(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
容器詰コーヒー飲料であって、ある飲料収容部に充填された飲料組成物の含硫香気成分濃度が、別の飲料収容部に充填された飲料組成物の含硫香気成分濃度よりも低くなっている、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
容器詰コーヒー飲料であって、2種以上の飲料収容部に充填された飲料組成物をそれぞれ殺菌した後で合一させた組成物の含硫香気成分濃度が、飲料組成物を合一させた後で殺菌した場合と比較して高くなる、請求項1〜5のいずれかに記載の飲料。
容器詰茶飲料であって、ある飲料収容部に充填された飲料組成物のノナナール濃度が、別の飲料収容部に充填された飲料組成物のノナナール濃度よりも低くなっている、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
容器詰茶飲料であって、2種以上の飲料収容部に充填された飲料組成物をそれぞれ殺菌した後で合一させた組成物のノナナール濃度が、飲料組成物を合一させた後で殺菌した場合と比較して高くなる、請求項1〜4および7のいずれかに記載の飲料。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る容器詰飲料は、組成が異なる2種以上の飲料組成物を2つ以上の飲料収容部にそれぞれ充填した容器詰飲料であって、1つの飲料収容部に充填された飲料組成物の総ポリフェノール濃度が、別の飲料収容部に充填された飲料組成物の総ポリフェノール濃度よりも高くなっている。
【0013】
容器詰飲料
本発明に係る飲料は容器詰飲料であり、本発明においては、2つ以上の飲料収容部を備えた容器を使用する。飲料収容部が2つ以上あれば特に制限されないが、飲料収容部の数は好ましくは4以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2つである。本発明に係る容器詰飲料は、組成が異なる2種以上の飲料組成物をそれぞれ別々の飲料収容部に充填したものであって、このようにすることによって、飲料の経時的な香味の劣化を抑制することができる。それぞれの飲料収容部の容量は特に制限されないが、例えば、1〜100mlとすることができ、2〜60mlが好ましく、3〜50mlがより好ましく、4〜40mlがさらに好ましく、5〜30mlとしてもよい。それぞれの飲料収容部の容量は、同じであっても異なっていてもよい。
【0014】
本発明の容器詰飲料は、好ましい態様において、飲料収容部に充填された2種以上の飲料組成物を混合してから飲用される。また、好ましい態様において、本発明に係る容器詰飲料は、飲料収容部に充填された2種以上の飲料組成物を希釈してから飲用され、この場合、飲料収容部に充填される飲料組成物は典型的には濃縮(型)飲料である。飲料を希釈する場合、水はもちろん、炭酸水やアルコール(エタノール)水溶液、乳を好適に使用することができる。例えば、容器詰茶飲料の場合、希釈する液体として乳を用いるとミルクティーなどとして飲用することが可能である。コーヒーについても同様である。本発明に係る容器詰飲料を希釈液で希釈する際の希釈倍率は特に限定されないが、2.0〜20.0倍希釈が好ましく、3.0〜10.0倍希釈がより好ましく、4.0〜8.0倍希釈がさらに好ましい。
【0015】
本発明の容器詰飲料を混合および/または希釈してから飲用する場合、飲用時に別容器に注ぐことによって飲用に供することが好ましい。本発明に係る容器詰飲料は加熱した後で混合させることを特徴とする。予め混合させた後で加熱したものと比較して、常温で長期保存しても、作りたての新鮮(フレッシュ)な香味や対象となる飲料に特徴的な香味を維持することができる。
【0016】
本発明に用いる容器は、飲料収容部が2つ以上あれば、材質や形状などは特に制限されない。容器の材質としては、アルミ缶、スチール缶などの金属製容器、PETボトルなどの樹脂製容器、ガラス瓶、紙容器など、飲料容器に通常用いられる材質のいずれも用いることができる。特に好ましい態様において、本発明に係る飲料容器は樹脂製である。
【0017】
本発明に係る容器詰飲料は、飲料組成物を加熱殺菌した後に容器に充填してもよいし、容器に充填した後に加熱殺菌してもよい。また本発明においては、低温などで無菌充填を行う態様としてもよい。加熱殺菌する際の条件は特に制限されないが、食品衛生法に定められた処理を行えばよく、例えば、缶飲料の場合にはレトルト殺菌(例えば、適宜加圧しながら121℃で7分間加熱殺菌するなど)、樹脂製容器の場合にはUHT殺菌(例えば、飲料組成物を120〜150℃で1秒〜数十秒保持するなど)などを行うようにすればよいが、ホットパック、膜殺菌などを必要に応じて使用してもよい。例えば、レトルト殺菌の場合、110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度、UHT殺菌の場合、120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件で処理することができる。本発明の容器詰め飲料を作る際の殺菌工程は、充填前の意図しない混合やコンタミネーションを防ぐため、それぞれの飲料収容部に充填される飲料組成物のそれぞれについて個別に行うことが好ましく、これによって、充填工程までの香味劣化を極少化することができる。
【0018】
本発明の容器詰飲料は、例えば、2種以上の飲料組成物を調製する工程、調製した2種以上の飲料組成物をそれぞれ別々の飲料収容部に充填する工程、を備えた製造工程によって製造することができる。また、各工程の順序を入れ替えたり、適宜新たな工程を入れたりすることも可能で、例えば、殺菌工程を設けることもできるし、濾過などによって残渣などを取り除く工程を挿入することもできる。
【0019】
本発明に係る容器詰飲料に充填される飲料組成物は少なくとも2つあり、それぞれの組成は互いに異なるものである。本発明に係る飲料組成物とは、飲用を目的として調整された液体組成物を指す。飲料組成物を調製する際は、例えば、パドルミキサーやホモミキサー、必要であれば高圧ホモミキサーなど、公知の混合装置を自由に用いることができる。組成物の原料として、コーヒー抽出物、茶抽出物、果実抽出物、野菜抽出物などの一般的な飲料原料や、合成香料および天然香料、糖類、甘味料、調味料、酸化防止剤、増粘剤、乳化剤、pH調整剤、リキュールなどのアルコールを含んでもよい。必要に応じて、果肉、パルプ、ゼリーといった固形・半固形物を分散させてもよい。
【0020】
一般に、茶飲料に特徴的な香味を付与する成分であるノナナールやコーヒーに特徴的な香味を付与する硫黄を含む揮発性化合物は、加熱および経時によって劣化しやすい性質があり、ポリフェノール類などと反応することによって劣化が促進される。そこで本発明では、コーヒーであれば、クロロゲン酸類、褐色成分とも呼ばれるコーヒーメラノイジン、茶抽出物であればカテキン類およびタンニン酸と香味成分をそれぞれ別々の飲料組成物に偏在化させた上で(その成分の濃度を他の飲料組成物よりも高くする)、
それぞれ隔離して保存することによって、香味成分の減少を最小限にし、加熱および経時による香味劣化が効果的に抑制される。
【0021】
2種以上の飲料組成物を2つ以上の飲料収容部にそれぞれ分けて充填し、飲料組成物にポリフェノール類を偏在化させ、チオール類ならびにサルファイド類といった含硫化合物、もしくは短鎖脂肪酸アルデヒドならびにテルペンアルデヒドといったアルデヒド類の濃度をポリフェノール類が偏在していない側の飲料組成物において高くする、つまり、劣化しやすい香味成分を複数の飲料組成物のうち、劣化を促進させる成分が少ない側に多く存在させることによって、本発明による劣化抑制効果を特に大きく発揮させることが可能になる。
【0022】
香味成分としては、主に香りに影響を及ぼす成分はもちろんのこと、主に味覚に影響を及ぼす成分も挙げられる。その他にも、例えば、反応性が高く劣化変性しやすい化合物を1つの飲料組成物に偏在化させることが好ましく、例えば、アスタキサンチン、トコフェノール、ビタミンCをはじめとした抗酸化機能成分や各種色素成分を、1つの飲料組成物に偏在化させても、複数に入っていても、全てに入っていてもよい。
【0023】
本発明においては、少なくとも1つの飲料収容部に充填された少なくとも1種の飲料組成物の総ポリフェノール濃度を別の飲料収容部に充填された飲料組成物よりも高くする。好ましい態様において、ある飲料収容部に充填された飲料組成物の総ポリフェノール濃度は、別の飲料収容部に充填された飲料組成物よりも1.2倍以上大きいことが好ましく、1.5倍以上や1.8倍以上としてもよい。上限は特に制限されない。
【0024】
容器詰コーヒー飲料
本発明の好ましい態様において、本発明の容器詰飲料を容器詰コーヒー飲料とすることができ、少なくとも1つの飲料組成物がコーヒー抽出物を含んでなる。この態様では、1つの飲料収容部に充填された飲料組成物が、別の飲料収容部に充填された飲料組成物よりも総ポリフェノール量が多いことになる。ここで、コーヒー抽出物とは、焙煎コーヒー豆の抽出物をいい、コーヒー抽出液を乾燥させて粉末状に加工したものも含む。
【0025】
本発明のコーヒー抽出液の原料となる焙煎コーヒー豆は、特に限定されない。直火式、熱風式、半熱風式、炭火式、遠赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式などの方法で、水平(横)ドラム型、垂直(縦)ドラム型、垂直回転ボール型、流動床型、加圧型などの装置を用い、コーヒー豆の種別に対応して、所定の目的に応じた焙煎度に仕上げればよい。アグトロンカラーメーターで測定した値(アグトロン値)を指標として、35〜60程度、好ましくは45〜50程度となるように焙煎された焙煎コーヒー豆は好適な態様の一例である。なお、コーヒー豆の種別についても、限定されるものではなく、アラビカ種、ロブスタ種のいずれも使用できる。コーヒー抽出液は、上記の焙煎コーヒー豆に温水等の水溶性溶媒を用いて定法により抽出することにより得られる。
【0026】
本明細書でいう「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用して製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」が主に挙げられる。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0質量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これは、本発明におけるコーヒー飲料に含まれるものとする。
【0027】
ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した溶液も、コーヒー分として挙げられる。
【0028】
コーヒーらしい香りを特徴づけるものとして、ロースト香などがあげられる。「コーヒーらしいロースト香」とはコーヒーの煎りたての香りで、飲用時に口腔内から鼻腔に抜けていく香ばしい香りのことをさす。コーヒーのロースト香に寄与する成分として、例えば、3−メルカプト−3−メチルブチル−フォルメート、2−フルフリルチオールなどの硫黄を含む揮発性化合物がある。またコーヒーにはクロロゲン酸などのポリフェノール類が含まれるが、ポリフェノール類には硫黄を含む香味成分(3−メルカプト−3−メチルブチル−フォルメート)を劣化させる性質があり、総ポリフェノール量が多いと劣化が促進される。
【0029】
本発明に係る容器詰飲料は、カフェインを含有してもよい。コーヒー飲料などの飲料では、その風味上の観点から、カフェインの存在が重要視されており、カフェインの量が多すぎると、飲料として香味が損なわれる場合がある。好ましい態様において、飲料中のカフェイン含量の下限値は、飲料100mLに対して好ましくは10mg、より好ましくは15mg、さらに好ましくは20mg、よりさらに好ましくは25mg、その上さらに好ましくは30mgであり、上限値は好ましくは100mg、より好ましくは95mg、さらに好ましくは90mg、よりさらに好ましくは85mg、その上さらに好ましくは80mgとしてもよい。
【0030】
この焙煎コーヒー豆を粉砕処理して使用することも可能である。粉砕処理は、焙煎後、24時間以内、好ましくは20時間以内、より好ましくは15時間以内、特に好ましくは10時間に行うことが好ましい。焙煎後の放置時間が長いと、油脂成分がコーヒー豆表面に析出しやすくなる。乾式での粉砕処理は、メジアン径で1mm以下に粗粉砕した後、微粉砕することが好ましい。微粉砕をする前に、予め粗粉砕することにより、一層効率よく短時間に微粉砕することができ、コーヒーの香り(フレーバー)の飛散を最小限に抑えることができる。また、粒度分布を狭くできるという利点もある。粗粉砕は、メジアン径で約1mm以下、好ましくは0.5mm以下になるように粉砕するが、その方法は特に制限されない。ロール式ミル、ボール式ミル、石臼式ミル等、種々の形式の粉砕機を使用することができる。
【0031】
焙煎コーヒー豆の微粉砕の程度は、メジアン径で制御することができる。メジアン値の下限値は好ましくは50μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは80μm、さらにより好ましくは90μmとすることができる。また、好ましい態様において、微粉砕物の粒子径のメジアン値が300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらにより好ましくは200μm以下となるようにコーヒー豆を微粉砕することができる。微粉砕した粉末のメジアン径が300μmを超えると、食感や舌触りなどのテクスチャーに違和感を与えることがある。また、コーヒー豆を微粉砕処理し過ぎた場合には、保存安定効果が得られない傾向がある。微粉砕の方法も特に制限されず、ロール式粉砕機、バーハンマー式やピンハンマー式等の衝撃式粉砕機、気流式粉砕機など、種々の形式の粉砕機を使用することができるが、ロール式粉砕機が好ましく用いられる。
【0032】
粒子径は、多数個の測定結果を粒子径毎の存在比率の分布として表すのが一般的であり、これを粒子径分布という。存在比率の基準としては体積基準と個数基準などがあるが、本明細書では体積基準での存在比率で表わし、レーザー回折・散乱法に基づいた測定装置にて測定することができる。測定装置の例としては、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製)である。そして、本明細書において焙煎コーヒー豆の微粉砕物の粒子径をメジアン径で表わしているが、メジアン径とは粒子径の累積データの50%径であり、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことである。
【0033】
容器詰茶飲料
本発明の好ましい態様において、本発明の容器詰飲料を容器詰茶飲料とすることができ、少なくとも1つの飲料組成物が茶抽出物を含んでなる。この態様では、1つの飲料収容部に充填された飲料組成物が、別の飲料収容部に充填された飲料組成物よりも総ポリフェノール量が多いことになる。ここで、茶抽出物とは、茶葉の抽出物をいい、茶葉抽出液を乾燥させて粉末状に加工したものも含む。
【0034】
本発明において茶葉抽出物は、茶葉を抽出溶媒に浸漬するなどによって、含有成分を抽出したものである。抽出方法については特に制限されず、公知の手法を選択可能であり、例えば、抽出溶媒に浸漬することによって抽出することができる。抽出溶媒としては熱水、冷水の他、所定の有機溶媒を選択することもできるが、飲料に用いることから、抽出溶媒は水が好ましい。また、抽出時においては、必要に応じ圧搾、ろ過、及び遠心分離等の処理を行うこともできる。
【0035】
また、本実施形態において茶抽出物とは、前記抽出溶媒に植物体の含有成分が抽出された状態のもの、若しくは必要に応じこれを濃縮、又は乾燥して抽出成分を取り出した固形物であっても良い。また、前記植物体は必要に応じて裁断、加熱、乾燥等の工程を経て加工された植物体加工物の形態であってもよい。
【0036】
フレッシュな茶の香りを特徴づける香りとして、「ウリ香」があげられる。ウリ香は高級茶である玉露の特徴香であり、ウリ香の元になる香り成分はノナナールやジサルファイドなどで、上級新茶ほど多く含まれている。上級新茶には青葉アルコールなども多く含まれ、新茶の香りに関与しているといわれている。また茶飲料にはカテキン類などのポリフェノール類が含まれるが、ポリフェノール類にはノナナールなどの香味成分を劣化させる性質があり、総ポリフェノール量が多いと劣化が促進される。
【0037】
茶葉の品種は特に限定されず、例えばチャノキ(カメリア シネンシス:Camellia sinensis)であれば好適に選択できる。茶葉は生の茶葉であっても良いが、生葉を蒸したり、炒ったりするなどによって加熱する処理、揉捻処理等、所謂荒茶加工工程を経ることで加工された荒茶、若しくは前記荒茶を更に仕上げ加工して得られる煎茶、玉露等の製茶(仕上げ茶)、その他、烏龍茶等の半発酵茶、及び紅茶等の発酵茶等を用いることも可能である。
【0038】
本実施形態において飲料組成物として、茶抽出物が液体である場合、抽出物をそのまま用いることができる。また、これら抽出物を濃縮した形態、若しくは乾燥させた固形物を再度水等の溶媒に所定濃度で溶解させたものを用いても良い。飲料組成物には茶抽出物の他、後述するような添加物を含有させることができる。
【0039】
本明細書でいう「茶飲料」について、茶を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0質量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これは、本発明における茶飲料に含まれるものとする。
【0040】
(炭酸)
本発明に係る容器詰飲料は、飲用時において炭酸ガスを含有する炭酸飲料としてもよい。炭酸ガスの圧力は、炭酸ガスに由来する爽快感が感じられる程度の圧力であることが好ましく、液温が20℃において0.5〜4.5kgf/cm
2が好ましく、1.0〜4.0kgf/cm
2がより好ましく、1.5〜3.5kgf/cm
2がさらに好ましい。好ましい態様において、本発明に係る容器詰飲料を開封した後、炭酸水を用いて希釈することによって炭酸飲料とすることができる。
【0041】
(乳)
好ましい態様において本発明の容器詰飲料は、乳脂肪や植物油脂等の油脂成分を配合した飲料にして飲用することができる。飲料に乳成分を配合することによって、飲料に乳の風味や食感を付与することはもちろん、口当たりをマイルドにしたり、胃に対する刺激を和らげたりすることができる。
【0042】
乳を含む飲料は、一般的に乳脂肪と無脂乳固形成分とを両方含む飲料が好まれている。最近は、乳脂肪の安定性、価格等の観点から、乳脂肪の一部又は全部を植物油脂に代替した飲料も開発されている。本発明において乳入り飲料という場合、無脂乳固形成分と乳脂肪及び/又は植物油脂を原料として使用して製造される飲料を表す。乳入りコーヒー飲料における乳とは、飲料に乳風味や乳感を付与するために添加される成分を指し、無脂乳固形成分を供給する原料としては、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、無糖れん乳、全粉乳、クリームパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳、脱脂乳、濃縮ホエイ、脱脂濃縮乳、加糖脱脂れん乳、脱脂粉乳、ホエイパウダーなどが挙げられ、乳脂肪を供給する原料としては、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、無糖れん乳、全粉乳、クリームパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳などが挙げられる。乳脂肪の一部又は全部に替えて植物油脂を用いてもよい。植物油脂としては、例えば、ナタネ油、ナタネ硬化油、コメ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ヤシ硬化油等の植物油脂と、それらの水素添加油、それらの1種以上の混合物によるエステル交換油等が挙げられる。本発明の乳入り飲料における乳成分の含有量は、特に限定されないが、飲用時において、好ましくは固形分換算で0.1〜10質量%である。ここでいう固形分とは、乳由来の成分を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固等)を用いて乾燥させて水分を除いた後の、乾固物のことをいう。
【0043】
本発明の容器詰飲料は、一つの態様において、栄養改善法の栄養表示基準に基づく飲料中の脂質量の下限値は飲料100gあたり好ましくは0.4g、より好ましくは0.45g、さらにより好ましくは0.5gで、上限値は好ましくは1.0g、より好ましくは0.9g、さらにより好ましくは0.8gである。
【0044】
(その他の成分)
本発明の容器詰飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤などを単独あるいは併用して配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、増粘剤、品質安定剤などを挙げることができる。
【0045】
本発明の飲料は、ぶどう糖をはじめとする糖類を含有してもよい。本発明の飲料は、天然甘味料や人工甘味料を1つまたは複数使用することができる。好ましい態様において、本発明の飲料は、果糖ぶどう糖液糖を含む。
【0046】
pH調整剤とは、殺菌時におけるpH低下を緩和しうる成分で、水に溶解した時にアルカリ性を示す物質を指す。具体的には、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸カリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウムなどが挙げられる。pH調整剤として重曹を用いる場合には、その添加量は、飲料全体に対し0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下がよい。
【0047】
甘味成分とは、甘味を呈する成分のことをいう。例えば、ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元デンプン糖化物、ステビア、グリチルリチン、タウマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ズルチンなどが挙げられる。
【0048】
本発明の容器詰飲料は、飲用時において、好ましい態様においてアルコールを含めたブリックス値(Brix)が1〜6であり、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2〜4である。アルコールを含めた飲料のブリックス値は、上限値を7としてもよく、下限値を1としてもよい。糖度計や屈折計などを用いて得られるブリックス値によって可溶性固形分濃度を評価することができ、ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である。単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
【0049】
本発明の飲料は、可能性固形分濃度の低い低溶質飲料であってもよく、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等と表示される、いわゆるカロリーオフタイプ飲料であってもよい。なお、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等の表示は、健康増進法の規定による栄養表示基準に定義されている。例えば、「糖類ゼロ」との表示は、飲料に含まれる糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないもの)の量が、飲料100gあたり0.5g未満のものに対して付与されるものである。また、「糖質ゼロ」との表示は、飲料に含まれる糖質の濃度が0.5g/100mL未満である場合に表示される。糖質は、3大栄養素の炭水化物の一つであり、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称である。
【0050】
本発明の飲料は、長期保存や微生物汚染の観点から、好ましい態様においてそのpHを酸性側に調整することができる。具体的には、飲料のpHを1.5〜5.0とすることが好ましく、pH1.8〜4.5がより好ましく、pH2.1〜4.0がさらに好ましく、pH2.4〜3.5としてもよい。
【実施例】
【0051】
以下、具体的な試験例を示しつつ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の試験例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0052】
試験例1:容器詰飲料の調製と評価(コーヒー飲料)
(1)容器詰飲料の調製
[実施例]
コーヒー豆を原料として、固形分濃度が約45%のコーヒーエキス(焙煎したコーヒー豆を熱水で圧力をかけてコーヒー成分を抽出したコーヒー濃縮液)を製造した。コーヒーエキスをイオン交換水で希釈し、重層(炭酸水素ナトリウム)を添加して、pHが約6.0、固形分濃度が20重量%となるように調整し、A液とした。
【0053】
粉砕した焙煎コーヒー豆を水に展開したスラリーに対して、SCC(スピニングコーンカラム)装置を用いて、対交流で水蒸気を接触させて100℃にて連続蒸留し、コーヒー水蒸気蒸留液を製造した。水蒸気蒸留とは、沸点が高く水にはほとんど溶けない有機化合物(この場合はコーヒー)に水蒸気を吹き込み、水蒸気とともにその化合物を留出させる方法のことであり、コーヒー水蒸気蒸留液とは、コーヒー豆を水蒸気蒸留して得られた留出液である。コーヒー水蒸気蒸留液をイオン交換水で希釈し、固形分濃度が0.02重量%、pHが約5.5となるように調整し、B液とした。
【0054】
次いで、A液とB液のそれぞれを、別々の飲料収容部にそれぞれ充填し、レトルト殺菌(123℃、10分間)して、濃縮型の容器詰コーヒー飲料を製造した。その後、容器詰飲料を常温(23℃)で20日間保管した後、A液とB液を等量で混合し、イオン交換水にて固形分濃度1%に希釈してコーヒー飲料を調製した。
【0055】
[比較例]
実施例と同じコーヒーエキスおよびコーヒー水蒸気蒸留液を実施例と同じ比率で混合し、イオン交換水を用いて希釈し、重曹を添加してpHが約6.0、固形分濃度が10重量%となるように調整した。次いで、1つの容器に充填し、レトルト殺菌(123℃、10分間)して、濃縮型の容器詰コーヒー飲料を製造した。その後、容器詰飲料を常温(23℃)で20日間保管した後、開栓し、イオン交換水にて固形分濃度1%に希釈してコーヒー飲料を調製した。
【0056】
(2)含硫香気成分の分析
ガスクロマトグラフィー(GC−2010Plus、島津製作所製)を用い、検出器(FPD、島津製作所製)、オートサンプラー(AOC−6000、島津製作所製)、カラム(InertCap Pure−WAX0.18mm×20m、膜圧0.18μm、ジーエルサイエンス製)、SPMEファイバー(50/30μmDVB/CAR/PDMS、Stable flex 2cm)を装着し、含硫香気成分を分析した。注入口温度を250℃、カラム流量を1mL/min、検出器温度を260℃、水素流量を40mL/min、空気流量を60mL/minの条件で、40℃で5分間保持した後、12℃/minの早さで250℃まで昇温させた後7.5分保持して、測定した。サンプルは事前加熱(60℃、5分間)した後、吸着(60℃、20分間)および脱着(250℃、2分間)をして抽出し、分析をした。含硫香気成分はピーク面積によって評価した。
【0057】
(3)総ポリフェノール濃度の定量
総ポリフェノール濃度を測定した。具体的には、試験管に8.3mlの水を採り、この上に測定するサンプル0.2mlを加え、均一にした。没食子酸―水和物を水に溶かして、0mg/L、100mg/L、300mg/L、500mg/Lの没食子酸水溶液を調整し、標準試料とした。サンプルおよび標準試料について、フェノール試薬(和光純薬、279―08895)を加え、5分以内に10%無水炭酸ナトリウム溶液を1ml加え、直後に攪拌を行い均一とした後、30℃で30分間反応させた。反応後、セルに移し分光光度計(島津製作所、UV−1600)で吸光度を測定した(吸光度760nm)。標準試料の結果を元に検量線を作成し、それをもとに総ポリフェノール濃度を定量した。
【0058】
(4)容器詰飲料の評価
実施例と比較例の香味について、訓練された評価パネラー5名により官能評価を行った。コーヒーらしいロースト香について、6段階で評価を行い、各パネラーの評価点を平均した。評価基準は、下記のとおりであり、数値が大きい程、「コーヒーらしいロースト香」が強いことを意味する。
・5点:コーヒーらしいロースト香を強く感じる
・4点:コーヒーらしいロースト香を十分に感じる
・3点:コーヒーらしいロースト香を感じる
・2点:コーヒーらしいロースト香をやや感じる
・1点:コーヒーらしいロースト香がほとんどしない
・0点:コーヒーらしいロースト香がしない
【0059】
(5)分析結果と香味の評価結果
「コーヒーらしいロースト香」を官能評価したところ、実施例は4.0(標準偏差:0.09)であったのに対し、比較例は3.4(標準偏差:0.22)であり、本発明によって「コーヒー飲料のロースト香」を有意に増強できることが確認された。また、実施例のコーヒー飲料は、比較例と比べて含硫香気成分を20%以上も多く含んでおり、コーヒーらしいロースト香に関与する香味成分が多く含まれていることが確認された(実施例のピーク面積値:7927460、比較例のピーク面積値:6546445)。
【0060】
なお、総ポリフェノール濃度は、実施例(A液)が25165ppm(標準偏差:353)、実施例(B液)が11ppm、比較例が12534ppm(標準偏差:179)であった。
【0061】
【表1】
【0062】
(6)含硫香気成分の分析(希釈前)
上記(1)と同様にして、コーヒーエキス(A液)とコーヒー水蒸気蒸留液(B液)を調製し、それぞれを別々の飲料収容部に充填して保管した(実施例)。また、上記(1)と同様にして、濃縮型の容器詰飲料を製造して保管した(比較例)。
【0063】
上記(2)と同様にして、希釈前の濃縮液について含硫香気成分を分析した結果を以下に示す。下表から明らかなように、コーヒーエキス(A液)とコーヒー水蒸気蒸留液(B液)をそれぞれ別々の飲料収容部に充填して保管した場合(実施例)、コーヒーエキス(A液)とコーヒー水蒸気蒸留液(B液)を混合してから保管した場合(比較例)と比べて、コーヒー水蒸気蒸留液(B液)に含まれる含硫香気成分が保管後においても多く残留しており、本発明によって、コーヒーらしいロースト香を長期間維持できることが確認された。
【0064】
【表2】
【0065】
試験例2:容器詰飲料の調製と評価(茶飲料)
(1)容器詰飲料の調製
[実施例]
緑茶パウダー(緑茶抽出物を噴霧乾燥して得られたパウダー)、重曹(炭酸水素ナトリウム)、アスコルビン酸ナトリウムをイオン交換水に溶解させて、固形分濃度が6重量%となるように調整し、A液とした。
【0066】
緑茶水蒸気蒸留液をイオン交換水に溶解させて、固形分濃度がほぼゼロになるように調整し、B液とした。緑茶水蒸気蒸留液は、SCC(スピニングコーンカラム)装置を用いて、対向流で水蒸気を緑茶液に接触させて100℃にて連続蒸留して製造した。
【0067】
A液とB液のそれぞれを、別々の飲料収容部にそれぞれ充填し、レトルト殺菌(123℃、10分間)して、濃縮型の容器詰茶飲料を製造した。その後、常温(23℃)で20日間保管した後、A液とB液を等量で混合し、イオン交換水にて固形分濃度0.3%に希釈して茶飲料を調製した。
【0068】
[比較例]
実施例と同じ緑茶パウダー、緑茶水蒸気蒸留液、重曹(炭酸水素ナトリウム)、アスコルビン酸ナトリウムイオン交換水に溶解させて、固形分濃度が3重量%となるように調整した(緑茶パウダーと緑茶水蒸気蒸留液の比率は実施例と同じ)。次いで、1つの容器に充填し、レトルト殺菌(123℃、10分間)して、濃縮型の容器詰茶飲料を製造した。その後、常温(23℃)で20日間保管した後、開栓し、イオン交換水にて固形分濃度0.3%に希釈して茶飲料を調製した。
【0069】
(2)ノナナール濃度の測定
実施例と比較例のイオン交換水で希釈する前の飲料(試料溶液)に含まれるノナナールの濃度(ppb)について、試料溶液を10mlバイアル瓶(容量20ml)に入れ、3gのNaClを加え、MVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS(アジレント社製)を用いて、以下に示す条件で定量した。
・装置:GC:Agilent Technologies社製 GC7890B
MS: Agilent Technologies 社製 5977A
HS:Gestel 社製 MPS
Tube:Tenax TA, Carbon bx1000
・カラム:HP-INNOWAX 60m x 0.25mmi.d. df=0.25μm
・定量イオン:ヘキサナール 56.0m/z
・温度条件 40℃(4分)〜5℃/分〜260℃
・キャリアガス流量:He 1.5ml/分
・注入法:スプリットレス
・イオン源温度:260℃
【0070】
(3)アミノ酸含有量
実施例に記載のA液とB液および比較例の飲料に組まれる飲料中のアミノ酸濃度について、HPLCを用いて、以下の条件で測定した。具体的には、標準物質を用いて、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、グリシン、トレオニン、アラニン、プロリン、テアニンの8種のアミノ酸を定量し、その合計量を算出した。
・HPLC装置:Waters アミノ酸分析装置2695
・カラム:AccQ-Tagカラム(3.9mm×150mm)
・カラム温度:40℃
・移動相A:AccQ-TagA(pH5.8)
・移動相B:アセトニトリル
・移動層C:水/メタノール=9/1
・検出:EX250nm EM395nm Gain100
・注入量:5μL
・グラジエントプログラム:
時間(分) 流速(ml/min) %A %B %C
0 1 100 0 0
1 1 99 1 0
16 1 97 3 0
25 1 94 6 0
35 1 86 14 0
40 1 86 14 0
50 1 82 18 0
51 1 0 60 40
54 1 100 0 0
75 1 0 60 40
110 0 0 60 40
【0071】
(4)容器詰飲料の評価
実施例と比較例の香味について、訓練された評価パネラー5名により官能評価を行った。フレッシュな茶の香りを特徴づける「ウリ香」(玉露に特徴的な香り)について、6段階で評価を行い、各パネラーの評価点を平均した。評価基準は、下記のとおりであり、数値が大きい程、「ウリ香」が強いことを意味する。
・5点:ウリ香を強く感じる
・4点:ウリ香を十分に感じる
・3点:ウリ香を感じる
・2点:ウリ香をやや感じる
・1点:ウリ香がほとんどしない
・0点:ウリ香がしない
【0072】
(5)分析結果と香味の評価結果
緑茶飲料のウリ香を官能評価したところ、実施例は4.0(標準偏差:0.7)であったのに対し、比較例は2.9(標準偏差:0.8)であり、本発明によれば、緑茶飲料のウリ香を有意に増強できることが確認された。また、実施例の飲料は、比較例と比べてノナナールを20%以上も多く含んでおり、ウリ香に関与する香味成分が多く含まれていることが確認された(実施例のノナナール濃度:0.59ppb、比較例のノナナール濃度:0.48ppb)。
【0073】
ノナナール濃度、総ポリフェノール濃度およびアミノ酸濃度の分析結果を以下に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
(6)ノナナール濃度の測定(希釈前)
上記(1)と同様にして、緑茶パウダー溶液(A液)と緑茶水蒸気蒸留液(B液)を調製し、それぞれを別々の飲料収容部に充填して保管した(実施例)。また、上記(1)と同様にして、濃縮型の容器詰飲料を製造して保管した(比較例)。
【0076】
上記(2)と同様にして、希釈前の濃縮液についてノナナール濃度を分析した結果を以下に示す。下表から明らかなように、緑茶パウダー溶液(A液)と緑茶水蒸気蒸留液(B液)をそれぞれ別々の飲料収容部に充填して保管した場合(実施例)、緑茶パウダー溶液(A液)と緑茶水蒸気蒸留液(B液)を混合してから保管した場合(比較例)と比べて、緑茶水蒸気蒸留液(B液)に含まれるノナナールの濃度が保管後においても高く、本発明によって、ウリ香に関与する香味成分を長期間維持できることが確認された。
【0077】
【表4】
本発明によって、組成が異なる2種以上の飲料組成物を2つ以上の飲料収容部にそれぞれ充填した容器詰飲料が提供される。本発明の容器詰飲料においては、ある飲料収容部に充填された飲料組成物の総ポリフェノール濃度が、別の飲料収容部に充填された総ポリフェノール濃度よりも高くなっている。