特許第6556838号(P6556838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556838イミダゾ[4,5‐C]ピリジン由来のSSAO阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556838
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】イミダゾ[4,5‐C]ピリジン由来のSSAO阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20190729BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190729BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20190729BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   C07D471/04 107K
   A61K31/506
   A61K31/5377
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P1/16 101
   A61P3/10
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P9/10 101
   A61P11/00
   A61P11/06
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P25/00
   A61P25/08
   A61P25/16
   A61P25/28
   A61P27/02
   A61P29/00 101
   A61P31/04
   A61P35/00
   A61P37/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】11
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2017-515166(P2017-515166)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(65)【公表番号】特表2017-528493(P2017-528493A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】GB2015052690
(87)【国際公開番号】WO2016042331
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年7月27日
(31)【優先権主張番号】1416446.1
(32)【優先日】2014年9月17日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512241841
【氏名又は名称】プロクシマゲン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】エスペンセン、 マックス
(72)【発明者】
【氏名】パティエント、 リー
(72)【発明者】
【氏名】サボリー、 エドワード
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−532315(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0258101(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/140592(WO,A1)
【文献】 国際公開第02/38153(WO,A1)
【文献】 特表2012−502890(JP,A)
【文献】 特表2012−506368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
A61K 31/506
A61K 31/5377
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 3/10
A61P 9/00
A61P 9/10
A61P 11/00
A61P 11/06
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 25/00
A61P 25/08
A61P 25/16
A61P 25/28
A61P 27/02
A61P 29/00
A61P 31/04
A61P 35/00
A61P 37/02
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から成る群より選択される化合物またはその医薬的に許容可能な塩
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(2‐フルオロ‐4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
2‐(4,4‐ジフルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
4‐{5‐[3‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{4‐メチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}チオモルホリン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリジン;
2‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(プロパン‐2‐イル)ピリジン‐2‐アミン
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
2‐メチル‐5‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[2‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
4‐{3‐フルオロ‐4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
N‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}オキサン‐4‐アミン;
5‐メチル‐2‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[4‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を、1種または複数種の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項3】
炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害のための請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記炎症、または炎症性疾患、または免疫異常もしくは自己免疫異常が、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、血管炎、シェーグレン病、腸の炎症に伴う症状(クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、肺炎症性疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患(特発性肺線維症、心臓線維症、肝線維症、および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、および乾癬を含む)、眼の炎症性疾患(加齢性黄斑変性症、ぶどう膜炎、および糖尿病性網膜症を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/または自己免疫性の症状(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、硬化性胆管炎、および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病(I型またはII型)および/またはその合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(脳卒中および虚血再灌流障害を含む)、または心筋梗塞および/またはその合併症、またはてんかんである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
関節リウマチ、骨関節炎、肝線維症、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、シェーグレン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、炎症性腸疾患、または血管性認知症から選択される疾患の治療のための、請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を有効成分として含む、炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害ための
【請求項7】
前記炎症、または炎症性疾患、または免疫異常もしくは自己免疫異常が、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、血管炎、シェーグレン病、腸の炎症に伴う症状(クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、肺炎症性疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患(特発性肺線維症、心臓線維症、肝線維症、および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、および乾癬を含む)、眼の炎症性疾患(加齢性黄斑変性症、ぶどう膜炎、および糖尿病性網膜症を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/または自己免疫性の症状(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、硬化性胆管炎、および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病(I型またはII型)および/またはその合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(脳卒中および虚血再灌流障害を含む)、または心筋梗塞および/またはその合併症、またはてんかんである、請求項6に記載の剤。
【請求項8】
関節リウマチ、骨関節炎、肝線維症、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、シェーグレン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、炎症性腸疾患、または血管性認知症から選択される疾患の治療のための、請求項6又は請求項7に記載の剤。
【請求項9】
炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害のための組成物の製造における、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項10】
前記炎症、または炎症性疾患、または免疫異常もしくは自己免疫異常が、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、血管炎、シェーグレン病、腸の炎症に伴う症状(クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、肺炎症性疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患(特発性肺線維症、心臓線維症、肝線維症、および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、および乾癬を含む)、眼の炎症性疾患(加齢性黄斑変性症、ぶどう膜炎、および糖尿病性網膜症を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/または自己免疫性の症状(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、硬化性胆管炎、および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病(I型またはII型)および/またはその合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(脳卒中および虚血再灌流障害を含む)、または心筋梗塞および/またはその合併症、またはてんかんである、請求項に記載の使用
【請求項11】
前記組成物が、関節リウマチ、骨関節炎、肝線維症、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、シェーグレン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、炎症性腸疾患、または血管性認知症から選択される疾患の治療に用いられる、請求項9又は請求項10に記載の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SSAO活性の阻害剤である化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに炎症性疾患、免疫異常、および腫瘍増殖の阻害など、SSAO活性の阻害が有益である症状の治療または予防におけるこれらの化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)活性は、血管接着タンパク質‐1(VAP‐1)、すなわち、銅含有アミンオキシダーゼファミリー酵素(EC.1.4.3.6)に属する銅含有アミンオキシダーゼ3(AOC3)が発現する酵素活性である。したがって、SSAO酵素の阻害剤は、VAP‐1タンパク質の生物学的機能も調節し得る。この酵素ファミリーのメンバーは、セミカルバジドによる阻害に感受性を有しており、以下の反応:
R−CH−NH+O→R−CHO+H+NH
に従う一級アミンのアルデヒド、過酸化水素、およびアンモニアへの酸化的脱アミノ化において銅(II)イオンおよびタンパク質誘導トパキノン(TPQ)補酵素を用いる。
【0003】
ヒトSSAOの公知の基質としては、内在性メチルアミンおよびアミノアセトン、ならびにベンジルアミンなどのいくつかの生体異物アミンが挙げられる[Lyles, Int. J. Biochem. Cell Biol. 1996, 28, 259-274; Klinman, Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 131-137; Matyus et al., Curr. Med. Chem. 2004, 11(10), 1285-1298; O'Sullivan et al., Neurotoxicology 2004, 25(1-2), 303-315]。他の銅含有アミンオキシダーゼと同様に、DNA配列解析および構造決定から、組織結合型ヒトSSAOは、単一のN末端膜貫通ドメインによって細胞膜に固定された2つの90〜100kDaサブユニットから成るホモ二量体糖タンパク質であることが示唆されている[Morris et al., J. Biol. Chem. 1997, 272, 9388-9392; Smith et al., J. Exp. Med. 1998, 188, 17-27; Airenne et al., Protein Science 2005, 14, 1964-1974; Jakobsson et al., Acta Crystallogr. D Biol. Crystallogr. 2005, 61(Pt 11), 1550-1562]。
【0004】
SSAO活性は、血管平滑筋組織および非血管平滑筋組織、内皮、ならびに脂肪組織を含む様々な組織において見出されている[Lewinsohn, Braz. J. Med. Biol. Res. 1984, 17, 223-256; Nakos & Gossrau, Folia Histochem. Cytobiol. 1994, 32, 3-10; Yu et al., Biochem. Pharmacol. 1994, 47, 1055-1059; Castillo et al., Neurochem. Int. 1998, 33, 415-423; Lyles & Pino, J. Neural. Transm. Suppl. 1998, 52, 239-250; Jaakkola et al., Am. J. Pathol. 1999, 155, 1953-1965; Morin et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2001, 297, 563-572; Salmi & Jalkanen, Trends Immunol. 2001, 22, 211-216]。加えて、SSAOタンパク質は血漿中にも見られ、この可溶型は、組織結合型に類似の特性を有しているようである[Yu et al., Biochem. Pharmacol. 1994, 47, 1055-1059; Kurkijarvi et al., J. Immunol. 1998, 161, 1549-1557]。ヒトおよびげっ歯類の循環型SSAOは組織結合形由来であり[Gokturk et al., Am. J. Pathol. 2003, 163(5), 1921-1928; Abella et al., Diabetologia 2004, 47(3), 429-438; Stolen et al., Circ. Res. 2004, 95(1), 50-57]、一方で他の哺乳動物では、血漿/血清SSAOはAOC4と呼ばれる別個の遺伝子によってもコードされる[Schwelberger, J. Neural. Transm. 2007, 114(6), 757-762]ことが最近になって示されている。
【0005】
この豊富にある酵素の正確な生理学的役割はまだ完全には特定されていないが、SSAOおよびその反応産物が、細胞のシグナル伝達および細胞制御においていくつかの機能を有し得るようである。例えば、SSAOはGLUT4媒介グルコース取り込み[Enrique-Tarancon et al., J. Biol. Chem. 1998, 273, 8025-8032; Morin et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2001, 297, 563-572]および脂肪細胞分化[Fontana et al., Biochem. J. 2001, 356, 769-777; Mercier et al., Biochem. J. 2001, 358, 335-342]の両方において役割を果たすことが最近の発見によって示唆されている。加えて、SSAOは、炎症過程に関与し、その過程で白血球に対する接着タンパク質として作用し[Salmi & Jalkanen, Trends Immunol. 2001, 22, 211-216; Salmi & Jalkanen, in “Adhesion Molecules: Functions and Inhibition” K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251]、結合組織マトリックスの発生および維持においても役割を果たす可能性もある[Langford et al., Cardiovasc. Toxicol. 2002, 2(2), 141-150; Gokturk et al., Am. J. Pathol. 2003, 163(5), 1921-1928]。また、SSAOと血管新生との間の関係が最近になって明らかになり[Noda et al., FASEB J. 2008, 22(8), 2928-2935]、この関係に基づいてSSAOの阻害剤が血管新生抑制効果を有することが期待される。
【0006】
ヒトにおけるいくつかの研究から、血漿中のSSAO活性が、うっ血性心不全、真性糖尿病、アルツハイマー病、および炎症などの症状で上昇することが示されている[Lewinsohn, Braz. J. Med. Biol. Res. 1984, 17, 223-256; Boomsma et al., Cardiovasc. Res. 1997, 33, 387-391; Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Kurkijarvi et al., J. Immunol. 1998, 161, 1549-1557; Boomsma et al., Diabetologia 1999, 42, 233-237; Meszaros et al., Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1999, 24, 299-302; Yu et al., Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 193-199; Matyus et al., Curr. Med. Chem. 2004, 11(10), 1285-1298; O'Sullivan et al., Neurotoxicology 2004, 25(1-2), 303-315; del Mar Hernandez et al., Neurosci. Lett. 2005, 384(1-2), 183-187]。酵素活性のこれらの変化の根底にある機序は明らかではない。内在性アミンオキシダーゼによって生成される反応性アルデヒドおよび過酸化水素が、循環器疾患、糖尿病合併症、およびアルツハイマー病の進行に寄与することが示唆されている[Callingham et al., Prog. Brain Res. 1995, 106, 305-321; Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Yu et al., Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 193-199; Jiang et al., Neuropathol Appl Neurobiol. 2008, 34(2), 194-204]。さらに、SSAOの酵素活性は、血管内皮上でSSAOが強く発現することが示されている炎症部位における白血球血管外遊出過程に関与する[Salmi et al., Immunity 2001, 14(3), 265-276; Salmi & Jalkanen, in “Adhesion Molecules: Functions and Inhibition” K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251]。以上から、SSAOの阻害は、糖尿病合併症の予防および炎症性疾患において治療上の価値を有することが示唆されている[Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Salmi et al., Immunity 2001, 14(3), 265-276; Salter-Cid et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 315(2), 553-562]。
【0007】
国際公開第2007146188号には、SSAO活性の妨害により、白血球の動員が阻害され、炎症応答が低減され、発作、例えばてんかんの発作の予防および治療に有益であると期待されることが教示されている。
【0008】
O'Rourke et al(J Neural Transm. 2007;114(6):845-9)は、脳卒中のラットモデルにおけるSSAO阻害の有効性が以前に示されていたため、神経疾患におけるSSAO阻害剤の可能性について検証している。ヒト多発性硬化症と多くの特徴を共有するマウスモデルである再発改善型の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対してSSAO阻害剤が試験されている。このデータから、このモデルにおける、したがって、ヒト多発性硬化症の治療における小分子抗SSAO療法の潜在的な臨床的有益性が実証されている。
【0009】
SSAOノックアウト動物は、表現型については明らかに正常であるが、様々な炎症刺激に応答して引き起こされる炎症反応の減少を示す[Stolen et al., Immunity 2005, 22(1), 105-115]。加えて、ヒト疾患(例えば、カラゲニン誘発足炎症、オキサゾロン誘発大腸炎、多糖誘発肺炎症、コラーゲン誘発関節炎、エンドトキシン誘発ぶどう膜炎)の複数の動物モデルにおける抗体および/または小分子の使用によるSSAOの野生型動物での機能の拮抗が、白血球浸潤の減少、疾患表現型の重症度の低下、ならびに炎症性サイトカインおよびケモカインのレベルの低下といった点で保護的であることが示されている[Kirton et al., Eur. J. Immunol. 2005, 35(11), 3119-3130; Salter-Cid et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 315(2), 553-562; McDonald et al., Annual Reports in Medicinal Chemistry 2007, 42, 229-243; Salmi & Jalkanen, in “Adhesion Molecules: Functions and Inhibition” K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251; Noda et al., FASEB J. 2008 22(4), 1094-1103; Noda et al., FASEB J. 2008, 22(8), 2928-2935]。この抗炎性症保護は、1つの特定の疾患または疾患モデルに限定されるのではなく、むしろ独立した原因機構を有する広範囲の炎症モデルの全てに対して与えられるようである。このことから、SSAOは炎症反応の調節にとって重要な節点であり得ることが示唆され、したがって、SSAO阻害剤が広範囲のヒト疾患における有効な抗炎症薬になる可能性がある。VAP‐1は、肝臓および肺の線維性疾患を含む線維性疾患の進行および維持にも関係があるとされている。Weston and Adams(J Neural Transm. 2011, 118(7), 1055-64)によって、VAP‐1が肝線維症に関係があるとする実験データが要約されており、Weston et al(EASL Poster 2010)によって、VAP‐1の妨害により四塩化炭素誘発線維症の回復が加速されることが報告された。加えて、VAP‐1は、肺の炎症に関係があるとされており(例えば、Singh et al., 2003, Virchows Arch 442:491-495)、VAP‐1阻害剤が肺の炎症を軽減し、したがって、嚢胞性線維症の線維化促進性の局面および炎症促進性の局面の両方を治療することによる、嚢胞性線維症の治療に有益であることが示唆されている。
【0010】
SSAO(VAP‐1)は、胃癌において上方制御され、且つヒト黒色腫、肝細胞癌、および頭頸部癌の腫瘍血管系で同定されている(Yoong KF, McNab G, Hubscher SG, Adams DH. (1998), J Immunol 160, 3978-88.; Irjala H, Salmi M, Alanen K, Gre´nman R, Jalkanen S (2001), Immunol. 166, 6937-6943; Forster-Horvath C, Dome B, Paku S, et al. (2004), Melanoma Res. 14, 135-40)。酵素的に不活性なVAP‐1を有するマウスでは、黒色腫の増殖がよりゆっくりであり、腫瘍血管の数および径が減少したことが、ある報告(Marttila-Ichihara F, Castermans K, Auvinen K, Oude Egbrink MG, Jalkanen S, Griffioen AW, Salmi M. (2010), J Immunol. 184, 3164-3173)によって示されている。これら腫瘍の増殖の低下は、骨髄系免疫抑制細胞の浸潤の低下(60〜70%の減少)にも反映されていた。期待の持てることには、VAP‐1の欠乏は、正常組織では血管形成またはリンパ形成に対しては全く影響を与えなかった。
【0011】
様々な構造クラスの小分子が、SSAO阻害剤としてこれまでに、例えば、国際公開第02/38153号(テトラヒドロイミダゾ[4,5‐c]ピリジン誘導体)、国際公開第03/006003号(2‐インダニルヒドラジン誘導体)、国際公開第2005/014530号(アリルヒドラジンおよびヒドロキシルアミン(アミノオキシ)化合物)、および国際公開第2007/120528号(アリルアミノ化合物)に開示されている。その他のSSAO阻害剤は、国際公開第2013/037411号および国際公開第2013/038189号に開示されている。
【0012】
特許出願PCT/US2012/066153(国際公開第2013/078254号として公開)には、セリン/スレオニンタンパク質キナーゼの阻害剤として有用であると思われる化合物が開示されている。これらの化合物は、請求される化合物と構造的に関連しており、フェニル‐シクロブタンアミン置換基によって置換された二環式ヘテロアリール環系を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本明細書において記載される発明は、広範囲のヒト炎症性疾患および免疫異常における予防薬または治療薬としての使用に適切なものにする生物学的特徴、薬理学的、および薬物動態学的特徴を有する新しい種類のSSAO阻害剤に関する。この治療能力は、SSAO酵素作用を妨害するように設計されており、炎症促進性酵素産物(アルデヒド、過酸化水素、およびアンモニア)のレベルを低下させる一方で、免疫細胞の接着能とそれに対応して、免疫細胞の活性化および最終的な血管外遊出も低減させる。そのような活性が治療状有益であると予期される疾患としては、免疫細胞が病態の発症、維持、または回復において主要な役割を果たす全ての疾患、例えば、多発性硬化症、関節炎、および血管炎などが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らの同時係属中の国際特許出願第PCT/GB2014/050765号は、式(I)のSSAO阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩、またはそのN‐オキシドに関する。
【0015】
【化1】
【0016】
式中、
Yは、水素、ヒドロキシル、−NH、−NH−C1−4アルキル、−NH−ハロ‐C1−4アルキル、または−C1−4アルコキシから選択され;
Zは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ‐C1−4アルコキシ、−CONH、−SONH、−NH、−NHC1−4アルキル、または−NHハロ‐C1−4アルキルから選択され;
は、フェニル環または5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、いずれの環も、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、3員〜7員のシクロアルキル環、−OR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR4A4B、−C(O)NR4A4B、−C(O)R、−C(O)OR、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよく;ここで
4A、R4B、R、およびRは、それぞれ独立に、水素、C1−4アルキル、もしくはハロ‐C1−4アルキルから選択されるか、または
4AおよびR4Bは、それらが結合している窒素と共に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ‐C1−4アルコキシ、−CONH、−SONH、−NH、−NHC1−4アルキル、−NHハロ‐C1−4アルキルから選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよい、3員〜7員の環状アミノ基を形成し;
Xは、−N=であり;
Wは、フェニル環、またはピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサゾリル、チアゾリル、もしくはイミダゾリルから選択される5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、いずれの環も、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、−OR、−NR7A7B、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR7A7B、−C(O)NR7A7B、−C(O)R、−C(O)OR、−SO、−SONR7A7B、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよく;
7AおよびR7Bは、独立して、水素、C1−4アルキル、またはハロ‐C1−4アルキルであり、
Vは、結合、−O−、−N(R)−、−(C=O)−、−CONR−、−NRC(O)−、または−C1−4アルキレン−から選択され、ここで、前記C1−4アルキレン基はハロゲンによって置換されていてもよく、前記C1−4アルキレン基の炭素原子はいずれも−O−または−N(R)−によって置き換えられていてもよく;
は、水素、−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−C1−4アルコキシ、または3員〜7員の複素環、または3員〜7員のシクロアルキル環、または5員もしくは6員のヘテロアリール環から選択され、いずれの環も、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、−OR、−NR4A4B、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR4A4B、−C(O)NR4A4B、−C(O)R、−C(O)OR、−SO、−SONR4A4B、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよい。
ただし、−WVR基および/またはR基が、以下の基ではない。
【0017】
【化2】
【0018】
式中、
nは、0、1、または2であり;
R’およびR’’は、独立して、H、−C‐Cアルキル、−(C=O)−C‐Cアルキル、および−(C=O)OC(CHから成る群より選択され;且つ
R’’’は、H、OH、またはC‐Cアルキルである。
【0019】
発明者らの同時係属中の国際特許出願第PCT/GB2014/050765号はまた、式(Ia)のSSAO阻害剤もしくはその医薬的に許容可能な塩、またはそのN‐オキシドに関する。
【0020】
【化3】
【0021】
式中、
Yは、水素、ヒドロキシル、−NH、−NH−C1−4アルキル、−NH−ハロ‐C1−4アルキル、または−C1−4アルコキシから選択され;
Zは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ‐C1−4アルコキシ、−CONH、−SONH、−NH、−NHC1−4アルキル、または−NHハロ‐C1−4アルキルから選択され;
は、フェニル環または5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、いずれの環も、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、−OR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR4A4B、−C(O)NR4A4B、−C(O)R、−C(O)OR、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよく;ここで
4A、R4B、R、およびRは、それぞれ独立に、水素、C1−4アルキル、もしくはハロ‐C1−4アルキルから選択されるか、または
4AおよびR4Bは、それらが結合している窒素と共に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ‐C1−4アルコキシ、−CONH、−SONH、−NH、−NHC1−4アルキル、−NHハロ‐C1−4アルキルから選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよい、3員〜7員の環状アミノ基を形成し;
Xは、−N=であり;
Wは、フェニル環または5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、いずれの環も、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、−OR、−NR7A7B、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR7A7B、−C(O)NR7A7B、−C(O)R、−C(O)OR、−SO、−SONR7A7B、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよく;
7AおよびR7Bは、独立して、水素、C1−4アルキル、またはハロ‐C1−4アルキルである。
【0022】
Vは、結合、−O−、−N(R)−、−(C=O)−、−CONR−、−NRC(O)−、または−C1−4アルキレン−から選択され、ここで前記C1−4アルキレン基はハロゲンによって置換されていてもよく、前記C1−4アルキレン基の炭素原子はいずれも−O−または−N(R)−によって置き換えられていてもよく;
は、水素、または3員〜7員の複素環、またはシクロプロピル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシルから選択される3員〜7員のシクロアルキル環、または5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、いずれの環も、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、シアノ、C1−4アルキル、ハロ‐C1−4アルキル、シアノ‐C1−4アルキル、−OR、−NR4A4B、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR4A4B、−C(O)NR4A4B、−C(O)R、−C(O)OR、−SO、−SONR4A4B、および−NRS(O)から選択される1または複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0023】
本発明は、PCT/GB2014/050765の一般的開示事項の範囲に含まれるが、そこで具体的には例示されていない特定の化合物のグループに関する。本発明の化合物は、本明細書で開示される有用性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明によると、以下から成る群より選択される化合物、およびその医薬的に許容可能な塩が提供される。
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(2‐フルオロ‐4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
2‐(4,4‐ジフルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
4‐{5‐[3‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{4‐メチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}チオモルホリン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリジン;
2‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(プロパン‐2‐イル)ピリジン‐2‐アミン
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
2‐メチル‐5‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[2‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
4‐{3‐フルオロ‐4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
N‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}オキサン‐4‐アミン;
5‐メチル‐2‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[4‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン。
【0025】
本発明の化合物は、水和物および溶媒和物の形態で調製されてよいと考えられる。特許請求の範囲を含む本明細書における「本発明に関する化合物」または「本発明の化合物」または「本化合物」などへのいずれの言及も、そのような化合物の塩、水和物、および溶媒和物への言及を含む。「溶媒和物」の用語は、本明細書において、本発明の化合物およびエタノールなどの化学量論量の1種または複数種の医薬的に許容可能な溶媒分子を含む分子複合体を述べるために用いられる。「水和物」の用語は、前記溶媒が水である場合に用いられる。
【0026】
本発明の個々の化合物は、アモルファス形態および/または複数の多形形態で存在してよく、異なる晶相で得られ得る。特許請求の範囲を含む本明細書における「本発明に関する化合物」または「本発明の化合物」または「本化合物」などへのいずれの言及も、アモルファス形態または多形形態に関わりなく、化合物への言及を含む。
【0027】
定義
以下の定義は、特に断りのない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して適用されるものとする。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「本発明の化合物」の用語は、上記に挙げた39個の化合物を意味し、それらの医薬的に許容可能な塩、水和物、および溶媒和物を含む。
【0029】
「医薬的に許容可能」は、一般的に安全で毒性がなく、生物学的にもその他の点でも不都合がない医薬組成物の調製において有用であることを意味し、且つ、獣医学用途ならびにヒト用医薬用途においても有用であることを含む。
【0030】
本明細書で用いられる場合、「治療」は、記載の障害または症状の予防、または発症後のその障害の改善もしくは消失を含む。
【0031】
「有効量」は、治療を受けた対象に治療効果をもたらす化合物の量を意味する。治療効果は、客観的(すなわち、ある試験またはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち、対象が、効果の徴候を示すか、または効果を感じる)であってよい。
【0032】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所与の化学式または名称は、そのすべての塩形態、水和物形態、溶媒和物形態、N‐オキシド形態、およびプロドラッグ形態も包含するものとする。さらに、任意の化学式または名称は、そのすべての互変異性体形態および立体異性体形態も包含するものとする。互変異性体は、エノール型およびケト型を含む。立体異性体は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。エナンチオマーは、それらの純粋な形態で、または2つのエナンチオマーのラセミ体(等量)混合物もしくは不等量混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、それらの純粋な形態で、またはジアステレオマーの混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、幾何異性体も含み、幾何異性体は、それらの純粋なシス型もしくはトランス型で、またはそれらの混合物として存在し得る。
【0033】
本発明の化合物は、そのままで、または適切な場合は、その医薬的に許容可能な塩(酸付加塩または塩基付加塩)として使用され得る。以下で述べる医薬的に許容可能な付加塩は、その化合物が形成することができる治療活性を有する非毒性の酸付加塩形態および塩基付加塩形態を含むものとする。塩基性を有する化合物は、その塩基形態を適切な酸で処理することによって、その医薬的に許容可能な酸付加塩に変換され得る。例示的な酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸などの無機酸、およびギ酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p‐アミノサリチル酸、パモ酸、安息香酸、アスコルビン酸などの有機酸が挙げられる。例示的な塩基付加塩形態は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、および例えばアンモニア、アルキルアミン、ベンザチンなどの医薬的に許容可能なアミンとの塩、および例えばアルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩である。本明細書で使用される場合、付加塩という用語は、例えば水和物、アルコラートなど、前記化合物およびそれらの塩を形成することができる溶媒和化合物も包含する。
【0034】
ある態様では、本発明は、治療に使用される式(I)の化合物に関する。上記で定義された化合物は、SSAO活性の阻害剤として有用である。したがって、これらの化合物は、SSAO活性の阻害が有益である症状および疾患の治療または予防において有用である。より具体的には、それらの化合物は、炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療もしくは予防、または腫瘍増殖の阻害において有用である。
【0035】
特に、本発明の化合物は、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、血管炎、シェーグレン病、腸の炎症に伴う症状(クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、肺炎症性疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患(特発性肺線維症、心臓線維症、肝線維症、および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、および乾癬を含む)、眼の炎症性疾患(加齢性黄斑変性症、ぶどう膜炎、および糖尿病性網膜症を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/または自己免疫性症状(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、硬化性胆管炎、および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病(I型もしくはII型)および/またはその合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(脳卒中および虚血再灌流障害を含む)、または心筋梗塞および/またはその合併症、またはてんかんの治療または予防において有用であると考えられている。
【0036】
実施形態では、本発明の化合物は、関節リウマチ、骨関節炎、肝線維症、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、シェーグレン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、炎症性腸疾患、および血管性認知症から選択される疾患の治療または予防において有用であると考えられている。
【0037】
VAP1が、胃癌、黒色腫、肝細胞癌、および頭頸部癌を含むいくつかの癌において上方制御されていること、および酵素的に不活性なVAP‐1を有するマウスでは、黒色腫の増殖がよりゆっくりであること、という上記の序論で引用した証拠を考慮し、且つ、VAP1と血管新生との間の関係を考慮すると、本発明の化合物は、血管新生抑制性であり、したがって、腫瘍増殖の阻害による癌の治療に効果を有することも期待される。
【0038】
したがって、本発明は、上述した症状および疾患の治療または予防に使用される本発明の化合物を含む。本発明はまた、上述した症状および疾患の治療または予防のための医薬の製造における前記化合物の使用も含む。本発明はさらに、そのような症状および疾患の治療または予防のための方法であって、そのような治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、上記で定義された化合物を有効量投与することを含む。
【0039】
本明細書で示される方法は、対象が記載される特定の治療を必要としていると同定される方法を含む。そのような治療を必要としている対象の同定は、対象または医療従事者の判断によるものであってもよく、主観的(例えば、所見)または客観的(例えば、試験または診断方法によって測定可能)であってもよい。
【0040】
他の態様では、本明細書の方法は、治療投与に対する対象の応答をモニタリングすることをさらに含む方法を含む。そのようなモニタリングは、対象の組織、体液、検体、細胞、タンパク質、化学マーカー、遺伝子材料などを、治療計画のマーカーまたは指標として定期的に採取することを含み得る。他の方法では、対象は、そのような治療の適切性についての関連するマーカーまたは指標を評価することによって、そのような治療を必要としているとして予備スクリーニングまたは同定される。
【0041】
ある実施形態では、本発明は、治療の効果をモニタリングする方法を提供する。この方法は、本明細書で示される障害もしくはその症状の徴候を患っている対象、または本明細書で示される障害もしくはその症状の徴候に感受性のある対象において、診断マーカー(マーカー)(例えば、本明細書の化合物によって調節される本明細書で示されるいずれかの標的または細胞型)のレベルを決定するステップまたは診断測定(例えば、スクリーニング、アッセイ)を含み、対象は、疾患またはその疾患の徴候を治療するのに十分な治療量の本明細書の化合物を投与されている。この方法において決定されるマーカーのレベルは、対象の疾患状態を明らかにするために、健康な正常対照または他の罹患している患者のいずれかにおけるマーカーの既知レベルと比較され得る。好ましい実施形態では、第一のマーカーレベルの決定よりも後の時点で、対象における第二のマーカーレベルが決定され、これら2つのレベルが比較されて、疾患の径かまたは治療法の有効性がモニタリングされる。ある特定の好ましい実施形態では、対象における治療前のマーカーレベルが、本発明に従って治療の開始前に決定され、次に、このマーカーの治療前レベルが、治療開始後の対象におけるマーカーレベルと比較されて、治療の有効性を決定することができる。
【0042】
ある特定の方法の実施形態では、対象におけるマーカーレベルまたはマーカー活性レベルが、少なくとも1回決定される。マーカーレベルを、例えば同じ患者から、別の患者から、または正常な対象から過去に得られたかまたは続いて得られる別のマーカーレベルの測定値と比較することは、本発明による治療法が所望も効果を有しているか判定するのに有用であり得るものであり、それによって、投与レベルを適宜調節することが可能となる。マーカーレベルは、当該技術分野においてしられているか、または本明細書に記載されるあらゆる適切な試料採取方法/発現アッセイ方法を用いて決定されてもよい。最初に組織試料または体液試料を対象から採取することが好ましい。適切な試料の例としては、血液、尿、組織、口腔または頬の細胞、および毛根を含む毛髪試料が挙げられる。他の適切なサンプルは、当業者に公知である。試料中のタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベル(例えば、マーカーレベル)の決定は、当該技術分野にて公知の適切ないかなる技術を用いて行われてもよく、これらに限定されないが、酵素免疫測定法、ELISA、放射標識/アッセイ技術、ブロッティング/化学発光法、リアルタイムPCRなどが挙げられる。
【0043】
組成物
本発明の現時点で好ましい実施形態は、本発明の化合物を、1種または複数種の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と共に含む医薬組成物である。
【0044】
臨床用途において、本発明の化合物は、様々な投与モード用の医薬製剤に製剤化される。本発明の化合物が、生理学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤と共に投与得るよいことは理解される。本発明の医薬組成物は、いかなる適切な経路で投与されてもよく、好ましくは、経口投与、直腸内投与、鼻腔投与、局所投与(頬側および舌下を含む)、舌下投与、経皮投与、髄腔内投与、経粘膜投与、または非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内を含む)によって投与され得る。
【0045】
他の製剤は、都合良くは、例えば錠剤および徐放性カプセル剤などの単位剤形として、およびリポソームとして提供されてよく、製薬の技術分野において公知のいかなる方法によっても調製され得る。医薬製剤は、通常、活性物質またはその医薬的に許容可能な塩を、従来の医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と混合することによって調製される。賦形剤の例は、水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、コロイド状二酸化ケイ素などである。そのような製剤は、他の薬理活性剤、および安定化剤、湿潤剤、乳化剤、香味剤、緩衝剤などの従来の添加剤を含有していてもよい。通常、活性化合物の量は、製剤の0.1〜95重量%、好ましくは、非経口用途の製剤の場合、0.2〜20重量%、より好ましくは、経口投与の製剤の場合、1〜50重量%である。
【0046】
製剤は、さらに、造粒、圧縮、マイクロカプセル化、スプレー被覆などの公知の方法によって調製されてもよい。製剤は、従来の方法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、シロップ剤、懸濁液、坐剤、または注射剤の剤形として調製されてもよい。液体製剤は、水または他の適切な媒体中に活性物質を溶解または懸濁させることによって調製されてもよい。錠剤および顆粒剤は、従来の方法で被覆されてもよい。治療的に有効な血漿中濃度を長期間にわたって維持するために、本発明の化合物は徐放性製剤中に組み込まれていてもよい。
【0047】
特定の化合物の投与レベルおよび投与頻度は、使用される特定の化合物の効力、その化合物の代謝安定性および作用持続時間、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与モードおよび投与時間、排出率、併用薬物、治療を受ける症状の重症度、および患者が受けている治療法を含む様々な因子に応じて変化することになる。一日用量は、例えば、体重1キログラムあたり約0.001mgから約100mgの範囲であってもよく、一回で投与されるか、または例えば一回につき体重1キログラムあたり約0.01mgから約25mgの用量で複数回投与されてもよい。通常、そのような用量は経口で投与されるが、非経口投与が選択されてもよい。
【実施例】
【0048】
本発明の化合物の調製
以下の略語を用いた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
例および中間体化合物
実験方法
特に断りのない限り、反応は室温で行った。マイクロ波反応は、Biotageマイクロ波反応器により、アルミニウムキャップおよび隔壁を備えたプロセスバイアルを用いて行った。水素化は、Thales H‐Cubeを用いて行った。分取用低圧クロマトグラフィーは、RediSepまたはGraceResolvシリカおよびC18逆相カラムを備えたCombiFlash CompanionまたはCombiflash RFシステムを用いて行った。分取用逆相HPLCは、ACE‐5AQ、100×21.20mm、5mmカラムまたはPhenomenex Synergi Hydro‐RP 80A AXIA、100×21.20mm、4mmカラムを備えた紫外線検出器を用いてGilsonシステムで行った。最も純粋な画分を集収し、濃縮し、真空乾燥した。化合物は、通常は、40℃から60℃の真空オーブン中で乾燥した後、純度分析を行った。
【0052】
化合物分析は、HPLCおよびLCMSによって行った。HPLCデータは、ダイオードアレイ検出器を有するAgilent 1100 HPLCシステムを用いて収集し、LCMSデータは、Waters ZQ質量分析計と接続されたAgilent 1100 HPLCシステムを用いて収集した。標準的なクロマトグラフィー法では、Phenomenex Synergi RP‐Hydroカラム(150×4.6mm、4μm)を、1.5mL/分、30℃で、水(+0.1% TFA)中勾配5〜100% MeCN(+0.085% TFA)にて7分間行い、200〜300nmで検出した。あるいは、化合物分析は、Kinetex XB RPカラム(100×2.1mm、1.7μm)を、0.5mL/分、40℃で、水(+0.1% TFA)中勾配5〜100% MeCN(+0.085% TFA)にて用いた、200〜300nmでの検出で、またはKinetex XB RPカラム(50×2.1mm、1.7μm)を、0.8mL/分、40℃で、水(+0.1% TFA)中勾配5〜100% MeCN(+0.085% TFA)にて用いた、200〜300nmでの検出で、Agilent UPLC 1290 Infinityシステムを用いて行った。
【0053】
中間体のための標準的なLCMS法では、Phenomenex Synergi RP‐Hydroカラム(30×4.6mm、4μm)を、1.5mL/分、および30℃で、水(+0.1% TFA)中勾配5〜100% MeCN(+0.085% TFA)にて1.75分間、続いて100%の勾配にて0.75分間用いて、200〜300nmで検出した。中間体のための標準的なHPLC法では、Zorbax XDB C18カラム(50×4.6mm、1.8μm)を、1.2mL/分、および40℃で、水(+0.1% TFA)中勾配による5〜100% MeCN(+0.085% TFA)にて3.0分間、続いて100%の勾配にて0.5分間用いて、200〜300nmで検出した。
【0054】
正確な質量は、Waters QTOFエレクトロスプレーイオン源を用いて測定し、Leucine Enkephalinロックマスを用いて補正した。スペクトルは、ポジティブおよび/またはネガティブエレクトロスプレーモードで取得した。取得した質量範囲は、100〜1000m/zであった。試験化合物をDMSOに溶解して10mMのストック溶液を得た。通常は、DMSOストックの5uLを、495uLのアセトニトリルで希釈し、次にアセトニトリルおよび水(1:1)でさらに希釈して、2uMの最終濃度とした。報告した質量値は、水素が付加された親分子[MH]または水素が取り除かれた親分子[M−H]のいずれかに対応する。調製された化合物は、IUPAC法により命名した。
【0055】
中間体1
5‐フルオロ‐N‐(4‐ニトロピリジン‐3‐イル)ピリジン‐2‐アミン
【0056】
【化4】
【0057】
NaH(鉱油中の60%分散体、1.08g、27.1mmol)を、THF(60mL)中の2‐アミノ‐5‐フルオロピリジン(3.04g、27.1mmol)の溶液へ少しずつ添加し、得られた混合物を30分間撹拌した。THF(10mL)中の3‐フルオロ‐4‐ニトロピリジン(3.50g、24.6mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を16時間撹拌した。この反応混合物を、EtOAc(40mL)と水(40mL)とに分配し、有機相を鹹水(40mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物を赤色の固体として得た(1.76g、30.6%)。LCMS(ES):235.0[M+H]。HPLC:保持時間5.51分、純度100%。
【0058】
中間体2
N‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)‐4‐ニトロピリジン‐3‐アミン
【0059】
【化5】
【0060】
中間体2は、2‐アミノ‐5‐フルオロピリジンの代わりに2‐アミノ‐5‐クロロピリジンを用い、中間体1と同様に調製して、表題の化合物を橙色の固体として得た(1.24g、28.1%)。LCMS(ES):251.0[MH]。HPLC:保持時間5.92分、純度92.7%。
【0061】
中間体3
N‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐4‐ニトロピリジン‐3‐アミン
【0062】
【化6】
【0063】
中間体3は、2‐アミノ‐5‐フルオロピリジンの代わりに2‐アミノ‐5‐メチルピリジンを用い、中間体1と同様に調製して、表題の化合物を赤色の固体として得た(1.25g、30.9%)。LCMS(ES):231.1[MH]。HPLC:保持時間4.43分、純度80.3%。
【0064】
中間体4
3‐[(2,4‐ジフルオロフェニル)アミノ]‐4‐ニトロピリジン‐1‐イウム‐1‐オレート
【0065】
【化7】
【0066】
EtOH(60mL)中の3‐フルオロ‐4‐ニトロピリジンN‐オキシド(2.00g、12.7mmol)および2,4‐ジフルオロアニリン(2.96mL、29.1mmol)の混合物を、70℃で16時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、析出物を真空ろ過によって単離して、表題の化合物を黄色の固体として得た(2.16g、63.9%)。LCMS(ES):268.0[M+H]。HPLC:保持時間:5.14分、純度99.3%。
【0067】
中間体5〜7
中間体5〜7は、3‐フルオロ‐4‐ニトロピリジンN‐オキシドを適切なアニリンとカップリングすることによって、中間体4と同様に調製した。以下の表1を参照されたい。
【0068】
【表3】
【0069】
中間体8
3‐[(4‐クロロフェニル)アミノ]‐4‐ニトロピリジン‐1‐イウム‐1‐オレート
【0070】
【化8】
【0071】
3‐ブロモ‐4‐ニトロピリジンN‐オキシド(10.0g、45.7mmol)および4‐クロロアニリン(17.5g、137mmol)をEtOH(100mL)中に溶解し、18時間60℃に加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、析出物をろ過によって回収して、表題の化合物を橙色の固体として得た(2.83g、23.3%)。LCMS(ES):266.0[MH]。HPLC:保持時間5.52分、純度100%。
【0072】
中間体9
3‐[(4‐フルオロフェニル)アミノ]‐4‐ニトロピリジン‐1‐イウム‐1‐オレート
【0073】
【化9】
【0074】
中間体9を、4‐クロロアニリンの代わりに4‐フルオロアニリンを用い、中間体8と同様に調製して、表題の化合物を橙色の固体として得た(10.4g、45.7%)。LCMS(ES):250.0[MH]。HPLC:保持時間5.15分、純度99.5%。
【0075】
中間体10
3‐N‐(2,4‐ジフルオロフェニル)ピリジン‐3,4‐ジアミン
【0076】
【化10】
【0077】
ラネーニッケル(水による約50%スラリー;2.80mL)を、EtOH(80mL)中の中間体4(2.16g、8.08mmol)およびヒドラジン一水和物(1.57mL、32.3mmol)の懸濁液へゆっくり添加し、得られた混合物を90分間撹拌した。この混合物をセライトを通してろ過し、次にMeOHで洗浄した。1つにまとめたろ液を真空蒸発させ、次にカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物をピンク色の固体として得た(1.32g、73.6%)。LCMS(ES):222.0[M+H]。HPLC:保持時間:4.08分、純度99.2%。
【0078】
中間体11〜16
中間体11〜16を、中間体1および5〜9をヒドラジン水和物またはギ酸アンモニウムと共にラネーニッケルで還元することにより、中間体10と同様に調製した。以下の表2を参照されたい。
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
中間体17
3‐N‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)ピリジン‐3,4‐ジアミン
【0083】
【化11】
【0084】
中間体17を、中間体4の代わりに中間体2を用い、中間体10と同様に調製して、表題の化合物をピンク色の固体として得た(804mg、74.3%)。LCMS(ES):221.1[MH]。UPLC:保持時間1.22分、純度100%。
【0085】
中間体18
N‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐4‐ニトロピリジン‐3‐アミン
【0086】
【化12】
【0087】
中間体18を、中間体4の代わりに中間体3を用い、中間体10と同様に調製して、表題の化合物を青色の固体として得た(885mg、81.4%)。LCMS(ES):201.2[MH]。UPLC:保持時間0.29分、純度79.2%。
【0088】
中間体19
4‐メチル‐6‐(モルホリン‐4‐イル)ピリジン‐3‐カルボン酸
【0089】
【化13】
【0090】
ジオキサン(30mL)中の6‐フルオロ‐4‐メチルニコチン酸(3.38g、21.8mmol)、モルホリン(2.07mL、24.0mmol)、およびEtN(3.80mL、27.2mmol)の溶液を、110℃で20時間加熱した。この反応混合物を冷却し、析出物をろ過によって除去し、ろ液を蒸発させて、表題の化合物を他の淡黄色の固体として得た(4.77g、98.4%)。LCMS(ES):223.0[M+H]。HPLC:保持時間3.23分、純度96.0%。
【0091】
中間体20
2‐[(オキサン‐4‐イル)アミノ]ピリミジン‐5‐カルボン酸
【0092】
【化14】
【0093】
中間体20を、それぞれ6‐フルオロ‐4‐メチルニコチン酸およびモルホリンの代わりに、2‐クロロピリミジン‐5‐カルボン酸および4‐アミノテトラヒドロピランを用い、中間体19と同様に調製して、表題の化合物をオフホワイト色の固体として得た(681mg、96.7%)。LCMS(ES):224.1[MH]。UPLC:保持時間1.57分、純度90.0%。
【0094】
中間体21
2‐(ジエチルアミノ)ピリミジン‐5‐カルボン酸
【0095】
【化15】
【0096】
中間体21を、それぞれ6‐フルオロ‐4‐メチルニコチン酸およびモルホリンの代わりに、2‐クロロピリミジン‐5‐カルボン酸およびジエチルアミンを用い、中間体19と同様に調製して、表題の化合物を淡橙色のオイルとして得た(1.86g、粗生成物)。LCMS(ES):196.1[MH]。UPLC:保持時間2.12分、純度91.2%。
【0097】
中間体22
N‐{3‐[(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)アミノ]ピリジン‐4‐イル}‐6‐(モルホリン‐4‐イル)ピリジン‐3‐カルボキシアミド
【0098】
【化16】
【0099】
EtN(665uL、4.77mmol)を、NMP(10mL)中の6‐(モルホリン‐4‐イル)ニコチン酸(365mg、1.75mmol)、HATU(787mg、2.07mmol)の溶液へ添加し、得られた溶液を30分間撹拌した。中間体11(325mg、1.59mmol)を添加し、得られた溶液を65℃で2時間撹拌した。この反応混合物を、EtOAc(25mL)および水(30mL)で希釈した。有機相を鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させて、ピンク色の固体を得た(628mg、粗生成物)。LCMS(ES):395.0[M+H]
【0100】
中間体23〜30
中間体23〜30を、中間体10、12〜16、および18を適切なカルボン酸とカップリングさせることにより、中間体22と同様に調製した。以下の表3を参照されたい。
【0101】
【表7】
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】
中間体31
N‐{3‐[(5‐クロロピリジン‐2‐イル)アミノ]ピリジン‐4‐イル}‐6‐フルオロ‐4‐メチルピリジン‐3‐カルボキシアミド
【0105】
【化17】
【0106】
塩化オキサリル(152uL、1.77mmol)を、DCM(6.0mL)中の2‐フルオロ‐4‐メチルニコチン酸(250mg、1.61mmol)およびDMF(12uL、161umol)の懸濁液に滴下し、得られた溶液を30分間撹拌した。DCM(5.0mL)中の中間体17(320mg、1.45mmol)およびEtN(495uL、3.55mmol)の懸濁液を添加し、得られた混合物を16時間撹拌した。この反応混合物を、DCM(15mL)および水(30mL)で希釈し、有機相を、水(30mL)、鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させて、橙色のオイルを得た(576mg、粗生成物)。LCMS(ES):357.9[M+H]
【0107】
中間体32〜36
中間体32〜36を、中間体11、14〜16、および18のカルボン酸活性化ならびにカップリングにより、中間体31と同様に調製した。以下の表4を参照されたい。
【0108】
【表10】
【0109】
【表11】
【0110】
中間体37
4‐ブロモ‐N‐{3‐[(6‐メチルピリジン‐3‐イル)アミノ]ピリジン‐4‐イル}ベンズアミド
【0111】
【化18】
【0112】
塩化4‐ブロモベンゾイル(658mg、3.00mmol)を、EtN(627uL、4.49mmol)およびDCM(12mL)中の中間体14(600mg、3.00mmol)の懸濁液へ少しずつ添加し、得られた溶液を1時間撹拌した。この反応物を水(20mL)で希釈し、有機相を分離し、水相をさらにDCM(20mL)で抽出した。1つにまとめた有機相を鹹水(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させて、表題の化合物を黄色の固体として得た(923mg、80.3%)。LCMS(ES):383.0、385.0[M+H]。UPLC:保持時間1.99分、純度95.6%。
【0113】
中間体38〜40
中間体38〜40を、中間体14および18を適切な酸塩化物とカップリングさせることにより、中間体37と同様に調製した。以下の表5を参照されたい。
【0114】
【表12】
【0115】
中間体41
5‐[2‐(4‐ブロモフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル]‐2‐メチルピリジン
【0116】
【化19】
【0117】
中間体37(923mg、2.41mmol)をAcOH(4.5mL)中
に溶解し、得られた溶液を、マイクロ波反応器中、120℃で15分間加熱した。この反応混合物を、水(40mL)およびDCM(40mL)で希釈し、固体NaCOで約pH9まで塩基性化した。有機相を鹹水(40mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させて、表題の化合物をオフホワイト色の固体として得た(664mg、75.5%)。LCMS(ES):364.9、366.9[M+H]。UPLC:保持時間2.16分、純度98.6%。
【0118】
中間体42〜44
中間体42〜44を、中間体38〜40の酸媒介環化により、中間体41と同様に調製した。以下の表6を参照されたい。
【0119】
【表13】
【0120】
中間体45
6‐クロロ‐N‐{3‐[(4‐クロロフェニル)アミノ]ピリジン‐4‐イル}ピリジン‐3‐カルボキシアミド
【0121】
【化20】
【0122】
中間体13(302mg、1.38mmol)、6‐クロロニコチン酸(1.43g、4.54mmol)、HOBt(615mg、4.54mmol)、およびDIPEA(1.87mL、10.7mmol)を、DMF(6.0mL)中に溶解し、EDC(871mg、4.54mmol)で処理した。この反応物を5.5日間撹拌した。この混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、DCM(3×50mL)で抽出した。1つにまとめた有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空除去した。粗物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物を黄色の粘性物質として得た(163mg、32.9%)。LCMS(ES):359.0[MH]
【0123】
実施例1
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン
【0124】
【化21】
【0125】
中間体22(628mg、1.59mmol)をAcOH(3.0mL)中に懸濁させ、得られた混合物を、マイクロ波反応器中、150℃で1時間加熱した。この反応混合物を、水(30mL)およびDCM(15mL)で希釈し、NaCOにより、反応混合物が約pH8となるまで中和した。有機相を単離し、水(20mL)、鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させて、ピンク色の固体が得られ、これをEtOH(2.5mL)中で粉砕して、表題の化合物をピンク色の固体として得た(25.0mg、4.17%)。HRMS(ES)C2017FNOの[M+H]に対する計算値:377.1526、測定値377.1524。HPLC:保持時間:4.13分、純度98.4%。
【0126】
実施例2〜7
実施例2〜7を、中間体23および26〜30の酸媒介環化により、実施例1と同様に調製した。以下の表7を参照されたい。
【0127】
【表14】
【0128】
【表15】
【0129】
実施例8
4‐{5‐[3‐(2‐フルオロ‐4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン
【0130】
【化22】
【0131】
中間体24(212mg、0.60mmol)をNMP(1.5mL)中に溶解し、モルホリン(310uL、3.59mmol)を添加した。得られた溶液を、マイクロ波反応器中、180℃で30分間加熱した。この反応混合物を冷却し、EtOAc(25mL)と水(25mL)とに分配した。有機相を、水(25mL)、鹹水(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させた。残渣を逆相HPLCで精製して、表題の化合物を黄色の固体として得た(22.0mg、9.1%)。HRMS(ES)C2322FNOの[M+H]に対する計算値:404.1887、測定値404.1888。HPLC:保持時間4.45分、純度99.3%。
【0132】
実施例9〜11
実施例9〜11を、中間体25および35の適切なアミンとのSnArおよび環化により、実施例8と同様に調製した。以下の表8を参照されたい。
【0133】
【表16】
【0134】
実施例12
4‐{5‐[3‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン
【0135】
【化23】
【0136】
中間体31(576mg、1.61mmol)およびモルホリン(695uL、8.06mmol)をNMP(1.5mL)中に溶解し、得られた溶液を、マイクロ波反応器中、180℃で1時間加熱した。この反応混合物を、EtOAc(20mL)と水(20mL)とに分配し、有機相を、水(20mL)、鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空濃縮した。残渣をAcOH(2.0mL)に溶解し、得られた溶液を、マイクロ波反応器中、150℃で30分間加熱した。この反応混合物を、水(10mL)およびDCM(10mL)で希釈し、NaCOを注意深く添加することでpH約9まで塩基性化した。有機相を、水(20mL)、鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空濃縮した。残渣を逆相HPLCで精製して、表題の化合物をオフホワイト色の固体として得た(80.0mg、12.2%)。HRMS(ES)C2119ClNOの[M+H]に対する計算値:407.1387、測定値407.1385。UPLC:保持時間:1.90分、純度100%。
【0137】
実施例13〜24
実施例13〜24を、中間体32〜36の適切なアミンとのSnArおよび環化、ならびにそれに続く酸媒介環化により、実施例12と同様に調製した。以下の表9を参照されたい。
【0138】
【表17】
【0139】
【表18】
【0140】
【表19】
【0141】
【表20】
【0142】
実施例25
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン
【0143】
【化24】
【0144】
EtOH(3.0mL)中の中間体14(250mg、1.25mmol)、2‐ピロリジン‐1‐イルピリミジン‐5‐カルボアルデヒド(221mg、1.25mmol)、およびNa(652mg、3.75mmol)の懸濁液を、マイクロ波反応器中、150℃で90分間加熱し、45分後には、さらなるNa(652mg、3.75mmol)を添加した。次に、この反応混合物を、1M NaCO水溶液(25mL)に注ぎ入れ、DCM(2×25mL)で抽出した。1つにまとめた有機相を鹹水(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させた。残渣をMeOH(5.0mL、次に4.0mL)中で2回粉砕して、表題の化合物を白色の固体として得た(127mg、28.5%)。HRMS(ES)C2019の[M+H]に対する計算値:358.1780、測定値358.1779。UPLC:保持時間1.99分、純度99.2%。
【0145】
実施例26〜30
実施例26〜30を、中間体11、14、16、および18の適切なアルデヒドとの還元縮合により、実施例25と同様に調製した。以下の表10を参照されたい。
【0146】
【表21】
【0147】
【表22】
【0148】
実施例31
2‐メチル‐5‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル]ピリジン
【0149】
【化25】
【0150】
ジオキサン(2.0mL)中の中間体41(200mg、548umol)、ピロリジン(49.5uL、602umol)、XPhos(52.2mg、110umol)、Pd(dba)(50.1mg、54.8umol)、およびNaOBu(63.2mg、657umol)の混合物を、100℃で16時間加熱した。この反応混合物を、DCM(20mL)と水(20mL)とに分配し、有機相を鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空濃縮した。得られた残渣をMeOH(3.0mL)中で粉砕して、表題の化合物をベージュ色の固体として得た(18.1mg、9.30%)。HRMS(ES)C2221の[M+H]に対する計算値:356.1875、測定値356.1877。UPLC:保持時間2.30分、純度98.7%。
【0151】
実施例32〜37
実施例32〜37を、中間体41〜44の適切なアミンとのブッフバルト・ハートウィッグカップリングにより、実施例31と同様に調製した。以下の表11を参照されたい。
【0152】
【表23】
【0153】
【表24】
【0154】
実施例38
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン
【0155】
【化26】
【0156】
中間体45(163mg、0.45mmol)をAcOH(5mL)に溶解し、マイクロ波反応器中、100℃で15分間加熱した。この反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、NaCOで塩基性化し、DCM(3×50mL)で抽出した。1つにまとめた有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空除去した。残渣を逆相HPLCで精製して、表題の化合物を白色の固体として得た(55.6mg、36.0%)。HRMS(ES)C1710Clの[M+H]に対する計算値:341.0361、測定値341.0352。HPLC:保持時間5.13分、純度99.9%。
【0157】
実施例39
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン
【0158】
【化27】
【0159】
EtOH(10mL)中の中間体9(800mg、3.21mmol)、2‐クロロピリジン‐5‐カルボキシアルデヒド(568mg、4.01mmol)、およびNa(2.24g、12.8mmol)の懸濁液を、マイクロ波反応器を用い、160℃で1時間加熱した。次に、この反応混合物を、1M NaCO溶液(50mL)に注ぎ入れ、DCM(3×50mL)で抽出した。1つにまとめた有機相を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物をオフホワイト色の固体として得た(39.0mg、7.48%)。HRMS(ES)C1710ClFNの[M+H]に対する計算値:325.0656、測定値325.0642。HPLC:保持時間:4.76分、純度99.5%。
【0160】
生物学的試験
SSAO酵素阻害剤の生物学的アッセイ
すべての一次アッセイは、精製された組換え発現ヒトSSAOを用いて室温で行った。酵素は、本質的にOhman et al.(Protein Expression and Purification 46 (2006) 321-331)に記載の通りに調製した。加えて、様々な組織から調製したSSAOまたは精製されたラット組換えSSAOを使用して二次アッセイおよび選択性アッセイを実施した。ベンジルアミンを基質として用いて、14C標識基質を用いてベンズアルデヒド生成を測定するか、または西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)共役反応における過酸化水素の産生を利用することによって、酵素活性を分析した。簡潔に説明すると、試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解して10mMの濃度とした。DMSO中の1:10の段階希釈物を作製し7点曲線を作成するか、またはDMSO中の1:3の段階希釈物を作製して11点曲線を作成することによって、用量応答測定値を分析した。化合物の効力に応じて最大濃度を調節し、その後の反応緩衝液中への希釈により、最終DMSO濃度を2%以下とした。
【0161】
過酸化水素の検出
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)共役反応では、10‐アセチル‐3,7‐ジヒドロキシフェノキサジンの過酸化水素酸化により、高蛍光化合物であるレゾルフィン(Zhout and Panchuk-Voloshina. Analytical Biochemistry 253 (1997) 169-174;Amplex(登録商標)Red過酸化水素/ペルオキシダーゼアッセイキット、Invitrogen A22188)が産生した。50mM リン酸ナトリウム、pH7.4中の酵素および化合物を、平底マイクロタイタープレート中に配置しておよそ15分間プレインキュベートした後、HRP、ベンジルアミン、およびAmplex試薬の混合物を添加することによって反応を開始した。標準的な手順を用いて決定したミカエリス定数に対応する濃度にベンジルアミン濃度を固定した。次に、544nmでの励起および590nmでの発光の読み取りにより、1〜2時間の間の複数の時間で蛍光強度を測定した。ヒトSSAOアッセイの場合、アッセイウェル中の試薬の最終濃度は、SSAO酵素 1ug/mL、ベンジルアミン 100uM、Amplex試薬 20uM、HRP 0.1U/mL、および様々な濃度の試験化合物であった。阻害剤を含まない対照(希釈DMSOのみ)と比較したシグナルの減少率(%)として阻害を測定した。SSAO酵素を含まない試料に由来するバックグラウンドシグナルを、すべてのデータポイントから減算した。データを4パラメータロジスティックモデルに適合させ、GraphPad Prism 4プログラムまたはXLfit 4プログラムを用いてIC50値を計算した。
【0162】
アルデヒドの検出
14C標識ベンジルアミンを用いて、且つ放射性ベンズアルデヒドを測定することによってSSAO活性をアッセイした。白色の96ウェルoptiplate(Packard)内で、20uLの希釈試験化合物を20uL SSAO酵素と共におよそ15分間、連続的に撹拌しながら室温でプレインキュベートした。希釈はすべて、PBSを用いて行った。[7‐14C]ベンジルアミン塩酸塩(CFA589、GE Healthcare)を含有する20uLのベンジルアミン基質溶液を添加することによって反応を開始した。プレートを上記のように1時間インキュベートし、その後、酸性化(10uLの1M HCl水溶液)によって反応を停止した。次に、90uLのMicro Scint‐E溶液(Perkin−Elmer)を各ウェルに添加し、プレートの混合を15分間継続した。直ちに相分離が発生し、Topcountシンチレーションカウンター(Perkin−Elmer)で活性を読み取った。最終反応ウェルにおいて、ヒト組換えSSAO濃度は、10ug/mLであった。感度を最適化する目的で、高い放射性生成物の画分を得るために、HRP共役アッセイと比較して基質濃度を低下させた。ヒトSSAOアッセイでは、ベンジルアミン濃度は、40uM(0.2uCi/mL)であった。上記の通りにデータ分析を行った。
【0163】
本発明の例示化合物はすべて、SSAOについて1nMから1200nMのIC50値を有していた(以下の表12参照)。
【0164】
【表25】
【0165】
HERGアッセイ
IonWorksパッチクランプ電気生理学法を用いて、ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(hERG)Kチャネルの阻害について、本発明の化合物を試験した。最大アッセイ濃度(11uM)からの3倍段階希釈物を用い、2回の試験について、8点濃度応答曲線を作成した。全長hERGチャネルを安定に発現するチャイニーズハムスター肺細胞株からの電気生理学的記録を行った。IonWorks Quattro装置を用いて、穿孔パッチクランプ構成(100ug/mL アンホテロシン(amphoterocin))において、室温で単一細胞イオン電流を測定した。内部溶液は、140mM KCl、1mM MgCl、1mM EGTA、および20mM HEPESを含み、pH7.3に緩衝された。外部溶液は、138mM NaCl、2.7mM KCl、0.9mM CaCl、0.5mM MgCl、8mM NaHPO、および1.5mM KHPOを含み、pH7.3に緩衝された。70mVの保持電位で30秒間細胞を固定し、次に細胞に1秒間の+40mVまでの電位ステップを与えた。この後、1秒間の30mVまでの過分極ステップを与えてhERGのテール電流を引き起こした。この一連の工程を、0.25Hzの周波数で5回繰り返した。5回目のパルスでのテールステップから電流を測定し、それらの電流を保持電流に対して参照した。化合物を6〜7分間インキュベートした後、同一のパルス手順を用いてhERGシグナルの2回目の測定を行った。各pIC50曲線フィッティングに対して、少なくとも17個の細胞が必要であった。対照化合物(キニジン)を用いた(以下の表13を参照のこと)。
【0166】
【表26】


本開示に係る態様は以下のものも含む。
<1>
以下から成る群より選択される化合物、およびその医薬的に許容可能な塩。
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
N,N‐ジエチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリミジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(2‐フルオロ‐4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
2‐(4,4‐ジフルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
4‐{5‐[3‐(5‐クロロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{4‐メチル‐5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}モルホリン;
4‐{5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐4‐メチルピリジン‐2‐イル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(オキサン‐4‐イル)ピリジン‐2‐アミン;
4‐{5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐イル}チオモルホリン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリジン;
2‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン;
5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エチル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
N‐シクロプロピル‐5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン‐2‐アミン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐N‐(プロパン‐2‐イル)ピリジン‐2‐アミン
5‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
5‐[3‐(5‐フルオロピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐[3‐(4‐メチルフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]‐2‐(ピロリジン‐1‐イル)ピリミジン;
4‐{4‐[3‐(5‐メチルピリジン‐2‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
2‐メチル‐5‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[2‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
4‐{3‐フルオロ‐4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}モルホリン;
5‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
N‐{4‐[3‐(6‐メチルピリジン‐3‐イル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]フェニル}オキサン‐4‐アミン;
5‐メチル‐2‐{2‐[4‐(ピロリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}ピリジン;
5‐{2‐[4‐(4‐フルオロピペリジン‐1‐イル)フェニル]‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐3‐イル}‐2‐メチルピリジン;
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐クロロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン
2‐クロロ‐5‐[3‐(4‐フルオロフェニル)‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン‐2‐イル]ピリジン。
<2>
<1>に記載の化合物を、1種または複数種の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と共に含む医薬組成物。
<3>
炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害に用いるための<1>に記載の化合物。
<4>
炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害のための組成物の製造における、<1>に記載の化合物の使用。
<5>
炎症、炎症性疾患、免疫異常もしくは自己免疫異常の治療、または腫瘍増殖の阻害のための、そのような疾患に罹患している対象に<1>に記載の化合物を有効量投与することを含む方法。
<6>
前記炎症、または炎症性疾患、または免疫異常もしくは自己免疫異常が、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、血管炎、シェーグレン病、腸の炎症に伴う症状(クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、肺炎症性疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患(特発性肺線維症、心臓線維症、肝線維症、および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、および乾癬を含む)、眼の炎症性疾患(加齢性黄斑変性症、ぶどう膜炎、および糖尿病性網膜症を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/または自己免疫性の症状(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、硬化性胆管炎、および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病(I型またはII型)および/またはその合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(脳卒中および虚血再灌流障害を含む)、または心筋梗塞および/またはその合併症、またはてんかんである、<1>に記載の化合物、または<4>に記載の使用、または<5>に記載の方法。
<7>
関節リウマチ、骨関節炎、肝線維症、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、シェーグレン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、炎症性腸疾患、または血管性認知症から選択される疾患の治療のための、<1>に記載の化合物、または<4>に記載の使用、または<5>に記載の方法。