(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556824
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】吸着試験装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20190729BHJP
G01R 31/26 20140101ALI20190729BHJP
G01R 1/06 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R31/26 J
G01R1/06 A
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-251438(P2017-251438)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-109627(P2018-109627A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2018年3月14日
(31)【優先権主張番号】105143739
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鄭柏凱
【審査官】
永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−89891(JP,A)
【文献】
特開平7−35777(JP,A)
【文献】
米国特許第6812718(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/073
G01R 1/06
G01R 31/26
G01R 31/28
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、前記上面に対向する底面と、前記上面から前記底面まで貫通する経路とを有する支持台と、
プレート及び複数の弾性アームを備える導電性部品であって、前記プレートは、前記経路に配置され、前記経路を吸着領域及び収容領域に分割するために前記支持台に組み込まれるものであり、前記吸着領域及び前記収容領域は、前記プレートにより隔離され、前記複数の弾性アームは導電性を有し前記プレートを貫通している、導電性部品と、
前記支持台の前記上面に配置され、前記吸着領域を囲む第1シーリングリングであって、前記第1シーリングリングは、キャリアボードの支持に適応し、前記複数の弾性アームのそれぞれは、前記吸着領域に位置し、前記キャリアボードと電気的に接続するための第1の端部を有する、第1シーリングリングと、
前記経路に位置する電気プローブであって、前記電気プローブは本体及び複数のプローブヘッドを有し、前記本体は前記支持台に固定され、前記複数の弾性アームのそれぞれは、前記収容領域に位置し、前記複数のプローブヘッドと電気的に接続するための第2の端部を有する、電気プローブと、を有するキャリアボードの支持に適応する吸着試験装置であって、
前記支持台は、環状シート及び環状突起を備え、前記環状シートは内側表面及び組立スロットを有し、前記内側表面は前記経路を形成し、前記組立スロットは前記内側表面に配置され、
前記支持台は、さらに、組立ブロックを備え、
前記組立ブロックは前記組立スロットに組み込まれ、
前記導電性部品の前記プレートの一部は前記環状突起と前記組立ブロックとの間に押しつぶされる、キャリアボードの支持に適応する吸着試験装置。
【請求項2】
前記環状突起と前記プレートとの間に押しつぶされる、第2シーリングリングをさらに備える、請求項1に記載の吸着試験装置。
【請求項3】
前記環状突起は環状溝をさらに備え、前記第2シーリングリングは前記環状溝に配置される、請求項2に記載の吸着試験装置。
【請求項4】
前記組立ブロックは前記環状突起及び前記電気プローブの間に位置する、請求項1に記載の吸着試験装置。
【請求項5】
前記電気プローブからみて外方に向く前記環状突起の表面は、前記支持台の前記上面と同一平面上にある、請求項4に記載の吸着試験装置。
【請求項6】
前記環状突起は前記組立ブロック及び前記電気プローブの間に位置する、請求項1に記載の吸着試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験装置、より詳細には、吸着試験装置(absorption testing apparatus)に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩により、半導体部品の動作は向上し、多様な機能を実行できるようになった。半導体部品が機能し動作することを保証するために、半導体部品は積荷の前に試験される。
【0003】
試験過程の1つで、半導体部品は、試験用のたくさんの回路基板及びたくさんのポゴピンが配置された支持台の上に載置される。支持台の上のキャリアボードは、半導体部品に電気的に接続するために用いられる。半導体部品の試験をする前にキャリアボードを支持台に取り付け、回路基板及び半導体部品がキャリアボードを通じて互いに電気的に接続されるようにする。概して、キャリアボードは、キャリアボード及びポゴピンの間の電気的接続を保証するために、真空吸着方法(vacuum absorption manner)で支持台に固定される。
【0004】
関連する技術では、キャリアボード及びポゴピンを有するシートの間に真空領域が配置されるので、真空領域の真空特性はシート及びポゴピンの組み立て品質に大きく関連する。それゆえ、試験の前に、全てのポゴピンの気密試験を行う必要があり、費用や時間を要していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した課題を解決することが可能な吸着試験装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、キャリアボードの支持に適応する吸着試験装置を提供する。吸着試験装置は、支持台と、導電性部品と、第1シーリングリングと、電気プローブと、を含む。支持台は、上面と、底面と、経路とを有する。底面は、上面に離隔して面する。経路は、上面から底面まで貫通する。導電性部品は、プレート及び複数の弾性アームを含む。プレートは、経路に配置され、経路を吸着領域(absorption area)及び収容領域に分割するために支持台に組み込まれるものである。弾性アームはプレートを貫通している。第1シーリングリングは、上面に配置され、吸着領域を囲む。第1シーリングリングは、キャリアボードを配置するためのものである。導電性部品のそれぞれは、キャリアボードと電気的に接続するために吸着領域に位置する第1の端部を有する。電気プローブは、経路に位置する。電気プローブは本体及び複数のプローブヘッドを有する。本体は支持台に固定される。弾性アームのそれぞれは、複数のプローブヘッドと電気的に接続するために収容領域に位置する第2の端部を有する。
【0007】
上述した吸着試験装置によると、導電性の部品のプレートが、経路を、真空にされる吸着領域と、電気プローブを収容するための収容領域とに分割するので、電気プローブは真空にされる領域、例えば、吸着領域から隔離される。それゆえ、真空特性は、シート及び電気プローブの組み立て性能によって影響を受けない。言い換えれば、電気プローブは気密試験を受ける必要が無く、費用及び試験時間の両方を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は以下の詳細な説明及び共に提供される図面によりさらに充分に理解されるだろう。図面は、一例を説明するのみであり、本開示を限定することを意図したものではない。
【
図1】本開示の一実施形態に係る吸着試験装置の断面図である。
【
図4】本開示の他の実施形態に係る吸着試験装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の詳細な説明では、説明の目的で、開示された実施形態の充分な理解を提供するために多数の具体的詳細が説明される。しかし、1つ又はそれ以上の実施形態はこれらの具体的詳細によらず実現されてもよいことは明らかである。他の例では、周知の構造や装置は図面を簡略化するために概略的に示される。
【0010】
図1乃至
図3を参照すると、
図1は、本開示の一実施形態に係る吸着試験装置の断面図である。
図2は、
図1の吸着試験装置の分解立体図である。
図3は、
図1の吸着試験装置の部分拡大図である。
【0011】
本実施形態では、吸着試験装置10が提供される。吸着試験装置10は、キャリアボード20の支持に適応する。吸着試験装置10は、支持台100と、導電性部品200と、第1シーリングリング300と、電気プローブ400と、を含む。
【0012】
支持台100は、環状シート110及び環状突起120を含む。環状シート110は、上面111と、底面112と、経路113と、経路113を形成する内側表面114とを有する。経路113は、上面111から底面112まで貫通する。環状突起120は、内側表面114から突出する。
【0013】
また、電気プローブ400からみて外方に向く環状突起120の表面は、上面111と同一平面上にあるが、本開示はこれに限られない。他の実施形態では、電気プローブ400からみて外方に向く環状突起120の表面は、上面111と同一平面上でなくてもよい。
【0014】
導電性部品200は、プレート210及び複数の弾性アーム220を含む。プレート210は、経路113に配置され、支持台100に組み込まれる。プレート210は、経路113を吸着領域A1及び収容領域A2に分割し、それらを互いに隔離させる。したがって、収容領域A2から吸着領域A1へ空気が流れることが防止される。弾性アーム220は、プレート210を貫通している。弾性アーム220のそれぞれは、互いにの反対側に位置する第1の端部221及び第2の端部222を有する。第1の端部221は吸着領域A1に配置され、第2の端部222は収容領域A2に配置される。
【0015】
本実施形態で、環状シート110は組立スロット115を有する。組立スロット115は内側表面114に位置し、環状突起120及び底面112の間に配置される。支持台100はさらに組立ブロック130を含み、組立ブロック130は、組立スロット115に取り外し可能に組み込まれる。環状シート110、環状突起120及び組立ブロック130は共に埋め込みスロット140を形成し、プレート210の一部が埋め込みスロット140に埋め込まることで、吸着領域A1の気密性が向上する。しかしながら、本開示はこれに限られない。他の実施形態では、プレート210は、他の手段で支持台に組み付けられてもよい。
【0016】
本実施形態で、吸着試験装置10はさらに第2シーリングリング500を含む。環状突起120はさらに環状溝121を有する。第2シーリングリング500は、環状溝121に配置され、吸着領域A1の気密性を向上させるために、環状突起120とプレート210との間に押しつぶされる。
【0017】
前述の実施形態で、環状突起120は第2シーリングリング500を配置するための環状溝121を有すると説明したが、本開示はこれに限られない。他の実施形態では、環状突起は環状溝121を有さなくてもよい。
【0018】
第1シーリングリング300は上面111に配置され、吸着領域A1を囲む。第1シーリングリング300は、キャリアボード20の支持に適応し、弾性アーム220の第1の端部221は、各々キャリアボード20の回路に電気的に接続される。
【0019】
電気プローブ400は、経路113の収容領域A2に位置する。電気プローブ400は、本体410及び複数のプローブヘッド420を含む。本体410は支持台100に固定される。プローブヘッド420は、各々弾性アーム220の第2の端部222に電気的に接続される。本実施形態で、プローブヘッド420は、電気プローブ400の製造上の困難性を減少させるために有益な立体形状であり、電気プローブ400の製造品質を向上させることができる。
【0020】
本実施形態で、真空にされる吸着領域A1及び電気プローブ400を収容するための収容領域A2は、プレート210によって互いに隔離される。したがって、吸着領域A1の真空性能は、電気プローブ400の組み立て品質によって影響を受けないが、プレート210及び支持台100の間の気密性により関連する。したがって、気密性試験はもはや必要なくなり、費用及び試験時間の両方が減少される。
【0021】
前述の実施形態で、組立ブロック130は環状突起120及び電気プローブ400の間に位置するが、本開示はこれに限られない。
図4を参照してほしい。
図4は、本開示の他の実施形態に係る吸着試験装置の部分拡大図である。
【0022】
本実施形態で、環状突起120は、組立ブロック130及び電気プローブ400の間に位置し、支持台100の上から導電性部品200を組み立てるために有益な構成になっている。
【0023】
上述の吸着試験装置によると、導電性部品のプレートが、経路を、真空にされる吸着領域と、電気プローブを収容するための収容領域とに分割するので、電気プローブは真空にされる領域、例えば、吸着領域から隔離される。それゆえ、真空特性は、シート及び電気プローブの組み立て性能によって影響を受けない。言い換えれば、電気プローブは気密試験を受ける必要が無く、費用及び試験時間の両方が減少する。
【0024】
実施形態は、本開示の主要な点及び実際的応用を最も良く説明するために選択されて説明され、それにより当業者は予期された特定の使用に適した様々な変更と共に本開示及び様々な実施形態を最も有効に使用することが可能になる。本開示の範囲は特許請求の範囲及びそれらと等価なものによって規定されることを意図している。