の相対移動を受け入れるようにスキャナを支持する段階(作動214)を含むことができる。方法200は、眼の移動を受け入れるために、第2の支持アセンブリを用いて、第1の支持アセンブリと第2の支持アセンブリとの間の相対移動を受け入れるように第1の支持アセンブリを支持する段階(作動216)を含むことができる。方法200は、第1の支持アセンブリを用いて、可変光路の一部分に沿って伝播するように電磁放射線ビームを反射するように構成された第1の反射器を支持する段階(作動218)を含むことができる。方法200は、眼の移動を受け入れるために、ベースアセンブリを用いて、第2の支持アセンブリとベースアセンブリとの間の相対移動を受け入れるように第2の支持アセンブリを支持する段階(作動220)を含むことができる。方法200は、第2の支持アセンブリを用いて、可変光路の一部分に沿って伝播して第1の反射器上に入射するように電磁放射線ビームを反射するように構成された第2の反射器を支持する段階(作動222)を含むことができる。方法200は、電磁放射線ビームのうちで焦点位置以外の位置から反射された部分を阻止するために、電磁放射線ビームの反射部分をアパーチャに通す段階を含む、センサを用いて強度信号を生成する段階(作動224)を含むことができる。方法200は、電磁放射線ビームを偏光感応デバイスに通す段階(作動226)を含むことができる。方法200は、電磁放射線ビームと、電磁放射線ビームのうちで焦点位置から反射された部分と、のうちの少なくとも一方の偏光を修正する段階(作動228)を含むことができる。方法200は、偏光感応デバイスを用いて、電磁放射線ビームのうちで焦点位置から反射された部分をセンサ上に入射するように反射する段階(作動230)を含むことができる。
【0061】
図7は、多くの実施形態によるレーザ手術システム300を略示している。レーザ手術システム300は、レーザアセンブリ12と、共焦点検出アセンブリ14と、自由浮遊機構16と、走査アセンブリ18と、対物レンズアセンブリ20と、患者インタフェース22と、通信経路302と、制御電子機器304と、制御パネル/グラフィカルユーザインタフェース(GUI)306と、ユーザインタフェースデバイス308とを含む。制御電子機器304は、メモリ312を含むプロセッサ310を含む。患者インタフェース22は、患者24とのインタフェースとして作用するように構成される。制御電子機器304は、通信経路302を通して、レーザアセンブリ12、共焦点検出アセンブリ14、自由浮遊機構16、走査アセンブリ18、制御パネル/GUI306、及び、ユーザインタフェースデバイス308、と作動的に結合される。
【0062】
走査アセンブリ18は、z走査デバイス、xy走査デバイス、及びカメラを含むことができる。レーザ手術システム300は、電磁放射線ビーム28を3つの次元内で走査される焦点に集束させるように構成することができる。z走査デバイスは、焦点の位置をビーム28の伝播方向に変化させるように作動可能とすることができる。xy走査デバイスは、焦点の位置をビーム28の伝播方向に対して横断方向の2つの次元内で走査するように作動可能とすることができる。従って、z走査デバイスとxy走査デバイスとの組合せは、患者24の組織内、例えば患者24の眼球組織内、を含む3つの次元内でビームの焦点を制御可能に走査するように作動させることができる。走査アセンブリ18は、患者の移動によって誘起されるレーザアセンブリ12及び共焦点検出アセンブリ14に対する走査アセンブリ18の3つの次元内の移動を受け入れることができる自由浮遊機構16によって支持することができる。
【0063】
患者インタフェース22は、当該患者インタフェース22と対物レンズアセンブリ20と走査アセンブリ18とが患者24と協働して移動するように、患者24に結合される。例えば、多くの実施形態において、患者インタフェース22は、患者24の眼に真空取り付けされた吸引リングを使用する。当該吸引リングは、例えば、真空を用いてそれを患者インタフェース22に固定することで、患者インタフェース22と結合することができる。
【0064】
制御電子機器304は、通信経路302を介して、レーザアセンブリ12、共焦点検出アセンブリ14、自由浮遊アセンブリ16、走査アセンブリ18、患者インタフェース22、制御パネル/GUI306、及びユーザインタフェースデバイス308の作動を制御し、及び/又はこれらから入力を受信することができる。通信経路302は、制御電子機器304とそれぞれのシステム構成要素との間のあらゆる適切な共有又は専用通信経路を含む、あらゆる適切な構成で実施することができる。
【0065】
制御電子機器304は、1又は2以上のプロセッサ、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び、1又は2以上のメモリストレージデバイス、のようなあらゆる適切な構成要素を含むことができる。多くの実施形態において、制御電子機器304は、ユーザ特定の治療パラメータに従った処置前計画策定を可能にし、レーザ眼科外科処置にわたってユーザ制御を適用する、というように制御パネル/GUI306を制御する。
【0066】
制御電子機器304は、システム作動に関する計算を実施するのに使用されるプロセッサ/コントローラ310を含み、様々なシステム要素に制御信号を供給することができる。プロセッサ310には、それ自体及び他のシステム要素によって使用されるデータを格納するためにコンピュータ可読媒体312が結合される。プロセッサ310は、本明細書を通じてより完全に説明するシステムの他の構成要素と対話型処理を行う。一実施形態において、メモリ312は、レーザシステム手術システム300の1又は2以上の構成要素を制御するために利用することができるルックアップテーブルを含むことができる。
【0067】
プロセッサ310は、米国カリフォルニア州サンタクララのIntel Corporationによって製造されているPentiumプロセッサのような、命令及びデータを実行するように構成された汎用マイクロプロセッサとすることができる。プロセッサ310は、本発明の開示の実施形態による方法を実施するための命令の少なくとも一部をソフトウエア、ファームウエア、及び/又はハードウエアに具現化する特定用途向け集積回路(ASIC)とすることができる。一例として、そのようなプロセッサは、専用回路、ASIC、組合せ論理回路、他のプログラム可能プロセッサ、これらの組合せなどを含む。
【0068】
メモリ312は、特定の用途に応答してローカルメモリ又は分散メモリとすることができる。メモリ312は、プログラム実行中の命令及びデータの格納のための主ランダムアクセスメモリ(RAM)と、内部に固定命令が格納される読取専用メモリ(ROM)と、を含むいくつかのメモリを含むことができる。従って、メモリ312は、プログラムファイル及びデータファイルに対する非一時的な(不揮発性)ストレージを与え、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピーディスクドライブ及び関連の取外し可能媒体、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)ドライブ、光ドライブ、取外し可能媒体カートリッジ、並びに他の類似のストレージ媒体、を含むことができる。
【0069】
ユーザインタフェースデバイス308は、ユーザ入力を制御電子機器304に供給するのに適するあらゆる適切なユーザ入力デバイスを含むことができる。例えば、ユーザインタフェースデバイス308は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ/入力デバイス、キーボード、足踏みスイッチ、キーパッド、患者インタフェース無線周波数識別(RFID)読取器、緊急停止ボタン、及びキースイッチ、のようなデバイスを含むことができる。
【0071】
レーザ手術システム10は、治療空間内の位置を、カメラ62内のピクセルに関連付け、更に電磁放射線ビームの焦点を眼内ターゲット内に正確に位置決めすることができるように走査アセンブリ18を制御するのに使用される制御パラメータに関連付けるように、較正することができる。そのような較正は、あらゆる適切な時間、例えばレーザ手術システム10を用いて患者の眼を治療する前、にもたらすことができる。
【0072】
図8は、レーザ手術システム10を較正するために使用することができる較正板402の平面図である。多くの実施形態において、較正板402は、その中にターゲット特徴部、例えば貫通孔404、のアレイを有する薄板である。別の実施形態において、較正板402は、ターゲット特徴部として小さい点から構成される視野を有する薄板である。ターゲット特徴部のあらゆる適切な配置を使用することができるが、
図8の較正板402は、貫通孔404の直交アレイを有する。較正板402内にはあらゆる適切な個数のターゲット特徴部を含めることができる。例えば、図示の実施形態は、29行及び29列の貫通孔404を有し、この場合に、較正板402の4つのコーナの各々における3つの貫通孔は、貫通孔404の直交アレイから省かれている。
【0073】
多くの実施形態において、貫通孔404の各々のサイズは、電磁放射線ビームの焦点が貫通孔に位置しない場合に当該電磁放射線ビームの適切な部分を阻止するのに十分に小さく決定される。例えば、貫通孔404の各々は、焦点が貫通孔404のうちの1つに位置決めされている時に電磁放射線ビームのうちのいずれも阻止しないというように、電磁放射線ビームの焦点の直径よりもわずかに大きい直径を有することができる。図示の実施形態において、貫通孔404は、1μmの焦点直径と共に使用されるようにサイズが決定された、5μmの直径を有する。
【0074】
図9は、較正板402を用いてレーザ手術システム10のカメラ62を較正する段階を略示している。較正板402は、対物レンズアセンブリ20に対して固定された既知の位置で支持される。多くの実施形態において、対物レンズアセンブリ20は、電磁放射線ビームのテレセントリック走査に向けて構成され、較正板402は、電磁放射線ビームの伝播方向に対して垂直であるように支持される。較正板402は、対物レンズアセンブリ20と光源406との間に配置される。光源406は、較正板402を照明するために使用される。光源406からの照明光の一部分が貫通孔404の各々を通過し、それによって貫通孔404の各々において、カメラ62の視野の範囲内に照明位置が生成される。貫通孔404の各々からの光ビーム408は、対物レンズアセンブリ20を通過し、ビデオダイクロイック66を通過してカメラ62内に至る。多くの実施形態において、カメラ62は、ピクセルの直交アレイを有する(例えば、対応するz方向が電磁放射線ビームの伝播方向である場合にx方向とy方向に)センサを含む。多くの実施形態において、カメラのX及びYのピクセル値と、電磁放射線ビームの伝播方向に対して横断方向の次元に関する治療空間内の位置と、の間の関係を決定するために、光ビーム408の各々に関するX及びYのピクセル値が、対物レンズアセンブリ20に対する貫通孔404の既知の位置と共に使用される。
【0075】
図10は、較正板402を用いて走査アセンブリ18を較正する段階を略示している。較正板402は、対物レンズアセンブリ20に対する既知の固定位置で支持される。多くの実施形態において、対物レンズアセンブリ20は、電磁放射線ビームのテレセントリック走査に向けて構成され、較正板402は、電磁放射線ビームの伝播方向に対して垂直であるように支持される。較正板402は、対物レンズアセンブリ20と検出器410との間に配置される。検出器410は、それ自体の上に電磁放射線ビームのうちのどれ程の量が入射するかを示す信号を生成するように構成され、それによって電磁放射線ビームのうちのどれ程の量が較正板402によって阻止されるかが間接的に示される。例えば、電磁放射線ビームの焦点が貫通孔404のうちの1つに位置決めされる場合は(
図10に検出板402の右側に配置された焦点に対して示すように)、最大量の電磁放射線ビームが貫通孔を通過して検出器410上に入射する。それとは対照的に、電磁放射線ビームの焦点が貫通孔404のうちの1つに位置決めされない場合は(
図10に検出板402の左側に配置された焦点に対して示すように)、電磁放射線ビームの一部分が検出器410に到達することが阻止される。
【0076】
電磁放射線ビームの焦点を適切な貫通孔セットの各々に位置付けるために、z走査デバイス58及びxy走査デバイス60に対する制御パラメータが変えられ、それによって、走査アセンブリ18に対する制御パラメータと、得られる電磁放射線ビームの焦点の位置と、の間の関係を決定するのに使用されるデータが与えられる。z走査デバイス58は、電磁放射線ビームの収束又は発散の角度を変化させるように作動可能であり、それによって対物レンズから焦点までの電磁放射線ビームの伝播方向の距離を制御するように作動可能である。xy走査デバイス60は、電磁放射線ビームの方向を2つの次元内で変化させるように作動可能であり、それによって電磁放射線ビームの伝播方向に対して横断方向の2つの次元内で焦点を移動する機能を与える。
【0077】
貫通孔404の適切なセットの各々に位置するように焦点を再位置決めするために、z走査デバイス58及びxy走査デバイス60に対する制御パラメータを変化させる上で、適切な既存の検索アルゴリズムを使用することができる。対物レンズアセンブリ20が電磁放射線ビームをテレセントリックに走査するように構成される多くの実施形態において、得られる走査アセンブリ18に対する制御パラメータデータを電磁放射線ビームの伝播方向に対する横断方向(例えば、電磁放射線ビームの伝播方向zに対して横断方向であるx方向及びy方向)に関して走査アセンブリ18を較正するために使用することができる。
【0078】
図11は、蛍光材料ブロック412を用いて走査アセンブリ18を較正する段階を略示している。蛍光材料ブロック412は、電磁放射線を吸収することに応答して光を放出する適切な蛍光材料で製造される。蛍光材料ブロック412は、対物レンズアセンブリ20に対して固定された位置で支持される。電磁放射線ビームの焦点がブロック412の範囲内に配置された状態で、ブロック412内で得られる蛍光放出の位置がカメラ62を用いて観察される。得られる蛍光放出の観察位置は、カメラ62に関する較正データと共に、治療空間における関連の焦点のx及びyの座標を決定するために使用することができる。蛍光材料ブロック412の範囲内の焦点の位置の適切な変化と、カメラ62によって生成された得られる蛍光放出に関する関連の場所データとを、走査アセンブリ18に対する制御パラメータを較正するために使用することができる。例えば、対物レンズアセンブリ20が焦点をテレセントリックに走査するように構成される実施形態において、得られる蛍光放出に関する対応する場所データは、電磁放射線ビームの伝播方向に対して横断方向に焦点を位置決めするためのxy走査デバイス60に対する較正された制御パラメータを生成するために使用することができる。
【0079】
図12は、走査アセンブリ18を較正するための反射部材44の使用を略示している。反射部材414は、対物レンズアセンブリ20に対して固定された適切な複数の個数の既知の距離で支持される。多くの実施形態において、対物レンズアセンブリ20は、電磁放射線ビームのテレセントリック走査に向けて構成され、反射部材414は、電磁放射線ビームの伝播方向に対して垂直であるように支持される。反射部材414は、電磁放射線ビームを、対物レンズアセンブリ20を逆に抜け、走査アセンブリ18を逆に抜け、自由浮遊機構16を逆に抜け、共焦点検出アセンブリ14に戻るように反射する。対物レンズアセンブリ20と反射部材414との間の特定の距離に対して、対物レンズアセンブリからの焦点の距離を変化させるようにz走査デバイス58を作動させることができる。これに代えて、対物レンズアセンブリからの焦点の特定の距離をもたらすz走査デバイスの特定の設定に対して、対物レンズアセンブリ20と反射部材414との間の距離を変化させることができる。
図13に示すように、共焦点検出アセンブリ14の検出センサ54によって生成され得られる信号416は、強度において、焦点と反射部材414の間の距離の変化と共に変化する。検出センサ54によって生成される信号416の強度は、焦点が反射部材414の面に位置するときに最大にされ、それによってピンホールアパーチャ52を通過して検出センサ54に到達する反射光の量が最大にされる。反射部材414と対物レンズアセンブリ20との間の適切な複数個数の距離に対応するz走査デバイス58に対する制御パラメータ値を決定することにより、治療空間内で焦点の位置を電磁放射線ビームの伝播方向に制御するためにz走査デバイス58を制御する際の使用に向けて適切な較正パラメータを生成することができる。
【0080】
一部の実施形態において、使い捨て要素及び他の付属品、ハードウエア及びアラインメントにおける公差、並びに患者の解剖学的構造、の変化を補償するような調節を提供する方法及び装置を提供する。これらの方法及び装置は、有形媒体内に具現化されたソフトウエアルックアップテーブル(以下では「LUT」)を含むことができる。LUTは、ターゲット(ターゲット検出)様式及び切断様式を主導するアクチュエータを制御するために、切断容積の位置のマッピングを含むことができる。本明細書で説明するように、光学に基づく法則及び物理学、構成要素の詳細なモデル化、並びに有限データセットへの固定化(一回限りの)、を用いて一般化システムに対するベースラインLUTを生成することができる。予想される変化は、初期のテーブル生成の後に当該テーブルを修正するために適用される有限で管理可能な変数のセットに簡約化することができる。製造公差を有する構成される構成要素を有する構成されたシステムに対して、個々のシステム及び自動測定に基づくテーブルの簡単な修正により、LUTの微調整及び修正をもたらすことができる。構成されたシステムのこれらの個別化された測定は、例えば、ツール毎の変化、ツール内部の変化(例えば、アラインメントの変化)、出力付属品(例えば、使い捨てコンタクトレンズ)の変化、又は患者毎のもの(例えば、個々の患者の解剖学的構造)、及びこれらの組合せ、のうちの1又は2以上に起因する変化に適用することができる。
【0081】
多くの実施形態において、以下の段階のうちの1又は2以上は、本明細書で説明するプロセッサ及び方法を用いて実施することができる。例えば、システム出力性能を評価するためのアクチュエータ指令を与えるために、マッピング及び場所検出を含むベースラインLUT生成を実施することができる。例えば、システムのアクチュエータを検出するために、XYZのような患者座標系に対してベースライン変換関数を生成することができる。切断をアクチュエータにマッピングするためのベースラインLUT生成を実施することができる。例えば、XYZに関して切断アクチュエータへの変換関数を生成することができる。ベースラインLUT(変換関数)は、例えば、モデル(光線追跡)、データ、又はその組合せを通して生成することができる。ベースラインLUTは、例えば、システム、使い捨てツール、眼球、用途における定められた変化によって修正することができる。ベースラインLUTの修正は、例えば、ベースラインLUTに対する調節を含むことができる。ベースラインLUTの修正は、例えば、ハードウエア(以下では「HW」)変化を補償するためのソフトウエア(以下では「SW」)調節を含むことができる。本明細書で説明するLUTの修正は、角膜、角膜輪部、及び後嚢を治療するために、例えば、横広がり、軸広がり、及び分解能のいずれかにおいて手術容積を拡張することができる。LUTの方法及び装置は、較正ツールと、付属品化する他の光学構成要素、例えば、出力付属品との切り換えを可能にすることができる。LUTは、システムが、例えば、2つの面において付属品の位置を測定することができ、次いで、これら2つの面の位置を用いてベースラインLUTを修正することに基づいて、ターゲット材料容積内に切断部を正確に位置決めすることができるように構成することができる。LUTは、例えば、白内障、角膜フラップに向けて水晶体切開部から嚢切開部、角膜切開部にわたるより多くの切断部を与えることができる。本明細書で説明する様々なサブシステムは、例えば、本明細書で説明する較正工程と組み合わせることができる別個のLUTを有することができる。
【0082】
これに代えて又は組合せかに関わらず、ターゲットと切断とに向けて同じサブシステムを使用することができる。面を探し出すために、UFシステムを低電力レベルに使用することができ、次いで、切断に向けて高電力に使用することができる。LUTは、位置モードが切断モードと異なるように使用することができる。一部の事例では、切断位置が電力レベルに関連付けられた変化に基づいて異なる場合があり、切断位置は、パルス当たりのエネルギが閾値エネルギ量を有意に超える時に、焦点において発生しない可能性がある。
【0083】
多くの実施形態において、本明細書で説明する方法及び装置のLUTは、これらの原理に従う。ベースラインLUTは、例えば、特定のツールを用いた光線追跡及びデータ固定化によって生成することができる。多くの実施形態において、レンズのような患者インタフェースの各光透過構造は、その厚み及び位置を決定するためにシステムによって読み取られる。これらの数値は、例えば、<100μmの精度が得られるようにLUTを修正するために使用することができる。
【0084】
多くの実施形態において、本明細書で説明する方法及び装置のLUTは、例えば、切断部上で<100μmの精度を達成するために、アラインメント傾斜、コンタクトレンズ装着、コンタクトレンズ変化に対処するようにも修正される。多くの実施形態において、本明細書で説明する較正装置を用いたプラスチック平坦性試験における気泡が、ベースラインUF LUTのオフセット調節及び傾斜調節を生成する。
【0085】
多くの実施形態において、ベースライン構成要素の仕様は、適切なシステム性能を発生させるには理想的とは言えない程度のものである場合があり、SW補正と、例えば、高度な性能に向けて更に修正された光学に頼るデータで固定化されたベースラインLUTから決定することができる個々のシステムの構成要素に基づくファクタとを用いて、最終性能を精緻化することができる。
【0086】
例えば、個々のレーザシステムに対して改良又は修正されたLUTを構成するために、フィードバックループを使用することができる。本明細書で説明するフィードバック法及びフィードバック装置は、LUTと、例えば、ハードウエアアラインメントによって補正されていない可能性がある他のSWファクタとに基づいてSW調節を可能にすることができる。
【0087】
これらのLUT及び方法、並びにシステム性能を改良するためにルックアップテーブルを修正するように構成された装置は、本明細書で説明する3D手術容積内に改善をもたらすことができる。本明細書で説明する方法及び装置は、高性能レベルで改善された手術をより多くの患者に対して適用することができる。本明細書で説明するもののような方法及び装置は、より多くの患者が外科処置を受けることができるようにするために、大量生産の低価格構成要素のような既製の構成要素を用いて高い性能をもたらすことができる。
【0088】
図14は、機械構成要素を眼の身体位置と整合させるために、眼球空間座標系150から機械座標系151への座標系のマッピングを示している。眼の身体座標は、本明細書で説明するように構成要素の機械座標にマッピングすることができる。眼球空間座標系150は、第1のX次元152、例えば、X軸と、第2のY次元154、例えば、Y軸と、第3のZ次元156、例えば、Z軸とを含むことができる。任意的に、眼の座標系は、極、円柱、又は直交のような多くの公知の座標系のうちの1又は2以上を含むことができる。多くの実施形態において、基準系150は、X軸が患者上で鼻横方向に向けられ、Y軸が患者上で上方に向けられ、Z軸が患者上で後方に向けられた右手三軸系を含む。多くの実施形態において、対応する機械座標系151は、機械アクチュエータにほぼ対応する第1のX’次元153と、第2のY’次元155と、第3のZ’次元157とを含み、機械の座標系は、例えば、極、円柱、又は直交のような多くの公知の座標系のうちの1又は2以上、及びこれらの組合せを含むことができる。
【0089】
機械座標系151は、レーザシステムの1又は2以上の構成要素の位置に対応する場合がある。機械座標系151は、複数の機械座標系を含む場合がある。複数の機械座標系は、例えば、各サブシステムに対する座標系を含む場合がある。機械座標系の軸は、多くの手法のうちの1又は2以上で組み合わせることができる。一部の実施形態において、複数の機械座標系を眼の座標系150にマッピングするために、レーザシステムの構成要素の位置を組み合わせることができる。
【0090】
図15は、レーザシステムを較正する方法100の作動の概略ブロック図を示している。レーザシステムは、ビデオカメラと、電磁放射線ビームをこのビームの伝播に直交する位置に対して走査するためのxy走査デバイスと、電磁放射線ビームの焦点をレーザシステムからの様々な距離に集束させるためのz走査デバイスとを含むことができる。段階102において、ビデオカメラを治療空間内の座標を用いて較正することができる。段階104において、治療空間を用いてxy走査デバイスを較正することができ、段階106において、治療空間を用いてz走査デバイスを較正することができる。
【0091】
図16は、方法100の一部又は全ての段階を達成するために使用することができる任意的作動の概略ブロック図を示している。例えば、較正板をビデオカメラの視野に設けること108により、治療空間を用いてビデオカメラを較正することができる102。ビデオカメラ撮像システムは、較正板の正投影図を形成するためにテレセントリックレンズを使用することができる。較正板を観察することにより、ビデオカメラシステム内の歪みを除去するようにビデオカメラ画像データを処理することができる110。段階112において、ビデオカメラのピクセル位置を治療空間内の位置にマッピングすることにより、治療空間を用いてビデオカメラを較正することができる102。マッピングは、主としてXm、YmからX、Yへの2次元マッピングとすることができる。撮像経路の大きい被写界深度及びテレセントリック形態に起因して、z位置は、画像の焦点が合うZの範囲に対して変化しないままに留まることができる。一部の実施形態において、カメラは、シリコンを利用した適切にサイズが決定されたフォーマットのいずれかの検出器アレイのための適切な撮像デバイスとすることができる。ビデオレンズは、カメラ検出器アレイ上に画像を形成することができ、一方、光学要素は、偏光制御及び波長フィルタリングそれぞれを適用する。アパーチャ又はアイリスは、撮像の制御、従って、焦点深度、被写界深度、及び分解能の制御を提供する。小さいアパーチャは、患者ドッキング処置を助ける大きい被写界深度という利点を与えることができる。一部の事例では、ビデオカメラ画像センサは、それぞれPix X及びPix YであるXピクセル及びYピクセルを含むことができる。機械座標系151の次元153は、ビデオカメラのXピクセルに対応することができる。次元155は、カメラのYピクセルに対応することができる。一部の実施形態において、治療空間に対応するピクセル位置を生成するために、システム独特のルックアップテーブルを用いてビデオカメラのピクセル位置をマッピングすることができる。任意的に、ピクセル位置を治療空間内の身体位置にマッピングするために、多項式フィッティングを使用することができる。
【0092】
図17は、較正グリッド1700を含む例示的較正板を示している。較正グリッド1700は、治療空間内の既知の位置を定めることができる。一部の状況では、グリッドの間隔及び/又は交点1710が、既知の位置を定めることができる。他の実施形態において、ビデオカメラシステムを較正するために
図8に示す較正板を使用することができる。ビデオカメラシステムの歪みが除去された後に、ビデオカメラピクセル位置を治療空間内の身体位置にマッピングするために、多項式フィッティング又はルックアップテーブルのような他のフィッティングを使用することができる。一部の実施形態において、較正板のグリッド交点1710又は貫通孔404を自動的に位置付けるために、コンピュータアルゴリズムを使用することができる。
【0093】
図18は、ビデオカメラに関する例示的ルックアップテーブル330を示している。ルックアップテーブル330は、ある範囲にわたる複数の離散入力値332、例えば、患者座標系のX、Y、Z及びレンズの下面の距離CLのような4つの値と、複数の離散出力値334とを含むことができる。眼のX値及びY値は、例えば、1mmの増分で−9mmから9mmの範囲にわたるとすることができる。Z値は、例えば、1mmの増分で6mmから10mmの範囲にわたるとすることができる。CL値は、例えば、0.5mmの増分で−1mmから1mmの範囲にわたるとすることができる。これら4つの次元入力値は、プロセッサシステム内に入力することができ、出力機械値が各組合せ入力を可能にする。ルックアップテーブルの出力値334は、ピクセルX、ピクセルYとして与えることができ、ピクセルX及びピクセルYの範囲は、各々約−543ピクセルから約543ピクセルまでとすることができる。出力と入力とのマッピング工程は切り換えることができる。ビデオシステムは、意図する面を探し出すために使用される測定デバイスである。ビデオシステムは、ユーザが切断部を配置するためのターゲット補助としても使用される。これらの手法で、ビデオ画像を用いてピクセルX及びピクセルYの値が決定される。ピクセルX及びピクセルYの値、並びにZ及びCLに関して行われる仮定又は測定のいずれかが、意図するターゲット構造の位置に対するX、Y、及びZに関する出力値を生成するための入力値として使用される。
【0094】
各ルックアップテーブルに対するデータは、例えば、公知の内挿法を用いて内挿することができる。例えば、内挿は、ルックアップテーブルに与えられた最も近い隣の値に基づく線形内挿を含むことができる。ルックアップテーブルは、範囲を拡張するために外挿することができる。
【0095】
本明細書で説明するルックアップテーブルは、例示的に提供するものであり、当業者は、多くの変形及び変形を認識するであろう。
【0096】
図19は、
図18のルックアップテーブルに対応する構成要素の光学回路を示している。この光学系は、xピクセル位置にxピクセル(以下では「Pix X」)を含み、yピクセル位置にyピクセル(以下Pix Y)を含むカメラアレイ上に画像を形成する。画像は、複数の固定集束レンズを用いて形成される。画像ビームは、固定集束レンズの間に位置した開口絞りを通過してセンサアレイに到達する。対物レンズに光学的に結合された別の固定集束レンズと共に視野絞りが設けられる。患者インタフェース及び距離は、本明細書に記載されている。
【0097】
図20は、
図18及び
図19のルックアップテーブルの入力及び出力を示している。入力は、CCDアレイのPix X及びPix Yの測定座標系を含む。更に、入力は、眼のZ焦点位置、並びにCLopt及びCLthというパラメータを含むことができる。出力は、入力Z深度における眼のX及びYの座標系を含む。
【0098】
図21は、
図18から
図20のルックアップテーブルの構造を示している。低分解能テーブルを示すが、当業者は、本明細書で説明する教示に基づいて高分解能テーブルを容易に構成することができるであろう。テーブルの構造は、テーブルの列を含むヘッダ及び本体を含む。
【0099】
ヘッダは、ビデオ撮像システムの波長に関する入力パラメータ及び出力パラメータを含むことができる。パラメータは、眼内の撮像システムのX、Y、及びZの位置を含むことができ、更に対応するXピクセル(Pix X)及びYピクセル(Pix Y)を含むことができる。ヘッダは、例えば、虹彩又は角膜輪部のような眼の組織構造に対応する座標系位置を含むことができる。座標系位置は、システム軸に沿う眼内で、例えば、座標X=0mm、Y=0mm、及びZ=8mmにある位置を含むことができる。X=5mm及びY=5mmに対して対応するX及びYの対応ピクセル座標は、例えば約303ピクセルのピクセル座標位置に設けることができる。ヘッダの目的のうちの1つは、ルックアップテーブル内に重要点のサンプルを提供することである。これらの重要点は、ルックアップテーブルを生成するためのモデルの複数の実行と比較することができる。これらの重要点は、モデル実行の性能の概要を達成するための注視点として使用することができ、更にルックアップテーブルの健全性又は精度を決定するために使用することができる。
【0100】
ルックアップテーブルの本体は、ピクセルX、ピクセルY、Z、CLopt、Clthという入力パラメータを含むことができる。ルックアップテーブルの出力は、例えば、各入力レコードに対する出力X位置及び出力Y位置を含むことができる。各位置で対応するスポット直径をピクセルを単位として与えることができ、各位置に対して論理フラグを与えることができる。論理フラグは、多くの論理信号のうちの1又は2以上を含むことができ、例えば、組織の画像が当該位置に呈示されるか否かということ、又はマッピングされたX Pix位置及びY Pix位置における治療ビームの焦点が治療に適するか否かということに対応することができる。
【0101】
図16に戻ると、一部の実施形態において、治療空間を用いたビデオカメラの較正によってxy走査デバイスを較正することができる。一部の実施形態において、最初に電磁放射線ビームを一連のXY位置に対して走査するための制御パラメータを定めること114により、レーザ走査システムのxy走査デバイスは、治療空間を用いて較正することができる104。定められた制御パラメータによって電磁放射線ビームを走査することができ、走査位置116を捕捉するために、較正されたビデオカメラを使用することができる。その後に、治療空間は、xy走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる118。
【0102】
レーザ送出システムの可動構成要素は、角度量Xmを移動することができるXガルボミラーと、角度量Ymを移動することができるYガルボミラーとを含むことができる。機械座標系151の次元153は、Xガルボミラーの移動に対応することができる。機械座標系151の次元155は、Yガルボミラーの移動に対応することができる。
【0103】
一部の実施形態において、定められる制御パラメータは、Xガルボミラー及びYガルボミラーを起動するための電圧とすることができる。一部の実施形態において、Xガルボミラー及びYガルボミラーを複数のXY位置に対して起動するために電圧空間グリッドを定めることができる。一部の実施形態において、
図22に示すように、xy走査デバイスを用いてビームを直線グリッド又は正方形格子の位置に対して走査するための制御パラメータを定めることができる。例えば、Xガルボミラーをある電圧範囲を通じた電圧の漸増増大によって駆動することができる。その後に、Yガルボミラーを駆動するための電圧をある増分量だけ増大させることができ、次いで、Xガルボミラーを漸増電圧を用いてこの電圧範囲を通して走査することができる。
【0104】
走査されたパターン及び/又は位置は、較正されたビデオカメラによって捕捉することができる116。一部の実施形態において、ビデオカメラによる走査パターンの捕捉を容易にするために、蛍光板を設けることができ、ビームを蛍光板上の位置に対して走査することができる。次いで、較正されたビデオカメラは、走査パターンに応答して蛍光板から反射された電磁放射線を捕捉することができる。反射電磁放射線を捕捉するビデオカメラのピクセルは、走査されたXYパターンの身体位置を定めるために使用することができる。次いで、xy走査デバイスを走査された身体XY位置を定められた制御パラメータに多項式フィッティング又はルックアップテーブルを用いてマッピングすることによって較正することができる。従って、xy走査デバイスの制御パラメータは、カメラのピクセル及び身体位置に相関付けることができる。一部の実施形態において、xy走査デバイスを起動するための電圧は、身体位置と相関付けることができる。
【0105】
一部の実施形態において、複数の深度において最適なz軸レーザビーム焦点を与えるようにz走査デバイスを較正することができる106。一部の実施形態において、電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるための制御パラメータを定めることができる120。従って、ビームは、一連の深度に集束させることができ、走査深度は、ビデオカメラ又は共焦点検出器によって捕捉することができる122。次いで、治療空間は、z走査デバイスの制御パラメータにマッピングすることができる124。
【0106】
一部の実施形態において、電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるために、z走査デバイスを起動するための電圧のような制御パラメータを定めることができる。焦点深度の識別を容易にするために、電磁ビームを蛍光板に向けて投影することができる。
図23に示すように、蛍光板2310は、ジャッキ2320上に支持することができ、ジャッキ2320は、蛍光板2310の深度を設定することができる。任意的に、ジャッキ2320は、較正ソフトウエア又は較正ハードウエアによってある深度範囲に沿うように自動化又は駆動することができる。ジャッキ2320は、蛍光板2310をレーザビームと垂直に設定するために、XYに調節可能な傾斜を有することができる。電磁放射線ビームの焦点深度を決定するために、ビデオカメラ又は共焦点検出器を使用することができる。多くの実施形態において、XY多項式フィッティングは、Z深度に依存しない場合がある。しかし、一部の実施形態において、XY多項式フィッティングは、Z深度の関数とすることができる。
【0107】
図24A〜
図24Dは、レーザシステムをZ深度を用いて較正する別の方法を示している。レーザシステム接点2410は、板2420から既知の距離に離間させることができる。一部の実施形態において、
図24Aに示すように、既知の深度を有する円盤2430をレーザシステム接点2410と板2420の間に配置することができる。一部の実施形態において、円盤2430は、4〜15mmの深度を有することができる。任意的に、円盤2430は、6〜10mm、好ましくは、8mmの深度を有することができる。レーザシステム接点2410を板2420からの既知の距離に配置した後に、
図24Bに示すように円盤2430を除去することができる。次いで、水のような流体2440を
図24C及び
図24Dに示すように流体レベルが漸増量だけ増大するように追加することができる。例えば、一部の実施形態において、流体レベルは、1mm増分で増大させることができる。各流体レベル増大間に、OCT撮像システムのようなレーザシステムの撮像構成要素を用いて流体レベルを検出することができる。一部の実施形態において、流体レベルは、3回の1mm増分で増大させることができる。
【0108】
他の変形は、本発明の精神の範囲にある。従って、本発明は、様々な修正及び別の構造を受け入れる余地があるが、そのうちのある一定の例示的実施形態を図面に示し、上記で詳細に記述した。しかし、本発明は、開示する1つ又は複数の特定の形態に限定する意図はなく、それとは対照的に、特許請求の範囲に定める本発明の精神及び範囲の中に収まる全ての修正、別の構造、及び均等物を網羅するように意図することを理解しなければならない。
【0109】
本発明を説明する状況における(特に以下の特許請求の範囲の関連における)「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示語の使用は、本明細書で別途示さない限り又は状況が明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を網羅すると解釈しなければならない。「備える」、「有する」、「含む」、及び「収容する」という用語は、別途特筆しない限り、非限定的用語(すなわち、「含むがそれに限定されない」)として解釈されるものとする。「接続される」という用語は、介在するいずれかの物が存在する場合であっても、部分的又は完全に内部に含まれ、取り付けられ、又は互いに結合されることとして解釈しなければならない。本明細書に対する値の範囲の具陳は、本明細書で別途示さない限り、当該範囲に収まる各別個の値を個々に指す簡略的な方法として機能し、本明細書で別途示さない限り、各別個の値は、それが本明細書で個々に具陳されているかのように本明細書に組み込まれている。本明細書で説明する全ての方法は、本明細書で別途示さない限り又は他に状況が明確に矛盾しない限り、あらゆる適切な順序で実施することができる。本明細書で提供するいずれかの又は全ての例及び例示的文言(例えば、「のような」)の使用は、本発明の実施形態をより明確に照らし出すためのものでしかなく、別途主張しない限り、本発明の範囲に対して制限を課するように意図したものではない。本明細書内のいかなる文言も、いずれかの非請求要素が本発明の実施に対して不可欠であることを示すものと解釈すべきではない。
【0110】
本発明の開示のある一定の例示的実施形態をある詳細度を有する例示的形態で図示かつ説明したが、当業者は、これらの実施形態は単なる例として提供したものであり、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく様々な変形を生成することができることを理解するであろう。従って、本発明の開示は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって一般的に表される本発明の精神及び範囲の中に収まる全ての修正、別の構造、変形、代替物、変形、並びに部分、構造、及び段階の組合せ及び配置を網羅するように意図している。
〔実施の態様〕
(1) 治療空間を用いてレーザシステムを較正する方法であって、
前記レーザシステムの治療空間への該レーザシステムのカメラ内に含まれたセンサ面の位置のマッピングを与える段階と、
前記レーザシステムの走査システムを用いて、該レーザシステムの電磁放射線ビームを該電磁放射線ビームの伝播方向に対して移動することによって前記治療空間に配置された蛍光材料の一連の走査位置に対して該電磁放射線ビームを走査する段階と、
前記カメラを用いて、前記走査された電磁放射線ビームに応答して、前記蛍光材料の前記一連の位置から放出された光を捕捉する段階と、
前記捕捉された一連の位置と前記治療空間への前記センサ面位置の前記マッピングとによって該治療空間を用いて前記走査システムを較正する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
(2) 多項式フィッティング又はルックアップテーブルを用いて前記カメラセンサ面を前記治療空間にマッピングする段階を更に含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(3) 前記カメラを用いて、既知の距離に該カメラに対して位置決めされ前記治療空間内の離散した既知の位置を定める較正板を観察し、かつ
前記較正板によって定められた前記位置に基づいて前記カメラの歪みを除去する、
ことにより、前記カメラを較正する段階、を更に含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(4) 前記較正板は、較正グリッドを含み、
グリッド交点が、治療空間内の前記離散した既知の位置を定める、
ことを特徴とする実施態様3に記載の方法。
(5) 前記較正板は、電磁放射線を通すための複数の貫通孔を含み、
前記複数の貫通孔は、治療空間内の前記離散した既知の位置を定める、
ことを特徴とする実施態様3に記載の方法。
(6) 前記走査システムは、xy走査デバイスを含み、
当該方法は、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを前記蛍光材料の前記一連の走査位置に対して走査するように前記走査システムの前記xy走査デバイスのための制御パラメータを定める段階と、
前記治療空間を前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする段階と、
を更に含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(7) 前記治療空間は、多項式フィッティング又はルックアップテーブルを用いて前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングされる
ことを特徴とする実施態様6に記載の方法。
(8) 前記治療空間は、前記多項式フィッティングを用いて前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングされ、
前記多項式フィッティングは、z焦点深度に依存しない、
ことを特徴とする実施態様7に記載の方法。
(9) 前記xy走査デバイスの前記制御パラメータは、直線グリッド又は正方形格子の位置に対して前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを走査するように定められることを特徴とする実施態様6に記載の方法。
(10) 前記走査システムは、前記治療空間内の前記電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含み、
当該方法は、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるように前記z走査デバイスのための制御パラメータを定めることによって前記走査システムの当該z走査デバイスを較正する段階と、
前記カメラ又は共焦点検出器を用いて、前記電磁放射線ビーム集束に応答して、前記一連の深度位置で前記蛍光板から放出された光を捕捉する段階と、
前記治療空間を前記z走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(11) 前記蛍光材料を支持するジャッキを用いて前記レーザシステムと当該蛍光材料との間の深度を変化させる段階を更に含み、
前記ジャッキは、前記レーザシステムと前記蛍光材料との間の前記深度を設定するように構成される、
ことを特徴とする実施態様10に記載の方法。
(12) レーザシステムであって、
ビームを治療空間に向けてビーム経路に沿って出力するように構成された電磁放射線ビーム源と、
前記ビーム経路に沿って配置され、前記出力されるビームを前記治療空間内の複数の位置に向けるように構成された走査システムと、
前記治療空間の画像を捕捉するカメラと、
前記走査システム及び前記カメラに結合されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記走査システムを用いて、前記治療空間に配置された蛍光材料の一連の走査位置の間で前記電磁放射線ビームの伝播方向に対して直角に前記レーザシステムの当該電磁放射線ビームを走査し、
前記カメラを用いて、前記走査された電磁放射線ビームに応答して、前記蛍光材料の前記一連の位置から放出された光を捕捉し、かつ
前記カメラが捕捉した一連の位置毎に前記治療空間を用いて前記走査システムを較正する、
ことにより、前記走査システムを較正するように構成されている
ことを特徴とするレーザシステム。
(13) 前記カメラは、各ピクセルがピクセル位置を有するピクセルのアレイを有するセンサを含み、
前記プロセッサは、カメラピクセル位置を前記治療空間にマッピングするように更に構成される、
ことを特徴とする実施態様12に記載のレーザシステム。
(14) 前記プロセッサは、前記カメラを用いて、既知の距離で前記カメラに対して直角に位置決めされた較正板を観察することにより、カメラピクセル位置を前記治療空間にマッピングする
ことを特徴とする実施態様13に記載のレーザシステム。
(15) 前記較正板は、電磁放射線を通すための較正グリッド又は複数の貫通孔を含むことを特徴とする実施態様14に記載のレーザシステム。
(16) 前記走査システムは、xy走査デバイスを含み、
前記プロセッサは、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを前記蛍光材料の前記一連の走査位置に対して走査するように前記xy走査デバイスのための制御パラメータを定め、かつ
前記治療空間を前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする、
ことにより、前記走査システムを較正する
ことを特徴とする実施態様12に記載のレーザシステム。
(17) 前記治療空間は、多項式フィッティングを用いて前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングされ、
前記多項式フィッティングは、z焦点深度に依存しない、
ことを特徴とする実施態様16に記載のレーザシステム。
(18) 前記プロセッサは、直線グリッド又は正方形格子の位置に対して前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを走査するように、前記xy走査デバイスの前記制御パラメータを定める
ことを特徴とする実施態様16に記載のシステム。
(19) 前記走査システムは、前記治療空間内の前記電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含み、
前記プロセッサは、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるように前記z走査デバイスのための制御パラメータを定め、
前記カメラ又は共焦点検出器を用いて、前記電磁放射線ビーム集束に応答して、前記一連の深度位置で前記蛍光板から放出された光を捕捉し、かつ
前記治療空間を前記z走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする、
ことにより、前記走査システムを較正する、
ことを特徴とする実施態様12に記載のシステム。
(20) 前記蛍光材料を支持するためのジャッキを更に含み、
前記ジャッキは、前記レーザシステムと前記蛍光材料の間の深度を設定するように構成される、
ことを特徴とする実施態様19に記載のシステム。
(21) 非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体であって、
治療空間を用いてレーザシステムを較正するための1組のコンピュータ実行可能命令、
を含み、
コンピュータプロセッサによる前記命令の実行が、当該プロセッサをして、
前記レーザシステムのカメラ内に含まれたセンサ面位置を前記治療空間にマッピングする段階と、
前記レーザシステムの走査システムに、当該走査システムを用いて当該レーザシステムの電磁放射線ビームを蛍光材料の一連の走査位置に対して該電磁放射線ビームの伝播方向に対して直角に移動することによって該電磁放射線ビームを走査する命令を含む走査命令を送る段階と、
前記走査された電磁放射線ビームに応答して前記蛍光材料の前記一連の位置から放出された光のカメラデータを受信する段階と、
前記カメラが捕捉した一連の位置とセンサ面位置の前記治療空間への前記マッピングとによって該治療空間を用いて前記走査システムを較正する段階と、を実施させる、
ことを特徴とする媒体。
(22) 前記コンピュータプロセッサによる前記命令の実行が、当該プロセッサをして、
既知の距離で前記カメラに対して直角に位置決めされ、前記治療空間内の離散した既知の位置を定める較正板のカメラデータを受信し、かつ
前記較正板によって定められた前記位置に基づいて前記カメラの歪みを除去する、
ことにより、前記カメラを較正する段階を更に実施させる、
ことを特徴とする実施態様21に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
(23) 前記走査システムは、xy走査デバイスを含み、
前記プロセッサは、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを前記蛍光材料の前記一連の走査位置に対して走査するように前記xy走査デバイスのための制御パラメータを定め、かつ
前記治療空間を前記xy走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする、
ことにより、前記走査システムを較正する
ことを特徴とする実施態様21に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
(24) 前記プロセッサは、直線グリッド又は正方形格子の位置に対して前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを走査するように、前記xy走査デバイスの前記制御パラメータを定める
ことを特徴とする実施態様23に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
(25) 前記走査システムは、前記治療空間内の前記電磁放射線ビームの収束深度を変化させるように構成されたz走査デバイスを含み、
前記プロセッサは、
前記レーザシステムの前記電磁放射線ビームを一連の深度位置に集束させるように前記z走査デバイスのための制御パラメータを定め、
前記電磁放射線ビーム集束に応答して、前記一連の深度位置で前記蛍光板から放出された光のカメラデータ又は共焦点検出器データを受信し、かつ
前記治療空間を前記z走査デバイスの前記制御パラメータにマッピングする、
ことにより、前記走査システムを較正する、
ことを特徴とする実施態様21に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。
(26) 前記コンピュータプロセッサによる前記命令の実行が、該プロセッサをして、
前記レーザシステムと前記蛍光材料との間の深度を、当該レーザシステムと当該蛍光材料との間の当該深度を設定するように構成されて該蛍光材料を支持するジャッキに起動命令を送ることによって、変化させる段階
を更に実施させる
ことを特徴とする実施態様25に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体。