(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記減速機構(55)は、前記ローター(59)の前記ピニオン(60)と噛み合う中間車(92)と、及び前記中間車(92)と前記分車(36)と噛み合う第3の車とを有する
ことを特徴とする請求項4に記載の腕時計(1)。
前記フレーム(13)に形成されたカットアウト(25)内に収容される円筒状のボディー(101)と、及び前記ボディー(101)から半径方向に突き出ており前記フレーム(13)と前記付加的プレート(65)の間に挿入されるタブ(102)とを備える電池ハウジング(100)を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の腕時計(1)。
前記電磁石(57)は、前記ステーター(58)に接触している前記フレーム(13)と前記付加的プレート(65)の間に挿入された棒体(82)に巻かれたコイル(81)を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の腕時計(1)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1と
図2は、スケルトン腕時計1を示している。これは、その内部部品の一部が見えるためにスケルトン腕時計と呼ばれる。
【0024】
この腕時計1には、ケースミドル部2がある。これは、特に、金属(例、鋼)、又は合成材料(例えば、ファイバー強化ポリマーマトリックスを含む複合材料であって、典型的には、炭素複合材料)で作られている。
【0025】
また、腕時計1には、手首に着用するためのリストバンド3がある。これは、ケースミドル部2から突き出ているホーン4の間にてケースミドル部2に取り付けられる。
【0026】
図示した例において、ケースミドル部2の輪郭は長方形であるが、この形には限定されない。特に、この輪郭は、丸まっていてもよい(例、円形や楕円形)。
【0027】
ケースミドル部2には、前面5と裏面6があり、これらは互いの反対側にあり、これらの間に内部空間7が定められる。
【0028】
また、腕時計1には、風防8と裏蓋9があり、これらはケースミドル部2の両側にて、ケースミドル部2に固定されて(風防8が前面5の側、裏蓋9が裏面6の側)、内部空間7を包囲する。
【0029】
風防8は、鉱物ガラスや合成ガラス(例、ルビー)で作ることができる。裏蓋9は、好ましいことに、金属で作ることができる。
図2に示すように、裏蓋9をねじ10によってケースミドル部2の裏面6に固定することができる。
【0030】
図1と
図2に示すように、腕時計1には、さらに、ベゼル11がある。これは、視覚的に魅力的な仕上げを確実にしつつ、ケースミドル部2への風防8の取り付けを確実にするように、前面5に固定されている。
【0031】
最後に、腕時計1には、以下にて単に「ムーブメント」と呼ぶ計時器用ムーブメント12がある。下で説明するように、このムーブメント12は、組み立てられた後に、ケースミドル部12や裏蓋9とは独立の単一のコンポーネントを形成する。
【0032】
ムーブメント12には、第1に、透過されるフレーム13がある。このフレーム13の機能は、下で示すように特定の可動部品を支持することである。このフレーム13を、非導電性の材料、特に、合成材料(例えば、高分子、又は典型的には炭素複合材料であるファイバー強化ポリマーマトリックスを含む複合材料)で作ると有利である。フレーム13が高分子(例、ポリオキシメチレン(POM)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、あるいは短く書くと、ファイバー複合材、で作られている場合、フレーム13をプラスチック射出成形によって作ることができる。
【0033】
フレーム13には、互いの反対側にある正面14と裏面15がある。フレーム13の外側輪郭は、ケースミドル部2の内側輪郭に実質的に対応している。このケースミドル部2の内側にフレーム13が取り付けられる。したがって、図面に示した実施形態よると、特に、
図2〜5において、フレーム13には長方形の輪郭がある。しかし、この形には限定されず、丸まっていてもよい(例えば、ケースミドル部2の輪郭に応じて円形や楕円形)。
【0034】
図3と
図4に示すように、フレーム13には、
− 互いに平行に延在しておりそれぞれに上端17と下端18がある2つのサイドポスト16、
− 2つのサイドポスト16の上端17どうしの間にて2つのサイドポスト16を接続する上端の棒体19と、
− 2つのサイドポスト16に、それらの上端17(すなわち、サイドポスト16と上端の棒体19との接合部)にて1対の上側対角アーム21によって接続される中央アイランド20と、及び
− ブリッジ23によって中央アイランド20に、そして、1対の下側対角アーム24によってサイドポスト16の下端18に、接続される下側プラットフォーム22と
がある。
【0035】
上端の棒体19、上側アーム21及び中央アイランド20は、これらの間に、広い上側カットアウト25を定める。サイドポスト16、中央アイランド20、ブリッジ23、下側プラットフォーム22及び下側アーム24は、これらの間に、広いサイドカットアウト26を定める。
【0036】
このようにして、上側アーム21、中央アイランド20、ブリッジ23、プラットフォーム22及び下側アーム24は、一緒に、十字形の支持構造体を形成する。この支持構造体は、カットアウト25、26によって、腕時計1にスケルトン的な外観を与える。
【0037】
ムーブメント12には、第2に、フレーム13にマウントされ時と分を示す機能を有する時間ディスプレー手段27がある。
【0038】
特に、この時間ディスプレー手段27は、フレーム13と一体化された中央アーバー28に、フレーム13の前面14の側にてマウントされる。
【0039】
図示した実施形態によると、特に、
図3において、アーバー28は、中央アイランド20に形成されたボア29内に、実質的にフレーム13の幾何学的中心にて、圧入される。
【0040】
図3に示すように、アーバー28には、段が形成される。すなわち、アーバー28は、フレーム13の前面14から突き出て、アーバー28には、第1の肩部30と、第1の肩部30よりも小さな直径の第2の肩部31と、及び第2の肩部31よりも小さな直径の第3の肩部32とがあり、前側端における、ねじ山が形成されたスタッド33内にて終端する。
【0041】
時間ディスプレー手段27は、1:12の減速比の同期回転で動く分針34と時針35を有する。すなわち、分針34が1回転する間に、時針35は12分の1回転する。
【0042】
図3に示すように、時間ディスプレー手段27は、分針34と一体化された分車36を有する。この分車は、大きな直径を有し、例えば、120の歯を有する。
【0043】
分針34への分車36の取り付けは、
図3の分解図における右側に示してあるように、例えば、分針34と分車36にそれぞれ形成されたボア38、39内に入れ込まれたリベット37によって達成される。
【0044】
分針34には、1時間において経過した分の数を示すように意図されたインデックス用矢印40と、及びインデックス用矢印40とは直径的に反対側に延在しているプレート41とがある。
【0045】
分針34、分車36及びリベット37を有するサブアセンブリーは、アーバー28の第1の肩部30上にて自由回転するようにマウントされる。
【0046】
また、時間ディスプレー手段27は、アーバー28と一体化された太陽車42を有する。この太陽車42は、アーバー28の第2の肩部31に圧入によって確実に嵌められるように、分針34の上にマウントされる。したがって、アーバー28に対して自由度がないように取り付けられる。
【0047】
また、時間ディスプレー手段27は、時針35と一体化された時車43を有する。時車43と時針35の互いに対する取り付けは、好ましいことに、圧入によって達成される。特に、この取り付けは、時針35に形成されたボア45内に押し込まれるブッシュ44を時車43が担持するような、指向性の圧入によって達成することができる。
【0048】
時針35と時車43を有するサブアセンブリーは、太陽車42の上にて、アーバー28の第3の肩部32に対して自由回転するようにマウントされる。摩擦を抑えるために、時車43と太陽車42の間に、曲がったワッシャー46を挿入することが好ましい。このサブアセンブリーがアーバー28に接触し続けることを確実にするために、時針35の上のスタッド33にナット47を固定する。
【0049】
時間ディスプレー手段27は、最後に、分針34のプレート41上に回転可能にマウントされる外サイクロイド列48を有する。この外サイクロイド列48は、太陽車42と噛み合う下側惑星車49と、及び下側惑星車49と一体化されており時車43と噛み合う上側惑星車50とを有する。
【0050】
1つの実施形態によると、
図3の分解図における上部の右側に示すように、下側惑星車49に対する上側惑星車50の取り付けを、リベットを用いて達成することができる。特に、上側惑星車50は、下側惑星車49と一体化されたリベット51に嵌められ、この後に、リベット51のフランジが変形して、下側惑星車49に対する上側惑星車50の取り付けが確実になる。
【0051】
図3の中央部に示すように、外サイクロイド列48は、ピン52によって、自由回転するように分針34のプレート41に固定される。このピン52は、リベット51に形成されたボア53をクリアランスがあるように通り抜けて、プレート41に形成された穴54内に締まり嵌めされる。
【0052】
ムーブメント12には、第3に、時間ディスプレー手段27と噛み合う減速機構55がある。この減速機構55について、以下に詳細に説明する。
【0053】
腕時計1において、針34、35を回転させるエネルギー源は電気である。
【0054】
電気的エネルギーから機械的エネルギーへの変換、そして、時間ディスプレー手段27への機械的エネルギーの伝達、を確実にするために、ムーブメント12は、以下のステッピングモーター56と電子回路61を有する。
− 第4に、ステッピングモーター56は、
電磁石57と、
電磁石57と電気接触するステーター58と、及び
減速機構55と噛み合うピニオン60を支えるローター59と
を有する。
− 第5に、電子回路61は、
圧電性水晶62と、及び
導電体64によって水晶62と電磁石57に接続された制御回路63と
を有する。
【0055】
ほとんどの水晶腕時計においては、全体又は一部が裏蓋上に部分的に形成される。このような水晶腕時計とは異なり、ここでは電子回路61は裏蓋9から分離している。
【0056】
このために、ムーブメント12は、電子回路61を担持する付加的プレート65を有する。この付加的プレート65は、裏蓋9とは別個のものである。
図5に特に示すように、付加的プレート65は、フレーム13にその裏面側15にて固定される。
【0057】
図4と
図5に示すように、付加的プレート65は、フレーム13と同様な形を有する。しかし、プレート65はフレーム13よりも厚みが薄い。
【0058】
したがって、フレーム13と同様に、付加的プレート65は、
− 2つのサイドポスト66と、
− サイドポスト16どうしを接続する上端の棒体67と、
− 1対の対角上側アーム69によって両方のサイドポスト66に接続された中央アイランド68と、及び
− ブリッジ71によって中央アイランド68に、そして、1対の下側対角アーム72によってサイドポスト66に接続された下側プラットフォーム70と
を有する。
【0059】
したがって、付加的プレート65とフレーム13が重なり合っているとき(
図2、
図7)、これらは互いに他方が延長された箇所に延在する。
【0060】
付加的プレート65を金属材料(例、鋼)で作ることができる。このような場合、付加的プレート65を、薄いシート状の金属要素を切断することによって(典型的には、レーザー切断又はウォータージェット切断)、作ることができる。金属材料の利点は、構造的剛性をムーブメント12に与えることであり、このことによって、時間ディスプレー手段27の動作精度が改善する。
【0061】
図面、特に、
図6に示している特定の実施形態によれば、電子回路61は、付加的プレート65上に直接形成されない。この目的のために、ムーブメント12には、電子回路61を搭載するプレート73がある。
【0062】
プレート73は、絶縁材料、例えば、高分子、又はファイバー強化ポリマーマトリックスを含有する複合材料(典型的には、炭素複合材料)、で作られている。
【0063】
図6に示すように、プレート73は、フレーム13と付加的プレート65の中心部に対して実質的に相補的な輪郭を有する。特に、図示した例において、プレート73の輪郭は、アイランド20、68、ブリッジ23、71、下側プラットフォーム22、70、及び下側アーム24、72に対して相補的である。
【0064】
電子回路61は、プレート73上に搭載された、水晶62(振動素子がケース内に収容されており見えていない)や制御回路63を含む様々なコンポーネントを有する。導電体64は、プレート73上にて直接メタライズされており、このような導電体64は、様々なコンポーネントどうしを接続して、エネルギーや情報の伝達を行う。
【0065】
また、パッド74、75もプレート73上にて直接メタライズされており、特に、以下の特徴を有する。
− 1対の電流コンタクトパッド74が、プレート73上に形成される突起76に配置されている。
− 1対のパッド75が、(制御回路63からの)電気信号を電磁石に伝達する。
【0066】
プレート73は、付加的プレート65とフレーム13の間にて、付加的プレート65上にマウントされる。
【0067】
いずれの過剰厚みをも形成せずにプレート73をフレーム13上にて(電気回路61とともに)組み立てることを可能にするために、このフレーム13は、中央アイランド20、ブリッジ23、プラットフォーム22及び下側アーム24にて薄くされる(
図5を参照)。
【0068】
フレーム13に対するプレート73の正確なポジショニングを確実にするために、プレート73には、フレーム13の下側アーム24の端から突き出るピン78の上に位置する穴77が形成される。
【0069】
特定の実施形態によると、ムーブメント12は、プレート73と付加的プレート65の間に挿入されるスペーサー79を有する。
【0070】
このスペーサー79は、プレート73と同様な輪郭を有し、電気的絶縁材料で作られている。このスペーサー79の機能は、付加的プレート65からプレート73を電気的に絶縁して、電子回路61におけるいずれの短絡をも防ぐことである。また、フレーム13に対するスペーサー79のポジショニングも、プレート73に形成されピン78の上に位置する穴80によって達成される。
【0071】
制御回路63は、水晶62から所定の固定周波数パルスを受ける。この固定周波数パルスによって、電磁石57に送られる交流電気信号がクロックされる。
【0072】
図示している特定の実施形態、特に、
図4において、電磁石57は、ステーター58と(電気的に)接触しているフレーム13と付加的プレート65の間に挿入された金属棒体82に巻かれたコイル81を有する。また、
図4において、棒体83にはポジショニング用の穴83が形成され、このポジショニング用の穴83がピン78の上に配置される。
【0073】
電磁石57は、ステーター58を磁化する。この磁化の極性は、コイル81を通り抜ける制御回路63からの交流電気信号によって定められる期間ごとに逆転する。
【0074】
図示した例において、ステーター58は、フレーム13と付加的プレート65の間に、特に、フレーム13と電磁石57の棒体82の間に、挿入された付加的部品の形態である。
【0075】
ステーター58には、V形の2つのアーム84があり、これらは交点85にて連結されている。交点85とは反対側のアーム84の2つの端において、アーム84には、ポジショニング用の穴86が形成され、このポジショニング用の穴86がピン78の上に配置される。
【0076】
ステーター58には、その交点85にて、中央ボア87が形成されており、この中央ボア87内にローター59が収容される。ローター59には、磁化された慣性ブロック88が設けられる。この慣性ブロック88は、ステーター58の極性の変化によって駆動され、所定の角度ごとの順次的回転運動をするようにローター59を動かす。
【0077】
ローター59にはアーバー89が設けられる。ローター59は、自由回転をするようにフレーム13と付加的プレート65の間、具体的には、フレーム13とプレート73の間、にてマウントされる。これらのフレーム13と付加的プレート65にはそれぞれ、アーバー89をガイドするための同軸の穴90、91がある。
【0078】
図示している実施形態、特に、
図4と
図5において、フレーム13と付加的プレート65の間に減速機構55もマウントされる。
【0079】
図3に示すように、減速機構55には、ローターピニオン60と噛み合う中間車92と、及び中間車92と分車36と噛み合う第3の車93とがある。
【0080】
中間車92と第3の車93にはそれぞれ、対応するアーバー94、95があり、これは、フレームに形成された穴96、97とプレート73に形成された対応する穴98、99によってガイドされる。
【0081】
第6に、腕時計1は、フレーム13の上側カットアウト25内に収容される円筒状のボディー101と、及びボディー101から半径方向に突き出ておりフレーム13と付加的プレート65の間に挿入されるタブ102とを備える電池ハウジング100を有する。
【0082】
特に、タブ102には、フレーム13に形成された突き出ているピン104に裏面側15にて嵌まるボア103が形成されている。
図5に示している例において、タブ102の数は(ピン104のように)4つであり、2つのピン104が、上側アーム21の実質的に中央に位置しており、第3のピン104が、中央アイランド20に位置しており、第4のピン104が、上端の棒体19の中央に位置している。
【0083】
少なくともピン104のいくつか(この場合、上側アーム21に形成されたピン104と上端の棒体19に形成されたピン104)は、好ましいことに、フレーム13の裏面に、タブ102に対して実質的に相補的であるように、形成された空欠部105内にて形成され、この空欠部105内にタブ102が嵌められる。
【0084】
ハウジング100は、ボタンセル電池、典型的には、リチウム電池、を受けるように構成しており、この電池106には、電池106の周部を形成するアノード107(陽極)と電池106の片側面を形成するカソード108(陰極)がある。
【0085】
電池106からの電流を拾い上げて電子回路61に電気的にパワー供給するために、腕時計1は、ハウジング100内に部分的に収容される以下の1対のコンタクターを有する。すなわち、
− アノード107と側方接触する細長材110と、及び穴112が開けられ電子回路61のコンタクトパッド74に接触する外部突起111とを有するアノードコンタクター109と、
-カソード108に接するディスク114と、及び穴116が開けられ電子回路61の他のコンタクトパッド74に接触する外部突起115とを有するカソードコンタクター113と
である。
【0086】
特に
図4に示した実施形態によると、ハウジング100には、カソードコンタクター113のディスク114の概観を見せるカットアウト117が形成されている。したがって、ディスク114にエッチングして、ディスク114上に、印、例えば、腕時計1が販売される商標に関連する印、を刻印することができる。
【0087】
腕時計1を組み立てるために、以下の手順を行う。
【0088】
最初に、
図3に示すように、時間ディスプレー手段27が組み立てられフレーム13にマウントされる。
【0089】
このために、アーバー28は、中央ボア29に圧入されることによって、フレーム13に、その裏面側15にて、マウントされる。
【0090】
分針34と分車36を有するサブアセンブリーが形成され、リベット37によって一緒に固定されて、自由回転するようにアーバー28の第1の肩部30にマウントされる。
【0091】
そして、太陽車42がアーバー28の第2の肩部31に押し込まれる。
【0092】
外サイクロイド列48は、上側惑星車50を下側惑星車49上に固定することによって形成される。そして、外サイクロイド列48は、下側惑星車49が太陽車42と噛み合うことを確実にしつつ、リベット51のボア53内、そして、プレート41に形成された穴54内に(圧入されて)、(自由回転するように)嵌められるピン52によって分針34にマウントされる。
【0093】
次に、時車43と時針35を有するサブアセンブリーが、時針35をブッシュ44上に押すことによって形成される。そして、このサブアセンブリーは、時車43と太陽車42の間に曲がったワッシャー49が挿入されるようにして、自由回転するようにアーバー28の第3の肩部32上にマウントされる。
【0094】
そして、ナット47がスタッド33にねじ込まれて、時車43と時針35を有するサブアセンブリーをブッシュ44上に保持する。このようにして、時間ディスプレー手段27は、フレーム13と一体化される。
【0095】
そして、裏面15が上向きになるようにフレーム13を反転させて、電池ハウジング100、モーター56、減速機構55及び電子回路61の組み立ての準備ができる。
【0096】
ステーター58は、まず、このステーター58を下側プラットフォーム22に添えて、ポジショニング用の穴86をピン78の上に位置させることによって、マウントされる。
【0097】
そして、ローター59は、そのアーバー89を穴90内に入れることによってマウントされ、このとき慣性ブロック88はステーター58のボア87内に収容される。そして、第3の車93が、そのアーバー95を穴97内に配置することによってマウントされ、その後に、中間車92が、そのアーバー94を穴96内に配置することによってマウントされる。電磁石57は、ピン78の上に棒体82のポジショニング用の穴82を配置することによってマウントされる。
【0098】
このときには、電池ハウジング100がフレーム13上にマウントされているべきである。このために、タブ102が空欠部105内に嵌められる。そして、ボア103がピン104の上に配置される。そして、カソードコンタクター113が加えられて、ディスク114を電池ハウジング100の底部に配置し、穴116を上側アーム21の1つのピン104の上に配置する。そして、細長材110を電池ハウジング100に挿入し、穴112を他方の上側アーム21のピン104の上に配置しつつ、アノードコンタクター109を加える。
【0099】
そして、電池106をハウジング100内に挿入することができ、カバー(図示せず)によってハウジング100を閉じることができる。変種の1つにおいて、電池106は、裏蓋9によってケース100内に保持されるように意図されている。
【0100】
そして、電子回路61、スペーサー79及び付加的プレート65を担持しているプレート73が、フレーム13上に加えられて(この順序で)マウントされる。その際、
− プレート73にある穴77が、フレーム13のピン78の上に配置される。
− スペーサー79にある穴80も、フレーム13のピン78の上に配置される。
− プレート73の穴91内に、ローターアーバー89が配置される。
− 中間車92のアーバー94が、プレート73にある穴98内に配置される。
− 第3の車93のアーバー95が、プレート73にある穴99内に配置される。
【0101】
そして、付加的プレート65がフレーム13に取り付けられるように加えられて、プレート73とスペーサー79をカバーする。プレート65は、ねじ118によって、フレーム13に直接取り付けられる。このねじ118は、プレート65に形成された穴119を通り抜けて、その後に、ピン78、104に形成されたボア120内にて係合する。
【0102】
このようにして、
図7及び
図2(の部分断面図)に示すように、ムーブメント12のアセンブリーが完了する。(電池106によって電子回路61にパワー供給されていることを前提として)ムーブメント12は動作可能である。ムーブメント12は、構造的かつ動作的に、ケースミドル部2と裏蓋9に依存していない(ここではいずれの時間訂正機構も考慮していない)。
【0103】
そして、ムーブメント12をケースミドル部2内にマウントすることができる。このために、ムーブメント12を内部空間7にて嵌める。ムーブメント12の適切なポジショニングを確実にするために、ケースミドル部2には、好ましいことに、その内周上にて、リム121があり、このリム121上に、ムーブメント12(そして、特に、付加的プレート65)が支えられることになる。ケースミドル部2に対するムーブメント12の取り付けは、ねじ122によって達成することができる。このねじ122は、リム121上に形成された突き出ている膨らみ124に形成されたボア123を通して、付加的プレート64内にて、又はフレーム13内にて直接的に係合する。
【0104】
裏蓋9は、ねじ10によって前面6に固定される。風防8が裏面5に加えられ、ベゼル11によって裏面5に固定される。ベゼル11は、圧入又はねじ(図示せず)によってケースミドル部2に固定される。
【0105】
既に言及したように、動作時には、制御回路63は、圧電性水晶62から受けたパルスに応じて、電磁石57に送られる交流電気信号を生成する。この電磁石57のステーター58が、順次的な回転運動を行うようにローター59を動かす。ローター59の回転は、ギヤ減速が行われるように、ピニオン60、中間車92及び第3の車93を介して、分車36へと伝達される。分車36(そして、これとともに分針34)が1時間で完全な1回転をするように、制御回路63がプログラムされピニオン60と車36、92、93の寸法構成が決められている。
【0106】
rと記載される太陽車42と時車43の間の減速比が1:12であるように、太陽車42、外サイクロイド列48及び時車43の寸法構成が決められている。
【0107】
N1は、太陽車42の歯数であり、N2は、下側惑星車49の歯数であり、N3は、上側惑星車50の歯数であり、N4は、時車43の歯数であると、減速比rは、
【0109】
したがって、1:12の減速比を得るためには、下記のようにN1、N2、N3及びN4の数を選ぶことができる。
N1=33
N2=36
N3=46
N4=46
【0110】
ムーブメント12の構造、そして、特に、その(時間ディスプレー手段27を支える)フレーム13と(電子回路61を支える)付加的プレート65へと分けたことによって、ムーブメント12をケースミドル部2から分離することができる。このことには、以下の利点がある。
− ムーブメント12へのアクセスを必要とする腕時計1におけるあらゆる分解操作の間にも、フレーム13と付加的プレート65の間に挟まれた電子回路61が、衝撃と応力からうまく保護される。
− 電子回路61は、裏蓋9からの熱保護が良好であることの恩恵を受け、したがって、裏蓋が被る応力や熱サイクルから保護される。
− 腕時計1内の分解操作時に裏蓋9を外しても、ムーブメント12の動作に影響を与えない。なぜなら、電子回路61、モーター56及び時間ディスプレー手段が一体化されたままだからである。