特許第6556919号(P6556919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッドの特許一覧
<>
  • 特許6556919-発光表示デバイス 図000002
  • 特許6556919-発光表示デバイス 図000003
  • 特許6556919-発光表示デバイス 図000004
  • 特許6556919-発光表示デバイス 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556919
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】発光表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/30 20060101AFI20190729BHJP
   G04B 45/00 20060101ALI20190729BHJP
   G01D 11/28 20060101ALI20190729BHJP
   G03H 1/00 20060101ALI20190729BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G04B19/30 C
   G04B45/00 Z
   G01D11/28 Z
   G01D11/28 B
   G03H1/00
   G02B5/18
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-149944(P2018-149944)
(22)【出願日】2018年8月9日
(65)【公開番号】特開2019-53047(P2019-53047A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2018年8月9日
(31)【優先権主張番号】17187011.6
(32)【優先日】2017年8月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクワーレ・トルトラ
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−225077(JP,A)
【文献】 特開平6−289169(JP,A)
【文献】 特許第3140046(JP,B2)
【文献】 国際公開第86/05269(WO,A1)
【文献】 国際公開第99/44082(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/30
G01D 11/28
G02B 5/18
G03H 1/00
G04B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器デバイス内に組み込んだホログラム表示デバイスであって、前記ホログラム表示デバイスは、光源(3、4、103)を周縁端部に有する少なくとも1つの可動針(1、2、101)、及び少なくとも1つのホログラム(8、9、108、109)を周縁部に備える時計ガラス(5)を備え、前記光源(3、4、103)は、前記針(1、2、101)の上に配置し、前記針が前記ガラスの所定の角度区分に移動した際に前記光源(3、4、103)が前記ホログラム(8、9、108)を再構成するようにする、ホログラム表示デバイス。
【請求項2】
前記複数のホログラム(8、9、108)は、少なくとも1つの外周部(214)の上に配設し、前記針が前記対応する角度区分に移動した際に前記ホログラム(8、9、108、209)を連続的に再構成する、請求項1に記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記計時器デバイスは、1つの光源を各針の上に配設した第1の針(1)及び第2の針(2)を含み、前記複数のホログラムは、第1の外周部及び第2の外周部の上に配設し、前記第1の外周部の上に配設したホログラムを、前記第1の針からの光により連続的に再構成し、前記第2の外周部の上に配設したホログラムを、前記第2の針からの光により連続的に再構成するようにする、請求項2に記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記ガラスは、全反射の臨界角よりも大きい角度で光を回折するように前記ガラスの内表面に配置した少なくとも1つの回折格子(6、7)を含み、前記少なくとも1つのホログラムは、好ましくは全反射の後、回析ビーム(11)によって前記ガラス(5)の外表面で再構成されるように前記ガラス(5)の上に配設する、請求項1に記載の表示デバイス。
【請求項5】
前記回析格子は、ブレーズド格子又はホログラフィック格子である、請求項3に記載の表示デバイス。
【請求項6】
複数の回析格子(215)は、少なくとも1つの第1の外周部(216)の上に配設し、複数のホログラム(209)は、第2の外周部(214)の上に配設し、前記針(1、2)の周縁端部の光源は、使用中、前記第1の外周部の回析格子を連続的に照らすように構成し、回析光は、前記第2の外周部上で対応するホログラムを連続的に再構成する、請求項4又は5に記載の表示デバイス。
【請求項7】
使用中、第3の外周部の上に配設した複数の回析格子を連続的に照らすように構成した第2の光源を含む第2の針を備え、回析光は、第4の外周部の上に配設した複数のホログラムを連続的に再構成する、請求項6に記載の表示デバイス。
【請求項8】
前記光源(複数可)は、発光ダイオード(LED)、レーザー・ダイオード及び垂直共振器レーザー・ダイオードからなる群から選択される主要光源を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記光源は単色である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光源(複数可)は、前記針の内部に収容した導波路を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ホログラムは、前記ガラス(5)の内表面上にエッチング、打抜き、エンボス加工又は成型した3次元構造を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計(ウォッチ又はクロック)のための発光表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
時計産業では、特に暗い環境又は暗闇における、時計(ウォッチ及びクロック)の表示に対する改良を常に求めている。例えば、夜間表示用、又は要求に応じて起動する内部照明用に燐光マーキングを使用することによって、時間のシンボル及び針を照らすものがある。更に、独創的な表示デバイスは、時計製造業者が自身を競合者から差異化することも可能にしている。
【0003】
例として、欧州特許文献EP2950167及びEP2950166は、針の上に直接配設するか又は内部に配設した光源を介した照明を提案している。この文献では、光源は、針の周縁端部に直接配設されるか、又は回転軸の近傍に配設されている。後者のケースでは、針は、針に沿って光を案内する導波路を含む。
【0004】
国際公開第86/05269号は、時間のシンボルを、外部光源から再構成されるホログラムに置き換えることを提案している。この文献の主な目的は、再構成されるシンボルの虚像の平面を針と同じ平面に置くことによって視差をなくすことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP2950167
【特許文献2】EP2950166
【特許文献3】国際公開第86/05269号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、計時器デバイス内に組み込んだホログラム表示デバイスに関し、ホログラム表示デバイスは、光源を周縁端部に有する少なくとも1つの可動針、及び少なくとも1つのホログラムを周縁部に備えるガラスを備え、上記光源は、針の上に配置し、針がガラスの所定の角度区分に移動した際に光源が上記ホログラムを再構成するようにする。
【0007】
有利には、複数のホログラムは、少なくとも1つの外周部の上に配設し、針が対応する角度区分に移動した際に、ホログラムを連続的に再構成するようにする。これら複数のホログラムは、例えば、時計の時間又は分のシンボルを含む。
【0008】
計時器デバイスが、第1の針及び第2の針を含む場合、1つの光源は、有利には、各針の上に配設し、複数のホログラムは、第1の外周部及び第2の外周部の上に配設し、第1の外周部の上に配設したホログラムを、第1の針からの光により連続的に再構成し、第2の外周部の上に配設したホログラムを、第2の針からの光により連続的に再構成するようにする。
【0009】
有利には、表示デバイスのガラスは、全反射の臨界角よりも大きい角度で光を回折するようにガラスの内表面に配置した少なくとも1つの回折格子を含み、少なくとも1つのホログラムは、好ましくは全反射の後、回析ビームによってガラスの外表面で再構成されるようにガラスの上に配設する。
【0010】
好ましくは、回析格子は、ブレーズド格子又はホログラフィック格子である。
【0011】
有利には、複数の回析格子は、少なくとも1つの第1の外周部の上に配設し、複数のホログラムは、第2の外周部の上に配設し、針の周縁端部の光源は、使用中、第1の外周部の回析格子を連続的に照らすように構成し、回析光は、第2の外周部上に対応するホログラムを連続的に再構成する。
【0012】
この後者の実施形態では、第2の針が存在する場合、第2の針は、使用中、第3の外周部の上に配設した複数の回析格子を連続的に照らすように構成した第2の光源を含み、回析光は、第4の外周部の上に配設した複数のホログラムを連続的に再構成する。
【0013】
有利には、光源(複数可)は、発光ダイオード(LED)、レーザー・ダイオード及び垂直共振器レーザー・ダイオードからなる群から選択される主要光源を含む。この主要光源は、好ましくは、単色光源である。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、異なる針の光源は、異なる波長で発光し、同じ角度区分の針が、ホログラムの位置によってではなく、色によって区別されるようにする。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、光源(複数可)は、針の内部に収容した導波路を含む。
【0016】
有利には、ホログラム及び/又は回折格子(複数可)は、ガラスの内部表面上にエッチング、打抜き、エンボス加工又は成型した浮出し部分を含む(又は浮出し部分から構成される)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一例示的実施形態の概略図である。
図2】本発明の簡略的な別の例示的実施形態の図である。
図3】本発明の好ましい実施形態の断面図である。
図4】本発明による時計の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、動的ホログラム表示デバイスに関し、この表示デバイスは、時計の針の端部における光源3、4の移動を使用する。
【0019】
本発明の最も単純な実施形態では、図2に示すように、針101の端部に配設した光源103は、時計ガラス105の一面に配設したホログラム108を背面から照らす。光源103は、針が決定した角度区分に移動した際、ホログラム108を介して所望の表示虚像112を(適切な角度及び波長で)再構成するように構成する。
【0020】
有利には、針がこれらのホログラムのそれぞれの下を通過する際に連続的に再構成されるように、複数のホログラムを外周部上に配設する。例えば、こうしたホログラムのそれぞれは、1日のうちのある時間に対応する。
【0021】
好ましくは、ホログラムは、2つの外周部上に配設し、1つは、時針に対向し、もう1つは、分針に対向し、第1の外周部は、時間のシンボルのホログラムを含み、第2の外周部は、分のシンボルを含む。
【0022】
ホログラムの再構成に適したあらゆる光源を使用することができる。しかし、最も適した光源は、小型化、及び発光させる光の種類の両方の観点から、LED(発光ダイオード)及びVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)である。これらの光源は、ホログラムを再構成するのに十分な空間的及び時間的コヒーレンスを有する。
【0023】
有利には、1つ又は複数のホログラム8、9、108、209は、時計ガラス5の内面上に配設する。この構成により、時計を扱う際の摩耗又は汚れによりホログラムを損傷することを回避する。
【0024】
好ましくは、ホログラムは、ガラス表面上の浮出し部分によって得られ、打抜き、成型、エッチング等の大量生産の器具の使用を可能にする。
【0025】
上述の実施形態の1つの欠点は、時計の場合、針101と時計ガラス105の内面との非常に短い距離がかなり制限され、光源が照らす領域を制限し、事実上、ホログラム112が見えるサイズを制限することである。
【0026】
この欠点を克服するために、図1図3及び図4の好ましい実施形態は、より大きなホログラムによる再構成を可能にする間接照明を使用する。
【0027】
この実施形態では、針の光源は、もはやホログラム8、9を直接照らすのではなく、光を所定の角度で回折する回折格子6、7を照らす。有利には、この回折角度は、全反射の臨界角よりも大きく、回析ビーム11が反射ビーム10を生成し、次に、反射ビーム10がホログラム8及び9を照らすようにする。この形状は、再構成したホログラムが光源の上に重ならず、直接グレアをなくすことを含めて多くの利点を有する。またこの場合、ホログラムは、Y.Denisyukの発明したホログラフィ形状に関連する技法を使用して読み取られ、実像が虚像の上に重ならないようにすることを可能にする。
【0028】
図4に示すように、本発明のデバイスは、好ましくは、第1の外周部216上に配設した複数の回折格子215を含み、複数の回折格子215は、針1の端部で光源が放出した光を、第2の外周部214上に配設した対応するホログラム209に向けて回析する。
【0029】
複数の回折格子は、有利には、格子を形成する同心リングから構成した円形回析格子に置き換えることができる。この格子は、針が2つのホログラムの間に配設された際にホログラム・シンボル領域を優先的に照らすように、円形又はわずかに変形したリングから形成することができる。
【0030】
有利には、回折格子(複数可)は、ブレーズド格子又はホログラフィック格子であり、屈折光を所定角度で最大にする(即ち、所望の屈折角度を引き起こす屈折モードにおける光の割合を最大にする)。
【0031】
ホログラムのように、回折格子は、好ましくは、時計ガラスの内表面に配設され、成型、エッチング、エンボス加工することができる3次元浮出し部分によって形成する。
【0032】
本発明の最も精密な実施形態では、異なる直径のいくつかの針は、異なる回折格子を照らし、異なる回折格子は、例えば時間及び分(又は秒)に対応するホログラムを照らす。
【0033】
有利な代替形態は、異なる針に対応してホログラムを空間的に分離するのではなく、異なる針の光源に異なる波長を使用することである。この場合、時間、分(及び可能性としては秒)は、異なる色で出現するだけでなく異なるサイズでも出現し、再構成される像のサイズは、波長の相関的要素である。
【符号の説明】
【0034】
1 針
2 針
3 光源
4 光源
5 時計ガラス
6 回折格子
7 回折格子
8 ホログラム
9 ホログラム
11 回析ビーム
101 針
103 光源
108 ホログラム
109 ホログラム
209 ホログラム
214 第2の外周部
215 回析格子
216 第1の外周部
図1
図2
図3
図4