(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例として挙げた特許文献1の壁パネルは、パネル枠の両面に石膏ボードを張り合わせたものであり、その石膏ボードに給湯器がネジなどで留め付けられて固定されている。
しかしながら、壁パネルの表面に設けられた石膏ボードに給湯器などの壁面設置物を留め付けただけでは、耐震強度の観点から好ましくなかった。
また、石膏ボードに限らず、建物の外壁材に壁面設置物を固定した場合、その外壁材に壁面設置物の荷重が集中してしまい、外壁材にかかる負担が大きいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、壁面設置物をより強固に固定することができる外壁構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、
複数の柱(柱51、間柱51a)と、
前記複数の柱51の上端部同士を連結する上梁52と、
前記複数の柱51の下端部同士を連結する下梁53と、
前記上梁52と前記下梁53とに架け渡されて支持される外壁材54と、
を備えている外壁構造5において、
前記外壁材54は前記上梁52に固設した外壁上部取付ブラケット60に対しボルトで固定されており、
前記外壁上部取付ブラケット60には前記ボルトが挿通される左右方向に長い長穴が形成されていて、
前記外壁材54の裏側には、前記外壁材54の表側に設置される壁面設置物(例えば給湯器1)を固定するための下地材2が、
前記上梁52から下方に離間し、かつ前記下梁53から上方に離間した状態で、前記複数の柱間(柱51と間柱51aの間)に架け渡されて保持されていて、
前記下地材2は、当該下地材2を受ける受け具3を介して前記柱(柱51、間柱51a)に取り付けられており、
前記受け具3は、前記柱(柱51、間柱51a)と前記下地材2の間に介装される固定面部3aと、前記固定面部3aの端部が屈曲されて前記外壁材54との間に前記下地材2を挟む配置とされた取付面部3bと、を備え、
前記固定面部3aが前記柱(柱51、間柱51a)に固定され、前記取付面部3bに前記下地材2が固定されていて、
前記壁面設置物1は前記下地材2に対し前記外壁材54の取付孔を貫通するボルトBで固定されており、
前記ボルトBの外周面と前記外壁材54の前記取付孔の内周面との間に隙間が形成されていることを特徴とする。
請求項
2に記載の発明は、例えば
図3〜
図5に示すように、
請求項
1に記載の外壁構造5において、
前記外壁材54は気泡コンクリート材料からなることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、複数の柱の間、例えば柱51と間柱51aの間に架け渡された下地材2が外壁材54の裏側に保持されているので、外壁材54の表側に壁面設置物である給湯器1を設置する場合、給湯器1の荷重が下地材2にかかるように、ボルトBやビスやねじなどの固定具によって給湯器1を下地材2に固定することができる。
このように、外壁材54の表側に設置する給湯器1を、外壁材54の裏側で柱51と間柱51aの間に保持されている下地材2に固定すれば、給湯器1の荷重を建物の柱51(間柱51a)にかけることができ、その給湯器1を建物の柱51(間柱51a)で好適に支持することができる。
つまり、建物の柱51(間柱51a)の間に固定された下地材2が外壁材54の裏側に配設されている外壁構造5であれば、その下地材2を壁面設置物の支持のみに使うことができ、給湯器1などの壁面設置物をより強固に建物の壁面に固定することができる。
また、このような下地材2に給湯器1などの壁面設置物を固定する構造は、柱51と、上梁52と、下梁53と、外壁材54とを備えた外壁であれば適用可能であるため、様々な工法からなる建物に採用することができる。
そして、外壁材54が、上梁52に固設した外壁上部取付ブラケット60の左右方向に長い長穴に挿通されたボルトで固定されているので、地震などによる外壁材54の揺れを逃がすことができる。
さらに、固定面部3aと取付面部3bとを備えて断面視略L字形状を呈する受け具3を用いて、上梁52から下方に離間し、かつ下梁53から上方に離間した状態で、柱51の間に下地材2を好適に取り付けることができる。
また、例えば、取付面部3bが下地材2よりも外壁材54側にあると、取付面部3bによって外壁材54側から見た場合の下地材2の範囲が狭くなるが、取付面部3bは外壁材54との間に下地材2を挟む配置とされているので、下地材2の広い範囲を壁面設置物の固定に用いることができる。
さらに、
外壁材54と下地材2に固定された壁面設置物とが、それぞれ異なる構造躯体(外壁材54は梁、下地材2は柱)に取付けられ、ボルトBと外壁材54の取付孔との間に隙間(遊び)があることで、地震などによって壁面設置物1が揺動しようとしても、その力が外壁材54には加わり難くなっており、壁面設置物1の荷重が外壁材54にかかり難くなっているため、結果的に壁面設置物1の安定した設置状態を維持することが可能になる。
請求項
2に記載の発明によれば、気泡コンクリート材料からなる外壁材54なので、軽量である。
【0008】
請求項
3に記載の発明は、例えば
図3、
図6に示すように、
請求項
1又は2に記載の外壁構造5において、
前記下地材2とその下地材2が架け渡されている前記柱51(間柱51a)の前記外壁材54側の面が、略面一とされていることを特徴とする。
【0009】
請求項
3に記載の発明によれば、外壁材54の裏側に下地材2が取り付けられてなる外壁構造5において、下地材2の表面と、下地材2が架け渡されている柱51と間柱51aの外壁材54側の面が略面一とされているので、下地材2が取り付けられている柱51(間柱51a)に対して外壁材54を近接させて配置することができる。
【0012】
請求項
4に記載の発明は、例えば
図2、
図4、
図5に示すように、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の外壁構造5は、
前記柱(柱51、間柱51a)と、前記上梁52と、前記下梁53と、前記外壁材54とを備える建物ユニット50に対して適用されていることを特徴とする。
【0013】
請求項
4に記載の発明によれば、外壁材54の裏側に下地材2が配設されている外壁構造5を、複数の建物ユニット50によって構築される建物に設けることができる。
この外壁構造5の下地材2は、建物ユニット50の柱の間(柱51と間柱51aの間)に固定されているので、外壁材54の表面に設置する給湯器1は下地材2を介して建物ユニット50のフレームに固定された状態になり、より強固に建物の壁面に固定されるようになる。
また、予め工場で建物ユニット50に下地材2の取り付けておくことで、現場での作業軽減を図ることも可能になる。
【0014】
請求項
5に記載の発明は、例えば
図2〜
図5に示すように、
請求項
4に記載の外壁構造5において、
前記建物ユニット50はインナーバルコニー用の建物ユニットであり、正面壁50aと、その正面壁50aから垂直に突き出た袖壁50bとを備えており、
前記袖壁50bと、その袖壁50bと垂直に交わる前記正面壁50aの窓開口部(14a、15a)の横にある小壁50cは、前記下地材2を取り付け可能とするため、略等しい寸法を有しており、
前記袖壁50bと、前記小壁50cの少なくとも一方の前記外壁材54の裏側には、前記下地材2が取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項
5に記載の発明によれば、外壁材54の裏側に下地材2が配設されている外壁構造5を、インナーバルコニー用の建物ユニット50を用いて構築されるバルコニー付きの建物に設けることができる。なお、インナーバルコニー用の建物ユニット50は、そのユニット空間内にバルコニーを有している。
そして、互いに垂直な配置となる正面壁50aの小壁50cと袖壁50bのうち、外壁材54の裏側に下地材2が取り付けられている壁面に壁面設置物(例えば給湯器1)を固定することができる。
例えば、正面壁50aの小壁50cの外壁材54の裏側と、袖壁50bの外壁材54の裏側の両方に下地材2が取り付けられた建物ユニット50であれば、正面壁50a(小壁50c)と袖壁50bの何れにも給湯器1を設置することができるので、建物の方位や間取りなどに応じた適正な壁面を選択して給湯器1を設置することができる。
特に、袖壁50bと、その袖壁50bと垂直に交わる小壁50cは略等しい寸法を有しており、そのどちらにも下地材2を取り付けることができるので、建物の方位や間取りなどに応じた適正な壁面を選択して給湯器1を設置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、壁面設置物を建物の外壁面により強固に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る外壁構造の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、集合住宅100の一階に設けられている第一居住部10と第二居住部20を示している。なお、
図1の紙面上において上が北、下が南、左が西、右が東とされており、第一居住部10が西側、第二居住部20が東側に設けられている。
本実施形態の集合住宅100は、北側に開放されたエントランスEを囲むように形成された住宅本体と、エントランスE及び住宅本体の上部に設けられる屋根とからなる二階建て建物である。このエントランスEの階段を通じて集合住宅100の一階と二階の行き来が可能になっている。なお、集合住宅100の二階には、第一居住部10と第二居住部20と同様の間取りを有する第三居住部、第四居住部が設けられている。
【0020】
概略的に説明すると、この集合住宅100は、例えば工場で生産された直方体フレーム状の複数の一階建物ユニットを建築現場の基礎上で水平方向に配置し、さらに一階建物ユニット上に同様の二階建物ユニットを配置して住宅本体を形成し、さらに二階建物ユニット上に屋根を配置することで建てられている。
これらの建物ユニットは、例えば、長方形の四隅に相当する位置に立設された四本の柱と、隣接する柱の下端部同士を連結する四本の下梁(床梁)と、隣接する柱の上端部同士を連結する四本の上梁(天井梁)とを骨組みしてなる箱型のフレームを有する。この箱型のフレームの下面側に床、フレームの上面側に天井、フレームの側面側に壁が工場において組み付けられて、略直方体状の建物ユニットが形成される。
なお、本実施の形態においては、集合住宅100を上述のような鉄骨造のユニット式建物としたが、これに限られるものではなく、木製の建築用パネルによって構築されるパネル工法の建物であってもよい。さらには、従来の軸組工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。
【0021】
第一居住部10は、エントランスEに向けて北側に玄関扉を備えた玄関11と、玄関11から一段上がった玄関ホール12と、居室であるリビング13と、玄関ホール12と繋がった2つの南側洋間14,15と、リビング13と繋がった北側洋間16と、洗面所17と、浴室18と、トイレ19等を備えている。なお、リビング13は台所機能を有するリビング・ダイニング・キッチン(LDK)である。
また、第一居住部10には、南側洋間14,15の南面に形成されている窓開口部14a,15aを通じて出入りできるバルコニー10aが設けられている。バルコニー10aの南面には手摺壁10bが設けられている。
【0022】
第二居住部20は、エントランスEに向けて西側に玄関扉を備えた玄関21と、玄関21から一段上がった玄関ホール22と、居室であるリビング23と、玄関ホール22と繋がった2つの南側洋間24,25と、玄関ホール22と繋がった北側洋間26と、洗面所27と、浴室28と、トイレ29等を備えている。なお、リビング23は台所機能を有するリビング・ダイニング・キッチン(LDK)である。
また、第二居住部20には、南側洋間24,25の南面に形成されている窓開口部24a,25aを通じて出入りできるバルコニー20aが設けられている。バルコニー20aの南面には手摺壁20bが設けられている。
【0023】
第一居住部10のバルコニー10aと、第二居住部20のバルコニー20aには、それぞれ屋外設置型の給湯器1が設置されている。
この第一居住部10のバルコニー10aを例に、壁面設置物である給湯器1が設置される外壁構造5について説明する。
【0024】
バルコニー10aは、インナーバルコニー用の建物ユニット50によって構築されている。
建物ユニット50は、
図2〜
図5に示すように、四隅の柱51と、柱51の上端部同士を連結する天井梁である上梁52と、柱51の下端部同士を連結する床梁である下梁53と、上梁52と下梁53とに架け渡されて支持されている外壁材54等を備えている。
外壁材54は、例えば、PALC(Precastable Autoclaved Lightweight Ceramics)や、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)などの気泡コンクリート材料からなる。
【0025】
この建物ユニット50には、
図4に示すように、短辺側の上梁52間に架け渡されている上部中間梁52aと、短辺側の下梁53間に架け渡されている下部中間梁53aとが配設されている。
上部中間梁52aには、断面L字形状の外壁上部取付ブラケット60がボルトによって固定されており、その外壁上部取付ブラケット60の側面部60aと外壁材54とがボルトによって接合されている。この側面部60aには左右方向に長い長穴が形成されており、その長穴にボルトが挿通されていることで、地震などによる外壁材54の揺れを逃がすようになっている。
また、下部中間梁53aには、バルコニー床支持部材61が取り付けられており、そのバルコニー床支持部材61の下部中間梁53a側に立上り部材62が固定されている。立上り部材62には防水材64が設けられており、その防水材64を介して立上り部材62と外壁材54とが接している。
また、上端部が上梁52に連結され下端部が下梁53に連結されている間柱51aと、上端部が上部中間梁52aに連結され下端部が下部中間梁53aに連結されている間柱の間に架設された補助下梁63が下部中間梁53aと平行な向きに配設されており、外壁材54の下部にボルトによって固定されている外壁上部取付ブラケット65が補助下梁63と接合されている。
このように外壁材54は、各種部材を介して上梁52と下梁53に架け渡されている。
なお、バルコニー床支持部材61の上にバルコニー床66が設けられており、そのバルコニー床66の一部に排水ドレン67がある。排水ドレン67は排水管68に接続されている。
【0026】
また、
図2、
図3に示すように、建物ユニット50における南北方向に並んだ柱51の間には間柱51aが設けられている。この間柱51aの上端部は上梁52に連結され、間柱51aの下端部は下梁53に連結されている。
そして、この建物ユニット50は、東西の間柱51aを結ぶ面に設けられた正面壁50aと、その正面壁50aから南側に垂直に突き出た袖壁50bとを備えている。
この正面壁50aに窓開口部14a,15aが形成されており、正面壁50aの窓開口部以外の壁面に外壁材54が取り付けられている。なお、正面壁50aには、
図4に示すように、外壁材54から南側洋間14,15の内壁の石膏ボード55を貫くように設けられたクーラースリーブ55aと換気口55bが配設されている。
また、袖壁50bの壁面に外壁材54が取り付けられている。手摺壁10bの壁面にも外壁材54が取り付けられている。
なお、平断面視において、正面壁50aの窓開口部14a,15aの横にある小壁50cと、袖壁50bとは略等しい寸法を有している。
【0027】
袖壁50bの外壁材54の裏側には、
図3、
図5に示すように、外壁材54の表面側に設置される壁面設置物(ここでは給湯器1)を固定するための下地材2が、柱51と間柱51aとの間に架け渡されて保持されている。
下地材2は、
図6に示すように、下地合板2aと、下地合板2aの裏面に接着剤と木ビスとで固定された下地枠2bとを有している。
この下地材2は、受け具3を介して柱51と間柱51aとの間に取り付けられており、外壁材54の裏側に下地材2が取り付けられてなる外壁構造5において、下地材2の下地合板2aの表面と、下地材2が架け渡されている柱51と間柱51aの外壁材54側の面が、略面一とされている。下地材2(下地合板2a)と柱51、間柱51aの表面が略面一であるので、下地材2が取り付けられている柱51(間柱51a)に対して外壁材54を適正に取り付けることができる。
【0028】
なお、
図5に示すように、袖壁50bの上梁52には間柱取付部材52bが固設されており、この間柱取付部材52bに間柱51aと外壁材54が取り付けられている。
間柱取付部材52bには、断面L字形状の外壁上部取付ブラケット60がボルトによって固定されており、その外壁上部取付ブラケット60の側面部60aと外壁材54とがボルトによって接合されている。この側面部60aには左右方向に長い長穴が形成されており、その長穴にボルトが挿通されていることで、地震などによる外壁材54の揺れを逃がすようになっている。
また、下梁53には、バルコニー床支持部材61が取り付けられており、そのバルコニー床支持部材61の下梁53側に立上り部材62が固定されている。立上り部材62には防水材64が設けられており、その防水材64を介して立上り部材62と外壁材54とが接している。
また、柱51と間柱51aの間に架設された補助下梁63が下梁53と平行な向きに配設されており、外壁材54の下部にボルトによって固定されている外壁
下部取付ブラケット65が補助下梁63と接合されている。
このように外壁材54は、各種部材を介して上梁52と下梁53に架け渡されている。
【0029】
受け具3は、
図3、
図6に示すように、柱51(間柱51a)と下地材2の間に介装される固定面部3aと、固定面部3aの端部が屈曲されて外壁材54との間に下地材2を挟む配置とされた取付面部3bとを備えた、断面視略L字形状を呈する金属製の部材である。
受け具3の固定面部3aがネジなどの固定具や溶接等によって柱51(間柱51a)に固定され、受け具3の取付面部3aに下地材2がネジなどの固定具によって固定されることで、下地材2が柱51と間柱51aとの間に固定され、外壁材54の裏側に下地材2が配設されるようになっている。
【0030】
そして、
図3〜
図5に示すように、袖壁50bの外壁材54の表面における下地材2に対応する領域に給湯器1がボルトBなどの固定具によって固定されている。
給湯器1には、例えば6つの取付孔が設けられており、その取付孔に挿通されたボルトBは外壁材54の取付孔を貫通し、下地材2の下地合板2aにねじ込まれている。
このように、給湯器1は外壁材54のみに荷重がかからないように、ボルトBによって下地材2(下地合板2a)に固定されている。その下地材2は、建物ユニット50の柱51と間柱51aに固定されているので、給湯器1は下地材2を介して建物ユニット50のフレームに固定された状態になっている。つまり、外壁材54に設置されている給湯器1は、柱51と間柱51aの間に保持されている下地材2に固定されることで、より強固に建物の壁面に固定されている。また、外壁材54にかかる負担が少なくなり、外壁材54が破損し難くなっている。
特に、ボルトBの外周面と、外壁材54の取付孔の内周面との間に隙間ができるように取付孔が形成されている。ボルトBと外壁材54の取付孔との間に隙間(遊び)があることで、地震などによって給湯器1が揺動しようとしても、その力が外壁材54には加わり難くなっており、給湯器1の荷重が外壁材54にかかり難くなっている。
【0031】
例えば、従来技術のように、壁パネル表面の石膏ボードに給湯器1を固定した場合、大きな地震などによって給湯器1が揺動しようとすると、石膏ボードにその力が加わってしまうので、給湯器1の安定した設置状態を維持するうえで好ましくない。
これに対し、建物ユニット50の柱51と間柱51aとに保持された下地材2に達するボルトBで給湯器1を下地材2に固定した場合、大きな地震等によって給湯器1が揺動しようとしても、その力が外壁材54には加わり難いため、結果的に給湯器1の安定した設置状態を維持することが可能になる。
【0032】
以上のように、建物ユニット50の柱51と間柱51aとの間に固定された下地材2が外壁材54の裏側に配設されている外壁構造5であれば、給湯器1などの壁面設置物をより強固に建物の壁面に固定することができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、
図2に示すように、南側洋間14寄りの西側の袖壁50bに給湯器1を設置したが、南側洋間15寄りの東側の袖壁50bの外壁材54の裏面にも下地材2を取り付けているので、この東側の袖壁50bに給湯器1を設置してもよい。
【0034】
また、例えば、
図7に示すように、正面壁50aの外壁材54の裏側に下地材2を取り付けておけば、正面壁50aに給湯器1を設置することができる。
つまり、正面壁50aの外壁材54の裏側と、袖壁50bの外壁材54の裏側の両方に下地材2が取り付けられた建物ユニット50であれば、正面壁50aと袖壁50bの何れにも給湯器1を設置することができるので、建物の方位や間取りなどに応じた適正な壁面を選択して給湯器1を設置することができる。
【0035】
なお、以上の実施の形態においては、建物ユニット50の柱51と間柱51aとの間に固定された下地材2が外壁材54の裏側に配設されている外壁構造5を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、軸組工法などで構築した建物の柱間に下地材2を固定し、その下地材2が外壁材の裏側に配設されてなる外壁構造であっても、同様の効果を奏する。
【0036】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。