(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一ハードコート層が設けられた領域の硬度がJIS K 5600−5−4:1999に規定される鉛筆硬度試験による鉛筆硬度H〜9Hの範囲であり、前記第一ハードコート層より硬度の低い前記第二ハードコート層が設けられた領域の硬度が鉛筆硬度6B〜4Hの範囲である請求項1〜5のハードコート付フィルムタイプタッチセンサ。
前記第一ハードコート層が設けられた領域と前記第二ハードコート層が設けられた領域の硬度差が2階級以上である請求項6のハードコート付フィルムタイプタッチセンサ。
前記第一ハードコート層および前記第二ハードコート層が、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜であり、光照射による硬化程度のみが異なる請求項1〜7のハードコート付フィルムタイプタッチセンサ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
1.第1実施形態
(1)ハードコート付フィルムタイプタッチセンサの基本構成
図1を用いて、第1実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を説明する。
図1は、本発明の本発明の第1実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサの概略図である。
図1(a)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の平面図であり、
図1(b)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の短辺中央における断面図である。
【0026】
ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1は、フレキシブル型有機ELディスプレイの表示面に積層して用いられ、表面に指で触れると生じる静電容量(電荷)の変化を、センサーが感知することで位置を認識する装置である。
【0027】
ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1は、フィルムタイプタッチセンサ2と、第一ハードコート層4と、第二ハードコート層5とを備えている。
【0028】
フィルムタイプタッチセンサ2は、透明なフィルム基材にパターン化した透明電極が形成された電極フィルムで構成される部材である。そのため、平面だけでなく、フィルム基材の特長を生かした曲面形状のデザインも実現可能である。フィルムタイプタッチセンサ2は、
図1(a)に示すように、透明窓部21および透明窓部21を囲う窓枠部22を有している。通常、透明窓部21にはXとYの透明電極を有して有機ELディスプレイの表示を透視することができ、窓枠部22は引き回し配線を有する。通常、検出方式は静電容量方式である。
【0029】
第一ハードコート層4は、フィルムタイプタッチセンサ2の表面を傷から保護する部材である。第一ハードコート層4は、
図1(b)に示すように、フィルムタイプタッチセンサ2の一方の主面に、縁部31を除いて大面積で設けられている。より具体的には、第一ハードコート層4の設けられている領域は、フィルムタイプタッチセンサ2の透明窓部21および窓枠部22上に、縁部31を除いて存在する。
【0030】
第二ハードコート層5は、第一ハードコート層4同様に、フィルムタイプタッチセンサ2の表面を傷から保護する部材である。第二ハードコート層5は、
図1(b)に示すように、第一ハードコート層4の非形成領域、すなわち縁部31に、第一ハードコート層4と隣接して設けられている。
【0031】
(2)第一ハードコート層4と第二ハードコート層5の組み合わせ効果
本発明の第二ハードコート層5は、第一ハードコート層4より硬度が低いことを特徴とする。このことにより、表面耐傷性と加工性の両立ができるようになった。
【0032】
図1に示すように、フィルムタイプタッチセンサ2の透明窓部21および窓枠部22上に、縁部31を除いて硬度の高い第一ハードコート層4を設けることで、最表面の傷によるフレキシブル型有機ELディスプレイの視認性低下を抑えることができる(表面耐傷性)。
他方、第一ハードコート層4の非形成領域、すなわち縁部31に、第一ハードコート層4と隣接して硬度の低い第二ハードコート層5を設けることで、打ち抜き等の加工時に縁部31にクラック等の欠陥が発生することがなく、歩留まり・品質・生産効率を向上させることができる(加工性)。
クラック等の欠陥が発生しないのは、第一ハードコート層4よりも硬度の低い第二ハードコート層5が、加圧に対するフィルムタイプタッチセンサ2の変形に追従しやすく、その結果、部分的に応力が集中しにくいからである。
【0033】
第一ハードコート層4と第二ハードコート層5の表面硬度は、公知の測定方法により求めることができるが、本発明に係る表面硬度は、JIS K 5600−5−4:1999に規定される鉛筆硬度試験により測定した鉛筆硬度である。鉛筆硬度試験は、荷重750g、45°引っ掻きの試験条件で行なう。
【0034】
第二ハードコート層5は、第一ハードコート層4より硬度が低ければ上記の効果が得られるが、好ましくは、第一ハードコート層4が設けられた領域の硬度が鉛筆硬度H〜9Hの範囲であり、第一ハードコート層4より硬度の低い第二ハードコート層5が設けられた領域の鉛筆硬度6B〜4Hの範囲である。フィルムタイプタッチセンサ2の構成材料や用途によって、要求される表面耐傷性および加工性は異なるから、硬度の高低は相対的なものである。さらに好ましくは第一ハードコート層4が設けられた領域の硬度が鉛筆硬度3H〜9Hである。
また、両領域の硬度差が2階級以上であると、表面耐傷性と加工性を両立する効果がより顕著に表れる。
なお、上記した硬度範囲や硬度階級差はとくに好ましい例を示したもので、本発明は、少なくとも第一ハードコート層4より第二ハードコート層5が低い硬度であればよい。
【0035】
(3)第一ハードコート層4と第二ハードコート層5の材料
第一ハードコート層および前記第二ハードコート層は、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜であり、光照射による硬化程度のみが異なる。
【0036】
活性光線硬化樹脂としては、公知の材料を適用できる。
例えば、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0037】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0038】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートと記載した場合、メタクリレートを包含するものとする)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。
【0039】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。
【0040】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0041】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
【0042】
これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤また光増感剤は該組成物の通常1〜10質量%添加することが出来、2.5〜6質量%であることが好ましい。
【0043】
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
【0044】
例えば、紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業株式会社製)、あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業株式会社製)、あるいはセイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株式会社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー株式会社)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料株式会社製)、あるいはサンラッドH−601(三洋化成工業株式会社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子株式会社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用出来る。
【0045】
(4)第一ハードコート層4と第二ハードコート層5の形成方法
前述の通り、第一ハードコート層4および前記第二ハードコート層5は、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜として形成されるが、この膜をフィルムタイプタッチセンサ2上に形成する方法としては、薄膜を形成する公知の方法を適用することができる。例えば、湿式塗布法、ハードコート付フィルムを用いたラミネート法、ハードコート転写フィルムを用いた転写法などがある。
【0046】
湿式塗布法とは、例えば、活性光線硬化樹脂を溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を用いて、ウェット状態の薄膜を形成する方法である。
【0047】
この様な湿式塗布法に用いられる塗布方式としては、例えば、スピンコート塗布、ディップ塗布、エクストルージョン塗布、ロールコート塗布スプレー塗布、グラビア塗布、ワイヤーバー塗布、エアナイフ塗布、スライドポッパー塗布、カーテン塗布等の公知の溶液を用いた塗布方法(塗布装置)を適用することができる。
【0048】
上記の塗布方式によりフィルムタイプタッチセンサ2上に形成したハードコート膜は、膜を硬化する目的で、活性光線が照射される。活性光線硬化樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用することができ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2↑程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cm
2 である。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。
【0049】
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。また、ハードコート付フィルムを用いたラミネート法、ハードコート転写フィルムを用いた転写法の場合は、ハードコート付フィルムや転写フィルムの状態で予め紫外線を照射して硬化させておくこともできるし、ラミネートや転写後に硬化させることもできる。
【0050】
前述のように、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5を、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜からなり、両者の硬さのみが異なるように形成する場合には、フィルムタイプタッチセンサ2上に湿式塗布法により、連続する一体の膜を塗設し、次いで全体に弱く活性光線を照射した後、縁部31を除いて更に活性光線を照射する。
これにより、薄膜は、縁部31を除いて硬度の高い第一ハードコート層4となり、縁部31のみ硬度の低い第二ハードコート層5となる。なお、当然ながら、第一ハードコート層4および前記第二ハードコート層5の表面は面一である。
【0051】
以上、湿式塗布法による第一ハードコート層4および第二ハードコート層5の形成方法を説明したが、ハードコート付フィルムを用いたラミネート法、ハードコート転写フィルムを用いた転写法も基本的には同様である。
湿式塗布法がフィルムタイプタッチセンサ2上に直接、光照射前の薄膜を塗設、乾燥するのに対して、ハードコート付フィルムを用いたラミネート法は、あらかじめ透明な樹脂フィルムに湿式塗布法にて光照射前の薄膜を塗設、乾燥しておき、薄膜側が最表面となるようにフィルムタイプタッチセンサ2上にラミネートする。その後の光照射は、湿式塗布法の場合と同じである。
また、ハードコート転写フィルムを用いた転写法は、あらかじめ離型性を有する樹脂フィルムに湿式塗布法にて光照射前の薄膜を塗設、乾燥しておき、樹脂フィルム側が最表面となるようにフィルムタイプタッチセンサ2上にラミネートした後、樹脂フィルムを剥離する。その後の光照射は、湿式塗布法の場合と同じである。
【0052】
なお、第1実施形態において、第二ハードコート層5が形成される領域である縁部31は、フィルムタイプタッチセンサ2の外周側面から1.5mm以内である。
第一ハードコート層4と第二ハードコート層5は、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜であるが、光照射程度の違いにより光学特性が異なる。その結果、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5との境界における視覚的違和感が生じる。
しかしながら、第二ハードコート層5が形成される領域である縁部31が、フィルムタイプタッチセンサ2の外周側面から1.5mm以内であると、外周側面に接近しているが故にフィルムタイプタッチセンサ2の外周形状を強調する程度に感じられ、視覚的違和感が軽減され、また組み合わせられる他部品との位置関係によっては、最終製品において視覚的に全く認識できない場合もある。
なお、上記の光学特性とは、透過率、濁度、色差、屈折率などであり、使用する活性光線硬化樹脂によって差異の現れる特性は様々である。
【0053】
(5)フィルムタイプタッチセンサ2の各構成
フィルムタイプタッチセンサ2は公知の技術のままであり、説明は省略可能であるが、フレキシブル性の点で本発明が解決する課題とも関連するので、各構成について簡単に説明する。
【0054】
<フィルム基材>
フィルム基材の材質としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリイミド、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、トリアセチルセルロースなどの樹脂フィルムが挙げられる。フィルム基材は複数枚使用してもよい。フィルム基材の合計厚は18〜200μmの範囲で適宜設定可能である。合計厚さが18μm未満では、層としての強度が不足して破れたりするので取り扱いが困難となり、合計厚が200μmを越える場合は、フィルム基材に剛性がありすぎてフレキシブル性が得られなくなる。
【0055】
<透明電極>
透明電極は、透明導電膜をそれぞれパターン化して形成することができる。
透明導電膜としては、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの各種樹脂バインダーと、導電性ナノファイバとからなるフレキシブル且つ透明な導電材料を使用できる。また、透明導電膜は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の汎用の各種印刷手法により設けることができるほか、導電性ナノファイバを含有させた光硬化性樹脂からなるドライフィルムなどのようなシート(DFR)を貼り付けるなどして設けることもできる。
【0056】
導電性ナノファイバとしては、例えば、銀、金、銅、ニッケル、金めっきされた銀、アルミニウム等を用いることができる。具体的には、導電性ナノファイバの例としては、金、銀、白金、銅、パラジウムなどの金属イオンを担持した前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ連続的にひき出して作製した金属ナノファイバや、ペプチド又はその誘導体が自己組織化的に形成したナノファイバに金粒子を付加してなるペプチドナノファイバなどがあげられる。また、カーボンナノチューブなどの黒っぽい導電性ナノファイバ3であっても、影との色または反射性などに差が認められる場合は対象となる。なお、導電性ナノファイバとしては、上記例示に限定されるものではない。導電性ナノワイヤとしては、特に銀ナノファイバが好ましい。
【0057】
透明導電膜の厚みは、数十nmから数百nmの範囲で適宜設定できる。厚さが数十nmより薄いと層としての強度が不足し、厚さが数百nmより厚いとフレキシブル性が十分でなくなる。
【0058】
また、透明電極として、金属細線からなるメッシュパターンを形成してもよい。この場合、メッシュの開口部から有機ELディスプレイを透視する。金属細線の材料としては、銀、銅、アルミニウムなどを使用できる。
【0059】
<引き回し配線>
引き回し配線は、フィルムタイプタッチセンサ2の窓枠部22に設けられ、一端は透明電極に接続され、他端は外部出力端となるものである。この外部出力端は、図示しないフレキシブル回路基板(FPC)を介して検出制御部に伝達するための端子部である。
【0060】
引き回し配線は、上述のようにフィルムタイプタッチセンサ2の窓枠部22に設けられているため、透光性を有する材料から形成される必要はなく、高い導電性を有する材料から形成することができる。例えばアルミニウム、モリブデン、銀、クロム、銅またはこれらの合金等の金属材料から形成されている。
【0061】
引き回し配線を形成する方法が特に限られることはなく、求められるパターン幅やパターン間隔などに応じて形成方法が適宜選択される。例えば、引き回し配線の幅を小さくすることが求められる場合、フィルム基材上に設けられた金属層をいわゆるフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより形成される。これによって、各引き回し配線を狭ピッチで形成することができ、例えば、各引き回し配線の幅および各引き回し配線間の間隔を20μm以下とすることができる。
また、引き回し配線の抵抗値を小さくすることが求められる場合、引き回し配線は、例えば銀ペースト等の導電性ペーストを、スクリーン印刷法を用いて塗布することにより形成される。これによって、引き回し配線の厚みを大きくすることができ、例えば1μm以上とすることができる。このことにより、引き回し配線の抵抗値をより小さくすることができる。
【0062】
2.第2実施形態
図2を用いて、第2実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサの概略図である。
図2(a)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の平面図であり、
図2(b)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の短辺中央における断面図である。
【0063】
図2に示すように、第一ハードコート層4の設けられている領域は、フィルムタイプタッチセンサ2の透明窓部21上のみに存在し、第二ハードコート層5の設けられている領域が窓枠部22上全体に存在する点で、第1実施形態と異なる。
つまり、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5との境界が、フィルムタイプタッチセンサ2の透明窓部21と窓枠部22との境界に一致する。この場合、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5との境界における視覚的違和感を無くすことができる。
【0064】
その他の点については、第1実施形態と同じであるから、重複部分についての説明は省略する。
【0065】
3.第3実施形態
図3を用いて、第3実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサの概略図である。
図3(a)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の平面図であり、
図3(b)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の短辺中央における断面図である。
【0066】
図3に示すように、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1が、長辺方向中央に、短辺と平行な折り畳み用の帯状屈曲部32を一つ有し、帯状屈曲部32には第一ハードコート層4を設けず、第二ハードコート層5を設けている点で、第2実施形態と異なる。
この場合、帯状屈曲部32にも、第一ハードコート層4より硬度の低い、第二ハードコート層5を設けているので、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を繰り返し折り畳んで使用しても、帯状屈曲部32にクラックが入ることがない。
なお、帯状屈曲部32においては表面耐傷性が低下することになるが、二つに折り畳む使用形態ではフレキシブル型有機ELディスプレイに帯状屈曲部32において精細な表示をさせる頻度は少なく、視認性への影響は小さい。
【0067】
帯状屈曲部32の幅は、前述の通り、フィルムタイプタッチセンサ2のフィルム基材の合計厚が18〜200μmであるため、その厚みで折り畳む形態に応じて、変形が生ずる領域幅が収まるように適宜設定すればよい。一例として挙げるならば、2〜30mmで形成することができる。
【0068】
その他の点については、第2実施形態と同じであるから、重複部分についての説明は省略する。また、本態様は、第1実施形態にも適用できる。
【0069】
4.第4実施形態
図4を用いて、第4実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を説明する。
図4は、本発明の第4実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサの概略図である。
図4(a)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の平面図であり、
図4(b)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の短辺中央における断面図である。
【0070】
図4に示すように、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1が、中央部に貫通孔部33を有する場合、外周部に加えて貫通孔部33の周囲も縁部31に含み、ここに第二ハードコート層5を設けている点で、第1実施形態と異なる。
この場合、貫通孔部33の周囲も、第一ハードコート層4と隣接して硬度の低い第二ハードコート層5を設けることで、穴あけ加工時に縁部31である貫通孔部33の周囲にクラックが入ることがなく、歩留まり・品質・生産効率を向上させることができる。
ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の貫通孔部33には、例えば、スピーカー33ab、メカニカルスイッチ、カメラレンズ部33baなどが配置される。
【0071】
その他の点については、第1実施形態と同じであるから、重複部分についての説明は省略する。また、本態様は、第2、第3実施形態にも適用できる。
【0072】
5.第5実施形態
図5を用いて、第5実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を説明する。
図5は、本発明の第5実施形態に係るハードコート付フィルムタイプタッチセンサの概略図である。
図5(a)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の平面図であり、
図5(b)はハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1の短辺中央における断面図である。
【0073】
図5に示すように、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5が、面一であり、かつ、微細凹凸面8による均一な艶消し状態にある点で、第2実施形態と異なる。
この場合、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5に亘って設けられた均一な艶消し状態にあるため、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5との境界における視覚的違和感を軽減することができる。
上記艶消し状態は、有機ELディスプレイの視認性をあまり低下させない程度とする。具体的には、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5のヘイズHzを1.5〜60%の数値範囲とするのが好ましい。ヘイズHzが1.5%未満であると視覚的違和感の軽減効果が充分に得られず、ヘイズHzが60%を超えると有機ELディスプレイの視認性を妨げる。より好ましくヘイズHzが3.0〜30%である。
ここで、ヘイズHzとは、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるものである。
【0074】
微細凹凸面8の形成方法としては、公知の方法が適用できる。
例えば、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5の表面に直接、機械的(サンドブラストとか、エンボスローラによるエンボス加工等)、光学的(レーザー等)、物理化学的(有機溶剤無機薬品等によるエッチング処理等)に処理して、所望の粗さを付与するとか、あるいは、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5の材料中に微粒子を含有させてコーティングすることで微粒子形状を表面に露出さsる方法等が挙げられる。
【0075】
また、微細凹凸面8を形成せずに、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5を艶消し状態にすることもできる。
例えば、微粒子を含有し、かつ、平滑表面を有する第一ハードコート層4および第二ハードコート層5で、その層内部の微粒子による拡散効果によって艶消し状態としてもよい。
【0076】
その他の点については、第2実施形態と同じであるから、重複部分についての説明は省略する。また、本態様は、第1、第3および第4実施形態にも適用できる。
【0077】
6.変化例
以上、本発明の一又は複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0078】
上記各実施形態では、第一ハードコート層4および第二ハードコート層5を、同じ活性光線硬化樹脂からなる連続する一体の膜で、光照射による硬化程度のみが異なるものとして説明したが、これに限定されない。
例えば、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5とが、硬度の異なる材料からなる、別体の膜であってもよい。
この場合、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5は、別々に塗設工程が必要である。また、第一ハードコート層4と第二ハードコート層5は、それぞれがパターンを有するように形成される。このような第一ハードコート層4および第二ハードコート層5は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の汎用の各種印刷手法により設けることができる。
【0079】
硬度の異なる材料としては、例えば、前述の活性光線硬化樹脂の中で異なる樹脂の組合せを適宜選択する。また、前述の活性光線硬化樹脂について、添加物の種類や添加量を変えることによって硬度の異なる材料とすることができる。
【0080】
さらに、硬度の異なる材料として、活性光線硬化樹脂以外の硬化樹脂を用いることもできる。例えば、熱硬化樹脂、加熱水蒸気硬化樹脂が使用可能である。
【0081】
また、第二ハードコート層5に、自己修復性および耐傷性を有する軟質合成樹脂を用いることもできる。ここで自己修復性とは、一度生じた傷が経時的に消失する性質を意味する。第二ハードコート層5の軟質合成樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系透明ゴム状樹脂、シリコーン系ゴム状樹脂、オレフィン系やスチレン系のエラストマー、それらの混合、あるいは他の樹脂との混合、ポリマーアロイ等が使用可能であるが、透明性・自己修復性・耐擦傷性のバランスの観点からポリウレタン系樹脂が最も好ましい。
【0082】
また、上記第4実施形態では、
図4に示すように、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1が、端の方に貫通孔部33を有し、外周部に加えて貫通孔部33の周囲にも第二ハードコート層5を設けた例を示したが、これに限定されない。
貫通孔部33は、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1のどの箇所に設けられていてもよい。例えば、中央部に設けてもよい。
【0083】
また、上記第3実施形態では、
図3に示すように、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1が、長辺方向中央に、短辺と平行な折り畳み用の帯状屈曲部32を一つ有し、帯状屈曲部32に第二ハードコート層5を設けた例を示したが、これに限定されない。
例えば、ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1が、長辺方向中央に短辺と平行な折り畳み用の帯状屈曲部32を一つ有するとともに、短辺方向中央にも長辺と平行な折り畳み用の帯状屈曲部32を一つ有していてもよい。この場合、縦横2回折り畳むことができる。また、平行な帯状屈曲部32を2以上設けてもよい。
【0084】
なお、折り畳み回数が増えることでフィルムの積層数が増えるにつれ、必要とされる帯状屈曲部32の幅を増加させてもよい。
【0085】
さらに、上記各実施形態および変化例のいずれの場合でも、第一ハードコート層4の設けられている独立した領域の面積が 全体の10〜99.98%である。
すなわち、第一ハードコート層4は、最表面の傷によるフレキシブル型有機ELディスプレイの視認性低下を抑えることを優先しており、表示画面の視認性を出来得る限り確保するように大面積で形成されている。独立した領域の面積とは、一つの連続した第一ハードコート層4の形成領域を意味している。第一ハードコート層4の不連続な小面積の形成領域を寄せ集めても、表示画面の視認性は十分なものとはならない。
一方で、第二ハードコート層4は、加工性は向上させつつ、表示画面の視認性を出来得る限り阻害しないように小面積で形成されている。
【0086】
また、変化例として、第二ハードコート層4の設けられている領域が、さらに硬度の異なる複数の領域に分かれていてもよい。例えば、外周部、貫通孔部33周囲および帯状屈曲部32で第二ハードコート層4の硬度を2種以上に異ならせる。
【0087】
7.フレキシブルディバイス
図6を用いて、上記のハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1を用いたフレキシブルディバイス7を説明する。
図6は、本発明に係るフレキシブルディバイス7の概略図である。
【0088】
図6に示すように、フレキシブルディバイス7は、フレキシブル型有機ELディスプレイ6と、フレキシブル型有機ELディスプレイ6との表示面6aに積層されている上記ハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1と、を備えたものである。
【0089】
有機ELディスプレイは、有機化合物の電界発光を利用した有機EL素子を有するディスプレイである。有機EL素子は、画素電極および対向電極、ならびに両電極の間に配置された電界発光する有機発光層を含む。電界発光する有機発光層の材料は、低分子有機化合物の組み合わせ(ホスト材料とドーパント材料)と、高分子有機化合物とに大別されうる。電界発光する高分子有機化合物の例には、PPVと称されるポリフェニレンビニレンやその誘導体などが含まれる。
フレキシブル型有機ELディスプレイ6は、フィルム基板を用いた柔軟な有機ELディスプレイであり、ガラス基板を用いた曲げなられない有機ELディスプレイ(リジッド型)と比べて、使用形態が自由である。
【0090】
上記したハードコート付フィルムタイプタッチセンサ1は、耐傷性を維持しつつ、製造過程における加工性に優れる他、種々の効果を有するものであるから、フレキシブルディバイス7も同様の効果を有する。
【0091】
また、ここまでフレキシブルディバイス7のディスプレイとして、フレキシブル型有機ELディスプレイ6を用いて説明したが、これに限定されない。フレキシブル型有機ELディスプレイ6以外の公知のフレキシブル型ディスプレイを用いてもよい。その他のフレキシブル型ディスプレイの一例としては、例えば、フレキシブル液晶、QLED(quantum―dot light emitting diode)、マイクロLED、EPD(Electrophoretic Display)などが挙げられる。