特許第6556909号(P6556909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556909
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】制御回路およびスイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20190729BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H02M3/155 X
   H02M3/155 U
   H05B37/02 J
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-91044(P2018-91044)
(22)【出願日】2018年5月10日
(62)【分割の表示】特願2014-91271(P2014-91271)の分割
【原出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2018-153092(P2018-153092A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中瀬 浩明
(72)【発明者】
【氏名】原 裕樹
【審査官】 石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−244602(JP,A)
【文献】 特開平05−176541(JP,A)
【文献】 特開2011−176911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される交流を整流して直流を出力する整流部と、
前記整流部により整流された直流を平滑する平滑部と、
スイッチング素子を有し、前記整流部と前記平滑部との間、および/または、前記平滑部の出力側に接続し、前記スイッチング素子をスイッチングさせるスイッチング電源部と、
を備えたスイッチング電源において、前記スイッチング素子のスイッチング制御に用いられる制御回路であって、
スイッチを有し、前記スイッチを介して前記スイッチング制御に必要な制御電力を前記整流部によって出力された直流から受電し前記スイッチング制御の動作を起動開始させる起動電源部と、
前記入力される前記交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点の電位と前記スイッチング電源の基準点の基準電位との差である第1検出点電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1検出点電圧に基づいて前記起動電源部の動作を制御する起動電源制御部と、
を備え、
前記スイッチング電源部がスイッチング動作するように制御される定常モードと、前記スイッチング電源部がスイッチング動作しないように制御され、かつ、前記起動電源部が前記スイッチング制御に必要な制御電力を受電して前記スイッチング電源部のスイッチング制御の動作を起動開始させる状態にする待機モードとを有し、
前記待機モードにおいて、前記起動電源制御部は、前記第1検出点電圧が所定の第1基準電圧未満の場合には前記スイッチをオンさせて前記制御電力を受電するよう前記起動電源部を制御し、前記第1検出点電圧が前記第1基準電圧以上の場合には前記スイッチをオフさせて前記制御電力を受電しないよう前記起動電源部を制御することを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記スイッチング電源部は、前記整流部と前記平滑部との間に接続し、第1スイッチング素子を有し、前記第1スイッチング素子のスイッチング動作により前記スイッチング電源の力率を改善する力率改善回路部であり、
前記第1検出点電圧を検出することにより前記力率改善回路部に入力される電圧を監視し、前記第1検出点電圧に基づいて前記第1スイッチング素子のスイッチングを制御する力率改善回路制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記スイッチング電源部は、前記平滑部の出力側に接続し、第2スイッチング素子を有し、前記第2スイッチング素子のスイッチング動作により前記力率改善回路部の出力電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路部であり、
前記第2スイッチング素子のスイッチングを制御する降圧チョッパ回路制御部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
入力される交流を整流して直流を出力する整流部と、
前記整流部により整流された直流を平滑する平滑部と、
スイッチング素子を有し、前記整流部と前記平滑部との間、および/または、前記平滑部の出力側に接続し、前記スイッチング素子をスイッチングさせるスイッチング電源部と、
前記スイッチング素子のスイッチング制御に用いられる制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
スイッチを有し、前記スイッチを介して前記スイッチング制御に必要な制御電力を前記整流部によって出力された直流から受電し前記スイッチング制御の動作を起動開始させる起動電源部と、
前記入力される前記交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点の電位と前記スイッチング電源の基準点の基準電位との差である第1検出点電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1検出点電圧に基づいて前記起動電源部の動作を制御する起動電源制御部と、
を備え、
前記スイッチング電源部がスイッチング動作するように制御される定常モードと、前記スイッチング電源部がスイッチング動作しないように制御され、かつ、前記起動電源部が前記スイッチング制御に必要な制御電力を受電して前記スイッチング電源部のスイッチング制御の動作を起動開始させる状態にする待機モードとを有し、
前記待機モードにおいて、前記起動電源制御部は、前記第1検出点電圧が所定の第1基準電圧未満の場合には前記スイッチをオンさせて前記制御電力を受電するよう前記起動電源部を制御し、前記第1検出点電圧が前記第1基準電圧以上の場合には前記スイッチをオフさせて前記制御電力を受電しないよう前記起動電源部を制御することを特徴とするスイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源用の制御回路およびスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
照明点灯装置等の電気機器に用いられるスイッチング電源の分野では、スイッチング電源装置の負荷が微少である待機モードでの低消費電力化に対する要求が高まっている。待機モードでの低消費電力化を図るためには、スイッチング電源を制御する制御回路および制御回路に供給する制御電源回路の低消費電力化が必要となる。制御電源回路の低消費電力化の技術としては、例えば、特許文献1に開示されている発明がある。
【0003】
特許文献1に開示されている発明においては、スイッチング電源の発振動作を制御するための第1の制御回路に制御電源Vccを供給する制御電源回路が設けられ、スイッチング電源の直流電源Vdcから半導体スイッチ素子を介して制御電源Vccが供給される。特許文献1に開示されている発明においては、半導体スイッチ素子は、負荷の起動モード、定常動作モード、負荷異常時の保護モードを含む動作状態を制御する動作モード制御回路5と連動して、各モードに応じた制御動作がなされる。
【0004】
特許文献1に開示されている発明によれば、制御電源回路での損失を低減できると共に、動作時の制御電源供給をランプ負荷の状態や起動時の不安定な過渡動作の影響を受けずに、安定に供給することができる。
【0005】
このような制御電源回路と制御回路を、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路とし、この半導体集積回路を所定のモジュールに搭載して構成すれば、スイッチング電源の設計が容易となり、また、照明点灯装置等の電気機器を小型化できる点で有利である。
【0006】
ところで、上記のような半導体集積回路を構成する場合、半導体集積回路内部で基準電圧(例えば、5V)や、スイッチング回路のスイッチング素子を駆動させるゲート駆動電圧(例えば、15V)を生成するために、安定的に制御電源を半導体集積回路内部に供給する必要がある。
【0007】
そのため、従来は、上述のように、スイッチング電源の直流電源Vdcから半導体スイッチ素子を介して制御電源Vccを供給するために、スイッチング電源の直流電源Vdcを直接ドロップさせる起動回路を制御回路に内蔵する等している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−243335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、スイッチング電源の直流電源Vdcは高電圧であり、また、上記起動回路は、いわゆるドロッパ回路で構成されるため、制御回路の動作中は常時、次式で表される電力Pが起動回路で消費されることとなる。
P=(Vdc−Vcc)×Icc・・・(1)
【0010】
ここで、Pは起動回路で消費される電力、Vdcは起動回路に入力される電圧、Vccは起動回路より出力される電圧、Iccは直流電源Vdcからドロッパ回路を介して制御回路に流れる電流を表す。
【0011】
(1)式において、例えば、Vdc=339V、Vcc=15V、Icc=3mAの場合には、P=0.97Wとなるが、このような電力消費は、電子機器等の待機時における電力削減の妨げになるといった課題があった。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、待機電力の削減を可能とするスイッチング電源用の制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0014】
入力される交流を整流して直流を出力する整流部と、整流部により整流された直流を平滑する平滑部と、を備えたスイッチング電源のスイッチング制御に用いられる制御回路であって、
スイッチを有し、スイッチを介してスイッチング制御に必要な制御電力を受電しスイッチング制御の動作を起動開始させる起動電源部と、
入力される交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点の電位とスイッチング電源の基準点の基準電位との差である第1検出点電圧、および、平滑部により平滑される第2検出点の電位と基準電位との差である第2検出点電圧、のうち少なくともいずれか一方または両方を検出する電圧検出部と、
第1検出点電圧、または、第1検出点電圧および第2検出点電圧、に基づいて起動電源部の動作を制御する起動電源制御部と、
を備えたことを特徴とする制御回路を提案している。
【0015】
起動電源制御部は、第1検出点電圧が所定の第1基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第1検出点電圧が第1基準電圧以上の場合にはスイッチをオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部を制御することを特徴とする制御回路を提案している。
【0016】
起動電源制御部は、第2検出点電圧が所定の第2基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第2検出点電圧が第2基準電圧以上であり且つ第1検出点電圧が第1基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第2検出点電圧が第2基準電圧以上であり且つ第1検出点電圧が第1基準電圧以上の場合にはスイッチをオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部を制御することを特徴とする制御回路を提案している。
【0017】
スイッチのオン時間は、入力される交流の電圧に対応させて第1基準電圧を設定することにより、所定時間に制御されることを特徴とする制御回路を提案している。
【0018】
第1基準電圧は、第2検出点電圧に対応して設定されることを特徴とする制御回路を提案している。
【0019】
第1基準電圧は、第2検出点電圧に正比例して設定されることを特徴とする制御回路を提案している。
【0020】
第1検出点は、整流部の入力側に設けられることを特徴とする制御回路を提案している。
【0021】
スイッチング電源は、第1スイッチング素子を有し、第1スイッチング素子のスイッチング動作によりスイッチング電源の力率を改善する力率改善回路部を備え、
第1検出点電圧を検出することにより力率改善回路部に入力される電圧を監視し、第1検出点電圧に基づいて第1スイッチング素子のスイッチングを制御する力率改善回路制御部を備えたことを特徴とする制御回路を提案している。
【0022】
力率改善回路制御部は、第2検出点電圧を検出することにより力率改善回路部の出力電圧を定電圧制御することを特徴とする制御回路を提案している。
【0023】
スイッチング電源は、第2スイッチング素子を有し、第2スイッチング素子のスイッチング動作により力率改善回路部の出力電圧を降圧して出力する降圧チョッパ回路部を備え、
第2スイッチング素子のスイッチングを制御する降圧チョッパ回路制御部を備えたことを特徴とする制御回路を提案している。
【0024】
降圧チョッパ回路制御部は、降圧チョッパ回路部の出力電流を検出することにより降圧チョッパ回路部の出力電流を定電流制御することを特徴とする制御回路を提案している。
【0025】
制御回路は、所定の半導体基板上に半導体集積回路として形成されたことを特徴とする制御回路を提案している。
【0026】
半導体集積回路は、第1検出点電圧を検出する第1検出点電圧端子を有する所定のモジュールに搭載され、
第1検出点電圧端子は、電圧検出部および力率改善回路制御部に接続され、第1検出点電圧端子を介して、電圧検出部が前記第1検出点電圧を検出し、且つ、力率改善回路制御部が力率改善回路部に入力される電圧を監視することを特徴とする制御回路を提案している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、起動電源部は、スイッチを介してスイッチング制御に必要な制御電力を受電しスイッチング制御の動作を起動開始させ、電圧検出部は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点の電位とスイッチング電源の基準点の基準電位との差である第1検出点電圧、および、平滑部により平滑される第2検出点の電位と基準電位との差である第2検出点電圧、のうち少なくともいずれか一方または両方を検出し、起動電源制御部は、第1検出点電圧、または、第1検出点電圧および第2検出点電圧、に基づいて起動電源部の動作を制御する。したがって、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0028】
本発明によれば、起動電源制御部は、第1検出点電圧が所定の第1基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第1検出点電圧が第1基準電圧以上の場合にはスイッチをオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部を制御する。したがって、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0029】
本発明によれば、起動電源制御部は、第2検出点電圧が所定の第2基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第2検出点電圧が第2基準電圧以上であり且つ第1検出点電圧が第1基準電圧未満の場合にはスイッチをオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部を制御し、第2検出点電圧が第2基準電圧以上であり且つ第1検出点電圧が第1基準電圧以上の場合にはスイッチをオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部を制御する。したがって、入力される交流の電圧が所定の電圧未満の条件においては、制御回路に制御電力を安定的に供給し、入力される交流の電圧が所定の電圧以上の条件において、待機電力の削減を図ることができる。
【0030】
本発明によれば、スイッチのオン時間は、入力される交流の電圧に対応させて第1基準電圧を設定することにより、所定時間に制御される。したがって、スイッチング電源に入力される交流の電圧が変動する場合であっても、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0031】
本発明によれば、第1基準電圧は、第2検出点電圧に対応して設定される。そのため、スイッチング電源に入力される交流の電圧が変動する場合に、交流の電圧の変動に対応して第2検出点電圧が変動し、第2検出点電圧の変動に対応して第1基準電圧が設定される。したがって、スイッチング電源に入力される交流の電圧が変動する場合であっても、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0032】
本発明によれば、第1基準電圧は、第2検出点電圧に正比例して設定される。そのため、スイッチング電源に入力される交流の電圧が変動する場合に、交流の電圧の変動に対応して第2検出点電圧が変動し、第2検出点電圧の変動に対応して正比例的に第1基準電圧が設定される。したがって、スイッチング電源に入力される交流の電圧が変動する場合であっても、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0033】
本発明によれば、第1検出点は、整流部の入力側に設けられる。したがって、スイッチング電源に入力される交流の電圧の情報を正確に検出でき、確実に、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0034】
本発明によれば、スイッチング電源は、第1スイッチング素子を有し、第1スイッチング素子のスイッチング動作によりスイッチング電源の力率を改善する力率改善回路部を備え、力率改善回路制御部は、第1検出点電圧を検出することにより力率改善回路部に入力される電圧を監視し、第1検出点電圧に基づいて第1スイッチング素子のスイッチングを制御する。したがって、力率改善回路部の入力電圧を検出する回路を別途設ける必要がなくなり、スイッチング電源の構成を簡素化することができる。また、制御回路を、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路とし、この半導体集積回路を所定のモジュールに搭載して構成する場合には、力率改善回路部の入力電圧を検出する端子を別途設ける必要がなくなり、制御回路およびスイッチング電源の構成を簡素化することができる。
【0035】
本発明によれば、力率改善回路制御部は、第2検出点電圧を検出することにより力率改善回路部の出力電圧を定電圧制御する。したがって、力率改善回路部の出力電圧を検出する回路を別途設ける必要がなくなり、スイッチング電源の構成を、簡素化することができる。また、制御回路を、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路とし、この半導体集積回路を所定のモジュールに搭載して構成する場合には、力率改善回路部の出力電圧を検出する端子を別途設ける必要がなくなり、制御回路およびスイッチング電源の構成を簡素化することができる。
【0036】
本発明によれば、スイッチング電源は、降圧チョッパ回路部を備え、降圧チョッパ回路部は、第2スイッチング素子のスイッチング動作により力率改善回路部の出力電圧を降圧して出力する。したがって、スイッチング電源を様々な用途の電源として構成することができる。
【0037】
本発明によれば、降圧チョッパ回路制御部は、降圧チョッパ回路部の出力電流を検出することにより降圧チョッパ回路部の出力電流を定電流制御して出力する。したがって、定電流制御が必要なLED照明等の負荷に適したスイッチング電源を構成することができる。
【0038】
本発明によれば、制御回路は、所定の半導体基板上に半導体集積回路として形成した構成としたため、制御回路およびスイッチング電源の構成を簡素化することができる。
【0039】
本発明によれば、半導体集積回路は、第1検出点電圧を検出する第1検出点電圧端子を有する所定のモジュールに搭載され、第1検出点電圧端子は、電圧検出部および力率改善回路制御部に接続され、第1検出点電圧端子を介して、電圧検出部が前記第1検出点電圧を検出し、且つ、力率改善回路制御部が力率改善回路部に入力される電圧を監視するよう構成したので、電圧検出部が第1検出点電圧を検出する端子と、力率改善回路制御部が力率改善回路部に入力される電圧を監視する端子とを、別個に設ける必要がなくなり、モジュールの端子数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の実施形態に係る制御回路を用いたスイッチング電源1の構成を示す回路図である。
図2】本発明の実施形態に係る制御回路30の構成を示すブロック回路図である。
図3図2中の起動電源部100の構成の一例を示すブロック回路図である。
図4図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部210の構成例を示すブロック回路図である。
図5図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部230の構成例を示すブロック回路図である。
図6図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部250の構成例を示すブロック回路図である。
図7図2中の起動電源制御部300の構成の一例を示すブロック回路図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、スイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2、スイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC100Vの条件における例)である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2、スイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における例)である。
図11】本発明の第3の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2、スイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC100Vおよび入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における例)である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せをする様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0042】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るスイッチング電源1の構成を示す回路図である。図2は、本発明の実施形態に係る制御回路30の構成を示すブロック回路図である。図3は、図2中の起動電源部100の構成の一例を示すブロック回路図である。図4は、図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部210の構成例を示すブロック回路図である。
【0043】
図7は、図2中の起動電源制御部300の構成の一例を示すブロック回路図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、スイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図である。
【0044】
本実施形態に係るスイッチング電源1は、整流部10と、平滑部20と、制御回路30と、力率改善回路部80と、降圧チョッパ回路部90と、を備えている。整流部10は、入力側に交流電源2が接続され、入力される交流を整流して直流を出力する。
【0045】
平滑部20は、整流部10の出力側に接続され、整流部10により整流された直流を平滑する。整流部10は、例えば、ダイオード11乃至14をブリッジ接続して構成されたブリッジダイオードを用い、平滑部20は、例えば、コンデンサ21を用いて構成される。
【0046】
また、スイッチング電源1は、例えば、マイコン5が制御回路30を介して接続され、マイコン5から制御回路30に出力される制御信号により、定常負荷で動作する定常モードと、微小負荷の待機モードと、に設定切替えが可能な構成となっている。
【0047】
なお、待機モードでは、力率改善回路部80および降圧チョッパ回路部90がスイッチング動作しないように制御される。定常モードでは、力率改善回路部80および降圧チョッパ回路部90がスイッチング動作するように制御される。
【0048】
力率改善回路部80は、スイッチング素子81等を有し、整流部10の出力側において、整流部10と平滑部20との間に接続して設けられ、スイッチング素子81をスイッチングさせることにより、整流部10が出力した電圧を昇圧して平滑部20に出力する。
【0049】
降圧チョッパ回路部90は、スイッチング素子91等を有し、力率改善回路部80の出力側において、平滑部20に接続して設けられ、スイッチング素子91をスイッチングさせることにより、平滑部20の電圧を降圧し、LED等の負荷70に電力を供給する。
【0050】
制御回路30は、力率改善回路部80および降圧チョッパ回路部90等を含むスイッチング電源1のスイッチング制御を行う。制御回路30は、図2に示すように、起動電源部100と、電圧検出部200と、起動電源制御部300と、停止回路400と、UVLO600と、力率改善回路制御部800と、降圧チョッパ回路制御部900と、を備えている。
【0051】
なお、制御回路30を所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として構成すると、制御回路30およびスイッチング電源1の構成を簡素化することができる点で好適である。
【0052】
この場合、半導体基板は、第1検出点電圧を検出する第1検出点電圧端子(図1および図2におけるMULTI端子に相当)を有する所定のモジュールに搭載され、第1検出点電圧端子は、電圧検出部200および力率改善回路制御部800に接続され、第1検出点電圧端子を介して、電圧検出部200が第1検出点電圧Vd1を検出し、且つ、力率改善回路制御部800が力率改善回路部80に入力される電圧を監視する構成とすると、端子数の少ないモジュールを構成することができるという点で好適である。
【0053】
起動電源部100は、制御回路30のVDC端子を介して、例えば、整流部10の出力側に位置するコンデンサ21の正極端21aおよび後述の抵抗106の一端に接続されている。
【0054】
また、起動電源部100は、制御回路30のVcc端子を介して、補助巻線電源95に接続されている。更に、起動電源部100は、電源起動制御部300に接続されており、起動電源部100の動作は、電源起動制御部300により制御される。起動電源部100は、例えば、電源起動制御部300が出力する信号S3および信号S4により制御される。
【0055】
起動電源部100は、例えば、図3に示すように、スイッチ101、低耐圧スイッチ102、低耐圧スイッチ103、抵抗104、抵抗105、抵抗106、ツェナダイオード107、ツェナダイオード108、ダイオード109、ダイオード110およびドロッパ回路120を組み合わせて構成することができる。
【0056】
スイッチ101は、ドレイン端、ソース端、ゲート端を有する。スイッチ101のドレイン端は、制御回路30のVDC端子を介して、例えば、整流部10の出力側に位置するコンデンサ21の正極端21aおよび抵抗106の一端に接続されている。
【0057】
スイッチ101のソース端は、抵抗104の一端に接続されている。スイッチ101のゲート端は、抵抗106の他端、ツェナダイオード107のカソード端およびダイオード109のアノード端に接続されている。スイッチ101は、例えば、コンデンサ21の端子間電圧が所定電圧以上になればオン状態となるが、低耐圧スイッチ102、103がオンしなければ、スイッチ101に電流は流れない構成としてある。
【0058】
低耐圧スイッチ102は、制御端を有するスイッチであり、制御端にLowレベルの信号S3が入力されるとオンし、制御端にHighレベルの信号S3が入力されるとオフする。低耐圧スイッチ102の制御端は、起動電源制御部300のNOTゲート301の出力端に接続されている。
【0059】
低耐圧スイッチ102の制御端以外の一端は、ツェナダイオード108のアノード端、ダイオード110のカソード端およびドロッパ回路120の入力端120aに接続されている。低耐圧スイッチ102の制御端以外の他端は、抵抗105の他端に接続されている。
【0060】
低耐圧スイッチ103は、制御端を有するスイッチであり、制御端にHighレベルの信号S4が入力されるとオンし、制御端にLowレベルの信号S4が入力されるとオフする。低耐圧スイッチ103の制御端は、起動電源制御部300の否定論理和ゲート303の出力端に接続されている。
【0061】
低耐圧スイッチ103の制御端以外の一端は、ダイオード110のアノード端および制御回路30のVcc端子に接続されている。低耐圧スイッチ103の制御端以外の他端は、抵抗104の他端および抵抗105の一端に接続されている。
【0062】
抵抗104の一端は、スイッチ101のソース端に接続されている。抵抗104の他端は、抵抗105の一端および低耐圧スイッチ103の制御端以外の他端に接続されている。
【0063】
抵抗105の一端は、抵抗104の他端および低耐圧スイッチ103の制御端以外の他端に接続されている。抵抗105の他端は、低耐圧スイッチ102の制御端以外の他端に接続されている。
【0064】
抵抗106の一端は、スイッチ101のドレイン端に接続され、制御回路30のVDC端子を介して、例えば、整流部10の出力側に位置するコンデンサ21の正極端21aに接続されている。抵抗106の他端は、スイッチ101のゲート端、ツェナダイオード107のカソード端およびダイオード109のアノード端に接続されている。
【0065】
ツェナダイオード107のカソード端は、スイッチ101のゲート端、抵抗106の他端およびダイオード109のアノード端に接続されている。ツェナダイオード107のアノード端は、制御回路30の図示しないGND端子(基準点50と同電位の点)に接続されている。
【0066】
ツェナダイオード108のカソード端は、ダイオード109のカソード端に接続されている。ツェナダイオード108のアノード端は、低耐圧スイッチ102の制御端以外の一端、ダイオード110のカソード端およびドロッパ回路120の入力端120aに接続されている。
【0067】
ダイオード109のカソード端は、ツェナダイオード108のカソード端に接続されている。ダイオード109のアノード端は、スイッチ101のゲート端、抵抗106の他端およびツェナダイオード107のカソード端に接続されている。
【0068】
ダイオード110のカソード端は、ツェナダイオード108のアノード端、低耐圧スイッチ102の制御端以外の一端およびドロッパ回路120の入力端120aに接続されている。ダイオード110のアノード端は、低耐圧スイッチ103の制御端以外の一端および制御回路30のVcc端子に接続されている。
【0069】
ドロッパ回路120は、入力される電圧を所定の電圧に降圧して出力するものである。ドロッパ回路120の入力端120aは、ダイオード110のカソード端、ツェナダイオード108のアノード端および低耐圧スイッチ102の制御端以外の一端に接続されている。ドロッパ回路120の出力端120bには、制御電源電圧Vst(例えば、5V)が生成されるようになっている。
【0070】
起動電源部100は、スイッチ101および低耐圧スイッチ102等を介してスイッチング制御に必要な制御電力を整流部10の出力側(例えば、コンデンサ21の正極端)から受電しスイッチング電源1のスイッチング制御の動作を起動開始させる。起動電源部100の動作は、電源起動制御部300により制御される。
【0071】
起動電源部100は、起動モード(入力電源2が投入された時のモード)および待機モードにおいては、制御電力を例えば整流部10の出力側から受電しスイッチング電源1のスイッチング制御の動作を起動開始させる。この場合、整流部10の出力側から制御回路30のVDC端子を介してスイッチ101、抵抗104、抵抗105、低耐圧スイッチ102およびドロッパ回路120に電流I102が流れる。
【0072】
なお、上述のように、図1では、制御回路30のVDC端子は、整流部10の出力側に位置するコンデンサ21の正極端21aに接続してあるが、整流部10の出力端である正極端10c等の制御電力を受電することができる点に接続する構成としてもよい。
【0073】
このように、電流I102が流れることにより、制御電力は制御回路30に供給され、制御電源電圧Vstが生成される。なお、起動モードおよび待機モードにおいては、例えば、低耐圧スイッチ102がオンオフ制御され、低耐圧スイッチ103がオフの状態に制御される。
【0074】
また、定常モードにおいては、例えば、補助巻線電源95からの電力供給で制御電力が制御回路30に供給され制御電源電圧Vstが生成される。また、定常モードにおいては、制御回路30のVcc端子にも電源電圧Vccが生成される。定常モードにおいて補助巻線電源95からの電力供給が不足する場合は、例えば、整流部10の出力側から制御回路30のVDC端子を介してスイッチ101、抵抗104、低耐圧スイッチ103、ダイオード110およびドロッパ回路120に電流I103を流すようにして、制御電力を制御回路30に供給し、制御電源電圧Vstが生成されるように構成してもよい。
【0075】
本実施の形態においては、スイッチング電源1の降圧チョッパ回路部90が補助巻線電源95を有する例を示しているが、補助巻線電源95に相当するものがない構成のスイッチング電源においては、定常モードでは常に、整流部10の出力側から制御回路30のVDC端子を介してスイッチ101、抵抗104、低耐圧スイッチ103、ダイオード110およびドロッパ回路120に電流I103を流すように構成してもよい。
【0076】
また、本実施の形態では、定常モードにおいては、例えば低耐圧スイッチ102はオフとなるように制御されるが、定常モードで低耐圧スイッチ102をオンまたはオンオフ制御するように構成してもよい。
【0077】
電圧検出部200は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点40の電位とスイッチング電源1の基準点50の基準電位との差である第1検出点電圧Vd1、および、平滑部20により平滑される第2検出点60の電位と基準電位との差である第2検出点電圧Vd2、のうち少なくともいずれか一方または両方を検出する。
【0078】
第1検出点40は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する位置として好適な整流部10の入力側に設けることが望ましい。例えば、整流部10の入力端10aおよび10bにそれぞれのアノードが接続され互いのカソードが接続される2つのダイオード41およびダイオード42を設け、ダイオード41およびダイオード42のカソードと基準点50との間に直列接続された抵抗43および抵抗44を設け、上記抵抗43および抵抗44の接続点を第1検出点40とする。
【0079】
上記のように、第1検出点40を整流部10の入力側に設けると、第1検出点電圧Vd1を正確且つ安定的に検出できる。なお、第1検出点40は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する位置であればよく、例えば、整流部10の出力電圧(正極端10cと負極端10d間の電圧)を分圧して検出するようにしても良い。
【0080】
第2検出点60は、整流部10の出力側において、平滑部20の電圧を検出する位置に設けると好適である。例えば、力率改善回路部80の出力側において、平滑部20と並列に、抵抗63および抵抗64からなる直列回路を構成し、抵抗63および抵抗64の接続点を第2検出点60とする。
【0081】
上記のように、第2検出点60を平滑部20の電圧を検出する位置に設けると、第2検出点電圧Vd2を正確且つ安定的に検出できる。なお、上述の通り、待機モードは、力率改善回路部80がスイッチング動作しないように制御されるため、上記抵抗64の両端電圧である第2検出点電圧Vd2は、入力された交流が全波整流されて平滑された電圧が抵抗63および抵抗64で分圧された電圧となる。
【0082】
すなわち、待機モードでは、力率改善回路部80による昇圧動作がなされず、入力された交流が全波整流されて平滑された電圧が平滑部20に印加されるため、第2検出点電圧Vd2は入力された交流の電圧情報および位相情報を含むこととなる。
【0083】
第1検出点40は、制御回路30のMULTI端子に接続され、第2検出点60は、制御回路30のVFB端子に接続する構成とされている。このような構成にすることにより、第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2、力率改善回路部80の入力電圧および力率改善回路部80の出力電圧を、それぞれ検出する回路を別途独立に設ける必要がないため、制御回路およびスイッチング電源の構成を簡素化することができる。
【0084】
また、上記構成とすることにより、制御回路30を、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路とし、この半導体集積回路を所定のモジュールに搭載して構成する場合には、電圧検出部200が第1検出点電圧Vd1を検出する端子と、力率改善回路制御部が力率改善回路部に入力される電圧を監視する端子とを、別個に設ける必要がなくなり、モジュールの端子数を削減することができる。
【0085】
電圧検出部200は、制御回路30のMULTI端子を介して、第1検出点40に接続されている。また、電圧検出部200は、制御回路30のVFB端子を介して、第2検出点60に接続されている。更に、電圧検出部200は、停止回路400および力率改善回路制御部800に接続されている。
【0086】
また、電圧検出部200は、電源起動制御部300に接続されている。電圧検出部200は、電源起動制御部300に信号S2を出力し、電源起動制御部300は、信号S2に対応し、第1検出点電圧Vd1、または、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2、のうち少なくともいずれか一方または両方に基づいて起動電源部100の動作を制御する。
【0087】
第1の実施形態において、電圧検出部200は、例えば、図4の電圧検出部210に示すように、比較器211、否定論理和ゲート212および第1基準電圧電源部213を組み合わせた構成とする。
【0088】
比較器211は、非反転入力端と、反転入力端と、出力端と、を有する。比較器211の非反転入力端は、制御回路30のMULTI端子を介して第1検出点40に接続されている。
【0089】
比較器211の反転入力端は、第1基準電圧電源部213の基準電圧出力端213bに接続されている。比較器211の出力端は、否定論理和ゲート212の一方の入力端に接続されている。
【0090】
比較器211は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部213が発生する所定の第1基準電圧Vth1未満の場合に出力端からLowレベルの信号を出力する。また、比較器211は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部213が発生する所定の第1基準電圧Vth1以上の場合に出力端からHighレベルの信号を出力する。
【0091】
否定論理和ゲート212は、2つの入力端と、出力端と、を有する。否定論理和ゲート212の一方の入力端は、比較器211の出力端に接続されている。否定論理和ゲート212の他方の入力端は、停止回路400の出力端に接続されている。否定論理和ゲート212の出力端は、起動電源制御部300内のNOTゲート301の入力端に接続されている。
【0092】
第1基準電圧電源部213は、入力端213aと、基準電圧出力端213bと、を有する。第1基準電圧電源部213の入力端213aは、起動電源部100内のドロッパ回路120の出力端120bに接続されている。
【0093】
第1基準電圧電源部213の基準電圧出力端213bは、比較器211の反転入力端に接続されている。第1基準電圧電源部213の基準電圧出力端213bには、所定の第1基準電圧Vth1が発生するように構成してある。
【0094】
電圧検出部210は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1を検出する。
【0095】
電圧検出部210は、待機モード時(否定論理和ゲート212に入力される信号S1のレベルがLowレベルの時)に、第1検出点電圧Vd1が所定の第1基準電圧Vth1未満の場合(比較器211の出力端のレベルがLowレベルの場合)には、否定論理和ゲート212の出力端から例えばHighレベルの信号S2を出力する(図8中のT1)。
【0096】
また、電圧検出部210は、待機モード(否定論理和ゲート212に入力される信号S1のレベルがLowレベルの時)であり、且つ、第1検出点電圧Vd1が所定の第1基準電圧Vth1以上の場合(比較器211の出力端のレベルがHighレベルの場合)には、例えばLowレベルの信号S2を出力する(図8中のT2)。
【0097】
起動電源制御部300は、電源起動部100、電圧検出部200、停止回路部400およびUVLO600に接続されている。起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1、または、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2、に基づいて起動電源部100の動作を制御する。
【0098】
例えば、第1の実施形態において、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1に基づいて電圧検出部200(第1の実施形態においては電圧検出部210)が出力する信号S2に対応して、信号S3を起動電源部100に出力し、起動電源部100の動作を制御する。
【0099】
また、起動電源制御部300は、停止回路400が出力する信号S1およびUVLO600が出力する信号S0に対応して、信号S4を起動電源部100に出力し、起動電源部100の動作を制御する。
【0100】
本実施の形態において、起動電源制御部300は、例えば、図7に示すように、NOTゲート301、NOTゲート302および否定論理和ゲート303を組み合わせて構成される。
【0101】
NOTゲート301は、入力端と、出力端と、を有する。NOTゲート301の入力端は、電圧検出部210の否定論理和ゲート212の出力端に接続されている。NOTゲート301の出力端は、起動電源部100の低耐圧スイッチ102の制御端に接続されている。
【0102】
NOTゲート302は、入力端および出力端を有する。NOTゲート302の入力端は、停止回路400の出力端に接続されている。NOTゲート302の出力端は、否定論理和ゲート303の一方の入力端に接続されている。
【0103】
否定論理和ゲート303は、2つの入力端と、出力端と、を有する。否定論理和ゲート303の一方の入力端は、NOTゲート302の出力端に接続されている。否定論理和ゲート303の他方の入力端は、UVLO600の出力端に接続されている。否定論理和ゲート303の出力端は、起動電源部100の低耐圧スイッチ103の制御端に接続されている。
【0104】
停止回路400は、電圧検出部200、起動電源制御部300、UVLO600、力率改善回路制御部800および降圧チョッパ回路制御部900に接続されている。また、停止回路400は、制御回路30のCONT端子を介して、例えば、マイコン5に接続されている。
【0105】
マイコン5は、例えば、待機モードまたは定常モードを表す信号を、CONT端子を介して制御回路30の停止回路400に出力する。制御回路30では、マイコン5が出力する信号に対応して、停止回路400が信号S1を出力する。制御回路30では、信号S1を、待機モード時にLowレベル、定常モード時にHighレベル、とする制御がなされる。
【0106】
停止回路400は、上記信号S1を電圧検出部200、起動電源制御部300、力率改善回路制御部800および降圧チョッパ回路制御部900に出力する。
【0107】
なお、マイコン5は、スイッチング電源1や負荷70に異常が発生した場合は、異常を検知し、異常モード時を表す信号を、CONT端子を介して制御回路30の停止回路400に出力する。この場合、停止回路400は、待機モードと同様に信号S1をLowレベルとする。
【0108】
また、停止回路400は、制御回路30のMULTI端子を介して、第1検出点40に接続され、スイッチング電源1の入力電圧を監視し、スイッチング電源1の入力電圧に基づいて、電圧検出部200、起動電源制御部300、力率改善回路制御部800および900に信号S1を出力するように構成されている。
【0109】
UVLO600は、いわゆる低電圧ロックアウト(Under voltage Lockout)の機能を有するブロックである。UVLO600は、制御回路30のVcc端子電圧を監視し、Vcc端子電圧に対応して信号S0を電圧検出部200、起動電源制御部300および停止回路400に出力する。
【0110】
UVLO600は、低電圧ロックアウト機能を動作させるUVLO動作時(例えば、Vcc端子電圧が所定電圧未満の場合)には信号S0をHighレベル、低電圧ロックアウト機能を解除させるUVLO解除時(例えば、Vcc端子電圧が所定電圧以上の場合)には信号S0をLowレベルとする。
【0111】
なお、停止回路400は、UVLO600が出力したHighレベルの信号S0に対応して信号S1をLowレベルとし、UVLO600が出力したLowレベルの信号S0に対応して信号S1をHighレベルとする。
【0112】
力率改善回路制御部800は、第1検出点電圧Vd1を制御回路30のMULTI端子を介して検出することにより力率改善回路部80に入力される電圧を監視し、第1検出点電圧Vd1に基づいて第1スイッチング素子81のスイッチングを制御する。
【0113】
また、力率改善回路制御部800は、第2検出点電圧Vd2を制御回路30のVFB端子を介して検出することにより力率改善回路部80の出力電圧を定電圧制御する。
【0114】
このように構成することで、力率改善回路部80の入力電圧を検出する回路や力率改善回路部80の出力電圧を検出する回路を別途設ける必要がなく、スイッチング電源1の構成を簡素化することができる。
【0115】
降圧チョッパ回路制御部900は、降圧チョッパ回路部90の出力電流を検出することにより降圧チョッパ回路部90の出力電流を定電流制御して出力する。
【0116】
なお、制御回路30は、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として構成すると、制御回路30およびスイッチング電源1の構成を簡素化することができる点で好適である。
【0117】
この場合、半導体基板は、第1検出点電圧Vd1を検出する第1検出点電圧端子としてのMULTI端子を有する所定のモジュールに搭載し、MULTI端子は、電圧検出部200および力率改善回路制御部800に接続する構成とする。
【0118】
すなわち、MULTI端子を介して、電圧検出部200が第1検出点電圧Vd1を検出し、且つ、力率改善回路制御部800が力率改善回路部80に入力される電圧を監視するように構成する。
【0119】
ここで、図8を参照しながら、第1の実施形態における制御回路30の動作について説明する。なお、図8では、停止回路400が出力する信号S1、UVLO600が出力する信号S0は、いずれもLowレベルである条件(待機モード、UVLO解除の条件)での波形を示している。
【0120】
第1の実施形態において、起動電源部100は、スイッチ101および低耐圧スイッチ102等を介してスイッチング制御に必要な制御電力を受電しスイッチング制御の動作を起動開始させ、電圧検出部210は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点電圧Vd1を検出し、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1に基づいて起動電源部100の動作を制御する。
【0121】
待機モードにおいて、停止回路400が出力する信号S1はLowレベルであり、電圧検出部210は、第1検出点電圧Vd1が所定の第1基準電圧Vth1未満の場合に、例えばHighレベルの信号S2を出力する。
【0122】
電圧検出部210が例えばHighレベルの信号S2を出力すると、起動電源制御部300は、Lowレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオンさせてスイッチ電流I102を流し制御電力を受電するよう起動電源部100を制御する(図8中のT1)。
【0123】
これにより、制御回路30では、起動電源部100が、スイッチング制御に必要な制御電力を受電し、スイッチング電源1のスイッチング制御の動作を起動開始させる状態となる。
【0124】
また、第1の実施形態において、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1が所定の第1基準電圧Vth1以上の場合には、電圧検出部210は例えばLowレベルの信号S2を出力する。
【0125】
電圧検出部210が例えばLowレベルの信号S2を出力すると、起動電源制御部300は、Highレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する(図8中のT2)。
【0126】
なお、図8中のT2で表される時間は、制御回路30が必要とする制御電力に応じて、第1基準電圧Vth1を適当に設定すれば、適宜変更可能である。
【0127】
また、図8では、信号S1および信号S0がLowレベルとして説明している。そのため、図8に示す条件では、起動電源制御部300は、信号S1および信号S0に基づいて、Lowレベルの信号S4を電源起動部100に出力して低耐圧スイッチ103をオフさせて、高耐圧スイッチ101、抵抗104、スイッチ103およびダイオード110を介して制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。
【0128】
上述したように、従来の制御回路においては、制御回路の動作中は常時、直流電源Vdcからドロッパ回路を介して制御回路に電流が流れるため、上記(1)式で表される電力Pが消費される。
【0129】
これに対し、第1の実施形態では、例えば、待機モードにおいて、スイッチング電源1に入力される交流の位相に対応して変化する電圧が所定の電圧以上の場合(図8中のT2で表される時間)は、制御電力を受電しないよう制御されるため、制御回路30に制御電力を安定的に供給しながらも、待機電力の削減を図ることができる。
【0130】
以上のように、第1の実施形態に係る制御回路30によれば、起動電源部100は、スイッチ101および低耐圧スイッチ102を介してスイッチング制御に必要な制御電力を受電しスイッチング制御の動作を起動開始させ、電圧検出部210は、入力される交流の位相に対応して電位が変化する第1検出点40の電位とスイッチング電源の基準点50の基準電位との差である第1検出点電圧Vd1を検出し、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1に基づいて起動電源部100の動作を制御する。したがって、制御回路30に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0131】
特に、第1の実施形態に係る制御回路30によれば、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1が所定の第1基準電圧Vth1未満の場合には低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御し、第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1以上の場合には低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。したがって、制御回路30に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0132】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、制御回路30の構成のうち、電圧検出部200以外の構成は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0133】
図5は、図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部230の構成例を示すブロック回路図である。
【0134】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2およびスイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC100Vの条件における例)である。図10は、本発明の第2の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2およびスイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における例)である。
【0135】
第2の実施形態において、電圧検出部200は、例えば、図5の電圧検出部230に示すように、比較器231、否定論理積ゲート232、第1基準電圧電源部233、NOTゲート234、RSフリップフロップ235、論理積ゲート236、比較器237および第2基準電圧電源部238を組み合わせた構成とする。
【0136】
比較器231は、非反転入力端と、反転入力端と、出力端と、を有する。比較器231の非反転入力端は、制御回路30のMULTI端子を介して第1検出点40に接続されている。
【0137】
比較器231の反転入力端は、第1基準電圧電源部233の基準電圧出力端233bに接続されている。比較器231の出力端は、否定論理積ゲート232の第1の入力端に接続されている。
【0138】
比較器231は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部233が発生する所定の第1基準電圧Vth1未満の場合に出力端からLowレベルの信号を否定論理積ゲート232の第1の入力端に出力する。
【0139】
また、比較器231は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部233が発生する所定の第1基準電圧Vth1以上の場合に出力端からHighレベルの信号を否定論理積ゲート232の第1の入力端に出力する。
【0140】
否定論理積ゲート232は、3つの入力端と、出力端と、を有する。否定論理積ゲート232の第1の入力端は、比較器231の出力端に接続されている。否定論理積ゲート232の第2の入力端は、NOTゲート234の出力端に接続されている。
【0141】
否定論理積ゲート232の第3の入力端は、RSフリップフロップ235の出力端Qに接続されている。否定論理積ゲート232の出力端は、起動電源制御部300内のNOTゲート301の入力端に接続されている。
【0142】
第1基準電圧電源部233は、入力端233aと、基準電圧出力端233bと、を有する。第1基準電圧電源部233の入力端233aは、起動電源部100内のドロッパ回路120の出力端120bに接続されている。
【0143】
第1基準電圧電源部233の基準電圧出力端233bは、比較器231の反転入力端に接続されている。第1基準電圧電源部233の基準電圧出力端233bには、所定の第1基準電圧Vth1が発生するように構成してある。
【0144】
NOTゲート234は、入力端と、出力端と、を有する。NOTゲート234の入力端は、停止回路400の出力端に接続されている。NOTゲート234の出力端は、否定論理積ゲート232の第2の入力端および論理積ゲート236の他方の入力端に接続されている。
【0145】
RSフリップフロップ235は、セット入力端Sと、リセット入力端Rと、出力端Qと、を有する。セット入力端Sは、論理積ゲート236の出力端に接続されている。リセット入力端Rは、UVLO600の出力端に接続されている。出力端Qは、否定論理積ゲート232の第3の入力端に接続されている。
【0146】
RSフリップフロップ235は、セット入力端SにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにHighレベルの信号を出力保持する。また、RSフリップフロップ235は、リセット入力端RにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにLowレベルの信号を出力保持する。
【0147】
なお、RSフリップフロップ235は、例えば、リセット優先とし、セット入力端Sとリセット入力端RとにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにLowレベルの信号を出力保持する。
【0148】
論理積ゲート236は、2つの入力端と、出力端と、を有する。論理積ゲート236の一方の入力端は、比較器237の出力端に接続されている。論理積ゲート236の他方の入力端は、NOTゲート234の出力端に接続されている。論理積ゲート236の出力端は、RSフリップフロップ235のセット入力端Sに接続されている。
【0149】
比較器237は、非反転入力端と、反転入力端と、出力端と、を有する。比較器237の非反転入力端は、制御回路30のVFB端子を介して第2検出点60に接続されている。
【0150】
比較器237の反転入力端は、第2基準電圧電源部238の出力端238bに接続されている。比較器237の出力端は、論理積ゲート236の一方の入力端に接続されている。
【0151】
比較器237は、制御回路30のVFB端子の電圧が、第2基準電圧電源部238が発生する所定の第2基準電圧Vth2未満の場合に出力端からLowレベルの信号を出力する。
【0152】
また、比較器237は、制御回路30のVFB端子の電圧が、第2基準電圧電源部238が発生する所定の第2基準電圧Vth2以上の場合に出力端からHighレベルの信号を出力する。
【0153】
第2基準電圧電源部238は、入力端238aと、基準電圧出力端238bと、を有する。第2基準電圧電源部238の入力端238aは、起動電源部100内のドロッパ回路120の出力端120bに接続されている。
【0154】
第2基準電圧電源部238の基準電圧出力端238bは、比較器237の反転入力端に接続されている。第2基準電圧電源部238の基準電圧出力端238bには、所定の第2基準電圧Vth2が発生するように構成してある。
【0155】
電圧検出部230は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2を検出するよう構成してある。
【0156】
なお、第2の実施形態における起動電源制御部300は、第1の実施形態と同様の構成であるが、NOTゲート301の入力端は、電圧検出部230の否定論理積ゲート232の出力端に接続されている。
【0157】
第2の実施形態において、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2に基づいて電圧検出部200(第2の実施形態においては電圧検出部230)が出力する信号S2に対応して起動電源部100の動作を制御する。
【0158】
また、起動電源制御部300は、停止回路400が出力する信号S1およびUVLO600が出力する信号S0に対応して起動電源部100の動作を制御する。
【0159】
ここで、図9および図10を参照して、第2の実施形態における制御回路30の動作について説明する。なお、図9および図10では、停止回路400が出力する信号S1、UVLO600が出力する信号S0は、いずれもLowレベルである条件(待機モード、UVLO解除の条件)での波形を示している。
【0160】
電圧検出部230は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC100Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が所定の第2基準電圧Vth2未満の場合には、例えばHighレベルの信号S2を出力する(図9中のT3)。
【0161】
電圧検出部230は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1未満の場合には、例えばHighレベルの信号S2を出力する(図10中のT4)。
【0162】
また、電圧検出部230は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1以上の場合には、例えばLowレベルの信号S2を出力する(図10中のT5)。
【0163】
起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC100Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が所定の第2基準電圧Vth2未満の場合には、電圧検出部230より出力される例えばHighレベルの信号S2に対応して、Lowレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御する(図9中のT3)。
【0164】
起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1未満の場合には、電圧検出部230より出力される例えばHighレベルの信号S2に対応して、Lowレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御する(図10中のT4)。
【0165】
また、起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)であり、且つ、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件において、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1以上の場合には、電圧検出部230より出力された例えばLowレベルの信号S2に対応して、Highレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する(図10中のT5)。
【0166】
なお、図10中のT5で表される時間は、制御回路30が必要とする制御電力に応じて、第1基準電圧Vth1を適当に設定すれば、適宜変更可能である。
【0167】
なお、上述の通り、図9および図10では、信号S1および信号S0がいずれもLowレベルとして説明している。そのため、図9および図10に示す条件では、起動電源制御部300は、信号S1および信号S0に基づいて、Lowレベルの信号S4を電源起動部100に出力して低耐圧スイッチ103をオフさせて、高耐圧スイッチ101、抵抗104、スイッチ103およびダイオード110を介して制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。
【0168】
以上のように、第2の実施形態に係る制御回路30によれば、例えば、待機モードにおいて、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2に基づいて電圧検出部200(第2の実施形態においては電圧検出部230)が出力する信号S2に対応して起動電源部100の動作を制御する。したがって、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0169】
また、第2の実施形態に係る制御回路30によれば、起動電源制御部300は、例えば、待機モードにおいて、第2検出点電圧Vd2が所定の第2基準電圧Vth2未満の場合には低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御し、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1未満の場合には低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御し、第2検出点電圧Vd2が第2基準電圧Vth2以上であり且つ第1検出点電圧Vd1が第1基準電圧Vth1以上の場合には低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。したがって、入力される交流の電圧が所定の電圧未満の条件においては、制御回路30に制御電力を安定的に供給し、入力される交流の電圧が所定の電圧以上の条件において、待機電力の削減を図ることができる。
【0170】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、制御回路30の構成のうち、電圧検出部200以外の構成は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるため、第1の実施形態および第2の実施形態の構成と異なる部分について説明する。
【0171】
図6は、図2中の電圧検出部200の一例としての電圧検出部250の構成例を示すブロック回路図である。図11は、本発明の第3の実施形態に係る第1検出点電圧Vd1、第2検出点電圧Vd2およびスイッチ電流I102、信号S1、信号S2、信号S3および信号S4の波形図(入力交流電圧Vin=AC100Vおよび入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における例)である。
【0172】
第3の実施形態において、電圧検出部200は、例えば、図6の電圧検出部250に示すように、比較器251、否定論理積ゲート252、第1基準電圧電源部253、NOTゲート254、RSフリップフロップ255、論理積ゲート256、比較器257および第2基準電圧電源部258を組み合わせた構成とする。
【0173】
比較器251は、非反転入力端と、反転入力端と、出力端と、を有する。比較器251の非反転入力端は、制御回路30のMULTI端子を介して第1検出点40に接続されている。
【0174】
比較器251の反転入力端は、第1基準電圧電源部253の基準電圧出力端253bに接続されている。比較器251の出力端は、否定論理積ゲート252の一方の入力端に接続されている。
【0175】
比較器251は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部253が発生する所定の第1基準電圧Vth1未満の場合に出力端からLowレベルの信号を出力する。
【0176】
また、比較器251は、制御回路30のMULTI端子の電圧が、第1基準電圧電源部253が発生する所定の第1基準電圧Vth1以上の場合に出力端からHighレベルの信号を出力する。
【0177】
否定論理積ゲート252は、2つの入力端と、出力端と、を有する。否定論理積ゲート252の一方の入力端は、比較器251の出力端に接続されている。否定論理積ゲート252の他方の入力端は、NOTゲート254の出力端に接続されている。否定論理積ゲート252の出力端は、起動電源制御部300内のNOTゲート301の入力端に接続されている。
【0178】
第1基準電圧電源部253は、入力端253aと、基準電圧出力端253bと、基準電圧設定端253cと、を有する。第1基準電圧電源部253の入力端253aは、起動電源部100内のドロッパ回路120の出力端120bに接続されている。
【0179】
第1基準電圧電源部253の基準電圧出力端253bは、比較器251の反転入力端に接続されている。第1基準電圧電源部253の基準電圧出力端253bには、所定の第1基準電圧Vth1が発生するように構成してある。
【0180】
第1基準電圧電源部253の基準電圧設定端253cは、RSフリップフロップ255の出力端Qに接続されている。第1基準電圧電源部253は、RSフリップフロップ255の出力端Qから出力される信号に対応して、第1基準電圧電源部253の基準電圧出力端253bに発生する第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に対応して設定し、例えば、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に正比例するように設定する。
【0181】
具体的な例としては、入力される交流がAC100V時は第1基準電圧Vth1を1.25V、入力される交流がAC200V時は第1基準電圧Vth1を2.50Vとなるように設定する。
【0182】
このように、入力される交流がAC100V時およびAC200V時に対応して第1基準電圧Vth1を2つの値に設定すると、制御回路30を簡素化して構成することができる。
【0183】
このような設定は、比較器257が、制御回路30のVFB端子の電圧と、第2基準電圧電源部258が発生する所定の第2基準電圧Vth2と、を比較して、RSフリップフロップ255のセット入力端Sへの入力信号を切替えることにより行われる。
【0184】
なお、制御回路30のVFB端子は、上述の通り、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)では、入力された交流が全波整流されて平滑された電圧が分圧された電圧(第2検出点電圧Vd2)が印加されている。そのため、上記の第1基準電圧Vth1の設定は、待機モードにおいて入力された交流電圧に応じてなされる構成となっている。
【0185】
NOTゲート254は、入力端と、出力端と、を有する。NOTゲート254の入力端は、停止回路400の出力端に接続されている。NOTゲート254の出力端は、論理積ゲート256の他方の入力端および否定論理積ゲート252の他方の入力端に接続されている。
【0186】
RSフリップフロップ255は、セット入力端Sと、リセット入力端Rと、出力端Qと、を有する。セット入力端Sは、論理積ゲート256の出力端に接続されている。リセット入力端Rは、UVLO600の出力端に接続されている。出力端Qは、第1基準電圧電源部253の基準電圧設定端253cに接続されている。
【0187】
RSフリップフロップ255は、セット入力端SにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにHighレベルの信号を出力保持する。また、RSフリップフロップ255は、リセット入力端RにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにLowレベルの信号を出力保持する。
【0188】
なお、RSフリップフロップ255は、例えば、リセット優先とし、セット入力端Sとリセット入力端RとにHighレベルの信号が入力されると、出力端QにLowレベルの信号を出力保持する。
【0189】
論理積ゲート256は、2つの入力端と、出力端と、を有する。論理積ゲート256の一方の入力端は、比較器257の出力端に接続されている。論理積ゲート256の他方の入力端は、NOTゲート254の出力端に接続されている。256の出力端は、RSフリップフロップ255のセット入力端Sに接続されている。
【0190】
比較器257は、非反転入力端と、反転入力端と、出力端と、を有する。比較器257の非反転入力端は、制御回路30のVFB端子を介して第2検出点60に接続されている。
【0191】
比較器257の反転入力端は、第2基準電圧電源部258の基準電圧出力端258bに接続されている。比較器257の出力端は、論理積ゲート256の一方の入力端に接続されている。
【0192】
比較器257は、制御回路30のVFB端子の電圧が、第2基準電圧電源部258が発生する所定の第2基準電圧Vth2未満の場合に出力端からLowレベルの信号を出力する。また、比較器257は、制御回路30のVFB端子の電圧が、第2基準電圧電源部258が発生する所定の第2基準電圧Vth2以上の場合に出力端からHighレベルの信号を出力する。
【0193】
第2基準電圧電源部258は、入力端258aと、基準電圧出力端258bと、を有する。第2基準電圧電源部258の入力端258aは、起動電源部100内のドロッパ回路120の出力端120bに接続されている。
【0194】
第2基準電圧電源部258の基準電圧出力端258bは、比較器257の反転入力端に接続されている。第2基準電圧電源部258の基準電圧出力端258bには、所定の第2基準電圧Vth2が発生するように構成してある。
【0195】
電圧検出部250は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2を検出するよう構成する。
【0196】
電圧検出部250は、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に対応して設定し、例えば、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に正比例するように設定する。 上述の通り、待機モードは、力率改善回路部80がスイッチング動作しないように制御されるため、第2検出点電圧Vd2は、入力された交流が全波整流されて平滑された電圧が分圧された電位となる。
【0197】
例えば、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における第2検出点電圧Vd2は、入力交流電圧Vin=AC100Vの条件における第2検出点電圧Vd2に正比例する値となる。
【0198】
そのため、電圧検出部250では、入力交流電圧Vin=AC200Vの条件における第1基準電圧Vth1は、入力交流電圧Vin=AC100Vの条件における第1基準電圧Vth1に正比例した値に設定されることとなる。
【0199】
なお、第3の実施形態における起動電源制御部300は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の構成であるが、NOTゲート301の一方の入力端は、電圧検出部250の否定論理積ゲート252の出力端に接続されている。
【0200】
第3の実施形態において、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2に基づいて電圧検出部200(第3の実施形態においては電圧検出部250)が出力する信号S2に対応して起動電源部100の動作を制御する。
【0201】
また、起動電源制御部300は、停止回路400が出力する信号S1およびUVLO600が出力する信号S0に対応して起動電源部100の動作を制御する。
【0202】
ここで、図11を参照しながら、第3の実施形態における制御回路30の動作について説明する。なお、図11では、停止回路400が出力する信号S1、UVLO600が出力する信号S0は、いずれもLowレベルである条件(待機モード、UVLO解除の条件)での波形を示している。
【0203】
上記のように第1基準電圧Vth1の設定がなされる電圧検出部250では、図11に示すように、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1未満の場合には、例えばHighレベルの信号S2を出力する(図11中のT6)。
【0204】
また、電圧検出部250は、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1以上の場合には、例えばLowレベルの信号S2を出力する(図11中のT7)。
【0205】
電圧検出部250が出力する信号S2がHighレベルとなる時間は、入力交流電圧Vin=AC100Vおよび入力交流電圧Vin=AC200Vの条件において、所定時間(図11中のT6)となるよう制御される。
【0206】
起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1未満の場合には、電圧検出部250より出力された例えばHighレベルの信号S2に対応して、Lowレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオンさせて制御電力を受電するよう起動電源部100を制御する(図11中のT6)。
【0207】
起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1以上の場合には、電圧検出部210より出力された例えばLowレベルの信号S2に対応して、Highレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する(図11中のT7)。
【0208】
なお、図11中のT7で表される時間は、制御回路30が必要とする制御電力に応じて、第1基準電圧Vth1を適当に設定すれば、適宜変更可能である。
【0209】
なお、図11では、信号S1および信号S0がLowレベルとして説明している。そのため、図11に示す条件では、起動電源制御部300は、信号S1および信号S0に基づいて、Lowレベルの信号S4を電源起動部100に出力して低耐圧スイッチ103をオフさせて、高耐圧スイッチ101、抵抗104、スイッチ103およびダイオード110を介して制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。
【0210】
なお、電圧検出部250は、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に対応(例えば、正比例)して設定する。上述の通り、待機モードでは、力率改善回路部80によるスイッチング動作がなされないため平滑部20の電圧は昇圧されず、入力された交流が全波整流されて平滑された電圧が平滑部20に印加される。そのため、第2検出点電圧Vd2は、入力された交流の電圧情報を含むこととなる。
【0211】
したがって、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に対応(例えば、正比例)して設定すると、第1検出点電圧Vd1を検出するタイミングを入力される交流電圧に対応させることができる。
【0212】
そのため、図11に示すように、例えば、入力される交流電圧AC100VおよびAC200Vの条件で、第1検出点電圧Vd1を検出するタイミングを合わせることが可能となり、電圧検出部250が出力する信号S2のHighレベルとなる時間が所定時間T6となるように制御することで、低耐圧スイッチ102のオン時間が所定時間T6となるように制御される。(図11中のT6)。
【0213】
以上のように、第3の実施形態に係る制御回路30によれば、例えば、待機モードにおいて、起動電源制御部300は、第1検出点電圧Vd1および第2検出点電圧Vd2に基づいて電圧検出部200(第3の実施形態においては電圧検出部250)が出力する信号S2に対応して起動電源部100の動作を制御する。したがって、制御回路30に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0214】
特に、電圧検出部250は、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に対応して設定し、例えば、第1基準電圧Vth1を第2検出点電圧Vd2に正比例するように設定する。
【0215】
また、起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1以上の場合には、例えばLowレベルの信号S2に基づいて、Highレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオフさせて制御電力を受電しないよう起動電源部100を制御する。
【0216】
更に、起動電源制御部300は、例えば、停止回路400が出力する信号S1がLowレベルの条件(待機モード)において、第1検出点電圧Vd1が上記設定の第1基準電圧Vth1未満の場合に、例えばHighレベルの信号S2に基づいて、Lowレベルの信号S3を起動電源部100に出力し、低耐圧スイッチ102をオンさせてスイッチ電流I102を流し制御電力を受電するよう起動電源部100を制御する。
【0217】
したがって、第3の実施形態に係る制御回路30によれば、図11に示すように、低耐圧スイッチ102のオン時間は、入力される交流の電圧に対応させて第1基準電圧Vd1を設定することにより、所定時間T6に制御される。これにより、スイッチング電源1に入力される交流の電圧が変動する場合であっても、制御回路30に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0218】
以上説明した第1乃至第3の実施形態において、第1検出点40は、整流部10の入力側に設けられる構成としてあるため、スイッチング電源1に入力される交流の電圧の情報を正確に検出でき、確実に、制御回路に制御電力を安定的に供給でき、且つ、待機電力の削減を図ることができる。
【0219】
上記第1乃至第3の実施形態において、スイッチング電源1は、第1スイッチング素子81を有し、第1スイッチング素子81のスイッチング動作によりスイッチング電源1の力率を改善する力率改善回路部80を備え、力率改善回路制御部800は、第1検出点電圧Vd1を検出することにより力率改善回路部80に入力される電圧を監視し、第1検出点電圧Vd1に基づいて第1スイッチング素子81のスイッチングを制御する。
【0220】
したがって、力率改善回路部80の入力電圧を検出する回路を別途設ける必要がなくなり、スイッチング電源1の構成を簡素化することができる。
【0221】
上記第1乃至第3の実施形態において、力率改善回路制御部800は、第2検出点電圧Vd2を検出することにより力率改善回路部の出力電圧を定電圧制御する。したがって、力率改善回路部80の出力電圧を検出する回路を別途設ける必要がなくなり、スイッチング電源1の構成を、簡素化することができる。
【0222】
上記第1乃至第3の実施形態において、スイッチング電源1は、降圧チョッパ回路部90を備え、第2スイッチング素子91のスイッチング動作により力率改善回路部80の出力電圧を降圧して出力する。したがって、スイッチング電源1を様々な用途の電源として構成することができる。
【0223】
上記第1乃至第3の実施形態において、降圧チョッパ回路制御部900は、降圧チョッパ回路部90の出力電流を検出することにより降圧チョッパ回路部90の出力電流を定電流制御して出力する。したがって、定電流制御が必要なLED照明等の負荷に適したスイッチング電源を構成することができる。
【0224】
上記第1乃至第3の実施形態において、制御回路30を所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として構成すると、制御回路30およびスイッチング電源1の構成を簡素化することができる。
【0225】
上記第1乃至第3の実施形態において、上記半導体基板は、第1検出点電圧Vd1を検出する第1検出点電圧端子(MULTI端子)を有する所定のモジュールに搭載され、第1検出点電圧端子(MULTI端子)は、電圧検出部200および力率改善回路制御部800に接続され、第1検出点電圧端子(MULTI端子)を介して、電圧検出部200が第1検出点電圧Vd1を検出し、且つ、力率改善回路制御部800が力率改善回路部80に入力される電圧を監視するよう構成可能である。
【0226】
したがって、制御回路30を所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として所定のモジュールに搭載して構成する場合には、電圧検出部200が第1検出点電圧Vd1を検出する端子と、力率改善回路制御部800が力率改善回路部80に入力される電圧を監視する端子とを、別個に設ける必要がなくなり、モジュールの端子数を削減することができる。
【0227】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上記信号S0乃至S4の信号のHighレベルおよびLowレベルの論理関係や、制御回路30内部の論理回路部品の構成は、上記の実施の形態には限定せずに、発明の範囲内であれば、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0228】
1:スイッチング電源
2:交流電源
5:マイコン
10:整流部
20:平滑部
30:制御回路
40:第1検出点
43、44:抵抗
50:基準点
60:第2検出点
63:抵抗
64:抵抗
70:負荷
80:力率改善回路部
90:降圧チョッパ回路部
95:補助巻線電源
100:起動電源部
101:高耐圧スイッチ
102、103:低耐圧スイッチ
104、105、106:抵抗
107、108:ツェナダイオード
109、110:ダイオード
120:ドロッパ回路
200、210、230、250:電圧検出部
211、231、251、257:比較器
212、303:否定論理和ゲート
213、233、253:第1基準電圧電源部
232、252:否定論理積ゲート
234、254、301、302:NOTゲート
235、255:RSフリップフロップ
236、256:論理積ゲート
238:第2基準電圧電源部
300:起動電源制御部
400:停止回路
600:UVLO
800:力率改善回路制御部
900:降圧チョッパ回路制御部
図1
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