(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
植物原材料と、第一の糖とを、乳酸菌または酵母を含む第一の容器中で混合し、50℃以下の温度で、前記植物原材料に由来する酵素と、前記乳酸菌または前記酵母とを含む植物エキスを抽出する工程と、
前記植物エキスを、10℃以上50℃以下の第一次発酵温度で、前記乳酸菌または前記酵母菌により発酵させて、エタノールを含む第一次植物発酵液を得る第一次発酵工程と、
前記第一次植物発酵液を、前記第一次発酵温度よりも低い第二次発酵温度で発酵させて第二次植物発酵液を調製する第二次発酵工程と、
前記第二次植物発酵液から前記エタノールを除去する工程と、
をこの順で含み、
前記エタノールを除去する前記工程が、60〜90kPaの圧力下、60〜85℃の温度で実施される、容器詰め植物発酵飲料の製造方法。
前記糖が、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器詰め植物発酵飲料の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
【0009】
<植物発酵飲料>
本実施形態の植物発酵飲料は、植物原材料に由来する植物発酵エキスを含む。
植物発酵飲料とは、希釈をせず、そのまま経口摂取できるものを意図する。ただし、植物発酵飲料を需要者の好みに応じて希釈してから経口摂取することを制限するものではない。
【0010】
〔植物発酵エキス〕
植物発酵エキスは、植物原材料に由来する発酵物を濃縮したエキスを含むものである。これにより、良好なコク感が得られるようになる。かかる植物原材料としては、食用にされる植物であれば特に限定されず用いることができるが、栄養面および健康面においてバランスのよい発酵健康食品を実現する観点から、菌茸類、根菜類、葉茎類、果菜類、果実類の各分類からそれぞれ選択された植物原材料に由来する発酵エキスを含むものであることが好ましい。
【0011】
上記の菌茸類としては、シイタケ、マイタケ、エノキタケ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサダケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギダケ、チチタケ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ポルチーニ茸、ホンシメジ、マツタケ、ヤマブシタケ等が挙げられる。これらの中から3種以上を選択することが好ましい。
【0012】
上記の根菜類としては、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、レンコン、ショウガ、ナガイモ、カブ、ヤマイモ、サツマイモ、サトイモ、ユリ根、ラッキョウ、ハツカダイコン、ビート、ワサビ、ホースラディッシュ、およびチョロギ等が挙げられる。これらの中から5種以上を選択することが好ましい。
【0013】
上記の葉茎類としては、タマネギ、ミョウガ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニク、キャベツ、キュウリ、菜の花、ニラ、アスパラガス、ホウレンソウ、小松菜、水菜、芽キャベツ、ルッコラ、レタス、白菜、高菜、パセリ、春菊、ネギ、ウド、タラの芽、フキ、クレソン、つまみ菜、かつお菜、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、サニーレタス、茶葉、こごみ、エシャロット、クマザサ、青ジソ、アシタバ、ミツバ、モロヘイヤ、チャービル、ワケギ、ヨモギ、ローズマリー、バジル、オレガノ、セージ、わかめ、ケール、サンチュ、セリ、セロリ、タアサイ、スズシロ、チンゲン菜、空芯菜、野沢菜、浅葱、タケノコ、アーティチョーク、ずいき、およびフキノトウ等が挙げられる。これらの中から8種以上を選択することが好ましく、10種以上を選択することがより好ましい。
【0014】
上記の果菜類としては、ナス、トマト、ミニトマト、緑ピーマン、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガン、ウリ、シシトウ、オクラ、黒ゴマ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、クレススプラウト、大豆モヤシ、イチゴ、メロン、スイカ、サンチュ、緑豆モヤシ、アボカド、インゲン、ゴーヤ、モロッコインゲン、小豆、トウモロコシ、エダマメ、ソラマメ、大豆、およびラッカセイ等が挙げられる。これらの中から8種以上を選択することが好ましく、10種以上を選択することがより好ましい。
【0015】
上記の果実類としては、リンゴ、パイナップル、バナナ、ビワ、サクランボ、マンゴー、ブドウ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、ザクロ、モモ、ナシ、梅、柿、ブルーベリー、ラズベリー、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、プルーン、カリン、洋ナシ、サクランボ、アンズ、スモモ、カシス、クランベリー、ハスカップ、オリーブ、マキベリー、およびアサイー等が挙げられる。これらの中から8種以上を選択することが好ましく、10種以上を選択することがより好ましい。
【0016】
さらに、植物原材料として、黒米、黒豆、黒もちあわ、もち玄米、もちあわ、キビ、大麦、及び赤米からなる群より選択される3種以上を含むことが好ましい。
【0017】
また、本実施形態の植物発酵飲料は、食品添加物を更に含有してよい。当該食品添加物の具体例としては、例えば、食塩、香辛料、酵素、澱粉、デキストリン、エキス類(例、酵母エキス、野菜エキス、魚介エキス等)、酸化防止剤、保存料、着色料、香料等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
本実施形態の植物発酵飲料のpH(20℃)は、良好な嗜好性を得る観点から、2.5〜4.5であることが好ましい。
また、本実施形態の植物発酵飲料のブリックス値(20℃)は、35°〜65°であることが好ましく、35°〜50°であることがより好ましい。こうすることにより、後味のすっきり感が得られやすくなり、良好な嗜好性が保持される。
【0019】
また、本実施形態の植物発酵飲料の粘度は、2mPa・s以上、60mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上、50mPa・s以下であることがより好ましい。
植物発酵飲料の粘度を下限値以上とすることにより、適度なまろやかさが得られ、嚥下を抑制し、飲み込みやすくなる。一方、植物発酵飲料の粘度を上限値以下とすることにより、飲料として希釈せずに経口摂取しやすくなり、良好なのど越しが得られるようになる。
【0020】
本実施形態の植物発酵飲料は、容器詰めされていてもよい。容器としては、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。
【0021】
また、本実施形態の植物発酵飲料は、美容食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品の表示を付した製品として消費者に提供されてもよい。
【0022】
<植物発酵飲料の製造方法>
植物発酵エキスの製造方法は、植物エキスの抽出工程、第一次発酵工程、第二次発酵工程、およびエタノール除去工程を有する。以下、詳細に説明する。
なお、本明細書において、「発酵」とは、系内に存在する成分を微生物の菌体内に存在する酵素により分解する現象を指す。一方、「熟成」とは、系内に存在する成分を、微生物の菌体内に存在する酵素ではない当該系内に存在する他の酵素で分解する現象を指す。
【0023】
(植物エキスの抽出工程)
植物原材料と、第一の糖とを、乳酸菌または酵母を含む第一の容器中で混合し、50℃以下の温度で、前記植物原材料に由来する酵素と、前記乳酸菌または前記酵母菌とを含む植物エキスを抽出する。
まず、非加熱状態にある植物原材料と、糖と、乳酸菌および/または酵母とを容器で混合することによって、糖の浸透圧を利用して、植物原材料から植物エキスを抽出する。
植物原材料は、糖を加えることにより、後述する発酵工程において腐敗、乳酸菌や酵母の細胞内において生じる乳酸発酵やアルコール発酵により、乳酸、二酸化炭素およびエタノールなどの代謝生成物に分解されることになる。
第一の糖としては、例えば、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、非加熱状態にある植物原材料を使用することで、仕込み段階において植物原材料中に含まれている各種成分が熱変性してしまうことを防ぐことができる。なお、非加熱状態とは、50℃より高い温度となるような加熱処理を施していない植物原材料のことを指す。
混合方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
【0024】
乳酸菌および/または酵母としては、容器内に添加してもよいが、予め容器に付着したものであってもよく、例えば、酵母または乳酸菌が棲みついたヒノキ樽やスギ樽といった木製樽を使用することが好ましい。
【0025】
抽出工程は、雑菌の増殖を抑制しつつ、効率よく植物エキスを抽出する観点から、50℃以下で行われ、4℃以上30℃以下が好ましく、10℃以上25℃以下がより好ましい。
【0026】
また、抽出時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく植物エキスを抽出しつつ、腐敗を抑制する観点から、3日以上、50日以下とすることが好ましい。
【0027】
(第一次発酵工程)
前記植物エキスを、10℃以上50℃以下の第一次発酵温度で、前記乳酸菌または前記酵母菌により発酵させて、エタノールを含む第一次植物発酵液を得る。
乳酸菌または酵母菌による第一次発酵により、エタノールが生成する。
第一次発酵温度は、10℃以上50℃以下であり、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、30℃以上50℃以下に制御することが好ましい。
また、第一次発酵時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく発酵させることが可能であり、かつ熟成が生じない条件に制御できるのであれば、特に限定されないが、好ましくは、0.5か月以上5年以内であり、より好ましくは、1か月以上1年以内であり、さらに好ましくは、1か月半以上6か月以内である。
【0028】
また、第一次発酵は、抽出工程で用いたられた容器とは異なる容器内で行われることが好ましく、抗菌作用を有する第二の容器内で行われることがより好ましい。
【0029】
第一次発酵する際、抽出工程ですでに含まれている乳酸菌または酵母による作用を継続させてもよく、また新たに乳酸菌または酵母を添加してもよい。
【0030】
(第二次発酵工程)
第一次植物発酵液を第二次発酵温度で発酵させて第二次植物発酵液を調製する。
第二次発酵は、第一次発酵よりも低い温度で行う。これにより、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による作用を活かし、植物原材料がもつ有効成分を最大限に得ることができる。第二次発酵においては、発酵物がより腐敗しやすい状態にあるため、新たな雑菌が増殖しないよう、作業および条件を高度かつ精密に制御することが重要となる。
【0031】
第二次発酵温度は、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、4℃以上30℃以下に制御することが好ましく、4℃以上20℃以下に制御することがより好ましい。
【0032】
第二次発酵時間は、特に限定されないが、好ましくは、3日以上4か月以内であり、より好ましくは、7日以上3か月以内である。
【0033】
また、第二次発酵工程において、第一次植物発酵液に第二の糖を加えて発酵させることが好ましい。これにより、第二次発酵を進行しやすくさせるとともに、雑味の発生を抑制しやすくなる。
第二の糖としては、上記の第一の糖と同じものを用いることができる。第一の糖と、第二の糖とは、同じであっても、異なっていてもよいが、発酵を生かす観点からは、同じであることがよい。
【0034】
また、第二次発酵は、第一次発酵工程で用いたられた容器とは異なる容器内で行われることが好ましく、抗菌作用を有する第二の容器内で行われることがより好ましい。抗菌作用を有する第二の容器としては、たとえば、金属製の容器が挙げられる。
【0035】
第二次発酵する際、抽出工程または第一次発酵工程ですでに含まれている乳酸菌または酵母による作用を継続させてもよく、また新たに乳酸菌または酵母を添加してもよい。また、第二次発酵により、さらにエタノールが生成してもよい。
【0036】
ここで、乳酸菌または酵母は、一般的に、無酸素状態でも生育することが可能な嫌気性細菌であるといわれている。一方で、乳酸菌や酵母の生育状態は、好気性条件下である方が良好であるといわれている。そのため、二次発酵工程においては、たとえば、酸素を導入しながら第二次発酵を行うことが好ましい。
【0037】
(エタノール除去工程)
得られた第二次植物発酵液からエタノールを除去する。すなわち、第二次植物発酵液を濾過し、植物原材料の残渣を除去し、濾液からエタノールを除去する。適度にエタノールを除き、良好なのど越しを得る観点から、60〜90kPaの圧力下、60〜85℃の温度で実施されることが好ましい。エタノールは、第一次発酵工程において生成したものだけではなく、第二次発酵工程において生成したものを含んでもよい。なお、エタノールは、完全に除去されなくてもよい。
またさらに、エタノールが除去された第二次植物発酵液を滅菌してもよい。これにより、第二次発酵工程後において、雑菌が繁殖するのを抑制できるとともに、嗜好性を良好にできる。
【0038】
(後工程)
エタノール除去後に得られた植物発酵液は、さらに、pHおよび糖度を調整する工程、消費者に提供するための容器に充填する工程、滅菌工程等に供されたのち、植物発酵飲料製品として提供される。
【0039】
以上のようにして、本実施形態における植物発酵飲料を得ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
植物原材料と、第一の糖とを、乳酸菌または酵母を含む第一の容器中で混合し、50℃以下の温度で、前記植物原材料に由来する酵素と、前記乳酸菌または前記酵母菌とを含む植物エキスを抽出する工程と、
前記植物エキスを、10℃以上50℃以下の第一次発酵温度で、前記乳酸菌または前記酵母菌により発酵させて、エタノールを含む第一次植物発酵液を得る第一次発酵工程と、
前記第一次植物発酵液を第二次発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二次発酵工程と、
前記第二次植物発酵液から前記エタノールを除去する工程と、
をこの順で含む、植物発酵飲料の製造方法。
<2>
前記エタノールを除去する前記工程が、60〜90kPaの圧力下、60〜85℃の温度で実施される、<1>に記載の植物発酵飲料の製造方法。
<3>
前記第二次発酵工程において、前記第一次植物発酵液に第二の糖を加えて発酵させる、<1>または<2>に記載の植物発酵飲料の製造方法。
<4>
前記植物発酵飲料のブリックス値が、35°〜65°である、<1>乃至<3>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<5>
前記第一次発酵工程が、抗菌作用を有する第二の容器内で行われる、<1>乃至<4>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<6>
前記糖が、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>乃至<5>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<7>
前記第一次発酵温度が、30℃以上50℃以下である、<1>乃至<6>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<8>
前記植物エキスを抽出する前記工程が、前記第一次発酵温度よりも低い温度で実施される、<1>乃至<7>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<9>
前記第二次発酵温度が、前記第一次発酵温度よりも低い温度である、<1>乃至<8>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<10>
前記エタノールを除去する前記工程が、前記植物発酵飲料を滅菌する工程をさらに含む、<1>乃至<9>のいずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
<11>
前記植物原材料が、
(A)シイタケ、マイタケ、エノキタケ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサダケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギダケ、チチタケ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ポルチーニ茸、ホンシメジ、マツタケ、及びヤマブシタケからなる群より選択される3種以上と、
(B)ダイコン、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、レンコン、ショウガ、ナガイモ、カブ、ヤマイモ、サツマイモ、サトイモ、ユリ根、ラッキョウ、ハツカダイコン、ビート、ワサビ、ホースラディッシュ、およびチョロギからなる群より選択される5種以上と、
(C)タマネギ、ミョウガ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニク、キャベツ、キュウリ、菜の花、ニラ、アスパラガス、ホウレンソウ、小松菜、水菜、芽キャベツ、ルッコラ、レタス、白菜、高菜、パセリ、春菊、ネギ、ウド、タラの芽、フキ、クレソン、つまみ菜、かつお菜、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、サニーレタス、茶葉、こごみ、エシャロット、クマザサ、青ジソ、アシタバ、ミツバ、モロヘイヤ、チャービル、ワケギ、ヨモギ、ローズマリー、バジル、オレガノ、セージ、わかめ、ケール、サンチュ、セリ、セロリ、タアサイ、スズシロ、チンゲン菜、空芯菜、野沢菜、浅葱、タケノコ、アーティチョーク、ずいき、およびフキノトウからなる群より選択される8種以上と、
(D)ナス、トマト、ミニトマト、緑ピーマン、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カボチャ、ズッキーニ、トウガン、ウリ、シシトウ、オクラ、黒ゴマ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、クレススプラウト、大豆モヤシ、イチゴ、メロン、スイカ、サンチュ、緑豆モヤシ、アボカド、インゲン、ゴーヤ、モロッコインゲン、小豆、トウモロコシ、エダマメ、ソラマメ、大豆、およびラッカセイからなる群より選択される8種以上と、
(E)リンゴ、パイナップル、バナナ、ビワ、サクランボ、マンゴー、ブドウ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、ザクロ、モモ、ナシ、梅、柿、ブルーベリー、ラズベリー、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、プルーン、カリン、洋ナシ、サクランボ、アンズ、スモモ、カシス、クランベリー、ハスカップ、オリーブ、マキベリー、およびアサイーからなる群より選択される8種以上と、
(F)黒米、黒豆、黒もちあわ、もち玄米、もちあわ、キビ、大麦、及び赤米からなる群より選択される3種以上と、
を含む、<1>乃至<10>いずれか一つに記載の植物発酵飲料の製造方法。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)
まず、酵母および乳酸菌が棲みついた木製樽に、以下に示す非加熱状態にある植物原材料と、粗糖とを充填した後、18℃(環境温度)の条件で1週間静置した。その後、木製樽から植物原材料を取り出し、木製樽内に残存している溶液を植物エキスとした。
【0043】
植物原材料は、リンゴ、パイナップル、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、シイタケ、バナナ、レンコン、ニンニク、茶葉、キャベツ、ショウガ、しどけ、ホウレンソウ、ニラ、アスパラガス、こごみ、マイタケ、ミョウガ、緑豆モヤシ、ナガイモ、フキ、小松菜、ビワ、サクランボ、タラの芽、マンゴー、アボカド、ブドウ、エノキタケ、トマト、インゲン、メロン、イチゴ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、わかめ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ナス、緑ピーマン、ミカン、甘夏、キンカン、いよかん、レモン、ユズ、カボス、キュウリ、赤パプリカ、黄色パプリカ、オレンジパプリカ、カブ、カボチャ、イチジク、パパイヤ、青パパイヤ、ヤマイモ、パセリ、ネギ、レタス、ザクロ、ラディッシュ、クレソン、高菜、白菜、つまみ菜、菜の花、ルッコラ、水菜、かつお菜、モモ、ナシ、スイカ、梅、エシャロット、オクラ、ゴーヤ、クマザサ、青ジソ、春菊、サラダ菜、グリーンリーフ、紫キャベツ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、サンチュ、クレススプラウト、サニーレタス、柿、ブルーベリー、ラズベリー、アシタバ、ビート、ミニトマト、ミツバ、チャービル、モロヘイヤ、ズッキーニ、サツマイモ、ブナシメジ、なめこ、マッシュルーム、ヒラタケ、ハナビラタケ、エリンギ、ラッキョウ、ウド、シシトウ、ワケギ、大豆モヤシ、モロッコインゲン、ユリ根、ヨモギ、サトイモ、トウガン、ウリ、黒ゴマ、ローズマリー、バジル、オレガノおよびセージをバランスよく使用した。
【0044】
次に、得られた植物エキスを上記木製樽とは異なるタンクへ移した後、該植物エキスを40℃(環境温度)の条件で2カ月間静置することにより、第一次植物発酵液を調製した。
次いで、得られた第一の植物発酵液を金属製の容器に移し、これに粗糖を加えて、18℃(環境温度)の条件で1週間保存し、第二の植物発酵液を調製した。
【0045】
次に、得られた第二次植物発酵液を濾過し、80kPaの圧力下、75〜80℃の温度で濾液からエタノールを除去し、滅菌処理を施して、植物発酵飲料を得た。
【0046】
(比較例1)
エタノール除去工程を施さない以外は、実施例1と同様にして、植物発酵飲料を得た。
【0047】
(参考例1)
特許文献1の実施例1に相当する植物発酵ペーストを準備した。
【0048】
実施例および比較例の植物発酵飲料(20℃)および参考例の植物発酵ペーストについて、以下の測定を行った。結果を表1に示す。
【0049】
[粘度の測定]
B型回転粘度計(B8L型)、BLアダプターを用いて、回転速度30r/min、温度25℃として粘度[mPa・s]を測定した。
【0050】
[評価]
実施例および比較例の植物発酵飲料(20℃)および参考例の植物発酵ペーストについて、熟練した3名のパネラーが試飲し、以下の評価項目に対し、最も強く感じるものを「◎」とし、次に強く感じるものを「〇」とし、弱く感じるものを「△」とし、最も弱く感じるものを「×」として、協議の上、4段階で評価した。また、評価する際は、比較例1の飲料を対照品として評価を実施した。結果を表1に示す。
・評価項目:「1.雑味のなさ」、「2.のど越しの良さ」、「3.甘さの良さ」、「4.後味のすっきり感」、「5.コク感のよさ」
【0051】
【表1】
【解決手段】植物原材料と、第一の糖とを、乳酸菌又は酵母を含む第一の容器中で混合し、50℃以下の温度で、植物原材料に由来する酵素と、乳酸菌又は酵母菌とを含む植物エキスを抽出する工程と、植物エキスを10〜50℃の第一次発酵温度で乳酸菌又は酵母菌により発酵させて、エタノールを含む第一次植物発酵液を得る第一次発酵工程と、第一次植物発酵液を第二次発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二次発酵工程と、第二次植物発酵液からエタノールを除去する工程と、をこの順で含む、植物発酵飲料の製造方法。エタノールを除去する工程は、60〜90kPaの圧力下、60〜85℃の温度で実施されるのが好ましい。