特許第6556850号(P6556850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556850ガスの多重供給方法及びガスの多重供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556850
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】ガスの多重供給方法及びガスの多重供給装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20190729BHJP
   G01F 1/76 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G05D7/06 B
   G01F1/76
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-535988(P2017-535988)
(86)(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公表番号】特表2018-508863(P2018-508863A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】KR2016001686
(87)【国際公開番号】WO2016137170
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0028508
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン,ジュン−ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ジュ−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】カン,チョル−グ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン−キ
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ジョン−キ
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−511905(JP,A)
【文献】 特開2012−103812(JP,A)
【文献】 特開2004−046631(JP,A)
【文献】 特開2007−206936(JP,A)
【文献】 特開2007−157169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/06
G01F 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のガスが供給されるメイン供給ラインから分岐された,前記ガスを供給する複数の分岐ラインにそれぞれ制御バルブ及び流量計を設置し,
前記流量計及び前記制御バルブにそれぞれ連結された制御器を介して前記ガスの供給量を調節して前記ガスを供給し,
前記制御器は,
前記制御バルブの完全開放状態として,該制御バルブの開度を100%未満の所定の第1開度として設定し,前記制御バルブの完全閉鎖状態として,該制御バルブの開度を0%よりも大きく,かつ,前記第1開度よりも小さい所定の第2開度として設定すると共に,
前記各分岐ラインの部分要求量に対する,前記流量計を介して測定された流量の割合が予め設定された範囲外である場合,前記制御バルブの開度を,第1開度調節単位を基準に調節する第1制御方式と,
各分岐ラインの前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値以上である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に減少し,前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値未満である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に増加する積分制御を行う第2制御方式と,
前記第2制御方式が予め設定された時間以上持続された状態において,前記流量計を介して測定された流量が予め設定された範囲内である場合,前記制御バルブの開度を固定する第3制御方式を有し,
前記制御バルブの前記第1開度調節単位は前記測定された流量と前記部分要求量の差に応じて増減するガスの多重供給方法。
【請求項2】
前記制御器は,前記制御バルブをそれぞれ完全開放状態に調整した後,前記流量計を介して測定された流量の総計である全体供給量を演算し,前記全体供給量が,前記部分要求量の総計である全体要求量よりも予め設定された数値以下である場合,前記メイン供給ラインに連結された一つ以上の補助供給ライン上に設置された前記ガスの流量を調節する流量調節計の開度を増加する請求項1記載のガスの多重供給方法。
【請求項3】
一つ以上のガスが供給されるメイン供給ラインと,
前記メイン供給ラインから分岐され,前記メイン供給ラインから供給された前記ガスを供給する複数の分岐ラインと,
前記分岐ライン上にそれぞれ設置される複数の制御バルブと,
前記分岐ライン上にそれぞれ設置されて前記制御バルブの後端に位置し,前記分岐ラインを介して供給される前記ガスの流量を測定する複数の流量計と,
前記流量計及び前記制御バルブにそれぞれ連結され,前記制御バルブを駆動する制御器と,を含み,
前記制御器は,
前記制御バルブの完全開放状態として,該制御バルブの開度を100%未満の所定の第1開度として設定し,前記制御バルブが完全閉鎖状態として,該制御バルブの開度を0%よりも大きく,かつ,前記第1開度よりも小さい所定の第2開度として設定すると共に,
前記各分岐ラインの部分要求量に対する,前記流量計を介して測定された流量の割合が予め設定された範囲外である場合,前記制御バルブの開度を,第1開度調節単位を基準に調節する第1制御方式と,
各分岐ラインの前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値以上である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に減少し,前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値未満である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に増加する積分制御を行う第2制御方式と,
前記第2制御方式が予め設定された時間以上持続された状態において,前記流量計を介して測定された流量が予め設定された範囲内である場合,前記制御バルブの開度を固定する第3制御方式を有し,
前記制御バルブの前記第1開度調節単位は前記測定された流量と前記部分要求量の差に応じて増減するガスの多重供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ガスの多重供給方法及びガスの多重供給装置に関するものであり,より詳しくは,制御バルブ及び流量計を利用して分岐ラインを介したガスの供給方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,半導体の製造に利用されるシリコンウェハが大型化する傾向にあり,そのため半導体製造装置においてもチャンバへの処理用ガスの供給を複数の分岐ラインを介して行うと共に,各分岐ライン間のガス流量比を比較的に細密に制御することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は,分岐ラインを介して供給されるガスを正確に制御し得るガスの多重供給方法及びガスの多重供給装置を提供することにある。
【0004】
本発明の他の目的は,下記発明の詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると,ガスの多重供給方法は,一つ以上のガスが供給されるメイン供給ラインから分岐された,前記ガスを供給する複数の分岐ラインにそれぞれ制御バルブ及び流量計を設置し,前記流量計及び前記制御バルブにそれぞれ連結された制御器を介して前記ガスの供給量を調節して前記ガスを供給し,前記制御器は,前記制御バルブの完全開放状態として,該制御バルブの開度を100%未満の所定の第1開度として設定し,前記制御バルブが完全閉鎖状態として,該制御バルブの開度を0%よりも大きく,かつ,前記第1開度よりも小さい所定の第2開度として設定すると共に,前記各分岐ラインの部分要求量に対する,前記流量計を介して測定された流量の割合が予め設定された範囲外である場合,前記制御バルブの開度を,第1開度調節単位を基準に調節する第1制御方式と,各分岐ラインの前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値以上である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に減少し,前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値未満である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に増加する積分制御を行う第2制御方式と,前記第2制御方式が予め設定された時間以上持続された状態において,前記流量計を介して測定された流量が予め設定された範囲内である場合,前記制御バルブの開度を固定する第3制御方式を有し,前記制御バルブの前記第1開度調節単位は前記測定された流量と前記部分要求量の差に応じて増減する。
【0010】
前記制御器は,前記制御バルブをそれぞれ完全開放状態に調整した後,前記流量計を介して測定された流量の総計である全体供給量を演算し,前記全体供給量が,前記部分要求量の総計である全体要求量よりも予め設定された数値以下である場合,前記メイン供給ラインに連結された一つ以上の補助供給ライン上に設置された前記ガスの流量を調節する流量調節計の開度を増加する。
【0011】
本発明の一実施形態によると,ガスの多重供給装置は,一つ以上のガスが供給されるメイン供給ラインと,前記メイン供給ラインから分岐され,前記メイン供給ラインから供給された前記ガスを供給する複数の分岐ラインと,前記分岐ライン上にそれぞれ設置される複数の制御バルブと,前記分岐ライン上にそれぞれ設置されて前記制御バルブの後端に位置し,前記分岐ラインを介して供給される前記ガスの流量を測定する複数の流量計と,前記流量計及び前記制御バルブにそれぞれ連結され,前記制御バルブを駆動する制御器と,を含み,前記制御器は,前記制御バルブの完全開放状態として,該制御バルブの開度を100%未満の所定の第1開度として設定し,前記制御バルブが完全閉鎖状態として,該制御バルブの開度を0%よりも大きく,かつ,前記第1開度よりも小さい所定の第2開度として設定すると共に,前記各分岐ラインの部分要求量に対する,前記流量計を介して測定された流量の割合が予め設定された範囲外である場合,前記制御バルブの開度を,第1開度調節単位を基準に調節する第1制御方式と,各分岐ラインの前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値以上である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に減少し,前記流量計を介して測定された流量が前記部分要求量よりも予め設定された数値未満である場合,前記制御バルブの開度を第2開度調節単位を基準に増加する積分制御を行う第2制御方式と,前記第2制御方式が予め設定された時間以上持続された状態において,前記流量計を介して測定された流量が予め設定された範囲内である場合,前記制御バルブの開度を固定する第3制御方式を有し,前記制御バルブの前記第1開度調節単位は前記測定された流量と前記部分要求量の差に応じて増減する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によると,分岐ラインを介して供給されるガスを正確に制御することができる。また,別途の分配器(FRC)なしに流量計と制御バルブを介してガス流量率を正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態によるガスの多重供給装置を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるガスの多重供給装置を概略的に示す図である。
図3図2に示す制御器の初期制御方式を示すフローチャートである。
図4図2に示す制御器の第1制御方式を示すフローチャートである。
図5図2に示す制御器の第1制御方式を示すフローチャートである。
図6図2に示す制御器の第2制御方式を示すフローチャートである。
図7図2に示す制御器の第3制御方式を示すフローチャートである。
図8図1に示すガスの多重供給装置を介して各分岐ラインの流量を制御する過程を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,本発明の好ましい実施形態を添付した図1図8を参照して,より詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形されてもよく,本発明の範囲が後述する実施形態に限定されると解釈してはならない。本実施形態は,当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明を,より詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示す各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0015】
図1及び図2は,本発明の一実施形態によるガスの多重供給装置を概略的に示す図である。図1に示すように,ガスの多重供給装置は,メイン供給ラインMと分岐ライン1,2・・・nを含む。メイン供給ラインMの前端は複数の補助供給ラインに連結され,メイン供給ラインMの後端は複数の分岐ライン1,2・・・n…に連結される。それぞれの補助供給ラインは互いに異なるガスが流れ,各補助供給ラインを介してメイン供給ラインMに供給されたガスは,ミキサ内で十分に混合された後,各分岐ライン1,2・・・nに供給される。MFC(流量調節計)が各補助供給ラインに設置され,各補助供給ラインを介してミキサに供給されるガスの流量を調節する。
【0016】
分岐ライン1,2・・・nはメイン供給ラインMから分岐され,図1に示すようにn個の分岐ラインで形成される。上述したように,ミキサを介して混合されたガスは分岐ライン1,2・・・nに流入され,分岐ライン1,2・・・nを介して所望の位置に供給される。
【0017】
各分岐ライン上には制御バルブと流量計(例えば,MFM;mass flow meter)が設置され,制御バルブ及び流量計は制御器にそれぞれ連結される。流量計は各分岐ラインを介して排出される(または供給される)ガスの流量を測定し,測定値は制御器に伝達される。制御器は流量計から伝達された測定値に応じて制御バルブの開度を調節し,これを介して各分岐ラインを介して排出されるガスの流量を調節する。制御器はPLC制御器であって,PID方式で制御バルブを制御することができる。
【0018】
従来,メイン供給ラインを介して供給されるガスは分配器(FRC)を介して分岐ラインに分配されていたが,分配器は4チャンネルしか持たないため,5チャンネル以上の分岐ラインに使用することはできない限界がある。しかし,前記制御バルブ−流量計方式は,制御器を介して全てのチャンネルを統合して分配(FRC)機能を具現することができる。以下,図3乃至図7を介して説明する。
【0019】
図3は,図2に示す制御器の初期制御方式を示すフローチャートである。まず,図3に示すように,制御バルブを駆動して各分岐ライン(またはチャネル)を初期位置に開放(例えば,完全開放)した後,制御バルブの後端に位置する流量計を介して測定された分岐ラインの流量を合算して,全体供給量を演算する。次に,各分岐ライン1,2・・・nを介して供給すべき部分要求量の総計である全体要求量を演算し,全体供給量と全体要求量を比べて全体供給量が全体要求量よりも予め設定された数値以下である場合,MFC(流量調節計)の開度を増加させ全体供給量を増加することで,全体供給量と全体要求量を近似の水準に調節する。
【0020】
例えば,予め設定された数値が0.001%である場合,すなわち,全体供給量が全体要求量よりも小さく,その差(全体要求量−全体供給量)が全体要求量の0.001%以上である場合,MFC(流量調節計)の開度を増加し,補助供給ラインを介してメイン供給ラインMに供給されるガスの全体流量を増加させて,上述した全体供給量と全体要求量を近似の水準に調節する。
【0021】
図4及び図5は,図2に示す制御器の第1制御方式を示すフローチャートである。上述したように全体供給量が全体要求量よりも予め設定された数値超過すれば,図4及び図5に示す第1制御方式が適用される。まず,制御バルブが完全に開放されている場合,制御バルブの開度を50%に設定し,制御バルブが完全に閉鎖されている場合,制御バルブの開度を3%に設定する。この際の,50%と3%は例示的な数値であるため必要に応じて他の数値が適用されてもよく,完全開放されている際の設定開度(例えば,50%)は完全閉鎖されている際の制御バルブの設定開度(例えば,3%)より大きくすることができる。
【0022】
次に,制御バルブが完全開放でもなく完全閉鎖でもない状態にある場合,制御器は各分岐ライン別に部分要求量に対する測定された流量の割合に応じて制御バルブを制御する。詳しくは,部分要求量は各分岐ラインを介して供給されるべきガスの流量を意味し,測定された流量は各分岐ラインに設置された流量計を介して感知された流量であって,実際に各分岐ラインから排出される流量を意味する。制御器は,前記割合が予め設定された割合(例えば,99.5%超過100.5%以下)以外である場合,制御バルブの開度を調節して測定された流量を部分要求量に近似の水準に調整し,開度調節単位は前記割合が低いほど(または測定された流量と部分要求量の差が大きいほど)大きい数値である。これによって,測定された流量(または排出される流量)を部分要求量に近似の水準に調整するのに要する時間を最小化することができる。
【0023】
例えば,図5に示すように,前記割合が50%以下であれば制御バルブの開度を1%単位を基準に調節し,前記割合が50%を超過し80%以下である場合,制御バルブの開度を0.1%単位を基準に調節し,前記割合が80%を超過し95%以下である場合,制御バルブの開度を0.03%単位を基準に調節し,前記割合が95%を超過し99.5%以下である場合,制御バルブの開度を,0.006%単位を基準に調節する。この際,開度調節単位の最大値(例えば,1%)は制御バルブが完全閉鎖されている際の制御バルブの設定開度(例えば,3%)よりも小さい。このような過程を経て,前記割合が予め設定された範囲(例えば,99.5%超過100.5%以下)以内である場合,後述する第2制御方式が適用される。
【0024】
図6は,図2に示す制御器の第2制御方式を示すフローチャートである。上述した第1制御方式が割合を基準に制御する比例制御(proportional control)に当たるとしたら,第2制御方式は偏差を基準に制御する積分制御(integral control)に当たる。
【0025】
各分岐ラインを基準に,排出される流量が部分要求量よりも予め設定された数値(例えば,1.5sccm)以上であれば,制御バルブの開度を0.003%単位を基準に減少して排出される流量を減少し,排出される流量が部分要求量よりも予め設定された数値(例えば,1.5sccm)未満であれば,制御バルブの開度を0.003%単位を基準に増加して排出される流量を増加する。このような過程を一定時間(例えば,5分)の間持続して制御が安定化状態に入れば,各分岐ラインを介して排出される流量が安定的に維持される。つまり,制御バルブの開度を0.003%単位を基準に増減する前記過程が5分以上持続されれば,後述する第3制御方式が適用される。
【0026】
図7は,図2に示す制御器の第3制御方式を示すフローチャートである。まず,各分岐ラインに対して測定された流量が予め設定された範囲内である場合,(つまり,排出される流量が安定化されて変動幅が大きくなければ),制御バルブの開度を固定する。また,各分岐ラインに対して測定された流量の総計である全体供給量が予め設定された範囲内である場合,(つまり,全体供給量が安定化されて変動幅が大きくない場合),制御バルブの開度を固定する。しかし,測定された流量が予め設定された範囲外である場合,又は全体供給量が予め設定された範囲外である場合,上述した第2制御方式が適用される。
【0027】
図8は,図1に示すガスの多重供給装置を介して各分岐ラインの流量を制御する過程を示すグラフである。図8を見ると,15チャンネル(ch)(または分岐ライン)が最初に同じ量だけ(または完全)開放され,一定時間が経過しガスの供給が安定化されれば,各分岐ライン内に同じ流量が測定される(15ch同一制御)。
【0028】
次に,上述したように,全体供給量と全体要求量を比べて全体供給量が全体要求量よりも所定の数値以下である場合,,補助供給ラインに設置されたMFC(流量調節計)の開度を増加して全体供給量を増加する。つまり,MFMを介して測定した流量の総計である全体供給量が増加する区間が現れる。
【0029】
次に,制御器は部分要求量に応じて各分岐ライン(またはチャンネル)に設置された制御バルブを駆動し,各制御バルブの開度を調節する。上述したように,第1乃至第3制御方式が適用される過程において,流量が増加または減少する傾斜区間が現れ,次に,制御安定化状態に入れば,各分岐ラインを介して排出される流量が安定的に維持される安定化区間が現れる。つまり,図8は同じ流量が測定される区間,全体供給量が増加する区間,傾斜区間及び安定化区間を順番に示している。
【0030】
詳しくは,図8に示すように,全体供給量は20,000sccmから20,700sccmに増加したことが分かり,チャンネル2は200,チャンネル5は50,チャンネル7は50,チャンネル10は100,チャンネル13は300増加して,全体700sccmが増加したことが分かる。
【0031】
つまり,上述したところによると,別途の分配器(FRC)なしに,制御バルブと流量計を介して分配器と同じ機能を行うことができ,全体流量が増減する場合でも十分に制御が可能な長所がある。
【0032】
本発明を好ましい実施形態を介して詳細に説明したが,これらとは異なる実施形態ないし実施例も可能である。よって,後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0033】
M:メイン供給ライン
1,2,・・・n:分岐ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8