(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556872
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】マイクロ波エネルギー伝送のためのマイクロ波集積回路(MMIC)ダマシン電気インターコネクト
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20190729BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
H01L21/90 B
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-563537(P2017-563537)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公表番号】特表2018-518842(P2018-518842A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】US2016034937
(87)【国際公開番号】WO2016200638
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2017年12月7日
(31)【優先権主張番号】14/733,465
(32)【優先日】2015年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ラロチェ,ジェフリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ベッテンコート,ジョン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カジオル,トーマス イー.
(72)【発明者】
【氏名】イプ,ケリー ピー.
【審査官】
佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−103602(JP,A)
【文献】
特開2004−311865(JP,A)
【文献】
特開平10−242599(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0094480(US,A1)
【文献】
特開2009−200256(JP,A)
【文献】
特開2002−016139(JP,A)
【文献】
特開2004−235548(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0207558(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/200646(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波伝送線路構造であって、
基板と、
前記基板の第1の部分の上に配置された半導体層であり、第1の電気デバイスが中に形成された半導体層と、
前記基板の第2の部分の上に配置された第2の電気デバイスであり、該第2の部分は、前記基板の前記第1の部分から横にずらされている、第2の電気デバイスと、
前記基板の前記第1の部分及び前記第2の部分の上に配置された誘電体構造であり、当該誘電体構造は、前記基板の前記第1の部分の上に配置された第1の部分及び前記基板の前記第2の部分の上に配置された第2の部分を有し、当該誘電体構造は、その上面に開放端トレンチを有する、誘電体構造と、
前記誘電体構造の前記上面に形成された前記トレンチ内に配置されたストリップ導体であり、横方向に前記基板の前記第1の部分及び前記第2の部分にわたって延在するストリップ導体と、
を有し、
前記ストリップ導体は、前記トレンチ内に上下に配置された複数の積層されたメタル層を有し、且つ
前記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有し、
前記ストリップ導体は、前記誘電体構造の前記第1の部分を縦方向に通り抜ける第1の導電ビアを介して前記第2の電気デバイスに電気的に接続された第1の底部と、前記誘電体構造の前記第2の部分を縦方向に通り抜ける第2の導電ビアを介して前記第1の電気デバイスに電気的に接続された、前記第1の底部から横にずらされた第2の底部とを有し、
前記ストリップ導体は、横方向に前記誘電体構造の前記第1の部分と前記第2の部分とにわたって、前記第1の電気デバイスと前記第2の電気デバイスとの間でマイクロ波エネルギーの一部を搬送し、
前記第1の電気デバイスは能動トランジスタデバイスであり、前記第2の電気デバイスは受動電気デバイスである、
マイクロ波伝送線路構造。
【請求項2】
前記メタル層は銅である、請求項1に記載のマイクロ波伝送線路構造。
【請求項3】
前記導電バリアメタル層は、Ta、TaN、TiN、又はこれらの組み合わせである、請求項2に記載のマイクロ波伝送線路構造。
【請求項4】
前記複数の積層された金属層の各々が、およそ1ミクロンの厚さを有し、前記導電バリアメタル層の各々が、0.005−0.3ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載のマイクロ波伝送線路構造。
【請求項5】
当該マイクロ波伝送線路構造は、前記誘電体構造の第3の部分によって前記ストリップ導体から縦方向に離隔されたグランドプレーン導体を含み、前記誘電体構造の前記第3の部分は、横方向に前記誘電体構造の前記第1の部分と前記誘電体構造の前記第2の部分との間に配置され、前記グランドプレーン導体、前記誘電体構造の前記第3の部分、及び前記ストリップ導体が、前記第1の電気デバイスと前記第2の電気デバイスとの間でマイクロ波エネルギーを結合するマイクロストリップ伝送線路を提供する、請求項1に記載のマイクロ波伝送線路構造。
【請求項6】
前記複数の積層された金属層の各々が、1ミクロン程度の厚さを有し、前記導電バリアメタル層の各々が、0.005−0.3ミクロンの厚さを有する、請求項5に記載のマイクロ波伝送線路構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して、モノリシックマイクロ波集積回路に関し、より具体的には、そのような回路で使用される高出力マイクロ波伝送線路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
過去10年間で、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)が、パワーエレクトロニクス用途及び高出力・高周波(一般に、無線周波数(RF)として参照される)用途での使用のために急速に発展してきている。高出力・高周波用途において、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)は、SバンドからWバンド以上の範囲の周波数で、優れた特性を持つ電力増幅器(パワーアンプ;PA)及び低雑音増幅器(LNA)を実証している。一般に、GaN PAは、≧5倍のパワー密度で、そしてしばしば非常に大きい出力表面(ペリフェリ)で、GaAs PAと同等の利得及び効率を示す。この電力密度とペリフェリとの組み合わせは、ひいては、非常に大きい総出力電力を持つMMICにつながる。
【0003】
高い電力密度及び総出力電力は、材料、デバイス、オンチップインターコネクト、及びモジュールのレベルで解決されなければならなかった信頼性の難題(電気的及び熱的)を突き付けてきた。化合物半導体ファウンドリは、これらの課題に大いに首尾よく対処することに過去10年間を費やしてきた。オンチップインターコネクト(メタル配線)の場合、例えば、要求の厳しい連続波(CW)用途及びパルス高出力RF用途のために、エレクトロマイグレーション耐性のある金(Au)ベースの伝送線路製造プロセスが開発されなければならなかった。
【0004】
しかしながら、GaNデバイス技術が成熟し、商業市場及び防衛市場へと拡大するにつれて、コスト低減努力がますます重要になるであろう。そのためには、高歩留まりのサブトラクティブ(減法)プロセス、大口径ウエハ、及び(ムーアの法則に基づく)急速な開発の文化を持つシリコン(Si)ファウンドリでGaNデバイスを製造することが、テクノロジーの自然な進化の道である。しかしながら、金(Au)ベースの配線スキームは、Auの高コストと、Si CMOS系プロセスにおいてAuは基本的に汚染物質であることと、の双方に起因して、シリコンファウンドリと相性が良くない。Auの代わりに、先進シリコンファウンドリは銅(Cu)インターコネクト技術を使用している。結果として、高出力RF MMICの銅(Cu)インターコネクトにおけるエレクトロマイグレーション起因の障害を防止するために、新たなアプローチが必要とされることになる。
【0005】
技術的に知られているように、銅ベースのデジタル集積回路チップは、銅(Cu)がアルミニウム(Al)よりも良好な導電体であるために、典型的に銅インターコネクトを使用している。しかしながら、派生的な利益は、Cuはエレクトロマイグレーションに対していっそう耐性があることである。エレクトロマイグレーションは、金属導体がそれを流れる電流の影響下で形状を変えてしまう(そして、最終的に導電体の破断につながる)プロセスであるが、銅では、アルミニウム(シリコンファウンダリで典型的に利用可能な他のメタルの選択肢)でよりも、有意に良好である。このエレクトロマイグレーション耐性における改善は、アルミニウムと比較して、より大きい電流が所与のサイズの銅導体を流れることを可能にする。しかしながら、揮発性の銅化合物の欠如が、インターコネクト用のCuメタルラインのプラズマドライエッチングを抑えてしまうため、銅はアルミニウムとは異なるパターニング方法を必要とする。故に、銅のパターニングは、ホスト材料内に金属をはめ込む伝統技術を例えて“ダマシン”プロセス又は“デュアルダマシン”プロセスと呼ばれることがあるアディティブ(加法)パターニングプロセスを用いて行われている(米国特許第6,342,733号(特許文献1)、米国特許第7,259,090号(特許文献2)及び米国特許出願公開第2014/0183739号(特許文献3)を参照)。よりいっそう具体的には、このプロセスにおいては、銅のためのホスト絶縁体材料(典型的には、下に位置する絶縁層)が、銅が形成されることになる開いたトレンチを有するようにパターニングされる。トレンチをかなり過充填する銅の厚いコーティングが絶縁層上に堆積され、そして、化学機械平坦化(CMP)を用いて、絶縁層の頂面より上に延在している余分な銅が除去される。絶縁層のトレンチ内に沈められている銅は除去されずに、パターニングされた導電インターコネクトとなる。
【0006】
ダマシンプロセスは、一般に、メタルインターコネクト(水平トレンチ又は垂直ビアとして配設され得る)のダマシンレベル(又はステージ)あたり単一のフィーチャを銅で形成及び充填する。バックエンドオブライン(BEOL)回路製造のシングルダマシン例では、これは、窒化シリコン(SiNx)エッチストップ(メタルインターコネクトのトレンチ深さを制限するため)と酸化シリコン(その中にトレンチが形成されるSiOx)とを有するベース誘電体スタックを用い、続いて、トレンチ内への拡散バリア及び銅の堆積とCu CMP(上で概説)を行うことで進められる。なお、SiNx層及びSiOx層は、x>0である組成を有する。そして、このプロセスが繰り返されることで、多階層のインターコネクト形成が支援される。
【0007】
デュアルダマシンプロセスは、一般に、一度に2つのフィーチャを銅で形成及び充填し、例えば、電気インターコネクト構造のビアレベル(又はステージ)とその上にあるトレンチとの双方が、デュアルダマシンを用いて、単一の銅堆積で充填され得る。従って、デュアルダマシンプロセスによるインターコネクトでは、電気インターコネクト構造のレベル又はステージとビアレベル又はステージとが、一度の銅充填で形成される。周囲材料への銅の拡散はそれらの特性を劣化させることになるので、バリアメタル層が全ての銅インターコネクトを完全に取り囲まなければならない。その名前が示すように、バリアメタルは、銅の導電体を下の絶縁材料から化学的にアイソレートするために銅の拡散係数を十分に制限しなければならないが、良好な電子的接触を維持するために高い導電率を有しなければならない。バリア層はまた、Cuとその下に位置する誘電体層及びメタル層との間の接着層としても作用しなければならない。
【0008】
これまた技術的に知られているように、ダマシン処理を利用する銅メタライゼーションは、デジタル及びその他の比較的低電力の集積回路(IC)を製造する際の支配的なインターコネクト処理となっている。ダマシン処理はまた、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)のRFトランジスタ及び受動マッチング構造に関して、例えばマイクロ波伝送線路などの電気インターコネクトを有するRF電力増幅器回路の製造にも使用されている。1つのそのようなMMICダマシン電気インターコネクト構造の
図1に示す。ここでは、例えば、マイクロ波エネルギーが、入力マイクロ波伝送線路(ここでは、誘電体構造によってグランドプレーン導体から分離されたストリップ導体を有するストリップ伝送線路)を通じて、増幅器GaN FETのゲート電極(G)に、キャパシタ(ここでは、例えば金属絶縁体金属(MIM)キャパシタ)を介して送られる。FETは、図示のように、接地されたソース電極(S)と、出力マイクロ波伝送線路(ここでは、誘電体構造によってグランドプレーン導体から分離されたストリップ導体を有するストリップ伝送線路)に結合されたドレイン電極(D)とを有する。以下の段落にて、シングルダマシンCu BEOL形成を採用する一般化したMMICの形成を概説する。
【0009】
コアトランジスタのゲート(G)、ソース(S)及びドレイン(D)の形成後、トランジスタはダマシンベースの誘電体スタック(先述のように、典型的には窒化シリコン(SiN
x)エッチストップ及び酸化シリコン(SiO
x))で覆われ、集積回路(IC)のバックエンドオブライン(BEOL)形成が進められる。第1メタルレベルM1への電気接続を提供する第1ビアレベル(V0)が、ベース誘電体スタック内に形成される。次に、別のベース誘電体スタックが堆積され、グランドプレーン導体、キャパシタのボトムプレートを提供する第1メタルレベルM1を形成するのに使用される。次に、別のベース誘電体スタックが堆積され、キャパシタトップ及びビア1が形成され、そして同時にメタライゼーションされる。そして、これには、別のベース誘電体スタックの堆積及び第2メタル層M2の形成に続かれる。なお、V1は、キャパシタのトッププレートを提供し、入力マイクロ波伝送線路のストリップ導体とキャパシタのボトムプレートとの間の接続の一部を提供し、ゲート電極(G)とキャパシタのトッププレートとの間の接続の一部を提供し、且つ、ドレイン(D)電極と出力マイクロ波伝送線路のストリップ導体との間の接続の一部を提供する。このプロセスは、ビアV2を形成するためのオープンビアを有する次のベース誘電体層スタックを続ける。これは、次いで、第3メタル層M3を形成するために、別のベース誘電体スタック及びトレンチ形成及びメタル堆積に続かれる。なお、V2は、入力マイクロ波伝送線路のストリップ導体とキャパシタのボトムプレートとの間の接続の一部を提供し、ゲート電極(G)とキャパシタのトッププレートとの間の接続の一部を提供し、且つ、ドレイン(D)電極と出力マイクロ波伝送線路のストリップ導体との間の接続の一部を提供する。第3メタル層は、図示のように、ストリップ導体を提供する。
【0010】
なお、メタルレベルM2及びM3を用いて、例えば薄膜抵抗及びスパイラルインダクタなどの、他の受動素子(図示せず)が形成されてもよい。また、異なる回路トポロジー(例えば、ウエハボンディングによってSi CMOS回路と統合されたGaN MMICなど)は、ここに示されているよりも多数又は少数のメタルレベルを必要とし得る。最後に、最後のメタル堆積の後、典型的に、SiNx及びSiOxキャッピング層の堆積が行われ、それに続いて、パッケージング又はテストのための最終的なインターコネクト形成が行われる。
【0011】
本発明者が認識したことには、受動RF回路に上位レベルのメタルを使用する理由の1つは、典型的にそれらが、ダマシンプロセス中に形成される最も厚いメタル(例えば、3ミクロン厚)であるからである。これらの厚めのメタルを用いると、下位の薄めのメタルと比較して高い出力を扱えることに加えて、RF又はマイクロ波伝送線路損失が低くなることができる。例えば、RF電力増幅器ICでは、典型的に、幾つかのトランジスタのAC電力出力が、チップを出て行く前に単一の箇所に結合されることになる。この電力結合は、幾つかのマイクロ波伝送線路を結合することによって達成される。レベル(又はステージ)M3用のこの厚いメタルインターコネクト層又はレベル(マイクロ波伝送線路)は、ステージ又はレベルM3用のメタルの底部及び頂部でダマシンプロセスにて使用されるバリア層によって境界を定められた、典型的に3−7ミクロン厚の途切れのない銅である。利用可能な最も厚い途切れのないバルク導体のメタルインターコネクト層が最も多い電力を扱うことの1つの理由は、高出力マイクロ波伝送線路障害の可能性を低減するからである。
【0012】
これまた技術的に知られているように、フォトリソグラフィで形成されるMMIC導体の1つのタイプが、1997年7月8日に発行された発明者Liles等の米国特許第5,646,450号(特許文献4)に記載されている。そこには、構造の表面上に配置された第1の電極及び第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に接続された架橋導体とを有する半導体構造が記載されている。架橋導体は、異なる金属の複数の層を含み、それら異なる金属の複数の層は、導電メタルの層に隣接した高融点金属の層を含む。その好適な一実施形態では、高融点金属はチタンであり、導電メタルは金である。そのような構成を用いることで、(マイクロ波エネルギーを伝搬するときのように)電気パルスサイクルが半導体構造の温度を変化させるときに、似ていない熱膨張係数によって金属内に誘起される機械的応力による再構成を防止するのに有効な半導体構造が提供される。
【0013】
本発明者が認識したことには、RFエネルギーの大部分はメタルインターコネクト層の表面近くを伝播するので(表皮効果として知られている)、これが、バルク銅の最大温度変動及びサイクルが発生してマイクロ波伝送線路障害の発生源になるところである。例えば、5GHz信号での表皮深さは、バルク銅でおよそ1ミクロンである。RFエネルギーの大部分は表面近くを伝播するので、これが、バルク銅の最大温度変動及びサイクルが発生してマイクロ波伝送線路障害の発生源となるところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6342733号明細書
【特許文献2】米国特許第7259090号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0183739号明細書
【特許文献4】米国特許第5646450号明細書
【発明の概要】
【0015】
より具体的には、本発明者が認識したことには、単一のストリップ導体を、高出力用途下でCuメタル配線のエレクトロマイグレーションを防止する特別に設計された多層スタックとして形成することができる。本開示に従って、本発明者は、薄い導電バリア層(典型的には、接着のため及びCu拡散を防止するために使用される)と、より厚いCu層(電流の搬送することに使用される)とを用いて、バリア層がまた(Cu拡散を防止することに加えて)Cuの再構成を防止するように作用するよう、積み重ねられるバリア及びCu層の構造を設計する。
【0016】
従って、本開示によれば、マイクロ波伝送線路構造が提供され、当該マイクロ波伝送線路構造は、誘電体構造と、該誘電体構造の上に配置されたストリップ導体とを有し、上記誘電体構造はその中に開放端トレンチを有する。上記ストリップ導体は上記トレンチ内に配置される。上記ストリップ導体は、上記トレンチ内に配置された複数の積層されたメタル層を有する。上記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する。
【0017】
一実施形態において、ストリップ導体内の各メタルスタックは、薄い導電バリア層(それ自体が複数の薄いメタル層であり得る)と、それに続く、より厚いCu層とを有する。
【0018】
一実施形態において、半導体構造が提供され、当該半導体構造は、能動デバイスを中に有する半導体層と、上記半導体層の上に配置された誘電体構造であり、開放端トレンチを中に有する誘電体構造と、上記トレンチ内に配置され且つ上記能動デバイスに電気的に接続された電気インターコネクトレベルと、上記トレンチ内に配置された複数の積層されたメタル層とを有し、上記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する。
【0019】
従って、
図1のMMICのレイヤM3用の最上部のメタルインターコネクトは、均一なダマシンカッパーの導電インターコネクト層として形成されるが、本開示の一実施形態によれば、ステージ又はレベルM3銅メタルインターコネクト用のこの上部ダマシンが、複数のダマシンインターコネクト層のスタックとして形成され、各ダマシンインターコネクト層が、その銅層内の銅のための一対のバリアシード層間に薄い銅層を有し、故に、
図1のステージ又はレベルM3用のこのダマシンメタルインターコネクト金属の温度疲労を抑制する。さらに、本発明者が認識したことには、このダマシンプロセスは、故に、MMIC(
図1)の底部ビア(ビア0)メタルインターコネクト層から、最後のCuメタルインターコネクトステージ又はレベル(M3)までの全体であることができ、また、バリアシード層を用いて金属の再構成を制御することができる。従って、本発明者が認識したことには、途切れのない銅のソリッドな(同材質の)厚いインターコネクトメタルステージ又はレベルM3を、複数の薄いスタックのバリア層及び銅層(該層の各々が下側のバリアメタル層を持つ)で置き換えることで、マイクロ波エネルギーを搬送するときのような極端な温度サイクル下での上部メタルインターコネクト層の電力取扱い能力が改善され得る。従って、本発明者が認識したことには、各ステージ又はレベルの単一のメタルインターコネクトを形成するために既に使用されているダマシンプロセスを、複数の個々のダマシンプロセスのシーケンスとして使用することで、各メタルインターコネクトを、より薄い複数のメタル層のスタックそれ自体として形成することができ、それにより、マイクロ波エネルギーを搬送するときのような極端な温度サイクル下での上部メタルインターコネクト層の電力取扱い能力が改善される。
【0020】
一実施形態において、トレンチ内でのバリアメタル及びCuの繰り返し積層堆積と、その後の、メタル堆積に続く単一のCMP工程とを通じて、同様の多層構造が単一段(ステップ)のトレンチ内に形成され得る。
【0021】
一実施形態において、上記メタル層は銅である。
【0022】
一実施形態において、上記バリアメタル層は、Ta、TaN、TiN、又はこれらの組み合わせである。
【0023】
一実施形態において、上記誘電体構造は窒化アルミニウムである。
【0024】
一実施形態において、電気インターコネクト構造が提供され、当該電気インターコネクト構造は、一対の縦方向に位置付けられ、横方向に配置された誘電体構造を有し、上記誘電体構造の各々がその中に複数の開放端トレンチを有し、上記誘電体構造のうちの少なくとも1つ内の上記トレンチの各々がその中に、上記誘電体構造のうちの下側の1つを通り抜けて、上記誘電体構造のうちの上記下側の1つ内のトレンチ内の電気インターコネクトレベルと相互接続する導電ビアの上部にて終端する下部を有する電気インターコネクトレベルを含み、上記誘電体構造のうちの少なくとも1つ内の上記電気インターコネクトレベルは、複数のメタル層を有し、該メタル層の各々がその側壁に、バリアメタルを有する。
【0025】
一実施形態において、構造体が提供され、当該構造体は、一対の縦方向に位置付けられた誘電体構造であり、当該誘電体構造のうちの上側の1つがその中に開放端トレンチを有し、上記一対の誘電体構造のうちの下側の1つがそれを通り抜ける導電ビアを有する、誘電体構造と、上記開放端トレンチ内に配置された電気インターコネクトであり、当該電気インターコネクトレベルは、上記導電ビアの上部にて終端する下部を有し、当該電気インターコネクトレベルは、複数のメタル層を有し、該メタル層の各々がその側壁に、バリアメタルを有する、電気インターコネクトとを有する。
【0026】
一実施形態において、半導体構造が提供され、当該半導体構造は、能動デバイスを中に有する半導体層と、上記半導体層の上に配置された誘電体構造であり、開放端トレンチを中に有する誘電体構造と、上記トレンチ内に配置され且つ上記能動デバイスに電気的に接続された電気インターコネクトレベルと、上記トレンチ内に配置された複数の積層されたメタル層とを有し、上記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する。
【0027】
一実施形態において、半導体構造が提供され、当該半導体構造は、能動デバイスを中に有する半導体層と、上記半導体層の異なる部分の上に形成された受動デバイスと、上記半導体層の上の、複数の、縦方向に位置付けられ、横方向に配置された誘電体構造であり、当該誘電体構造の各々がその中に複数の開放端トレンチを有し、当該誘電体構造のうちの少なくとも1つ内の上記トレンチの各々が、上記能動デバイス及び上記受動デバイスのうちの1つに電気的に接続された電気インターコネクトレベルを含み、上記誘電体構造のうちの上記少なくとも1つ内の上記電気インターコネクトレベルは、複数の積層されたメタル層を有し、該メタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する、誘電体構造とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術に従ったMMICチップの斜視断面図である。
【
図2】本開示に従ったMMICチップの斜視断面図である。
【
図3】
図2のMMICチップの拡大部分の斜視断面図である。
【
図3A】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3B】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3C】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3D】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3E】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3F】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3G】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3H】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3I】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3J】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3K】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図3L】
図3A−3Lは、製造の様々な段階における
図3のMMICチップの一部の断面図である。
【
図4A】
図4A及び4Bは、本開示の他の一実施形態に従った、製造の様々な段階における
図2AのMMICチップの一部の断面図であり、これらの処理段階が、
図3Eに示した段階の後に行われる。
【
図4B】
図4A及び4Bは、本開示の他の一実施形態に従った、製造の様々な段階における
図2AのMMICチップの一部の断面図であり、これらの処理段階が、
図3Eに示した段階の後に行われる。 様々な図中の似通った参照符号は同様の要素を指し示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで
図2を参照するに、ここでは例えばシリコンである基板12と、基板12上の表面上に形成された、ここではGaN FETである電界効果トランジスタ(FET)14とを有するMMICチップ10が示されている。ここでは、例えば、マイクロ波エネルギーが、入力マイクロ波伝送線路16(ここでは、(後述されるように)誘電体構造22によってグランドプレーン導体20から分離されたストリップ導体18を有するストリップ伝送線路)を通じて、増幅器GaN FETのゲート電極(G)に、キャパシタ24(ここでは、例えば金属絶縁体金属(MIM)キャパシタ)及びマイクロ波伝送線路17(ここでは、誘電体構造22によってグランドプレーン導体20から分離されたストリップ導体19を有するストリップ伝送線路)を介して送られる。FET14は、図示のように、接地されたソース電極(S)と、出力マイクロ波伝送線路26(ここでは、誘電体構造22によってグランドプレーン導体20から分離されたストリップ導体30を有するストリップ伝送線路)に結合されたドレイン電極(D)とを有する。なお、出力マイクロ波伝送26は、チップ10を出て行く前に、図示されない幾つかのFETの出力伝送線路上に生成される出力と単一の箇所にて結合され得る。
【0030】
誘電体構造22は、FET及びキャパシタ24並びに図示されない例えば薄膜抵抗及びスパイラルインダクタなどの他の受動素子及び能動素子を相互接続するマイクロ波伝送線路16、17、及び26を提供するメタルインターコネクト層M3の電流取扱い能力を高めるために、後述するように変更されたダマシンプロセスを用いて、後述されるメタル構造とともに形成される。
【0031】
より具体的には、ここでは例えば窒化シリコン(SiN
x)エッチストップ層及び酸化シリコン(SiO
x)(トレンチ形成)層である第1の誘電体30が、堆積され、そして、開いたトレンチ31を形成するように、従来からのフォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて処理される。トレンチ31は、図示のように、FET14のソース(S)、ドレイン(D)、及びゲート(G)電極に接続されるグランドプレーン導体20、キャパシタ24のボトムプレート32、及びビアV0(ここでは、例えば、0.4マイクロメートルから1.0マイクロメートルの範囲の厚さを持つ銅)を提供する第1メタルレベルM1(ここでは、例えば、0.7マイクロメートルの厚さを持つ銅)を形成する何らかのダマシンプロセスを用いて、トレンチ31の底及び側壁に形成された図示されない導電バリアメタル(例えば、Ta、TaN、TiN、又はこれらの組み合わせ)と、導電バリアメタル上の銅とを有する。次に、この構造の表面の上に、キャパシタ24用の誘電体層34が堆積される。
【0032】
このプロセスは、誘電体構造22の第1誘電体層22aの形成を続け、第1誘電体層22aは、キャパシタ24のトップメタルプレート36を形成するためにやはり誘電体層22aの一部を貫いてエッチングされる開いたトレンチ36(この中に後にCuが堆積される)を有する。開いたトレンチ36は、ビアV1を形成する何らかのダマシンプロセスを用いて、トレンチ36の底及び側壁に形成された図示されない導電バリアメタルと、該導電バリアメタル上の銅とを有する。ビア1エッチングは、キャパシタトッププレートエッチング36から離隔されている。なお、V1メタルは、入力マイクロ波伝送線路16のストリップ導体18とキャパシタ24のボトムプレート32との間の接続40の一部を提供し、キャパシタ24のトッププレート36とマイクロストリップ伝送線路17のストリップ導体19との間の接続42の一部を提供し、マイクロストリップ伝送線路17のストリップ導体19と電極(G)との間の接続48の一部を提供し、且つ、ドレイン(D)電極と出力マイクロ波伝送線路26のストリップ導体30との間の接続50の一部を提供する。
【0033】
このプロセスは、第2メタルレベルM2(ここでは、例えば、3マイクロメートルの厚さを持つ銅)を形成する何らかのダマシンプロセスを用いて、開いたトレンチを有する次の誘電体層22bを続ける。第2メタルレベルM2は、接続40、42、48、及び50の一部を提供する。
【0034】
本開示によれば、このプロセスは、
図3に更に詳細に示され且つ
図3A−3Lに関連して後述されるように続く。誘電体構造22の誘電体層22c内に、開いたトレンチ64が形成される。開いたトレンチ64は、ビアV2を形成する何らかのダマシンプロセスを用いて、導電バリアメタルBLa上の銅を有する。これに、ここでは銅である第3メタル層M3が続く。ここでは、V2は接続40、42、48、及び50の他の一部を提供すると言うだけで十分である。第3メタル層M3は、図示のように、ストリップ導体18、19、及び30を提供する。
【0035】
より具体的には、
図3も参照するに、酸化シリコン誘電体層22b、22c内に形成された第2メタル層M2及びビアV2と、第3メタル層M3とが、更に詳細に示されている。最初に言及しておくことには、第2メタル層M2及びビアV2は、1つのソリッドな(同材質の)銅の層のみを有するが(これはまた、第1メタルM1並びにビアV1及びV0にも当てはまる)、第3メタルM3は、複数(ここでは、例えば、3つ)の積層されたメタル層M3a、M3b、及びM3cの銅を含んでおり、これら3つの積層メタル層M3a、M3b、及びM3cの各々は、例えば1ミクロンの厚さを有する。図示のように、これらの底面及び側壁に、それぞれ、導電バリアメタル層BLa、BLb、BLc(ここでは、例えば、Ta、TaN、TiN、又はこれらの組合せ)があり、これらバリアメタル層は各々、0.005−0.3ミクロンの厚さを持つ。導電バリア層BLa、BLb、及びBLcは、例えば、スパッタリング及び/又は原子層堆積(ALD)によって堆積され得る。ここでは銅である導体メタル層M3a、M3b、及びM3cは、スパッタリング若しくはめっき、又はこれらの組み合わせによって堆積され得る。
【0036】
上述のように、メタル層M2及びビアV2は、酸化シリコン誘電体層の堆積に先立って窒化シリコンエッチストップ層が堆積される従来からのダマシンプロセスを用いて形成され、その結果、開いたトレンチを中に形成するのに使用されるエッチングプロセスは、窒化シリコンエッチストップ層で停止することになり、開いたトレンチを形成した後に、その上に導電バリアメタルが堆積される底及び側壁を有することになる。この構造は、次いで、その上に銅を堆積され、この銅の一部がトレンチ内に、そしてより具体的には、導電バリアメタル上まで入る。上面上の銅の部分が、典型的に化学機械処理(CMP)を用いて除去され、図示のようなM2及びV2が作り出される。
【0037】
従って、メタル層M2を形成した後、
図3Aをも参照するに、構造の表面を覆って、窒化シリコンエッチストップ層60が堆積される。次に、誘電体層構造22の誘電体層構造22cが形成され、ここではSiOxがエッチストップ層60の上に堆積される。ビアV2を形成すべき酸化物誘電体層22cの部分に、従来からのフォトリソグラフィー・エッチング処理を用いて、開いたトレンチ64(
図3A)がエッチングされる。
【0038】
次に、
図3Bをも参照するに、導電バリア層BLaを図示のように堆積される。次に、
図3Cに示すように、構造の表面を覆って銅65が堆積され、その後、構造の上面上の銅65及びBLaの部分を除去するようにCMPにかけられ、それにより、
図3Dに示すようなビアV2が作り出される。
【0039】
次に、
図3Eに示すように、構造の表面上にエッチストップ層66が堆積される。次に、誘電体構造22のSiO
x誘電体構造22d部分が形成される。後述するように、誘電体構造22の誘電体構造22d部分は、酸化シリコン誘電体層68、76、及び80と、窒化シリコンエッチストップ層69及び78とを含む。従って、ここではSiOxである誘電体層68が、SiNxエッチストップ層66の上に堆積される。層M3aを形成すべき誘電体層68の部分に、従来からのフォトリソグラフィー・エッチング処理を用いて、開いたトレンチ70(
図3E)がエッチングされる。なお、開いたトレンチ70は、
図3Aの開いたトレンチ64よりも幅広である。
【0040】
次に、
図3Fを参照するに、図示のように導電バリア層BLbが堆積される。次に、
図3Gに示すように、構造の表面を覆って銅72が堆積され、その後、構造の上面上の銅72及びBLbの部分を除去するようにCMPにかけられ、それにより、
図3Hに示すようなメタル層M3aが作り出される。
【0041】
次に、
図3Iに示すように、構造の表面を覆って、窒化シリコンエッチストップ層69が堆積される。次に、
図3Iに示すように、エッチストップ層69を覆って、ここではSiOxである誘電体層76が堆積される。
図3E−3Hに関連して上述したプロセスが繰り返されることで、
図3Jに示すような導電バリア層BLc及びメタル層M3bが形成される。
【0042】
次に、
図3Kに示すように、構造の表面を覆って、エッチストップ層78が堆積される。次に、
図3Kに示すように、エッチストップ層78を覆って、ここではSiOxである誘電体層80が堆積される。
図3E−3Hに関連して上述したプロセスが繰り返されることで、
図3Lに示すような導電バリア層BLd及びメタル層M3cが形成され、斯くして、
図3Lに示すメタル層M3の形成が完了する。
【0043】
従って、再び
図3を参照するに、ストリップ導体19は多段(マルチステップ)トレンチ21内に形成され、ここでは、トレンチ21は3段の側壁を有し、1つの段が、窒化シリコンエッチストップ層66及び酸化シリコン誘電体層68の中に形成され、第2の段が、窒化シリコンエッチストップ層69及び酸化シリコン誘電体層76の中に形成され、そして、第3の段が、窒化シリコンエッチストップ層78及び酸化シリコン誘電体層80の中に形成されている。
【0044】
次に
図4A−4Bを参照するに、ここでは、メタルインターコネクト層M3が、単一段(シングルステップ)トレンチ内に形成されている。より具体的には、
図3Eにて上述したようにエッチストップ層60及び導電バリア層Blaを用いてビアV2を形成した後に、
図4Aに示すように、酸化シリコン誘電体層68内に単一段のトレンチが形成される。次に、
図4Aに示すように、単一段トレンチ内に、複数のバリア層Blb、BLc、及びBldと、複数のメタル層M3a−M3cとが形成される。CMPを用いて上面を平坦化することで、
図4Bに示す構造が形成される。
【0045】
もはや理解されたはずのことには、本開示に従ったマイクロ波伝送線路構造は、誘電体構造と、上記誘電体構造の上に配置されたストリップ導体であり、上記誘電体構造がその中に開放端トレンチを有する、ストリップ導体とを含み、上記ストリップ導体は上記トレンチ内に配置され、上記ストリップ導体は、上記トレンチ内に配置された複数の積層されたメタル層を有し、且つ上記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する。当該マイクロ波伝送線路構造は、以下の特徴のうちの1つ以上を、個別で、又は他の特徴と組み合わせて含み得る:上記メタル層は銅であり、上記バリアメタル層は、Ta、TaN、TiN、又はこれらの組み合わせである。
【0046】
もはや理解されたはずのことには、本開示に従った電気インターコネクト構造は、一対の縦方向に位置付けられ、横方向に配置された誘電体構造を含み、上記誘電体構造の各々がその中に複数の開放端トレンチを有し、上記誘電体構造のうちの少なくとも1つ内の上記トレンチの各々がその中に、上記誘電体構造のうちの下側の1つを通り抜けて、上記誘電体構造のうちの上記下側の1つ内のトレンチ内の電気インターコネクトレベルと相互接続する導電ビアの上部にて終端する下部を有する電気インターコネクトレベルを含み、上記誘電体構造のうちの上記少なくとも1つ内の上記電気インターコネクトレベルは、複数のメタル層を有し、該メタル層の各々がその側壁に、バリアメタルを有する。他の例では、構造体は、一対の縦方向に位置付けられた誘電体構造であり、当該誘電体構造のうちの上側の1つがその中に開放端トレンチを有し、上記一対の誘電体構造のうちの下側の1つがそれを通り抜ける導電ビアを有する、誘電体構造と、上記開放端トレンチ内に配置された電気インターコネクトであり、当該電気インターコネクトレベルは、上記導電ビアの上部にて終端する下部を有し、当該電気インターコネクトレベルは、複数のメタル層を有し、該メタル層の各々がその側壁に、バリアメタルを有する、電気インターコネクトとを含む。
【0047】
これまたもはや理解されたはずのことには、本開示に従った半導体構造は、能動デバイスを中に有する半導体層と、上記半導体層の上に配置された誘電体構造であり、開放端トレンチを中に有する誘電体構造と、上記トレンチ内に配置され且つ上記能動デバイスに電気的に接続された電気インターコネクトレベルと、上記トレンチ内に配置された複数の積層されたメタル層とを含み、上記積層されたメタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する。当該半導体構造は、上記誘電体構造は窒化アルミニウムであるという特徴を含み得る。
【0048】
これまたもはや理解されたはずのことには、本開示に従った半導体構造は、能動デバイスを中に有する半導体層と、上記半導体層の異なる部分の上に形成された受動デバイスと、上記半導体層の上の、複数の、縦方向に位置付けられ、横方向に配置された誘電体構造であり、当該誘電体構造の各々がその中に複数の開放端トレンチを有し、当該誘電体構造のうちの少なくとも1つ内の上記トレンチの各々が、上記能動デバイス及び上記受動デバイスのうちの1つに電気的に接続された電気インターコネクトレベルを含み、上記誘電体構造のうちの上記少なくとも1つ内の上記電気インターコネクトレベルは、複数の積層されたメタル層を有し、該メタル層は、その底面及び側壁に配置された、導電バリアメタル層を有する、誘電体構造とを含む。当該半導体構造は、上記誘電体構造は窒化アルミニウムであるという特徴を含み得る。
【0049】
本開示の多数の実施形態を説明してきた。そうとはいえ、理解されるように、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更が為され得る。例えば、頂部メタル層は、2つ又は4つ以上のメタル層を含んでいてもよい。さらに、異なる回路トポロジー(例えば、ウエハボンディングによってSi CMOS回路と統合されたGaN MMICなど)は、ここに示されているよりも多数又は少数のメタルレベルを必要とし得る。さらに、最後のメタル堆積の後に、典型的に、最終的なSiNx及び酸化物のキャッピング層の堆積が行われ、それに続いて、パッケージング又はテストのための最終的なインターコネクト形成が行われる。また、SiOx又はSiNx以外の誘電体層(例えば、窒化アルミニウム)が用いられてもよい。最後に、
図1の一部として示したグランドプレーンは、別の構成であってもよい。例えば、グランドプレーンは、マイクロストリップ構成にて、ウエハの裏面に配置されて裏面ビアによって前面に接続されてもよいし、あるいは、グランドプレーンは、共平面導波路(CPW)構成にて、信号線路と同一面内にあってもよい。
【0050】
従って、その他の実施形態も以下の請求項の範囲内にある。