特許第6556811号(P6556811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556811
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】有機化合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20190729BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20190729BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20190729BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20190729BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20190729BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20190729BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/49
   A61K8/42
   A61Q11/00
   A61Q13/00 101
   A23L27/00 C
   A23L27/20 E
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-227585(P2017-227585)
(22)【出願日】2017年11月28日
(62)【分割の表示】特願2013-554897(P2013-554897)の分割
【原出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-70628(P2018-70628A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】1103103.6
(32)【優先日】2011年2月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(74)【代理人】
【識別番号】100195419
【弁理士】
【氏名又は名称】矢後 知美
(72)【発明者】
【氏名】タルスマ,ポール アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バーソロミュー,トレイシー
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0226864(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/059289(WO,A1)
【文献】 特表2009−507778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00− 5/30
A23L29/00− 29/10
A23L 5/40− 5/49
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
A23L31/00− 33/29
A23L27/00− 27/40
A23L27/60− 27/60
C07B31/00− 61/00
C07B63/00− 63/04
C07C 1/00−409/44
C09K 3/00
Japio−GPG/FX
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全フレーバー組成物の30重量%未満の量のメントール、ならびにN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物からなるメンタンカルボキサミドを含む冷却剤化合物の混合物を含むフレーバー組成物であって、メンタンカルボキサミドが、フレーバー組成物の0.1〜13重量%の量で提供される、前記フレーバー組成物。
【請求項2】
フレーバー中のメントールの量が、1%〜30重量%である、請求項1に記載のフレーバー組成物。
【請求項3】
フレーバー組成物中のメンタンカルボキサミドの総量が、0.1〜10重量%である、請求項1または2に記載のフレーバー組成物。
【請求項4】
メンタンカルボキサミドが、フレーバー組成物の1〜9重量%で提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレーバー組成物。
【請求項5】
N−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物が、1:100〜30:1の比率で提供される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレーバー組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に定義されたフレーバー組成物を含む、消費者製品組成物。
【請求項7】
オーラルケア製品である、請求項6に記載の消費者製品組成物。
【請求項8】
フレーバー組成物において用いられるメントールの量をコンパクトにする方法であって、前記フレーバー組成物に請求項1〜5のいずれか一項に定義されたメントールおよびメンタンカルボキサミドの混合物を添加するステップを含む、前記方法。
【請求項9】
フレーバー組成物において用いられる冷却剤の量をコンパクトにする方法であって、前記フレーバー組成物に請求項1〜5のいずれか一項に定義されたメントールおよびメンタンカルボキサミドの混合物を添加するステップを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メントールおよびメンタンカルボキサミドを含むフレーバー組成物、とくに、低レベルのメントールを含有するかかる組成物に関する。本発明はまた、前記フレーバー組成物を含有する消費製品、とくにオーラルケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
天然または合成由来の多数の冷却剤化合物が、技術文献に記載されている。しかしながら、最も周知な化合物は、メントール、とくにl−メントールであり、これは、とりわけMentha arvensis LおよびMentha viridis Lのペパーミントオイルにおいて天然にみられる。メントールの異性体のうち、l−異性体は、天然に最も広く生じ、典型的には、冷却剤特性を有するメントールの名称によって呼ばれるものである。L−メントールは、特徴的なペパーミントの香りを有し、クリーンで新鮮な味を有し、皮膚および粘膜表面に適用されたときに冷却感覚を発揮する。
【0003】
新鮮さおよび冷却についての消費者の強い認識を届けるために、フレーバー、とくにペパーミントフレーバーは、50重量%のメントールを超え得、60%またはそれ以上がみられることはよくあることである。
【0004】
しかしながら、非常に幅広い支持および使用を得たにもかかわらず、メントールは、単独で使用されるとき、初期の高いフレーバーのインパクトを有するが、フレーバーのインパクトは、使用後数分以内に急激に降下し、フレーバーノートを歪め、それを含有する製品に苦味を与える傾向がある。さらに、苦味の問題のみならず、非常に高レベルのメントールは、フレーバー創作を制限し得、さらなる処理上の制約をもたらし得る。
【0005】
メントールの使用の欠点のいくつかに取り組むために、それを混和物において他の冷却剤化合物、中でも注目すべきはN−置換−p−メンタンカルボキサミドと使用するのがますます一般的になってきている。例えば、GB233873は、異なる冷却プロファイルおよびよりさらに長く持続する冷却剤の効果を提供するためのかかる混合物を開示する。メントールのみの処方物は、メントールの量が低減され、同様の量のメンタンカルボキサミド冷却剤と置き換えられた混合物と比較される。
【0006】
今日フレーバー産業が直面する挑戦は、それらの組成物に含有される非活性材料のレベルを低減させるための消費者製品企業からの動因である。これは、明らかにコストと関連するが、また、持続性への必要性、および環境によりやさしい製品を市場に届ける必要性とも関連する。
【0007】
したがって、メントールのレベルを、その使用に付随する感覚特質および消費者の好みを失うことなく低減することが望ましい。フレーバー組成物において使用される主成分の量を低減するまたはコンパクトにすることができる場合、今度は消費者製品において使用されるフレーバー組成物の量をコンパクトにすることができ、あるいは代わりに、より低レベルのメントールの使用を引き出すことができ、より多くのフレーバー材料の使用が可能となり、それによりフレーバリストの自由度を増加させ、新しく興味のあるフレーバープロファイルを創造し、消費者のし好を駆り立てる。メントールを低減させることによって、単に他の冷却剤材料と同様の量で置き換える場合、もちろん、このいずれも可能ではないであろう。
【発明の概要】
【0008】
本出願人は、フレーバー組成物において特定のメンタンカルボキサミドを用いることにより、かかる組成物において従来用いられたメントールの量を有意に低減し、一方で同時に、許容し得る冷却および新鮮さの効果を有し、し好テストにおいて消費者によって好意的に受けられる組成物を提供することが可能であることが、今や見出された。
【0009】
本発明は、第1の面において、メントールならびにN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、またはN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物から選択されるメンタンカルボキサミドからなる冷却剤化合物の混合物を含み、ここでメンタンカルボキサミドの総量が約0.1〜10%である、フレーバー組成物を提供する。
【0010】
本発明の特定の態様において、メントールならびにN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、またはN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物から選択されるメンタンカルボキサミドからなる冷却剤化合物の混合物を含み、ここでメントールの量は、全フレーバー組成物の70%未満、より具体的には50重量%未満を表し、メンタンカルボキサミドの総量は、約0.1〜10%である、フレーバー組成物を提供する。
【0011】
本発明の好ましい態様において、メントールは、2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドを単独でまたはN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドと組み合わせて混和して使用される。
【0012】
本発明のフレーバー組成物において使用されるメントールの総量は、メンタンカルボキサミドと併用されたときに、苦味なく良好な冷却と息が新鮮である認識を提供するために効果的な量である。冷却組成物において用いられるメントールの正確な量は、望ましい蒸発作用の度合いなどの要因の影響下にあるし好の問題である。したがって、メントールの量は、最終製品において望ましい結果を得るために本明細書中に示した限度内で変化してもよく、かかる変化は、過度の実験を必要とすることなく、当業者の能力の範囲内である。
【0013】
本発明の特定の態様において、全フレーバーにおけるメントールの量は、約1%〜50重量%、またより具体的には5〜30重量%である。
本発明の特定の態様において、全フレーバーにおけるメンタンカルボキサミドの総量は、約0.1〜10重量%、またより具体的には0.5〜8重量%である。
【0014】
特定の態様において、メンタンカルボキサミドは、全フレーバーにおける0.1〜3重量%、より具体的には0.5〜2重量%の量のN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドからなる。
また別の特定の態様において、メンタンカルボキサミドは、0.1〜10重量%、より具体的には0.5〜7重量%の量の2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドからなる。
【0015】
また別の特定の態様において、メンタンカルボキサミドは、N−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物からなり、前記混合物は、全フレーバー組成物の0.1〜13重量%、より具体的には1〜9重量%の量で提供される。
【0016】
本発明のまた別の特定の側面において、N−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物は、1:100〜30:1、より具体的には1:15〜4:1の比率で提供される。
【0017】
本発明のフレーバー組成物は驚くべきことに、メントールの量を低減させるかコンパクトにするにもかかわらず、また、同様の量のメンタンカルボキサミドと置き換えないにもかかわらず、消費者し好テストにおいて高い評価を得る冷却および新鮮にする効果を提供した。言い換えると、メントールおよび全冷却剤化合物の両方が、コンパクトにされる。この結果は、メンタンカルボキサミドは単にメントールよりもはるかに大きな冷却効果を発揮することに基づき単に合理的に説明することができないことから、まさに驚きである。消費者し好テストは、ただ冷却の強度を反映するのではなく、まさに、冷却剤組成物が強すぎる場合、それは攻撃的なおよび不快であり得、消費者し好テストにおいて低く評価される。むしろ、テストは、好みおよび快適性の全体的な印象を反映する。
【0018】
さらに、とくにオーラルケア組成物などの機能的である消費者製品組成物において、組成物の冷却剤特性は、感覚的合図として作用することができ、組成物のユーザーに有効性を知らせ、また、これは、これらの種類の製品へのし好または好みを駆り立てることができる。本発明において用いられる両方のメンタンカルボキサミドは、この感覚的合図を与えることにとくに関心が持たれる粘膜表面、とくに、口腔粘膜に適用したとき、むしろ明白なヒリヒリするような感覚を示す。
【0019】
本発明は、その別の面において、フレーバー組成物において用いられるメントールの量をコンパクトにする方法であって、前記フレーバー組成物に上に定義されたメントールおよびメンタンカルボキサミドの混合物を添加するステップを含む、前記方法を提供する。
【0020】
本発明は、そのまた別の面において、フレーバー組成物において用いられる冷却剤化合物の量をコンパクトにする方法であって、前記フレーバー組成物に上に定義されたメントールおよびメンタンカルボキサミドの混合物を添加するステップを含む、前記方法を提供する。
【0021】
本発明の特定の態様において、組成物中に含有されるメントールの量をコンパクトにする方法であって、
I)前記組成物について第1のし好尺度を決定するために消費者のパネルに対してメントールを含む組成物をスクリーニングすること;
II)前記組成物から一定量のメントールを除去し、一定量のN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミド、2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、またはN−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミドの混合物を添加すること、ここで、添加するカルボキサミドの量は、重量ベースで除去したメントールの量よりも低い、および、それを、前記第1のし好尺度より高い第2のし好尺度を得るために、消費者のパネルに対するスクリーニングの対象とすること、
のステップ含む、前記方法を提供する。
【0022】
用いられる消費者テストは、消費者製品の味についてのし好または好みを決定するための市場調査において既知のおよび使用されるそれらのテストデザインのいずれであってもよい。例えば、テストは、定義済みのラテン方格法(balanced Latin Square design)のシークエンシャルモナディック(Sequential Monadic)評価であってもよく、ここで、すべての製品を、回答者によりテストする。好適なテストのさらなる事項は、以下の例において提供する。
上述のメンタンカルボキサミドは、国際公開WO 2005/049553およびWO 2007/019719に記載されている。
【0023】
本発明において用いられるメンタンカルボキサミドは、不斉炭素原子を含む。かかるジアステレオマー混合物は、それ自体既知の方法によって、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出によって、それらの物理化学的差異に基づき、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、ジアステレオマーを分離する適切な光学活性化合物を用いた反応によって、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換することにより分離することができる。ジアステレオマー混合物および純粋なエナンチオマーを含むすべてのかかる異性体は、本発明の一部であると考えられる。
【0024】
メンタンカルボキサミドの特定の例は、以下に示す光学異性体である。
【化1】
【0025】
本発明のフレーバー組成物はさらに、フレーバー付与剤、甘味剤およびかかる組成物の処方物において一般的に使用される他の補助剤を含んでもよい。
【0026】
フレーバー付与剤は、天然フレーバー、人工フレーバー、スパイス、調味料などを含むが、これらに限定されない。例示的なフレーバー付与剤は、合成フレーバーオイルおよびフレーバー付与芳香族化合物および/またはオイル、植物、葉、花、果実などに由来する、含油樹脂、エッセンス、蒸留物、および抽出物など、ならびに前述の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0027】
例示的なフレーバーオイルとして、スペアミントオイル、シナモンオイル、ウィンターグリーンのオイル(サリチル酸メチル)、ペパーミントオイル、ハッカオイル、クローブオイル、ベイオイル、アニスオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、シダーリーフオイル、ナツメグのオイル、オールスパイス、セージのオイル、メース、ビターアーモンドのオイル、およびカッシアオイルが挙げられる;有用なフレーバー付与剤は、人工の、天然のおよび合成のフルーツフレーバー、例えば、バニラ、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチなどのシトラスオイル、ならびにリンゴ、洋ナシ、モモ、グレープ、ブルーベリー、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、プラム、プルーン、レーズン、コーラ、ガラナ、ネロリ、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどのフルーツエッセンスを含む。
【0028】
フレーバー付与剤によって付与される、追加の例示的なフレーバーは、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、ヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどの茶またはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバーおよびハッカフレーバーなどのミントフレーバー;
【0029】
アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンジェリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、ササフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、唐辛子フレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、ワサビ(日本ワサビ)フレーバーなどのスパイシーなフレーバー;
【0030】
アーモンドフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、マカダミアナッツフレーバー、ピーナッツフレーバー、ピーカンフレーバー、ピスタチオフレーバー、およびクルミフレーバーなどのナッツフレーバー;ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;およびオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。
【0031】
いくつかの態様において、アルデヒドおよびエステル、例えば酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル49、p−メチルアニソールなどを含む他のフレーバー付与剤を使用することができる。アルデヒドフレーバー剤のさらなる例は、アセトアルデヒド(アップル)、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、アニスアルデヒド(リコリス、アニス)、桂皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、アルファ−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、ベータ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーティーフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラル(修飾されたもの、多くの種類)、デカナール(柑橘果実)、アルデヒドC−8(柑橘果実)、アルデヒドC−9(柑橘果実)、アルデヒドC−12(柑橘果実)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、トランス−2(ベリー果実)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、ベラトルムアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(青玉果)および2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)などを含む。
【0032】
一般的に、Chemicals Used in Food Processing, publication 1274, pages 63-258, by the National Academy of Sciencesに記載されるようなあらゆるフレーバー剤または食品添加剤を使用することができる。この刊行物は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0033】
本発明において有用なフレーバー材料のいくつかは、メントール、例えばペパーミントオイルを含有してもよい。本発明の目的のために、本願明細書中に言及されるメントールの量は、フレーバー組成物に添加される遊離メントールの量に関連するが、フレーバーオイルなどのフレーバー材料に含有され得るいずれのメントールとも関連しない。
フレーバー処方物において用いられるフレーバー付与剤の量は典型的に、約1%〜約99%であってもよく、具体的な量は、作り出されるフレーバー処方物の性質に依存して様々であってもよい。
【0034】
甘味剤は、高強度甘味剤を含むが、これらに限定されない。高強度甘味剤は、スクロースよりも実質的により大きい甘味強度を有する。好適な高強度甘味剤は、ジヒドロカルコン、モネリン、Stevia rebaudiana(ステビオシド)、グリシルリジン、およびこれらの混合物などの水溶性天然甘味剤を含む。好適な水溶性人工甘味剤は、サッカリンおよびその可溶性塩、すなわち、サッカリンのナトリウムおよびカルシウム塩、シクラメートおよびその塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン4−オン−2,2−ジオキシド(Acesulfame)およびアンモニウムナトリウム、ならびにそのカルシウム塩、ならびにとくに3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame-K)を含む。
【0035】
好適なジペプチドベースの甘味剤は、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(Aspartame)などのL−アスパラギン酸由来の甘味剤、米国特許第3,492,131号に記載の化合物、L−アルファアスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(Alitame)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニルグリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2.5−ジヒドロ−L−フェニル−アラニン、ならびにL−アスパルチル−L−(l−シクロヘキセン)アラニンを含む。
【0036】
他の好適な水溶性甘味剤は、スクロースの塩素化誘導体、例えば、クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシ−ガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体などの天然に存在する水溶性甘味剤由来のものを含む。クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例は、l−クロロ−l’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−アルファ−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−ベータ−D−フルクト−フラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フルクト−フラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−ベータ−D−フルクト−フラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクトスクロース;および4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6、1’,6’−テトラデオキシ−スクロースを含むが、これらに限定されない。好ましい態様において、クロロデオキシ糖誘導体は、4,1’,6’トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、または4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フルクトフラノシドであり、McNeil Specialty Products Company, Skillman, New Jerseyから商品名Sucraloseとして市販されている。
【0037】
他の好適な高強度甘味剤は、タリン(Thaumaoccous daniellii、Thaumatin IおよびII)などのタンパク質ベースの甘味剤を含む。
フレーバー処方物において用いられる甘味剤の量は典型的に、約0.001%〜約1%であってもよいが、作り出されるフレーバー処方物の性質に依存してより多いまたはより少ない量であってもよい。
【0038】
補助剤は、フレーバー処方物において、それらのフレーバーまたは甘味効果を付与する能力以外のそれらの特質および特性力のために使用される材料である。補助剤は、添加剤、界面活性剤、乳化剤、過脂肪剤、膨張剤(bodying agents)、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定化剤、保存料、酸化防止剤、染色材料、抗菌剤、溶媒および共溶媒;粘度改良剤およびレオロジー改良剤;ゲル化剤;殺真菌剤および殺菌剤などの保存材料;顔料、染料および着色物質;増量剤、充填剤および補強剤;熱および光の有害な効果に対する安定化剤;充填剤およびテクスチャ付与(textural)剤として機能し得る鉱物アジュバントを含み得る膨化剤を含む。好適な鉱物アジュバントは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸三カルシウムなどであり、充填剤およびテクスチャ付与剤として機能することができる。
【0039】
使用に好適な追加の膨化剤(担体、増量剤)は、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール類、ポリデキストロース、およびマルトデキストリンなどの甘味剤;炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウムなどの鉱物;およびそれらの組み合わせを含む。
充填剤は、テクスチャを改変し、処理を補助する。かかる充填剤の例は、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミニウム、粘土、アルミナ、タルク、酸化チタン、セルロースポリマーなどを含む。
【0040】
他の好適な望ましい添加剤は、“Handbook of Industrial Chemical Additives”, ed. M. and I. Ash, 2nd Ed., (Synapse 2000)などの標準的な教科書に記載されている。
【0041】
フレーバー組成物、またはその具体的な材料は、多くの違った物理形態、例えば固体、液体または封入した形態で提供してもよい。具体的な形態の選択は、取扱いまたは保管の容易性の理由により、または持続または制御放出などの具体的な効果を達成するために、選択してもよい。「封入した形態」とは、当該材料または原料が、保護および/または維持し、徐々にまたは完全に放出させることを可能にする、封入材料内に含まれることを意味する。例えば、コアセルベーション、スプレー乾燥、および多孔質基材への吸収などの、全ての既知の封入方法を用いてもよい。全ての可能な封入材料も使用してもよく、例えば、天然繊維、表面の大きな鉱物およびポリマー材料である。
【0042】
消費者製品において用いられるフレーバー組成物の量は、望ましい具体的な効果により異なってもよい。典型的に、しかしながら、フレーバー組成物は、消費者製品の重量に基づいて約0.01〜2重量%、より具体的には0.1〜1.5重量%の量で使用してもよい。
【0043】
本発明のフレーバー組成物は、あらゆる種類の消費製品において使用してもよい。「消費製品」は、治療、処置、栄養または楽しみの目的のために、体に適用する、あるいは(例えばすすぐことによって)廃棄する前に口中に入れるまたは摂取することを意図するあらゆる製品を意味する。消費製品は、クリーム、ゲル、ローション、アルコールおよび水/アルコール溶液、乳液、分散液、スティック状調製物などのあらゆる物理形態であってもよい。
フレーバー組成物は、オーラルケアにおいて使用するための消費製品において用いられてもよい。
【0044】
消費製品に関連し、「オーラルケア」は、腔またはそのあらゆる部位を清浄する、新鮮にする、癒す、脱臭する目的のために口腔に適用されるあらゆる製品に関する。かかる組成物は、練り歯磨き、歯磨き用ゲル、歯磨き粉、歯のホワイトニング用製品、マウスウォッシュ、薬用キャンディー、デンタルフロス、ようじ、歯石防止用および歯肉炎防止用組成物、喉用薬用キャンディー、喉あめ、炎症組成物、鼻の症状、風邪の症状および上部消化管の損傷の処置のための組成物、風邪薬用の、ほてりの不快感を軽減するための組成物、うがい用組成物を含むが、これらに限定されない。
【0045】
これらの化合物を利用するオーラルケア製品は、通常かかる製品と関連する1または2以上の従来の原料を、標準的な量で、フレーバー組成物と配合することによって調製してもよい。かかる標準的な原料の例は、Mentha arvensis、Mentha piperita、Mentha spicata、Mentha cardiaca、合成ミント、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、桂皮アルデヒド、オイゲノール、炭酸カルシウム、シリカ(沈殿物およびキセロゲル)、リン酸二カルシウム、アルミナ、ラウリル硫酸ナトリウム、ベタイン、グリセリン、ソルビトール、水、サッカリン、シクラミン酸ナトリウム、アスパルテーム、キシリトール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カラギーナンナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、トリポリリン酸ナトリウム、エチルアルコール、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、クエン酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、トリポリリン酸ナトリウム、セチルピリジニウム塩化物、ヘキセチジン、サンギナリン、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グリセロリン酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムを含むが、これらに限定されない。
【0046】
これらの材料のいくつかは、この用語が上に説明されているように、封入した 形態中に存在してもよい。
【0047】
本発明のフレーバー組成物は、医薬品、化粧品および洗面道具などのパーソナルケア製品において使用してもよい。
化粧品および洗面道具中に使用されるとき、処方物は、米国化粧品工業会(Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association)の国際化粧品成分表示名称事典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)に記載されている「報告された製品カデゴリー」(“Reported Product Categories”)のいずれかにおいて、および報告された製品カテゴリーのために使用されるとして挙げられた1または2以上の原料のいずれかと共に、使用することができる。
【0048】
報告された製品カテゴリーは、アフターシェーブローション、ベビーローション、オイル、パウダーおよびクリーム、ベビー製品各種、ベビーシャンプー、ベースコートおよびアンダーコート、バスカプセル、バスオイル、タブレットおよびソルト、風呂用調製物各種、風呂用石鹸および洗剤、顎鬚用軟化剤、チーク、ボディおよびハンド用調製物、泡風呂、クリーニング製品、コロンおよび化粧水、キューティクル軟化剤、歯磨剤、防臭剤、脱毛剤、ビデ、点眼薬、アイメイク用調製物各種、アイメイクリムーバー、アイシャドウ、アイブロウペンシル、アイライナー、顔および首用調製物、フェイスパウダー、女性用衛生防臭剤、足用パウダーおよびスプレー、ファンデーション、フレグランス調製物各種、毛髪ブリーチ剤、ヘアカラースプレー、ヘアカラーリング剤各種、ヘアコンディショナー、染毛剤およびヘアカラー、着色ヘアライトナー、髪用調製物、ヘアリンス、ヘアシャンプー、ヘアスプレー、ストレートヘア剤、髪用染料、ヘアウェーブセット、屋内日焼け用調製物、脚およびボディペイント、口紅、メイクアップベース、メイク定着剤、メイク用調製物、マニキュア用調製物各種、マスカラ、男性用タルカムパウダー、モイスチャライジング調製物、洗口およびブレスフレッシュナー、ネイルクリームおよびローション、ネイルエクステンダー、マニキュアおよびエナメルリムーバー、マニキュアおよびエナメル、夜用スキンケア調製物、口腔衛生製品各種、ペースト状マスク、香水、パーマ、パーソナル清潔製品各種、パウダー、プレシェーブローション、ルージュ、サシェ、シャンプー、シェービングクリーム、シェービング調製物各種、シェービング用石鹸、スキンケア調製物各種、スキンフレッシュナー、日焼けジェル、クリームおよび液体、日焼け調製物各種、トニック、ドレッシングおよび他の髪用化粧用品である。
【0049】
上述の製品の調製物において、かかる製品にみられ、上に記載された標準の補助剤のすべてまたはいずれかを、当該技術分野において承認されている量で使用してもよい。
【0050】
他の好適な望ましい添加剤または補助剤は、“Handbook of Industrial Chemical Additives”, ed. M. and I. Ash, 2nd Ed., (Synapse 2000)などの標準的な教科書に記載されている。
【0051】
これらの化合物と関連して有用なさらなる処方物の詳細は、標準の教科書、例えば、“Handbook of Cosmetic Science and Technology”, ed. Pays, Barel & Maibach, 2nd Ed. (Dekker, 2005)にみられ得る。
本発明のフレーバー組成物は、すべての種類の食料品、菓子、焼成品、甘味品、乳製品および飲料において使用してもよい。
【0052】
用語「菓子」は、チューインガム(加糖ガム、無糖ガム、機能性ガムおよびバブルガムを含む)、フィリング入り菓子、チョコレートおよびその他チョコレート菓子、薬用菓子、薬用キャンディー(lozenges)、タブレット、トローチ(pastille)、ミント、標準的なミント、パワーミント、チューイーキャンディー、ハードキャンディー、ボイルドキャンディー、ブレスケアおよび他のオーラルケアフィルムまたはストリップ、キャンディーケイン、ロリポップ、グミ、ゼリー、ファッジ、キャラメル、ハードおよびソフト糖衣品、トフィー、タフィー、リコリス、ゼラチンキャンディー、グミドロップ、ジェリービーンズ、ヌガー、フォンダン、またはこれらの1または2以上の組み合わせ、またはこれらの1または2以上を含有する食用組成物を含むが、これらに限定されない。
【0053】
菓子組成物は、当業者に既知の標準的な技術および装置を用いて、従来のハードまたはソフト菓子形式に組み込むことができる。菓子組成物は、中身を詰めることおよび/またはハードまたはソフトコーティングまたは微粒子コーティングすることもできる。
【0054】
用語「焼成品」は、アルフォーレス、パン、包装された/産業用のパン、包装されていない/職人のパン、ペストリー、ケーキ、包装された/産業用のケーキ、包装されていない/職人のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドイッチビスケット、フィリング入りビスケット、食欲をそそる風味のある(savory)ビスケットおよびクラッカー、パン代用品を含むが、これらに限定されない。
【0055】
用語「甘味品」は、朝食用シリアル、即席(「rte」)シリアル、家族用の朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他のrteシリアル、子供の朝食用シリアル、ホットシリアルを含むが、これらに限定されない。
【0056】
用語「乳製品」は、アイスクリーム、衝動買い向け(impulse)アイスクリーム、個食の乳製品アイスクリーム、個食の氷菓(water ice cream)、マルチパックの乳製品アイスクリーム、マルチパック氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、職人のアイスクリーム、乳製品、乳、生/殺菌乳、全脂肪の生/殺菌乳、半脱脂の生/殺菌乳、長期保存/uht乳、全脂肪の長期保存/uht乳、半脱脂の長期保存/uht乳、無脂肪の長期保存/uht乳、山羊乳、コンデンスミルク/エバミルク、味のついていないコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー付、機能性および他のコンデンスミルク、フレーバー付乳飲料、乳製品のみのフレーバー付き乳飲料、フルーツジュース入りのフレーバー付乳製品、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳飲料、コーヒーホワイトナー、粉ミルク、フレーバー付粉状乳飲料、クリーム、ヨーグルト、味のついていない/ナチュラルヨーグルト、フレーバー付きヨーグルト、フルーツ入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、通常の飲むヨーグルト、プロバイオティック飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザートおよび大豆ベースのデザートを含むが、これらに限定されない。
【0057】
他の食料品は、冷蔵スナック、甘いおよび食欲をそそる風味のあるスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押出成型スナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他の甘いおよび食欲をそそる風味のあるスナック、スナックバー、グラノーラバー、ブレックファストバー、エナジーバー、フルーツバー、他のスナックバー、ミール・リプレイスメント製品、ダイエット(slimming)製品、回復期用飲料、調理済み食事(ready meal)、缶詰調理済み食事、冷凍調理済み食事、乾燥調理済み食事、冷蔵調理済み食事、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、乾燥スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、uhtスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺類、味のついていない麺類、インスタントヌードル、カップ/ボウルインスタントヌードル、パウチ入りインスタントヌードル、冷蔵ヌードル、スナックヌードル、乾燥食品、デザートミックス、ソース、ドレッシングおよび調味料、ハーブおよびスパイス、スプレッド、ジャムおよびプリザーブ、はちみつ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、およびイーストベースのスプレッドを含むがこれらに限定されない。
【0058】
本明細書において用いられる「飲料」の用語は、飲むことのできるあらゆる液体または半液体を意味し、例えばフレーバー付きの水、ソフトドリンク、フルーツドリンク、コーヒーベースドリンク、茶ベースドリンク、ジュースベースドリンク(フルーツおよび野菜を含む)、乳ベースドリンク、ゲルドリンク、炭酸または非炭酸ドリンク、粉末状ドリンク、アルコールまたはノンアルコールドリンクを含む。
【0059】
上述の製品の製造において、かかる製品において見られる標準的な全てのまたはあらゆる原料を、当該技術分野で認識される量において用いることができる。かかる原料の例としては、溶媒および共溶媒;界面活性剤および乳化剤;粘度改良剤およびレオロジー改良剤;増粘剤およびゲル化剤;保存材料;顔料、染料および着色物質;増量剤、充填剤および補強剤;熱および光の悪影響に対する安定化剤、膨化剤、フレーバー付与剤およびフレーバー増強剤、加温剤、ブレスフレッシュナー、口内加湿剤、着色剤、酸味料、緩衝剤および酸化防止剤が挙げられる(が、これらに限定されない)。
【0060】
とくにチューインガム組成物に関し、好適な成分は、不水溶性ガムベース部に加えて、水溶性のバルク部およびさまざまな添加剤を含む。水溶性部は、甘味剤、膨化剤、軟化剤および/または可塑剤、ワックス、乳化剤、増粘剤、フレーバー増強剤、加温剤、ブレスフレッシュナー、口用湿潤剤、酸味料、着色剤、緩衝剤、酸化防止剤、栄養補助食品、医薬および望ましい特質を提供する他の従来のチューインガム添加剤を含んでもよい。当業者に既知の他の従来のチューインガム添加剤もまた、水溶性のバルク部において使用してもよい。
【0061】
軟化剤および可塑剤は、さまざまな望ましいテクスチャおよび一貫性特性を提供するために使用してもよい。好適な可塑剤および軟化剤は、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、および前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせを含んでもよい。これらの軟化剤および可塑剤が低分子量であるため、ガムベースの基礎構造に浸透することができ、それを可塑性にし、より粘度を低くする。
【0062】
ワックスを、エラストマーを軟化させるため、ガムベースの弾性を改善するため、およびさまざまな望ましいテクスチャおよび一貫性特性を得るためにガムベースにおいて使用してもよい。好適なワックスは、天然および合成ワックス、硬化植物油、石油ワックス、例えばポリウレタンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、およびプロピレングリコールを含んでもよい。低融点ワックスを、ガム組成物において使用してもよい。これらのワックスは典型的に、約60℃より下の、より特定すると約45〜約55℃の融点を有する。高融点ワックスをまた、ガムベースにおいて使用してもよい。かかる高融点ワックスは、ビーワックス、植物ワックス、カンデリラワックス、カルナウバワックス、ほとんどの石油ワックスなど、およびこれらの組み合わせを含む。
【0063】
好適な乳化剤は、蒸留モノグリセリド、モノおよびジグリセリドの酢酸エステル、モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル、モノおよびジグリセリド、脂肪酸ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ポリグリセリロールポリリシノレート、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アラビアガム、アカシアガム、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ステアロイルラクチレートナトリウム、ステアロイルラクチレートカルシウム、モノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、グリセリルトリカプリレート−カプレート/中鎖トリグリセリド、グリセリルジオレエート、グリセリルオレエート、脂肪酸のグリセリルラクトエステル、グリセリルラクトパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルラウレート、グリセリルジラウレート、グリセリルモノリシノレート、トリグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルジステアレート、デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジパルミテート、デカグリセリルモノオレエート、ポリグリセリル10ヘキサオレエート、中鎖トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート65、ヘキシルグリセリルジステアレート、トリグリセリルモノステアレート、トゥイーン(tween)、スパン、ステアロイルラクチレート、ステアロイル−2−乳酸カルシウム、ステアロイル−2−乳酸ナトリウム、レシチン、ホスファチジン酸のアンモニウム塩類、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、および前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。
【0064】
好適な増粘剤は、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロース)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびこれらの組み合わせを含む。増粘剤として有用な追加のポリマーは、カルボマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカント、グアーガム、アカシアガム、アラビアガムなどの天然ガム、ポリアクリル酸などの水分散性ポリアクリレート、メチルメタクリレート共重合体、およびカルボキシビニル共重合体を含む。
【0065】
チューインガム組成物は、上記の膨化剤および充填剤、栄養補助食品、医薬およびフレーバー付与剤をさらに含んでもよい。
チューインガム組成物は、被覆または圧縮してもよく、板、棒、ペレット、立方体、台形、長方形、またはボールの形状であってもよい。異なる形態のガム組成物の組成は、似ているであろうが、原料の比率についてはさまざまであってもよい。フィリング入りガムは、別の一般的なガム形態であり、フィリングは典型的に、加工中にガムの中心に注入される水性の液体またはゲルである。フィリング入りガムはまた、任意で被覆されていてもよく、ロリポップの形態などのさまざまな形態に調製してもよい。
【0066】
以下に、本発明を例示するのに役立つ一連の例が続く。
例1
以下の3種類のフレーバーを、プロピレングリコールを希釈剤として用いてフレーバーを100%にして調製した。
【表1】
【0067】
フレーバーをそれぞれ、標準のシリカ練り歯磨きベースに1%で組み入れた。
【表2】
Evercool 190 = 2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド
Evercool 180 = N−(4−シアノメチルフェニル) p−メンタンカルボキサミド
【0068】
3種すべての練り歯磨きを符号化し、37人の何も知らされていない(naive)ボランティアに与えられた。ボランティアは、30秒間歯を磨き、6時点(0分、5分、10分、20分、30分および60分)の各時点における冷却、ヒリヒリ感および新鮮さについて、各練り歯磨きを採点(0〜10スケール)するよう依頼された。60分終了時、彼らはまた、それらの全体的なし好尺度(0〜10スケール)について尋ねられた。
【0069】
10%の追加のメントールおよび5%のEvercool 190を含有するフレーバーBは、冷却、ヒリヒリ感および新鮮さについて最高の成果を出し、最も好ましかった。
10%の追加のメントールおよび2%のEvercool 180を含有するフレーバーCは、10分後フレーバーAよりも良い成果を出し、60分で最も強力な成果を出した。これは、フレーバーAと似た全体的なし好を有していた。
低レベルのEvercool 190またはEvercool 180は、練り歯磨きフレーバーにおいて高レベルのメントールと置き換えることができ、優れた感覚的な利益をなおも提供し、高レベルのメントールのフレーバーよりも好まれ得る。
【0070】
例2
74%および63%の追加のメントールを夫々含有する2種類の消費者が許容し得るフレーバーは、追加のメントールを除去し、Evercool 190またはEvercool 190およびEvercool 180のいずれかで置換した。
【0071】
【表3】
【0072】
改変されたフレーバーが、より低い、コンパクトなレベルで投与されるよう、フレーバーを、以下に従って典型的なシリカ練り歯磨きに投与した。
フレーバー1 1.20%
フレーバー2 1.00%
フレーバー1(改) 0.37%
フレーバー2(改) 0.42%
【0073】
2セットのサンプルを符号化し、16人の何も知らされていないボランティアに与えられ、彼らは、30秒間歯を磨き、0分、5分、10分、20分、30分および60分の時点における冷却、新鮮さおよびヒリヒリ感について、各練り歯磨きを採点(0〜10スケール)するよう依頼された。全体的なし好もまた、各フレーバーについて採点された(0〜10スケール)。
【0074】
この研究から、我々は、Evercool 190/180の組み合わせを含むフレーバー2(改)が、全体として好ましいフレーバーであり、5分後に最良の冷却を与え、最も長く持続する新鮮さおよびヒリヒリ感を与えたことを結論付けることができる。