(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記棒金処理部は、前記収納トレーの入出金口の外方に棒金を一時保留する保留トレーを付設し、前記保留トレーは、前記移動ローラを中心として傾動可能として、棒金を出金する際の位置、棒金を入金する際の位置、及び棒金の入出金動作を実行しないで退避する際の位置と、位置を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の棒金管理装置。
複数の前記棒金処理部の処理動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記棒金処理部を制御して、棒金の出金又は入金する動作を同時に実行できることを特徴とする請求項4に記載の棒金管理装置。
金種毎に棒金を収納する複数の収納トレーを有する複数の棒金処理部を、棒金管理装置の上下方向に6段に亘って備え、前記各棒金処理部の前記収納トレーに最大20本の棒金を収納することを可能とし、棒金管理装置の高さを500mmから600mm、奥行きを約500mmで構成して、机上に設置して使用することができることを特徴とする請求項4又は5に記載の棒金管理装置。
請求項4に記載の棒金管理装置であって、さらに、前記収納トレーに収納した棒金数量を検出する棒金検出手段と、前記棒金検出手段を制御し、かつ、前記検出した棒金数量を金種別に集計する制御部と、前記集計した金種別の棒金数量の収納情報を外部へ送信する通信手段と、を有する店舗に設置された棒金管理装置と、
前記棒金管理装置から送信された金種別の棒金数量の収納情報を通信回線を介して受信する、釣銭準備金(棒金)を委託する警備会社に配置された管理センターと、
から構成される棒金管理システムであって、
前記棒金管理装置は、前記棒金検出手段により当日分として準備した余剰となった金種別の棒金数量の検出を行い、前記余剰となった棒金をそのまま翌日分として保管管理を行い、前記余剰となった金種別の棒金数量を収納情報として前記通信手段により警備会社の前記管理センターに送信し、警備会社の前記管理センターは、受信した前記金種別の棒金数量の収納情報に基づき、前記棒金管理装置に収納可能な釣銭準備金(棒金)の棒金数量を算出して、釣銭準備金(棒金)の準備を行うことを特徴とする棒金管理システム。
店舗に設置された、請求項4に記載の棒金管理装置と、前記棒金管理装置と通信回線を介して接続され、前記店舗に設置された、釣銭機、入金機等の硬貨処理装置又は紙幣処理装置から成る店舗機器と、を連携する貨幣入出金システムであって、
両替を行う場合において、貨幣を前記店舗機器へ投入して受付が確定すると、前記店舗機器は、投入確定したデータを前記通信回線を介して前記棒金管理装置へ送信し、前記棒金管理装置は、前記投入確定したデータを受信し、投入した入金金額と同金額の所望した金種の棒金を両替して出金することを特徴とする貨幣入出金システム。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗のレジには、POS(販売時点情報管理)システムのような上位装置に接続して、受け取った紙幣及び硬貨を釣銭として再利用することができる紙幣処理装置及び硬貨処理装置を備えた釣銭機が導入されている。
【0003】
また、従来このような店舗の出納室などに設置する入金機を用いた売上金回収システムによれば、現金の入金処理を行い、入金データを送信する店舗に設置された入金機と、前記入金機から送信された前記入金データを受信し、受信した前記入金データに基づいて、前記入金機が設置される店舗の銀行口座と、前記入金機の機内の現金の回収を行う警備会社の銀行口座との間における振り込み処理を行う警備会社のセンターを備え、入金機に売上金が入金されると、入金データが入金機から前記センターへ送信され、前記センターは、受信した前記入金データに基づく金額を顧客口座(入金機を設置している店舗の銀行口座)へ振り込む、売上金回収システムが知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
このように、小売店舗等のような、多数の紙幣及び硬貨の現金を扱う分野では、機械化による現金管理の効率化や、さらに、売上金の銀行入金、釣銭準備金の配金におけるハンドリングにおいても、警備会社へ委託し、効率化を図ってきた。
【0005】
前述の従来の売上金回収システムの運用では、小売店舗などでは、釣銭準備金の配金において、あらかじめ決められた金額、枚数を警備会社と契約し、定期的な配金委託をしている。硬貨の釣銭準備金においては、50枚の硬貨を紙、ビニール等で包装した棒金が、バラの硬貨と比較して取扱いやすいため多数用いられている。また、店舗に配金された釣銭準備金の棒金は、後述する包装硬貨出金機ではサイズが大きく、また、高コストのため小売店舗では用いられず、金庫に保管され、人手により管理され運用されている。
【0006】
また、従来このような定期的に釣銭準備金を配金する釣銭準備金の店舗での運用では、当日の売上金と当日の余剰となった釣銭準備金を全て入金機に入金し、新たに配金された翌日の釣銭準備金を使用して、店舗運営を行っている。そのため、配金した当日の釣銭準備金の余剰分も、前述の入金機に入金して、売上金とともに回収がおこなわれる。このとき、配金された当日の釣銭準備金の余剰分の棒金は、包装を解きバラの硬貨にして、入金機に入金する。
【0007】
また、従来の銀行の現金処理システムなどに用いられる包装硬貨出金機(例えば特許文献1参照)によれば、棒金が一列に収納された棚状のカセットから、受皿に棒金を集積するようにして、出金を行うようにしている。
【0008】
前記包装硬貨出金機は、棒金が一列に収納されたカセットが棚状に形成されたラック部を有している。また、カセット前方には、棒金を繰出し保留する包装硬貨繰出し・保留部が設けられている。包装硬貨繰出し・保留部には投出レバーが回転可能に設けられている。この投出レバーは、棒金を繰出すものである。また、包装硬貨繰出し・保留部は、カセット前方を昇降可能に設けられている。
【0009】
そして、棒金を出金する場合、包装硬貨繰出し・保留部は、指定された金種のカセットから包装硬貨を繰り出すことができる高さまで移動して停止する。その後、投出レバーが180度回転させられ、包装硬貨がカセットから繰り出され、受け皿上に転がり込む。ここで、複数の包装硬貨を出金するように指示された場合には、指定された数に180度を乗算した角度だけ投出レバーが回転させられる。また、複数の金種を同時に出金するように指定された場合には、指定された金種のカセットごとに前記動作を行い、指示されたすべての包装硬貨が繰り出された後、前記包装硬貨繰出し・保留部は最上段の位置に移動させられて停止し、シャッターが開き顧客が棒金を取り出せるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、棒金を出金するための従来の機構や前述のようなシステム運用には、以下のような問題点がある。
【0012】
従来の包装硬貨出金機は、爪状の投出レバーが回転する軌跡のスペースをカセットとカセットの間に確保しなければならない。そのため、ラック部の高さが高くなり、装置が大型化する。あるいは一定の高さの装置に配設されるカセットの段数が少なくなり、棒金の収納量が少なくなってしまうという問題がある。
【0013】
また、従来の包装硬貨出金機は、爪状の投出レバーを回転させて棒金を1本ずつ払い出す。そのため、回転している投出レバーの爪が棒金の側面に引っかかり、棒金の包装紙が破れるおそれがあった。包装紙が破れると硬貨が装置内にばら撒かれ、装置に障害を起こすことになる。
【0014】
また、従来の包装硬貨出金機は、棒金を出金する場合、受皿を指定されたカセット前方に移動させ、出金を行いたい棒金のカセットの前方に位置付ける。その後、爪状の投出レバーを回転させ、最も前方の位置にある棒金を上方へ持ち上げ、受皿内に転がり落とす。そのため、1金種毎に1本ずつ棒金を出金することになる、さらに、包装硬貨繰出し・保留部を昇降させる移動時間も発生し、棒金の出金に時間がかかる問題がある。
【0015】
また、従来の包装硬貨出金機は、大型店舗用に構成され、包装硬貨繰出し・保留部を昇降させる機構や投出レバーを用いた機構で構成されサイズが大きく地面に設置して運用される。そのため、小型店舗に設置するには、設置スペースがなく、設置できない問題がある。
【0016】
また、従来の売上金回収システムでのこのような釣銭準備金(棒金)の運用は、あらかじめ決められた金額、本数を警備会社と契約し、定期的に配金委託をしている。委託する棒金の本数は、多い曜日のさらに釣銭不足が生じない量に設定され発注される。そのため、常に使用しない余剰の棒金が発生し、店舗資金を圧迫する問題がある。
【0017】
また、従来このような定期的に釣銭準備金を配金する釣銭準備金の店舗での運用では、当日の売上金と当日の余剰となった釣銭準備金を全て入金機に入金し、新たに配金された翌日の釣銭準備金を使用して、店舗運営を行っている。そのため、配金した釣銭準備金の余剰分も、前述の入金機に入金して、売上金とともに回収がおこなわれる。このとき、配金された余剰分の棒金は、包装を解きバラの硬貨にして、入金機に入金する。したがって、店舗では、わずらわしい手間が生じる。また、集配を行う警備会社では、使用しない釣銭準備金の作成や運搬、また、回収した棒金の硬貨を精算しなければならず、経費がかさむ問題がある。
【0018】
本発明の目的は、このような点を考慮して為されたものであって、小型且つ低コストな構造で、棒金の出金又は入金機能を有する棒金収納繰出し機構を構成し、この棒金収納繰出し機構を有する棒金処理部を備えた棒金管理装置を提供することにある。
本発明の目的は、又、この棒金処理部を複数備え、棒金を管理し、棒金数量を管理する小型店舗に設置可能な棒金管理装置を提供することにある。
本発明の目的は、さらに又、この棒金管理装置のデータを、釣銭準備金を準備する警備会社の管理センターに送信し、適量の棒金を準備することができる棒金管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、棒金を収納する収納トレーと、前記収納トレーの一方端である入出金口の下方に配設し、両方向に回転可能とした移動ローラと、前記移動ローラの回転と共に作動し、前記収納トレー内で棒金を載置、搬送する搬送ベルトと、前記入出金口の上方に配設し、弾力付勢により上下方向に移動可能とした、棒金を挟持する挟持板と、から構成される棒金収納繰出し機構と、を有する棒金処理部を備えた棒金管理装置であって、前記棒金処理部は、前記移動ローラにより棒金に回転を付与すると共に、この棒金を前記挟持板により挟持させることによって、前記挟持板の面に沿って棒金を転動させ、前記移動ローラを乗越えさせて、前記収納トレー内から棒金を出金し、又は、前記収納トレー内に棒金を入金することを特徴とする。
【0020】
請求項2に係る発明は、前記棒金管理装置において、前記棒金処理部は、前記収納トレーの入出金口の外方に棒金を一時保留する保留トレーを付設し、前記保留トレーは、前記移動ローラを中心として傾動可能として、棒金を出金する際の位置、棒金を入金する際の位置、及び棒金の入出金動作を実行しないで退避する際の位置と、位置を変更可能であることを特徴とする。
又、請求項3に係る発明は、前記棒金管理装置において、前記棒金処理部は、棒金管理装置の前面方向に引出し可能に構成したことを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明は、前記棒金管理装置において、金種毎に棒金を収納する複数の収納トレーを有する複数の棒金処理部を備えたことを特徴とする。
又、請求項5に係る発明は、前記棒金管理装置において、複数の前記棒金処理部の処理動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記棒金処理部を制御して、棒金の出金又は入金する動作を同時に実行できることを特徴とする。
【0022】
請求項6に係る発明は、前記棒金管理装置において、金種毎に棒金を収納する複数の収納トレーを有する複数の棒金処理部を、棒金管理装置の上下方向に6段に亘って備え、前記各棒金処理部の前記収納トレーに最大20本の棒金を収納することを可能とし、棒金管理装置の高さを500mmから600mm、奥行きを約500mmで構成して、机上に設置して使用することができることを特徴とする。
【0023】
請求項8に係る発明は、さらに、前記収納トレーに収納した棒金数量を検出する棒金検出手段と、前記棒金検出手段を制御し、かつ、前記検出した棒金数量を金種別に集計する制御部と、前記集計した金種別の棒金数量の収納情報を外部へ送信する通信手段と、を有する店舗に設置された前記棒金管理装置と、前記棒金管理装置から送信された金種別の棒金数量の収納情報を通信回線を介して受信する、釣銭準備金(棒金)を委託する警備会社に配置された管理センターと、から構成される棒金管理システムであって、前記棒金管理装置は、前記棒金検出手段により当日分として準備した余剰となった金種別の棒金数量の検出を行い、前記余剰となった棒金をそのまま翌日分として保管管理を行い、前記余剰となった金種別の棒金数量を収納情報として前記通信手段により警備会社の前記管理センターに送信し、警備会社の前記管理センターは、受信した前記金種別の棒金数量の収納情報に基づき、前記棒金管理装置に収納可能な釣銭準備金(棒金)の棒金数量を算出して、釣銭準備金(棒金)の準備を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項1に係る発明によれば、棒金を出金、及び、入金することに関し、棒金収納繰出し機構は、移動ローラと搬送ベルトを有する棒金搬送手段により棒金に回転を与え、回転する棒金は、移動ローラと棒金挟持手段の挟持板で挟持され、挟持板の面に沿って転がして移動する。
その結果、爪状のレバーが回転する大きな軌跡のスペースを収納トレーと収納トレーの上下方向に必要とせず、移動ローラ分のスペースでよい、したがって、同じ数の収納トレーを備える装置の高さを低くでき、装置を小型化することができる。
又、棒金を転がして移動させるため、特に爪状の部材が棒金に接触する事は無いので、棒金の包装紙が破れるおそれはない。
【0025】
又、請求項4及び請求項5に係る発明によれば、棒金を出金、又は、入金する棒金処理部を複数有する棒金管理装置は、前記棒金処理部毎に、出金した棒金、又は、入金する棒金を保留する保留トレーを有する棒金保留手段と、前記棒金処理部を制御する制御部と、を備え、棒金を出金、又は、入金する場合、複数の棒金処理部を同時に動作することができる。
その結果、1金種毎に受皿を昇降させ、1本ずつ棒金を出金する必要はなく、複数の金種の棒金を同時に出金することができ、出金時間を短くすることができる。
【0026】
又、請求項6に係る発明によれば、棒金を入金、又は、出金する棒金収納繰出機構を備えた棒金処理部を複数有する棒金管理装置は、金種毎に棒金を収納する棒金処理部を上下方向に6段に亘って有し、前記棒金処理部に最大20本の棒金を収納し、装置高さを500mmから600mm、奥行き約500mmで構成し小型化することができる。
その結果、机上への設置が可能となり、棒金の投入、取り出しの操作性を損なうことなく小型店舗に設置することができる効果がある。ここで奥行き500mmとは、一般的な机や本箱の奥行き寸法であり、装置高さを500mmから600mmとは、机上に装置を設置した状態で標準的な人が直立した状態で手の届く範囲である。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、棒金管理装置を含む棒金管理システムは、店舗の棒金を収納するとともに、棒金数量を検出し、前記棒金数量を金種別に収納情報として警備会社の管理センターへ通信回線を介し通知することができる。
その結果、店舗は、当日分として準備した余剰となった棒金をそのまま前記棒金管理装置で翌日分として収納管理を行い、警備会社は、棒金管理装置より受信した収納情報の棒金数量に基づき、前記棒金管理装置に収納可能な棒金の釣銭準備金の数量を算出し、準備を行うことができる。
従って、従来のように、入金機に入金して、余剰棒金を持ち帰る必要はなく、店舗は、余剰棒金の包装紙を解き、バラ硬貨として入金機へ入金する手間を削減することができ、さらに、従来の過剰な一定金額(棒金)の配金運用と比較して店舗資金を圧縮することができる。又、警備会社は、使用しない釣銭準備金の作成や運搬、回収した棒金硬貨を精算する手間を削減して、経費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の棒金収納繰出し機構を有する棒金処理部を備えた棒金管理装置によれば、棒金搬送手段の移動ローラと搬送ベルトを回動させ、棒金に回転を与え、棒金挟持手段の挟持板で棒金を挟持して転がし、棒金を移動させることができる。
その結果、入金動作と、出金動作と、収納した棒金数量の検出動作を1つの機構で構成でき、低コスト化が図れ、さらに、棒金管理装置を小型に構成できる。
又、特に爪状の部材が棒金に接触することがないから、棒金の包装紙が破損する恐れはない。さらに、爪状のレバーが回転する軌跡のスペースを収納トレーと収納トレーの間に確保する必要はないから、棒金管理装置の高さを低くできる。
【0029】
本発明の棒金収納繰出し機構を有する棒金処理部を複数備えた棒金管理装置によれば、棒金処理部を6段に上下方向に設け、各金種の収納トレーに対応した保留トレーと、各棒金処理部を制御する制御部を備え、出金、及び、入金を行う場合、複数の棒金処理部を同時に動作し、複数の金種の棒金を同時に出金、又は、入金を行うことができる。
その結果、従来の1本ずつ出金する包装硬貨出金機に比べ、処理時間を短縮することができる。
【0030】
本発明の棒金管理装置を含む棒金管理システムによれば、店舗の棒金を収納するとともに、棒金数量を検出し、前記棒金数量を金種別に収納情報として警備会社の管理センターへ通信回線を介し通知することができる。
その結果、店舗は、当日分として準備した余剰となった棒金をそのまま前記棒金管理装置で翌日分として収納管理を行い、警備会社は、棒金管理装置より受信した収納情報の棒金数量に基づき、前記棒金管理装置に収納可能な棒金の釣銭準備金の数量を算出し、準備を行うことができる。
従って、従来のように、余剰棒金を入金機に入金して、持ち帰る必要はなく、店舗は、余剰棒金の包装紙を解き、バラ硬貨として入金機へ入金する手間を削減することができ、又、従来の過剰な一定金額(棒金)の配金運用と比較して店舗資金を圧縮することができる。さらに、警備会社は、使用しない釣銭準備金の作成や運搬、回収した棒金硬貨を精算する手間を削減して、経費を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、図面を参照して本発明の一実施形態と効果について順次説明する。
尚、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0033】
図2は、本発明の実施形態の棒金管理装置30を用いたシステムを示す構成図である。
図2に示す棒金管理装置30は、店舗に設置された釣銭機や入金機などの硬貨処理装置や紙幣処理装置と通信回線で接続されターミナルで情報を共有する貨幣入出金システム29を構成し、店舗の資金を管理する。また、貨幣入出金システム29は、警備会社のセンター28と通信回線を介し、貨幣の入金、出金、収納情報を通知し、店舗への資金の補充や回収、売上金の口座振込みなどを行うシステム31を構成している。
【0034】
図1は、本発明の実施形態の棒金管理装置30の構成を模式的に示す側断面図である。
図1に示す実施形態の棒金管理装置30は、棒金を出金、又は、入金、さらに、棒金を収納して管理する第1から第6の棒金処理部21と、入金、出金、出金金額(出金数量)などの処理情報を入力、表示する操作部23と、操作部23やセンサ情報により装置動作を制御し、さらに、処理したデータを作成し管理する制御部24と、外部に前記データを送信、又は、外部からの命令を受信する通信手段25と、を備えている。
【0035】
図1に示す棒金処理部21は、棒金を出金、又は、入金、さらに、収納して管理するものであって、棒金を収納する収納トレー82を水平方向に配設し、金種別に上下方向に6段設けている。収納トレー82には、棒金が1列に並べて収納されており、最後部の棒金は、エンド板102に当接し、スプリングにより前方方向(装置前面)のストップベアリング10に付勢されている。収納トレー82前方方向(装置前面)の入出金口には、後述する棒金搬送手段1と棒金狭持手段61から構成される棒金収納繰出し機構を有し、入出金口に配置した移動ローラ2を隔てて、保留トレー42が設けられ、出金した棒金を保留することができる。また、保留トレー42は、入金を行う時の入金する棒金の保留トレー42としても使用し、入金する場合、移動ローラ2の支点軸a6を中心に回転し、移動ローラ2側が低くなるよう傾斜を付けることができる(
図5の状態)。また、保留トレー42は、棒金管理装置30を使用しないときは、支点軸a6を中心にさらに回転し、上方へ折りたたむことができる(
図1の状態)。
【0036】
次に、棒金処理部21の構造を
図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態の棒金処理部21の構成を模式的に示す側断面図である。
棒金処理部21は、棒金を収納する収納トレー82を有した棒金収納手段81と、棒金を収納トレー82前方方向(装置前面)のストップベアリング10に移動させ、さらに、棒金に回転を与える搬送ベルト4と、出金、又は、入金する移動ローラ2を有した棒金搬送手段1と、出金、又は、入金する最前位置の回転した棒金を狭持し、回転した棒金を転がす高摩擦部材で構成した狭持板62を有した棒金狭持手段61と、出金した、又は、入金する棒金を保留する保留トレー42を有した棒金保留手段41と、収納トレー82に収納された棒金を収納トレー82前方方向(装置前面)に付勢するとともに、棒金数量を検出するエンド板102とセンサa103を有した棒金検出手段101を備えている。
【0037】
棒金収納手段81は、棒金を収納するものであって、収納トレー82が水平方向に配設されている。収納トレー82は、長方形状の底板部84 と、底板部84の幅方向の両側縁部から垂直に立ち上がる一対の側板部85 と、底板部84の後端縁部から垂直に立ち上がる後板部86で構成され、棒金を約20本収納する空間を有している。そして、収納トレー82には、長さ方向に棒金が1列に並べて収納される。収納トレー82の底板部84に対向する上面には、前記後板部86を支点に、収納カバー83が開閉可能に取り付けられ、棒金を手装填したり、装置の故障時に操作することができる。また、収納トレー82の棒金を収納する空間は、最大径の500円棒金を収納するサイズで形成され、金種によるサイズにあわせ側板部85の内側と収納カバー83の内側にスペーサーを取り付け各金種サイズに対応できる。
【0038】
棒金搬送手段1は、搬送ベルト4と移動ローラ2を有し、回動することで、収納トレー82の棒金を搬送すると共に、棒金に回転を与えるものであって、後述する棒金狭持手段61により回転する棒金を狭持し、移動ローラ2で、狭持板62に沿って棒金を転がし、装置内外へ移動ローラ2を隔てて出金、又は、入金を行う棒金収納繰出し機構を構成する。収納トレー82の前方方向(装置前面)の両側板部85に、収納トレー82の内側に向け、支点軸a6がそれぞれ設けられ、高摩擦部材で形成された移動ローラ2がタイミングプーリーa3と一体に構成され、左右の前記支点軸a6に回転自在に支持されている。また、移動ローラ2の直径は、タイミングプーリーa3の直径より大きく構成されている。一方、収納トレー82の後方の両側板部85には、支点軸b7が支持され、タイミングプーリーb5がタイミングプーリーa3と同じピッチで左右に固定して取り付けられている。支点軸b7は、棒金を搬送する為の駆動を伝達するものであって、搬送モータ(図示なし)と連結されている。そして、タイミングプーリーb5とタイミングプーリーa3は、搬送ベルト4で連動し、移動ローラ2を回動する。また、移動ローラ2の後方には、自在に回転可能なストップベアリング10を先端に具備したストップレバー9が底板部84から突出する方向にバネで付勢されて設けられ、ストップレバー軸11を中心に回転可能に動作できる。ストップベアリング10に当接した位置が、出金する棒金の待機位置である。また、搬送ベルト4の下側に搬送ベルト4に当接するよう一定の間隔を置いて、棒金からの荷重を受ける搬送ベアリングa8が複数設けられている。ここで、搬送ベアリングa8の間隔は、移動ローラ2直後の2個は、後述する狭持板62で狭持した各金種の棒金の荷重を受ける為、配置可能な最小間隔で配置し、それ以降は、棒金2個から4個分の間隔で配置している。
【0039】
棒金狭持手段61は、棒金搬送手段1により、回転を与えられた棒金を狭持板62で狭持することで棒金を転がし、移動ローラ2を隔てた方向に棒金を移動するものであって、狭持板62は、回転する棒金が空転しないよう高摩擦部材で形成され、棒金上方に配置し、棒金に対し垂直方向に動作可能に構成し、バネにより下方に付勢されている。また、狭持板62は、出金、又は、入金動作を行わないときは、狭持レバー(図示なし)に押し上げられ最上位置(棒金高さ以上)に保持され、出金、又は、入金動作を行う時は、狭持レバー(図示なし)は、狭持板62に当接しないよう下方に退避し、狭持板62は、最下位置(棒金高以下)から最上位置に自由に移動可能な状態で棒金をバネ力により狭持する。また、出金、又は、入金動作時、棒金が移動ローラ2を乗り越える最上位置にセンサb64を配置し、棒金とともに持ち上げられた狭持板62をセンサb64で検出し、棒金が出金、又は、入金したことを検出する。そして、入出金棒金の数量を計数する。センサb64の配置は、棒金の金種により、位置が設定される。
【0040】
棒金保留手段41は、出金した、又は、入金する棒金を保留するものであって、保留トレー42は、支店軸a6を支点に配置され、出金する棒金を保留する場合は、トレーレバー44が支点側より低く傾斜した位置(
図3)に、入金する棒金を保留する場合は、トレーレバー44が支点側より高く傾斜した位置(
図5)に、保留トレー42を使用しない時は、さらに上方に回転し退避位置(
図1)に、可変可能に設けられている。また、保留トレー42の移動ローラ2の近傍に搬送ベアリングb43が配置され、入金する棒金を移動ローラ2と搬送ベアリングb43で支持する(
図5(b))。また、先端には、トレーレバー42が配置されていて、保留した棒金が保留トレー42から落下しないようになっている。
【0041】
棒金検出手段101は、収納トレー82に収納された棒金数量を検出するものであって、エンド板102は、収納された最後部の棒金に当接し、バネにより前方方向(装置前面)へ棒金を付勢するように配置されている。また、収納トレー82の一方の側板部85の外側には、センサa103が棒金配列方向に一定の間隔をおいて複数配置されている。そして、センサa103によりエンド板102を検出することにより、棒金数量を検出する。センサa103の一定の間隔とは、本発明の実施形態では、棒金2本分の間隔としている。
【0042】
ここで棒金処理部21の出金、及び、入金動作の基本原理を
図4、
図5を用いて説明する。
[出金動作]
図4は、本発明の棒金収納繰出し機構における出金動作を模式的に示す面図である。
図4(a)は出金動作を開始した状態であって、搬送ベルト4は、矢印方向に動作を開始する、とともに、移動ローラ2も共に回転を開始し、出金が完了するまで動作を継続する。搬送ベルト4の上に収納された棒金は、入出金口の前記移動ローラ2に押しあてられた状態で移動ローラ2を乗り越えられず、その位置に待機している。
【0043】
図4(b)は、棒金の移動を開始する状態であって、棒金の上方に待機する狭持板62は、搬送ベルト4の動作後、一定時間後に動作し、収納棒金の最前位置の棒金の上に移動し、棒金に一定圧を加えた状態で挟持する。棒金は、搬送ベルト4と移動ローラ2により回転し、挟持板62に沿って転がり始める。
【0044】
図4(c)は、棒金が移動ローラ2を移動する状態であって、棒金は、挟持板62に挟持されつつ移動ローラ2を乗り越え移動する。挟持板62は、棒金が移動ローラ2を移動しつつ持ち上げられ、次の収納棒金は、入出金口の移動ローラ2まで移動する。また、棒金が移動ローラ2の最上位置を通過すると、挟持板62がセンサb64で検出され、出金数量を管理する。
【0045】
図4(d)は、棒金を保留トレー42に投出するとともに、次収納棒金の出金を開始する状態であって、次収納棒金を挟持板62が挟持している。
【0046】
このような動作を繰り返し、出金命令の棒金本数が前記センサb64で検出されると、挟持板62は、元の棒金上方の待機位置に戻り、出金動作は停止し完了する。
【0047】
[入金動作]
図5は、本発明の棒金収納繰出し機構における入金動作を模式的に示す面図である。
図5(a)は入金動作を開始した状態であって、入金する棒金を保留した保留トレー42を図のように傾斜させた位置にセットする。保留トレー42の棒金は、自重により転動し移動ローラ2に当接した位置に待機する。このとき、移動ローラ2に当接した最前位置の棒金は、移動ローラ2と搬送ベアリングb43の2点に接して支持されている。入金命令を受け付けると搬送ベルト4は、矢印方向に動作を開始し、移動ローラ2もともに回転を開始する。以後入金が完了するまで回転動作を継続する。
【0048】
図5(b)は、棒金の移動を開始する状態であって、棒金の上方に待機する狭持板62は、搬送ベルト4の動作後、一定時間後に動作し、前記最前位置の棒金の上に移動し、棒金に一定圧を加えた状態で挟持する。棒金は、搬送ベルト4と移動ローラ2により回転し、挟持板62に沿って転がり始める。
【0049】
図5(c)は、棒金が移動ローラ2を移動する状態であって、棒金は、挟持板62に挟持されつつ移動ローラ2を乗り越え移動する。棒金が移動ローラ2を移動しつつ挟持板62は持ち上げられ、次の保留棒金は、自重で転動し移動ローラ2まで移動する。また、棒金が移動ローラ2の最上位置を通過すると、挟持板62がセンサb64で検出され、入金数量を管理する。
【0050】
図5(d)は、棒金を収納トレー82に収納するとともに、次の保留棒金の入金を開始する状態であって、次の保留棒金を挟持板62が挟持している。
【0051】
このような動作を繰り返し、保留トレー42の棒金がなくなれば、挟持板62は、元の棒金上方の待機位置に戻り、入金動作は停止し完了する。
【0052】
本発明の実施形態では、収納された棒金と機外を仕切る為のシャッター26を入出金口に設けるスペースを確保する為、ストップレバー9に具備したストップベアリング10に出金時の収納棒金を当接するようにしている。シャッター26は、狭持板62が動作するとともに下降動作するよう共通の狭持カム(図示なし)で動作するよう構成されている。
ストップレバー9は、棒金が挟持板62に沿って転がり始めると、棒金に押され収納トレー82の底板部84下へ退避する。
【0053】
上述のように、本発明の棒金収納繰出し機構による棒金の出金、及び、入金動作は、同構造で成り、回転方向を切替えることで行うことができる。
【0054】
[棒金検出方法]
つぎに、棒金処理部21に収納された棒金数量の検出方法について
図6を用い説明する。
図6は、本発明の棒金数量の検出における動作を模式的に示す面図である。棒金数量の検出は、前述した最後部の棒金に当接するエンド板102の位置をセンサa103により検出して行う。本発明の実施形態では、収納トレー82に約20本の棒金を収納することができるよう設定されている。センサa103は、棒金1本につき1個のセンサを配置して検出しても良いが、コストを削減するため、棒金2本につき1個のセンサを配置し、棒金数量を検出可能に制御している。センサa103の配置は、ストップベアリング10に当接する最前位置から2本目の棒金に当接するエンド板102の位置に第一のセンサa103を配置し、それ以降、棒金2本分の間隔で10個のセンサa103を配置している。最前部の棒金がストップベアリング10に付勢され最後部の棒金にエンド板102が当接した状態で、いずれかのセンサa103にエンド板102が検出されていれば、動作せず、センサa103に応じた数量を検出し、検出されていない場合(
図6)は、狭持板62を動作し、棒金を狭持し、搬送ベルト4で棒金を後方へ搬送するよう動作し、棒金を後方へ移動させる(
図6(a))。移動する棒金とともにエンド板102は後方へ移動し、いずれかのセンサa103に検出される。そして、検出したセンサa103に応じた数量から1本分を減じた数量を収納本数として検出することができる(
図6(b))。
図6は、収納された3本の棒金を検出する1例である。後方へ移動するエンド板102は、第2のセンサa103に検出される。第2センサa103は、4本を検出するセンサである。したがって、3本を検出したことになる。
【0055】
このように棒金数量を検出すれば、棒金の検出までの移動量は、棒金1本分で短時間に棒金数量を検出し、自動で精査を行うことができる。さらに、前述の棒金収納繰出し機構を用いて精査を行うことができるため、精査するための機構を新たに設ける必要はなく、低コストで構成することができる。
【0056】
次に、本発明の実施形態の棒金管理装置30の動作について説明する。
本発明の実施形態の棒金管理装置30は、棒金を出金、又は、入金し、収納した棒金数量を管理するものであって、金種別に500円、100円、50円、10円、5円、1円の順に第1から第6の棒金処理部21を上下方向に配置している。また、入金処理や出金処理や締め処理などの処理動作、及び、出金金額(出金数量)などの情報を入力し表示する操作部23と、操作部23やセンサ情報により装置動作を制御し、さらに、処理したデータを作成し管理する制御部24と、外部と装置収納データや外部からの命令などを送受信する通信手段25と、を備えている。
【0057】
また、本発明の実施形態の棒金管理装置30のサイズは、棒金を出金、又は、入金する棒金収納繰出機構を備えた金種毎に棒金を収納する棒金処理部21を上下方向に6段に亘って有し、前記それぞれの棒金処理部21に最大20本の棒金を収納し、装置高さを500mmから600mm以下、奥行き約500mmで小型化に構成している。装置サイズは、机上への設置を想定し、棒金の投入、及び、取り出し時の操作性を損なうことのないサイズであって、棒金管理装置30を机上に設置した場合、奥行き500mmとは、一般的な机や本箱の奥行き寸法であり、装置高さの500mmから600mmとは、標準的な身長の人が直立した状態で手の届く範囲である。
【0058】
また、本発明の実施形態の棒金処理装置30の筐体22には、机や壁や貨幣入出金システム29の店舗機器にアンカー固定して運用することができる。筐体22は、筐体22の側面、及び、後面、及び、底面にアンカー固定ができるよう取り付け部材を具備している。このような取り付け部材により、筐体22に接する強構造物にしっかり固定しておけば、防盗性の観点から、棒金を保管する棒金管理装置30を小型店舗に設置しても安心して運用する事ができる。
【0059】
また、本発明の実施形態の棒金管理装置30の複数の棒金処理部21は、個別に装置前面方向に引き出し可能に構成されている。筐体22には、それぞれの棒金処理部21に対応したスライドレールを具備し、前記スライドレールに前記棒金処理部21を固定することで、棒金処理部21は筐体と一体に構成する。このような構成にすれば、装置の故障や、棒金の補充の操作時に、強構造物に固定された筐体22の位置を変えることなく棒金処理部21を引出し処理することができる。
【0060】
尚、本発明の実施形態では、500円から順番に第1から第6の棒金処理部21を割り当てたが、順番はどのように割り当ててもよく、また、不要な金種は設定せず、同金種を複数割り当てても良い。
【0061】
また、本発明の実施形態では、棒金処理部21を6段設けているが、使用条件に応じ任意の数を設けても良い。
【0062】
[出金動作]
つづいて棒金管理装置30の出金動作の説明を行う、棒金管理装置30が有する操作部23、又は、通信手段25から、出金命令を受け付けた場合、例えば、500円を3本、100円を2本、10円を2本の出金命令を受け付けた場合は、前述の金種に対応する第1、第2、第4の棒金処理部21は、同時に出金動作を開始する。
【0063】
各棒金処理部21の出金動作は、前述したように、棒金搬送手段1の搬送ベルト4が出金方向に回転を開始し、続いて、棒金狭持手段61が動作し、棒金保留手段41の保留トレー42に棒金が出金され、出金命令された各本数がセンサb64で検出されれば、停止する。
【0064】
また、制御部24は、各棒金処理部21から1本出金する毎に、出金前の各保留本数から本数を減算し、保留本数を管理する。
【0065】
[入金動作]
次に、棒金管理装置30の入金動作の説明を行う、オペレーターは、金種別の棒金処理部21の棒金保留手段41の保留トレー42にそれぞれ棒金をセットする。例えば、500円を3本、100円を2本、10円を2本、セットする。つづいて、操作部23、又は、ターミナルから通信回線を介して通信手段25から、入金命令を行うと、前述の金種に対応する第1、第2、第4の棒金処理部21は、同時に入金動作を開始する。
【0066】
入金動作は、前述したように、棒金保留手段41の保留トレー42は、傾斜角度を変え入金位置に設定され、棒金は、移動ローラ2に向けて当接するように自重で転動し、移動ローラ2と搬送ベアリングb43に支持される。このとき、各棒金処理部21の保留トレー42は、棒金がセットされていないものも含め全ての保留トレー42を入金位置に設定しても良いし、棒金がセットされた保留トレーのみでも良い、また、保留トレー42の動作は、自動であっても、手動であっても良い。
【0067】
つづいて、棒金搬送手段1の移動ローラ2と搬送ベルト4が入金方向に回転を開始し、つづいて、棒金狭持手段61が動作し、棒金収納手段81の収納トレー内に収納される。保留トレー42上の棒金がなくなれば、各棒金処理部21は、それぞれ停止する。
【0068】
制御部24は、各棒金処理部21から1本入金する毎に、入金前の各収納本数に本数を加算し、収納本数を管理する。
【0069】
[締め動作]
また、操作部23、又は、通信手段25から、締め命令を受け付けた場合、各金種に割り当てられた各棒金処理部21は、収納されている棒金の本数の自動精査を行う。自動精査は、収納された棒金の本数を再計数するものであって、前述した、棒金検出方法で行う。自動精査された結果は、現在記憶されている収納本数データと照合され、異なる場合は、アラームするように制御されている。
【0070】
また、自動精査は、締めのタイミングだけでなく、出金動作、又は、入金動作の完了時や、エラー解除後、電源の入り時、手装填で棒金をセットしたタイミングなど事象の変化毎に行い、前記事象の間に収納本数の変化を厳正に管理している。
【0071】
ここで締めとは、店舗での当日の売り上げ精算を行う作業であって、店舗内の現金精査、売上金の集計を行うことを言う。
【0072】
また、本発明の棒金管理装置30は、店舗に設置された釣銭機や入金機などの硬貨処理装置や紙幣処理装置などの店舗機器と貨幣入出金システム29で構成して両替を行うことができる。例えば、貨幣入出金システム29のターミナルに両替情報を入力し、入金機に千円紙幣を投入する。入金機は、千円を受け付け、受付が確定すると、投入金額と確定通知を前記ターミナルに送信する。ターミナルは、前記確定通知を受信すると、棒金管理装置30へ所望の金種と本数を通知する。棒金管理装置30は、前記通知を受信すると、所望の金種を同時に出金を開始する。このように、店舗に設置された入金機と連携して、両替機として運用できる。この場合、棒金管理装置30に収納された棒金は、店舗の資金であっても良いし、警備会社の資金であっても良い。
【0073】
また、上述の実施例では、紙幣を投入して、棒金に両替を行う例を示したが、本発明の棒金管理装置30は、出金、又は、入金の処理を行うことができる、したがって、棒金管理装置30に棒金を投入して、店舗機器の紙幣処理装置から、紙幣を出金して両替を行っても良い。
【0074】
また、釣銭機からの情報により出金する場合、例えば、釣銭機より不足した金種や数量を前記ターミナルが受信し、ターミナルは、棒金管理装置30へ所望の金種、本数の出金命令を送信する。そして、棒金管理装置30から所望の金種、本数を出金する。
【0075】
また、本発明の棒金管理装置30は、現金量の多い店舗では、複数の棒金管理装置30を貨幣入出金システム29に接続して運用してもよい。
また、本発明の棒金管理装置30は、システムで構成せず、所望の棒金の金種と数量を直接棒金管理装置30の操作部23に入力し出金して、単体で運用しても良い。
【0076】
次に、本発明の実施形態のシステム31の構成と動作について説明する。
図2に示す棒金管理装置30は、店舗に設置された釣銭機や入金機などの硬貨処理装置や紙幣処理装置の店舗機器と組み合わされた状態で貨幣入出金システム29を構成する。そして、棒金管理装置30は、前記店舗機器からの命令に基づき出金、又は、入金を行うことができる。さらに、棒金管理装置30は、警備会社のセンター28と通信回線を介し接続され、棒金管理装置30とセンター28との間で、棒金の金種別の収納情報や棒金管理装置30の設定情報などを通知することができる。そして、センター28は、受信した前記棒金の収納情報に基づいて、適正な釣銭準備金(棒金)の準備指示や補充情報を管理するシステム31を構成している。
【0077】
システム31において、釣銭準備金(棒金)を店舗に供給する本発明の第1の実施形態は、警備会社が各店舗に対し釣銭準備金(棒金)を準備する場合、棒金管理装置30は、棒金管理装置30の締めデータの収納情報を警備会社のセンター28に通知する。警備会社は、前記締めデータの収納情報に基づき必要な棒金数量を準備する。
【0078】
ここで、上述の必要な棒金数量とは、棒金管理装置30が収納することが可能な本数であって、満杯本数から収納情報の収納本数を差し引いた本数である。
【0079】
例えば、本発明の実施形態の棒金管理装置30は、金種別に棒金処理部21を6段に構成し、各金種別の棒金処理部21には1段につき1金種20本の棒金を収納することができる。センター28が受信した締めデータの収納情報が、500円が10本、100円が15本、50円が20本、10円が5本、5円が19本、1円が5本であった場合、釣銭準備金(棒金)の棒金数量は、500円が10本、100円が5本、50円が0本、10円が15本、5円が1本、1円が15本の釣銭準備金(棒金)を準備する。
【0080】
尚、本発明の実施形態では、小型店舗で使用する棒金の数量を対象に、棒金管理装置30が1台の例で記述したが、大中規模の店舗であれば、必要な棒金数量に応じ棒金管理装置30を複数台設置して接続して運用することができる。また、センター28に通知する収納情報は、締めデータに限定せず、任意のタイミングのデータに設定してもよい。また、必要な棒金数量の算出は、俸金管理装置30が収納可能な満杯本数から算出しても良いし、任意に設定した満杯本数から算出しても良い。
【0081】
また、システム31において、釣銭準備金(棒金)を店舗に供給する本発明の第2の実施形態は、警備会社が各店舗に対し釣銭準備金(棒金)を補充する場合、棒金管理装置30は、棒金管理装置30にあらかじめ登録された補充条件に基づき必要な棒金数量を補充する。
【0082】
例えば、本発明の実施形態の棒金管理装置30は、金種別に棒金処理部21を6段に構成し、各金種別の棒金処理部21には1段につき1金種20本の棒金を収納することができる。棒金管理装置30に登録された補充条件が、500円が10本、100円と10円と1円が15本、50円と5円が20本、であって、補充前の棒金数量が、500円が3本、100円が5本、50円が7本、10円が5本、5円が2本、1円が8本であった場合、棒金管理装置30は、金種別に登録された補充条件から補充前の棒金数量を減じ、補充本数は、500円が7本、100円が10本、50円が13本、10円が10本、5円が18本、1円が7本と算出する。棒金管理装置30は、前記補充本数を計数しながら、入金を行う。そして、補充本数を検出すると、金種毎に入金動作を停止し補充が完了する。
このような補充方法を用いた供給であれば、釣銭準備金(棒金)を店舗に供給する本発明の第1の実施形態のように、警備会社で店舗毎にあらかじめ釣銭準備金(棒金)を作成して準備する必要はなく、複数店舗で一括してまとめた棒金数量を準備すればよい。
【0083】
ここで、補充条件とは、店舗が所望する棒金管理装置30の金種別の収納総本数を一定にする条件であって、棒金管理装置30に収納可能な最大本数であっても良いし、任意に設定された収納総本数であっても良いし、あるいは、指定された補充本数であっても良い。そして、棒金管理装置30に前記店舗が所望する収納総本数を補充条件として登録しておけば、補充の際、棒金管理装置30は、補充本数を監視して、補充条件に達すれば自動停止することができ、人による補充本数の管理は必要なく、ハンドリングミスを起こす心配はない。尚、前記店舗が所望する補充条件の登録は、店舗が直接棒金管理装置30に登録しても良いし、店舗からの補充条件を警備会社のセンター28が受信し、警備会社のセンター28から棒金管理装置30に登録しても良い。
【0084】
次に、システム31において、釣銭準備金(棒金)を店舗に供給する本発明の第2の実施形態の棒金補充方法を、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。
システム31において、店舗に設置したに棒金棒金管理装置30に対し警備会社が釣銭準備金(棒金)を補充する場合、
(ステップS01)棒金管理装置30に棒金を補充する補充条件を登録する。
(ステップS02)警備会社は、棒金管理装置30に、前記補充条件に基づく釣銭準備金(棒金)を補充する。
(ステップS03)補充した後、棒金管理装置30の各棒金処理部21は、収納されている棒金の自動精査を行い、棒金数量を検出する。
(ステップS04)そして、制御部24は、前記棒金管理装置30の自動精査により検出された棒金数量から前記棒金管理装置30の補充前の棒金数量を減じ、補充された棒金数量を算出して補充データを作成する。
(ステップS05)補充された棒金の前記補充データは、棒金管理装置30の通信手段25から通信回線を介し警備会社のセンター28に通知する。
(ステップS06)警備会社のセンター28は、前記補充データを受信し管理する。
(ステップS07)次に警備会社のセンター28は、棒金管理装置30の設置店舗に、前記補充データを通知する。
(ステップS08)そして、前記補充データに基づき、警備会社と前記棒金管理装置30の設置店舗との間で補充された資金を処理する。
ここで、上述の警備会社と前記棒金管理装置30の設置店舗との間で補充された資金を処理とは、店舗が補充された釣銭準備金(棒金)の清算を行うことであって、店舗の銀行口座と警備会社の銀行口座でとの間で清算することが好ましい。
【0085】
以上のように本発明の実施形態によれば、棒金を出金、又は、入金することに関し、棒金収納繰出機構を有した棒金処理部21は、移動ローラ2と搬送ベルト4を有する棒金搬送手段1により棒金に回転を与え、回転する棒金は、移動ローラ2と棒金挟持手段61の挟持板62で挟持され、狭持板62の面に沿って転がり移動する。その結果、爪状のレバーが回転する大きな軌跡のスペースを収納トレー82と収納トレー82の上下方向に必要とせず、移動ローラ2分のスペースでよい、したがって、同じ数の収納トレー82を備える装置の高さを低くでき、装置を小型化することができる。
【0086】
また、棒金を転がして移動させるため、特に爪状の部材が棒金に接触する事は無いので、棒金の包装紙が破れるおそれはない。
【0087】
また、本発明の実施形態によれば、棒金収納繰出し機構は、出金、又は、入金を行う場合、移動ローラ2の回転方向を切替えることで行うことができる。その結果、出金、又は、入金の機能を同構造で構成でき、低コスト化、小型化が図れる。
【0088】
また、本発明の実施形態によれば、棒金処理部21は、棒金2本に対し1個のセンサa103を配置した棒金検出手段101を備え、収納された棒金数量を検出する場合、棒金を搬送ベルト4と狭持板62で狭持し狭持板62に沿って後方へ転がして移動させ、棒金の最後部に当接するエンド板102を検出することで棒金数量を検出することができる。その結果、出金、又は、入金、及び、棒金検出の機能を同構造で構成でき、低コスト化、小型化が図れる。
【0089】
また、本発明の実施形態によれば、棒金を出金、又は、入金する棒金処理部21を6段で構成する棒金管理装置30は、前記棒金処理部21毎に、出金した棒金、又は、入金する棒金を保留する保留トレー42を有する棒金保留手段41と、前記棒金処理部21を制御する制御部24と、を備え、棒金を出金、又は、入金する場合、6段の棒金処理部21を同時に動作することができる。その結果、複数の棒金金種を同時に出金、又は、入金することができ、処理時間を短くすることができる。
【0090】
またさらに、棒金を出金、又は、入金する棒金収納繰出機構を有した棒金処理部21を複数有する棒金管理装置30は、金種毎に棒金を収納する棒金処理部21を上下方向に6段に亘って有し、前記棒金処理部21毎に最大20本の棒金を収納し、装置高さを500mmから600mm、奥行き約500mmで構成し小型化することができる。その結果、机上への設置が可能となり、棒金の投入、取り出しの操作性を損なうことなく小型店舗に設置することができる効果がある。ここで奥行き500mmとは、一般的な机や本箱の奥行き寸法であり、装置高さを500mmから600mmとは、棒金管理装置30を机上に設置した場合に標準的な人が直立した状態で手の届く範囲である。
【0091】
また、本発明の実施形態によれば、棒金管理装置30の棒金処理部21は、各棒金処理部21毎に装置前面方向に引き出すことができる。その結果、棒金管理装置30を防盗の観点から、机や壁に固定された状態で、装置の故障時や棒金を手装填するときなど容易に操作することができる。
【0092】
また、本発明の棒金管理装置30は、店舗に設置された釣銭機や入金機などの硬貨処理装置や紙幣処理装置などの店舗機器と貨幣入出金システム29で構成して両替を行うことができる。その結果、新たに両替機を設置する必要はなく設備コストを低減することができる。
【0093】
また、本発明の実施形態によれば、棒金管理装置30を含むシステム31は、店舗の棒金を収納するとともに、棒金数量を検出し、前記棒金数量を金種別に収納情報として警備会社のセンター28へ通信回線を介し通知することができる。その結果、店舗は、当日分として準備した余剰となった棒金をそのまま前記棒金管理装置30で翌日分として保管管理を行い、警備会社は、棒金管理装置30より受信した収納情報の棒金数量に基づき、前記棒金管理装置30に収納可能な棒金の釣銭準備金の棒金数量を算出し、準備を行うことができる。したがって、従来のように、余剰棒金を入金機に入金して、持ち帰る必要はく、店舗は、余剰棒金の包装紙を解き、バラ硬貨として入金機へ入金する手間が削減でき、さらに、従来の過剰な一定金額(棒金)の配金運用と比較して店舗資金を圧縮することができる。また、警備会社は、使用しない釣銭準備金(棒金)の作成や運搬、回収した棒金硬貨の精算を削減して経費を抑えることができる。
【0094】
また、本発明の実施形態の棒金管理装置30を含むシステム31を用いた棒金補充方法によれば、棒金管理装置30に店舗が所望する補充条件を登録して、補充を行い、補充を行った棒金数量に基づき、店舗と警備会社の間で清算処理を行うことができる。その結果、補充直後の棒金管理装置30の棒金数量は、余剰の棒金を含め、店舗が所望する一定の棒金数量を満たすことができる。また、棒金管理装置30により補充条件を監視しているため、補充を行う警備会社は、補充を行う際の補充数量に気を配る必要はい。また、店舗毎に釣銭準備金(棒金)を準備する必要はなく、補充する複数店舗の釣銭準備金(棒金)を一括して準備することができるため、経費を削減できる。また、補充情報を警備会社のセンター28に通知するため、警備会社が持ち出した釣銭準備金(棒金)は、補充した釣銭準備金(棒金)と照合して厳正に現金管理を行う事ができる。